今回もスタッフでした。今回は非常に平和な大会だったので、スタッフとしてもかなり気楽にやれました。
 大会的には、ジュニアの健闘がとても目立ちますね。前回はトップ8にジュニア3人、今回も2人(10位まで含めれば3人)です。5回戦目まで複数のジュニアがトップ8のラインを争う光景は、見ていてなかなかのものでした。

 ペアリング処理の時間の穴埋めにと、思いつきでやってみたポケモンお絵かきですよ(ローカルネタ)ですが、思いのほか好評だったので良かったです。個人的には、見ていて面白いので次回もやりたいですw

 そして今回も、カードランド時和さん(http://tokiwa.diarynote.jp/)との連携企画を実施中です。
 スコアシートを店舗に持っていくと、ジュニアは1パック、中学生以上ならジムバトルの参加費1回無料となっています。
 期限は次回のうきにん杯まで(2月9日)なので、ぜひぜひお早めに!

 ついでに26日はトキワ杯です。
 デッキ調整のために、なぜかWCS2012のデッキやレポートまで漁っています。でも結果はいかに……?
【デッキリスト】第36回うきにん杯トップ3デッキ
【デッキリスト】第36回うきにん杯トップ3デッキ
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201401222032218804/にあります)
 順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。

1st Place:コーヤ(非公開)

2nd Place:しらさぎ(シビビールバレット)

3rd Place:みおちん(オーロット/デオキシスEX/パルキアEX)

 入賞された方々、おめでとうございます。
 今回も翻訳ではありません(たぶん)。

 昨年12月くらいから海外で注目され始めた、"The Yeti"(イエティ)というデッキがあります。このあいだのHenry Priorの記事(http://ukinins.diarynote.jp/201401031744297893/)でもちょっとだけ言及されていたので、ご存知の方もいると思います。
 その記事の中では、Henry Priorに「日本人はプラズマの構築をちゃんとわかってないんだと思う」と言い放たれてしまったわけですが、その正誤はともかく、せっかくなので「イエティ」とはどんなデッキなのか、見ていってみましょう。

「イエティ」が注目されるようになったきっかけは、この冬にアメリカで開催されているCities(都市別大会)の結果でした。その中でも大きな要素となったのが、12月末にSixPrizesに出たふたつの記事です。

Beware the Snow Monster from the North: A Cities Report with “The Yeti”
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/24/beware-snow-monster-north-cities-report-yeti/

Breaking Down the Hype: How Does “the Yeti” Address Movements in the Format?
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/30/breaking-hype-yeti-address-movements-format/

 長くなるので訳しませんが、ひとつめはレポートとデッキがメイン、ふたつめは考察がメインの記事になっています。
「イエティ」とはどんな構築をしているのか、ひとつめの記事から、デッキレシピだけ引用してみましょう。

2 カビゴン
3 ルギアEX
2 ボルトロスEX
2 デオキシスEX
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 ダークトリニティ
1 フウロ
1 アイリス

3 ハイパーボール
2 プラズマ団のモンスターボール
4 アクロママシーン
3 ポケモンいれかえ
2 まんたんのくすり
2 ツールスクラッパー
1 エネルギー転送
1 スクランブルスイッチ
3 凍てついた街

6 雷エネルギー
4 プラズマエネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 解説は後回しにしますが、おおむね一般的なパーツはすべて入っています。

 ひとまず、こうして注目された結果、このデッキは一躍、今月アメリカ行われているWinter Regionals(地区別大会。かなり大規模)の有力デッキとなったわけです。
 復讐ブースターの製作者として有名なDylan Bryanや、60cardsのライターJustin Sanchezの両者が、ともに、Winter Regionalsの有力デッキとして、ゲノセクト/ビリジオン、ダークダスト、そしてこの「イエティ」の3つを挙げています。
(上がDylan Bryanの記事、下がJustin Sanchezの記事です)

“The Big Three” -- Top Decks to Prepare for at Winter Regionals 2014
ttp://www.sixprizes.com/2014/01/07/the-big-three-top-decks-to-prepare-for-at-winter-regionals-2014/

A look at Cities and what it means for Winter Regionals.
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/122

 Justin Sanchezの記事からサンプルレシピを引用してみます。良くまとまっていてわかりやすいからで、それを元に、僕なりに少し解説してみたいと思います。

3 ボルトロスEX
3 デオキシスEX
2 ルギアEX
2 カビゴン
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 ダークトリニティ
3 フウロ
3 アクロマ

4 アクロママシーン
4 ポケモンいれかえ
3 凍てついた街
2 ハイパーボール
1 ツールスクラッパー
1 プラズマ団のモンスターボール
1 まんたんのくすり
1 エネルギー転送
1 スクランブルスイッチ

4 ダブル無色エネルギー
4 プラズマエネルギー
3 プリズムエネルギー
3 雷エネルギー

 まず前提として、海外のメタゲームの動向があります。以前にも少し触れたのですが、BW3以降レギュの海外においては、トップメタは明らかにビリゲノです。
 レギュ的にシビビールが不在で、ビクティニ(同じくレギュ外)に一撃でやられる心配もありません。また、トロピカルビーチの存在によりカメケルが未だ有力デッキのため、それに対して戦えるというのもビリゲノ躍進の大きな理由です。
 しかし一方で、シビビールの不在が、結果として雷弱点のルギアEXが活躍できる下地になってもいます。

 デッキの主な狙いはシンプルで、ボルトとルギアによる、いわゆるワンツーパンチです。ただそれに加えて、カビゴンでの攻撃やゲノセクトのとくせいも絡むため、動きは思いのほか複雑になります。
 特にカビゴンによる攻撃は、手貼りかライデンナックルでダブル無色を貼れる機会が多いので見た目以上にやりやすく、またHP130も落ちにくいため、EXに一撃当てるだけでゲームをひっくり返せるパワーがあります。
 プラズマエネルギーの食い合いになるのでゲノセクトの運用は難しいですが、ダークトリニティでプラズマエネを拾う動きが構築に含まれているため、ゲームプラン的に狙って動くことも多々あります。

 凍てついた街は、海外環境の結果です。最大の要因はビーチが健在でカメケルが多いことですが、タチワキを割るのも大事な仕事です。もちろん、ルギアの射程に入れるための重要なダメージ源でもあります。
 色エネの配分は上のデッキふたつで割れていますが、有力デッキであるダークダストのハンマーを(特に改造ハンマーを)ケアするならば、基本の雷エネのみになります。
 ただ、プリズムエネがあるとデオキシスで攻撃できることに加え、ゲノセクトにどこかのタイミングで2枚貼っておけば、手貼りプラズマエネのレッドシグナルから、相手の置物のケルディオやジラーチを狩ることなどもできます。

 概して、動きが大味に見えるデッキですが、場やエネの管理など、細かいプレイがかなり要求されるデッキです。Sムラさんがご自身のDNでおっしゃっていたとおり、5枚取られて6枚取るような斬り合いにもなりやすいので、サイドの計算や相手のNのケアなど、使ってみると注意しなければならない点が案外多いことがわかるデッキでもあります。

 最後に、僕が使っているデッキを載せてみます。
 日本でこの「イエティ」を使う際は対シビビールがネックになりがちですが、先に触れたHenry Priorが言及していたとおり、パルキアをタッチするという方法もあります。
 もともとダブル無色とカビゴンが入っているデッキなので、組み込む上でもそんなに支障はありません。

3 デオキシスEX
3 ボルトロスEX
2 ルギアEX
2 カビゴン
1 パルキアEX
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 フウロ
1 ベル
1 ダークトリニティ

4 アクロママシーン
3 かるいし
3 あなぬけのヒモ
2 ちからのハチマキ
2 プラズマ団のモンスターボール
2 ツールスクラッパー
1 ハイパーボール
1 まんたんのくすり
1 スクランブルスイッチ

4 ダブル無色エネルギー
4 プラズマエネルギー
3 プリズムエネルギー
3 雷エネルギー

 必要性をあまり感じなかったので、ルギアでの170点は出しにくい構築になっています。デッキの動きは上で解説したものとだいたい同じですが、相手や盤面に応じて、ボルトルギアで動くかパルキアカビゴンで動くか切り替えます。やっぱりパルキア強いですね。

 海外では、このあと2月5日にXY1の発売が控えています。
 ハチマキの参入はこの「イエティ」にも大きな影響を与えそうです。ビリゲノの優位が続くのか、それに代わるデッキが出てくるのか、海外のメタゲームも楽しみですね。
 今回は翻訳ではないです。
 うきにん杯含めた自主大会等でのジャッジング基準について、思ったことを書きます。
 僕は基本的に、ポケカではゲームロスを多く出すことには反対です。
 以下にその理由を述べます。

■懲罰ごとの価値の違い

 ゲームロスと言うときよく比較されるのがMtGですが、MtGの懲罰(ペナルティ)定義は以下のようになっています。
(参考:ttp://mtg-jp.com/rules/docs/JPN_IPG.html)
・注意→警告→ゲームロス→マッチロス→大会からの失格
 ゲームロスは上から3番目、マッチロスは上から2番目の重さのペナルティとなっています。
 次にポケカですが、ポケカの懲罰定義は以下のようになっています。
(参考:ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/floor-rule.pdf、※いきなりpdfが開くので注意※)
・注意→警告→サイド→敗北→大会からの失格
 ゲームの敗北は上から2番目の重さのペナルティとなっています。

 そして、通常3ゲーム制で行われるMtGでは、ゲームロスは敗北の決定的要因になりえない(2ゲーム取れば勝てる)のに対し、ポケカではゲームロスはそのまま敗北となり、かつ短ラウンドのスイスドローやトーナメントの多いポケカでは、ゲームロスは個人にとってそのまま大会の終了に繋がりうる、という事実があります
 つまり、ゲームロスと言っても、ポケカと他のカードゲームでは意味合いが大きく異なります。
 これを理解せずにゲームロスの必要性を説いても意味がありません。

■参考例:過剰ドローの場合

 一番よく起こりうる違反行為に過剰ドローがあります。
 過剰ドローは、MtGの場合、ゲームロスと規定されています(上のURL参照)。
 ポケカの場合、警告として規定されています(上に同じ)。
 ポケカは甘すぎると批判することは容易ですが、仮にMtGと同基準に置くならば、ペナルティはゲームロスではなくサイドペナルティになります。
 少なくとも両カードゲームのフロアルールを参照する限り、ポケカでの過剰ドローはゲームロスにはなりえません。

■結論

 ポケカでゲームロスを乱用すべきではない理由は、以下の2点です。
・ゲームロスについてはよくMtGが参照されるが、ゲームロスの価値はMtGとポケカでは大きく異なる。
・過剰ドローなどはポケカのフロアルールに規定があり、それを無視するのはポケカをやる意味がない。

 また、この点についてはゲームロス賛成派から以下のような反論が考えられます。
「基準が甘いと公式大会で苦労するのではないか」
「裁定を甘くしてはイカサマが増えるのではないか」

 これには以下のように反論することができます。
・公式大会はポケカのフロアルールに基づいて行われる。現フロアルールに基づく限り、ゲームロスはほとんど発生し得ない(そして、相手からの言いがかりに対処するために、それをプレイヤーが知っておく必要がある)。
・イカサマの量はフロアルールの規定とは別問題であり、どんなフロアルールであってもイカサマは発生し得る。イカサマに対処することとフロアルールを厳密に運用することは別である。むろん、イカサマには厳しい対処が必要であることは言うまでもない。

 以上の点も踏まえた上で、うきにん杯を含めた自主大会では、ポケカのフロアルールどおりの適用か、あるいはそれで軽いと感じるならば、それらを一段階重くして運用することが適切だと考えます。
 もちろん、プレイヤーが不正行為防止に努めることは絶対に必要であり、その点の意識改革が必要なことは言うまでもありません。フロアルールについての結論は、プレイヤー意識の問題とは矛盾しません。

 何より一番大事なのは、何か「おやっ」と思ったら、すぐに手を止めてジャッジを呼ぶことですね。
 ジュニアがメインのカードゲームで、ジャッジキルがどうこうと殺伐とする必要はないと思います。
「このゲームは競技寄りだが、究極的には小さい子たち向けに作られているというのを忘れてはいけない。自分が戦っている試合をあまりに大それたものと考えてしまうと、ストレスも大きいし、楽しくなくなってしまう」とは、かのJames Goodの名言ですね。

 以上になります。
 質問、意見などお待ちしています。
【翻訳】キャッチャーの新ルール――あなたならコインを投げますか?
【翻訳】キャッチャーの新ルール――あなたならコインを投げますか?
 今回は60cards.netから。
 なんというか本当に遅れすぎていて申し訳ないのですが、とーしんさんが12月上旬に寄稿なさっていた、ご自身2つ目の記事の翻訳になります。
 僕自身もこの記事が出た直後は、周囲に「とーしんさんの記事は読むべき」と言いまくっていたのですが、忙しくて肝心の翻訳をしていなかったという駄目っぷり……。

 内容は、日本の誇る二大自主大会の紹介と、ルール変更後の海外メタ予想とデッキ紹介。XY前の記事なのでそれには対応していませんが、メタ予想もデッキ紹介も、流石の切れ味です。
 何よりデッキ紹介での解説は、レギュが違っているとはいえ、必読レベルの内容でしょう。特に、過去にサザンダークを使ったことがある人は、自分のプレイの良い点悪い点を振り返ってみてはどうでしょうか。
 冒頭の魔女さんによる英訳者注も、絶妙に良い味を出しています。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

A New Rule for Pokemon Catcher- Will You Flip The Coin?
by Shintaro Ito, trans. Majyo
Monday, December 2, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/107


 みなさん、お久しぶりです! スイクン/テラキオンの記事を書いたとーしんです。
(英訳者注:信じる信じないは別として、スイクン/テラキオンは、とーしんさんがバトルカーニバル名古屋で優勝してから有名なデッキになりました。名前よりもデッキの方が有名になってしまったので、とーしんさんのことをスイクンテラキの人と呼ぶ人さえいるんです。それと、Facebookであの記事に対してたくさん「いいね!」を実際にもらっていたので予想はできていたのですが、それでも、Regionalsでスイクン/テラキオンが使われていたことを、本当にうれしく思います。とにかく、私たちの記事を読んでくださっているみなさん、本当にありがとうございます!)

 今回は、新フォーマットを受けて、日本の自主大会でどんなデッキが結果を残したかについてお話しします。知ってのとおり、11月8日から、いくつか変更点があります。

1.ポケモンキャッチャーがポケモンリバースになりました。つまり、ベンチを引っ張り出そうと思ったら、コインを投げなければいけない、ということです。

2.先攻プレイヤーは1ターン目にワザを使えなくなりました。上で触れたのですが、新フォーマットを受けて、こちらでは2つの大会が実際に行われました。その2つは自主大会ですが、こちらと他の海外とが異なっている点は、こちらではまだBWのすべてのカードが、つまりビール系やビクティニ(Ⅴジェネレート)が使えるということです。では大会で何が結果を残したのか見てみましょう。

おーす!未来のチャンピオン杯

 これは東京で毎月開かれている最大の自主大会で、各地からレベルの高いプレイヤーが多数参加します。ハイレベルな試合を見ることができますし、大会結果はメタ内のデッキにも大きく影響します。ところで、この大会名は、ポケモン赤青緑、金銀クリスタルに出てくるジムの入り口の人〔※訳注:ガイドーさんという名前らしいですね〕が言う、有名な台詞から来ています。

 それは……「おーす!みらいのチャンピオン!」。そうです、この大会の目標は、未来のチャンピオンを輩出することです。この大会に参加しているプレイヤーの中には、本当に公式大会で優勝して、世界大会の権利を獲得した人もいます。来年も、参加者の中からチャンピオンが生まれてほしいと思います。

 この大会の結果は以下のとおりです。

1位:レックウザEX/シビビール/ライコウEX/ビクティニ(Ⅴジェネレート)
2位:ダストダス/ランドロスEX/ミュウツーEX
3位:デオキシスEX/ボルトロスEX/キュレム

金ギャラドス杯

 こちらは名古屋で開催されている大会です。中部地区に住んでいるプレイヤーがターゲットですが、こちらもレベルの高い大会です。招待があれば他地域のプレイヤーも参加できますし、毎回100人近いプレイヤーが集まります。もしかすると、なぜ「金」ギャラドス杯という名前なのか疑問に思われるかもしれません。実際ひかるギャラドスは赤い色ですし……これはどういうことなんでしょう。ではひかるコイキングは? 金色ですね。そして金のコイキングは、名古屋の有名なシンボルであるシャチホコと、非常によく似ています。コイキングがギャラドスに進化するように、たくさん対戦して経験値を得て、強く上手いプレイヤーになるというイメージが、大会名の由来になっています。

1位:レックウザEX/シビビール/ライコウEX/ビクティニ(Ⅴジェネレート)
2位:パルキアEX/チルタリス/ラティアスEX/シンボラー
3位:ゴチルゼル/アギルダー/ブースター

 この2つの大会から、今のところシビビールがかなり結果を残しているのがわかります。では他のデッキを見てみると、いくつか新顔のデッキがありますね。さておき、金ギャラドス杯で3位になったのは自分なので、そのゴチルゼル/アギルダー/ブースターデッキを紹介したいと思います。

4 ゴチム
1 ゴチミル
4 ゴチルゼル
3 チョボマキ
3 アギルダー
2 イーブイ
2 ブースター
1 ミュウEX
1 ケルディオEX

4 アララギ博士
4 N
2 フウロ
2 アクロマ

2 トロピカルビーチ

4 ふしぎなアメ
3 レベルボール
3 ハイパーボール
3 ポケモンキャッチャー
2 かるいし
2 ツールスクラッパー
1 シルバーバングル
1 ダウジングマシン

4 ダブル無色エネルギー

〔※訳注:原文の段階で58枚でした〕

 このデッキは基本的にゴチルゼル/アギルダーですが、新フォーマットに対応するために多少の変更があります。
 シルバーバングルの登場で、HP170のEX(たとえばミュウツーやトルネロス)を相手のエンド時に倒せるようになりました。つまり、なぐってドロンで50点、毒で20点、次にバングルつきのなぐってドロンで50+30点、最後に毒で20点です。ケルディオEXならば、草弱点なのでバングルつきのなぐってドロンが160ダメージになり、毒の10点できぜつさせられます。
 こう言うとゴチルゼル/アギルダーがBW9で強くなったように見えますが、実際はそうではありません。ビリジオンEXが出てしまったおかげで相手をマヒでロックするのが難しくなってしまい、また1ターンに草エネを2枚貼れるエメラルドスラッシュが強く、ビリジオンはメタ内カードの仲間入りをしました。なので、今ではゴチルゼル/アギルダーはあまり見られず、ほとんど絶滅寸前です。ブースターが役に立つようになったのはこんなときでした。ブースターがいれば、ビリジオンEXに対しては5割以上勝てるようになります。
 マッギョやクリムガン(逃げるロック)でゲームが終わってしまうので、ケルディオを入れてあります。白銀の鏡も入れていたのですが、もうデッキから抜いてしまったのでケルディオもいらないかもしれません。キャッチャーをまだ3枚入れているのは、相手のケルディオを倒すためです。3回コインを投げれば1回は表が出るはずです。
 また、白銀の鏡1枚とすごいつりざお1枚は、ゴチルゼル1枚とスクラッパー1枚に変えました。この理由は、プラズマ(デオキボルトキュレム)はかなりキャッチャーに依存するデッキなので、新環境初期はあまりいないだろうと思ったからです。スクラッパーの追加はダストダスが増えると思ったからで、また、ゴチルゼルを立てることは、このデッキで一番大切なことだと強く思います。ただ、新環境で使ってみて、パルキアEXとゲノセクトEXを多少見たので、白銀の鏡はやはり必要かもしれません。
 使い方:このデッキでまずやるべきことは、ゴチルゼルを立てて相手のグッズをロックすることです。2体目のゴチルゼルもベンチに置きたいですし、必要ならばケルディオEXのためにベンチの枠をひとつあけ、残りの枠はアギルダー用です。必要ないときは、絶対にイーブイを出してはだめです。ベンチのスペースが埋まってしまいます。さて次のところでは、各メタ内デッキに対してこのデッキがどう動くのかを説明します。

対ゲノセクトEX/ビリジオンEX

 普通にスタートしていいですが、ゴチルゼルは早めに立てましょう。ベンチにチョボマキを置くと、相手は必然的にレッドシグナルでそこを倒しに来ます。相手に2、3枚サイドを取らせてからイーブイを出し、Nを撃ってゲームスタートです。ビリジオンではブースターは一撃で倒せないので、もしブースターで2回攻撃できれば、勝てる見込みはかなり高くなります。また、もしバングルを貼れていれば、ビリジオンやゲノセクトを倒すのにトラッシュにはポケモン4枚だけでよくなります。

対カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

 相手のカメックスより先にゴチルゼルを立てられれば簡単なゲームです。もしゴチルゼルより相手のカメックスの方が早かったらどうすべきでしょうか? たとえゴチルゼルが立っていなくても、バングルつきのなぐってドロンでケルディオを一撃で倒せたらそんなにきつくはありません。そもそもカメケルは、スーパーエネルギー回収のようなグッズに強く依存するデッキなので、ゴチルゼルがバトル場にいる限り、動きを維持するのが難しくなります。なのでだいたいの場合、この相手には勝つことができます。

対ダストダス

 ゴチルゼルを立てて、正しいタイミングでスクラッパーを使いましょう。相手のとくせいに対処できればゲームにはそのまま勝てるはずです。スクラッパーは2枚入っているので、1枚がサイド落ちしても困ることはありません。ただ、スクラッパーがサイド落ちしても自動的に負けになるわけではないので、1枚に減らすべきかもしれません。

 本題に戻って、今のメタを見てみましょう。基本的にはビール系がメタの中心にいます。これは、こちらにはビクティニ(Ⅴジェネレート)があってビリジオン/ゲノセクトにかなり戦えることと、新ルールの影響で、簡単にはキャッチャーでビールが引っ張り出されなくなったからです。なので基本的に、今はレックウザEXで180ダメージが出しやすくなっています。ならば他のデッキはどうなのでしょう。ただそれはさておき、海外ではどうなっていくのか、自分の予想を書いてみます。

Tier 1

ビリジオンEX/ゲノセクトEX/その他
カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
ボルトロスEX/ルギアEX/デオキシスEX/カビゴン

Tier 1.5

ダストダス/ランドロスEX

Tier 2

ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム
ビリジオンEX/ミュウツーEX/その他
タマタマ/マニューラ
ダークライEX/ノヨワール

 おそらく、ビリジオンEX/ゲノセクトEXは、レッドシグナルがあるのでかなりやれると思います。それを倒すのにブラックキュレムEXとルギアEXの打点は使えますし、ダークライEXは今までキャッチャーにかなり依存していたので、ヨノワールでダメカンをコントロールして戦う形になると思います。

 ポケモンキャッチャーはノーリスクでベンチを呼ぶことができていたので、キャッチャーがないとなると、ほとんどのとくせいはかなり強くなると思います。キャッチャーに代わるものはないんでしょうか。以下に挙げるものは、自分がキャッチャーの代わりになりうると思うカードです。

1.ゲノセクトEX

 とくせいのレッドシグナルはキャッチャーと完全に同じ効果です。メガロキャノンはダークライEXとよく似ていますし、Gブースターで200ダメージを出すこともできます。ビリジオンEXの加速があればゲノセクトEXはさらに強いカードになります。

2.キュウコン

 キュウコンのとくせいは進化したときにキャッチャー効果です。ただ、ロコンがキュレムのフロストスピアで一発できぜつするので、あまり使われていませんでした。個人的なおすすめはダークライEXとの組み合わせですが、90という打点は、低くはないですがあまり高くもありません。

3.ヨノワール

 とくせいでダメカンを効果的に動かすことができます。まだそんなに多くはいませんが、将来的にはたくさん見ることになると思います。

4.ヤミラミ

 コインになりましたがキャッチャーはいまだに効果的なカードです。裏が出ても、ジャンクハントで拾えばいいわけです。

5.あなぬけのヒモ

 キャッチャーではないですが、ベンチを引っ張り出すことができます。ルギアEXやブラックキュレムEXのような高い打点のカードをベンチに置けるデッキで使えれば強そうに見えます。

 ここまでが代替案ですが、ここからは、バトル場にいるときに相手を困らせるカードを挙げていきます。

1.スイクンとシンボラー

 この2枚のしんぴのまもり持ちは、EXからの攻撃を防ぐことができます。相手にしたときには、対処できなければ負けてしまうでしょう。前環境でもそれはよくあったことですが、今後もそうだろうと思います。

2.カビゴン

 にげるができなくなります。以前はキャッチャーでバトル場からどかせられましたが、エラッタのせいで確実ではなくなりました。ポケモンいれかえのようないれかえ系のグッズが必須になってきます。

3.ムーランド

 バトル場にいるときに、サポートを使えなくなります。おそらく、カイオーガEXのような、ベンチと入れ替えるワザを持ったポケモンと組み合わせて使われると思います。ただ、今のところ日本ではあまり多くはいません。

4.げきりん(ゼクロム、レシラム、キュレム)

 バトル場にいるときは、かなりやっかいな存在です。HP130を一撃で倒すのはかなり難しく、放っておけば120ダメージを撃ち始めたりもします。

 記事を終える前に、新環境で自分が使っているデッキをひとつ紹介したいと思います。どんなデッキに対しても、自動的に勝ったり負けたりということのない、オールラウンドなデッキです。違ったタイプを挿せば、新環境でも強くなると思います。ただ気をつけてほしいのですが、ゲームの序盤から攻撃を始めると、おそらく負けてしまうでしょう。

・サザンドラ/ヨノワール/ダークライEX

3 ダークライEX
2 ヤミラミ
2 モノズ
2 サザンドラ
1 ヨマワル
1 ヨノワール
1 ギラティナEX
1 ミュウツーEX
1 ビクティニEX
1 ビリジオンEX
1 シンボラー

4 アララギ博士
4 N
4 アクロマ
3 ベル

3 ふしぎなアメ
3 ダークパッチ
2 改造ハンマー
2 ツールスクラッパー
2 まんたんのくすり
2 ハイパーボール
2 レベルボール
1 すごいつりざお
1 ダウジングマシン

7 悪エネルギー
4 ブレンドエネルギー草炎超悪

 使い方:基本的に、場はこのような感じです:ヤミラミ、サザンドラ、ダークライ、(ヨノワール)、そして2枠がフリースペースで、相手がどくさいみんを撃ってくるならビリジオンを置き、相手がスイクンやシンボラーを使ってくるならギラティナを出しましょう。ただ、ゲームの最終盤にならない限り、ミュウツーやサザンドラで攻撃してはだめです。ミュウツーのエックスボールやサザンドラのリューズブラストは場からエネルギーがなくなる可能性が高く、リスクがあるからです。
 また、自分のリストを人に見せるたび、悪エネ7枚ではダークパッチが使いにくいんじゃないかと訊かれます。答えはノーで、使うのは難しくありません。自分がダークサザンでダークパッチを使いたいのは場のエネルギーを復旧させたいときで、とりわけポケモンが倒されたときです。
 多くの人は、ハイパーボールで悪エネを1、2枚捨てて、それからダークパッチを使って、というように、ダークパッチをエネ加速エンジンとして使っていると思います。しかしここでは、リカバリーソースとしてダークパッチを使います。
 EXが落ちなかったときにはまんたんのくすりが役立ちますし、特殊エネルギーを貼られたら改造ハンマーを使いましょう。ツールスクラッパーは、ダストダスやケルディオのかるいしを割ります。これらのカードが強いのは中盤ですが、序盤に捨ててしまっても、ヤミラミが2枚入っているのでジャンクハントで拾うことができます。

 書くことはまだあるのですが、今日はここまでにします。また来月お会いしましょう。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、とーしんさんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 記事中盤では海外のメタ予想があるのですが、これは見事に当たっていて、現状の海外メタは、ビリゲノがトップ、それを追いかけるカメケルとルギア型プラズマ、そしてエンペルトやダークライ派生がそれに続く、という形になっています(TheTopCutの集計による)。
 そのあとで挙げられているゲノセクトやあなぬけのヒモ、カビゴンも、今の日本の、レックビール全盛以後のメタゲームの中での注目株のカードたちですね。

 記事の最後によればまた今月も寄稿してくださるようなので、期待してしまいます。
 抜いてきました(過去形)。
 かかりつけにしている歯医者さんから「将来的に虫歯になるから抜いた方がいいですよー」と言われていた下の親知らずでしたが、4月からは抜くタイミングが無くなりそうだし、ということで、とうとう抜いてきました。まだ片方だけですが。

 こういう手術めいたものはこれまで一切受けたことがなかったので、骨を削るという話を聞くに至って正直ガクブルでしたが、治療は何とかなりました。麻酔の力ってスゴい。
 今は麻酔も無事に(?)切れて、腫れと疼痛にうんうんうなっています。人体ってつらい。
 こうして、親知らずのあるうきにんさんから、親知らずのないうきにんさんにメガ進化してしまいました。HPは特に変わってません。むしろ減っています。

 1週間後に抜糸、来月に残る片方を抜歯です。どうでもいいですが、あのドリルの音はいつになっても慣れませんね。みなさん歯はよく磨きましょう。僕は別に虫歯じゃないのですけれど。
【翻訳】「対岸の祭だけれども」――日本のバトルフェスタ2013考察
 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 さてさて、新年一発目のエントリも翻訳です。
 今回はSixPrizesから。タイトルのとおり、海外勢から見た日本のバトルフェスタの感想になっています。著者のHenry Priorは、SixPrizesのライターにして有名プレイヤー。
 この記事も会員限定記事なので、無料で読める前半部分のみの翻訳になっています。それだけでも十分面白いのですが、今回ばかりは後半が訳せないのがちょっとだけ悔やまれます……w

 そういえば、大晦日に大和さんの3番目の記事の翻訳をアップしていたのですが、タイミングが最悪だったせいか閲覧数が全然伸びませんでしたw;
 非常に面白いので、これを読んだあとはぜひそちらもお読みいただければと思います。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

“A Festivus for the Rest of Us” -- An Analysis of the 2013 Japanese Battle Fiesta
by Henry Prior
Thursday, January 2, 2014
ttp://www.sixprizes.com/2014/01/02/a-festivus-for-the-rest-of-us-an-analysis-of-the-2013-japanese-battle-fiesta/


 SixPrizesのみんな、こんにちは! 明けましておめでとう。良い休暇を過ごせていることを願うよ。前の記事でも触れたとおり、今回は、日本のバトルフェスタと、来たるXYセットがどうなるかについて話してみたいと思う。

 バトルフェスタが何か知らない人のために説明すると、これは日本の大規模大会で、アメリカで言えば大きめのState Championshipか、小さめのRegionals Championshipみたいなものだ。場所は二箇所で、最初は12月15日に大阪で、二度目は12月22日に東京で行われた。

 このイベントのフォーマットはBWからコレクションXとコレクションYまでで、これが今現在の日本のスタンダードフォーマットになっている。どういう感じのイベントなのか知りたければ、僕が書いたバトルカーニバルについての記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/05/12/step-right-up-and-win-a-prize-an-analysis-of-the-japanese-battle-carnival/〕を見てほしい。

 それと、トロピカルビーチとチャンピオンズフェスティバルが、両会場で禁止になった。禁止カードが出るのは2002年以来のことで、そのときはニューラ(ネオ1)とヤドキング(ネオ1)がふくろだたき系のデッキで環境を支配して、事実上ほかのデッキ全てが使い物にならなくなってしまっていた。

 チャンピオンズフェスティバルの禁止は意外だった。最初に禁止にするには弱すぎるし、今のところはマニアックなデッキでしか強くないカードだからだ。ただ、トロピカルビーチの禁止にはそこまで驚かなかった。ものすごい値段にわずかな流通量、そしてルール変更以来あらゆるデッキで使われるせいで、このカードはゲームに大きな問題を投げかけている。理論上、特定のカードをすべてのプレイヤーが使えるわけではないというのならば、それは問題だ。

 残るFall Regionalsでも、全員が2枚かそれ以上のビーチを使うというのは、まず不可能だと思う。仮にそれだけのお金があったとしても、ビーチはそこまでの枚数が印刷されているわけじゃない。僕はビーチの禁止という判断に賛成だし、TPCi〔※訳注:海外での株ポケ〕にも、ビーチに関して何らかのアクションを起こしてほしいと思っている。

 こちらと向こうにはこういう違いがあるから、こちらでXYがリリースされても、どのデッキが良いかについて向こうのデッキが完璧な指標になるわけじゃない。それでも、ある程度の情報を持ち帰ることはできる。僕の持っているふたつの情報はそれぞれ片方ずつのイベントでのものだから、どういうデッキがあってどういう感じだったか、そしてマスターに該当するディビジョンで何が上位入賞したのか、見ていくことにしたい。

■バトルフェスタ大阪――12月15日

 これはコレクションXとYが使えるようになった最初のイベントで、日本で発売されてからわずか数日後だったから、プレイヤーの多くはカードを全部持っていなかったり、何を使えばいいのかわかっていなかった。僕のメール相手はナッシー/レッドカードと他のアタッカーを入れたデッキでトップ8に入賞した。彼のデッキのコンセプトはすごく気に入ってるから、記事の後半で、それについてもっと話したいと思う〔※訳注:記事の後半は残念ながら会員限定記事です!w〕。

トップ4デッキは、
1位:レックウザEX/ライコウEX/シビビール
2位:ダークライEX/イベルタルEX/ランドロスEX/バッフロン/アブソル
3位:ゼクロム/ゼクロムEX/シビビール
4位:ホウオウEX/ビリジオンEX/シェイミEX/アブソル/トロピウス/カクレオン

優勝デッキリスト

4 シビシラス(BTV-1, BKZ-1,BW2-2)
4 シビビール
2 レックウザ
1 レックウザEX
1 ゼクロム
1 ビクティニ
1 ライコウEX
1 ジラーチEX
1 バリヤード

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ

4 ハイパーボール
3 レベルボール
2 ちからのハチマキ
2 ポケモンいれかえ
2 あなぬけのヒモ
2 はかせのてがみ
2 すごいつりざお
1 ポケモンキャッチャー
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン
1 スカイアローブリッジ

7 雷エネルギー
4 炎エネルギー

〔※訳注:元記事の段階で59枚です。てかこれ本物なの……?〕

 2つのシビビールデッキを除けば、ほかのデッキはXYの発売後に海外でも使えるデッキだ〔※訳注:BW2は海外ではレギュ落ち〕。現状ホウオウはアメリカで過小評価されているけれど、きちんと組めばかなりやれるはずだと思う。先週Andrew Zavalaが考察していたホウオウ/アーケオス〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/12/26/bringing-metagame-science-identifying-right-deck-play-look-ho-oharcheops/〕をテストしてみたら面白かった。みんなRegionalsのためにホウオウを温存してみれば良い結果になるかもしれないね。まあ結果はお楽しみにという感じだけど。

 海外ではシビビールは使えないけど、この結果からは、こちらのレギュの2つの「あまごい」系デッキについて、多くのことがわかる。カメックスとエンブオーシステムはシビビールデッキととてもよく似ていて、目標は同じだけど、アタッカーにエネを貼る手段が異なっている。カメックスとエンブオーよりもシビビールが好まれている理由は、ビーチが存在しないからだと思う。ビーチがないなら2進化を立てるのはかなりつらいし、カメックスやエンブオーデッキのほとんどにビーチが2、3枚入っているのはそれが理由だ。

 この結果から読み取れる一番大きなことは、カメックスとエンブオーの強さだと思う。Citiesの多くでカメックスやエンブオーが優勝したのはもう見てきているし、Winter Regionalsに向けて、結果の観点でいえばそれがベストなのは間違いないと思う。

 この結果でもうひとつ面白い点は、プラズマデッキがいないことだ。ここアメリカでは、TexasとChicagoのCitiesマラソンの連覇を含む、相当にきつい大会を、"The Yeti"〔※訳注:Yetiは雪男のイエティのこと。ttp://www.sixprizes.com/2013/12/30/breaking-hype-yeti-address-movements-format/〕が次々に制した。日本の人と話していても、プラズマはもうほとんどいなくて、使えるデッキだとは誰も思っていない、ということだった。

 プラズマは今でも本当に良いデッキだから、これには驚いた。おそらくみんなプラズマの正しい構築をちゃんとわかっていないせいだろうから、将来的にはプラズマはもっとたくさん使われると思う。レックウザ/シビビールとのマッチアップが面倒なのは、対カメックスやエンブオーのときのように、エネを貼るたび凍てついた街でダメージを乗せられないからだ。ただ、パルキアEXでレックウザをケアして、カビゴンに入れ替えるというテクニックは、Statesで使われていたプラズマのリストで何度か見たことがある。

■バトルフェスタ東京――12月22日

 聞いた話では、この大会には日本中からトップクラスのプレイヤーが参加していたらしい。先週末の大阪大会では、出場できない人がいたり、そうでない人はXYの発売直後で十分に準備ができていなかったりした。

 僕の友だちはレックウザ/シビビールを使ったけれど、残念ながらクライマックスステージ進出(つまり予選突破)はできなかった。この大会の結果はかなり面白いから、直接そこを見てみよう。

1位:パルキアEX/その他
2位:レックウザEX/シビビール
3位:プラズマ(デオキボルトキュレム型)
4位:ランドロスEX/ミュウツーEX/ダストダス

 残念ながらこの大会のデッキリストは手に入らなかったけど、全部面白そうだから困っちゃうね。こっちにダスト型のランドミュウツーがあまりいないのはダークダストの下位互換だと思われてるからだけど、ここではトップ4に入賞している。この大きな要因は、シビビールが多く使われているからで、ランドロスとミュウツーで序盤にシビシラスを倒して、後半にダストダスでゲームをコントロールできる、ということだろう。

 ただ、一番面白く見えるのはパルキアEXで、そこから話を始めよう。単に「その他」と書いたのは、たとえばカビゴンやユキメノコ(BW-P)のような、バトル場に置くと強いポケモンがたくさん入っているからだ。

 僕が知っている限りだと、Mark Oliverがこういうデッキをアーカンソーでずっと使っていて、現地のCitiesやLeague Challengesで良い成果を出している。ただ、それが他の地域に広まったり、使われたりしている様子はない。この結果を受けて、このデッキが流行るようならわくわくするし、何ができるのか、自分でもぜひ使ってみたいと強く思っている。

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 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 ここより後ろは会員限定記事になっていて読めないため、訳はここまでとしました。

 WCS2014のレギュがBW3以降なので、そのレギュに慣れている海外プレイヤーの意見は、WCSを見据える上でも参考になりますね。ただ著者も言っているとおり、ビーチの動向は気になります。

 余談ですが、文中で触れられているルギアカビゴン型プラズマ「イエティ」はけっこう流行っているらしく、海外のレポートでもときどき出てきます。
 言及のあるタッチパルキア型はちょうど2日のジムチャレで僕も試してみたのですが、竜王戦でもそのまま使えるので、知っておいて損はないデッキなのかもしれません(要望があればアップしますが僕のはあまり参考になりません)。

 海外でのXYセットの発売は2月5日。メタがどう動くのか、今から楽しみですね。
【翻訳】No.003:私のポケカライフ2001~2002
 今回は60cards.netから。大和さんの記事第3弾の翻訳になります。
 内容に関しては、英訳者の魔女さんがご自身のブログで的確に要約して下さっていますので、僕から言うことはほとんどありません。
 前回と今回の記事を読み返してみると、過去の振り返りをしつつも1つの結論に向かって話が進んでいて、本当に良いコラムだなあと改めて思います。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
 テキストの引用は前回同様ポケモンWikiさんからです。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

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No.003 My Pokemoncard Life 2001 to 2002
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Sunday, December 29, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/121


 お久しぶりのポケカライフ記事です! 
 これは第3弾の記事になりますが、今回は、2001年の後半から2002年にかけての話をしたいと思います。

 本題に入る前に、前回の記事を軽く振り返ってみましょう。2001年の夏の大会で3位になり、私はトッププレイヤーになろうと強く思い始めました。以来、優勝するため一生懸命やるようになったわけです。

 ネオシリーズ4番目の拡張パックで、ポケモン金銀を基にしたシリーズは終わりを迎えました。その次は「ポケモンVS」シリーズですが、これは日本でしか発売されなかったものです。しかしながら、ここで大きな変化が起こりました。まず、カードの裏面のデザインが変わったんです。そのため、「闇、そして光へ…」までのカードを「旧裏」、VSシリーズ以降のカードを「新裏」と呼びます。そういえば旧裏のカードを集めているコレクターの方もまだまだいると思うのですが、こういった旧裏のなかには、非常に高額なカードもあるんです。

 本題に戻りましょう。VSシリーズは、進化ポケモンがたねとして扱われた最初のシリーズでした。ちょうどSPポケモンのような感じです。とはいえ、このセットにはわざマシンもあったりしたのですが、強力なカードやキーになるようなカードは全然入っていませんでした(一番最近のわざマシンはギンガ団のものですね)。

 このセットに入っていたたねポケモンの多くは、過去に登場したたねポケモンよりほんのちょっと強いだけでした。ただ、VSシリーズのポケモンはわざマシンで攻撃することができました。そのなかには、エネがあまりかからず、とても強いものもありました。いつ使われるのか予想できないという点では、わざマシンはどうぐと同じような面白さがありますね。

 2001年の12月、eシリーズが発売されました。旧裏のカードが複雑だったこともあり、過去のシリーズと比べるとほとんどのカードが弱体化しました。そしてそのために、初心者がポケカに参入するのが難しくなってしまったんです。ワザのダメージ、特殊能力、トレーナーで引けるカードの枚数――これらすべてが、小さく、あるいは少なくなりました。

 たとえば旧裏にはオーキドはかせとウツギはかせがあり、7枚引くことができました。しかしeシリーズで主に使われたオーキドはかせの研究では、山札からたった5枚しか引けなかったんです。

 この当時の数年間はポケカの暗黒期だと言うプレイヤーもいます。ただ、個人的にはそうは思いません。いまのカードがあるのは、これらのシリーズがあるからこそなんです。ダメージ数やHPが跳ね上がったり、強いカードが出続けたなら、ゲームは簡単に壊れてしまいます。それに、環境が一新されれば、こういった数字は増えていくものなんです。最初のシリーズが出たときには、最大のHPは120でした。しかし17年経ってみたら、220になっています(メガカメックスとメガフシギバナですね)。最大HPは200までだろうという考えは、もう過去のものです。もしも最大HPが400になったりしたら、自分も歳をとったなと思うことでしょうね!

 ポケカではときどき、その都度カードの効果が(キャッチャーのように)変わったりもします。エネルギーリムーブと超エネルギーリムーブにエラッタがかかったのも、だいたいこの頃だったのではないでしょうか(確かほとんどの海外では"Energy Removal"は"Energy Removal 2"になったはずです)。そのようなエラッタに対して良い気分がしないときもありますが、それでも、動向を見守るようにしています。個人的には、ゲームバランスを調整するためにも、そういった効果は弱められた方が良いだろうと思います。

 それでは、当時使えたカードたちを説明していきましょう。
 サポーターが導入されたのは2002年の春だったかと思います。使用できたカードは、ディビジョンごとに違っていました。――ジュニアとシニアが使えたのはネオ1からeシリーズまでだった一方で、マスターは、すべてのシリーズのカード(第一弾からeまで)を使うことができました。13歳から17歳までがシニアリーグで、マスターリーグは高校生以上の年齢が対象でした。マスターリーグが追加されたのは2002年からですが、これは高校を卒業したプレイヤーたちにとって、本当にすばらしいニュースでした。――この枠が追加される前は、高校を卒業してしまったプレイヤーたちが参加できる枠がなかったために、そういったプレイヤーたちには公式大会でプレイできる権利がなかったんです。このおかげで、そういったプレイヤーたちもポケカを続けられるようになりました!

 ルールに関していえば、依然としてカードの使用制限がありました(興味があれば前回の記事を見てください!)。とはいえ、前回大会の結果を受け、カードの使用制限が前回とは変更されました。そのため、前回使ったキングドラデッキや、前回大会で優勝した他のデッキも使えなくなってしまったんです(一応キングドラを組むことはできましたが、リサイクルエネルギーが制限になったので、もはや強いデッキではなくなっていたでしょう)。

 また、今回は予選ラウンドから自分のデッキを使うことができるようになりました。これまでの大会では、主催者側が用意したデッキしか使えなかったんです。しかしながら、デッキは30枚でなければいけませんでした。これはおそらく日本限定のルールでしょうね。

 30枚デッキのルールは、60枚の半分なので、同名カードは2枚まで、またサイドの枚数は3枚でした。基本的に、ゲームは単純です。――ミラーやメタを意識したカードを入れるのは難しいからです。そのためメタは極めて単純で、プレイングを磨こうという努力はだいたい無駄に終わります。

 こういった説明をするとゲームがつまらないように見えるかもしれないのですが、30枚デッキを作るのは60枚デッキを作るのとは違っていて、またメタデッキに勝てるようなデッキを作るのはとても楽しい作業です。ただそれでも、ゲームが単純なので私は好きではなかったのですが。

 ここからは、当時どのようなデッキがいたのかについて話していきましょう(ちなみに、前回話したデッキの大半もまだ残っていました)。

・エンテイ(ネオ3)+炎ポケモン(キュウコン、ウィンディ、ホウオウなど)

 サポーターの導入で、ゲームスピードは遅くなっていました。エンテイの「おたけび」(この力は、このカードを手札から場に出したとき、1回だけ使うことができ、使ったら、自分の番は終わる。自分の山札の上からカードを5枚トラッシュする。トラッシュしたカードの中に「炎」エネルギーカードがあれば、それらすべてをトラッシュからとり出し、自分の場の「炎」ポケモンそれぞれに、好きなようにつける)を使えば、炎ポケモンが大ダメージで攻撃しやすくなります。しかし炎エネを探すのに山札の上5枚しか見れないことや、使ったらターンが終わってしまうため、いつも炎エネ加速を保証してくれるというわけではありませんでした。

・ゲンガー(e1)+オーダイル(e1)

 このシリーズは本当に弱かったと言ったのですが、この2枚の組み合わせだけは、おそらく旧裏に対抗できる力を持った唯一のカードでした。オーダイルのベンチ入れ替えの能力は強く、またゲンガーの「カオスムーブ」のおかげで、「くいちぎる」がもの凄い一撃になります。しかしながら、この2枚がどちらも2進化だったことと、ゲンガーのポケパワーを使うには条件があったために、このデッキを使う時には時間切れが不安要素のひとつでした。

・カスミのヒトデマン&その他

 このデッキは以前から存在していたのですが、とても面白いデッキなのでとにかく紹介してしまいます。カスミのヒトデマンにプラスパワーをつければ、スターブーメランで大きなダメージを与え、相手のポケモンを1発か2発で倒すことができます。そしてカスミのヒトデマンの攻撃はそれについている全てのカードを手札に戻すので、プラスパワーも戻ってきます。こうなれば大きなダメージを与えられるのですが、しかし相手に対処されてしまうと、勝つのは難しくなります。
 また、サポータールールによって山札から多くのカードを引くのが難しくなったために、このデッキはこの環境では使えなくなってしまいました。

 さてここからは、私自身のことをお話ししましょう。

 今回の大会では、私はシニアかマスターに参加することができました。なぜかはわからないのですが、私は、バトルロードスプリング2002仙台大会のマスターリーグに参加することにしました。験かつぎというわけでもないのですが、仙台の大会に出るのが好きだったんです。

 予選ラウンドは前回と同じでした。それぞれの卓に6人から10人のプレイヤーがいて、3人と3試合を行います。1位になれば予選を抜けることができました。

 このときは、カリンのバンギラス/ゲンガーを使いました。ゲンガーのカオスムーブが最初から使えるので、ゲームに勝ちやすくなるからです。悪エネルギーをカリンのバンギラスに貼れば大きなダメージを与えることもできます。何試合かゲンガーとのミラーマッチがあったものの、カリンのバンギラスには超抵抗があったため、全てのゲームに勝って予選を突破することができました。もしも優勝すれば、仙台大会2連覇です!

 そして決勝トーナメントに入りました。デッキは60枚で、ルールは元々のものです。私が使ったのはゲンガー/オーダイルで、もし1キルや事故負けさえなければ、優勝できる自信がかなりありました。たとえゲームを先行されても、ゲンガーがいれば巻き返すことができます。オーダイルは、いったんエネがついてしまえば、何でも2ターン以内に倒すことができました。また、最初の数ターンは攻撃できないため、その数ターンを繋ぐためにベイビィポケモンを何枚か入れていました。

 初戦の相手はオーダイル(確か)でした。こちらのデッキにはゲンガーが入っているので、自分の方が有利だと強く感じていました。対戦相手はこちらよりサイドを多く取って先行しましたが、こちらは場が揃ったので、勝てるだろうと思いました。しかしながら、こちらの取ったサイド数が相手の取った数に近づくにつれ、相手は突然プレイのスタイルを変え、ブビィのようなベイビィポケモンを使って、ゲーム運びを遅くしようとしてきたんです。

 ブビィのワザ「モクモク」は、場のポケモンが、特殊能力、ポケパワー、ポケボディを使えなくなります。時間が速く流れ、ブビィに攻撃しようとコインを投げるたびに、裏が出てしまいました。そしてジャッジが時間切れを宣言し、こちらの場の方があちらの場よりも強く見えるにも関わらず、相手の方がサイドを多く取っていたために、私は負けてしまいました。まったく負けた気はしませんでした。それでも、私はゲームに負けてしまったんです。私はひどく落ち込んでしまい、楽しげな顔で家に帰ることができませんでした。

 さて、この試合は、私に悪影響しか与えなかったように見えるかもしれません。しかしこの試合は、もっと上手いプレイヤーになるための教訓を与えてくれたんです。――時間に気を配らなければいけない、と。

 ゲームに勝つには、良いデッキと良いスキルだけではだめで、時間に――その消費に気を配る必要があります。また、相手の動きを注意深くチェックしましょう。相手の表情と、相手がどこに視線をやっているかによって、何をしようとしているのか、手札に何を持っているのかを読み取ることができます。もしもあのゲームで、対戦相手が何をしようとしているのかを読み取ることができていれば、私は勝てていただろうと思います。負けたことは恥ずかしかったですが、それでもあの試合は、大事な教訓を教えてくれました。――それが、今でもあの試合を覚えている理由です。

 大会でなぜ負けたのか、みなさんの多くが思い返すと思います。単に「ああ、引きが弱かったから負けた」とか、「相手のハンドの方が強かった」とは言わないでください。試合を思い返し、勝つにはどうすべきだったのか、その答えを探すのは、誰にとっても大切な経験です。

 私自身は勝つことに関して多くの経験をしてきました。しかし勝利と同じくらい私は負けてきましたし、ひとつひとつの試合すべてを誇りに思っています。

 経験してきたことを誇りに思ってください。――それこそが、ポケカを楽しむのに必要なことなんです。

 次回予告になりますが、2002年の後半、私はリベンジを試みます。
 4番目の記事も、どうぞご期待ください!

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 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 今回の記事も、非常に懐かしくて楽しい内容でした。おたけびエンテイもゲンガーもとても懐かしいですね。ゲンガーは僕個人も思い入れのあるカードです。
 原文にはカード画像もたくさんありますので、興味のある方はぜひ原文も覗いてみてください。
 また、記事の結論部分も、多くのプレイヤーに響く内容なのではないでしょうか。公式大会に限らず、各地の自主大会でも時間切れの勝敗は重要になるでしょうし、勝っても負けても、自分のプレイを振り返って得られるものは少なくないはずです。

 ところで、記事に出てくる公式の予選形式はここからもあと数年ぶんはこの卓内3勝形式のはずですが、この形式の予選と、今の始発カードゲームのどちらがマシかと言われれば、大変に悩ましいところですw
 1月末に某所から札幌に戻ってきて以来、今年はけっこう真面目にカードをやっていた気がします。デッキはだいたいプラズマでした。
 ただ主な活動はうきにん杯(SIP杯)のスタッフですね。ときどき勘違いされてるので言いたいのですが、大会名がうきにん杯なのは僕が主催だからではありませんwむしろ僕が主催から(というか札幌から)離れた瞬間になぜか大会名がうきにん杯になった、というのが真相ですw

 あとは海外記事の翻訳を少しだけやるようになったのが、ポケカ絡みでの個人的な変化です。大して英語力も日本語力も高くないのですが、時間のあるうちにちょっとはポケカ界に貢献してみよう、という感じでやっています。
 最終的には自分で書くよりこっちの方が増えてしまいましたね。まあ明らかに翻訳の方が需要があるのでそれで良いのですがw

 来年度からは生活環境が大きく変わる気がしますが、ポケカは変わらず続けていこうと思います。
 去年今年でいろいろな方とお知り合いになれました。またどこかでお会いする機会があるかもしれません。
 今後ともよろしくお願いいたします。
【デッキリスト】第35回うきにん杯トップ3デッキ
【デッキリスト】第35回うきにん杯トップ3デッキ
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201312242106328474/にあります)
 順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。

1st Place:ガウくん(非公開)

2nd Place:たっぴー(シビビール/レックウザ)

3rd Place:クーポソ(オーロット/アギルダー/ヨノワール)

 入賞された方々、おめでとうございます。
4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
2 キュレム(BW8)
2 アブソル(BW8)
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 フウロ
1 ベル

4 ポケモンキャッチャー
4 どくさいみん光線
3 アクロママシーン
3 プラズマ団のモンスターボール
2 ポケモンいれかえ
2 タチワキシティジム
1 あなぬけのヒモ
1 ちからのハチマキ
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン

4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
2 雷エネルギー
1 ブレンドエネルギー草炎超悪

 先週末からいじっていたのですが、前回のアギロットがあまりのアクセス数で載せるタイミングを逸していたので今にします。
 ちょうど大阪でもゲノ入りプラズマが使われていたようなので丁度良いのではないでしょうか。
 プラズマは基本的にテンポデッキなので、従来どおりだとゲノに手張りするタイミングはあまり無いのですが、ボルトなどを中心に動かしてゲノに手張りするタイミングを作りにいくプレイをします。
 ここからもう少しいじる予定だったので、記録残しついでに載せておきます。
 プラズマはもっと研究が進んでいそうな気がするので、東京の結果に期待してみましょう。
 今回はSixPrizesから。今年の世界大会でレックビールを使ってトップ8入賞を果たした、Jon Bristowによる記事です。
 元記事は会員限定記事になっていますが、無料で読める前半部分だけでも大変面白い内容です。そのため、その箇所のみの部分訳となっているのですが、かなりの充実した分量があります。
 この記事内では、メタゲームをどう読むかという問題を、とても実践的に考察しています。書いている内容を体現するかのように、他記事やレポートへのリンクも豊富にあり、非常に読み応えのある記事になっています。12日の記事ですが、バトフェス東京までに訳せてよかったと思います。
 後半にはデッキの話も多くあるので、小難しい理屈はいいからデッキの話を読ませろという人は、序盤を飛ばして中盤から読むと良いでしょう。

 記事中には、アメリカの大会形式の名称がたくさん出てきます。日本には該当する形式がなかなかないので原語をそのまま用いてありますが、読んでいるうちになんとなくの規模はわかると思います。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、字体や改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

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“Can’t Beat’Em All” -- Finding Your Way in a Diverse Metagame
by Jon Bristow
Thursday, December 12, 2013
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/12/cant-beat-em-all-finding-your-way-in-a-diverse-metagame/


 今日は、とある重要な考え方について話そうと思います。現環境のメタ読みについてです〔※訳注:原文ではmetagameを動詞で用いて表されていますが、メタ読みという訳語をあてました〕。フォーマットが変わる以上は毎シーズン話題になることではありますが、今回は、個々人自身でできるようなやり方を紹介したいと思います。

 また、議論を始める前に、キャッチャーが効果的に弱体化されてから、ものごとがどのように展開していったのか、それについての雑感を少し書きたいと思います。記事の終わりにかけては、CitiesやRegionalsに向けてデッキをいくつか取り上げて解説し、メタ読みという考え方においてはそれらがどう機能するのかを説明したいと思います。

 記事の最後には、読者の人たちが、地域のローカルプレイヤーよりも上を行って勝てるようなあれこれを全て書き残すことができたらと思っています。

■現環境おぼえがき

 ようやく環境が次に進めるだけの時間が過ぎました。League Challengeが数多く開かれ、そして今はCity Championshipsの真っ最中です。そういうイベントの中には、対戦動画をオンラインで公開しているものもあります。残念ながら自分はもうすぐ大学の学期末なので、勉強のせいでイベントの多くに出られなかったものの、前回の記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/11/14/gotta-go-fast-regionals-recap-and-deck-discussion-heading-into-city-championships/〕を書いてから、環境をいろいろ観察して、NXD-LTR環境〔※訳注:BW3-EBBに該当〕の対戦をかなりやっていました。

 以下、最も気になったことを2つ挙げます。

30分という制限時間がゲームの形を決めている
 
 現環境の30分制のゲームで気になった最大の点は、引き分けが非常に多いということです。1対戦は5分で終わることもあれば、30分続くこともあります。ポケモンをベンチから引っ張り出せるものが限られているため、ゲームは遅くなる一方ですが、個人的には、それは(ある程度までは)良いことだと思います。

 良くない点は、プレイヤー側が動きに時間をかけることで、ルールに反することなくゲームの速度を遅くし、戦況がきついときは不可避的に引き分けに持ち込めてしまうところです。過去記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/11/14/gotta-go-fast-regionals-recap-and-deck-discussion-heading-into-city-championships/#a-word〕で、そういう状況に対処する方法について書きましたが、ここではまさにそういう状況になっているわけです。

どんなデッキでも勝つ可能性はある

 国内選手権から世界大会へ、そして秋のRegionalsへ、そして、一番規模の小さなLeague Challengesへと移っていくと、大小のイベントのささいな差など簡単に忘れてしまいます。事実上環境で一番強いはずのデッキでも、不利なマッチアップをいくつか踏んだだけで、予選を抜けることはできなくなります。そのため、大きな大会で勝つ可能性がとても小さなデッキであっても、地域の大会で7連勝してしまう、ということもありえるわけです。

 しかしこれは、こういった大会で最善を尽くすのは賢明ではない、と言いたいわけではありません。ここで言いたいのは、Citiesを単体のイベントと捉えるのではなく、本来のようにひと繋がりのイベントとして捉えた方がいい、ということです。つまり、毎回続けて最善を尽くすことが、成功するのに最も良い方法なのです。

 これらをすべて心に留めた上で、みなさんと最も議論してみたいメイントピックに入っていきたいと思います。メタ読みの技術についてです。

■メタ読みとは何か

 今ではほとんどの人がメタ読みについて聞いたことがあるでしょうが、その基本的な意味は、普通の人にとっては、「ほかのみんなが使っているものへの対策をする」です。おおよそその通りなのですが、しかし本来それは、単に流行りそうなものを対策するということよりも、はるかに奥が深いものです。下記は、Wikipediaにおけるメタ読みの意味です。
メタ読みは意味の幅の広い言葉であり、多くの場合、事前に用意されたルールセットを飛び越えたり、外部の要因を使ってゲーム内に影響を与えたり、あるいは、ゲームによって設定された環境や想定制限を越えてしまうようなゲームにおける、方法、行動、戦略のことを指す。もうひとつの定義は、ゲームそれ自体の外部における、ゲーム展開のことを指す。
わかりやすい言葉でいえば、ゲーム内での他人の選択に影響を与えるために、ゲーム外の情報やリソースを利用すること、です。

 この定義は、ポケモンカードにおいてその語が持っている意味を正確に表していると思います。しかしながら、この定義を読むときは、自分の良心を忘れずにいてください。勝つために外部の情報を利用するといっても、ルールを捻じ曲げたり、破ったりしてはいけないということです。

 さて、ここまではメタ読みとは何かについて話してきました。ここからは、メタ読みとはどうすればいいのかを話していきましょう。

■環境を定義する

 環境を定義するという考え方があれば、自分のデッキについてどのような選択を取るべきかを理解できるようになります。漠然とした言い方ですが、しかし心配はいりません。詳しく説明していこうと思います。まずは、イベントのサイズと、それによって何がわかるのかから始めましょう。

小規模イベント(League Challenges, Cities)

 これら地域性の強いイベントでは、出場しているプレイヤーの大部分を見知っているでしょうし、かれらが何のデッキを使っているかや、どのくらいのレベルの相手と対峙することになるのかもわかっているでしょう。

中規模イベント(States, Regionals)

 これらの大会は、文字通り、ローカル大会の集合体です。しかしながら、出場のために飛行機や車でとんでもない距離を移動してきたプレイヤーがいたとしても、驚くにはあたりません。大会全体を把握しきることは望むべくもありませんが、それでも、さまざまな地域から来ている友人たちから得られるローカル大会の結果や考察は、間違いなく、予想をどうするかへの手助けになります。

大規模イベント(Nationals, Worlds)

 これらには本当にたくさんの地域からプレイヤーが集まるために、地域ごとのメタ読みをするのは不可能になります。それでも、この場合はインターネットが味方になるでしょう。テストプレイでの経験や、他のプレイヤーたちがアクセスしている情報に基づいて、プレイヤーの大多数がどんなデッキを使っているのかを読み取ることもできます。ここには、例えばいま見ているようなウェブサイトやソーシャルメディアも含まれます。

 とはいえ、これで作業が終わったわけではありません。次の記事に一番関係のある最初の2カテゴリについて、特に注意を向けてみたいと思います。

■小規模イベント――日々移り変わる反応を読み解く

 こんな場面を想像してみてください。いまあなたは、調整済みのビリジオン/ゲノセクトデッキを持って地域の大会に出場して、地元のプレイヤーを倒し、当然手に入るはずのチャンピオンシップポイント50点を手に入れようとしています。しかし周囲はミカルゲ(EBB)入りのダークライを使っていたために、対戦したゲームすべてでダークライを一撃で倒すことができず、際どいゲームに敗れて2連敗してしまいます。

 これを見て、あなたは翌日、信頼のおけるランドロス/ミュウツー/ダストダスデッキに切り替えます。もし全員が同じデッキを使ってくるならば、闘ポケモンが暴れまわるのを誰も止められないとわかっているからです。

 しかし、他の全員も同じことを思っています。その日は大量のミラーマッチに遭遇し、また一夜漬けのデッキでは練習が足りず、結局あなたは予選突破を惜しくも逃してしまいます。確かにこれは不運かもしれません。これをツイてない日だと言うこともできます。しかし一方で、ここから学ぶこともできます。メタゲームは、周囲に対応して動くのだと。

 ここからわかるのは、その日使われていたデッキだけでなく、その前日に使われていたものも考慮する必要がある、ということです。周囲の人が、彼らが同様に見ているものに、どう対応しているのかを見極める必要があります。場所によっては、こうならない地域もあります。なかには、65/35で有利を取れるのが明らかなマッチアップや、周囲の全員が使ってくるのと同じようなデッキで優位に立てるようなチャンスをあっさり無視する人もいるからです。こういう場合には、あなたの持つ対策デッキはさらにうまくやれるだろうと自信を持って予想することができます。

 あなたの地域の環境がどのくらいよく動くのかがわかっていれば、この情報を(そして結果を)さらに効率よく用いることができます。これは、スイスラウンド5連勝と1敗2分け途中棄権との差を意味します。周囲の人々を理解することは、大会で勝つためのソーシャルスキルであるだけでなく、日々の生活においても不可欠な能力でしょう。

 これらの情報は厳密には科学的というわけではありません。しかし、今回お話しようとしていた内容を思い出してほしいのですが、ここでの目的は、参加する大会での最良のデッキ選択ができるようになることです。

 ひとつ細かいことを書き足しておきますが、ローカル大会では、ときには大会前にフリー用のテーブルを見るだけで、そこのメタゲーム全体を把握することもできるのです。

■中規模イベント――何が機能するかを知り、安定に徹する

 Regionalに、もしくはStateレベルの大会に参加したときには、自分の地域のメタゲームに加え、他の地域のメタゲームも経験することになります。しかしここでは、小規模ならばそこまで問題にならなかった要素を考慮に入れる必要があります。それは大量のラウンド数と、そして3ゲーム制かつ50分+3ターン制だということです。ということは、外部的な要素、プレイヤー数、そして考えるべきことがたくさんあるのです。しかしきちんと準備をすれば、勝てる見込みはぐっと上がります。

 最初のキーポイントは、自分が経験した結果と、そしてそれと同じくらい、参加してくる可能性のある地域の結果に目を向けることです。友達経由でもいいですし、使えるインターネットリソース経由でもいいでしょう。そうすれば、何が多く使われるのかがわかります。ときには、次の大型大会で結果を残す直前に、その前の週末を特定のデッキが席巻するのを目の当たりにするでしょう。そういったデッキが上がってくるのを目にするのは大事なことですが、実際は大したことのないようなデッキに惑わされてはいけません。プレイヤーとして、プレイテストの価値がわかるのはこのときです。プレイテストをすれば、一般的にはどのデッキがどのデッキに強いのかを理解できるのですから。

 よく使われるデッキのうち、上位にくるのが何なのか、6割から8割ぐらい理解できていれば、それに基づいてデッキを選択するという仕事がのしかかってきます。それぞれのマッチアップの詳細を今ここですべて挙げることはできませんが、しかし、それらに対して安定したデッキを選ぶことの重要性は、強調しておきたいと思います。

 もちろん、デッキを安定させたいというのは常に願っていることです。しかし、3ゲーム制形式の大きなイベントに参加して、デッキが十分に回らず決勝トーナメントに届かなかったとき、とりわけそれが一回きりのイベントであった場合には、落胆してしまうということもあるでしょう。小さなイベントは何度でも行われますが、Regionalsのようなイベントの回数は、それぞれのシーズンで、非常に限られてくるからです。

■大規模イベント――情報に触れるとはどういうことかを理解する

 たとえイベントの規模が大きくなっていっても、行動パターンは上述と同じなのです。地域の組み合わせを考え、大多数のプレイヤーが何を使ってくるのかを見極めます。ここでは手短にしか述べませんが、今年の夏は、それが非常に当てはまっていました。

 お気に入りのソーシャルメディアサイトやポケモン関係のホームページにログオンすれば、そこには大きなイベントの結果が掲載されています。たとえばこのウェブサイトのような、デッキや戦術について議論するようなウェブサイトを見てみれば、それぞれの記事を読むだけでなく、そこから一歩引いて、より重要なことに気づくこともできます。つまり、あなたが見ているものは、他の全員も見ているということです。情報に触れることで他のプレイヤーはデッキ選択ができますが、あなたは、さまざまなウェブサイトを巡ることで、大きなイベントでは何が流行るのか、何が「イチオシ」のデッキになっているのかを知ることができます。

 昨年度〔※訳注:2012-2013シーズン、つまり今年の世界大会までのこと〕、アメリカ選手権の前には、デオキボルトキュレムこそが倒すべきデッキとなっていましたが、一方ゴチルゼル/アギルダーの参入によって、まさに混沌の様相を呈していました。ゴチルゼルは、対策を取っていないデッキには容易に勝つことができたからです。しかし時間が経つにつれ、よく使われていたデッキのうち、カメックスやダークライなどは、カードを足すことで、この脅威のモンスターデッキを倒すことができるのだと人々が気づき始めました。またプラズマにとっては1キルがゴチルゼルを倒す手段であること、その一方でゲームが長引いてしまうと、プラズマにとっては不利なマッチアップであることもわかってきました。〔※訳注:ここまでが選手権前の話です〕

 そういうわけでゴチルゼルは数を減らしていったのですが、それでもアメリカ選手権では多くの成果を挙げました。すべての情報が解析されていたために見限られていても、ゴチルゼルはポテンシャルがあるのだと、ごく一部の優秀なプレイヤーたちが気づいていたのです。そうして、Edmund Kurasにアメリカチャンピオンの座を、またSam Liggett〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/07/19/magic-in-the-room-sams-3rd-place-us-nationals-report-with-gothitelleaccelgor/〕にベスト4の座をもたらし、Frank DiazやHenry Priorといったプレイヤーたちにも、上位入賞をもたらしたのです。

 もしあなたが参加しようとしているRegionalsが、ここに書いたイベントと同様の大きな規模になりそうならば、このセクションに書かれている内容も役に立つかもしれません。たいていNationalsはメタがあまり流動的ではありませんが、Worldsのメタが流動的かどうかは、その年によってばらつきがあるということも、知っておいて損はないでしょう。

■メタ読みの成功例

ケーススタディ:自分の世界大会経験

 昨年度〔※訳注:上に同じ〕、世界大会に参加したときに持ち込んだのは、何ヶ月間も調整していたレックウザEX/シビビールでした。それで8位に入賞したのですが〔※訳注:ttp://60cards.net/blog/posts/detail/13〕、そこで問題にすべきは、2日目の終わりにどんな順位にいたかではなく、初日の最初にデッキリストを提出したとき、勝つチャンスがどのくらいあったのか、ということなのです。

 レックビールを使うことにした理論的な根拠は単純なものでした。
 アメリカ選手権という世界で一番大きなイベントで、ゴチルゼルが優勝しました。これが意味していたのは、ゴチルゼルには、16ラウンド以上もあるトーナメントのメタゲームで安定してやりあうだけの能力がある、ということでした。

 予想していた変化は複雑なものです。多くのプレイヤーが、ゴチルゼルを使うか、あるいはそれに勝てるものを使うだろうと思いました。そこには、カメックスや、ダークライや、ルギア/タブンネも含まれます。レックビールは、そういったデッキたちに勝つにはうってつけのデッキだと感じていました。しかもライコウEXのおかげで、このデッキは対ゴチルゼルのマッチアップを有利にできるようなメカニズムまで内蔵していたのです。

 ここでのキーポイントは、デオキボルトキュレムはかつてほどの大きな流行はまったくしないだろうと予想していたことです。というのも、上で挙げたようなデッキは、デオキボルトキュレムに対し、五分か、それ以上に戦えたからです。結果として、この戦略が功を奏しました。オポが驚くほど高かったおかげで予選を31位で滑り込み、しかし準々決勝では、5分5分ではあるものの自信のあったマッチアップで敗れてしまいました。デオキボルトキュレムとは2度あたりましたが、1勝1敗でした。

 しかしながら、同じく世界大会でレックビールを使った4人のチームメイトたちは、ここまでの運には恵まれず、予選を突破できませんでした。そのうち2人は早い段階でデオキボルトキュレムを踏んでしまって、下位卓へと押しやられてしまいました。デオキボルトキュレムがわんさかいる場所に、です。言うまでもないですが、あまり良い気分はしませんね。

 果たして、自分の選択の何が正しかったんでしょうか。個人的には、イチかバチかの戦略にはなりますが良いデッキを選んだと思っています。結局、もし本当に勝つ見込みが薄かったならば、世界大会で予選を抜けるのが自分にふさわしいとは思えなかったでしょう。メタゲームに対するゴチルゼルの影響を正しく見極めることができた、というのが、ここまでうまくやれた唯一の理由なのだと思います。

 しかし、自分たちのチーム内の思考ロジックに大きな欠陥があるとすれば、それはゴチルゼルが多く使われると予想していたことです。端的に言って、Nationalsの結果をきちんと読み解けていなかったのです。ダークライの使用や、カメックスデッキのカメール投入を大勢のプレイヤーが推奨しているのを見れば、よっぽど思い入れでもない限り、まともな思考をするプレイヤーはゴチルゼルを使ってこないだろうと予想できてしかるべきでした。

 なかにはここまで推測できていたプレイヤーもいて、ギギギアルが思いのほか多く使われ、それに値する結果もいくつか残していました。とはいえ、今回自分が良い結果を残せたのはとりあえず運が良かったからだとしても、勝つ見込みがなかったということにはならないのです。

 しかし、自分のことはこのくらいにしておきましょう。昨年度は、他にも多くのプレイヤーがすばらしいメタ読みの結果を披露してくれました。ここでは、そのうちのいくつかを振り返ってみたいと思います。

■2013年の注目すべきメタ読みデッキたち

・Winter Regionals

Dylan Bryan(ダークライEX/ダストダス/ハンマー)

 かるいしが世に出る前だったにもかかわらず、DylanはこのデッキをVirginia Regionalsに持ち込み、2位までこぎつけました。かれはたいていの相手のデッキ(レックビールやカメックス)がとくせいに依存していることに目をつけ、そしてBig Basics系〔※訳注:ランドロスEXやミュウツーEXなどの高HP高打点のたねを中心としたデッキ〕のデッキに対しても、クラッシュハンマーとゴールドポーションで勝てるようにしていました。かれの試合をトップ8から決勝まで見ていたのですが、かれと戦った2進化デッキの多くは、接戦にさえ持ち込めていませんでした。

 決勝でかれの前に立ちふさがったのは、われらがRaymond Cipoletti〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/02/12/another-pun-about-storms/#virginia-regionals-recap〕でしたが、しかしかれは、デッキから引き出せるかぎりのものを引き出していたと思います。

・Spring Regionals

Dylan Lefavour(Big Basics+Ⅴジェネビクティニ&炎エネ1枚)

 DylanはNew England Regionalsで、初日を無敗で駆け抜け、そのまま優勝を成し遂げました。かれはカメックスがそこまで流行らないことをわかっていたため、Big Basicsがカメックスに勝つのに必要なカード、たとえば学習装置などを数多く抜き、ギギギアルに勝てるようなギミックを加えました。自分がかれと当たる数ラウンド前、かれがビクティニを置き、ちょうど自分のと同じようなギギギアルデッキを倒すところを目の当たりにしました。理想的な試合運びとはいかず、スイスラウンドではあの罠を避けられずにかれに敗北し、またトップ8の試合でも、0-2でかれに再び敗れてしまいました。

 ここでのかれはメタゲームを完璧に読んでいました。デッキの最大の欠点を補いつつ、相性の悪いデッキが会場にはいないことを予想しきっていたのです。

・Worlds

Dustin Zimmerman(ヤミラミ/ダストダス/ハンマー)

 この振り返りの上のほうでも書いたとおり、会場にはまずいないであろうデッキを正しく予想することができれば、結果はたいてい良いものになります。Dustinの世界大会でのパフォーマンスは、まさにこの典型例でしょう〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/29/why-didnt-i-think-of-that-the-decks-and-techs-of-fall-regionals-2013/#dustin〕。かれは1枚挿しのニューラ(BW3)を除けばゴチルゼルを倒せるカードはほぼ入れずに世界大会に参加しましたが、自分に有利なメタゲームのおかげで、相性の良い相手と大量に戦うことができました。

 いざ世界大会が始まってみると、そこにいたのは、カメックス、ルギア/タブンネ、ギギギアル、そしてダークライでした。ということは、現実的にかれが当たりうる相性の悪い唯一のマッチアップは、ときどきいるダークライだけであり、トップ4に至るまで、かれはそれには当たらなかったのです。

・Fall Regionals

Brandon Smiley(ビクティニEX/テラキオンEX/フワライド)

 このRegionalsシーズンの「ビッグ4」〔※訳注:ダークライ、プラズマ、カメックス、ビリゲノを指す〕と、そしてBrandonのデッキの内容〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/30/the-story-of-big-tex-brandons-1st-place-houston-regionals-2013-report/〕とを見比べてみれば、かれが、どのデッキが少ないと予想していたのかがわかるはずです。かれの選択の背後にある戦略は、悲惨なほど相性の悪いはずのカメックスを切り捨てる代わりに、ビリジオン派生、ダークライ、そしてプラズマにはほぼ間違いなく勝てるようにするというものでした。

 そして、それはうまくいきました。その週末のかれは最初のほうのラウンドでうまくカメックスと当たらずに済み、デッキ相性のおかげで相手を倒していったのです。

Sam Chen(スクラッパーなしカメックス)

 Samはフィラデルフィアで、ダークダストやダスト派生があまり使われていないという現実をあてにして、思い切った判断をしました。ある程度までそれは正しかったのです〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/29/why-didnt-i-think-of-that-the-decks-and-techs-of-fall-regionals-2013/#blastoise〕。スクラッパーを切ったことでできた2、3枚のスペースは、そのイベントでの17ラウンドを戦えるだけの安定性をかれのデッキに与えてくれました。

 そのイベントでは、ダスト系のデッキはそこそこいたのですが、Samは上手い具合にそれらに当たらずに済んだだけでなく、当たったときは、2度とも勝ってさえいるのです。

Dustin Zimmerman(ビリジオンEX/ミュウツーEX/しんかのきせき)

 DustinはFt. Wayne Regionalsで予選をトップ通過し、4位に入賞しました。世界大会でのパフォーマンスを見ていれば、かれがまたもやメタゲームをうまく読みきったというのも驚くにあたらないでしょう。

 今回のかれは、上で見たBrandonのデッキのようなメタ内への対策デッキを除けば、よく使われるデッキすべてに相性の良いデッキを見出しました。しんかのきせきによってミュウツーやデオキシスの殴り合いに強くなっている一方で、ダークライからはまず2発では倒されないため、相手の速度を抑えることができています。

 下の動画を見れば、1ゲーム目ではもの凄い巻き返しを、そして2ゲーム目では圧倒的な勝利を見ることができます。ゲームを通じてしんかのきせきの力が際立っていますが、これ以上はネタばれをしないでおきましょう。

ttp://youtu.be/YvrH37KOM6I

 メタゲームを読み解く上でのキーポイントは、どのように情報を入手するのかだけでなく、その情報をいかにして正しく解釈するかにあります。ただ改めて言っておきたいのですが、メタ読みは厳密な科学ではありませんし、勝利を保証してくれるわけでもありません。というよりも、勝てる見込みを高くしてくれるものなのです。

 ここで述べることのできる一番のアドバイスは、どのデッキが使われるかだけでなく、どのデッキが使われないのかも理解すべきだ、ということです。そして、それに従ってデッキとその内容を決めていきましょう。自分の地域での正しい戦略を見出すことができれば、ローカル大会(League ChallengeやCities)だけで、今年度の世界大会招待に必要なポイントの半分、つまり290チャンピオンズシップポイントを稼ぐこともできるのですから。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 ここより後ろは会員限定記事になっていて、途中で切れてしまうため、訳はここまでとしました。

 元記事の単語に貼られているリンク先URLをすべて訳注の中に押し込んだので、記事が読みにくくなっていることを申し訳なく思います。
 それでも、このように他記事や他レポートを縦横無尽に引用するスタイルは、日本のポケカブログなどの記事ではまず見られないので、非常に新鮮に映りますね。
 下のほうにある対戦動画も、元記事では直接動画を埋め込んであるので、読みながら見ることができます。
 日本でやるとまず心無い叩きが飛んできそうでなかなかできないですが、カードの対戦動画を公開する風潮も、やはり羨ましいですね。
 昨日の夕方の段階でプロキシありで組んでたテスト用。スパー相手につき全部入り。

4 ボクレー
4 オーロット
3 チョボマキ
3 アギルダー
2 イーブイ
2 ブースター
2 ヨマワル
1 サマヨール
1 ヨノワール
1 ミュウEX
1 ジラーチEX
1 ケルディオEX

4 アララギ博士
4 N
4 アクロマ
1 ベル

4 かるいし
4 ハイパーボール
3 レベルボール
2 ツールスクラッパー
2 すごいつりざお
1 ヘビーボール
1 タウンマップ
1 ダウジングマシン

4 ダブル無色エネルギー

 デッキ構造的にオーロットをかなり使い捨てる。ゴチに比べて立てやすく落ちやすいのでそうならざるをえない。
 そのため(またフウロから動くデッキでもないため)ボールを相当ブン回す動きに。ヘビーボールが噛み合ってるけれど、個人的な印象ではボール計7枚が最低ライン、8枚はほしい気がする(後1や先2のあなぬけ絡みの速攻で場が結構崩れる)。
 ボールはジラーチへのアクセス手段にもなるので、レッドカードの返しや中終盤の追加ドロー役にもなる。

 これのブースターはビリゲノとの正面衝突ほぼ専用(フリゲートとか知らん)。キャッチャーを入れてないのでタッチビリジオン(サザンダークetc)などを狩るには使えず、そのため後述のように、それらをケアするにはキャッチャー等々を入れる必要がある。
 また、ふしぎなアメが入らないので、3ターンかけてヨノワールを立てる必要性が出てくる。そのためヨマワルは2枚。サイド落ちしたら上のラインはタウンマップ救出。
 理想はヨノワ221ラインのタウンマップ1だとは思うけど、スペースが足りなかった。ゴチアギのヨノワールに比べると立てるためのプレイがやや違ってくる(アメがなくオーロットがよく落ちるので早い段階から立てに行くことも多い)。
 序中盤はアタッカーを使い捨ててサイドもそこそこ引くので、タウンマップは普通に使ってもサーチカードとして強い。ただこういうカードパワーの低いカードは常に抜く対象ではある。

 使い捨てに徹するならヨノワは抜けていい。テストしてみた限りは、序盤の使い捨てが続くと結構駒が尽きるので、最後にヨノワで蓋をするのが何だかんだ強かった印象。
 もちろん、相手のタッチケルディオやビリジオンやカビゴンまで見るなら、その枠をそのままキャッチャーなどに挿し変えると思う。キャッチャーハチマキバングル(ないしゲノセクト、これは別デッキか)から嵌めに行くだけでも強い。
(ただカビゴンは制限時間ありならプレイで何とかなりそうではある)

 自分側のケルディオは対ミラーや逃げロックまで見てるけど、使わないならすぐに抜く対象。ベンチがロットロットアギアギヨノワジラーチとなることが多いので、特定の相手以外では置く場所がない。
 1挿しベルが浮いてるので何とかしたい(でも追加ドロソは中終盤Nや最序盤レッドカードの対策も兼ねてる。ほとんど使わないけど)。
 ここの2枠+@を外せばキャッチャー入るのではという印象。
 また相対的にプラズマが強くなっているので、そこまで見るならケルと白銀の鏡は入れたい(個人的にプラズマは今のバトフェス環境わりとおすすめです)。

 XY1のロックデッキは、ぱっと思いつくだけでもアギロット、赤紙モロバレルミルホッグ、赤紙ナッシー、赤紙オーロットセレビィ等々いろいろありそうなので面白いですね。どこまで実戦級か知りませんが。
 このアギロットは現状ヌルすぎるので改良しないと全然駄目だと思います。コンセプトばらばらだし。改良しても全然駄目な気もするけど。突破手段がけっこうある。

 そもそも僕大阪も東京も行かないし。
 2013年もついに12月に入りました。うきにん杯も年内最後の大会です。
 今回もサンタが来るとか来ないとか……? それは当日のお楽しみということで。

 ひっそりと更新されているポケモン竜王戦のレギュレーションに従い、今回もトロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバルは使用不可とします
 その他のルール変更は、11月更新のものに準拠します。

 XYシリーズ発売後最初の大会です。22日、23日は全国各地で大会が開かれますが、それらに負けないくらい、札幌も盛り上がっていきましょう!

 以下、だいたいうきにん杯ブログからのコピペです。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

日時:12月23日(月曜日
時間:9:00~17:00(9:00開場、9:30~10:00参加受付)
場所:札幌市中央区民センター、創造の部屋(SIPと掲示されてるかもしれません)
参加費: 一律300円
持ち物:レギュレーションに沿ったデッキ、筆記用具、ダメカン、ダイス等。

・会場へのアクセスは各自ご確認願います。
・駐車場は中央区役所(区民センター向かい)の駐車場を利用できますが、駐車可能台数には限りがありますので、公共交通機関の利用を推奨しています。

■進行スケジュール

・09:00~ 開場
・09:30~10:00 大会受付
・10:10~10:40 1回戦 
・10:50~11:20 2回戦 
・11:30~12:00 3回戦 
・12:00~13:00 昼休憩 
・13:00~13:30 4回戦 
・13:40~14:10 5回戦
・14:20~15:50 決勝トーナメント
・16:00~     表彰式+ランダム賞

※あくまで目安であり、対戦の進行状況次第で若干前後する可能性があります。

■レギュレーション

デッキ枚数とサイド:オープン60枚。サイド6枚戦。
使用可能カード:BWシリーズ以降。および、BW初弾以降に販売(配布)された構築済みデッキやプロモーションカード。再録カードやシリーズ区分についてはトレーナーズウェブサイト内「デッキに入れることのできるカードについて」(ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/#bw)をご参照ください。
使用できないカード:トロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバル
大会形式:スイスドロー。勝ち点は勝利(3)、敗北(0)。
試合時間:30分。

※大会全般について
・全対戦終了時の勝ち点が同点の場合、OMWPによって順位を算出します。OMWPも同じ場合、スコアシートに記入していただくサイドの数の差(取ったサイドから取られたサイドを引いた数字の大きさ)で順位の上下を決定します。
・カテゴリA&B入り交ざっての大会です(オープン)。カテゴリAのプレイヤーには、同カテゴリプレイヤー間の順位に応じて賞品を分配する予定です。
・「終了コール時のプレイヤー」の番までを制限時間内とします。その際、対戦終了のコールから1分を経過した時点で、自動的にそのプレイヤーの番が終了となります(ワザの宣言前であっても、1分を経過した時点で対戦終了となります)。ポケモンチェック中に終了コールがあった場合は、その時点で対戦終了となります。
・対戦終了時にサイド枚数が同じ場合、延長戦(対戦終了時点の状態から対戦を再開し、サイドを先に1枚取ったプレイヤーの勝利)で勝敗を決定します。
・その他、大会やルールに関する規定は原則として、公式ルールおよびフロアルールに従います。

■その他

・円滑なプレイの運行を妨げる可能性がありますので、外国語カードの使用は禁止しています。ご了承ください。サインドカードの使用はカードのテキストが判読できれば問題ありません。
・大会を通じてデッキの変更や枚数調整はできません。
・非公認大会となります。だいすきクラブ等には反映されませんのでご了承ください。
・大会についてのお問い合わせは、おでこ:kya_odecosa_nあっとyahoo.co.jp(PCメール。あっとを記号へ変更してください)まで。

・上記の進行スケジュール、レギュレーションは変更される場合があります。その場合はここで告知しますので、参加予定の方は定期的にご確認願います。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 ご参加お待ちしています!

 そしてもちろん、14、15日の親子ポケカ
http://gaukun.diarynote.jp/201312070930478633/
 もよろしくお願いします!
 自主イベントの盛り上がりならば他地域にもひけをとらない札幌ですが、今回のイベントもまた凄いです。
 来たる12月14日、15日、あの親子ポケカさんが、ついに大型会場に参戦します!

 今回のキッズ向け大型イベントでは、ミニ四駆、スイーツデコレーション、レゴブロック、そして親子ポケカ! 当日ははじめて教室あり、親子ジムバトルあり、物販コーナーありと、これからポケモンカードを始めたい人、始めたばかりの人にとって、うってつけのイベントになっています。

 詳細は、ハル父さんのブログ、
http://gaukun.diarynote.jp/201312070930478633/
 をご覧ください。

 今回の親子ポケカは本当に画期的な試みだと思います。
 このブログをご覧になった親子プレイヤーの方、これからポケカを始めてみたい方、ぜひぜひお越しください!
 今回も僕はスタッフでしたが、大会参加者は合計32人! いつもご参加本当にありがとうございます。
 うきにん杯としての告知活動はほとんどしていないのに参加者が増えているのは、各ジムチャレ店舗さんや、何より親子ポケカさんの活動のたまものだと思います。本当に頭が上がりません……。

 公式の気まぐれルール変更により、いつもよりジャッジの出番が増えるかなと予想していたのですが、ほとんど杞憂に終わりました。みなさんうまく対応していたようです。
 公式サイトにこっそりアップされていたルールブックにも事前に目を通していたものの、大会中に一度、きぜつ後にバトル場へポケモンを出すのとサイドを取るのはどちらが先かという質問に、ポケモンを出すのが先と回答してしまいました。
 おでことコイソに確認したところそれは逆だという指摘で、直後に回答を修正するという完全なお粗末ジャッジでした。初歩的なルーリングで間違えるあたり本当に情けないです。まだまだ修行が足りません。

 前回に引き続き、今回も決勝トーナメントは見ごたえのある素晴らしい対戦ばかりでした。
 ただ思いのほか観戦者が少ないな……と思っていたら、ジュニアはジュニアトーナメントに、大人勢は大人トーナメントにいて、全員ポケカ好き過ぎだろ!と内心ツッコミを入れていましたw
 本戦スイスラウンドが終わった後もほとんど全員が対戦卓についている姿は、ものすごいポケカ愛を感じる光景でした。

 今回は優勝賞品として、パック以外のものを提供してみました。
 自分ではなかなか買わないようなグッズも賞品としてもらえたら嬉しいのでは、という直感的なものでやってみた試みですが、好評でしたら次回以降もやってみようかなと思っています。
 特にPokemonTime系のグッズの可愛さは凄まじいものがあるので、個人的にはプッシュしていきたいところですw(サーナイトのiPhoneケースなどは一見の価値ありです)
 また、賞品やランダム賞の景品を提供してくださる方々、いつも本当にありがとうございます。ランダム賞の盛り上がりには、毎回感謝でいっぱいです。

 次回はクリスマス大会の予定です。ご参加お待ちしています!
【デッキリスト】第34回うきにん杯トップ3デッキ
【デッキリスト】第34回うきにん杯トップ3デッキ
【デッキリスト】第34回うきにん杯トップ3デッキ
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201311261421366507/にあります)
 順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。

1st Place:レオン(シビビール/レックウザ/レックウザEX)

2nd Place:さつ(ゲノセクトEX/ビリジオンEX)

3rd Place:コイソ(ガブリアス/チルタリス)

 デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
 11月からさまざまなルールが変更されています。先攻攻撃不可ルールには、みなさんもう慣れましたでしょうか。

 今回はバトルフェスタを見据え、トロピカルビーチとチャンピオンズフェスティバルを使用不可として行いたいと思います。
 そして、公式ブログ(ttp://www.pokemon-card.com/blog/2013/11/000363.html)でも説明があったとおり、山札に関するカードテキストの読み方が変更されています。
 山札からカードを選ぶカードや効果の扱いが変更されていますので、少しややこしいのですが、参加の前には一読をお勧めいたします。
 もちろん、わからないことがあれば、いつでもジャッジを呼んでくださいね!

 また、ご質問をいただいたのですが、参加に際して事前予約等は必要ありません。直接会場までお越しください。

 以下、だいたいうきにん杯ブログのコピペです。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

日時:11月24日(日曜日)
時間:9:00~17:00(9:00開場、9:30~10:00参加受付)
場所:札幌市中央区民センター、創造の部屋(SIPと掲示されてるかもしれません)
参加費: 一律300円
持ち物:レギュレーションに沿ったデッキ、筆記用具、ダメカン、ダイス等。

・会場へのアクセスは各自ご確認願います。
・駐車場は中央区役所(区民センター向かい)の駐車場を利用できますが、駐車可能台数には限りがありますので、公共交通機関の利用を推奨しています。

■進行スケジュール

・09:00~ 開場
・09:30~10:00 大会受付
・10:10~10:40 1回戦 
・10:50~11:20 2回戦 
・11:30~12:00 3回戦 
・12:00~13:00 昼休憩 
・13:00~13:30 4回戦 
・13:40~14:10 5回戦
・14:20~15:50 決勝トーナメント
・16:00~      表彰式+ランダム賞

※あくまで目安であり、対戦の進行状況次第で若干前後する可能性があります。

■レギュレーション

デッキ枚数とサイド:オープン60枚。サイド6枚戦。
使用可能カード:BWシリーズ以降。および、BW初弾以降に販売(配布)された構築済みデッキやプロモーションカード。再録カードやシリーズ区分についてはトレーナーズウェブサイト内「デッキに入れることのできるカードについて」(ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/#bw)をご参照ください。
使用できないカード:トロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバル
大会形式:スイスドロー。勝ち点は勝利(3)、敗北(0)。
試合時間:30分。

※大会全般について
・全対戦終了時の勝ち点が同点の場合、OMWPによって順位を算出します。OMWPも同じ場合、スコアシートに記入していただくサイドの数の差(取ったサイドから取られたサイドを引いた数字の大きさ)で順位の上下を決定します。
・カテゴリA&B入り交ざっての大会です(オープン)。カテゴリAのプレイヤーには、同カテゴリプレイヤー間の順位に応じて賞品を分配する予定です。
・「終了コール時のプレイヤー」の番までを制限時間内とします。その際、対戦終了のコールから1分を経過した時点で、自動的にそのプレイヤーの番が終了となります(ワザの宣言前であっても、1分を経過した時点で対戦終了となります)。ポケモンチェック中に終了コールがあった場合は、その時点で対戦終了となります。
・対戦終了時にサイド枚数が同じ場合、延長戦(対戦終了時点の状態から対戦を再開し、サイドを先に1枚取ったプレイヤーの勝利)で勝敗を決定します。
・その他、大会やルールに関する規定は原則として、公式ルールおよびフロアルールに従います。

■その他
・円滑なプレイの運行を妨げる可能性がありますので、外国語カードの使用は禁止しています。ご了承ください。サインドカードの使用はカードのテキストが判読できれば問題ありません。
・大会を通じてデッキの変更や枚数調整はできません。
・非公認大会となります。だいすきクラブ等には反映されませんのでご了承ください。
・大会についてのお問い合わせは、おでこ:kya_odecosa_nあっとyahoo.co.jp(PCメール。あっとを記号へ変更してください)まで。

・上記の進行スケジュール、レギュレーションは変更される場合があります。その場合はここで告知しますので、参加予定の方は定期的にご確認願います。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 みなさまのご参加お待ちしています!
 wisdomというポケカ対戦ツールをご存知の方は、最近は少なくなってきたかもしれません。PokecaVaultが登場するまで、長らくポケカのネット対戦を影で支え続けたとても優秀なネット対戦ツールです。
 今ではネット対戦ならばVaultが主流ですが、それでも僕は、デッキ作成や一人回しでは、今でもこのwisdomを使っています。別に世間の流れに反抗したいとかではなく、純粋に便利だからです。

 まず、ソフト自体がそこそこ軽く、貧弱な環境でもさくさく動きます。一人回し時にはかなりありがたいです。
 また、デッキエディタと対戦テーブルを一度に眺めていられるので、新しく作ったデッキを試したいときは、レシピを眺めながら一人回しの対戦を検討できます。デッキが良くないときはすぐに対戦を終わらせてデッキをさくっと作り変え、またすぐに対戦を始められるので非常に楽チンです。
 そして何よりも、wisdomの魅力は、良い意味での動きのラフさです。盤面を手動で好き放題動かせるので、ここがこうだったらとか、あそこがああだったらとか、一人回しの時には盤面をいじりたい放題です。全部が手動であることのメリットは、一人回しで最大限に発揮できます。
 wisdomはVaultと違って対戦卓が公開されるわけではないので、精神衛生的にも良いですね。

 もちろん不便な点がないことはないですし、対人戦はVaultの方がずっとやりやすいです。
 ただ、こんなに便利なツールの認知度がだんだんと下がっていくのはもったいないなあ、という勝手な感想文なのでした。
 今ではendeavorさんがデータ更新を引き継いでいらっしゃいますが、来月のXY発売後には改めてXYのデータをいただくことになると思います。
【翻訳】No.002:私のポケカライフ2001
 今回は60cards.netから。チムアチャ大和さんの記事第2弾の翻訳になります。
 内容は前回記事の予告どおり、昔の振り返りの最初の回になっています。過去のデッキ紹介、そしてご自身の対戦レポなど盛りだくさんな楽しい内容で、読み応えも十分です。
 また、翻訳では載せ切れなかったのですが、原文には昔のカードの画像もたくさんあります。興味のある方は、ぜひ原文も覗いてみて下さい。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

No.002 My Pokemoncard Life 2001
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Thursday, November 7, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/95


 読者のみなさん、ふたたびこんにちは! チームアチャモの大和です。
 これが2つ目の記事になりますが、今回は、2001年のころの私のポケカライフについてお話したいと思います。

 メタ内のカードやデッキなどについて話す前に、まずは当時使えたカードについて手短にご説明します。日本で「ポケモン赤・緑」が世に出たのは、1996年の2月でした(ポケモン緑は発売されていない国もあるので、知らない人もいるかもしれません。また、ポケモン青はまだ発売されていませんでした)。その半年後(1996年10月)、ポケモンカードの一番最初のセットが発売されました。日本では1999年11月に「ポケモン金・銀」が発売になり、ポケモンカードネオが日本では2000年の2月に発売されました。
 ネオシリーズのことを覚えていたり、あるいはご存知の方もいると思いますが、このゲームを変えたルール変更が数多く行われました。悪と鋼という2タイプが増え、ベイビィポケモンが登場しました。悪と鋼には基本エネルギーがなく、特殊エネルギーしか存在していなかったんです! しかも、これらのエネルギーのテキストは微妙に異なっていました。以下に貼ります。
悪エネルギー:
このカードは「悪」エネルギー1個ぶんとしてあつかう。
このカードをつけているポケモンのワザが、対戦ポケモンにダメージを与えるとき、そのダメージは「+10」される。
このカードをつけているポケモンが「悪」または「わるい」ポケモンでないなら、ポケモンチェックのたび、このカードをつけているポケモンに、「弱点・抵抗力」に関係なく、10ダメージ。

鋼エネルギー:
このカードは「鋼」エネルギー1個ぶんとしてあつかう。
このカードをつけているポケモンがワザによるダメージを受けるとき、そのダメージは「-10」される。
このカードをつけているポケモンが「鋼」ポケモンでないなら、このカードをつけているポケモンがワザによって与えるダメージも、「-10」される。
〔※訳注:日本語テキストはポケモンWikiさんから引用させていただきました。以下に出てくるカードテキストもほぼ同様です〕
テキストを見てみると、私たちが現在使っているものとは違い、追加の効果があるのがわかります。悪エネルギーは毒状態のようになる代わりに相手のバトルポケモンに10ダメージを追加で与え、鋼エネルギーはマイナス10ダメージのディフェンダーになるとともに、ポケモンに与えるダメージを10減らしてしまいます。こういった効果はマイナスなものかもしれませんが、しかしたとえば「すてみタックル」を持ったポケモンに鋼エネルギーを貼ると、自分へのダメージも減らすことができるんです。そのため、必ずしもマイナス面ばかりというわけではありませんでした。

 特殊エネルギーのほかには、ベイビィポケモンも活躍していました。ベイビィポケモンのHPは30ととても低いのですが、一方で特殊な能力もありました。
「ベイビィポケモン」がバトル場にいるかぎり、相手プレイヤーは、ワザを使うときにコインを投げて、「うら」なら、そのワザは失敗します
 しかも環境には、ポケモンのきぜつを防ぐことのできるきあいのハチマキまでありました。
きあいのハチマキ(ネオ1):
「ポケモンのどうぐ」は、あなたの場にいるポケモンにつけて使い、そのポケモンが「きぜつ」したとき、トラッシュする。すでに「ポケモンのどうぐ」をつけているポケモンには、つけることができない。相手のワザによるダメージで、このカードをつけているポケモンの残りHPがなくなったとき、コインを投げる。「おもて」なら、このカードをつけているポケモンは「きぜつ」せず、このカードをつけているポケモンの残りHPは「10」になる。その後、このカードをトラッシュする。
このカードはベイビィポケモンにつけて使われました。そうすれば、ベイビィポケモンは75%の確率でバトル場に留まることができたんです。

 これらすべての戦略がネオシリーズの一番最初のセットに入っており、大きな変化をもたらしました。さて、2001年の日本の大会がどのようなものだったかをご説明しましょう。そのときまでにリリースされたカードはすべて使用することができ、そのため大量の使用可能カードがあったんです。これらすべてのカードが使えたために、ゴース/ゴースト/わるいラフレシアのような、とんでもなく強力なロックデッキや高速デッキが存在していました〔※訳注:直訳しましたが、これは強力かつ高速なロックデッキ?〕。このデッキは、日本のカードダスで売られていたセットのゴースとゴーストを使っています。
ゴース(拡張シート緑):
無 こわがらせる
次の相手の番が終わるまで、相手プレイヤーは「トレーナーカード」を使うことができない。
超無 あんこく 10
コインを投げて「おもて」なら、相手を「こんらん」状態にする。

ゴースト(拡張シート緑):
超 ポルターガイスト 10×
相手の手札を見て、その中にある「トレーナーカード」の枚数×10のダメージ。
超超 ナイトメア 20
コインを投げて「おもて」なら、相手を「ねむり」状態に、「うら」なら「こんらん」状態にする。

わるいラフレシア(ロケット団):
【特殊能力】アレルギーかふん
このカードが場にいる限り、誰もトレーナーカードを使うことができない。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。
草草草 はなびらのうず 30×
コインを3枚投げて「おもて」の数×30のダメージ。2枚以上「おもて」なら、自分は「こんらん」状態になる
ゴースのこわがらせるを使うと、相手は一切トレーナーカードを使うことができなくなります(ちなみに、この時代のトレーナーカードというのは、サポーター、スタジアム、グッズといった個々のトレーナーのカードすべてを含んでいました!)。そうしてわるいラフレシアのアレルギーかふんがあるとお互いのプレイヤーがトレーナーカードを使えなくなるため、ゴーストのポルターガイストのダメージが対戦中ずっと増え続けていくんです!

 その他のロックデッキに、ロケット団のわな、ロケット団のおねーさん、ミニスカートといったカードを使ったものがありました。これらのカードを使うと、相手の手札は1ターンか2ターンですべて無くなります。
ロケット団のわな(ジム拡張1):
コインを投げて「おもて」なら、相手の手札から、おもてを見ないで最大3枚を選び、相手の山札にもどす。その後、その山札をよく切る。

ロケット団のおねーさん(ロケット団):
相手の手札を見る。その中にトレーナーカードがあれば、1枚を選び、それを相手の山札にもどさせる。その後、その山札をよく切る。

ミニスカート(第一弾):
お互いのプレイヤーは手札を見せ合い、手札にあるトレーナーカードを全て山札に戻す。そのあとで山札をよくきって、プレイを再開する。
そして、壊れカードがゲームを支配してしまうのを防ぐために、ルール制限もありました。☆1から☆4までの殿堂ランクがついたカードがあり、デッキ内の殿堂ランクを合計4個以下にしなければなりませんでした。このルールではどのカードを使うかも重要であり、私にとっては楽しかったルールでもありました。以下のリストは、私が参加したサマーロード2001の時点で殿堂ランクがどう振られていたのかを示してあります(文章が長くなるのでカードテキストはもう書きません!)。
☆☆☆☆
なし

☆☆☆
カメックス(第一弾)
プクリン(ジャングル)
わるいラフレシア(ロケット団)
ニューラ(ネオ1)
エリカのプリン(ジム拡張1)

☆☆
エレブー(第一弾)
エビワラー(第一弾)
ラッキー(第一弾)
超エネルギーリムーブ(第一弾)
ダウジングマシーン(第一弾)
無色2個エネルギー(第一弾)
ピクシー(ジャングル)
ストライク(ジャングル)
ブーバー(化石)
ベトベトン(化石)
にせオーキドの逆襲(ロケット団)
ロケット団のわな(ジム拡張1)
R団のサンダー(ジム拡張2)
錯乱ジム(ジム拡張1)
マグカルゴ(ネオ3)


エネルギーリムーブ(第一弾)
ミニスカート(第一弾)
プテラ(化石)
バリヤード(拡張シート青)
カスミのいかり(ジム拡張1)
オーダイル(プレミアム1)
ピィ(ネオ1)
ピチュー(ネオ1)
おうごんのみ(ネオ1)
悪エネルギー(ネオ1)
鋼エネルギー(ネオ1)
バルキー(ネオ2)
〔※訳注:訳出の際、当時の殿堂ランクとレギュレーションの日本語テキストは、レインボージムWebさんを参考にさせていただきました〕
そういえば、日本以外の他国では、ヤドキング(ネオ1)が活躍していたという話を聞いたことがあります。このカードには非常に強力な特殊能力がありました。
【特殊能力】ちえくらべ
相手プレイヤーが「トレーナーカード」を手札から出して使うとき、このカードの持ち主は、コインを投げる。「おもて」なら、相手プレイヤーは、その「トレーナーカード」を使えず、その「トレーナーカード」を相手の山札の上におく。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態のとき、この力は使えない。
〔※訳注:上記は英語版ヤドキングの効果であることに注意〕
ものすごく強いですよね? どうして日本ではこれに殿堂ランクがつかなかったんでしょう。その理由は、このカードでは、日本語テキストに存在していた一文が抜け落ちてしまったからなんです。「この力は、このカードがバトル場にいるとき、使える」。つまり、ベンチに何体ヤドキングを並べたところで相手のトレーナーはロックできないわけです。そういうわけで、日本ではヤドキングはまったく使われませんでした。

 殿堂ランクからわかるとおり、ピィ(ネオ1)のような強いベイビィポケモンは、当時とても活躍していました。しかしながら、それらのうちの何枚かにも殿堂制限がかけられたおかげで、進化デッキや小技も含め、たくさんのデッキがありました。なので2001年の頃の私自身の話をする前に、面白いと感じた当時のデッキをいくつか紹介させてください。

メガニウム(ネオ1)/わるいベトベトン(ロケット団)
メガニウム(ネオ1):
【特殊能力】おいしげる
このカードが場にいるかぎり、自分の場の「草」ポケモンについている「草」エネルギーカードは、「草」エネルギー2個ぶんとしてはたらく。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態のとき、この力は使えない。
草草草草 アロマスリープ 40
相手を「ねむり」状態にする。

わるいベトベトン(ロケット団):
【特殊能力】ねんちゃくえき
このカードがバトル場にいるかぎり、相手の対戦ポケモンは、「にげる」時トラッシュするエネルギーが2ぶん多く必要になる。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。
草草 ヘドロパンチ 20
相手を「どく」状態にする。
たくさんのベイビィポケモンが活躍していたため、わるいベトベトンはそれらを止めるために使われました。ベイビィポケモン登場後、わるいベトベトンは強力なメタカードとして扱われました。

わるいクロバット(ネオ4)/エリカの香水
わるいクロバット(ネオ4):
【特殊能力】とつぜんかみつく
この力は、このカードを手札から場に出してポケモンを進化させたとき、1回だけ使うことができる。相手の場のポケモンを1匹選び、そのポケモンに、「弱点・抵抗力」に関係なく、20ダメージ。
草草 ダークドレイン
相手の場のポケモン全員に対して、1枚ずつコインを投げ、「おもて」が出たポケモン全員に、「弱点・抵抗力」に関係なく、それぞれ10ダメージ。その後、与えたダメージの合計ぶんのダメージカウンターを、自分からとりのぞく。

エリカの香水(ジム拡張1):
相手プレイヤーの手札を見る。相手のベンチに空きがあれば、相手の手札から「たねポケモン」を好きなだけ選び、相手のベンチに出させてよい。
ベイビィポケモンが強力な特殊能力とワザを持っていたために、ベイビィを6回倒すことに集中したデッキもありました。与えられたダメージが特殊能力からのものならば、コインを振る必要はないわけです。ベイビィを倒したあと、エリカの香水を使ってまた場に出させ、それをわるいクロバットのとつぜんかみつくでまた倒すんです! そう考えると、特殊能力を使って相手を倒すというのは珍しいことだと思います。

バクフーン(ネオ1)/
リザードン(第一弾)/マグカルゴ(ネオ3)/カツラのウインディ(ジム拡張2)など
バクフーン(ネオ1):
【特殊能力】ファイヤーリチャージ
この力は、自分の番ごとに1回使える。コインを投げて「おもて」なら、自分のトラッシュから「炎」エネルギーカードを1枚選び出し、自分の場の「炎」ポケモンにつける。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態のとき、この力は使えない。
炎炎炎炎 バーストフレイム 60
コインを投げて「おもて」なら、20ダメージを追加し、自分にも20ダメージ。

リザードン(第一弾):
【特殊能力】エナジーバーン
リザードンは、「炎」以外の自分のエネルギーを「炎」エネルギーとして扱うことができる。「ねむり・マヒ・こんらん」状態のときには使えない。
炎炎炎炎 ほのおのうず 100
自分のエネルギーカードを2枚はがしてすてる。
〔※訳注:エナジーバーンのテキストは英語版に従いました〕

マグカルゴ(ネオ3):
【特殊能力】やけのこり
この力は、このカードがバトル場からベンチにもどるたび、はたらく。このカードに「炎」エネルギーカードがついているなら、1枚をはがし、新しく出てきた対戦ポケモンにつけ替える。
炎炎炎 ようがんりゅう 40+
のぞむなら、自分についている「炎」エネルギーカードを好きなだけトラッシュしてよい。トラッシュした場合、トラッシュした「炎」エネルギーカードの数×20のダメージを追加する。

カツラのウインディ(ジム拡張2):
炎無無 ヒートタックル 40
自分にも10ダメージ。
炎炎炎炎 ほのおのあらし 120
自分についている「炎」エネルギーカードを3枚トラッシュしなければ、このワザは使えない。
バクフーンのファイヤーリチャージのサポートがあれば、炎ポケモンは相手に大ダメージを与えることが可能になります。これはシビビールの起源だと思いますし、やっていることは同じような感じです。

キングドラ(ネオ3)/リサイクルエネルギー(ネオ1)
キングドラ(ネオ3):
無 りゅうのいでんし
自分が進化する前に持っていたワザを1つ選び、自分のワザとして使う(そのワザに必要な「エネルギー」が、自分についていなくても、使うことができる)。
水水無無 たつまき 50
コインを2枚投げ、「おもて」の数ぶんの「エネルギーカード」を、相手からトラッシュする。すべて「うら」なら、このワザは失敗する。

リサイクルエネルギー(ネオ1):
このカードは「無色」エネルギー1個ぶんとしてあつかう。
このカードが、場からトラッシュにおかれたとき、このカードを持ち主の手札にもどす。
(「無色」エネルギーは、ほかの色のエネルギーのかわりにはならない。ほかの色のエネルギーは「無色」エネルギーのかわりになる。)
このデッキには3~4枚のエネルギーしか入っていませんでしたが、キングドラ自体が1エネでワザを使えました。そのため、ポケモンセンター(自分の場のダメージを全回復できましたが、回復したポケモンからはエネルギーを全てトラッシュ)のようなカードを使い、キングドラを生き残らせるようになっています。

 さて、カードやデッキや環境のアイディアが多少なりとも浮かんだでしょうか? あるいは、その頃の記憶を思い出せたでしょうか? 最後に、私自身の大会レポートに入りたいと思います。

 2001年、私は高校2年生で、まだポケカの世界に入ったばかりでした。デッキやメタについては何も知らず、自分のやりたいようにデッキを作ってプレイしていました。そのころ私は石川県に住んでいたのですが、公式大会がありませんでした。なので、夜行バスで8時間かけて仙台に行ったんです(それでも、そこが一番近い場所の大会でした)。行くのは大変に見えるかもしれませんが、バスや電車に乗って会場に向かっているときのわくわく感は、今でも忘れることができません。

 私が使ったデッキはフシギバナ/わるいベトベトンでした。実際なぜこのデッキを選んだのかよく覚えていないのですが、間違いなく言えるのは、私はフシギバナが大好きだったんです! ポケモン赤緑では、最初のポケモンにフシギダネを選んだほどでした! わるいベトベトンを選んだのは、間違いなく、ベイビィポケモンが幅を利かせていたからでした。
 この点に関して、なぜメガニウムではなくフシギバナなのかと不思議に思われるかもしれません。私が使ったデッキには、メガニウム/わるいベトベトンと比べると、いくつか違ったギミックが搭載されていました。たとえば私は、わるいポケモンのHPを20増やせるロケット団のアジト(ネオ3)をデッキに入れていました。ポケモンセンターも何枚か入れていたので、フシギバナの特殊能力を使って、うまく場のポケモンを回復できるようにしていました。変なチョイスかもしれませんが、私は運良く勝ち進むことができたんです。

 当時は2つのラウンド制でした。最初の予選ラウンドと、最初のラウンドを突破したプレイヤーだけの決勝ラウンドです。最初の予選ラウンドでは、大会のスタッフが作成したデッキを渡され、6~10人が同じグループになって戦います。手渡されるデッキは30枚のハーフデッキで、2種類ありました。片方のデッキは運を使う(コイントスなど)デッキで、もうひとつは安定したカードを使ったデッキでした。たとえば運デッキの方には、コインで表が出たら4枚引けるマサキの転送装置が入っていて、確実に2枚引けるマサキは、安定デッキの方に入っていました。
 私は安定デッキのほうを選び、大会が始まりました。予選を突破するには、グループ内で一番良い成績を取る必要があります。ちょっとどきどきです。3試合戦って私は合計9枚のサイドを取り(30枚デッキのときはサイド3枚戦だったので、これが最大枚数でした)、予選突破することができたんです!

 決勝ラウンドの、ベスト32(たぶん。よく覚えていません)の5戦目、私の対戦相手は炎デッキでしたが、大きな問題はありませんでした〔※訳注:これは4戦目?〕。わるいベトベトンのおかげで私は難なく決勝戦に進むことができたんです。決勝戦で戦うのはこれが初めてでしたが、賞品をもらえることがわかっていたので、私はもう満足でした。心の中は、「本でしか見たことのないカードがもらえる! 最高じゃん!」という感じです。そのときは優勝しようなんて思っておらず、運良く勝ててきたこの結果に、私はそれだけで満足していたんです。
 決勝は、メガニウム/わるいベトベトンとの対戦でした。ゲームが始まってみると、この対戦はかなり有利なのではないかと思いました。まず、フシギバナでソーラービームを撃てば、スタジアムがなければわるいベトベトンを一撃で倒すことができます。そしてメガニウムは、ソーラービーム2発で倒すことができるんです。一方で、メガニウムがフシギバナを倒すには3回攻撃する必要があります。どちらもポケモンセンターを入れていたため、きぜつに必要な攻撃回数がゲームを左右しました。そして、メタ内デッキと見なされもしない私のデッキが、試合を制してしまったんです! このときは運が良かったと、私は今でも思います。家までの帰り道は最高でした。最後の試合を勝った瞬間を思い出すたびに、顔から笑いが離れませんでした。

 この当時、私は決勝で勝つためのテクニックを何も持っていませんでした。それでも、この経験が私を変えることになったんです。

 仙台の大会から1ヶ月後、7都道府県で行われた大会の優勝者が集められ、日本一を決めるための大会が行われました。この1ヶ月間、私は今まで以上にポケカに集中していました。知り合いのプレイヤー何人かに環境について尋ね、それを研究しました。見つけることのできたデッキはすべて試しました。ただ、この時点で、私は一人回ししかしていなかったんです。デッキを右側と左側にそれぞれ置き、片方の手札については何も知らないかのようにプレイしました。私は今でもこの方法を使っていますが、そのおかげでデッキリストを完成形にでき、プレイ戦略も向上させることができるんです。

 この大会で、私はキングドラデッキを使うことにしました。このデッキのことは先ほど少しだけ説明しましたが、もう少し話してみようと思います。このデッキは、水ポケモンを使っていながら水エネルギーが入っていないため、「ノンウォーター」と呼ばれていました。キングドラには、無色1エネで使えるりゅうのいでんしというワザがあります。リサイクルエネルギーを4枚入れておけば、キングドラはワザを使うことができたんです。リサイクルエネルギーはトラッシュに落ちないため、ポケモンセンターは気軽に使うことができました。そしてそれゆえに、他のカードを入れられるスペースが多くあり、私はベトベトン(特殊能力のかがくへんかガスは、場の全ての特殊能力を無効にします)と超エネルギーリムーブを使うことにしました。リサイクルを4枚入れるスペースもあったので、超エネルギーリムーブは複数回使うことができました。ところで、このデッキを最初に開発したのは、チームアチャモのメンバーに入ることになる菅野さんなんです。これを使っているときにはそのことは知らなかったのですが、チームメンバーが元々開発したデッキを私が使っていたというのは、運命のようなものを感じてしまいます。

 プレイヤーは7人だけだったにもかかわらず、全国大会は2日間かけて行われました。初日は千葉マリンスタジアム近くのホテル内にある大きな部屋で、総当り戦を行いました。上位4人が翌日に進むことができます。2日目は、任天堂スペースワールドのホビーイベントのステージ上で、4人によるトーナメントが行われました。

1日目:リザードンやオーダイルなどのデッキがいましたが、キングドラを使っていたのは私だけでした。リザードンデッキにはバリヤード〔※訳注:特殊能力で弱点を消せるシート青のバリヤード。原文に画像あり〕が入っていましたが、私はベトベトンを入れていたのでまったく問題になりませんでした。しかしながら、オーダイルデッキには一度負けてしまいました。トラッシュに水エネが大量に落ちてしまい、ポケモンセンターが完全に無意味になってしまったんです。私はその日を2位で終え、2日目に進むことができました。運良く大会で優勝してしまった人間が、今や日本のNo1.トレーナーに手が届くところまで来てしまったんです!

2日目:最初の対戦はオーダイルとでした。初日は勝った相手です。このデッキにはマルマイン(第一弾)が入っており、特殊能力を使うことで、早いうちからオーダイルのぎゃくりゅうを使うことができました(特殊能力のエネエネは、きぜつで相手にサイドを1枚取らせますが、マルマインを2枚ぶんのエネとして貼ることができます)。しかし実際、これは私にとって有利に働いていました。こちらには超エネルギーリムーブがあるため、オーダイル側の速度を落とすことができるからです。しかしながら今回は違いました。相手は、こちらがどうプレイするのかをわかっていたからです。トラッシュ交換(ジム拡張2、自分のトラッシュの枚数を数えて山札に戻し、同じ枚数のカードを山札からトラッシュ)を使われ、90ダメージが簡単にキングドラに飛んできました。何とかしてキングドラを場に維持しようとしましたが、相手から飛んでくるダメージの方が大きかったんです。結局私は、最初の試合に負けてしまいます。2戦目の相手はリザードンでしたが、これには初日と同じようにして勝つことができました。

 初めての全国大会で、私は3位になることができたんです。十分な結果に思えるかもしれません。ただこのときは、それ以上にがっかりしていました。私はメタ内で使われていたようなオーダイルを組んでいなかったため、要するに自分が練習していたものでは十分ではなかったんです。もっとオーダイルと練習していたら、さらにうまくやれたはずでした。だからこそとても悲しかったんです。
 私は3位に終わり、決勝戦を戦うことができませんでした。それでも、仙台大会を運良く勝てたからこそ、全国大会に出ることができたわけです。研究し、しっくりくるカードを使い、そして何度も何度もプレイテストを繰り返す。今の私にとっては当たり前のことですが、それは、このときの経験から学んだことでした。この大会の後から私は、参加するすべての大会で、優勝してやろうという強い決意を持って臨むようになりました。もしも2001年の経験がなければ、こんな風に思うようにはならなかったでしょう。
 もしもあなたが今とてもポケモンカードに熱中しているならば、そうなったきっかけがあったのだと思います。ポケカにのめり込むきっかけになったときの思い出と、そのときに抱いた大きなモチベーションは、間違いなく、素晴らしいものなんです。
 それでは、また次回にお会いしましょう!

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 訳しながら、昔のカードがたくさん出てきて凄く懐かしい気持ちになっていました。その意味では、昔の思い出を呼び起こすという元記事の趣旨が見事に当たっているわけですw
 どうでもいい余談ですが、このときの僕は地区大会予選で3連勝したものの、1試合が1キル勝ちだったためサイド数が足りずに予選落ちでした。これで予選落ちとかポケカの大会マジクソだなと当時は思っていましたが、こうして記事を読むと、やっぱり勝つべき人が勝っているんだなと強く感じますw

 この分量での連載は大変かもしれませんが、次回にも期待してしまいますね。

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