【コラム】ポケカの英語記事を読むための用語・スラング集
2013年11月9日コメント (4) このブログでは定期的に英語記事の翻訳をしていますが、ポケカの英語記事は基本的にカード名やポケモン名が入り乱れているだけともいえます。
そのため、簡単な英語の知識さえあれば、けっこう拾い読みだけで内容を把握することができます(なので翻訳の需要って実はあんまりないわけです)。
ただ、その際にちょっと困るのが、いわゆるスラングの存在です。
日本のポケカ界にも略語やスラングはたくさん存在します(たとえばドロソとか)が、海外ポケカ界にももちろん多くあり、初見ではなかなか意味がわかりません。
いざ読み始めると、「OHKOって何?」のような疑問は必ず出てしまいます。
今回は、英語記事を覗いてみたときによく出てくる略語やスラングの意味を集めてみました。
参考にしてください……とまでは言えないのですが、こんなものがあるのか、程度に見ていただければと思います。
もちろん、海外記事を読む際に役立てていただければ何より幸いです。
カード名やデッキ名、カード上の表記は原則として省きました。また、カタカナで何となく意味がわかるもの(metagameやplaytestなど)も基本的に載せませんでした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
attack:
直訳は「攻撃」ですが、ポケカではワザのことです。攻撃のイメージに反し、ダメージを与えないワザでもこの言葉が使われます。
auto-loss:
自動的な負け。つまりほぼ勝てないマッチアップのこと。逆はauto-win。TCG全般でしばしば使われる言葉です。
BDIF:
環境最強デッキ、トップメタデッキのこと。"best deck in format"の略です。
bench sitter:
いわゆる置物。強いとくせいを持っていたりして、ベンチに置いておかれるカードのことです。
BO3:
"best of three"の略で、3ゲーム勝負のこと。2ゲームを取った方の勝ちです。まれに1ゲーム勝負のことを"BO1"とも略記します。
come back:
対戦レポでこの単語が出てきたら、意味はだいたいの場合、不利な状況から巻き返すことです。
competitive:
直訳っぽい意味は「競技寄りの」。カジュアルの逆のような感じです。"competitive player"とあれば、いわゆる日本でいうガチプレイヤーのことを指しますが、そこまで侮蔑的な意味はありません。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
consistency:
直訳は「一貫性」なのですが、デッキについて使われているときは、日本語で言うところの「安定性」に近い意味です。"consistent"ならば「安定している/安定した」となります。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
copy:
直訳はもちろん「コピー」ですが、単位としてもときどき出てきます。たとえば"four copies of catcher"ときたら、意味は「キャッチャー4枚」です。
donk:
何もできないままゲームがすぐ終わることで、多くの場合1キルのこと。だいたいはそれで負けた側が使います。
flip:
コインまたはダイスを振ること。最近は日本でもおなじみになりつつある言葉です。"heads"が表で"tails"が裏で、慣用的に複数形になるようです。ダイスの場合は偶数が表として扱われます。
good game:
負けた側が勝った側にかける決まり文句で、「お疲れ」ぐらいの意味でしょうか。略称は"GG"。対戦ゲーム全般でよく使われる言葉です。
hype:
過大評価、過剰な浮かれ騒ぎのこと。新弾発売直後など、一部のカードやデッキが大げさな話題になっている状態などを指して使われます。
list:
デッキレシピのこと。海外ではデッキ内容を書くのに"recipe"という語はまず使われず、ほとんどが"deck list"または単に"list"です。
Nationals:
国別選手権大会。だいたいの場合アメリカ大会。略称は"Nats"。他にも大会の種類ごとに略称が色々あるのですが、大会の種類を全部把握するのは面倒なので、別段覚えなくてもいいとは思います……。
OHKO:
一撃で相手ポケモンを倒すこと。"one-hit knockout"の略です。ポケカ限定の用語ではないようですが、対戦レポートではよく出てくる言葉です。過去形または受身形では、"OHKOed"や"OHKO’d"と書かれます。
prize:
サイドのこと。名詞でも動詞でも使われます。動詞の場合はサイド落ちの意味になり、受身形で用いられることがとても多いです。たとえば"My 4th catcher was prized."とあれば、「4枚目のキャッチャーがサイド落ちしていた」という意味になります。
rogue:
メタ外の地雷デッキのことで、たいてい"rogue deck"の形で使われます。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
run:
レポートやデッキについての話でこの語が出てきたら、意味は「~を使っている/~をデッキに入れている」。TCG全般で使用頻度の高い使い方です。
scoop:
投了すること。直訳は「すくい上げる」ですが、投了したプレイヤーは投了の意思表示として場のカードをすくい上げてまとめることから、この言葉が投了の意味で使われます。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。ちなみに原則として日本のポケカでは投了は認められていません。
season:
海外ポケカの1シーズンは、世界大会直後に新環境のローテーションが実施されてから、次の世界大会までになります。
set up:
序盤に場を展開すること。または、進化ポケモンを立てること。カタカナ語のイメージからコンボデッキの組み立ての意味と思いがちですが(もちろんその意味は強いのですが)、コンボ、ビートどちらでも使われます。
splash:
いわゆるタッチカードのこと。あるいは、カードをタッチすること。日本語で言う「~枚挿し」のようなニュアンスです。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
stalling:
時間稼ぎ、遅延行為のこと。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
tech:
いわゆる「テク」なのですが、デッキの細かい部分で特徴を出すこと。またはその特徴のこと。ギミックやタッチカードの意味で用いられます。最近の例では、Plasmaでの"Life Dew tech"、つまりいのちのしずく入りプラズマのような形で使われました。
theorymon:
おもにゲームの方で使われる言葉で、ポケモンのデータや各数値を基に対戦の戦略を練ること。ただしカードでも、メタ読みの意味で使われることもあります。
tier:
デッキがメタゲーム内のどのあたりの位置にあるかを示す言葉で、"tier 1"ならばトップメタ、"tier 2"ならばその下あるいは対抗デッキ、といったイメージです。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
top cut:
予選ラウンドを突破すること。使用頻度のかなり高い言葉で、某海外サイト名の元ネタでもあります。動詞の"make"と一緒になると、"cut"だけでこの意味として使われることもあります。
tournament:
英語では大会全般を指します。日本語でいう負けたら終わりのトーナメントは、英語では"single elimination"(シングルエリミネーション)という方式です。
TPCi:
"The Pokemon Company International"のこと。要するに株ポケ。
variant:
その前にデッキ名やカード名がついて、「○○派生」のこと。たいてい複数形になります。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
このほか適宜追加していこうと思います。
質問意見等々あれば、答えられる限りお答えしようと思います。
最後に、海外の戦略系有名サイトってどんなのがあるの、という紹介です。
このブログでも何度も名前が出てきているのですが、基本的には3つだけ知っておけば、戦略系はだいたい追えます。
・60cards(ttp://60cards.net/)
・SixPrizes(ttp://www.sixprizes.com/)
・The Top Cut(ttp://thetopcut.net/)
ちなみに、ゲーム含めたニュース系にはPokeBeach(ttp://pokebeach.com/)という最大手があります。
そのため、簡単な英語の知識さえあれば、けっこう拾い読みだけで内容を把握することができます(なので翻訳の需要って実はあんまりないわけです)。
ただ、その際にちょっと困るのが、いわゆるスラングの存在です。
日本のポケカ界にも略語やスラングはたくさん存在します(たとえばドロソとか)が、海外ポケカ界にももちろん多くあり、初見ではなかなか意味がわかりません。
いざ読み始めると、「OHKOって何?」のような疑問は必ず出てしまいます。
今回は、英語記事を覗いてみたときによく出てくる略語やスラングの意味を集めてみました。
参考にしてください……とまでは言えないのですが、こんなものがあるのか、程度に見ていただければと思います。
もちろん、海外記事を読む際に役立てていただければ何より幸いです。
カード名やデッキ名、カード上の表記は原則として省きました。また、カタカナで何となく意味がわかるもの(metagameやplaytestなど)も基本的に載せませんでした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
attack:
直訳は「攻撃」ですが、ポケカではワザのことです。攻撃のイメージに反し、ダメージを与えないワザでもこの言葉が使われます。
auto-loss:
自動的な負け。つまりほぼ勝てないマッチアップのこと。逆はauto-win。TCG全般でしばしば使われる言葉です。
BDIF:
環境最強デッキ、トップメタデッキのこと。"best deck in format"の略です。
bench sitter:
いわゆる置物。強いとくせいを持っていたりして、ベンチに置いておかれるカードのことです。
BO3:
"best of three"の略で、3ゲーム勝負のこと。2ゲームを取った方の勝ちです。まれに1ゲーム勝負のことを"BO1"とも略記します。
come back:
対戦レポでこの単語が出てきたら、意味はだいたいの場合、不利な状況から巻き返すことです。
competitive:
直訳っぽい意味は「競技寄りの」。カジュアルの逆のような感じです。"competitive player"とあれば、いわゆる日本でいうガチプレイヤーのことを指しますが、そこまで侮蔑的な意味はありません。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
consistency:
直訳は「一貫性」なのですが、デッキについて使われているときは、日本語で言うところの「安定性」に近い意味です。"consistent"ならば「安定している/安定した」となります。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
copy:
直訳はもちろん「コピー」ですが、単位としてもときどき出てきます。たとえば"four copies of catcher"ときたら、意味は「キャッチャー4枚」です。
donk:
何もできないままゲームがすぐ終わることで、多くの場合1キルのこと。だいたいはそれで負けた側が使います。
flip:
コインまたはダイスを振ること。最近は日本でもおなじみになりつつある言葉です。"heads"が表で"tails"が裏で、慣用的に複数形になるようです。ダイスの場合は偶数が表として扱われます。
good game:
負けた側が勝った側にかける決まり文句で、「お疲れ」ぐらいの意味でしょうか。略称は"GG"。対戦ゲーム全般でよく使われる言葉です。
hype:
過大評価、過剰な浮かれ騒ぎのこと。新弾発売直後など、一部のカードやデッキが大げさな話題になっている状態などを指して使われます。
list:
デッキレシピのこと。海外ではデッキ内容を書くのに"recipe"という語はまず使われず、ほとんどが"deck list"または単に"list"です。
Nationals:
国別選手権大会。だいたいの場合アメリカ大会。略称は"Nats"。他にも大会の種類ごとに略称が色々あるのですが、大会の種類を全部把握するのは面倒なので、別段覚えなくてもいいとは思います……。
OHKO:
一撃で相手ポケモンを倒すこと。"one-hit knockout"の略です。ポケカ限定の用語ではないようですが、対戦レポートではよく出てくる言葉です。過去形または受身形では、"OHKOed"や"OHKO’d"と書かれます。
prize:
サイドのこと。名詞でも動詞でも使われます。動詞の場合はサイド落ちの意味になり、受身形で用いられることがとても多いです。たとえば"My 4th catcher was prized."とあれば、「4枚目のキャッチャーがサイド落ちしていた」という意味になります。
rogue:
メタ外の地雷デッキのことで、たいてい"rogue deck"の形で使われます。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
run:
レポートやデッキについての話でこの語が出てきたら、意味は「~を使っている/~をデッキに入れている」。TCG全般で使用頻度の高い使い方です。
scoop:
投了すること。直訳は「すくい上げる」ですが、投了したプレイヤーは投了の意思表示として場のカードをすくい上げてまとめることから、この言葉が投了の意味で使われます。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。ちなみに原則として日本のポケカでは投了は認められていません。
season:
海外ポケカの1シーズンは、世界大会直後に新環境のローテーションが実施されてから、次の世界大会までになります。
set up:
序盤に場を展開すること。または、進化ポケモンを立てること。カタカナ語のイメージからコンボデッキの組み立ての意味と思いがちですが(もちろんその意味は強いのですが)、コンボ、ビートどちらでも使われます。
splash:
いわゆるタッチカードのこと。あるいは、カードをタッチすること。日本語で言う「~枚挿し」のようなニュアンスです。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
stalling:
時間稼ぎ、遅延行為のこと。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
tech:
いわゆる「テク」なのですが、デッキの細かい部分で特徴を出すこと。またはその特徴のこと。ギミックやタッチカードの意味で用いられます。最近の例では、Plasmaでの"Life Dew tech"、つまりいのちのしずく入りプラズマのような形で使われました。
theorymon:
おもにゲームの方で使われる言葉で、ポケモンのデータや各数値を基に対戦の戦略を練ること。ただしカードでも、メタ読みの意味で使われることもあります。
tier:
デッキがメタゲーム内のどのあたりの位置にあるかを示す言葉で、"tier 1"ならばトップメタ、"tier 2"ならばその下あるいは対抗デッキ、といったイメージです。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
top cut:
予選ラウンドを突破すること。使用頻度のかなり高い言葉で、某海外サイト名の元ネタでもあります。動詞の"make"と一緒になると、"cut"だけでこの意味として使われることもあります。
tournament:
英語では大会全般を指します。日本語でいう負けたら終わりのトーナメントは、英語では"single elimination"(シングルエリミネーション)という方式です。
TPCi:
"The Pokemon Company International"のこと。要するに株ポケ。
variant:
その前にデッキ名やカード名がついて、「○○派生」のこと。たいてい複数形になります。TCG全般で使用頻度の高い言葉です。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
このほか適宜追加していこうと思います。
質問意見等々あれば、答えられる限りお答えしようと思います。
最後に、海外の戦略系有名サイトってどんなのがあるの、という紹介です。
このブログでも何度も名前が出てきているのですが、基本的には3つだけ知っておけば、戦略系はだいたい追えます。
・60cards(ttp://60cards.net/)
・SixPrizes(ttp://www.sixprizes.com/)
・The Top Cut(ttp://thetopcut.net/)
ちなみに、ゲーム含めたニュース系にはPokeBeach(ttp://pokebeach.com/)という最大手があります。
【翻訳】50分3ゲーム制について考える
2013年11月5日コメント (4) 今回は、topcutとsixprizesから、同じテーマについての2つの記事をまとめて紹介しようと思います。そのテーマとは、海外の2013-2014シーズン、つまり今シーズンのルール変更について。
海外では現在、ルール変更により、すべてのスイスラウンドが50分3本勝負になっています。加えてスイスラウンドでは、時間切れの際にサイド数が関係なくなりました(トーナメントでは従来どおりサイド数で決めます)。
その是非についてはルール発表直後からさまざまに言われてきました。
これまでの30分1本勝負から50分3本勝負への一律変更はどのような影響があるのか、そしてそれについて、海外ではどのように言われているのか。今回紹介するのはそのような記事です。
これは海外のルール変更ですが、日本とまったく無関係というわけではありません。すべてのスイスラウンドが変更されるということは、当然WCSもこの変更を受けるはずだからです。
WCS参加予定の方々は、知っておいた方が良い内容かもしれません。
今回紹介するふたつの翻訳は、それぞれリンク元の記事の部分訳になります。元記事のうち、スイスラウンドのルール変更に関する部分のみを抜き出して訳しました。
まずひとつめは、topcutの名物ライター、Kyle Sucevichによる記事です。
キャッチャーや先攻ルールについても書いてある記事なのですが、スイスラウンドの変更についての部分のみを訳しました。
以下、ゲームとマッチという言葉が出てきます。聞き慣れない人もいるかもしれませんが、3本制の場合は3ゲームでひとつのマッチとして数えます。2ゲーム取ったほうが、そのマッチ(試合)の勝者となります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「最近のルール変更について――良い点、悪い点、いやな点」(部分訳)
Recent Rule Changes -- Good, Bad, and Ugly
by Kyle Sucevich
Tuesday, October 8, 2013
ttp://thetopcut.net/2013/10/08/recent-rule-changes-good-bad-and-ugly/
次のシーズンでは、州大会、地区大会、国別大会、そして世界大会のスイスラウンドは、すべて3ゲーム制、50分+3ターンになる。これまでは1ゲーム制の30分+3ターンだった。トーナメントと違い、スイスラウンドでは引き分けが起こる。以下が状況ごとの対処方法だ。
〔※訳注:元記事では引用元が明記されていませんが、以下は"2014 Play! Pokemon TCG Rules and Formats"からの部分引用。ttp://support.pokemon.com/にあります〕
わかりやすく言えば、3ゲームすべて終了しているときまたは1ゲームのみ終了しているとき以外、そのマッチは引き分けになる。もしも1ゲーム目か3ゲーム目において(時間切れ後の)エクストラ3ターン目が終了しても勝者が決まらない場合、そのマッチは引き分けになる。同様の状況が2ゲーム目に起こった場合、1ゲーム目の勝者がそのマッチの勝者になる。トーナメントでは片方のプレイヤーが4枚以上のサイドを取れば試合成立と見なすので、このルールとは異なる。スイスラウンドでは、ゲームが終了していようとしてなかろうと、サイド数では勝敗は決まらない。
良い点:1キルされても影響は少なくなる。そのラウンド自体が負けになってしまう代わりに、まだ2ゲーム勝つチャンスも引き分けを狙うチャンスもある。カードを引く前に負けるのは誰でも御免だ。少なくとも、1ゲームはきちんとプレイできるというわけだ。総じて3ゲーム制は、プレイヤーに多くのゲームをプレイするチャンスを与え、運要素や成績のばらつきを減らしてくれる。
悪い点:引き分けが簡単に起きる。ポケカで3ゲーム行うのは長い時間がかかるため、3ゲーム目に入ってしまったら、だいたいは引き分けに終わる。プレイヤーは勝ち負けを決めるのに慣れている。引き分けはいろいろと面倒になる。しかも引き分けを設けると、多くの人は好きではないが、インテンショナルドローが必然的に副産物として出てきてしまう〔※訳注:インテンショナルドローは、双方のプレイヤーが合意の上で試合を引き分けにすること。負けたら困る試合などの成績の調整に使われる〕。
いやな点:50分では3ゲームをこなすのに全然足りない。そのため、時間調整をうまくやるのが、プレイ自体をうまくやるのと同じくらい重要になってしまう。制限時間が短いせいで、焦ったプレイ、遅延行為、そして不満足な成績が増加するだろう。もともとストレスの多い環境で、さらにプレイヤーにストレスをかけることになってしまう。多くのマッチが引き分けで終わってしまうということは、勝てば3点もらえる代わりに、両プレイヤーに罰として1点ずつしか与えないということだ。何よりも、トーナメントと違うというのは混乱のもとだ。トーナメントでは片方のプレイヤーがサイドを4枚以上取ればゲームが成立したと見なされるのだから。この方式では勝者を決めるのに苦労することになるだろう。おそらくは、50分3ゲーム制にするよりも、30分1ゲーム制を維持して、ラウンドを追加するなら時間を多く取るのが良い選択肢だと思う。
全体の印象――好ましくない:不十分な制限時間の下では、3ゲーム制はこちらを待ち構える災害のようなものだ。きちんとプレイできる時間が取れないのなら、1ゲーム制の方がマシだ。「安っぽい」勝ちの影響を減らしたいなら、単純にスイスラウンドを増やせばいい。初見の印象では、今シーズンは引き分けが増えそうだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。
続いてふたつめの記事は、sixprizesから、常連ライターの一人であるErik Nanceの記事です。
記事自体は有料会員記事なのですが、ルール変更についての部分は会員じゃなくても読むことができます。今回は、その部分の翻訳になります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「『眠る必要なんてあるか?』――意見の書き散らしとトーナメントレポート」(部分訳)
“Who Needs Sleep?” -- Random Retorts and a Tournament Report!
by Erik Nance
Friday, November 1, 2013
ttp://www.sixprizes.com/2013/11/01/who-needs-sleep-random-retorts-and-a-tournament-report/
今シーズンに入るにあたって、僕は多少の予測を立てていた。だいたいは、1ゲーム目の勝利が重要視されるということについてだ。この時間制限のやり方(そして時間切れゲームではサイド数が関係しない)の下では、1ゲーム目に負けてしまったら、2ゲーム目を取るために超高速でプレイする必要が出てくる。時間が切迫すると致命的なミスも出かねないし、そうなればそのまま試合自体に負けてしまう。
実際この新方式は、プレイヤーに多大な精神的プレッシャーを与える。フィラデルフィア地区大会では、初日に9ラウンドののち32人に絞られ、2日目に追加の5ラウンドが行われて8人に絞られる。それだけでも信じられないラウンド数だ。さらにそれぞれのラウンドが最大で3ゲームずつ行われることを考えれば、これは大多数のプレイヤーにとって、これまでで一番たくさんポケカをやった日になるはずだ。そして何よりも、参加者には、50分の時間制限でさらに別のストレスが重なることになる。
プレイしてみると、この新方式は、巨大な山をロッククライミングするようなものだと思った。お互いのプレイヤーがだいたい同じくらいのペースで山を登っていき、いずれ誰かが転げ落ちる。つまりは後れを取る。これは1ゲーム目を負けることに似ている。時間制限があるからには、先に転げ落ちたプレイヤーは、死に物狂いになってもう一人に追いつかなければいけない。そして山を登っているあいだには(それだけですでにリスキーな行いだが)、足を踏み外したり滑らせたりということもかなりありうる。1ゲーム目に負けたプレイヤーにとっては、2ゲーム目での1個のミスも負けに繋がってしまう。
この新方式は、以下のような形でプレイヤーに多大なプレッシャーを与える:
・プレイヤーは、対戦中、どういう時間配分でいくかを定期的に考えなければならない。
・ペース配分を一切考えないのならば、そのせいで面倒なことになる。
・あいまいさを残したまま引き分けにするというのは、それによって試合を終えた多くのプレイヤーを途方に暮れさせてしまう。場の状況を見て本当の勝者を決めるべきなのだろうか? それとも、あと1ターンあれば勝者が決まるのに、引き分けを受け入れろというのだろうか?
・なかにはこの新方式をちゃんと理解していないプレイヤーもおり、相手を急かすと不快感を与えることもある。
・時間切れゲームではサイドの数が関係しないため、あと数ターンあれば明らかに勝ちな状況のときなどは、プレイヤーはかなりの不満に直面することになる。その代わりにプレイヤーは負けか引き分けを受け入れざるを得ず、もしペース配分を違ったふうにしていたら結果は変わっていたと思うと心が滅入ってしまう。
・プレイヤーの多くは全体としてこの方式に不慣れなため、ゲーム前(とゲーム中)に方式の説明が必要になる。
・プレイが遅いプレイヤーに対する不安がある。一方で、プレイスピードが普通であっても相手を急かしてしまうときもある。
こういった状況すべてのせいで、僕はこの新方式が好きになれない。ただ、新しい大会方式が気に入らないとはいえ、3ゲーム制になったのはうれしく思っている。僕の大会成績について言えば、自分の成績を1ゲーム目の結果だけで表せと言われたら、僕の成績は10-4になるはずだ。そう悪くはないけれども、1ゲーム目の負けは大会の最初の方で起こったから、その成績では(以前の大会方式だと)おそらくトップ32には残れなかっただろう〔※訳注:たぶんオポのことを指していると思われます〕。
結局のところ、この新方式には多少の修正が必要だと思うけれど、1ゲーム目で1キルされたり運が悪かったりしてもまだなんとかなるというのはありがたい。要するにこれは、ただの魅力のない「足を踏み外さずに高速で山登り」的なものに過ぎないのだから。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
ふたつの記事では微妙に意見が異なっているとはいえ、どちらもこのルール変更には不満を持っているのがわかります。
引き分けが増えるという彼らの予想はだいたい当たっていて、各地のレポートを読んでいると、実際に引き分けがかなり増えています。やはり3ゲーム目のサイド数が無関係になるのが大きいようです。
確かに3ゲーム制そのものはプレイヤーにとってはありがたいのですが……ルールの落としどころを見つけるのは、なかなか難しいものですね。
海外では現在、ルール変更により、すべてのスイスラウンドが50分3本勝負になっています。加えてスイスラウンドでは、時間切れの際にサイド数が関係なくなりました(トーナメントでは従来どおりサイド数で決めます)。
その是非についてはルール発表直後からさまざまに言われてきました。
これまでの30分1本勝負から50分3本勝負への一律変更はどのような影響があるのか、そしてそれについて、海外ではどのように言われているのか。今回紹介するのはそのような記事です。
これは海外のルール変更ですが、日本とまったく無関係というわけではありません。すべてのスイスラウンドが変更されるということは、当然WCSもこの変更を受けるはずだからです。
WCS参加予定の方々は、知っておいた方が良い内容かもしれません。
今回紹介するふたつの翻訳は、それぞれリンク元の記事の部分訳になります。元記事のうち、スイスラウンドのルール変更に関する部分のみを抜き出して訳しました。
まずひとつめは、topcutの名物ライター、Kyle Sucevichによる記事です。
キャッチャーや先攻ルールについても書いてある記事なのですが、スイスラウンドの変更についての部分のみを訳しました。
以下、ゲームとマッチという言葉が出てきます。聞き慣れない人もいるかもしれませんが、3本制の場合は3ゲームでひとつのマッチとして数えます。2ゲーム取ったほうが、そのマッチ(試合)の勝者となります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「最近のルール変更について――良い点、悪い点、いやな点」(部分訳)
Recent Rule Changes -- Good, Bad, and Ugly
by Kyle Sucevich
Tuesday, October 8, 2013
ttp://thetopcut.net/2013/10/08/recent-rule-changes-good-bad-and-ugly/
次のシーズンでは、州大会、地区大会、国別大会、そして世界大会のスイスラウンドは、すべて3ゲーム制、50分+3ターンになる。これまでは1ゲーム制の30分+3ターンだった。トーナメントと違い、スイスラウンドでは引き分けが起こる。以下が状況ごとの対処方法だ。
〔※訳注:元記事では引用元が明記されていませんが、以下は"2014 Play! Pokemon TCG Rules and Formats"からの部分引用。ttp://support.pokemon.com/にあります〕
1ゲーム目
・もしも最終ターンが1ゲーム目のあいだに終了した場合、そのマッチは引き分けになる。〔※訳注:最終ターンが云々というのは、そのゲームの途中で時間切れになったらという意味です〕
・1ゲーム目終了後に時間切れコールが行われたもののサドンデスゲームの先手後手が決まっていない場合、そのマッチは引き分けになる。〔※訳注:筆者Kyle Sucevichも別のエントリの中で言っていたのですが、サドンデス云々は同時きぜつでしか起こらないので、非常にレアケースだろうということです〕
・1ゲーム目の勝者が決定したあとに時間切れコールが行われたものの2ゲーム目の先手後手がまだ決まっていない場合、1ゲーム目の勝者がマッチの勝者になる。
2ゲーム目
・もしも最終ターンが2ゲーム目のあいだに終了した場合、1ゲーム目の勝者がマッチの勝者になる。
・2ゲーム目終了後に時間切れコールが行われたもののサドンデスゲームの先手後手が決まっていない場合、1ゲーム目の勝者がマッチの勝者になる。
・2ゲーム目の勝者が決定したあとに時間切れコールが行われたものの3ゲーム目の先手後手がまだ決まっていない場合、そのマッチは引き分けになる。
3ゲーム目
・もしも最終ターンが3ゲーム目のあいだに終了した場合、そのマッチは引き分けになる。
・3ゲーム目終了後に時間切れコールが行われたもののサドンデスゲームの先手後手が決まっていない場合、そのマッチは引き分けになる。
わかりやすく言えば、3ゲームすべて終了しているときまたは1ゲームのみ終了しているとき以外、そのマッチは引き分けになる。もしも1ゲーム目か3ゲーム目において(時間切れ後の)エクストラ3ターン目が終了しても勝者が決まらない場合、そのマッチは引き分けになる。同様の状況が2ゲーム目に起こった場合、1ゲーム目の勝者がそのマッチの勝者になる。トーナメントでは片方のプレイヤーが4枚以上のサイドを取れば試合成立と見なすので、このルールとは異なる。スイスラウンドでは、ゲームが終了していようとしてなかろうと、サイド数では勝敗は決まらない。
良い点:1キルされても影響は少なくなる。そのラウンド自体が負けになってしまう代わりに、まだ2ゲーム勝つチャンスも引き分けを狙うチャンスもある。カードを引く前に負けるのは誰でも御免だ。少なくとも、1ゲームはきちんとプレイできるというわけだ。総じて3ゲーム制は、プレイヤーに多くのゲームをプレイするチャンスを与え、運要素や成績のばらつきを減らしてくれる。
悪い点:引き分けが簡単に起きる。ポケカで3ゲーム行うのは長い時間がかかるため、3ゲーム目に入ってしまったら、だいたいは引き分けに終わる。プレイヤーは勝ち負けを決めるのに慣れている。引き分けはいろいろと面倒になる。しかも引き分けを設けると、多くの人は好きではないが、インテンショナルドローが必然的に副産物として出てきてしまう〔※訳注:インテンショナルドローは、双方のプレイヤーが合意の上で試合を引き分けにすること。負けたら困る試合などの成績の調整に使われる〕。
いやな点:50分では3ゲームをこなすのに全然足りない。そのため、時間調整をうまくやるのが、プレイ自体をうまくやるのと同じくらい重要になってしまう。制限時間が短いせいで、焦ったプレイ、遅延行為、そして不満足な成績が増加するだろう。もともとストレスの多い環境で、さらにプレイヤーにストレスをかけることになってしまう。多くのマッチが引き分けで終わってしまうということは、勝てば3点もらえる代わりに、両プレイヤーに罰として1点ずつしか与えないということだ。何よりも、トーナメントと違うというのは混乱のもとだ。トーナメントでは片方のプレイヤーがサイドを4枚以上取ればゲームが成立したと見なされるのだから。この方式では勝者を決めるのに苦労することになるだろう。おそらくは、50分3ゲーム制にするよりも、30分1ゲーム制を維持して、ラウンドを追加するなら時間を多く取るのが良い選択肢だと思う。
全体の印象――好ましくない:不十分な制限時間の下では、3ゲーム制はこちらを待ち構える災害のようなものだ。きちんとプレイできる時間が取れないのなら、1ゲーム制の方がマシだ。「安っぽい」勝ちの影響を減らしたいなら、単純にスイスラウンドを増やせばいい。初見の印象では、今シーズンは引き分けが増えそうだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。
続いてふたつめの記事は、sixprizesから、常連ライターの一人であるErik Nanceの記事です。
記事自体は有料会員記事なのですが、ルール変更についての部分は会員じゃなくても読むことができます。今回は、その部分の翻訳になります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「『眠る必要なんてあるか?』――意見の書き散らしとトーナメントレポート」(部分訳)
“Who Needs Sleep?” -- Random Retorts and a Tournament Report!
by Erik Nance
Friday, November 1, 2013
ttp://www.sixprizes.com/2013/11/01/who-needs-sleep-random-retorts-and-a-tournament-report/
今シーズンに入るにあたって、僕は多少の予測を立てていた。だいたいは、1ゲーム目の勝利が重要視されるということについてだ。この時間制限のやり方(そして時間切れゲームではサイド数が関係しない)の下では、1ゲーム目に負けてしまったら、2ゲーム目を取るために超高速でプレイする必要が出てくる。時間が切迫すると致命的なミスも出かねないし、そうなればそのまま試合自体に負けてしまう。
実際この新方式は、プレイヤーに多大な精神的プレッシャーを与える。フィラデルフィア地区大会では、初日に9ラウンドののち32人に絞られ、2日目に追加の5ラウンドが行われて8人に絞られる。それだけでも信じられないラウンド数だ。さらにそれぞれのラウンドが最大で3ゲームずつ行われることを考えれば、これは大多数のプレイヤーにとって、これまでで一番たくさんポケカをやった日になるはずだ。そして何よりも、参加者には、50分の時間制限でさらに別のストレスが重なることになる。
プレイしてみると、この新方式は、巨大な山をロッククライミングするようなものだと思った。お互いのプレイヤーがだいたい同じくらいのペースで山を登っていき、いずれ誰かが転げ落ちる。つまりは後れを取る。これは1ゲーム目を負けることに似ている。時間制限があるからには、先に転げ落ちたプレイヤーは、死に物狂いになってもう一人に追いつかなければいけない。そして山を登っているあいだには(それだけですでにリスキーな行いだが)、足を踏み外したり滑らせたりということもかなりありうる。1ゲーム目に負けたプレイヤーにとっては、2ゲーム目での1個のミスも負けに繋がってしまう。
この新方式は、以下のような形でプレイヤーに多大なプレッシャーを与える:
・プレイヤーは、対戦中、どういう時間配分でいくかを定期的に考えなければならない。
・ペース配分を一切考えないのならば、そのせいで面倒なことになる。
・あいまいさを残したまま引き分けにするというのは、それによって試合を終えた多くのプレイヤーを途方に暮れさせてしまう。場の状況を見て本当の勝者を決めるべきなのだろうか? それとも、あと1ターンあれば勝者が決まるのに、引き分けを受け入れろというのだろうか?
・なかにはこの新方式をちゃんと理解していないプレイヤーもおり、相手を急かすと不快感を与えることもある。
・時間切れゲームではサイドの数が関係しないため、あと数ターンあれば明らかに勝ちな状況のときなどは、プレイヤーはかなりの不満に直面することになる。その代わりにプレイヤーは負けか引き分けを受け入れざるを得ず、もしペース配分を違ったふうにしていたら結果は変わっていたと思うと心が滅入ってしまう。
・プレイヤーの多くは全体としてこの方式に不慣れなため、ゲーム前(とゲーム中)に方式の説明が必要になる。
・プレイが遅いプレイヤーに対する不安がある。一方で、プレイスピードが普通であっても相手を急かしてしまうときもある。
こういった状況すべてのせいで、僕はこの新方式が好きになれない。ただ、新しい大会方式が気に入らないとはいえ、3ゲーム制になったのはうれしく思っている。僕の大会成績について言えば、自分の成績を1ゲーム目の結果だけで表せと言われたら、僕の成績は10-4になるはずだ。そう悪くはないけれども、1ゲーム目の負けは大会の最初の方で起こったから、その成績では(以前の大会方式だと)おそらくトップ32には残れなかっただろう〔※訳注:たぶんオポのことを指していると思われます〕。
結局のところ、この新方式には多少の修正が必要だと思うけれど、1ゲーム目で1キルされたり運が悪かったりしてもまだなんとかなるというのはありがたい。要するにこれは、ただの魅力のない「足を踏み外さずに高速で山登り」的なものに過ぎないのだから。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
ふたつの記事では微妙に意見が異なっているとはいえ、どちらもこのルール変更には不満を持っているのがわかります。
引き分けが増えるという彼らの予想はだいたい当たっていて、各地のレポートを読んでいると、実際に引き分けがかなり増えています。やはり3ゲーム目のサイド数が無関係になるのが大きいようです。
確かに3ゲーム制そのものはプレイヤーにとってはありがたいのですが……ルールの落としどころを見つけるのは、なかなか難しいものですね。
自主大会を中心に日本でも市民権を得つつあるダイス使用ですが、ポケカ公式のダイスケースが発売されているわけではないので、持ち運び方法は人それぞれです。
特にダメカンとして使うと10個以上は必要になるため、ダメカン同様、相応の入れ物が必要になります。
ダイスを使う人の中には、ケース派と袋派がいます。巾着袋は外からの衝撃に強く、持ち運びの際に音がしないメリットがありますが、個人的には、ダイスの出し入れが楽で中身が一目でわかるケースのほうが好みです。
とはいえ、今の公式はダメカンケースすら通常販売していない悲しい現状です。ただ過去のダメカンケースはそのままダイスケースとしても転用できるため、とても重宝します。
【写真1枚目】は、使っている人も多いと思いますが、過去のジムチャレ(たぶん。2009のロゴあり)のプライズです。単純な作りのケースですが、シンプルなだけあって非常に使いやすく、気に入っています。
手前に入っている紫色のダイスは、みんな大好きChessex社製の半透明12mmダイスです。ダメカンとして使い勝手の良いダイスで、今回のうきにん杯で別色をランダム賞の景品にしたところ好評だったので、次回も出そうかなと考えています。
ちなみにこのケースは、写真奥に写っている12面ダイスのような大きめのものも入るので、かなり優秀です。
公式のダメカンケース以外にも、ダイスケースにできるものはいくつもあります。
【写真2枚目】は、いまポケセンで販売されているキラキラ缶コレクション。
今回のうきにん杯でしらさぎくんが使っていて存在を知ったのですが、これ、使ってみるとめちゃくちゃ可愛いです。1つ500円というぼったくり価格も、このデザインのためと思えば許せます。
【写真3枚目】は大きさの比較用ですが、このキラキラ缶コレクションは、大きさ14mmまでのダイスなら入ります。写真にある12mmサイズなら、18個まで収納可能です。
みなさんはどんな入れ物にダイスを入れていますか?
特にダメカンとして使うと10個以上は必要になるため、ダメカン同様、相応の入れ物が必要になります。
ダイスを使う人の中には、ケース派と袋派がいます。巾着袋は外からの衝撃に強く、持ち運びの際に音がしないメリットがありますが、個人的には、ダイスの出し入れが楽で中身が一目でわかるケースのほうが好みです。
とはいえ、今の公式はダメカンケースすら通常販売していない悲しい現状です。ただ過去のダメカンケースはそのままダイスケースとしても転用できるため、とても重宝します。
【写真1枚目】は、使っている人も多いと思いますが、過去のジムチャレ(たぶん。2009のロゴあり)のプライズです。単純な作りのケースですが、シンプルなだけあって非常に使いやすく、気に入っています。
手前に入っている紫色のダイスは、みんな大好きChessex社製の半透明12mmダイスです。ダメカンとして使い勝手の良いダイスで、今回のうきにん杯で別色をランダム賞の景品にしたところ好評だったので、次回も出そうかなと考えています。
ちなみにこのケースは、写真奥に写っている12面ダイスのような大きめのものも入るので、かなり優秀です。
公式のダメカンケース以外にも、ダイスケースにできるものはいくつもあります。
【写真2枚目】は、いまポケセンで販売されているキラキラ缶コレクション。
今回のうきにん杯でしらさぎくんが使っていて存在を知ったのですが、これ、使ってみるとめちゃくちゃ可愛いです。1つ500円という
【写真3枚目】は大きさの比較用ですが、このキラキラ缶コレクションは、大きさ14mmまでのダイスなら入ります。写真にある12mmサイズなら、18個まで収納可能です。
みなさんはどんな入れ物にダイスを入れていますか?
カメケルレッドシグナル
2013年10月30日コメント (6)3 ゼニガメ
3 カメックス
3 ケルディオEX
2 スイクン
2 ゲノセクトEX
1 キュレムEX(K+K)
1 ジラーチEX
4 アララギ博士
4 フウロ
3 N
2 アクロマ
2 トロピカルビーチ
4 ふしぎなアメ
4 ハイパーボール
3 スーパーエネルギー回収
1 レベルボール
1 ツールスクラッパー
1 パソコン通信
12 水エネルギー
4 プラズマエネルギー
今回のうきにん杯でアルク先生に使ってもらったデッキです。キャッチャー能力がひたすらに強いため、それを使えるようなデッキにするというコンセプトで作ったデッキでした。
細部の解説は省きますが、とりあえず相手ベンチのジラーチEXでサイド2枚を計算する動きを見越しています。キュレムEXの採用はメタゲームの2周ぐらい先を見過ぎでした。
流行りのレックビールに対しては構造的に有利はつかないのですが、他のデッキにはけっこう戦える(はずの)デッキです。
新環境叩き台として、ひとまずブログに残しておきます。
3 カメックス
3 ケルディオEX
2 スイクン
2 ゲノセクトEX
1 キュレムEX(K+K)
1 ジラーチEX
4 アララギ博士
4 フウロ
3 N
2 アクロマ
2 トロピカルビーチ
4 ふしぎなアメ
4 ハイパーボール
3 スーパーエネルギー回収
1 レベルボール
1 ツールスクラッパー
1 パソコン通信
12 水エネルギー
4 プラズマエネルギー
今回のうきにん杯でアルク先生に使ってもらったデッキです。キャッチャー能力がひたすらに強いため、それを使えるようなデッキにするというコンセプトで作ったデッキでした。
細部の解説は省きますが、とりあえず相手ベンチのジラーチEXでサイド2枚を計算する動きを見越しています。キュレムEXの採用はメタゲームの2周ぐらい先を見過ぎでした。
流行りのレックビールに対しては構造的に有利はつかないのですが、他のデッキにはけっこう戦える(はずの)デッキです。
新環境叩き台として、ひとまずブログに残しておきます。
【デッキリスト】第33回うきにん杯トップ3デッキ
2013年10月27日コメント (5)
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201310292023573922/にあります)
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:しらさぎ(シビビール/レックウザ/レックウザEX)
2nd Place:ブラマソ(シビビール/レックウザEX/ビクティニ)
3rd Place:かなこぉ↑↑(カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:しらさぎ(シビビール/レックウザ/レックウザEX)
2nd Place:ブラマソ(シビビール/レックウザEX/ビクティニ)
3rd Place:かなこぉ↑↑(カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
【再告知】第33回うきにん杯のおしらせ
2013年10月25日コメント (2) 今回は新ルール先取り大会になります!
先攻1ターン目攻撃不可、ポケモンキャッチャーのテキスト変更を、どちらも適用して行います。
以下うきにん杯ブログからのコピペです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
日時:10月27日(日曜日)
時間:9:00~17:00(9:00開場、9:30~10:00参加受付)
場所:札幌市中央区民センター、創造の部屋(SIPと掲示されてるかもしれません)
参加費: 300円
持ち物:レギュレーションに沿ったデッキ、筆記用具、ダメカン、ダイス等。
・会場へのアクセスは各自ご確認願います。
・駐車場は中央区役所(区民センター向かい)の駐車場を利用できますが、駐車可能台数には限りがありますので、公共交通機関の利用を推奨しています。
■進行スケジュール
・09:00~ 開場
・09:30~10:00 大会受付
・10:10~10:40 1回戦
・10:50~11:20 2回戦
・11:30~12:00 3回戦
・12:00~13:00 昼休憩
・13:00~13:30 4回戦
・13:40~14:10 5回戦
・14:20~15:50 決勝トーナメント
・16:00~ 表彰式+ランダム賞
※あくまで目安であり、対戦の進行状況次第で若干前後する可能性があります。
■レギュレーション
デッキ枚数とサイド:オープン60枚。サイド6枚戦。
使用可能カード:BWシリーズ以降。および、BW初弾以降に販売(配布)された構築済みデッキやプロモーションカード。再録カードやシリーズ区分についてはトレーナーズウェブサイト内「デッキに入れることのできるカードについて」(ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/#bw)をご参照ください。
大会形式:スイスドロー。勝ち点は勝利(3)、敗北(0)。
試合時間:30分。
※大会全般について
・全対戦終了時の勝ち点が同点の場合、OMWPによって順位を算出します。OMWPも同じ場合、スコアシートに記入していただくサイドの数の差(取ったサイドから取られたサイドを引いた数字の大きさ)で順位の上下を決定します。
・カテゴリA&B入り交ざっての大会です(オープン)。カテゴリAのプレイヤーには、同カテゴリプレイヤー間の順位に応じて賞品を分配する予定です。
・「終了コール時のプレイヤー」の番までを制限時間内とします。その際、対戦終了のコールから1分を経過した時点で、自動的にそのプレイヤーの番が終了となります(ワザの宣言前であっても、1分を経過した時点で対戦終了となります)。ポケモンチェック中に終了コールがあった場合は、その時点で対戦終了となります。
・対戦終了時にサイド枚数が同じ場合、延長戦(対戦終了時点の状態から対戦を再開し、サイドを先に1枚取ったプレイヤーの勝利)で勝敗を決定します。
・その他、大会やルールに関する規定は原則として、公式ルールおよびフロアルールに従います。
■その他
・円滑なプレイの運行を妨げる可能性がありますので、外国語カードの使用は禁止しています。ご了承ください。サインドカードの使用はカードのテキストが判読できれば問題ありません。
・大会を通じてデッキの変更や枚数調整はできません。
・非公認大会となります。だいすきクラブ等には反映されませんのでご了承ください。
・大会についてのお問い合わせは、おでこ:kya_odecosa_nあっとyahoo.co.jp(PCメール。あっとを記号へ変更してください)まで。
・上記の進行スケジュール、レギュレーションは変更される場合があります。その場合はここで告知しますので、参加予定の方は定期的にご確認願います。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ご参加お待ちしています!
先攻1ターン目攻撃不可、ポケモンキャッチャーのテキスト変更を、どちらも適用して行います。
以下うきにん杯ブログからのコピペです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
日時:10月27日(日曜日)
時間:9:00~17:00(9:00開場、9:30~10:00参加受付)
場所:札幌市中央区民センター、創造の部屋(SIPと掲示されてるかもしれません)
参加費: 300円
持ち物:レギュレーションに沿ったデッキ、筆記用具、ダメカン、ダイス等。
・会場へのアクセスは各自ご確認願います。
・駐車場は中央区役所(区民センター向かい)の駐車場を利用できますが、駐車可能台数には限りがありますので、公共交通機関の利用を推奨しています。
■進行スケジュール
・09:00~ 開場
・09:30~10:00 大会受付
・10:10~10:40 1回戦
・10:50~11:20 2回戦
・11:30~12:00 3回戦
・12:00~13:00 昼休憩
・13:00~13:30 4回戦
・13:40~14:10 5回戦
・14:20~15:50 決勝トーナメント
・16:00~ 表彰式+ランダム賞
※あくまで目安であり、対戦の進行状況次第で若干前後する可能性があります。
■レギュレーション
デッキ枚数とサイド:オープン60枚。サイド6枚戦。
使用可能カード:BWシリーズ以降。および、BW初弾以降に販売(配布)された構築済みデッキやプロモーションカード。再録カードやシリーズ区分についてはトレーナーズウェブサイト内「デッキに入れることのできるカードについて」(ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/#bw)をご参照ください。
大会形式:スイスドロー。勝ち点は勝利(3)、敗北(0)。
試合時間:30分。
※大会全般について
・全対戦終了時の勝ち点が同点の場合、OMWPによって順位を算出します。OMWPも同じ場合、スコアシートに記入していただくサイドの数の差(取ったサイドから取られたサイドを引いた数字の大きさ)で順位の上下を決定します。
・カテゴリA&B入り交ざっての大会です(オープン)。カテゴリAのプレイヤーには、同カテゴリプレイヤー間の順位に応じて賞品を分配する予定です。
・「終了コール時のプレイヤー」の番までを制限時間内とします。その際、対戦終了のコールから1分を経過した時点で、自動的にそのプレイヤーの番が終了となります(ワザの宣言前であっても、1分を経過した時点で対戦終了となります)。ポケモンチェック中に終了コールがあった場合は、その時点で対戦終了となります。
・対戦終了時にサイド枚数が同じ場合、延長戦(対戦終了時点の状態から対戦を再開し、サイドを先に1枚取ったプレイヤーの勝利)で勝敗を決定します。
・その他、大会やルールに関する規定は原則として、公式ルールおよびフロアルールに従います。
■その他
・円滑なプレイの運行を妨げる可能性がありますので、外国語カードの使用は禁止しています。ご了承ください。サインドカードの使用はカードのテキストが判読できれば問題ありません。
・大会を通じてデッキの変更や枚数調整はできません。
・非公認大会となります。だいすきクラブ等には反映されませんのでご了承ください。
・大会についてのお問い合わせは、おでこ:kya_odecosa_nあっとyahoo.co.jp(PCメール。あっとを記号へ変更してください)まで。
・上記の進行スケジュール、レギュレーションは変更される場合があります。その場合はここで告知しますので、参加予定の方は定期的にご確認願います。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ご参加お待ちしています!
【コラム】「キャッチャー以前」の環境に学ぶ(場を並べるコンボデッキ編)
2013年10月18日コメント (5)■はじめに
翻訳をやるとアクセスがすごいことになるのですが、今回は残念ながら翻訳ではありません。
11月からの新環境は、キャッチャーがなくなったことで、「場を並べるようなデッキが活躍できる」としばしば言われます。今回は、ポケモンキャッチャーがリバースになった今の環境を考える上で、ポケモンキャッチャーが登場する以前の環境を見つめ直してみよう、というお話です。
僕があまり詳しく知らないデッキのことにも触れるので、その時点のトップメタデッキを熟知している方は、何言ってんだこいつ、といった感じで読んでもらえれば。
■場を並べ、その後は?
カメレアコロロというデッキから話を始めたいと思います。何度かこのブログでも名前が出ているデッキですが、2004年の前半期に猛威を奮った、カメックスex(PCG1)、レアコイル(ADV3)、エネコロロ(ADV1)という3枚のカードを用いたコンボデッキです。今のカメックスEXと同じような能力を持ったカメックスex、自分の場のエネぶんのダメージを飛ばすレアコイル、そして強力なドローエンジンのエネコロロの3枚によるこのコンボデッキは、ポケカ史上有数の美しい動きをするデッキでした。
なぜこのデッキを例に出したかというと、この前後からネットの普及によりメタゲームが多少安定し始めていたこと(かつ、ネット上に記録がある程度残っていること)、そして何より、このデッキが典型的な場を並べる系のコンボデッキだからです。
冒頭でも書きましたが、キャッチャーがなくなったことで、場を並べるようなデッキが活躍できるようになる、としばしば言われます。過去を見ても、それは恐らく間違っていません。
問題は、場を並べるデッキばかりが環境に溢れたときです。カメレアコロロが圧倒的なデッキパワーをもって環境を制圧したときに、プレイヤーが直面した問題もそれでした。
直後に大量のアンチカードが刷られたことでこの問題は一段落するのですが、それ以前はアンチカードもそこまでなく、カメレアコロロのミラーマッチが各所で多発していました。
■ミラーマッチとその戦略
少し前に、デッキタイプに関するコラム(http://ukinins.diarynote.jp/201301261329404320/)を書いたことがあります。
コンボデッキのミラーマッチの原則は、まず相手より先にコンボを完成させることです。アタッカーの数には(そしてもちろんサイド枚数にも)限りがあるため、先に殴りかかれば、相手より圧倒的優位に立てます。この点に限れば、何よりも構築とプレイを洗練させることが重要な課題となります。
展開速度を上げるため、フレンドボール(相手の場にいるポケモンの色と同じ色のポケモンをサーチ)が入るようになったのも、ミラーマッチが多かった証左でしょう。
ただ、この戦略には限界があります。相手より先にコンボを完成させるというのは、究極的には先手ゲーの様相さえ呈してくるからです。また、相手より先に殴った方が勝ち、というのでは、出遅れた場合に逆転の目がまったくなくなってしまいます。
そこで取られたミラーマッチ戦略が、相手のコンボそのものを阻害してしまう、というものでした。ウツボット(e3)が代表例です。ポケパワーにリバース効果を内蔵したこの2進化は、一度立ててしまえば、相手ベンチのカメックスexを狙い撃ちにして、相手のコンボを根本から否定してしまうことができました。正面からのぶつかり合いを望む相手に、これは明らかに効果的です。
これが、ベンチを並べるようなコンボデッキ環境の、ひとつの模範解答と言えるかもしれません。実はほとんど同じことが、この直前の2003年の秋にもありました。
その環境では、みんな大好きレックウザex(ADV3)をバシャーモ(ADV1)で加速して戦う、バシャレックというデッキがトップメタに君臨していました。ベンチにバシャーモを置き、トラッシュから加速して旧レックウザexのドラゴンバーストで攻撃するスタイルは、今のレックビールととてもよく似ています(ポケカのデザイン班は良い仕事をしています)。
果たして問題は、このミラーマッチをどうするか、という点にありました。レック先殴りゲーではどうしようもありません。
そこで編み出された解答が、バシャーモexでした。同じアチャモから進化する、2進化のexです。4エネで持っていたワザは、炎エネを2枚トラッシュして、相手の場1体に100ダメージ。狙撃ワザなので相手がベンチにいても関係ありません。そして無印バシャーモも旧レックウザexも、HPはぴったり100なのでした。
同じ進化ラインのこの2種のバシャーモを、これまた傑作の進化ライン、バシャーモ3枚バシャーモex2枚という2進化5枚にした構築が、事実上この環境を制しました。
この進化ラインの優れたところは、ほとんどの人がレックウザによる大艦巨砲主義デッキだと思っていたこのバシャレックから、レックを減らし、そして2進化を5枚搭載して攻撃の軸を2つ据えたことです。これによりミラーマッチに強くなっただけでなく、ベンチ攻撃の強さを改めて認識させたデッキでもありました。
余談ですが、このあたりのことは、3~4年前の環境でガブレンがなぜ強かったかの説明にもなります。周りがベンチを並べる動きをベースに作られているのに、そこだけ一方的にベンチ狙撃能力を持っていたら、お話にならないのは誰でもわかります。
■おわりに
ここまでつらつらと、場を並べる系のコンボデッキと、そのミラーマッチについて書いてきました。場を並べるというのはポケカの基本の動きですが、それひとつ取ってみても、色々な駆け引きがあることがわかります。
ポケカの歴史にコンボデッキは多いですが、しかしすべてが場を並べるコンボというわけでもありません。ロックデッキや、攻撃の軸をずらしたデッキ、はたまた正面衝突の殴り合いの細かいテクニックまで、キャッチャーのなかった環境からは、学べることがたくさんあります。
そこまで行くと話が長くなりすぎるので、今回はひとまず、ここまでということで。もしかしたら続くかもしれません。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
上とはまったく関係のない話ですが、将棋の竜王戦の中継ブログにポケモンが……w
ttp://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/10/post-9a90.html
共催が竜王戦と同じなんですね。でもそれポケカじゃないと思うよ!?
翻訳をやるとアクセスがすごいことになるのですが、今回は残念ながら翻訳ではありません。
11月からの新環境は、キャッチャーがなくなったことで、「場を並べるようなデッキが活躍できる」としばしば言われます。今回は、ポケモンキャッチャーがリバースになった今の環境を考える上で、ポケモンキャッチャーが登場する以前の環境を見つめ直してみよう、というお話です。
僕があまり詳しく知らないデッキのことにも触れるので、その時点のトップメタデッキを熟知している方は、何言ってんだこいつ、といった感じで読んでもらえれば。
■場を並べ、その後は?
カメレアコロロというデッキから話を始めたいと思います。何度かこのブログでも名前が出ているデッキですが、2004年の前半期に猛威を奮った、カメックスex(PCG1)、レアコイル(ADV3)、エネコロロ(ADV1)という3枚のカードを用いたコンボデッキです。今のカメックスEXと同じような能力を持ったカメックスex、自分の場のエネぶんのダメージを飛ばすレアコイル、そして強力なドローエンジンのエネコロロの3枚によるこのコンボデッキは、ポケカ史上有数の美しい動きをするデッキでした。
なぜこのデッキを例に出したかというと、この前後からネットの普及によりメタゲームが多少安定し始めていたこと(かつ、ネット上に記録がある程度残っていること)、そして何より、このデッキが典型的な場を並べる系のコンボデッキだからです。
冒頭でも書きましたが、キャッチャーがなくなったことで、場を並べるようなデッキが活躍できるようになる、としばしば言われます。過去を見ても、それは恐らく間違っていません。
問題は、場を並べるデッキばかりが環境に溢れたときです。カメレアコロロが圧倒的なデッキパワーをもって環境を制圧したときに、プレイヤーが直面した問題もそれでした。
直後に大量のアンチカードが刷られたことでこの問題は一段落するのですが、それ以前はアンチカードもそこまでなく、カメレアコロロのミラーマッチが各所で多発していました。
■ミラーマッチとその戦略
少し前に、デッキタイプに関するコラム(http://ukinins.diarynote.jp/201301261329404320/)を書いたことがあります。
コンボデッキのミラーマッチの原則は、まず相手より先にコンボを完成させることです。アタッカーの数には(そしてもちろんサイド枚数にも)限りがあるため、先に殴りかかれば、相手より圧倒的優位に立てます。この点に限れば、何よりも構築とプレイを洗練させることが重要な課題となります。
展開速度を上げるため、フレンドボール(相手の場にいるポケモンの色と同じ色のポケモンをサーチ)が入るようになったのも、ミラーマッチが多かった証左でしょう。
ただ、この戦略には限界があります。相手より先にコンボを完成させるというのは、究極的には先手ゲーの様相さえ呈してくるからです。また、相手より先に殴った方が勝ち、というのでは、出遅れた場合に逆転の目がまったくなくなってしまいます。
そこで取られたミラーマッチ戦略が、相手のコンボそのものを阻害してしまう、というものでした。ウツボット(e3)が代表例です。ポケパワーにリバース効果を内蔵したこの2進化は、一度立ててしまえば、相手ベンチのカメックスexを狙い撃ちにして、相手のコンボを根本から否定してしまうことができました。正面からのぶつかり合いを望む相手に、これは明らかに効果的です。
これが、ベンチを並べるようなコンボデッキ環境の、ひとつの模範解答と言えるかもしれません。実はほとんど同じことが、この直前の2003年の秋にもありました。
その環境では、みんな大好きレックウザex(ADV3)をバシャーモ(ADV1)で加速して戦う、バシャレックというデッキがトップメタに君臨していました。ベンチにバシャーモを置き、トラッシュから加速して旧レックウザexのドラゴンバーストで攻撃するスタイルは、今のレックビールととてもよく似ています(ポケカのデザイン班は良い仕事をしています)。
果たして問題は、このミラーマッチをどうするか、という点にありました。レック先殴りゲーではどうしようもありません。
そこで編み出された解答が、バシャーモexでした。同じアチャモから進化する、2進化のexです。4エネで持っていたワザは、炎エネを2枚トラッシュして、相手の場1体に100ダメージ。狙撃ワザなので相手がベンチにいても関係ありません。そして無印バシャーモも旧レックウザexも、HPはぴったり100なのでした。
同じ進化ラインのこの2種のバシャーモを、これまた傑作の進化ライン、バシャーモ3枚バシャーモex2枚という2進化5枚にした構築が、事実上この環境を制しました。
この進化ラインの優れたところは、ほとんどの人がレックウザによる大艦巨砲主義デッキだと思っていたこのバシャレックから、レックを減らし、そして2進化を5枚搭載して攻撃の軸を2つ据えたことです。これによりミラーマッチに強くなっただけでなく、ベンチ攻撃の強さを改めて認識させたデッキでもありました。
余談ですが、このあたりのことは、3~4年前の環境でガブレンがなぜ強かったかの説明にもなります。周りがベンチを並べる動きをベースに作られているのに、そこだけ一方的にベンチ狙撃能力を持っていたら、お話にならないのは誰でもわかります。
■おわりに
ここまでつらつらと、場を並べる系のコンボデッキと、そのミラーマッチについて書いてきました。場を並べるというのはポケカの基本の動きですが、それひとつ取ってみても、色々な駆け引きがあることがわかります。
ポケカの歴史にコンボデッキは多いですが、しかしすべてが場を並べるコンボというわけでもありません。ロックデッキや、攻撃の軸をずらしたデッキ、はたまた正面衝突の殴り合いの細かいテクニックまで、キャッチャーのなかった環境からは、学べることがたくさんあります。
そこまで行くと話が長くなりすぎるので、今回はひとまず、ここまでということで。もしかしたら続くかもしれません。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
上とはまったく関係のない話ですが、将棋の竜王戦の中継ブログにポケモンが……w
ttp://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/10/post-9a90.html
共催が竜王戦と同じなんですね。でもそれポケカじゃないと思うよ!?
ろすぽよwwwwww
2013年10月10日コメント (3)60cards.net見て噴き出したのは今回が初めてだよ。
Y田さんとーしんさんY和さんときてろすぽよって……。
(※追記:なんか記事消えててワロタ)
Y田さんとーしんさんY和さんときてろすぽよって……。
(※追記:なんか記事消えててワロタ)
【翻訳】No.001:自己紹介と、WCS2013使用デッキ
2013年10月9日コメント (6)
今回も60cards.netから。ついにと言うべきか、チームアチャモの大和さんが、60cards.netに記事を投稿なさっていました。今回は、その記事の翻訳になります(英語原文は前回同様魔女さんが翻訳なさったものです)。
僕からここで付け加えられることは何もありません。凄すぎる成績や過去の使用デッキ、そして細かなデッキ解説を、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
No.001 Self-introduction and My 2013WCS Deck
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Tuesday, October 8, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/27
皆さんこんにちは! 日本に住んでいる、大和嗣佳です。私は、米田卓弥さん(数週間前にダークダストの記事を書いていました)も入っている「チームアチャモ」というチームに加わっていて、とても素晴らしい人生をポケカとともに過ごしていると実感しています。私は、カードが楽しいと感じられるだけではなく、皆さんのポケカライフが素晴らしいものになるような記事を書けたらと思っています! これは最初の記事なので、自分自身について話したいと思います。ポケカプレイヤーとしての第一歩と、それから今年のLCQで使ったデッキについてです。
ポケカを始めたのは12歳のころ、友達が誘ってくれたからでした。私はすぐに夢中になり、友達と毎日ポケカをして遊んでいました。とはいえ当時の私は小学生だったので、メタデッキを作れるほどのお金がありませんでした。私は手に入るお金をほとんど注ぎ込み、一ヶ月に3つのブースターパックを買って、謎デッキを作っていました(当時の私にとってのキーカードはフシギバナでしたが、デッキにはフシギダネとフシギソウが1枚ずつしか入っていませんでした)。
2000年の夏、私は公式大会に参加し始めました。当時16歳で、その最初の大会では、予選で負けてしまいました。それでも、大会は本当に楽しかったんです。新しいデッキに出会ったり、真剣勝負をしたり、トレードで新しいカードを手に入れたりもできました! 私にとってはすべてが新鮮で、何より良かったのが、長い時間ポケカで遊んでいられるということでした。私はますますポケカにのめり込み、日本中の大会に、バスで旅行して参加するようになりました。
その頃の私は、メタデッキというものを全く知りませんでした。それにメタデッキを作れるようなカード資産も技術もなかったので、勝てるようなデッキはひとつも持っていませんでした。しかも、一緒にポケカができるような友達もいなかったのです。それでも、私は本当に幸運でした(この幸運は、きっと私がポケカを大好きだったからでしょう)。
この幸運のおかげで私は他の人々と出会うことができ、そこでテクニックを吸収したおかげで、今では新しい感じのデッキも作れるようになりました。これらの幸運のおかげで、ポケカのある素晴らしい人生を過ごせている今の自分があるのです。私の人生がどれほど楽しいものだったのか、2001年からの大会結果とデッキを紹介させてください。
フシギバナ/わるいベトベトン:優勝:2001年東北大会(夏)
キングドラ/ベトベトン:3位:2001年全国大会
ゲンガー/オーダイル/ミュウ:優勝:2002年東北大会(夏)
バクフーン/キュウコン/モンジャラ:3位:2002年全国大会
イブキのキングドラ/エアームド:予選敗退:2002年チャンピオンズリーグ
バシャーモ/レックウザ/エネコロロ:優勝:2003年東北大会(夏)
バシャーモ/レックウザ/エネコロロ:優勝:2003年全国大会
バシャーモ/レックウザ/エネコロロ:4位:2003年関西大会(秋)
マグマ団:優勝:2004年東北大会(春)
ニドクイン/ニドキング:2位:2004年東北大会(夏)
マグマ団:優勝:WCS2004
ミュウ/マルマイン/ルナトーン/ソルロック:優勝:2005年東北大会(夏)
ルンパッパ/マグカルゴ/ソーナンス:トップ8:WCS2005
バンギラス/マルマイン/ルナトーン/ソルロック:予選敗退:2005年チャンピオンズリーグ
ニョロトノ/化石:4位:2005年東北大会(夏)〔※訳注:2006年?〕
カメックス/ルギア/ハガネール:LCQ敗退:WCS2006
ハピナス:優勝:2006年中部大会(春)〔※訳注:2007年?〕
ナッシー/ライチュウ:優勝:2007年チャンピオンズリーグ
アブソル/エルレイド:優勝:2007年関東大会(夏)
エンペルト/ゴウカザル:3位:WCS2007
ハピナス/ルカリオ:2位:2007年チャンピオンズリーグ
エムリット/ユクシー/アグノム:2位:2008年関西大会
サーナイト/エルレイド/ベトベトン:トップ32:WCS2008
フライゴン/マニューラ:トップ32:WCS2009
ガブリアスSP/レントラーSP:トップ16:WCS2010
ランターン/メガヤンマ:予選敗退:WCS2011
セレビィ/トルネロス:LCQ敗退:WCS2012
ダークライ/アブソル/ヤミラミ:2位:2013年関東大会
ダークライ/ダストダス:LCQ敗退:WCS2013
60cards.netに投稿する記事の数々を通じて、私のポケカ人生にまつわる思い出を書き起こしていきたいと思っています。たくさんの出会い、多くの異なった考え方、様々なタイプのメタ……それらの経験のおかげで、今の私がいます。
もしもあなたが過去のポケカのことをよく知らないのなら、私の記事を、ポケカの歴史を知るチャンスにしてもらえたらと思います。もしもあなたがポケカを長くやっているのなら、当時の記憶を呼び起こさせてみたいと思います(ときどきは、現在のメタやデッキについても書くつもりでいます)。
ここまでずいぶん自分自身について語ってきたので、ここからは、記事の最初に書いたとおり、LCQで使ったデッキについて話をしたいと思います。
デッキリスト
ポケモン:12
4 ダークライEX
3 ケルディオEX
2 ヤブクロン(HP60/HP70)
2 ダストダス
1 ヤミラミ
サポーター:13
4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
スタジアム:1
1 トロピカルビーチ
グッズ:22
1 ランダムレシーバー
4 ダークパッチ
4 ポケモンキャッチャー
3 かるいし
2 悪のツメ
3 ハイパーボール
3 どくさいみん光線
1 まんたんのくすり
1 ゴールドポーション
エネルギー:12
12 悪エネルギー
デッキ内のほとんどのカードは米田さん(ttp://60cards.net/blog/posts/detail/9)と同じですが、いくつか違いがあります。
米田卓弥:
-1 アブソル
-1 学習装置
-2 タチワキシティジム
-1 パソコン通信
-1 ヤブクロン(HP60)
大和嗣佳:
+1 ケルディオEX
+1 ヤブクロン(HP70)
+1 フウロ
+1 ランダムレシーバー
+1 ゴールドポーション
+1 悪エネルギー
さて、どうして違うカードを選択したのかを説明したいと思います。
ゴールドポーション:デッキは安定している方がいいので、エーススペックはパソコン通信が好きなのですが、今回はゴールドポーションを選びました。理由は、対ダークライと対プラズマの勝率を変えてくれるからです。
たとえばプラズマは、ダークライEXを、キュレムで一撃か、またはボルトロスEXかデオキシスEXで2発で倒そうとします。しかしこのカードがあれば、キュレムに一撃でやられるのは防げないにせよ、他から2発で殴られて倒されるのを避けることができます。対ダークライEXでは、ナイトスピアのダメージを回復することができますし、ジャンクハントを使えば、2度回復することもできます。
しかしこのカードは、レックウザEX/シビビールのような、こちらのダークライEXを一撃で倒してくるような相手に対しては、まったく効果がありません。私が負けた相手もレックビールで、ゴールドポーションはまったく役に立ちませんでした。
サポーター:初手を安定させるのに13枚は欲しかったので、米田さんと比べると、ランダムレシーバーとフウロを追加で入れています。それぞれの追加を1枚ずつに留めたのは、初手フウロ1枚のみだと、展開が遅くなってしまうからです。ランダムレシーバーで欲しくもないサポーターをめくってしまうのも問題ですが、それはヤミラミが解決してくれるので、ランレシも初手を安定させるカードとしてカウントしています。ただ、13枚あれば安定すると書きましたが、14枚だと初手7枚+1ターン目のドロー1枚でサポーターが引ける確率が9割を超えるので、14枚ぐらいは欲しかったです。
ケルディオEX:ゴチルゼル/アギルダーに勝ちたかったので、ケルディオEXは3枚入れています。ケルディオEXが2体だけだと、ゴチアギ側はキャッチャーをケルディオEXに撃って2体を倒せば勝ててしまいます。ゴチアギとの練習はたくさんやりすぎて何回やったか覚えていないのですが、3枚目はいらなかったとは思います。ただ、ケルディオEXを3枚入れたことは、後悔していません。
ヤブクロン:ヤブクロン(HP60)には「ゴミあつめ」というすばらしいワザがあります。ただHP60はブラックキュレムEXやデオキシスEXのことを考えるとちょっとリスキーなので、HP60とHP70を両方入れて、ハイパーボールで選べるようにしてあります。
悪エネルギー:悪エネに関しては、9枚から14枚まで試してみました。エネルギーをたくさん入れればスピードは上がりますが、他に必要なキーカードを入れられなくなってしまいます。結果的に、12枚あれば何とか必要なテンポは保てるだろうと思いました。
タチワキシティジム:デッキに入れるべきかどうか最後の最後まで決めかねていましたが、抜くことに決め、悪エネとサポーターのためにスペースを空けました。
結果的に私は、レックウザEX/シビビールデッキにツールスクラッパーとダウジングマシンを使われ、ダストダスでとくせいを止められない時間が長引いて負けてしまいました。ゴールドポーションは効果がなく、タチワキシティジムとアブソルを抜いたことで、レックウザEXを倒すのがきつくなってしまいました。また、対レックビールを数ゲームしかテストしていなかったのも、勝つのを難しくしてしまったと思います。
安定したデッキにすることと、多くのタイプのデッキに勝てるデッキにすることは、お互いに相反することです。それでも、このデッキはもっと研究できたはずだと思います。私は安定したデッキが好きですが、来年は、全部の種類のデッキに勝てるようなデッキを頑張って作りたいと思います。
この記事を楽しんでいただけたのなら幸いです。それでは、次の記事でお会いしましょう!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
記事を読む限り、今後も連載は続くそうなので、ぜひこれからの記事にも期待したいと思います。それにしても、60cardsの力の入れようはすごいですね。
僕からここで付け加えられることは何もありません。凄すぎる成績や過去の使用デッキ、そして細かなデッキ解説を、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
No.001 Self-introduction and My 2013WCS Deck
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Tuesday, October 8, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/27
皆さんこんにちは! 日本に住んでいる、大和嗣佳です。私は、米田卓弥さん(数週間前にダークダストの記事を書いていました)も入っている「チームアチャモ」というチームに加わっていて、とても素晴らしい人生をポケカとともに過ごしていると実感しています。私は、カードが楽しいと感じられるだけではなく、皆さんのポケカライフが素晴らしいものになるような記事を書けたらと思っています! これは最初の記事なので、自分自身について話したいと思います。ポケカプレイヤーとしての第一歩と、それから今年のLCQで使ったデッキについてです。
ポケカを始めたのは12歳のころ、友達が誘ってくれたからでした。私はすぐに夢中になり、友達と毎日ポケカをして遊んでいました。とはいえ当時の私は小学生だったので、メタデッキを作れるほどのお金がありませんでした。私は手に入るお金をほとんど注ぎ込み、一ヶ月に3つのブースターパックを買って、謎デッキを作っていました(当時の私にとってのキーカードはフシギバナでしたが、デッキにはフシギダネとフシギソウが1枚ずつしか入っていませんでした)。
2000年の夏、私は公式大会に参加し始めました。当時16歳で、その最初の大会では、予選で負けてしまいました。それでも、大会は本当に楽しかったんです。新しいデッキに出会ったり、真剣勝負をしたり、トレードで新しいカードを手に入れたりもできました! 私にとってはすべてが新鮮で、何より良かったのが、長い時間ポケカで遊んでいられるということでした。私はますますポケカにのめり込み、日本中の大会に、バスで旅行して参加するようになりました。
その頃の私は、メタデッキというものを全く知りませんでした。それにメタデッキを作れるようなカード資産も技術もなかったので、勝てるようなデッキはひとつも持っていませんでした。しかも、一緒にポケカができるような友達もいなかったのです。それでも、私は本当に幸運でした(この幸運は、きっと私がポケカを大好きだったからでしょう)。
この幸運のおかげで私は他の人々と出会うことができ、そこでテクニックを吸収したおかげで、今では新しい感じのデッキも作れるようになりました。これらの幸運のおかげで、ポケカのある素晴らしい人生を過ごせている今の自分があるのです。私の人生がどれほど楽しいものだったのか、2001年からの大会結果とデッキを紹介させてください。
フシギバナ/わるいベトベトン:優勝:2001年東北大会(夏)
キングドラ/ベトベトン:3位:2001年全国大会
ゲンガー/オーダイル/ミュウ:優勝:2002年東北大会(夏)
バクフーン/キュウコン/モンジャラ:3位:2002年全国大会
イブキのキングドラ/エアームド:予選敗退:2002年チャンピオンズリーグ
バシャーモ/レックウザ/エネコロロ:優勝:2003年東北大会(夏)
バシャーモ/レックウザ/エネコロロ:優勝:2003年全国大会
バシャーモ/レックウザ/エネコロロ:4位:2003年関西大会(秋)
マグマ団:優勝:2004年東北大会(春)
ニドクイン/ニドキング:2位:2004年東北大会(夏)
マグマ団:優勝:WCS2004
ミュウ/マルマイン/ルナトーン/ソルロック:優勝:2005年東北大会(夏)
ルンパッパ/マグカルゴ/ソーナンス:トップ8:WCS2005
バンギラス/マルマイン/ルナトーン/ソルロック:予選敗退:2005年チャンピオンズリーグ
ニョロトノ/化石:4位:2005年東北大会(夏)〔※訳注:2006年?〕
カメックス/ルギア/ハガネール:LCQ敗退:WCS2006
ハピナス:優勝:2006年中部大会(春)〔※訳注:2007年?〕
ナッシー/ライチュウ:優勝:2007年チャンピオンズリーグ
アブソル/エルレイド:優勝:2007年関東大会(夏)
エンペルト/ゴウカザル:3位:WCS2007
ハピナス/ルカリオ:2位:2007年チャンピオンズリーグ
エムリット/ユクシー/アグノム:2位:2008年関西大会
サーナイト/エルレイド/ベトベトン:トップ32:WCS2008
フライゴン/マニューラ:トップ32:WCS2009
ガブリアスSP/レントラーSP:トップ16:WCS2010
ランターン/メガヤンマ:予選敗退:WCS2011
セレビィ/トルネロス:LCQ敗退:WCS2012
ダークライ/アブソル/ヤミラミ:2位:2013年関東大会
ダークライ/ダストダス:LCQ敗退:WCS2013
60cards.netに投稿する記事の数々を通じて、私のポケカ人生にまつわる思い出を書き起こしていきたいと思っています。たくさんの出会い、多くの異なった考え方、様々なタイプのメタ……それらの経験のおかげで、今の私がいます。
もしもあなたが過去のポケカのことをよく知らないのなら、私の記事を、ポケカの歴史を知るチャンスにしてもらえたらと思います。もしもあなたがポケカを長くやっているのなら、当時の記憶を呼び起こさせてみたいと思います(ときどきは、現在のメタやデッキについても書くつもりでいます)。
ここまでずいぶん自分自身について語ってきたので、ここからは、記事の最初に書いたとおり、LCQで使ったデッキについて話をしたいと思います。
デッキリスト
ポケモン:12
4 ダークライEX
3 ケルディオEX
2 ヤブクロン(HP60/HP70)
2 ダストダス
1 ヤミラミ
サポーター:13
4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
スタジアム:1
1 トロピカルビーチ
グッズ:22
1 ランダムレシーバー
4 ダークパッチ
4 ポケモンキャッチャー
3 かるいし
2 悪のツメ
3 ハイパーボール
3 どくさいみん光線
1 まんたんのくすり
1 ゴールドポーション
エネルギー:12
12 悪エネルギー
デッキ内のほとんどのカードは米田さん(ttp://60cards.net/blog/posts/detail/9)と同じですが、いくつか違いがあります。
米田卓弥:
-1 アブソル
-1 学習装置
-2 タチワキシティジム
-1 パソコン通信
-1 ヤブクロン(HP60)
大和嗣佳:
+1 ケルディオEX
+1 ヤブクロン(HP70)
+1 フウロ
+1 ランダムレシーバー
+1 ゴールドポーション
+1 悪エネルギー
さて、どうして違うカードを選択したのかを説明したいと思います。
ゴールドポーション:デッキは安定している方がいいので、エーススペックはパソコン通信が好きなのですが、今回はゴールドポーションを選びました。理由は、対ダークライと対プラズマの勝率を変えてくれるからです。
たとえばプラズマは、ダークライEXを、キュレムで一撃か、またはボルトロスEXかデオキシスEXで2発で倒そうとします。しかしこのカードがあれば、キュレムに一撃でやられるのは防げないにせよ、他から2発で殴られて倒されるのを避けることができます。対ダークライEXでは、ナイトスピアのダメージを回復することができますし、ジャンクハントを使えば、2度回復することもできます。
しかしこのカードは、レックウザEX/シビビールのような、こちらのダークライEXを一撃で倒してくるような相手に対しては、まったく効果がありません。私が負けた相手もレックビールで、ゴールドポーションはまったく役に立ちませんでした。
サポーター:初手を安定させるのに13枚は欲しかったので、米田さんと比べると、ランダムレシーバーとフウロを追加で入れています。それぞれの追加を1枚ずつに留めたのは、初手フウロ1枚のみだと、展開が遅くなってしまうからです。ランダムレシーバーで欲しくもないサポーターをめくってしまうのも問題ですが、それはヤミラミが解決してくれるので、ランレシも初手を安定させるカードとしてカウントしています。ただ、13枚あれば安定すると書きましたが、14枚だと初手7枚+1ターン目のドロー1枚でサポーターが引ける確率が9割を超えるので、14枚ぐらいは欲しかったです。
ケルディオEX:ゴチルゼル/アギルダーに勝ちたかったので、ケルディオEXは3枚入れています。ケルディオEXが2体だけだと、ゴチアギ側はキャッチャーをケルディオEXに撃って2体を倒せば勝ててしまいます。ゴチアギとの練習はたくさんやりすぎて何回やったか覚えていないのですが、3枚目はいらなかったとは思います。ただ、ケルディオEXを3枚入れたことは、後悔していません。
ヤブクロン:ヤブクロン(HP60)には「ゴミあつめ」というすばらしいワザがあります。ただHP60はブラックキュレムEXやデオキシスEXのことを考えるとちょっとリスキーなので、HP60とHP70を両方入れて、ハイパーボールで選べるようにしてあります。
悪エネルギー:悪エネに関しては、9枚から14枚まで試してみました。エネルギーをたくさん入れればスピードは上がりますが、他に必要なキーカードを入れられなくなってしまいます。結果的に、12枚あれば何とか必要なテンポは保てるだろうと思いました。
タチワキシティジム:デッキに入れるべきかどうか最後の最後まで決めかねていましたが、抜くことに決め、悪エネとサポーターのためにスペースを空けました。
結果的に私は、レックウザEX/シビビールデッキにツールスクラッパーとダウジングマシンを使われ、ダストダスでとくせいを止められない時間が長引いて負けてしまいました。ゴールドポーションは効果がなく、タチワキシティジムとアブソルを抜いたことで、レックウザEXを倒すのがきつくなってしまいました。また、対レックビールを数ゲームしかテストしていなかったのも、勝つのを難しくしてしまったと思います。
安定したデッキにすることと、多くのタイプのデッキに勝てるデッキにすることは、お互いに相反することです。それでも、このデッキはもっと研究できたはずだと思います。私は安定したデッキが好きですが、来年は、全部の種類のデッキに勝てるようなデッキを頑張って作りたいと思います。
この記事を楽しんでいただけたのなら幸いです。それでは、次の記事でお会いしましょう!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
記事を読む限り、今後も連載は続くそうなので、ぜひこれからの記事にも期待したいと思います。それにしても、60cardsの力の入れようはすごいですね。
【翻訳】バトルに備えよ――習慣と準備
2013年10月6日コメント (10)
今回も60cards.netから。とはいえ、今回は戦略系ではありません。WCSマスター3位のカメケル使い、James Goodによる、大会前の準備と心構えについての記事です。
読んでみると、意外とありそうでなかったタイプの記事になっています。心構えなんて大丈夫と言わずに、読めば思わぬ発見があるかもしれません。アメリカ選手権や世界大会の話もあって、カードの面でもけっこう面白い内容です。
ちなみにこの著者、写真等を見る限りどう見ても俺様系のキャラなのですが、印象に反して(失礼)、非常にしっかりとした文章を書きます。そのあたりのギャップも楽しんでいただければ。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Get Ready for Battle -- Routines & Preparation
by James Good
Monday, September 30, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/32
■はじめに
やあ、60cardsの読者のみんな。オレはJames Good。ワシントン州シアトルに住んでる、カード始めて2年目のマスタープレイヤーだ。先月ここに投稿したオレのレポートを読んでくれた人もいるかもしれないが、読んでなければここ〔※訳注:ttp://60cards.net/blog/posts/detail/6〕で見てほしい。今日は、いつもとちょっと違ったことを話そうと思う。特定のデッキやメタやらを考察する代わりに、大会に備えて何をしているか、なぜ自分の成功は自分の習慣のおかげなのか、それについて考えてみたいと思う。
事前の準備と習慣は、オレにとっては、プレイテストや、メタデッキを覚えて理解するのと同じくらい大事なことだ。睡眠不足や、空腹や、デッキに不満がある状態で大会に行くのなら、どれだけプレイテストしたって意味がない。そういったことは全部、遅かれ早かれ、判断能力に悪く影響してくる。対戦中のプレイミスが負けに繋がるのは誰でも知ってる。だがデッキリストの記入ミスや、プレイ中の勘違い、そして疲れなど、ほとんどの人が気に留めないようなものならどうだろうか? だいたいの場合そういったものは見過ごされがちだが、ここではそれを避ける手助けをしよう。
■大会前の一週間
プレイテストのやり方をうんぬんするのはやめておこうと思う。というのも、オレらはみんな違った方法を取るし、メタゲームを覚える上でどれが絶対にベストな方法なのかはオレもわからないからだ。オレに言えるのは、習うより慣れろという言葉もあるし、繰り返しは情報を整理して覚えるには良い方法だ、ということぐらいだ。
オレが準備を始めるのは、大きな大会ならその前の週末、小さな大会なら3、4日前だ。この期間中に最初にやることは、どのデッキを使うかを決め、デッキリストを最終版にしてしまうことだ。大会までの残りの期間はそのデッキだけをプレイテストで使って、デッキから何を抜いて何を入れたのかを完全に覚えるようにする。
つまり自分のリストを丸暗記するということだが、これはどれだけ強調しても足りない。デッキリストをいじりすぎて、エネや4枚目のキャッチャーを削ったのを忘れ、ゲーム終盤でそれを探しにいったりしたらちょっとお粗末だ。相手の完全なデッキリストはわからないかもしれないが、少なくとも自分のデッキリストは、1枚1枚覚えることができる。
オレはこういう自論を持っている。「環境最強」と言われているデッキを使っても、勝つ可能性が一番高くなるわけではない。だが使い慣れているデッキを選べば一番高くなる。だからといってホエルオー単みたいなのを大会に持ち込めとは言わないが、使い慣れないし練習も足りないようなトップメタデッキは、選ぶべきではない。
例えば、WCS2013に先立って、オレらは前日のLCQをダークダストが席巻しているのを目の当たりにした。だが、たとえ自分の使おうとしているデッキよりダークダストの方が強いと感じたとしても、ダークダストに不慣れな以上は、デッキを切り替えるのは間違いだとオレは強く思う。デッキが強いのは本人の技術が強いときだけだ。言い換えれば、もし何らかのデッキが物凄く強いように見えたとしたら、それは細かい部分が強いからだ! たった1枚のキーカードでも大きな違いを生むのだから。
■大会前夜
見ていて一番腹が立つ連中は、大会の受付締め切り15分前にやって来て、しかもデッキリストをまだ記入していない奴らだ。これは明らかな準備不足のしるしで、だからオレは、早くこいつと当たらないかなと願うというわけだ。受付を円滑に済ませるためにも、前の日の夜には15分かけて、デッキリストを書くか印刷しておこう。それができたら、間違いがないかデッキリストを見直しする。デッキリストを完全に覚える最後にして最高のチャンスだ。
他の人はともかく、オレは全く朝型人間ではない。朝起きたらすぐ出られる状態でいたい。寝ぼけたままプレイマットや予備のスリーブやダイスを引っ張り出すなんて、一番やりたくないね。だから前日の夜は、そういうものを揃えておいて、すぐ出られるようにしておく。
最後に、しっかり眠ることだ。特に大会が夜まで続きそうなときには。どう見ても徹夜してましたって感じでイベントに来るプレイヤーたちのことは(TCGでも、オレがやる気出してた頃のポーカーでも)全く理解できなかった。心身ともに疲れていると、判断能力はひどくなりがちだ。別に12時間寝ろとか、8時間は寝なきゃ駄目だとか言いたいわけじゃない。自分の体のことは自分が一番知ってるんだから、心と体をきちんと働かせるのに一番いい睡眠時間にすればいい。レブロン・ジェームズが3時間しか寝なかったから最後のシュートを外しただなんて言い訳するのは聞いたことがないからな〔※訳注:レブロン・ジェームズはNBAのスター選手〕。
■大会当日
朝メシを食え!:オレみたいな大きいお兄ちゃんがこんなことを言うのはちょっと可笑しいかもしれないが、本当に朝メシは一日の食事の中で一番大切だ。栄養のあるメシを食え。アルセウスの神に誓って、頼むからファーストフードは食うな。たんぱく質と果物が、忙しい一日には一番エネルギーをくれる。
早めに着いておけ!:時間ぎりぎりまで寝ていて不測の事態のときに時間がなくなったりなんて、オレは絶対したくない。早めに着けば、友達に早く会えるだけじゃなく、朝っぱらから駆け回って余計なストレスを感じずに済む。この時間は、他のプレイヤーが何を使って何を使ってないのかを偵察するのにもかなりいい。
準備は万端にしろ!:だいたいのプレイヤーはよくできてる。だが言っておくが、予備のスリーブは忘れるな! 大会中にスリーブを替える羽目になったら大会どころじゃなくなってしまう。
しっかりシャッフルしろ!:オレはちょっとやり過ぎかもしれないんだが、オレが大会前とラウンド間にするシャッフルの量は笑えないレベルだ。持ってきたデッキの中身がリスト順に並んでいたりすると、1回戦の前に最低でも5回はパイルシャッフルとリフルシャッフルを繰り返す〔※訳注:パイルシャッフルはいわゆるN枚切り。リフルシャッフルは外人がよくやるような、カードの両端を指で弾いて勢いよく重ねるアレ〕。試合が終わると、もちろん時間があればの話だが、デッキをしまう前にパイルシャッフルとリフルシャッフルを最低2回やり、次のラウンドの開始時にもまったく同じ要領でやる。対戦相手には早くしてくれと言わせちゃいけない。たとえ2本先取のマッチのあいだであってもな!
敵とそのデッキを知れ!:もし小さな大会に出るのなら、その前の週とかに相手が何のデッキを使っていたのか覚えるようにしろ。相手がどうプレイしていたのかを掴んでおき、もし相手が面白いカードを使っていたら絶対覚えておくんだ。
相手のガードを解くことができたら、それこそが最大のアドバンテージになる。2013年のU.S.Nationalsでいのちのしずくがあんなにも強かった理由がこれだ。しずくは特定のプレイヤー集団に強いと認知されていただけだったから、初めて遭遇したとき、どう対処していいか誰も知らなかった。みんなが理解していくにつれ、しずくはそこまで強力じゃなくなっていった。
オレが最初にしずくと遭遇したのはU.S.Nationalsの4回戦目で、相手はCurran Hillだった。相手がキュレムにしずくを貼ったとき、オレは他のポケモンをキャッチャーして、そのキュレムを避けて戦おうとした。それが最初のミスだった。ふたつめのミスは相手のトラッシュにプリズムエネが4枚落ちているのを見て、エネ大量のケルディオEXを作ってもデオキのラセンフォースを警戒する必要はないだろうと思い込んでしまったことだ。オレは完全にガードを解いてしまい、相手は草炎超悪のブレンドエネを貼ってゲームを取った。オレは2ターン目に上々な立ち上がりだったにもかかわらず、Curranは二度もこちらのカードを解いたことで、優位に立ってゲームに勝利した。
自信を持て!:オレに言わせれば、参加するどんな大会でも優勝できると考えるのは、エゴイスティックでも何でもない。自分に自信を持てば、プレイのレベルも高くなる。自分より経験がありそうなプレイヤーに気圧されるな。相手がKyle "Pooka" Sucevichだろうが、大して上手くないとぶっちゃけるお父さんプレイヤーだろうが、そんなのは関係ない〔※訳注:Kyle SucevichはTop Cutの有名ライター〕。どんなマッチでも、オレは自分の方が弱いだなんて思わない。(公式イベントだと、Kyleとオレは戦ったことがないんだった……あいつにアブソルEXをただであげたってのにな! 1戦やりたいもんだぜ、Pooka!)
好調を保て!:大会の一番楽しい面のひとつは、友達と会ったりすることだ。だがときには、とりわけ酷い負けのあとには、もう一度集中しなおす必要がある。少し時間を取って、プレイがマズかったのか、単なる偶然の犠牲になっただけなのかを考えてみることだ(Nで相手の手札を1枚にしたらダブル無色を握られたとかな。ドンマイKenny Wisdom)。
オレが大会中に集中力を高めるやり方は、各ラウンドのあいだに数分間、iPodに入れてるアーティストの曲かアルバムから毎回同じものを聴くことだ。こうすれば、長い大会の最中でも、良い感じでいることができるし、大会に何時間も出続けることになるって事実を忘れられる。
オレはどんな音楽でも好きだし、大会のどんな瞬間にも、それにぴったりの曲やアーティストがあると思っている。自分に合った曲を見つけてくれ。気分がハイになる曲や、集中できる曲や、嬉しいときの曲とか心地良くなる曲とか……つまり何か面倒なことが起こったときのための曲とか。参考までにオレの曲は、
気分がハイになる曲:"This Fire Burns" by Killswitch Engage
集中力を高める曲:"Ten Thousand Hours" by Macklemore & Ryan Lewis
嬉しいときに聴く曲:"New God Flow" by Kanye West
ダメなときに聴く曲:"Dream Away" by Lights & Motion
水と食べ物を取れ!:オレの良き友Jon Bristowが世界大会レポートの中で、きちんと食事を取らなかったことが、あの悲劇的なトップ8の試合に影響したかもしれなかったと書いている〔※訳注:Jon Bristowのレポートはttp://60cards.net/blog/posts/detail/13〕。オレはヤツのことが死ぬほど好きだが、そういうのは防げたんじゃないかと思う。夜遅くであっても上手くプレイしなければならないのは確かに事実だが、1時間の夕食休憩とか大会中の他の休憩時間とかは、フードコートやカフェで食べ物にありつくのにもってこいの時間だ。
オレが言いたいのは、体がちゃんと働くのに必要なものを拒むなということだ。この比喩はさっきも使ったが、ペイトン・マニングやエイドリアン・ピーターソンが、まともな朝メシを食わなかったせいで最後に集中力が切れただなんて言うのを聞いたことがあるか?〔※訳注:どちらもNFLのスター選手〕 そう、オレは何億も稼ぐ超有名なアスリートとポケカのプレイヤーを比べて言ってるんだ!
リラックスして楽しめ!:またもやお話の時間だ! こないだの世界大会の準決勝のときだが、オレの友達のSimon Narodeはありえないほど緊張していて、完全に雰囲気に飲まれていた〔※訳注:Simon Narodeは今年のWCSマスター2位。準決勝でJames Goodと対戦〕。手は少し震えてたし、声にもちょっと緊張が現れてた。短いポケカ歴にあって一番大きな大会に出ているとはいえ、友達ながらこれはマズいなと思った。プレイしながら、気分を和らげようと思い、あいつにこう言った。「緊張するなよ、そんなに緊張してたらプレイをミスるぞ」。Simonの名誉のために言えば、あいつのプレイは素晴らしかったし、試合が進むにつれて緊張は自信に変わっていった。
オレの話の教訓はこうだ。このゲームは競技寄りだが、究極的には小さい子たち向けに作られているというのを忘れてはいけない。自分が戦っている試合をあまりに大それたものと考えてしまうと、ストレスも大きいし、楽しくなくなってしまう。たとえ負けても友達と一緒にいられたという事実を楽しむべきだし、お金と時間を大好きなことに注ぎ込めるというのは特別なことだ。オレはポケカを始めて2年かそこらだが、たとえ引退しても、友達との関係はずっと続くだろうと信じている。もっとも、辞める日のことなんか想像できないけどな。勝つことは楽しいが、思い出の方がずっと大切だ。
■大会後のこと
次の戦いに備えろ!:もしCity Championshipsやleagueの期間の最中なら、自分のデッキのどの部分が気に入っているのか、どの部分が気に入らないのかを見定め、デッキの変更点をテストしたり新しいデッキの用意を始めろ。もしデッキを信頼しているのなら、たかが1度の大会結果が悪かったぐらいで諦めるな。このゲームはいつも結果が全てというわけではないし、当たり運が悪かった日や引きが酷かった日というのは、究極的には自分の力ではどうにもならないからだ。
昔の自分を忘れるな!:それで大会では勝てたか? よくやった。だがその結果にうぬぼれるな。さて、偽善者めと言われる前に、オレの過ちを訂正させてほしい。正直に言えば、オレの今年最大のプレイミスは、自分の成功でうぬぼれて調子に乗っていたことだ。世界大会のあとのオレは狂喜して、自信満々だったし、世界だって取れると思っていた。それでみんなに言いふらした。周りに言いふらして回った。だがそれは、ただ単に自分の成功を自慢して回ってただけだった。事実、世界大会後の数週間、オレはとことん有害な人間だった。そういう過ちは、時間が経たないと消えてはくれない。
かつて、オレらは誰もが初心者だった。オレらは周囲の人から学んできた。それが友達だろうと、チームメイトだろうと、地元のプレイヤーだろうと。ワシントン州でオレが属しているコミュニティのおかげで、オレは大会を通じて上手くなれたし、その一員になることもできた。オレが入っているふたつのチーム、Team Ducklett DynastyとTeam Swaggはオレという人間を作り上げてくれて、対戦中の思考プロセスやデッキのカードチョイスに影響を与えてくれた。これは大切なことだが、勝利のちょっとした細部でさえ、自分を助けてくれる人々のおかげだというのを忘れてはいけない。誰でも最初はひどかったし、ありえないようなプレイミスもした。まあ初心者だからねとみんな思っていたものだ。
■結論
ほぼ間違いなく、オレは何かを書き忘れていて、これが掲載されて何日か経ってから思い出すんだろう。まあ、そうだとしても別に構わない。ここに書いたのはすべて、心をちゃんとした状態にして戦いに臨むために、オレが教えられるコツの数々だ。そして何よりも、前向きな気持ちと成功したいという意欲があれば、必ずや成功への道を歩むことができる。さて次に会う時まで、これからのシーズンの幸運を祈っているぜ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
僕個人は大会時でも食事はしっかり食べたい派なので、そのあたりの話はかなり共感できました。たんぱく質(protein)と果物というのがアメリカらしいですが……。
余談ですが、文中に出てくる曲はすべてYouTubeに転がってます。聴いてみると、この著者の好みがよくわかりますw
読んでみると、意外とありそうでなかったタイプの記事になっています。心構えなんて大丈夫と言わずに、読めば思わぬ発見があるかもしれません。アメリカ選手権や世界大会の話もあって、カードの面でもけっこう面白い内容です。
ちなみにこの著者、写真等を見る限りどう見ても俺様系のキャラなのですが、印象に反して(失礼)、非常にしっかりとした文章を書きます。そのあたりのギャップも楽しんでいただければ。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Get Ready for Battle -- Routines & Preparation
by James Good
Monday, September 30, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/32
■はじめに
やあ、60cardsの読者のみんな。オレはJames Good。ワシントン州シアトルに住んでる、カード始めて2年目のマスタープレイヤーだ。先月ここに投稿したオレのレポートを読んでくれた人もいるかもしれないが、読んでなければここ〔※訳注:ttp://60cards.net/blog/posts/detail/6〕で見てほしい。今日は、いつもとちょっと違ったことを話そうと思う。特定のデッキやメタやらを考察する代わりに、大会に備えて何をしているか、なぜ自分の成功は自分の習慣のおかげなのか、それについて考えてみたいと思う。
事前の準備と習慣は、オレにとっては、プレイテストや、メタデッキを覚えて理解するのと同じくらい大事なことだ。睡眠不足や、空腹や、デッキに不満がある状態で大会に行くのなら、どれだけプレイテストしたって意味がない。そういったことは全部、遅かれ早かれ、判断能力に悪く影響してくる。対戦中のプレイミスが負けに繋がるのは誰でも知ってる。だがデッキリストの記入ミスや、プレイ中の勘違い、そして疲れなど、ほとんどの人が気に留めないようなものならどうだろうか? だいたいの場合そういったものは見過ごされがちだが、ここではそれを避ける手助けをしよう。
■大会前の一週間
プレイテストのやり方をうんぬんするのはやめておこうと思う。というのも、オレらはみんな違った方法を取るし、メタゲームを覚える上でどれが絶対にベストな方法なのかはオレもわからないからだ。オレに言えるのは、習うより慣れろという言葉もあるし、繰り返しは情報を整理して覚えるには良い方法だ、ということぐらいだ。
オレが準備を始めるのは、大きな大会ならその前の週末、小さな大会なら3、4日前だ。この期間中に最初にやることは、どのデッキを使うかを決め、デッキリストを最終版にしてしまうことだ。大会までの残りの期間はそのデッキだけをプレイテストで使って、デッキから何を抜いて何を入れたのかを完全に覚えるようにする。
つまり自分のリストを丸暗記するということだが、これはどれだけ強調しても足りない。デッキリストをいじりすぎて、エネや4枚目のキャッチャーを削ったのを忘れ、ゲーム終盤でそれを探しにいったりしたらちょっとお粗末だ。相手の完全なデッキリストはわからないかもしれないが、少なくとも自分のデッキリストは、1枚1枚覚えることができる。
オレはこういう自論を持っている。「環境最強」と言われているデッキを使っても、勝つ可能性が一番高くなるわけではない。だが使い慣れているデッキを選べば一番高くなる。だからといってホエルオー単みたいなのを大会に持ち込めとは言わないが、使い慣れないし練習も足りないようなトップメタデッキは、選ぶべきではない。
例えば、WCS2013に先立って、オレらは前日のLCQをダークダストが席巻しているのを目の当たりにした。だが、たとえ自分の使おうとしているデッキよりダークダストの方が強いと感じたとしても、ダークダストに不慣れな以上は、デッキを切り替えるのは間違いだとオレは強く思う。デッキが強いのは本人の技術が強いときだけだ。言い換えれば、もし何らかのデッキが物凄く強いように見えたとしたら、それは細かい部分が強いからだ! たった1枚のキーカードでも大きな違いを生むのだから。
■大会前夜
見ていて一番腹が立つ連中は、大会の受付締め切り15分前にやって来て、しかもデッキリストをまだ記入していない奴らだ。これは明らかな準備不足のしるしで、だからオレは、早くこいつと当たらないかなと願うというわけだ。受付を円滑に済ませるためにも、前の日の夜には15分かけて、デッキリストを書くか印刷しておこう。それができたら、間違いがないかデッキリストを見直しする。デッキリストを完全に覚える最後にして最高のチャンスだ。
他の人はともかく、オレは全く朝型人間ではない。朝起きたらすぐ出られる状態でいたい。寝ぼけたままプレイマットや予備のスリーブやダイスを引っ張り出すなんて、一番やりたくないね。だから前日の夜は、そういうものを揃えておいて、すぐ出られるようにしておく。
最後に、しっかり眠ることだ。特に大会が夜まで続きそうなときには。どう見ても徹夜してましたって感じでイベントに来るプレイヤーたちのことは(TCGでも、オレがやる気出してた頃のポーカーでも)全く理解できなかった。心身ともに疲れていると、判断能力はひどくなりがちだ。別に12時間寝ろとか、8時間は寝なきゃ駄目だとか言いたいわけじゃない。自分の体のことは自分が一番知ってるんだから、心と体をきちんと働かせるのに一番いい睡眠時間にすればいい。レブロン・ジェームズが3時間しか寝なかったから最後のシュートを外しただなんて言い訳するのは聞いたことがないからな〔※訳注:レブロン・ジェームズはNBAのスター選手〕。
■大会当日
朝メシを食え!:オレみたいな大きいお兄ちゃんがこんなことを言うのはちょっと可笑しいかもしれないが、本当に朝メシは一日の食事の中で一番大切だ。栄養のあるメシを食え。アルセウスの神に誓って、頼むからファーストフードは食うな。たんぱく質と果物が、忙しい一日には一番エネルギーをくれる。
早めに着いておけ!:時間ぎりぎりまで寝ていて不測の事態のときに時間がなくなったりなんて、オレは絶対したくない。早めに着けば、友達に早く会えるだけじゃなく、朝っぱらから駆け回って余計なストレスを感じずに済む。この時間は、他のプレイヤーが何を使って何を使ってないのかを偵察するのにもかなりいい。
準備は万端にしろ!:だいたいのプレイヤーはよくできてる。だが言っておくが、予備のスリーブは忘れるな! 大会中にスリーブを替える羽目になったら大会どころじゃなくなってしまう。
しっかりシャッフルしろ!:オレはちょっとやり過ぎかもしれないんだが、オレが大会前とラウンド間にするシャッフルの量は笑えないレベルだ。持ってきたデッキの中身がリスト順に並んでいたりすると、1回戦の前に最低でも5回はパイルシャッフルとリフルシャッフルを繰り返す〔※訳注:パイルシャッフルはいわゆるN枚切り。リフルシャッフルは外人がよくやるような、カードの両端を指で弾いて勢いよく重ねるアレ〕。試合が終わると、もちろん時間があればの話だが、デッキをしまう前にパイルシャッフルとリフルシャッフルを最低2回やり、次のラウンドの開始時にもまったく同じ要領でやる。対戦相手には早くしてくれと言わせちゃいけない。たとえ2本先取のマッチのあいだであってもな!
敵とそのデッキを知れ!:もし小さな大会に出るのなら、その前の週とかに相手が何のデッキを使っていたのか覚えるようにしろ。相手がどうプレイしていたのかを掴んでおき、もし相手が面白いカードを使っていたら絶対覚えておくんだ。
相手のガードを解くことができたら、それこそが最大のアドバンテージになる。2013年のU.S.Nationalsでいのちのしずくがあんなにも強かった理由がこれだ。しずくは特定のプレイヤー集団に強いと認知されていただけだったから、初めて遭遇したとき、どう対処していいか誰も知らなかった。みんなが理解していくにつれ、しずくはそこまで強力じゃなくなっていった。
オレが最初にしずくと遭遇したのはU.S.Nationalsの4回戦目で、相手はCurran Hillだった。相手がキュレムにしずくを貼ったとき、オレは他のポケモンをキャッチャーして、そのキュレムを避けて戦おうとした。それが最初のミスだった。ふたつめのミスは相手のトラッシュにプリズムエネが4枚落ちているのを見て、エネ大量のケルディオEXを作ってもデオキのラセンフォースを警戒する必要はないだろうと思い込んでしまったことだ。オレは完全にガードを解いてしまい、相手は草炎超悪のブレンドエネを貼ってゲームを取った。オレは2ターン目に上々な立ち上がりだったにもかかわらず、Curranは二度もこちらのカードを解いたことで、優位に立ってゲームに勝利した。
自信を持て!:オレに言わせれば、参加するどんな大会でも優勝できると考えるのは、エゴイスティックでも何でもない。自分に自信を持てば、プレイのレベルも高くなる。自分より経験がありそうなプレイヤーに気圧されるな。相手がKyle "Pooka" Sucevichだろうが、大して上手くないとぶっちゃけるお父さんプレイヤーだろうが、そんなのは関係ない〔※訳注:Kyle SucevichはTop Cutの有名ライター〕。どんなマッチでも、オレは自分の方が弱いだなんて思わない。(公式イベントだと、Kyleとオレは戦ったことがないんだった……あいつにアブソルEXをただであげたってのにな! 1戦やりたいもんだぜ、Pooka!)
好調を保て!:大会の一番楽しい面のひとつは、友達と会ったりすることだ。だがときには、とりわけ酷い負けのあとには、もう一度集中しなおす必要がある。少し時間を取って、プレイがマズかったのか、単なる偶然の犠牲になっただけなのかを考えてみることだ(Nで相手の手札を1枚にしたらダブル無色を握られたとかな。ドンマイKenny Wisdom)。
オレが大会中に集中力を高めるやり方は、各ラウンドのあいだに数分間、iPodに入れてるアーティストの曲かアルバムから毎回同じものを聴くことだ。こうすれば、長い大会の最中でも、良い感じでいることができるし、大会に何時間も出続けることになるって事実を忘れられる。
オレはどんな音楽でも好きだし、大会のどんな瞬間にも、それにぴったりの曲やアーティストがあると思っている。自分に合った曲を見つけてくれ。気分がハイになる曲や、集中できる曲や、嬉しいときの曲とか心地良くなる曲とか……つまり何か面倒なことが起こったときのための曲とか。参考までにオレの曲は、
気分がハイになる曲:"This Fire Burns" by Killswitch Engage
集中力を高める曲:"Ten Thousand Hours" by Macklemore & Ryan Lewis
嬉しいときに聴く曲:"New God Flow" by Kanye West
ダメなときに聴く曲:"Dream Away" by Lights & Motion
水と食べ物を取れ!:オレの良き友Jon Bristowが世界大会レポートの中で、きちんと食事を取らなかったことが、あの悲劇的なトップ8の試合に影響したかもしれなかったと書いている〔※訳注:Jon Bristowのレポートはttp://60cards.net/blog/posts/detail/13〕。オレはヤツのことが死ぬほど好きだが、そういうのは防げたんじゃないかと思う。夜遅くであっても上手くプレイしなければならないのは確かに事実だが、1時間の夕食休憩とか大会中の他の休憩時間とかは、フードコートやカフェで食べ物にありつくのにもってこいの時間だ。
オレが言いたいのは、体がちゃんと働くのに必要なものを拒むなということだ。この比喩はさっきも使ったが、ペイトン・マニングやエイドリアン・ピーターソンが、まともな朝メシを食わなかったせいで最後に集中力が切れただなんて言うのを聞いたことがあるか?〔※訳注:どちらもNFLのスター選手〕 そう、オレは何億も稼ぐ超有名なアスリートとポケカのプレイヤーを比べて言ってるんだ!
リラックスして楽しめ!:またもやお話の時間だ! こないだの世界大会の準決勝のときだが、オレの友達のSimon Narodeはありえないほど緊張していて、完全に雰囲気に飲まれていた〔※訳注:Simon Narodeは今年のWCSマスター2位。準決勝でJames Goodと対戦〕。手は少し震えてたし、声にもちょっと緊張が現れてた。短いポケカ歴にあって一番大きな大会に出ているとはいえ、友達ながらこれはマズいなと思った。プレイしながら、気分を和らげようと思い、あいつにこう言った。「緊張するなよ、そんなに緊張してたらプレイをミスるぞ」。Simonの名誉のために言えば、あいつのプレイは素晴らしかったし、試合が進むにつれて緊張は自信に変わっていった。
オレの話の教訓はこうだ。このゲームは競技寄りだが、究極的には小さい子たち向けに作られているというのを忘れてはいけない。自分が戦っている試合をあまりに大それたものと考えてしまうと、ストレスも大きいし、楽しくなくなってしまう。たとえ負けても友達と一緒にいられたという事実を楽しむべきだし、お金と時間を大好きなことに注ぎ込めるというのは特別なことだ。オレはポケカを始めて2年かそこらだが、たとえ引退しても、友達との関係はずっと続くだろうと信じている。もっとも、辞める日のことなんか想像できないけどな。勝つことは楽しいが、思い出の方がずっと大切だ。
■大会後のこと
次の戦いに備えろ!:もしCity Championshipsやleagueの期間の最中なら、自分のデッキのどの部分が気に入っているのか、どの部分が気に入らないのかを見定め、デッキの変更点をテストしたり新しいデッキの用意を始めろ。もしデッキを信頼しているのなら、たかが1度の大会結果が悪かったぐらいで諦めるな。このゲームはいつも結果が全てというわけではないし、当たり運が悪かった日や引きが酷かった日というのは、究極的には自分の力ではどうにもならないからだ。
昔の自分を忘れるな!:それで大会では勝てたか? よくやった。だがその結果にうぬぼれるな。さて、偽善者めと言われる前に、オレの過ちを訂正させてほしい。正直に言えば、オレの今年最大のプレイミスは、自分の成功でうぬぼれて調子に乗っていたことだ。世界大会のあとのオレは狂喜して、自信満々だったし、世界だって取れると思っていた。それでみんなに言いふらした。周りに言いふらして回った。だがそれは、ただ単に自分の成功を自慢して回ってただけだった。事実、世界大会後の数週間、オレはとことん有害な人間だった。そういう過ちは、時間が経たないと消えてはくれない。
かつて、オレらは誰もが初心者だった。オレらは周囲の人から学んできた。それが友達だろうと、チームメイトだろうと、地元のプレイヤーだろうと。ワシントン州でオレが属しているコミュニティのおかげで、オレは大会を通じて上手くなれたし、その一員になることもできた。オレが入っているふたつのチーム、Team Ducklett DynastyとTeam Swaggはオレという人間を作り上げてくれて、対戦中の思考プロセスやデッキのカードチョイスに影響を与えてくれた。これは大切なことだが、勝利のちょっとした細部でさえ、自分を助けてくれる人々のおかげだというのを忘れてはいけない。誰でも最初はひどかったし、ありえないようなプレイミスもした。まあ初心者だからねとみんな思っていたものだ。
■結論
ほぼ間違いなく、オレは何かを書き忘れていて、これが掲載されて何日か経ってから思い出すんだろう。まあ、そうだとしても別に構わない。ここに書いたのはすべて、心をちゃんとした状態にして戦いに臨むために、オレが教えられるコツの数々だ。そして何よりも、前向きな気持ちと成功したいという意欲があれば、必ずや成功への道を歩むことができる。さて次に会う時まで、これからのシーズンの幸運を祈っているぜ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
僕個人は大会時でも食事はしっかり食べたい派なので、そのあたりの話はかなり共感できました。たんぱく質(protein)と果物というのがアメリカらしいですが……。
余談ですが、文中に出てくる曲はすべてYouTubeに転がってます。聴いてみると、この著者の好みがよくわかりますw
極めて好意的に言えば、ポケカ公式が気まぐれなのは以前からのことです。ルール変更の是非は言い尽くされた気もするので、もう言うことはありません。
個人的に寂しさを感じるのは、キャッチャーのあるゲームの面白さです。あるいは、面白い部分です。
キャッチャーがあってなお、環境には複数の進化デッキが存在していました。もちろん大半は強力なとくせい持ちポケモンでしたし、進化ポケモンの可能性を狭めていたのは間違いないでしょう。
ただ意外と見逃されがちなのは、キャッチャーの雨をかいくぐって進化を立てることを可能にしている、構築とプレイングのノウハウです。
以前にも似たようなことを書いた気がするのですが、たとえばサザンダークやカメケルなどは、たねの置き方と進化のさせ方の上手い下手だけで勝率が大幅に変わります。キャッチャーの消滅に快哉を叫ぶ前に、そもそも進化デッキの回し方が正確だったのか。僕個人は、まったく頷ける自信がありません。
また、テンポとサイド数管理の重要性は、キャッチャーゲーの中でかなりクローズアップされましたし、研究が進んだ部分だとも思います。
特にサイド数管理の面では、EXが絡んだことで、各デッキともゲームプランが非常に重要になっていました。それらは特に、たね系デッキの構築に(もちろん進化デッキにもですが)大きな影響を与えていました。
構築の段階でゲームプランが描けているデッキは間違いなく強いですし、優秀なデッキはレシピにそれが表れます。個人的に、たとえばダークライはそれが非常に顕著なデッキだと感じていました。
同意を得られるかはわかりませんが、BW環境は、過去のポケカの環境の中でも、色々な面で難しい部類に入るだろうと思います。
確かにキャッチャーのカードパワーは異常すぎるものがありました。それでも、だからこそ、カードの可能性は狭めたかもしれないけれど、戦略の可能性ならば新しい部分を開拓していたのではないかと、改めて思います。
個人的に寂しさを感じるのは、キャッチャーのあるゲームの面白さです。あるいは、面白い部分です。
キャッチャーがあってなお、環境には複数の進化デッキが存在していました。もちろん大半は強力なとくせい持ちポケモンでしたし、進化ポケモンの可能性を狭めていたのは間違いないでしょう。
ただ意外と見逃されがちなのは、キャッチャーの雨をかいくぐって進化を立てることを可能にしている、構築とプレイングのノウハウです。
以前にも似たようなことを書いた気がするのですが、たとえばサザンダークやカメケルなどは、たねの置き方と進化のさせ方の上手い下手だけで勝率が大幅に変わります。キャッチャーの消滅に快哉を叫ぶ前に、そもそも進化デッキの回し方が正確だったのか。僕個人は、まったく頷ける自信がありません。
また、テンポとサイド数管理の重要性は、キャッチャーゲーの中でかなりクローズアップされましたし、研究が進んだ部分だとも思います。
特にサイド数管理の面では、EXが絡んだことで、各デッキともゲームプランが非常に重要になっていました。それらは特に、たね系デッキの構築に(もちろん進化デッキにもですが)大きな影響を与えていました。
構築の段階でゲームプランが描けているデッキは間違いなく強いですし、優秀なデッキはレシピにそれが表れます。個人的に、たとえばダークライはそれが非常に顕著なデッキだと感じていました。
同意を得られるかはわかりませんが、BW環境は、過去のポケカの環境の中でも、色々な面で難しい部類に入るだろうと思います。
確かにキャッチャーのカードパワーは異常すぎるものがありました。それでも、だからこそ、カードの可能性は狭めたかもしれないけれど、戦略の可能性ならば新しい部分を開拓していたのではないかと、改めて思います。
今回はスタッフでした。デッキも用意していったのですが、ゲスト効果もあっての満員御礼。最近は参加人数が連続して30人を越えています。ありがたい限りですね。
そして噂のゲストはmepoくん! 初の道外ゲスト、しかも日本代表経験者とあって、特にジュニアにはすごく刺激になったのではないでしょうか。
とりわけうれしかったのは、対戦中にmepoくんの周りにずっとギャラリーができていたことです。今までのうきにん杯(SIP杯)ではほとんど見られなかった光景ですが、上手い人のプレイを見るのは大事なことです。
今後も、決勝トーナメントは観戦者が増えるといいですね(でもミニトーナメントも楽しいものね……w)。
はるばる来てくれたmepoくんには感謝です!
今回はスタッフ的には非常に平和な大会でしたが、裁定の面では忙しかった大会でもあります。
個人的にはあまり厳しい裁定は出したくないので、カード引きすぎ、サイド取り忘れ、使えないワザを使った等々にはくれぐれも注意してください。12月には公式大会も控えています。ささいなことでペナルティを受けないように、身近なところから気をつけていきましょう。
会場の定員やばいよ問題ですが、以前に使っていた部屋(つどいAとB)は椅子が足りてもテーブル数が不足していて、いまの部屋より大きいのは娯楽室になります。キャパは充分ですが、和室形式なので椅子がなく、靴を脱いで畳に長時間座るのを考慮するとなかなか採用は難しいです(しかも使用料高いし……)。
中央区民センターは立地が良いので気に入っているのですが、会場問題は今後の課題になるかもしれません(あと数回は様子見でいまの部屋です)。
それでも、毎回これだけの参加者が集まるのはとてもうれしく思います。いつもご参加いただき本当にありがとうございます!
そして噂のゲストはmepoくん! 初の道外ゲスト、しかも日本代表経験者とあって、特にジュニアにはすごく刺激になったのではないでしょうか。
とりわけうれしかったのは、対戦中にmepoくんの周りにずっとギャラリーができていたことです。今までのうきにん杯(SIP杯)ではほとんど見られなかった光景ですが、上手い人のプレイを見るのは大事なことです。
今後も、決勝トーナメントは観戦者が増えるといいですね(でもミニトーナメントも楽しいものね……w)。
はるばる来てくれたmepoくんには感謝です!
今回はスタッフ的には非常に平和な大会でしたが、裁定の面では忙しかった大会でもあります。
個人的にはあまり厳しい裁定は出したくないので、カード引きすぎ、サイド取り忘れ、使えないワザを使った等々にはくれぐれも注意してください。12月には公式大会も控えています。ささいなことでペナルティを受けないように、身近なところから気をつけていきましょう。
会場の定員やばいよ問題ですが、以前に使っていた部屋(つどいAとB)は椅子が足りてもテーブル数が不足していて、いまの部屋より大きいのは娯楽室になります。キャパは充分ですが、和室形式なので椅子がなく、靴を脱いで畳に長時間座るのを考慮するとなかなか採用は難しいです(しかも使用料高いし……)。
中央区民センターは立地が良いので気に入っているのですが、会場問題は今後の課題になるかもしれません(あと数回は様子見でいまの部屋です)。
それでも、毎回これだけの参加者が集まるのはとてもうれしく思います。いつもご参加いただき本当にありがとうございます!
【デッキリスト】第32回うきにん杯トップ3デッキ
2013年9月23日コメント (2)
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201309230046251043/にあります)
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:コイソ(ゼブライカ/ランドロスEX/ビクティニEX)
2nd Place:たっつー(ビリジオンEX/ゲノセクトEX/フワライド)
3rd Place:ぬるぬる(カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:コイソ(ゼブライカ/ランドロスEX/ビクティニEX)
2nd Place:たっつー(ビリジオンEX/ゲノセクトEX/フワライド)
3rd Place:ぬるぬる(カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
プラズマと現状
2013年9月21日 ずっと使っている(というか他に手持ちデッキがない)プラズマですが、最近は大会行くたび露骨にメタられてダルいので、メモ書きも兼ねてレシピを載せてみます。
デッキパワー自体は相当に高いですし、個人的には好きなデッキなのですが。
4 デオキシスEX
4 キュレム
2 ボルトロスEX
4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
1 ベル
4 ポケモンキャッチャー
4 どくさいみん光線
3 アクロママシーン
3 ポケモンいれかえ
2 プラズマ団のモンスターボール
2 タチワキシティジム
1 ハイパーボール
1 かるいし
1 シルバーバングル
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン
4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
2 水エネルギー
1 雷エネルギー
今のレシピの元ネタは、Michael Pramawatのプラズマ(ttp://thetopcut.net/2013/09/12/prams-breakdown-ep03-plasma-klaczynski-open-edition/)です。BW9になってもケルディオを入れたがる海外勢の嗜好には恐れ入るのですが、それ以外の箇所を参考にしました。
バングルと毒タチワキの共存はかなり強いと思っていて、プレイに制約が出やすいバングルのみの打点の欠点を補っています。毒があるとバリヤード含むHP70族を落としやすいことに加え、デオキを攻撃に使いやすいので、動きの幅が広くなります。
まんたんのくすりは入れたいのですが、今のところは特に動かさずにいます。
動画内でも言われているフウロとアクロマの枚数差し替えの結論は、自分でもよくわかりません。
デッキパワー自体は相当に高いですし、個人的には好きなデッキなのですが。
4 デオキシスEX
4 キュレム
2 ボルトロスEX
4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
1 ベル
4 ポケモンキャッチャー
4 どくさいみん光線
3 アクロママシーン
3 ポケモンいれかえ
2 プラズマ団のモンスターボール
2 タチワキシティジム
1 ハイパーボール
1 かるいし
1 シルバーバングル
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン
4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
2 水エネルギー
1 雷エネルギー
今のレシピの元ネタは、Michael Pramawatのプラズマ(ttp://thetopcut.net/2013/09/12/prams-breakdown-ep03-plasma-klaczynski-open-edition/)です。BW9になってもケルディオを入れたがる海外勢の嗜好には恐れ入るのですが、それ以外の箇所を参考にしました。
バングルと毒タチワキの共存はかなり強いと思っていて、プレイに制約が出やすいバングルのみの打点の欠点を補っています。毒があるとバリヤード含むHP70族を落としやすいことに加え、デオキを攻撃に使いやすいので、動きの幅が広くなります。
まんたんのくすりは入れたいのですが、今のところは特に動かさずにいます。
動画内でも言われているフウロとアクロマの枚数差し替えの結論は、自分でもよくわかりません。
世界大会の個人的な余波
2013年9月11日コメント (3)・お土産で買ったメープルシロップが未開封(使いきれる気もしない)。
・自分用プレイマットはもったいなくて未開封。
・TopCutと60cardsを毎日見てる。
・ターン終了時に「ゴー」とか言っちゃう。
・アララギを撃って「ジュニパー」。フウロを撃って「スカイラ」。
・BW9環境とかよくわからなくなってる。
書きかけの世界大会の環境考察ももうどうでもよくなってる感。カードのモチベーションはわりとあるのにね。
・自分用プレイマットはもったいなくて未開封。
・TopCutと60cardsを毎日見てる。
・ターン終了時に「ゴー」とか言っちゃう。
・アララギを撃って「ジュニパー」。フウロを撃って「スカイラ」。
・BW9環境とかよくわからなくなってる。
書きかけの世界大会の環境考察ももうどうでもよくなってる感。カードのモチベーションはわりとあるのにね。
【翻訳】ダークダストとWCSトップ8レポート(2/2)
2013年9月7日コメント (6)〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309071513308176/からの続きです〕
■世界大会本戦
LCQの次の日が世界大会本戦です! 以前よりも試合数が増えていると聞いていたので、一日を通じて自分のペースを保てるか心配でした。とはいえ、一度負けたら終わりというわけではないので、スイスラウンドではかなりリラックスしてプレイできました。
・1回戦:Marius Vanheste (BE) ダークライEX/アブソル
初手はとても良かったです。パソ通があり、1ターン目からナイトスピアを撃つこともできるハンドでした。けれど相手はNを使ってきて、それでこちらの手札はひどくなってしまいます。手札にどくさいみんがあったので相手のダークライEXに使いましたが、いろいろあってそのダークライは数ターン眠り続けました。
ようやく僕はフウロを引き当て、相手がNを握っているのかサポーターを引いていないだけなのかわからなかったので、ビーチではなくアララギを持ってきました。相手のダークライは起きてナイトスピアを撃ち始め、こちらも同じようにナイトスピアを撃ち始めます。相手の2体目のダークライにこちらの2体目のダークライが落とされないように、ビーチでタチワキを割りました。けれども、相手は2枚目のタチワキとどくさいみんも持っていました。ただ、僕は3体目のダークライを作れることはわかっていたので、それで相手の2体目のダークライを倒しました。相手は次のダークライを用意できず、こちらが初戦に勝つことができました。
・2回戦:Javier Favilli (AR) ブースター/テラキオン/ランドロスEX/ダストダス/フワライド/タブンネ/バリヤード
このマッチが始まる前、ブースターデッキがいると聞いていたので、僕はそのことを考えていました。そしてバトル場をオープンしてみると、うわ来たよ、イーブイがいる!
序盤はダークパッチが引けず苦労しました。向こうはランドロスEXで攻撃してきます。こちらは押しとどめるためにどくさいみんを使いますが、そのたびにタブンネで回復されてしまいました。しかし、ランドロスには2枚目のエネがつきませんでした。こちらはダークライにダメージが乗ったらまんたんのくすりを使い、ダークライ2枚がかりでランドロスを落としました。その時点で、相手の場にはダブル無色つきのブースターが3体とバリヤード。バリヤードがいるのでダストを置こうと思いました。ブースターが前に来てふくしゅうを撃ってきますが、大したダメージは出ていません。
僕はダストダスを立てて、悪のツメをつけたダークライで殴り始めました。2体目のブースターが来てこちらのダークライを落とします。相手はキャッチャーを3枚使っていて、トラッシュにはポケモンが14枚ありました。その時点で、向こうには学習装置つきの無傷のダークライを倒す手段がありませんでした。僕はNを使ってからキャッチャーでブースターを倒します。向こうにはアタッカーがいなくなり、ダークライが倒されなかったのでゲームに勝つことができました。相手のデッキは、戦っていて楽しいデッキでしたね。
・3回戦:Brit Pybas (US) ダークライEX
ヤミラミスタートでしたがサポーターはなし。相手はバリヤード1匹だけで、こちらはどくさいみんを撃ちました。どうやら相手もサポなしのようで、カードを引いただけでターンを返してきます。僕も他にやることがなかったのであやしいひかりを撃ちました。相手も他にできることはなく、こちらはまたあやしいひかりを撃ってバリヤードを倒すことができました。今回は運がよかったと思います。
・4回戦:Jonathan Bristow (US) レックビール
相手はライコウEXスタートで、こちらはヤミラミスタートです。相手はサポーターがなく、ライコウにエネを貼っただけでターンを返してきました。次のターンにはかみなりのキバを使ってきましたが、判定は裏。こちらはダークライを用意してシビシラスを殴り始めます。向こうはまたかみなりのキバですが――裏。助かりました。僕はダストダスを置くつもりだったので、ケルディオを出したくなかったんです。なのでマヒにされてしまうと、ケルディオがいないので困ったことになります。
こちらはベンチのシビビールを倒し、次のターンに相手はまたかみなりのキバを撃ってきました。判定は裏。こちらは再びナイトスピアで攻撃します。もう少しで勝てるところでしたが、相手はベンチにレックウザEXを出してアクロマを使ってきました。そしてかみなりのキバ、ですが判定はまた裏。こちらはライコウを倒します。相手はアララギを使いますが、大した動きはできませんでした。レックウザには3エネがついていましたが、こちらは他のポケモンも準備できていて、勝つことができました。だいたいはかみなりのキバの裏のおかげですね。
・5回戦:Dustin Zimmerman (US) ヤミラミ/ダストダス/ダークライEX/ハンマー
マッチアップで彼の名前を見たときはとても興奮しました。彼の名前は前から知っていたんです。お互いダークライスタートで、うーんダークライかと思いながら僕はベンチにヤブクロンを出しました。すると向こうもヤブクロンを出してきました。そしてヤミラミが出てきてハンマーを撃ち始めます。向こうはヤミラミとダストダスをメインにしたデッキだなと思いました。僕も同じデッキを以前に試したことがあったので、相手のデッキにアタッカーはそんなにたくさん入っていないと踏んで、ダークライで殴り始めました。ハンマーが刺さると困るのでダークライには4枚目のエネを貼り、万が一にニューラが来ることも考え、ケルディオを出して悪エネをつけておきました。こちらのダークライは倒されず、僕は相手のダストダスとヤブクロンをナイトスピアで倒すことができました。このデッキがすごく強いのは知っているんですが、試合時間がとても長くなってしまうのと、ゴチルゼルに勝てないので、僕は使いませんでした。
・6回戦:Josue Palomino (MX) キュレム/デオキシスEX/ケルディオEX/学習装置
相手は学習装置と基本エネを使っているプラズマでした。この型はあまり使っておらず、ダークダストとも練習していませんでした。この試合は勝てば次に進めるので、じっくりやろうと思いました。
相手は1ターン目からキュレムを準備してフロストスピアで殴ってきました。貼られていた学習装置がかなり良さそうに見えました。どくさいみんとブリザードバーンで僕のダークライは170ダメージを受け、僕はそれをまんたんのくすりで回復したのですが、ここで大きなミスをしてしまいました。僕はうっかりダークライの毒マーカーまで取り払ってしまい、ケルディオのかけつけるを使うのを忘れていたんです。これは困ったなと思いましたが、相手も似たようなミスをしてくれました。相手もかけつけるを使い忘れ、そのため前のターンにブリザードバーンを撃ったキュレムがバーンを撃てなかったんです。
相手はもうワザを宣言してしまっていたので、僕らはジャッジを呼びどうすべきか尋ねました。ジャッジ曰く、今はまだ攻撃フェイズ中なので〔※訳注:原文はsince it was in the Attack Phase〕、別のワザを選択することはできる、とのことでした。しかしキュレムはそもそもワザを使えないので、相手は攻撃せずにターンエンドし、こちらのダークライには毒で合計60ダメージが乗りました。こちらはダストダスを置き、どくさいみんを撃ってキュレムを倒します。もうブリザードバーンとどくさいみんでもHP満タンのダークライが落ちなくなり、ケルディオのかけつけるも使えなくなりました。こちらはそのままダークライでゲームに勝利しました。
・7回戦:Gino Lombardi (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
TopCutの人たちがこの試合をビデオに撮りたいと言ってきました。提案はとてもうれしかったのですが、このデッキはまだ公開したくなかったんです。申し訳ないことをしました。
対戦では僕がダストダスを立てて、向こうはツールスクラッパーがなかったので、場をコントロールしてこの試合にも勝利しました。
・8回戦:Leandro Lopez (AR) ギギギアル
実はギギギアルとはこれまで戦う機会がなかったので、どうやって倒したものかと思っていました。結論は、ダストダスを立てようということにしました。こちらはダークライにエネを貼り、ケルディオを出します。相手はNを使ってきましたが、ギアルを出しただけでターンを返してきました。こちらはダークライで攻撃して勝利。ラッキーな試合でした。
・トップ32:Hanzell Ivan Caballero (MX) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
少し休憩を挟んで、決勝トーナメントの時間になりました。
1ゲーム目
またカメックス! こちらはダークライスタートです。少ししてヤミラミとケルディオを引いてきましたが、このゲームでは場に出す必要がないと思いました。こちらはNを撃ちましたが、たねポケを引かず、相手はブラックキュレムを用意してバリスタを撃ち、僕はこのゲームを落としてしまいました。
2ゲーム目
こちらはダストダスを立ててダークライを準備します。相手は引きがよくなかったようで、こちらはそのままダークライで勝つことができました。相手にはかるいしがあったので、ツールスクラッパーはないんじゃないかと予想しました。
3ゲーム目
相手はカメックスを立てましたが、こちらもダストダスを立てました。向こうはキャッチャーでダストダスを倒しにきましたが、こちらはかなり引きが良く、そのまま勝つことができました。
・トップ16:Gunther Kirchhofer (AT) キュレム/ボルトロスEX/デオキシスEX/ルギアEX/カビゴン
1ゲーム目
相手のプラズマはルギア入りだとすぐに判明しました。相手はフロストスピアからの出だしで、こちらはダークパッチを引いていませんでした。カビゴンが出ると困ったことになったのですが、ダストダスを立てればいいだけだと気づきました。この試合には勝てそうになかったので、相手の動きを調べ、相手のデッキにルギアEXがあまり入っていないことがわかりました。それからエーススペックと、ツールスクラッパーがあるかないかもチェックしました。
2ゲーム目
今回はダストを立てる必要がなかったので、場に出して道具を貼らずそのままにしておきました。こちらはただダークライとアブソルで攻撃していただけで、相手のどくさいみんは全然仕事をしないまま、この試合に勝つことができました。
3ゲーム目
相手はカビゴンスタート。相手はアララギを使い、スクランブルスイッチを捨てました。それからアクロママシーンを2回使って、カビゴンに3エネを貼ります。こちらはポケモンを場に出せなかったので、もし相手がダブル無色を引いてしまうとそのまま負けてしまいます。運良く向こうは引かず、カビゴンが後ろに下がってくれたので、こちらもダークライを逃がすことができました。ダークライがワザを撃てるようにし、そのターンのうちにカビゴンを倒しました。けれども、そのときこちらの手札にはサポーターがありませんでした。自分のデッキのサポ枚数を思い出し、もう一度トラッシュをチェックしてみると、サイドに2枚サポーターが落ちています。ここで引くサイドがサポなら良かったのですが、あいにくと引いたのはキャッチャーでした。次のターンに山札を引いてみると、そこで引いたのはアララギ博士! 前のターンに引いていたキャッチャーを使い相手のキュレムを倒します。相手はキャッチャーを引けず、スクランブルスイッチがもうないこともわかっていたので、この試合にも勝つことができました。
・トップ8:James Good (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=CypuPRHBpusで見ることができます〕
1ゲーム目
最初の相手の場にはケルディオEXしかいなかったので、何のデッキかわかりませんでした。もし相手がカメックスなら困ったことになるため、こちらはヤブクロンを場に出します。その読みは正しかったのですが、コントロールしきれるとは思えなかかったので、ジャンクハントで場を整えようとしました。が、ダストダスのロックは破られてしまいます。まだ何とかなると思ったのですが、キャッチャーでケルディオがバトル場に縛られてしまいました。僕はここで大きなミスをします。悪エネをケルディオに貼りにいったのですが、ここでNを使って相手に1ターンを与えてしまったんです。これが負けた原因でした。山札にはカードがあまり残っておらず、サポを使っても大してカードが増えなかったからです。最後のターン、キャッチャーを撃つ撃たないに関わらず、相手がカメックスを引かなければこちらが勝ちだったのですが。相手はカメックスを引き当て、ブラックバリスタを撃ち、こちらがゲームに負けてしまいました。
2ゲーム目
今回はヤブクロンをなかなか場に出せませんでした。相手はパソコン通信からカメックスを立ててきます。ただ、相手がブラックキュレムをハイパーボールで捨てた時点で、先に場のブラックキュレムを倒すのが正解だろうと思いました。ブラックキュレムがずっと眠っていたおかげで倒すことができ、ゲームの最後には2体のケルディオを同時に倒して、このゲームに勝つことができました。
3ゲーム目
ダストダスが1枚サイド落ちだとわかり、ヤブクロンを1体場に出しました。すると驚いたことに、2ターン目にカメックスが立ったんです! ブラックキュレムにエネがついてこちらのヤブクロンを落としてきました。眠ってくれればと思って使ったどくさいみん2枚はどちらも外れで、3枚目を撃とうと思ったのですが、最後の1枚だったのでやめておきました。ブラックバリスタがダークライに飛んできて、こちらはブラックキュレムは何とか落とせました。相手のサイドは残り1枚だったのですが、Nもグッズも引けず、最後はヤミラミがカメックスに倒されてしまいました。
■結論
僕は合計で34試合戦いましたが、そのどれもが楽しい試合でした。いろんな人に出会える世界大会は、本当に夢のような場所だと思います! 負けてしまった最後の試合は、勝てば権利をもらえたので本当に勝ちたかったです。ですが自分のミスで負けてしまったので、もっと練習して、来年はLCQから出なくて済むように日本で権利を取りたいです。
僕と対戦してくれたみなさん、会場で僕の試合を見てくれたみなさん、中継で見てくれたみなさん、そして僕を支えてくれたみなさんと、チームアチャモのメンバーと、家族に感謝したいと思います。
次のシーズンに向けて、この記事を読んでくれたみなさんの活躍を祈っています!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
最初にも書いたのですが、構築の際のかるいしの箇所や対戦中のニューラケアなど、大枠の考え方から細かい部分まで、本当にためになる面白いレポートでした。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、米田さんや魔女さんではなく責任はすべて僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
そういえば、形は違えど、ダークダストは新環境で行われた先日のKlaczynski Openでも優勝を飾っていました。
海外環境はローテーション(BW3以降)でエネルギーつけかえを失っており、このデッキに注目が集まったのも納得できます。世界大会でのダークダストの快進撃の影響は、しばらく続くのかもしれません。
ひとまずこのエントリで翻訳ラッシュは終わらせて、通常モードに戻ろうと思います。
どうでもいいですが、前回のブースターの翻訳のエントリは、通常更新時の2倍のアクセス数を稼いでいました。世界大会効果恐るべし。
■世界大会本戦
LCQの次の日が世界大会本戦です! 以前よりも試合数が増えていると聞いていたので、一日を通じて自分のペースを保てるか心配でした。とはいえ、一度負けたら終わりというわけではないので、スイスラウンドではかなりリラックスしてプレイできました。
・1回戦:Marius Vanheste (BE) ダークライEX/アブソル
初手はとても良かったです。パソ通があり、1ターン目からナイトスピアを撃つこともできるハンドでした。けれど相手はNを使ってきて、それでこちらの手札はひどくなってしまいます。手札にどくさいみんがあったので相手のダークライEXに使いましたが、いろいろあってそのダークライは数ターン眠り続けました。
ようやく僕はフウロを引き当て、相手がNを握っているのかサポーターを引いていないだけなのかわからなかったので、ビーチではなくアララギを持ってきました。相手のダークライは起きてナイトスピアを撃ち始め、こちらも同じようにナイトスピアを撃ち始めます。相手の2体目のダークライにこちらの2体目のダークライが落とされないように、ビーチでタチワキを割りました。けれども、相手は2枚目のタチワキとどくさいみんも持っていました。ただ、僕は3体目のダークライを作れることはわかっていたので、それで相手の2体目のダークライを倒しました。相手は次のダークライを用意できず、こちらが初戦に勝つことができました。
・2回戦:Javier Favilli (AR) ブースター/テラキオン/ランドロスEX/ダストダス/フワライド/タブンネ/バリヤード
このマッチが始まる前、ブースターデッキがいると聞いていたので、僕はそのことを考えていました。そしてバトル場をオープンしてみると、うわ来たよ、イーブイがいる!
序盤はダークパッチが引けず苦労しました。向こうはランドロスEXで攻撃してきます。こちらは押しとどめるためにどくさいみんを使いますが、そのたびにタブンネで回復されてしまいました。しかし、ランドロスには2枚目のエネがつきませんでした。こちらはダークライにダメージが乗ったらまんたんのくすりを使い、ダークライ2枚がかりでランドロスを落としました。その時点で、相手の場にはダブル無色つきのブースターが3体とバリヤード。バリヤードがいるのでダストを置こうと思いました。ブースターが前に来てふくしゅうを撃ってきますが、大したダメージは出ていません。
僕はダストダスを立てて、悪のツメをつけたダークライで殴り始めました。2体目のブースターが来てこちらのダークライを落とします。相手はキャッチャーを3枚使っていて、トラッシュにはポケモンが14枚ありました。その時点で、向こうには学習装置つきの無傷のダークライを倒す手段がありませんでした。僕はNを使ってからキャッチャーでブースターを倒します。向こうにはアタッカーがいなくなり、ダークライが倒されなかったのでゲームに勝つことができました。相手のデッキは、戦っていて楽しいデッキでしたね。
・3回戦:Brit Pybas (US) ダークライEX
ヤミラミスタートでしたがサポーターはなし。相手はバリヤード1匹だけで、こちらはどくさいみんを撃ちました。どうやら相手もサポなしのようで、カードを引いただけでターンを返してきます。僕も他にやることがなかったのであやしいひかりを撃ちました。相手も他にできることはなく、こちらはまたあやしいひかりを撃ってバリヤードを倒すことができました。今回は運がよかったと思います。
・4回戦:Jonathan Bristow (US) レックビール
相手はライコウEXスタートで、こちらはヤミラミスタートです。相手はサポーターがなく、ライコウにエネを貼っただけでターンを返してきました。次のターンにはかみなりのキバを使ってきましたが、判定は裏。こちらはダークライを用意してシビシラスを殴り始めます。向こうはまたかみなりのキバですが――裏。助かりました。僕はダストダスを置くつもりだったので、ケルディオを出したくなかったんです。なのでマヒにされてしまうと、ケルディオがいないので困ったことになります。
こちらはベンチのシビビールを倒し、次のターンに相手はまたかみなりのキバを撃ってきました。判定は裏。こちらは再びナイトスピアで攻撃します。もう少しで勝てるところでしたが、相手はベンチにレックウザEXを出してアクロマを使ってきました。そしてかみなりのキバ、ですが判定はまた裏。こちらはライコウを倒します。相手はアララギを使いますが、大した動きはできませんでした。レックウザには3エネがついていましたが、こちらは他のポケモンも準備できていて、勝つことができました。だいたいはかみなりのキバの裏のおかげですね。
・5回戦:Dustin Zimmerman (US) ヤミラミ/ダストダス/ダークライEX/ハンマー
マッチアップで彼の名前を見たときはとても興奮しました。彼の名前は前から知っていたんです。お互いダークライスタートで、うーんダークライかと思いながら僕はベンチにヤブクロンを出しました。すると向こうもヤブクロンを出してきました。そしてヤミラミが出てきてハンマーを撃ち始めます。向こうはヤミラミとダストダスをメインにしたデッキだなと思いました。僕も同じデッキを以前に試したことがあったので、相手のデッキにアタッカーはそんなにたくさん入っていないと踏んで、ダークライで殴り始めました。ハンマーが刺さると困るのでダークライには4枚目のエネを貼り、万が一にニューラが来ることも考え、ケルディオを出して悪エネをつけておきました。こちらのダークライは倒されず、僕は相手のダストダスとヤブクロンをナイトスピアで倒すことができました。このデッキがすごく強いのは知っているんですが、試合時間がとても長くなってしまうのと、ゴチルゼルに勝てないので、僕は使いませんでした。
・6回戦:Josue Palomino (MX) キュレム/デオキシスEX/ケルディオEX/学習装置
相手は学習装置と基本エネを使っているプラズマでした。この型はあまり使っておらず、ダークダストとも練習していませんでした。この試合は勝てば次に進めるので、じっくりやろうと思いました。
相手は1ターン目からキュレムを準備してフロストスピアで殴ってきました。貼られていた学習装置がかなり良さそうに見えました。どくさいみんとブリザードバーンで僕のダークライは170ダメージを受け、僕はそれをまんたんのくすりで回復したのですが、ここで大きなミスをしてしまいました。僕はうっかりダークライの毒マーカーまで取り払ってしまい、ケルディオのかけつけるを使うのを忘れていたんです。これは困ったなと思いましたが、相手も似たようなミスをしてくれました。相手もかけつけるを使い忘れ、そのため前のターンにブリザードバーンを撃ったキュレムがバーンを撃てなかったんです。
相手はもうワザを宣言してしまっていたので、僕らはジャッジを呼びどうすべきか尋ねました。ジャッジ曰く、今はまだ攻撃フェイズ中なので〔※訳注:原文はsince it was in the Attack Phase〕、別のワザを選択することはできる、とのことでした。しかしキュレムはそもそもワザを使えないので、相手は攻撃せずにターンエンドし、こちらのダークライには毒で合計60ダメージが乗りました。こちらはダストダスを置き、どくさいみんを撃ってキュレムを倒します。もうブリザードバーンとどくさいみんでもHP満タンのダークライが落ちなくなり、ケルディオのかけつけるも使えなくなりました。こちらはそのままダークライでゲームに勝利しました。
・7回戦:Gino Lombardi (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
TopCutの人たちがこの試合をビデオに撮りたいと言ってきました。提案はとてもうれしかったのですが、このデッキはまだ公開したくなかったんです。申し訳ないことをしました。
対戦では僕がダストダスを立てて、向こうはツールスクラッパーがなかったので、場をコントロールしてこの試合にも勝利しました。
・8回戦:Leandro Lopez (AR) ギギギアル
実はギギギアルとはこれまで戦う機会がなかったので、どうやって倒したものかと思っていました。結論は、ダストダスを立てようということにしました。こちらはダークライにエネを貼り、ケルディオを出します。相手はNを使ってきましたが、ギアルを出しただけでターンを返してきました。こちらはダークライで攻撃して勝利。ラッキーな試合でした。
・トップ32:Hanzell Ivan Caballero (MX) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
少し休憩を挟んで、決勝トーナメントの時間になりました。
1ゲーム目
またカメックス! こちらはダークライスタートです。少ししてヤミラミとケルディオを引いてきましたが、このゲームでは場に出す必要がないと思いました。こちらはNを撃ちましたが、たねポケを引かず、相手はブラックキュレムを用意してバリスタを撃ち、僕はこのゲームを落としてしまいました。
2ゲーム目
こちらはダストダスを立ててダークライを準備します。相手は引きがよくなかったようで、こちらはそのままダークライで勝つことができました。相手にはかるいしがあったので、ツールスクラッパーはないんじゃないかと予想しました。
3ゲーム目
相手はカメックスを立てましたが、こちらもダストダスを立てました。向こうはキャッチャーでダストダスを倒しにきましたが、こちらはかなり引きが良く、そのまま勝つことができました。
・トップ16:Gunther Kirchhofer (AT) キュレム/ボルトロスEX/デオキシスEX/ルギアEX/カビゴン
1ゲーム目
相手のプラズマはルギア入りだとすぐに判明しました。相手はフロストスピアからの出だしで、こちらはダークパッチを引いていませんでした。カビゴンが出ると困ったことになったのですが、ダストダスを立てればいいだけだと気づきました。この試合には勝てそうになかったので、相手の動きを調べ、相手のデッキにルギアEXがあまり入っていないことがわかりました。それからエーススペックと、ツールスクラッパーがあるかないかもチェックしました。
2ゲーム目
今回はダストを立てる必要がなかったので、場に出して道具を貼らずそのままにしておきました。こちらはただダークライとアブソルで攻撃していただけで、相手のどくさいみんは全然仕事をしないまま、この試合に勝つことができました。
3ゲーム目
相手はカビゴンスタート。相手はアララギを使い、スクランブルスイッチを捨てました。それからアクロママシーンを2回使って、カビゴンに3エネを貼ります。こちらはポケモンを場に出せなかったので、もし相手がダブル無色を引いてしまうとそのまま負けてしまいます。運良く向こうは引かず、カビゴンが後ろに下がってくれたので、こちらもダークライを逃がすことができました。ダークライがワザを撃てるようにし、そのターンのうちにカビゴンを倒しました。けれども、そのときこちらの手札にはサポーターがありませんでした。自分のデッキのサポ枚数を思い出し、もう一度トラッシュをチェックしてみると、サイドに2枚サポーターが落ちています。ここで引くサイドがサポなら良かったのですが、あいにくと引いたのはキャッチャーでした。次のターンに山札を引いてみると、そこで引いたのはアララギ博士! 前のターンに引いていたキャッチャーを使い相手のキュレムを倒します。相手はキャッチャーを引けず、スクランブルスイッチがもうないこともわかっていたので、この試合にも勝つことができました。
・トップ8:James Good (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=CypuPRHBpusで見ることができます〕
1ゲーム目
最初の相手の場にはケルディオEXしかいなかったので、何のデッキかわかりませんでした。もし相手がカメックスなら困ったことになるため、こちらはヤブクロンを場に出します。その読みは正しかったのですが、コントロールしきれるとは思えなかかったので、ジャンクハントで場を整えようとしました。が、ダストダスのロックは破られてしまいます。まだ何とかなると思ったのですが、キャッチャーでケルディオがバトル場に縛られてしまいました。僕はここで大きなミスをします。悪エネをケルディオに貼りにいったのですが、ここでNを使って相手に1ターンを与えてしまったんです。これが負けた原因でした。山札にはカードがあまり残っておらず、サポを使っても大してカードが増えなかったからです。最後のターン、キャッチャーを撃つ撃たないに関わらず、相手がカメックスを引かなければこちらが勝ちだったのですが。相手はカメックスを引き当て、ブラックバリスタを撃ち、こちらがゲームに負けてしまいました。
2ゲーム目
今回はヤブクロンをなかなか場に出せませんでした。相手はパソコン通信からカメックスを立ててきます。ただ、相手がブラックキュレムをハイパーボールで捨てた時点で、先に場のブラックキュレムを倒すのが正解だろうと思いました。ブラックキュレムがずっと眠っていたおかげで倒すことができ、ゲームの最後には2体のケルディオを同時に倒して、このゲームに勝つことができました。
3ゲーム目
ダストダスが1枚サイド落ちだとわかり、ヤブクロンを1体場に出しました。すると驚いたことに、2ターン目にカメックスが立ったんです! ブラックキュレムにエネがついてこちらのヤブクロンを落としてきました。眠ってくれればと思って使ったどくさいみん2枚はどちらも外れで、3枚目を撃とうと思ったのですが、最後の1枚だったのでやめておきました。ブラックバリスタがダークライに飛んできて、こちらはブラックキュレムは何とか落とせました。相手のサイドは残り1枚だったのですが、Nもグッズも引けず、最後はヤミラミがカメックスに倒されてしまいました。
■結論
僕は合計で34試合戦いましたが、そのどれもが楽しい試合でした。いろんな人に出会える世界大会は、本当に夢のような場所だと思います! 負けてしまった最後の試合は、勝てば権利をもらえたので本当に勝ちたかったです。ですが自分のミスで負けてしまったので、もっと練習して、来年はLCQから出なくて済むように日本で権利を取りたいです。
僕と対戦してくれたみなさん、会場で僕の試合を見てくれたみなさん、中継で見てくれたみなさん、そして僕を支えてくれたみなさんと、チームアチャモのメンバーと、家族に感謝したいと思います。
次のシーズンに向けて、この記事を読んでくれたみなさんの活躍を祈っています!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
最初にも書いたのですが、構築の際のかるいしの箇所や対戦中のニューラケアなど、大枠の考え方から細かい部分まで、本当にためになる面白いレポートでした。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、米田さんや魔女さんではなく責任はすべて僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
そういえば、形は違えど、ダークダストは新環境で行われた先日のKlaczynski Openでも優勝を飾っていました。
海外環境はローテーション(BW3以降)でエネルギーつけかえを失っており、このデッキに注目が集まったのも納得できます。世界大会でのダークダストの快進撃の影響は、しばらく続くのかもしれません。
ひとまずこのエントリで翻訳ラッシュは終わらせて、通常モードに戻ろうと思います。
どうでもいいですが、前回のブースターの翻訳のエントリは、通常更新時の2倍のアクセス数を稼いでいました。世界大会効果恐るべし。
【翻訳】ダークダストとWCSトップ8レポート(1/2)
2013年9月7日コメント (4)
前回に引き続き、今回も60cards.netから。ずいぶん遅くなってしまいましたが、日本有数の強豪プレイヤーの一人、米田さんのWCSトップ8レポートの翻訳(英語原文は魔女さんが翻訳なさったもの)をアップしたいと思います。
デッキ構築の際の考え方や対戦中の細かい動きなど、ためになる内容が満載です。色々な意味で貴重な記事だと思いますし、僕も本当に勉強になりました。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Top 8 Worlds Report with Darkrai-Garbodor
by Takuya Yoneda, tr. Majyo
Tuesday, August 27, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/9
■イントロダクション
こんにちは。僕の名前は米田卓弥で、日本に住んでいます。簡単に自己紹介をすると、ポケカは16年やっていて、チームアチャモのメンバーです。チームには大和さんもいて、一緒にカードをやっています。
2013年の世界大会では、LCQから参加して権利を取り、本大会でトップ8になりました。ここでは、自分の対戦レポートとデッキリスト、そしてなぜダークダストを選んだのかと、デッキ内のカードの説明をしたいと思います。
■デッキ選択のときの考え
世界大会に向けて準備を始めたのは、日本でBW8が発売されたときでした。その日に僕はゴチルゼルデッキを作り、そこから研究をしていました。僕の出した結論はこうでした。「ゴチルゼルがメタ内最強デッキなのは明らかで、今でもそうなっている」。このデッキは、どのデッキに対しても5割以上勝てると思いました。ケルディオEXを2枚入れたダークライでも厳しいだろうと感じました。しかも、僕たちのチームが作ったゴチルゼルデッキは、ケルディオ3積み構築のダークライにも勝ってしまうぐらい強かったんです。この時点で、カメックスでも対ゴチルゼルはノーチャンスだろうと確信しました。
けれども、ゴチルゼルがNationalsで優勝したとき、ミラーマッチがさらに増えるだろうと思いました。ミラーマッチはどうにもならないんです。僕がゴチルゼルを使わなかったのはそれが理由でした。僕はゴチルゼルデッキのレシピを探し回り、これなら自分のダークライ/ケルディオでどうにかなると思いました。とはいえ、僕はゴチルゼルに勝つのはかなり大変だと思っていましたが、下のレポートを読んでもらえればわかるとおり、僕はゴチルゼルには1度も当たらなかったんです。
ゴチルゼル以外にも、プラズマやカメックスといったトップメタデッキをいくつか考えていました。キュレム(BW8)はものすごく強くて、ゲームの最初から攻撃できてしまえば、だいたいそのまま勝ててしまいます。しかもゴチルゼルと比べるとゲームスピードがびっくりするぐらい違いました。
それから、カメックスも使われるだろうと思いました。一般的にはゴチルゼルに5割の確率で勝てると思われているからです。けれど、僕たちはせいぜい1~2割ぐらいしか勝てないと思っていたので、使う気はまったく起きませんでした。それからダークライに関していえば、ゴチルゼルが流行ればダークライも流行るだろうと予想していました。僕らの予想は正しくて、ダークライはたくさん見かけました。それでも、ダークライを使うとカメックスには相性がひどくなってしまいます。
2013年の5月には日本で大きな大会があったので、BW9入りのデッキを練習しなければいけなくなり、世界大会用の研究から一時的に離れる必要がありました。結果的に僕はその大会で優勝できず、権利を取ることができませんでした。
こんなこと言いたくないのですが、僕は日本の大会形式が好きではありません。日本の大会は、その日に一番運が良かった人間を決めるようなものだからです。海外の大会のやり方は本当に羨ましいと思います。
それで大会が全部終わったあと、僕はまた世界大会の準備に戻りました。ゴチルゼルが流行り始めていたので、デッキ選択はダークライ以外にはありえませんでした。僕は研究とテストプレイを始め、その結果、ダストダスを入れればカメックスにも対処できるという結論にたどり着きました。
デッキリスト:
4 ダークライEX
2 ケルディオEX
2 ヤブクロン(BW2)
2 ダストダス(BW5)
1 アブソル
1 ヤミラミ
4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 フウロ
3 ハイパーボール
4 ポケモンキャッチャー
4 ダークパッチ
3 どくさいみん光線
3 かるいし
2 悪のツメ
1 学習装置
1 まんたんのくすり
1 パソコン通信
2 タチワキシティジム
1 トロピカルビーチ
11 悪エネルギー
・ポケモンについて
4 ダークライEX
このデッキのメインアタッカーです。このデッキでは対戦中にダークライを3枚使うようになっています。ダークライはサイド落ちするかもしれませんし、ベンチに置くぶんが引けないという場合もあるでしょう。そのためダークライは4枚入れています。
2 ケルディオEX
ゴチルゼルと、どくさいみん光線に対するキーカードです。ゴチルゼルがいるなら、デッキにはタブンネかケルディオのどちらかは入れるべきだと思います。2枚ではゴチルゼルに対処するのに十分ではないと思っていたので、3枚入れたかったのですが、スペースがありませんでした。それと、かるいしをケルディオに貼るのも良い動きだということを付け加えておきます。
2 ヤブクロン(BW2) 2 ダストダス(BW5)
ダークライとカメックスに勝つために入れています。ヤブクロンも3枚入れたかったのですがスペースがありませんでした。なぜBW2のヤブクロンかというと、ゴミあつめでケルディオを戻せるからです。これは対ゴチルゼルでは効果的です。それに、たいていのダークライデッキはかるいしを入れていないので、そう易々とダークライを場に出すことはできなくなり、それによって相手をコントロールしやすくなります。しかし対プラズマでは、バトルポケモンが眠ったときに困ったことになるので、進化させてもそのまま置いておくだけにしています。
1 アブソル
対プラズマと、対カメケルと、対ゴチアギのためです。プラズマに対しては、相手のベンチがあっという間に埋まるので、ものすごく強いです。それに、2エネで攻撃できるので、相手のバトル場がゴチルゼルでもワザを使いやすいです。実を言えば、アブソルにするか3枚目のケルディオにするか悩んでいたのですが、相手のサイド枚数をコントロールしたかったので、アブソルを入れることにしました。
1 ヤミラミ
ヤミラミが1枚なのは、スペースのせいだけではなくて、もしヤミラミを2枚場に出してしまうと、サイド枚数の関係でダークライを3体使えなくなってしまうからです。実際この枚数で困ったことはなかったので、これで十分だと思います。
・サポーター
4アララギ 4N 2アクロマ 2フウロ 1トロピカルビーチ 1パソコン通信
実のところこれは、このデッキに入れられる最低限の枚数だと思います。実際に僕は、サポーターが引けずに2つのゲームを落としています。もう1枚アクロマを入れたかったのですが、またしてもスペースがありませんでした。それでも、アクロマはもう1枚必要だとは感じましたが、アララギとNがこれだけあればひとまず事足りました。
フウロに関して言えば、以前は3枚入れていましたが、使いたいカードがいっぱいあるときにフウロはあんまりたくさん手札に来てほしくありません。手札にフウロが1枚あるときには、それでビーチを持ってくれば、アララギを使うよりも良い場合があります。1ターン目から殴るデッキではなく、なおかつフウロが入っているなら、ビーチは入れていいと思います。それに、ビーチを入れておくと、タチワキシティジムを割るのにも役立ちます。相手が余計なタチワキを引いた場合、その相手はタチワキを捨てることが多いです。この環境ではどくさいみんがかなりたくさん使われていますが、タチワキを割ればダークライが一撃で落ちなくなります。
・エーススペック
1 パソコン通信
パソコン通信以外には、ダウジングマシン、スクランブルスイッチ、ゴールドポーション、いのちのしずくを考えていました。サポーターを削ったので、エーススペックはパソコン通信にしました。パソ通を含め、初手でサポーターになるカードは12枚入れています。それから、ダストダスを場に出したいときは、パソ通で必要なカードを引いてくることができます。
・グッズ
3 ハイパーボール
ダストダスを引いたり、ダークパッチ用の悪エネルギーを捨てるのに使います。捨てられるカードがそんなになかったので、4枚目は入れませんでした。
4 ポケモンキャッチャー
相手の場をコントロールする上で、4枚以外の枚数はありえません。
4 ダークパッチ
ダークライや他のアタッカーを素早く起動させるためには4枚必要です。
3 かるいし
かるいしはこのデッキのキーカードです。ダストダスが入っているからかるいしを入れているわけではありません。かるいしが入っているから、ダストダスを入れているんです。一体何を言ってるんだ、と思われるかもしれませんね。それについて説明したいと思います。
たいていのダークライにはエネルギーつけかえが入っています。しかし、もしも1体目のダークライが落とされたとき、ベンチに1エネつきのダークライしかいなかったら、ワザを撃つためには、エネルギーつけかえ+ダークパッチ+エネルギーが必要です。つけかえとかるいしの部分の枚数は動かせません。しかし、早い段階でかるいしを貼っておけば、攻撃がやりやすくなります。つまり、ダークライデッキでは、かるいしはエネルギーとして扱えるんです。これは、デッキ枚数を早く掘り進められるという点でも強力でした。
対ゴチルゼルのときは、かるいしをケルディオに貼ればエネを無駄にする必要がないので効果的です。たいていケルディオには悪エネをつけがちですが、そうするとしっかりロックされている状態ではダークライを準備するのが難しくなります。かるいしケルディオを作れていれば、ダークライやアブソルにエネを貼るのに集中できるんです。そんなときに思いついたのが、ダストダスを入れればカメックスに有利に戦えるという結論でした。これが、僕がダークライ/ダストダスを組んでいったときのやり方でした。
2 悪のツメ
主に対プラズマのためです。これがないと、キュレムや他のEXを倒すのは難しいと感じました。3枚目はスペースがありませんでした。
1 学習装置
これを貼るのはダークライかアブソルだけです。これを入れたのは、エネルギーがときどき足りなくなるからでした。ダークパッチでは足りないと思ったので、当初はアブソルを入れていませんでした。エネルギーが足りなくなるので、ダークライ3枚とアブソル1枚を動かすのは不可能です。なので以前は学習装置を1枚挿しつつ、ダークライ3枚とヤミラミ1枚で戦っていました。学習装置を入れればヤミラミの必要性は減りますし、アブソルが攻撃に行けるチャンスも大きくなります。2枚入れていないのはスペースがなかったからで、そのため貼り先のポケモンもほかには入っていません。
1 まんたんのくすり
相手が大きいダメージで殴ってきたら使います。
3どくさいみん光線 2タチワキシティジム
もともとはどくさいみん3タチワキ1でしたが、タチワキがないとどくさいみんでは有効なダメージを与えられませんでした。加えて、スタジアムの貼り替えもしやすくなります(たとえば、タチワキからビーチ、そしてビーチからタチワキ)。いつもながら、4枚入れるスペースはありませんでした。
・エネルギー
11 悪エネルギー
悪エネ10枚とエネルギー転送にすべきだと思う人もいるかもしれません。ですが、対ゴチルゼルのときはトレーナーカードよりもエネルギーがあった方が良いです。それにヤミラミはそこまで使わないので、転送は必要ないと思いました。
・その他のカード
改造ハンマー
1枚入れようと思いましたが、1枚ではプラズマを倒すには足りません。それにヤミラミが1枚しか入ってないので、ハンマーは入れなくていいと思いました。
すごいつりざお
このデッキのダストダスはある種のおまけに過ぎないので、3体目のダストダスを出すのは難しいだろうと思いました。それにヤミラミも1枚だけなので、このデッキにつりざおはいらないと思いました。
ツールスクラッパー
これは真面目に入れようかどうか考えていましたが、必要なときに引けないだろうと思い、入れませんでした。
■LCQ
〔※訳注:エントリの文字数が膨大になってしまうため、この部分は省略しました。ご了承ください〕
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309071915137368/に続きます〕
デッキ構築の際の考え方や対戦中の細かい動きなど、ためになる内容が満載です。色々な意味で貴重な記事だと思いますし、僕も本当に勉強になりました。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Top 8 Worlds Report with Darkrai-Garbodor
by Takuya Yoneda, tr. Majyo
Tuesday, August 27, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/9
■イントロダクション
こんにちは。僕の名前は米田卓弥で、日本に住んでいます。簡単に自己紹介をすると、ポケカは16年やっていて、チームアチャモのメンバーです。チームには大和さんもいて、一緒にカードをやっています。
2013年の世界大会では、LCQから参加して権利を取り、本大会でトップ8になりました。ここでは、自分の対戦レポートとデッキリスト、そしてなぜダークダストを選んだのかと、デッキ内のカードの説明をしたいと思います。
■デッキ選択のときの考え
世界大会に向けて準備を始めたのは、日本でBW8が発売されたときでした。その日に僕はゴチルゼルデッキを作り、そこから研究をしていました。僕の出した結論はこうでした。「ゴチルゼルがメタ内最強デッキなのは明らかで、今でもそうなっている」。このデッキは、どのデッキに対しても5割以上勝てると思いました。ケルディオEXを2枚入れたダークライでも厳しいだろうと感じました。しかも、僕たちのチームが作ったゴチルゼルデッキは、ケルディオ3積み構築のダークライにも勝ってしまうぐらい強かったんです。この時点で、カメックスでも対ゴチルゼルはノーチャンスだろうと確信しました。
けれども、ゴチルゼルがNationalsで優勝したとき、ミラーマッチがさらに増えるだろうと思いました。ミラーマッチはどうにもならないんです。僕がゴチルゼルを使わなかったのはそれが理由でした。僕はゴチルゼルデッキのレシピを探し回り、これなら自分のダークライ/ケルディオでどうにかなると思いました。とはいえ、僕はゴチルゼルに勝つのはかなり大変だと思っていましたが、下のレポートを読んでもらえればわかるとおり、僕はゴチルゼルには1度も当たらなかったんです。
ゴチルゼル以外にも、プラズマやカメックスといったトップメタデッキをいくつか考えていました。キュレム(BW8)はものすごく強くて、ゲームの最初から攻撃できてしまえば、だいたいそのまま勝ててしまいます。しかもゴチルゼルと比べるとゲームスピードがびっくりするぐらい違いました。
それから、カメックスも使われるだろうと思いました。一般的にはゴチルゼルに5割の確率で勝てると思われているからです。けれど、僕たちはせいぜい1~2割ぐらいしか勝てないと思っていたので、使う気はまったく起きませんでした。それからダークライに関していえば、ゴチルゼルが流行ればダークライも流行るだろうと予想していました。僕らの予想は正しくて、ダークライはたくさん見かけました。それでも、ダークライを使うとカメックスには相性がひどくなってしまいます。
2013年の5月には日本で大きな大会があったので、BW9入りのデッキを練習しなければいけなくなり、世界大会用の研究から一時的に離れる必要がありました。結果的に僕はその大会で優勝できず、権利を取ることができませんでした。
こんなこと言いたくないのですが、僕は日本の大会形式が好きではありません。日本の大会は、その日に一番運が良かった人間を決めるようなものだからです。海外の大会のやり方は本当に羨ましいと思います。
それで大会が全部終わったあと、僕はまた世界大会の準備に戻りました。ゴチルゼルが流行り始めていたので、デッキ選択はダークライ以外にはありえませんでした。僕は研究とテストプレイを始め、その結果、ダストダスを入れればカメックスにも対処できるという結論にたどり着きました。
デッキリスト:
4 ダークライEX
2 ケルディオEX
2 ヤブクロン(BW2)
2 ダストダス(BW5)
1 アブソル
1 ヤミラミ
4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 フウロ
3 ハイパーボール
4 ポケモンキャッチャー
4 ダークパッチ
3 どくさいみん光線
3 かるいし
2 悪のツメ
1 学習装置
1 まんたんのくすり
1 パソコン通信
2 タチワキシティジム
1 トロピカルビーチ
11 悪エネルギー
・ポケモンについて
4 ダークライEX
このデッキのメインアタッカーです。このデッキでは対戦中にダークライを3枚使うようになっています。ダークライはサイド落ちするかもしれませんし、ベンチに置くぶんが引けないという場合もあるでしょう。そのためダークライは4枚入れています。
2 ケルディオEX
ゴチルゼルと、どくさいみん光線に対するキーカードです。ゴチルゼルがいるなら、デッキにはタブンネかケルディオのどちらかは入れるべきだと思います。2枚ではゴチルゼルに対処するのに十分ではないと思っていたので、3枚入れたかったのですが、スペースがありませんでした。それと、かるいしをケルディオに貼るのも良い動きだということを付け加えておきます。
2 ヤブクロン(BW2) 2 ダストダス(BW5)
ダークライとカメックスに勝つために入れています。ヤブクロンも3枚入れたかったのですがスペースがありませんでした。なぜBW2のヤブクロンかというと、ゴミあつめでケルディオを戻せるからです。これは対ゴチルゼルでは効果的です。それに、たいていのダークライデッキはかるいしを入れていないので、そう易々とダークライを場に出すことはできなくなり、それによって相手をコントロールしやすくなります。しかし対プラズマでは、バトルポケモンが眠ったときに困ったことになるので、進化させてもそのまま置いておくだけにしています。
1 アブソル
対プラズマと、対カメケルと、対ゴチアギのためです。プラズマに対しては、相手のベンチがあっという間に埋まるので、ものすごく強いです。それに、2エネで攻撃できるので、相手のバトル場がゴチルゼルでもワザを使いやすいです。実を言えば、アブソルにするか3枚目のケルディオにするか悩んでいたのですが、相手のサイド枚数をコントロールしたかったので、アブソルを入れることにしました。
1 ヤミラミ
ヤミラミが1枚なのは、スペースのせいだけではなくて、もしヤミラミを2枚場に出してしまうと、サイド枚数の関係でダークライを3体使えなくなってしまうからです。実際この枚数で困ったことはなかったので、これで十分だと思います。
・サポーター
4アララギ 4N 2アクロマ 2フウロ 1トロピカルビーチ 1パソコン通信
実のところこれは、このデッキに入れられる最低限の枚数だと思います。実際に僕は、サポーターが引けずに2つのゲームを落としています。もう1枚アクロマを入れたかったのですが、またしてもスペースがありませんでした。それでも、アクロマはもう1枚必要だとは感じましたが、アララギとNがこれだけあればひとまず事足りました。
フウロに関して言えば、以前は3枚入れていましたが、使いたいカードがいっぱいあるときにフウロはあんまりたくさん手札に来てほしくありません。手札にフウロが1枚あるときには、それでビーチを持ってくれば、アララギを使うよりも良い場合があります。1ターン目から殴るデッキではなく、なおかつフウロが入っているなら、ビーチは入れていいと思います。それに、ビーチを入れておくと、タチワキシティジムを割るのにも役立ちます。相手が余計なタチワキを引いた場合、その相手はタチワキを捨てることが多いです。この環境ではどくさいみんがかなりたくさん使われていますが、タチワキを割ればダークライが一撃で落ちなくなります。
・エーススペック
1 パソコン通信
パソコン通信以外には、ダウジングマシン、スクランブルスイッチ、ゴールドポーション、いのちのしずくを考えていました。サポーターを削ったので、エーススペックはパソコン通信にしました。パソ通を含め、初手でサポーターになるカードは12枚入れています。それから、ダストダスを場に出したいときは、パソ通で必要なカードを引いてくることができます。
・グッズ
3 ハイパーボール
ダストダスを引いたり、ダークパッチ用の悪エネルギーを捨てるのに使います。捨てられるカードがそんなになかったので、4枚目は入れませんでした。
4 ポケモンキャッチャー
相手の場をコントロールする上で、4枚以外の枚数はありえません。
4 ダークパッチ
ダークライや他のアタッカーを素早く起動させるためには4枚必要です。
3 かるいし
かるいしはこのデッキのキーカードです。ダストダスが入っているからかるいしを入れているわけではありません。かるいしが入っているから、ダストダスを入れているんです。一体何を言ってるんだ、と思われるかもしれませんね。それについて説明したいと思います。
たいていのダークライにはエネルギーつけかえが入っています。しかし、もしも1体目のダークライが落とされたとき、ベンチに1エネつきのダークライしかいなかったら、ワザを撃つためには、エネルギーつけかえ+ダークパッチ+エネルギーが必要です。つけかえとかるいしの部分の枚数は動かせません。しかし、早い段階でかるいしを貼っておけば、攻撃がやりやすくなります。つまり、ダークライデッキでは、かるいしはエネルギーとして扱えるんです。これは、デッキ枚数を早く掘り進められるという点でも強力でした。
対ゴチルゼルのときは、かるいしをケルディオに貼ればエネを無駄にする必要がないので効果的です。たいていケルディオには悪エネをつけがちですが、そうするとしっかりロックされている状態ではダークライを準備するのが難しくなります。かるいしケルディオを作れていれば、ダークライやアブソルにエネを貼るのに集中できるんです。そんなときに思いついたのが、ダストダスを入れればカメックスに有利に戦えるという結論でした。これが、僕がダークライ/ダストダスを組んでいったときのやり方でした。
2 悪のツメ
主に対プラズマのためです。これがないと、キュレムや他のEXを倒すのは難しいと感じました。3枚目はスペースがありませんでした。
1 学習装置
これを貼るのはダークライかアブソルだけです。これを入れたのは、エネルギーがときどき足りなくなるからでした。ダークパッチでは足りないと思ったので、当初はアブソルを入れていませんでした。エネルギーが足りなくなるので、ダークライ3枚とアブソル1枚を動かすのは不可能です。なので以前は学習装置を1枚挿しつつ、ダークライ3枚とヤミラミ1枚で戦っていました。学習装置を入れればヤミラミの必要性は減りますし、アブソルが攻撃に行けるチャンスも大きくなります。2枚入れていないのはスペースがなかったからで、そのため貼り先のポケモンもほかには入っていません。
1 まんたんのくすり
相手が大きいダメージで殴ってきたら使います。
3どくさいみん光線 2タチワキシティジム
もともとはどくさいみん3タチワキ1でしたが、タチワキがないとどくさいみんでは有効なダメージを与えられませんでした。加えて、スタジアムの貼り替えもしやすくなります(たとえば、タチワキからビーチ、そしてビーチからタチワキ)。いつもながら、4枚入れるスペースはありませんでした。
・エネルギー
11 悪エネルギー
悪エネ10枚とエネルギー転送にすべきだと思う人もいるかもしれません。ですが、対ゴチルゼルのときはトレーナーカードよりもエネルギーがあった方が良いです。それにヤミラミはそこまで使わないので、転送は必要ないと思いました。
・その他のカード
改造ハンマー
1枚入れようと思いましたが、1枚ではプラズマを倒すには足りません。それにヤミラミが1枚しか入ってないので、ハンマーは入れなくていいと思いました。
すごいつりざお
このデッキのダストダスはある種のおまけに過ぎないので、3体目のダストダスを出すのは難しいだろうと思いました。それにヤミラミも1枚だけなので、このデッキにつりざおはいらないと思いました。
ツールスクラッパー
これは真面目に入れようかどうか考えていましたが、必要なときに引けないだろうと思い、入れませんでした。
■LCQ
〔※訳注:エントリの文字数が膨大になってしまうため、この部分は省略しました。ご了承ください〕
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309071915137368/に続きます〕
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309011145155586/からの続きです〕
■デッキリスト
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
4 ブースター(BW8)
1 リーフィア(BW8)
1 エーフィ(BW4)
4 タブンネ(BW6)
3 フワンテ(SZD)
2 フワライド(BW5)
2 ヤブクロン(BW5)
1 ダストダス(BW5)
1 バリヤード
1 テラキオン(BW2)
1 ランドロスEX
4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 ランダムレシーバー
1 パソコン通信
2 トロピカルビーチ
4 ハイパーボール
2 ポケモンキャッチャー
2 かるいし
3 改造ハンマー
1 すごいつりざお
4 ダブル無色エネルギー
4 闘エネルギー
■デッキ戦略
プレイ中の選択肢がそう多くないがゆえに、相手のデッキが何であっても相対的に同じような動きになるデッキがある。ブースターはそういうデッキのひとつだけれど、なおかつ相手のデッキしだいで、さまざまな選択肢を取ることができる〔※訳注:この二文は原文が不明確なので意訳しています。各自で補完してください〕。
このデッキをしっかり理解するのに一番いい方法は、カード一枚一枚を並べ、それぞれのマッチアップでどういうふうに使えるのかを見せてみることだ。
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
全部のマッチアップで進化する必要があるのだから、イーブイは4枚入れている。しんかのきざしのイーブイを選んだのは、1ターン目にワザを打つならばこいつがベストだと思ったからだ。こいつは次のターンに進化するためのポケモンか、捨てるためのポケモンを持ってこれる。ポケモンを捨てるのは重要だ。なぜならこのデッキには……
4 ブースター(BW8)
ブースターはこのデッキの心臓であり魂だ。このデッキが大量のポケモンを入れているのは、ブースターのふくしゅうを最大限利用するためなのだから。ゲーム終盤で16枚のポケモンがトラッシュに落ち、180ダメージを出せるときほど気持ちいい瞬間はないね。相手のEXを一撃で倒せる180というダメージは、現環境の魔法の数字だ。ブースターはこれすべてを1枚のダブル無色エネルギーでできて、しかもEXポケモンじゃない。そのおかげで、とんでもない巻き返しを図ることもできる。返しのターンで献上するのはサイド1枚だけなのに、こちらは1発で2枚のサイドを取れる。しかもうまくいけば相手の場からは複数枚のエネルギーがなくなる。相手がこちらの低HPのポケモンを倒してサイドをリードしたあとに、ブースターの攻撃とNを組み合わせて相手の動きを止めてやれば、けっこうな割合でゲームの形勢をこちらに引き寄せられる。ブースターを4枚入れているのは、もしも3だけならば、サイド落ちかトラッシュ送りを余儀なくされた場合に勝つのが難しくなってしまうからだ。メインアタッカー切れで負けるのは嫌だからね!
1 リーフィア(BW8)
こいつはただのカメックス対策だろうとみんな考えている。確かにそれは事実で、相手がたくさんエネルギーを貼ってくれれば、こちらはエネルギー1枚だけで相手のケルディオEXを倒すことができる。けれどそれだけではなくて、対プラズマでも、相手のトラッシュの特殊エネルギーが足りなくてフワライドで殴れないときや、自分のトラッシュにポケモンが足りなくてブースターが殴れないときには、序盤の強力なアタッカーになってくれる。リーフィアのエナジークラッシュは、相手ポケモンを1エネで倒しに行くのに役に立つ。しかもこいつは1進化だ。倒されれば、トラッシュには2枚のポケモンが落ちる。
1 エーフィ(BW4)
これは主にゴチアギ対策だ。たいようのけいじがあればバトルポケモンがマヒにならない。ゴチアギ側が単にキャッチャーでエーフィを倒すのは簡単だけれど、そうしてくれれば、貴重なタブンネを消費せずにブースターがもう1ターン攻撃できる。僕は、もしギギギアルを使わないならば、ゴチアギを倒せるのを使おうと決めていた。ついでにおまけとして、こいつはイーブイのしんかのきざしで呼べる3番目のポケモンになる。他のマッチアップでは、序盤に追加のポケモンとして捨てることができるわけだ。
4 タブンネ(BW6)
タブンネは主にせわやきで特殊状態を回復するのに使う。これが役に立つのは、ゴチアギがなぐってドロンでロックしにきたときと、どくさいみん光線で受けた特殊状態を回復するときだ。僕のデッキにはポケモンいれかえが入っていないので、せわやきは眠りで1ターン無駄にするのを防いでくれる。万が一タブンネでスタートしたとしても、ヒップアタックはうまくいけば相手を1ターン遅らせられるし、ブースターのためにトラッシュ送りにもなってくれる。
3 フワンテ(SZD) 2 フワライド(BW5)
このふたつは主に対プラズマのマッチアップで使う。たねが3枚なのは、フワンテがよくキャッチャーの対象になるからで、1進化が2枚なのはスペースが厳しいせいだ。フワンテが2枚だけだと、相手がこちらのフワンテを倒せたときには、フワライドを1体しか送り出せなくなってしまう。それに3枚あれば早いうちから複数のフワンテを引ける。プラズマは早いターンからプレッシャーをかけてくるので、これはとても重要だ。フワンテのたたくはゴチルゼルを倒しやすくするのにすごく便利だし、もしも対戦相手がアララギでダブル無色を切らざるを得ないようなことがあれば、フワライドをそのまま場に出せる。
フワライドはシャドースチールで攻撃するのに使う。相手のトラッシュにある特殊エネルギーの枚数×50ダメージ。プラズマに対して使いやすい。相手が全部特殊エネルギーなんてのもよくあることだからね! ただ、相手は特殊エネルギーを捨てたがらないだろうし、ボルトロスEXで場に戻すこともできる。相手に特殊エネルギーを捨てさせる一番いい方法は、2エネか3エネのついたキュレムなどを倒してしまうことだ。改造ハンマーと絡めてこれをやれば、フワライドは200以上のダメージを出せるようになるし、そうすれば相手の場からエネルギーを一気に吹き飛ばしてしまうことができる。それにNを絡めれば、一気にゲームを巻き返すことが可能だ。もしフワライドが倒されても、ブースターがゲームを終わらせてくれる。
2 ヤブクロン(BW5) 1 ダストダス(BW5)
この部分を見て変に思う人がいるのは知ってる。まず僕はHP70のヤブクロンを使っている。確かにHP60ヤブクロンのゴミあつめは便利なときもあるけれど、HPが10大きければ、生き延びるか、サイドを取られるかで違ってくる。特にキュレムとダークライがベンチに30ダメージを飛ばせるのだから。HPが10大きいと、ヤブクロンはフロストスピアとナイトスピアをもう1発ぶん耐えられるし、そうすると何もかもまったく違ってくる。
ヤブクロン、ダストダス、かるいしはもう少し入れたかったんだけど、単純にスペースが足りなかった。それでも、相手がとくせい依存のデッキだと、ヤブクロンがいれば対戦相手はブースター以外を倒さざるを得ない。もし相手がキャッチャーを撃たなければ、最終的にはダストダスに進化して、相手のデッキを完全に封じ込めてしまえるだろう。
たいていの試合では、ダストダスはずっと場に出ていたわけではなかった。それでもダストダスがいれば対戦相手はブースター以外を攻撃せざるを得ないし、そうすれば相手が出遅れて、ふくしゅうのためにトラッシュに16枚のポケモンを送り込むだけの時間を稼ぐことができる。そうしてブースターはサイドを2枚取ることができて、にもかかわらず倒されても1枚しか取られないから、ゲームを巻き返すことができる。
ヤブクロンが2枚入っていれば少なくとも1枚は引いてくることができるし、とくせい依存のデッキに対しては、1ターン目のハイパーボールで引き込むことができる。ダストダスを1枚しか入れないのは、だいたい10パーセントの確率でサイド落ちするからリスキーではある。それでもデッキには十分な数のサーチカードが入っているから、相手がヤブクロンを無視するなら、たいていは手遅れになる前に引いてくることができる。もしかすると、自分のとくせいも止めてしまうダストダスを使うことに違和感を覚える人もいるかもしれない。これに対するシンプルな回答としては、ダストダスは特定のマッチアップにしか使わないし、どくさいみんを撃ってくるプラズマに対しては、あんまり早くダストダスを置いてはいけない、ということだ。眠りを回復させられるのはタブンネしかいないからね。
1 バリヤード
バリヤードのとくせいは単純だけど、ベンチ攻撃をもつカードに対して輝きをみせる。ダークライのナイトスピアやキュレムのフロストスピアからの30ダメージを防ぐのは、大したことないように見えるかもしれない。けれど、バトルポケモンとベンチポケモンが同時に倒されるのを防ぐことで、1ターンを稼ぐことができる。バリヤードが防ぐダメージをさくっと計算してみよう。ダークライがナイトスピアを6回撃ったなら、バリヤードは180ダメージを防いでくれるんだ!
1 テラキオン(BW2)
テラキオンはきちんと理解されているとは言い難いカードだ。ダークライがどくさいみん光線を手にする以前ほどは強力じゃなくなったけれど、それでも現環境に居場所はあると僕は思っている。かたきうちは一度も使わなかったけれど、テラキオンがいなければ僕はスイスラウンドを抜けられなかったはずだ。僕は気が付いたのだけど、闘エネを貼ったテラキオンをベンチに置いておけば、相手はそれを考慮してプレイせざるを得ない。これは優秀なプレイヤーにとってみれば、どくさいみんやキャッチャーで何とかするのは難しいことではない。けれども、毎ターン何も考えずにナイトスピアを撃ち続けてサイドを取る代わりに、テラキオンをきちんと処理しようとすれば、余計な1ターンが掛かってしまう。これは、ポケモンをトラッシュに落とし、たねポケモンを探し、エネを場に貼ることのできる追加の1ターンだ。
ついでにこいつはブースターから相手の目を逸らすことのできる別の脅威でもある。もし相手がテラキオンを無視すれば、かたきうちはダークライに対して非常に強力な攻撃になる。またテラキオンは対プラズマの序盤でも強力で、イーブイやフワンテから相手のプレッシャーを逸らし、相手のキュレムを2発で落とす助けにもなる。
1 ランドロスEX
ブースターデッキにEXを入れることには、多くのプレイヤーが疑問を持つかもしれない。けれどもランドロスEXは1エネでワザを撃てるたねポケモンだから、中盤でダークライEXを2発で倒すためには最良の選択だ。1ターン目ハンマーヘッドはあんまりないけれど、それでもダークライ側にとっては潜在的な脅威だ。ふつうの非EXポケモンがたいてい1回攻撃して1枚サイドを引かれるのに比べ、対ダークライでのランドロスEXは、2回攻撃して2枚のサイドを引かれる。これが意味するのは、ランドロスEXは、非EXと同じことをするにしても、消費するリソースが少ないということだ。それはまた、ベンチポケモンにエネルギーを貼るための1ターンを稼げるということでもある。エネのついたバトルポケモンがコンスタントに倒され続けていては手に入らないような余裕の部分だ。
ランドロスEXは対ゴチアギにも必要なカードだ。ハンマーヘッドは、2ターン目ブースターを除けば、早い段階で相手にプレッシャーを掛けられるもうひとつの手段だ。相手がダブル無色を捨てない場合に、ランドロスEXがなければ、相手は簡単にイーブイ4体を倒してこちらを息切れにし、勝ててしまうだろう。ただテラキオンは1エネ攻撃がないので、ベンチに置いておくのはリスクが高すぎる。ゴチルゼルがバトル場にいて相手にキャッチャーがあった場合、バトル場に立ち往生させられてしまうからだ。ランドロスEXがいれば、このマッチアップでアタッカーを切らさずにいることができる。
4 アララギ博士
わけなく入るカードだ。ブースターのためにカードを捨てられるし、この環境で一番強いドローソースだからね。
4 N
これもわけなく入るカードだ。序盤では一番強いシャッフルドローだし、終盤ではゲームを巻き返すのに使える。
2 アクロマ
アクロマも強力なドローソースだけれど、序盤ではとても弱い。しかも、ブースターデッキは終盤ではあまりベンチが並ばない傾向があるので、終盤のアクロマは平均的なドローソースに過ぎない。それでも、中盤のアクロマでアララギと大量のポケモンを引き込めれば、最終的に勝ちに繋がる。アクロマを1枚抜いて序盤用にランダムレシーバーを追加することも考えたけれど、結局は対ゴチアギで使えるサポがほしかったのと、中盤のアクロマ大量ドローは強いし、それに予期せぬゲーチスを浴びて手札からランレシを持って行かれて、手札が駄目になるのは避けたかった。
2 ランダムレシーバー
ランダムレシーバーを使うことにしたのは、デッキを安定させるドローソースがもっとほしかったからだ。ベルやフウロはそこまで強いドローソースじゃない。ブースターがちゃんと機能するには大量のカードが必要だし、16枚のポケモンを引き込むにはデッキのほとんどを掘り進む必要がある。ランダムレシーバーは、ゲーム中いつでも、強いサポーターを引き当てる助けになってくれる。
1 パソコン通信
このデッキに入れるエーススペックは明らかにこのカードだ。もしダウジングマシンを入れていれば、追加のキャッチャーで勝てているはずのときもたまにはある。それでも、エネルギーやポケモンを引ける序盤のパソコン通信はすごく強い。ブースターを使っている場合、引けないカードがあまりに多すぎるとゲームに負けてしまう。パソコン通信は、引けなかったカードを持ってきて、大きな動きを決めるのに役に立つ。アグレッシブにカードを引いたり捨てたりするデッキにとって、ダウジングマシンは後ろ向きすぎるカードだ。
2 トロピカルビーチ
このデッキのトロピカルビーチは明らかに疑問の出るチョイスだろう。しかもフウロがないのだから。これに代わる選択肢は、さらにランレシを入れることだ。けれども、このデッキの1ターン目はハンマーヘッドかしんかのきざしぐらいしかすることがないのだから、ビーチがあれば序盤に爆発的な動きができるようになる。また、序盤にNやアララギでひどい手札を引いてしまうのを防ぐこともできる。それに、タチワキシティジムへのカウンターになることで、序盤にタチワキ毒催眠対策のタブンネを引き込む必要性も少なくなる。デメリットとしては、相手にNを撃たれたときに、アララギが必要な場面でビーチを引き込んでしまうことだ。でもそんな可能性に比べたら、メリットの方がはるかに大きい。
4 ハイパーボール
ブースターが動くのに必須のカードだ。デッキの動きを安定させるのと同時に、ふくしゅうのダメージを上げるためにも使える。
2 ポケモンキャッチャー
この環境でも最も影響力のあるカードを2枚しか使わないというのは、変に見えるかもしれない。けれども、だいたいの場合、一番倒したいポケモンはこっちを攻撃しているポケモンだ。というのも、ブースターデッキは、サイドレースではなく場で勝負しているのだから。サイドが2枚残っている終盤なんかには、エネつきのポケモンかポケモンEXを引っ張る必要が出てくるかもしれない。それでも、序盤のアララギでよほど不運な捨て方さえなければ、2枚のキャッチャーで十分だ。
2 かるいし
かるいし2枚というのも、ダストダスが入っていたり、エネが少なかったり、逃げるコストの多いデッキにとっては、少なく見えるかもしれない。単に3枚目のスペースが無かっただけなのだけれど、ダストダスを動かしたり、バトルポケモンを逃がしたりするなら、2枚とパソ通で事足りる。ベンチの置き方や、かるいしの貼り方に気をつけていれば、2枚でもうまくやっていくことは可能だ。
3 改造ハンマー
キャッチャーみたいなカードは2枚しか入れてないのに、ひとつのマッチアップのためだけにこれほどの改造ハンマーを入れるのはオーバーキルに見えるかもしれない。それでも、対プラズマのマッチアップはフワライドと改造ハンマーがなければ非常に困難なものになる。プラズマを倒す上で3枚目のハンマーは必須ではないにしても、プラズマは一番多く使われるデッキだと予想していたし、ハンマーがあればマッチアップ相性を劇的に改善できる。
1 すごいつりざお
これだけがんばってトラッシュにポケモンを送り込んだのに、ポケモンを山札に戻してしまうこのカードを入れるのは違和感があるかもしれない。それでも、1ターン目に運悪くアララギでブースターを2枚捨てざるを得ないときもあるし、イーブイがサイド落ちすることもある。すごいつりざおは、そういった状況のときの逃げ道になってくる。また、つりざおがあれば闘エネルギーをもう少し気楽に捨てられるようになるし、不運なトラッシュ送りや、ひどいサイド落ちや、相手の改造ハンマーでエネ切れになるのを防いでもくれる。
4 ダブル無色エネルギー
ブースターがエネルギー1枚で攻撃できるようになる。これがなければ、ブースターは環境内のもっと速いデッキについていけないだろう。4枚は必須だ。
4 闘エネルギー
基本エネは、つりざおで戻せるのと改造ハンマーで剥がされないという理由で入れている。もう1、2枚基本エネが入れられればよかったけれど、スペースはいつだって問題だ。
■世界大会レポート
このデッキをテストしてみると、ダークライ/アブソルと、スクラッパー入りのとくせい依存デッキが唯一面倒な相手だった。けれど、どちらも戦えないマッチアップじゃない。ギギギアルだったなら相性の悪いマッチアップが多すぎて、相性の良いマッチアップとミラーマッチにはすべて勝たなければならない。とんでもないプレッシャーだ! ツールスクラッパーはそこまで多くは使われないと思ったし、決勝トーナメントでダークライは僕と当たる前にカメックスかギギギアルを踏むだろうと思ったから、僕はマッチアップさえ良ければかなりいいところまで行けるのではと思っていた。
〔※訳注:原文には全対戦ぶんのレポートがありますが、さすがに全部訳すと長すぎるので、今回は目を引いた対戦だけを訳すことにしました。ご了承ください〕
予選4回戦:James Good (US)-カメックス
彼は僕のイーブイを見て驚いているようだった。ということは、僕のデッキについてはまだ噂を聞いていないらしい。ブースターデッキは、リーフィアとダストダスのおかげでカメケルには強い。だからこのまま連勝を続けられたらいいなと思った〔※訳注:本人はここまで3-0〕。不幸にも僕は後攻で、2ターン目にカメックスが出てきてケルディオに3枚水エネルギーが付き、僕のヤブクロンにキャッチャーが飛んでくるのを眺めているはめになった。僕はポケモンをトラッシュに送るのに苦労していて、しかも次のターンにも同じようにキャッチャーがヤブクロンに飛んできた。
運良く僕はすごいつりざおを撃てたから、ヤブクロン2枚を山札に戻して片方を場に出すことができた。すでに対戦相手は場に5枚のエネルギーを出していたから、リーフィアでケルディオを一撃で倒すことは可能だったわけだ。けれど、リーフィアはサイド落ちだった! 1枚挿しのリスクだね。
僕はブースターでケルディオをこつこつ殴ることにした。すると相手は続けざまに3枚目のキャッチャーを僕のヤブクロンに使ってきた。僕はもう1枚のヤブクロンを場に出し、またブースターでケルディオを殴った。ポケモンをトラッシュ送りにできるアララギをぜんぜん引かずに、代わりに序盤にNを全部引いてしまったせいで、僕はケルディオを3発かけて倒さなければならなかった。対戦相手からはもうキャッチャーは飛んでこず、相手はブースターを倒してサイドが残り2枚になった。
僕はようやくブースターでケルディオを倒してサイドを2枚取った。相手は水エネ3枚をカメックスに貼り、もう3枚を新しいケルディオに貼った。相手は僕のブースターを倒して残りのサイドが1枚になった。運良く、僕はリーフィアをサイドから引いていた!
僕はダストダスに進化させ、アララギでかるいしを引き込み、そしてケルディオを倒して残りサイドを2枚にした。相手はゼニガメを前に出してビーチを使った。僕にはもうNが残っていなかったから、僕はゼニガメを倒してお互いのサイドが1枚になった。そのとき相手はスーパーエネルギー回収を使い、そしてフウロからスクラッパーを持ってきた! 相手は僕のリーフィアを倒して、この際どいゲームに勝利した。
僕は相手がスクラッパーを入れているとは予想していなかったけれど、たとえ予想できていたとしても、ゲーム内容をどうにかすることはできなかっただろう。この対戦相手が残りの大会のあいだとてもよくやってくれてうれしく思う。〔※訳注:このときの対戦相手は最終的にベスト4〕
予選8回戦:Takeshi Tosa (JP)-ダークライEX/アブソル
かるいしを見かけたので、相手が使っているのはダークライ/ダストダスの可能性もあった。けれど結局、ダストダスもヤブクロンも見なかった。
この時点での僕は、決勝トーナメントに残るには勝たなければならない状況だった。なのに、僕は後攻で、しかもタブンネスタートだった。僕の対戦相手は日本語版のSRダークライを表向きにした。これはきつい戦いになりそうだった! 相手はダークパッチを使って場に2枚のエネルギーを出してターンを返してきた。相手は2ターン目にナイトスピアを撃てるだろう。
僕の手札には、ハイパーボールと闘エネルギーとNがあった。僕はテラキオンをサーチしてきて、2ターン目にサイドを引かれるのを防ぎ、なおかつ相手に強力なプレッシャーを与えることにした。もし僕のタブンネにナイトスピアを使ってくれれば、僕はかたきうちを次のターンに使えるというわけだ。
相手は2ターン目にして場に合計5枚のエネルギーを置いていた! それでも相手は、どくさいみん光線を撃ちながら、テラキオンのかたきうちを避けるために、ベンチに準備万端のダークライを置いたままアブソルのマインドジャックで40ダメージを与えてきた。僕はたねポケモンを引き込みつつ、ヒップアタックでダメージを与えた。それにベンチダメージを防ぐためのバリヤードも出した。僕の対戦相手は、タチワキシティジムとどくさいみん光線に加え、トロピカルビーチと学習装置入りというユニークなデッキを使っていた。ただ、このゲームに関してはあまり大きな影響はなかった。
相手はキャッチャーを2回撃ち、こちらのテラキオンを倒した。そのあとでタブンネを倒してきた。それで僕は、ランドロスEXでハンマーヘッドを撃つことにした。相手はランドロスEXにナイトスピアを撃ってきた。僕はそれをかるいしで逃がし、彼がベンチに逃がしていた手負いのダークライにキャッチャーを使い、ブースターで倒してサイドを2枚引いた。相手はポケモンキャッチャーを使ってランドロスを倒し、残りサイドが2枚になった。僕はさらにもう少しポケモンを捨てることができ、ブースターでダークライを倒して残りサイドを2枚にした。
僕の場には2体のブースターがいて、どちらにもダブル無色が付き、バリヤードもいた。相手はまだ改造ハンマーを使ってきておらず、エネがついているのはアブソルだけだった。僕はポケモンキャッチャーとタブンネを使い切っていた。
ここで相手はヤミラミとどくさいみんでこちらを眠らせにきた。彼の狙いとしては、ターンが返ってくれば毒でブースターを倒してサイドを引くことができ、そうすればこちらは最後のブースターを前に出さざるを得ないから、それを加速したダークライで倒してサイドを引ききる、というものだ。僕はそれまで4回か5回ぐらい連続で眠り判定のダイスで裏を出していた。僕はアララギで山札を引ききり、すごいつりざおで3枚のタブンネを戻した。アララギを撃った直後にはトラッシュに19枚のポケモンがあったから、3枚戻してもふくしゅうは180ダメージを出せた。このおかげで、僕は次のターンに、この際どいゲームに勝つことができた!
ベスト16:Jason Klaczynski (US)-ダークライEX
この試合はステージ上で行われ、ストリーミング中継もされたから、どんな試合だったのかをもう知っている人もいると思う〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=Y3irFRlfhqIで見ることができます〕。対戦相手はアブソルを使っていなかったので、ほぼ互角の試合になればいいなと思っていた。試合のゆくえは、ゲームを通じて良いドローをして、16枚のポケモンをトラッシュに落とせるか否かにかかっている。それでもこれは一番難しいマッチアップだし、どれも際どいゲームになるだろうと思っていた。
ゲーム1:
後攻でタブンネスタートだったと思う。僕は相手にテラキオンを処理させることで、場を整える時間を稼ぐことができた。不運にもランドロスはサイド落ちしていたけど、代わりにリーフィアでダークライにダメージを当てた。序盤、手札が1枚しかない状態で、Jasonがジャンクハントでダークパッチとどくさいみん光線を拾うというターンがあった。僕の手札にはNとアララギ2枚とエーフィがあった。僕は試合を通じてポケモンを捨てるのに全力を注がないといけないから、アララギを使った。もし相手にサポーターがなければ、僕はポケモンを捨ててエネを貼れるだけの数ターンをもらえただろう。残念ながら相手はアララギを使ってきて、だからあれは暴発プレイになってしまった。でもこれは、不完全な情報のせいで正解手が存在しないようなケースのひとつだろう。
別のタイミングで、僕はアララギを撃ってブースターを捨てざるを得なくなって、しかも4枚目のブースターはサイド落ちだった。それからJasonはキャッチャーでバリヤードを狙ってきた。僕の場には40ダメージの乗ったタブンネがいたから、後々ナイトスピアでサイド2枚取りできるターンを作れるようになったわけだ。
僕の手札にはすごいつりざおがあり、闘エネとバリヤードを山札に戻す必要があった。けれど、そのときまた別の大きな分岐点があった。ブースターともう1枚の闘エネ、どっちを戻すべきなんだろうか?
多くの人は、JasonがNを撃つ前にこちらはハイパーボールでブースターを引いてこれるのだから、ブースターを山札に戻すべきだったと感じているだろう。けれど、もしそうしてしまうと180ダメージには1枚ぶんのポケモンが足りなくなり、相手のNで最後のタブンネを引き込む必要が出てくる。しかも、もしJasonが僕のバトル場のブースターではなくキャッチャーでベンチのたねポケモンを倒してきた場合、180ダメージには2枚ぶん足りなくなって勝ち目がなくなってしまう。もしも序盤にアララギを使っていなければゲームは全然違ったものになっていただろう。けれど、後半になってアララギでブースターを捨てる必要性が出てくるなんて思いもよらなかった。
それでも、JasonのNでブースターを引ければまだ勝つ可能性があった。けれど引けずに、僕はこの際どいゲームに負けてしまった。それでも僕は自分のプレイに満足しているし、あの時点では正しいプレイをしたと思う。
ゲーム2:
僕が先攻で、テラキオン、ランドロスEX、バリヤード、イーブイを場に出すことができた。Jasonは、2ターン目にこちらの闘エネつきランドロスめがけてナイトスピアを撃ってきた。その次のターン、僕はNを使った。それでベンチのテラキオン用の闘エネを引けていれば形勢は良くなっただろうけど、引けなかった。その代わりに、単にハンマーヘッドを撃った。
Jasonのターンになったとき、スタッフがテーブルにやって来て、Jasonは1枚多くエネルギーを貼っていたと告げた。僕らが見逃していたのか、彼らがゲームをちゃんと見ていなかったのか、誰にもわからなかった。それでも僕が自分のトラッシュを見てみると、僕は先攻で、毎ターンサポーターを使っていた(全部Nだ)。Jasonは3ターン目を始めたばかりで、エネをまだ貼っていない。そしてトラッシュにダークパッチがないにも関わらず、彼は2ターン目にナイトスピアを撃っている。残念ながらJasonはゲームロスになった。
このときのJasonはかなり形勢が良さそうだったけれど、もし彼が2ターン目のルール違反なナイトスピアを撃てなかったなら、たぶん僕はベンチのテラキオンにエネルギーを貼ることができて、形勢が良くなっただろう。僕は良い戦いができたんだろうけど、それでも自信があるわけじゃない。あのときの僕は、もう何時間も続けてポケカをやっていたし、自分のターンの動きのことを考えていて何も気づかなかった。Jasonのプレイは遅くて僕は自分のターンの動きを考えていたわけで、てきぱきとプレイできていればミスはなかったんじゃないかと思う。JasonはLCQに加えてすでに1日じゅうポケカをやっていたから、ミスはしやすい状態にあった。ジャッジはこれを察して、早めのプレイするように言ってもよかったと思う。来年には改善されると思っているし、ポケモンは正しい方向へゲームを改良していくと信じているよ!
ゲーム3:
後攻で、またしてもタブンネスタートだった。ダークライとやるとこんなのばっかりだよ! 僕の出だしは、ランドロスEX、テラキオン、バリヤードを並べるという強力なものだった。Jasonがサイドを1枚引くまでには、ハンマーヘッドを1度使い、9枚のカードをトラッシュに送り込むことさえできた。けれども、サポーターを使って6枚か7枚引いたあと、僕は、サポーターも、ランレシも、ビーチもないハンドを引いてしまった。ランドロスが倒されれば、それがトラッシュ10枚目のポケモンになるから、ダブル無色つきブースターは120ダメージを出せるはずだった。そうすればハンマーヘッドで60の乗ったダークライを倒して、しかもベンチに闘エネつきテラキオンやイーブイを並べて、優勢を築けるはずだったのだけれど。悲しいことに、僕は残りのゲームのあいだ、ただドローゴーを繰り返すだけだった。
■結論
今になってみれば、僕はブースターデッキを選んでよかったと思う。ゴチアギは予想よりもちょっとだけ少なかったから、もしかしたらエーフィじゃなくて別のポケモンを入れてもよかったかもしれない。それでも全体的に見て、僕は自分の使った60枚に満足している。もしギギギアルを使っていたらどうなっていただろうかといつも思うけれど、その場合は、初日を0-1でスタートして決勝に残れなかっただろうことはわかる。
ベスト16でのゲームはどちらも見た目よりずっと際どいものだったし、もう少し引きが良ければ勝てていた。僕が負けた3人の相手が、1位2位3位になったことを僕はうれしく思う。みんな対戦していて楽しかったし、それぞれ結果を残せて僕もうれしい。ブースターは使っていてとても面白かったから、後悔は何もないよ!
新環境でブースターを使おうと多くのプレイヤーがわくわくしているのを僕は知っている。新しい環境での経験があまりない僕はそんなに多くを語りたくないけれど、次のローテーションでブースターが失うものは何もないみたいだ。それでもメタゲームは動いていくものだし、ブースターにとって相性のいいマッチアップがまだあるか、見守る必要がある。
デッキに入りそうなカードとして、ブースターはBW9から新しいフワライドを手に入れた。それにゴチアギをメタる必要はもうない。ただし、ブースターはプラズマ団のポケモンだから、もしも銀色の鏡が広く使われるなら、ツールスクラッパーを入れるスペースは作らないといけないだろうね。ブースターが戦えるデッキであり続けられるかどうかは、時間が経ってみないとわからない。
世界大会で、昔の友達や新しい友達に会うのは楽しかった。一緒にプレイテストしてくれたみんなと、僕にブースターで突っ走るようように言ってくれたみんなに感謝したいと思う。次回の世界大会では、ずっとほしかった結果を残せるよう願っているよ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。かなり長めの記事でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
デッキコンセプトが通常のデッキとは違う方向を向いていて、読んでいてとても楽しい記事でした。レポートを全部訳しきらなかったのは申し訳なく思います。
時間があれば、次回も60cards.netからもうひとつくらい訳してみたいのですが……果たしてどうなることやら。
■デッキリスト
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
4 ブースター(BW8)
1 リーフィア(BW8)
1 エーフィ(BW4)
4 タブンネ(BW6)
3 フワンテ(SZD)
2 フワライド(BW5)
2 ヤブクロン(BW5)
1 ダストダス(BW5)
1 バリヤード
1 テラキオン(BW2)
1 ランドロスEX
4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 ランダムレシーバー
1 パソコン通信
2 トロピカルビーチ
4 ハイパーボール
2 ポケモンキャッチャー
2 かるいし
3 改造ハンマー
1 すごいつりざお
4 ダブル無色エネルギー
4 闘エネルギー
■デッキ戦略
プレイ中の選択肢がそう多くないがゆえに、相手のデッキが何であっても相対的に同じような動きになるデッキがある。ブースターはそういうデッキのひとつだけれど、なおかつ相手のデッキしだいで、さまざまな選択肢を取ることができる〔※訳注:この二文は原文が不明確なので意訳しています。各自で補完してください〕。
このデッキをしっかり理解するのに一番いい方法は、カード一枚一枚を並べ、それぞれのマッチアップでどういうふうに使えるのかを見せてみることだ。
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
全部のマッチアップで進化する必要があるのだから、イーブイは4枚入れている。しんかのきざしのイーブイを選んだのは、1ターン目にワザを打つならばこいつがベストだと思ったからだ。こいつは次のターンに進化するためのポケモンか、捨てるためのポケモンを持ってこれる。ポケモンを捨てるのは重要だ。なぜならこのデッキには……
4 ブースター(BW8)
ブースターはこのデッキの心臓であり魂だ。このデッキが大量のポケモンを入れているのは、ブースターのふくしゅうを最大限利用するためなのだから。ゲーム終盤で16枚のポケモンがトラッシュに落ち、180ダメージを出せるときほど気持ちいい瞬間はないね。相手のEXを一撃で倒せる180というダメージは、現環境の魔法の数字だ。ブースターはこれすべてを1枚のダブル無色エネルギーでできて、しかもEXポケモンじゃない。そのおかげで、とんでもない巻き返しを図ることもできる。返しのターンで献上するのはサイド1枚だけなのに、こちらは1発で2枚のサイドを取れる。しかもうまくいけば相手の場からは複数枚のエネルギーがなくなる。相手がこちらの低HPのポケモンを倒してサイドをリードしたあとに、ブースターの攻撃とNを組み合わせて相手の動きを止めてやれば、けっこうな割合でゲームの形勢をこちらに引き寄せられる。ブースターを4枚入れているのは、もしも3だけならば、サイド落ちかトラッシュ送りを余儀なくされた場合に勝つのが難しくなってしまうからだ。メインアタッカー切れで負けるのは嫌だからね!
1 リーフィア(BW8)
こいつはただのカメックス対策だろうとみんな考えている。確かにそれは事実で、相手がたくさんエネルギーを貼ってくれれば、こちらはエネルギー1枚だけで相手のケルディオEXを倒すことができる。けれどそれだけではなくて、対プラズマでも、相手のトラッシュの特殊エネルギーが足りなくてフワライドで殴れないときや、自分のトラッシュにポケモンが足りなくてブースターが殴れないときには、序盤の強力なアタッカーになってくれる。リーフィアのエナジークラッシュは、相手ポケモンを1エネで倒しに行くのに役に立つ。しかもこいつは1進化だ。倒されれば、トラッシュには2枚のポケモンが落ちる。
1 エーフィ(BW4)
これは主にゴチアギ対策だ。たいようのけいじがあればバトルポケモンがマヒにならない。ゴチアギ側が単にキャッチャーでエーフィを倒すのは簡単だけれど、そうしてくれれば、貴重なタブンネを消費せずにブースターがもう1ターン攻撃できる。僕は、もしギギギアルを使わないならば、ゴチアギを倒せるのを使おうと決めていた。ついでにおまけとして、こいつはイーブイのしんかのきざしで呼べる3番目のポケモンになる。他のマッチアップでは、序盤に追加のポケモンとして捨てることができるわけだ。
4 タブンネ(BW6)
タブンネは主にせわやきで特殊状態を回復するのに使う。これが役に立つのは、ゴチアギがなぐってドロンでロックしにきたときと、どくさいみん光線で受けた特殊状態を回復するときだ。僕のデッキにはポケモンいれかえが入っていないので、せわやきは眠りで1ターン無駄にするのを防いでくれる。万が一タブンネでスタートしたとしても、ヒップアタックはうまくいけば相手を1ターン遅らせられるし、ブースターのためにトラッシュ送りにもなってくれる。
3 フワンテ(SZD) 2 フワライド(BW5)
このふたつは主に対プラズマのマッチアップで使う。たねが3枚なのは、フワンテがよくキャッチャーの対象になるからで、1進化が2枚なのはスペースが厳しいせいだ。フワンテが2枚だけだと、相手がこちらのフワンテを倒せたときには、フワライドを1体しか送り出せなくなってしまう。それに3枚あれば早いうちから複数のフワンテを引ける。プラズマは早いターンからプレッシャーをかけてくるので、これはとても重要だ。フワンテのたたくはゴチルゼルを倒しやすくするのにすごく便利だし、もしも対戦相手がアララギでダブル無色を切らざるを得ないようなことがあれば、フワライドをそのまま場に出せる。
フワライドはシャドースチールで攻撃するのに使う。相手のトラッシュにある特殊エネルギーの枚数×50ダメージ。プラズマに対して使いやすい。相手が全部特殊エネルギーなんてのもよくあることだからね! ただ、相手は特殊エネルギーを捨てたがらないだろうし、ボルトロスEXで場に戻すこともできる。相手に特殊エネルギーを捨てさせる一番いい方法は、2エネか3エネのついたキュレムなどを倒してしまうことだ。改造ハンマーと絡めてこれをやれば、フワライドは200以上のダメージを出せるようになるし、そうすれば相手の場からエネルギーを一気に吹き飛ばしてしまうことができる。それにNを絡めれば、一気にゲームを巻き返すことが可能だ。もしフワライドが倒されても、ブースターがゲームを終わらせてくれる。
2 ヤブクロン(BW5) 1 ダストダス(BW5)
この部分を見て変に思う人がいるのは知ってる。まず僕はHP70のヤブクロンを使っている。確かにHP60ヤブクロンのゴミあつめは便利なときもあるけれど、HPが10大きければ、生き延びるか、サイドを取られるかで違ってくる。特にキュレムとダークライがベンチに30ダメージを飛ばせるのだから。HPが10大きいと、ヤブクロンはフロストスピアとナイトスピアをもう1発ぶん耐えられるし、そうすると何もかもまったく違ってくる。
ヤブクロン、ダストダス、かるいしはもう少し入れたかったんだけど、単純にスペースが足りなかった。それでも、相手がとくせい依存のデッキだと、ヤブクロンがいれば対戦相手はブースター以外を倒さざるを得ない。もし相手がキャッチャーを撃たなければ、最終的にはダストダスに進化して、相手のデッキを完全に封じ込めてしまえるだろう。
たいていの試合では、ダストダスはずっと場に出ていたわけではなかった。それでもダストダスがいれば対戦相手はブースター以外を攻撃せざるを得ないし、そうすれば相手が出遅れて、ふくしゅうのためにトラッシュに16枚のポケモンを送り込むだけの時間を稼ぐことができる。そうしてブースターはサイドを2枚取ることができて、にもかかわらず倒されても1枚しか取られないから、ゲームを巻き返すことができる。
ヤブクロンが2枚入っていれば少なくとも1枚は引いてくることができるし、とくせい依存のデッキに対しては、1ターン目のハイパーボールで引き込むことができる。ダストダスを1枚しか入れないのは、だいたい10パーセントの確率でサイド落ちするからリスキーではある。それでもデッキには十分な数のサーチカードが入っているから、相手がヤブクロンを無視するなら、たいていは手遅れになる前に引いてくることができる。もしかすると、自分のとくせいも止めてしまうダストダスを使うことに違和感を覚える人もいるかもしれない。これに対するシンプルな回答としては、ダストダスは特定のマッチアップにしか使わないし、どくさいみんを撃ってくるプラズマに対しては、あんまり早くダストダスを置いてはいけない、ということだ。眠りを回復させられるのはタブンネしかいないからね。
1 バリヤード
バリヤードのとくせいは単純だけど、ベンチ攻撃をもつカードに対して輝きをみせる。ダークライのナイトスピアやキュレムのフロストスピアからの30ダメージを防ぐのは、大したことないように見えるかもしれない。けれど、バトルポケモンとベンチポケモンが同時に倒されるのを防ぐことで、1ターンを稼ぐことができる。バリヤードが防ぐダメージをさくっと計算してみよう。ダークライがナイトスピアを6回撃ったなら、バリヤードは180ダメージを防いでくれるんだ!
1 テラキオン(BW2)
テラキオンはきちんと理解されているとは言い難いカードだ。ダークライがどくさいみん光線を手にする以前ほどは強力じゃなくなったけれど、それでも現環境に居場所はあると僕は思っている。かたきうちは一度も使わなかったけれど、テラキオンがいなければ僕はスイスラウンドを抜けられなかったはずだ。僕は気が付いたのだけど、闘エネを貼ったテラキオンをベンチに置いておけば、相手はそれを考慮してプレイせざるを得ない。これは優秀なプレイヤーにとってみれば、どくさいみんやキャッチャーで何とかするのは難しいことではない。けれども、毎ターン何も考えずにナイトスピアを撃ち続けてサイドを取る代わりに、テラキオンをきちんと処理しようとすれば、余計な1ターンが掛かってしまう。これは、ポケモンをトラッシュに落とし、たねポケモンを探し、エネを場に貼ることのできる追加の1ターンだ。
ついでにこいつはブースターから相手の目を逸らすことのできる別の脅威でもある。もし相手がテラキオンを無視すれば、かたきうちはダークライに対して非常に強力な攻撃になる。またテラキオンは対プラズマの序盤でも強力で、イーブイやフワンテから相手のプレッシャーを逸らし、相手のキュレムを2発で落とす助けにもなる。
1 ランドロスEX
ブースターデッキにEXを入れることには、多くのプレイヤーが疑問を持つかもしれない。けれどもランドロスEXは1エネでワザを撃てるたねポケモンだから、中盤でダークライEXを2発で倒すためには最良の選択だ。1ターン目ハンマーヘッドはあんまりないけれど、それでもダークライ側にとっては潜在的な脅威だ。ふつうの非EXポケモンがたいてい1回攻撃して1枚サイドを引かれるのに比べ、対ダークライでのランドロスEXは、2回攻撃して2枚のサイドを引かれる。これが意味するのは、ランドロスEXは、非EXと同じことをするにしても、消費するリソースが少ないということだ。それはまた、ベンチポケモンにエネルギーを貼るための1ターンを稼げるということでもある。エネのついたバトルポケモンがコンスタントに倒され続けていては手に入らないような余裕の部分だ。
ランドロスEXは対ゴチアギにも必要なカードだ。ハンマーヘッドは、2ターン目ブースターを除けば、早い段階で相手にプレッシャーを掛けられるもうひとつの手段だ。相手がダブル無色を捨てない場合に、ランドロスEXがなければ、相手は簡単にイーブイ4体を倒してこちらを息切れにし、勝ててしまうだろう。ただテラキオンは1エネ攻撃がないので、ベンチに置いておくのはリスクが高すぎる。ゴチルゼルがバトル場にいて相手にキャッチャーがあった場合、バトル場に立ち往生させられてしまうからだ。ランドロスEXがいれば、このマッチアップでアタッカーを切らさずにいることができる。
4 アララギ博士
わけなく入るカードだ。ブースターのためにカードを捨てられるし、この環境で一番強いドローソースだからね。
4 N
これもわけなく入るカードだ。序盤では一番強いシャッフルドローだし、終盤ではゲームを巻き返すのに使える。
2 アクロマ
アクロマも強力なドローソースだけれど、序盤ではとても弱い。しかも、ブースターデッキは終盤ではあまりベンチが並ばない傾向があるので、終盤のアクロマは平均的なドローソースに過ぎない。それでも、中盤のアクロマでアララギと大量のポケモンを引き込めれば、最終的に勝ちに繋がる。アクロマを1枚抜いて序盤用にランダムレシーバーを追加することも考えたけれど、結局は対ゴチアギで使えるサポがほしかったのと、中盤のアクロマ大量ドローは強いし、それに予期せぬゲーチスを浴びて手札からランレシを持って行かれて、手札が駄目になるのは避けたかった。
2 ランダムレシーバー
ランダムレシーバーを使うことにしたのは、デッキを安定させるドローソースがもっとほしかったからだ。ベルやフウロはそこまで強いドローソースじゃない。ブースターがちゃんと機能するには大量のカードが必要だし、16枚のポケモンを引き込むにはデッキのほとんどを掘り進む必要がある。ランダムレシーバーは、ゲーム中いつでも、強いサポーターを引き当てる助けになってくれる。
1 パソコン通信
このデッキに入れるエーススペックは明らかにこのカードだ。もしダウジングマシンを入れていれば、追加のキャッチャーで勝てているはずのときもたまにはある。それでも、エネルギーやポケモンを引ける序盤のパソコン通信はすごく強い。ブースターを使っている場合、引けないカードがあまりに多すぎるとゲームに負けてしまう。パソコン通信は、引けなかったカードを持ってきて、大きな動きを決めるのに役に立つ。アグレッシブにカードを引いたり捨てたりするデッキにとって、ダウジングマシンは後ろ向きすぎるカードだ。
2 トロピカルビーチ
このデッキのトロピカルビーチは明らかに疑問の出るチョイスだろう。しかもフウロがないのだから。これに代わる選択肢は、さらにランレシを入れることだ。けれども、このデッキの1ターン目はハンマーヘッドかしんかのきざしぐらいしかすることがないのだから、ビーチがあれば序盤に爆発的な動きができるようになる。また、序盤にNやアララギでひどい手札を引いてしまうのを防ぐこともできる。それに、タチワキシティジムへのカウンターになることで、序盤にタチワキ毒催眠対策のタブンネを引き込む必要性も少なくなる。デメリットとしては、相手にNを撃たれたときに、アララギが必要な場面でビーチを引き込んでしまうことだ。でもそんな可能性に比べたら、メリットの方がはるかに大きい。
4 ハイパーボール
ブースターが動くのに必須のカードだ。デッキの動きを安定させるのと同時に、ふくしゅうのダメージを上げるためにも使える。
2 ポケモンキャッチャー
この環境でも最も影響力のあるカードを2枚しか使わないというのは、変に見えるかもしれない。けれども、だいたいの場合、一番倒したいポケモンはこっちを攻撃しているポケモンだ。というのも、ブースターデッキは、サイドレースではなく場で勝負しているのだから。サイドが2枚残っている終盤なんかには、エネつきのポケモンかポケモンEXを引っ張る必要が出てくるかもしれない。それでも、序盤のアララギでよほど不運な捨て方さえなければ、2枚のキャッチャーで十分だ。
2 かるいし
かるいし2枚というのも、ダストダスが入っていたり、エネが少なかったり、逃げるコストの多いデッキにとっては、少なく見えるかもしれない。単に3枚目のスペースが無かっただけなのだけれど、ダストダスを動かしたり、バトルポケモンを逃がしたりするなら、2枚とパソ通で事足りる。ベンチの置き方や、かるいしの貼り方に気をつけていれば、2枚でもうまくやっていくことは可能だ。
3 改造ハンマー
キャッチャーみたいなカードは2枚しか入れてないのに、ひとつのマッチアップのためだけにこれほどの改造ハンマーを入れるのはオーバーキルに見えるかもしれない。それでも、対プラズマのマッチアップはフワライドと改造ハンマーがなければ非常に困難なものになる。プラズマを倒す上で3枚目のハンマーは必須ではないにしても、プラズマは一番多く使われるデッキだと予想していたし、ハンマーがあればマッチアップ相性を劇的に改善できる。
1 すごいつりざお
これだけがんばってトラッシュにポケモンを送り込んだのに、ポケモンを山札に戻してしまうこのカードを入れるのは違和感があるかもしれない。それでも、1ターン目に運悪くアララギでブースターを2枚捨てざるを得ないときもあるし、イーブイがサイド落ちすることもある。すごいつりざおは、そういった状況のときの逃げ道になってくる。また、つりざおがあれば闘エネルギーをもう少し気楽に捨てられるようになるし、不運なトラッシュ送りや、ひどいサイド落ちや、相手の改造ハンマーでエネ切れになるのを防いでもくれる。
4 ダブル無色エネルギー
ブースターがエネルギー1枚で攻撃できるようになる。これがなければ、ブースターは環境内のもっと速いデッキについていけないだろう。4枚は必須だ。
4 闘エネルギー
基本エネは、つりざおで戻せるのと改造ハンマーで剥がされないという理由で入れている。もう1、2枚基本エネが入れられればよかったけれど、スペースはいつだって問題だ。
■世界大会レポート
このデッキをテストしてみると、ダークライ/アブソルと、スクラッパー入りのとくせい依存デッキが唯一面倒な相手だった。けれど、どちらも戦えないマッチアップじゃない。ギギギアルだったなら相性の悪いマッチアップが多すぎて、相性の良いマッチアップとミラーマッチにはすべて勝たなければならない。とんでもないプレッシャーだ! ツールスクラッパーはそこまで多くは使われないと思ったし、決勝トーナメントでダークライは僕と当たる前にカメックスかギギギアルを踏むだろうと思ったから、僕はマッチアップさえ良ければかなりいいところまで行けるのではと思っていた。
〔※訳注:原文には全対戦ぶんのレポートがありますが、さすがに全部訳すと長すぎるので、今回は目を引いた対戦だけを訳すことにしました。ご了承ください〕
予選4回戦:James Good (US)-カメックス
彼は僕のイーブイを見て驚いているようだった。ということは、僕のデッキについてはまだ噂を聞いていないらしい。ブースターデッキは、リーフィアとダストダスのおかげでカメケルには強い。だからこのまま連勝を続けられたらいいなと思った〔※訳注:本人はここまで3-0〕。不幸にも僕は後攻で、2ターン目にカメックスが出てきてケルディオに3枚水エネルギーが付き、僕のヤブクロンにキャッチャーが飛んでくるのを眺めているはめになった。僕はポケモンをトラッシュに送るのに苦労していて、しかも次のターンにも同じようにキャッチャーがヤブクロンに飛んできた。
運良く僕はすごいつりざおを撃てたから、ヤブクロン2枚を山札に戻して片方を場に出すことができた。すでに対戦相手は場に5枚のエネルギーを出していたから、リーフィアでケルディオを一撃で倒すことは可能だったわけだ。けれど、リーフィアはサイド落ちだった! 1枚挿しのリスクだね。
僕はブースターでケルディオをこつこつ殴ることにした。すると相手は続けざまに3枚目のキャッチャーを僕のヤブクロンに使ってきた。僕はもう1枚のヤブクロンを場に出し、またブースターでケルディオを殴った。ポケモンをトラッシュ送りにできるアララギをぜんぜん引かずに、代わりに序盤にNを全部引いてしまったせいで、僕はケルディオを3発かけて倒さなければならなかった。対戦相手からはもうキャッチャーは飛んでこず、相手はブースターを倒してサイドが残り2枚になった。
僕はようやくブースターでケルディオを倒してサイドを2枚取った。相手は水エネ3枚をカメックスに貼り、もう3枚を新しいケルディオに貼った。相手は僕のブースターを倒して残りのサイドが1枚になった。運良く、僕はリーフィアをサイドから引いていた!
僕はダストダスに進化させ、アララギでかるいしを引き込み、そしてケルディオを倒して残りサイドを2枚にした。相手はゼニガメを前に出してビーチを使った。僕にはもうNが残っていなかったから、僕はゼニガメを倒してお互いのサイドが1枚になった。そのとき相手はスーパーエネルギー回収を使い、そしてフウロからスクラッパーを持ってきた! 相手は僕のリーフィアを倒して、この際どいゲームに勝利した。
僕は相手がスクラッパーを入れているとは予想していなかったけれど、たとえ予想できていたとしても、ゲーム内容をどうにかすることはできなかっただろう。この対戦相手が残りの大会のあいだとてもよくやってくれてうれしく思う。〔※訳注:このときの対戦相手は最終的にベスト4〕
予選8回戦:Takeshi Tosa (JP)-ダークライEX/アブソル
かるいしを見かけたので、相手が使っているのはダークライ/ダストダスの可能性もあった。けれど結局、ダストダスもヤブクロンも見なかった。
この時点での僕は、決勝トーナメントに残るには勝たなければならない状況だった。なのに、僕は後攻で、しかもタブンネスタートだった。僕の対戦相手は日本語版のSRダークライを表向きにした。これはきつい戦いになりそうだった! 相手はダークパッチを使って場に2枚のエネルギーを出してターンを返してきた。相手は2ターン目にナイトスピアを撃てるだろう。
僕の手札には、ハイパーボールと闘エネルギーとNがあった。僕はテラキオンをサーチしてきて、2ターン目にサイドを引かれるのを防ぎ、なおかつ相手に強力なプレッシャーを与えることにした。もし僕のタブンネにナイトスピアを使ってくれれば、僕はかたきうちを次のターンに使えるというわけだ。
相手は2ターン目にして場に合計5枚のエネルギーを置いていた! それでも相手は、どくさいみん光線を撃ちながら、テラキオンのかたきうちを避けるために、ベンチに準備万端のダークライを置いたままアブソルのマインドジャックで40ダメージを与えてきた。僕はたねポケモンを引き込みつつ、ヒップアタックでダメージを与えた。それにベンチダメージを防ぐためのバリヤードも出した。僕の対戦相手は、タチワキシティジムとどくさいみん光線に加え、トロピカルビーチと学習装置入りというユニークなデッキを使っていた。ただ、このゲームに関してはあまり大きな影響はなかった。
相手はキャッチャーを2回撃ち、こちらのテラキオンを倒した。そのあとでタブンネを倒してきた。それで僕は、ランドロスEXでハンマーヘッドを撃つことにした。相手はランドロスEXにナイトスピアを撃ってきた。僕はそれをかるいしで逃がし、彼がベンチに逃がしていた手負いのダークライにキャッチャーを使い、ブースターで倒してサイドを2枚引いた。相手はポケモンキャッチャーを使ってランドロスを倒し、残りサイドが2枚になった。僕はさらにもう少しポケモンを捨てることができ、ブースターでダークライを倒して残りサイドを2枚にした。
僕の場には2体のブースターがいて、どちらにもダブル無色が付き、バリヤードもいた。相手はまだ改造ハンマーを使ってきておらず、エネがついているのはアブソルだけだった。僕はポケモンキャッチャーとタブンネを使い切っていた。
ここで相手はヤミラミとどくさいみんでこちらを眠らせにきた。彼の狙いとしては、ターンが返ってくれば毒でブースターを倒してサイドを引くことができ、そうすればこちらは最後のブースターを前に出さざるを得ないから、それを加速したダークライで倒してサイドを引ききる、というものだ。僕はそれまで4回か5回ぐらい連続で眠り判定のダイスで裏を出していた。僕はアララギで山札を引ききり、すごいつりざおで3枚のタブンネを戻した。アララギを撃った直後にはトラッシュに19枚のポケモンがあったから、3枚戻してもふくしゅうは180ダメージを出せた。このおかげで、僕は次のターンに、この際どいゲームに勝つことができた!
ベスト16:Jason Klaczynski (US)-ダークライEX
この試合はステージ上で行われ、ストリーミング中継もされたから、どんな試合だったのかをもう知っている人もいると思う〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=Y3irFRlfhqIで見ることができます〕。対戦相手はアブソルを使っていなかったので、ほぼ互角の試合になればいいなと思っていた。試合のゆくえは、ゲームを通じて良いドローをして、16枚のポケモンをトラッシュに落とせるか否かにかかっている。それでもこれは一番難しいマッチアップだし、どれも際どいゲームになるだろうと思っていた。
ゲーム1:
後攻でタブンネスタートだったと思う。僕は相手にテラキオンを処理させることで、場を整える時間を稼ぐことができた。不運にもランドロスはサイド落ちしていたけど、代わりにリーフィアでダークライにダメージを当てた。序盤、手札が1枚しかない状態で、Jasonがジャンクハントでダークパッチとどくさいみん光線を拾うというターンがあった。僕の手札にはNとアララギ2枚とエーフィがあった。僕は試合を通じてポケモンを捨てるのに全力を注がないといけないから、アララギを使った。もし相手にサポーターがなければ、僕はポケモンを捨ててエネを貼れるだけの数ターンをもらえただろう。残念ながら相手はアララギを使ってきて、だからあれは暴発プレイになってしまった。でもこれは、不完全な情報のせいで正解手が存在しないようなケースのひとつだろう。
別のタイミングで、僕はアララギを撃ってブースターを捨てざるを得なくなって、しかも4枚目のブースターはサイド落ちだった。それからJasonはキャッチャーでバリヤードを狙ってきた。僕の場には40ダメージの乗ったタブンネがいたから、後々ナイトスピアでサイド2枚取りできるターンを作れるようになったわけだ。
僕の手札にはすごいつりざおがあり、闘エネとバリヤードを山札に戻す必要があった。けれど、そのときまた別の大きな分岐点があった。ブースターともう1枚の闘エネ、どっちを戻すべきなんだろうか?
多くの人は、JasonがNを撃つ前にこちらはハイパーボールでブースターを引いてこれるのだから、ブースターを山札に戻すべきだったと感じているだろう。けれど、もしそうしてしまうと180ダメージには1枚ぶんのポケモンが足りなくなり、相手のNで最後のタブンネを引き込む必要が出てくる。しかも、もしJasonが僕のバトル場のブースターではなくキャッチャーでベンチのたねポケモンを倒してきた場合、180ダメージには2枚ぶん足りなくなって勝ち目がなくなってしまう。もしも序盤にアララギを使っていなければゲームは全然違ったものになっていただろう。けれど、後半になってアララギでブースターを捨てる必要性が出てくるなんて思いもよらなかった。
それでも、JasonのNでブースターを引ければまだ勝つ可能性があった。けれど引けずに、僕はこの際どいゲームに負けてしまった。それでも僕は自分のプレイに満足しているし、あの時点では正しいプレイをしたと思う。
ゲーム2:
僕が先攻で、テラキオン、ランドロスEX、バリヤード、イーブイを場に出すことができた。Jasonは、2ターン目にこちらの闘エネつきランドロスめがけてナイトスピアを撃ってきた。その次のターン、僕はNを使った。それでベンチのテラキオン用の闘エネを引けていれば形勢は良くなっただろうけど、引けなかった。その代わりに、単にハンマーヘッドを撃った。
Jasonのターンになったとき、スタッフがテーブルにやって来て、Jasonは1枚多くエネルギーを貼っていたと告げた。僕らが見逃していたのか、彼らがゲームをちゃんと見ていなかったのか、誰にもわからなかった。それでも僕が自分のトラッシュを見てみると、僕は先攻で、毎ターンサポーターを使っていた(全部Nだ)。Jasonは3ターン目を始めたばかりで、エネをまだ貼っていない。そしてトラッシュにダークパッチがないにも関わらず、彼は2ターン目にナイトスピアを撃っている。残念ながらJasonはゲームロスになった。
このときのJasonはかなり形勢が良さそうだったけれど、もし彼が2ターン目のルール違反なナイトスピアを撃てなかったなら、たぶん僕はベンチのテラキオンにエネルギーを貼ることができて、形勢が良くなっただろう。僕は良い戦いができたんだろうけど、それでも自信があるわけじゃない。あのときの僕は、もう何時間も続けてポケカをやっていたし、自分のターンの動きのことを考えていて何も気づかなかった。Jasonのプレイは遅くて僕は自分のターンの動きを考えていたわけで、てきぱきとプレイできていればミスはなかったんじゃないかと思う。JasonはLCQに加えてすでに1日じゅうポケカをやっていたから、ミスはしやすい状態にあった。ジャッジはこれを察して、早めのプレイするように言ってもよかったと思う。来年には改善されると思っているし、ポケモンは正しい方向へゲームを改良していくと信じているよ!
ゲーム3:
後攻で、またしてもタブンネスタートだった。ダークライとやるとこんなのばっかりだよ! 僕の出だしは、ランドロスEX、テラキオン、バリヤードを並べるという強力なものだった。Jasonがサイドを1枚引くまでには、ハンマーヘッドを1度使い、9枚のカードをトラッシュに送り込むことさえできた。けれども、サポーターを使って6枚か7枚引いたあと、僕は、サポーターも、ランレシも、ビーチもないハンドを引いてしまった。ランドロスが倒されれば、それがトラッシュ10枚目のポケモンになるから、ダブル無色つきブースターは120ダメージを出せるはずだった。そうすればハンマーヘッドで60の乗ったダークライを倒して、しかもベンチに闘エネつきテラキオンやイーブイを並べて、優勢を築けるはずだったのだけれど。悲しいことに、僕は残りのゲームのあいだ、ただドローゴーを繰り返すだけだった。
■結論
今になってみれば、僕はブースターデッキを選んでよかったと思う。ゴチアギは予想よりもちょっとだけ少なかったから、もしかしたらエーフィじゃなくて別のポケモンを入れてもよかったかもしれない。それでも全体的に見て、僕は自分の使った60枚に満足している。もしギギギアルを使っていたらどうなっていただろうかといつも思うけれど、その場合は、初日を0-1でスタートして決勝に残れなかっただろうことはわかる。
ベスト16でのゲームはどちらも見た目よりずっと際どいものだったし、もう少し引きが良ければ勝てていた。僕が負けた3人の相手が、1位2位3位になったことを僕はうれしく思う。みんな対戦していて楽しかったし、それぞれ結果を残せて僕もうれしい。ブースターは使っていてとても面白かったから、後悔は何もないよ!
新環境でブースターを使おうと多くのプレイヤーがわくわくしているのを僕は知っている。新しい環境での経験があまりない僕はそんなに多くを語りたくないけれど、次のローテーションでブースターが失うものは何もないみたいだ。それでもメタゲームは動いていくものだし、ブースターにとって相性のいいマッチアップがまだあるか、見守る必要がある。
デッキに入りそうなカードとして、ブースターはBW9から新しいフワライドを手に入れた。それにゴチアギをメタる必要はもうない。ただし、ブースターはプラズマ団のポケモンだから、もしも銀色の鏡が広く使われるなら、ツールスクラッパーを入れるスペースは作らないといけないだろうね。ブースターが戦えるデッキであり続けられるかどうかは、時間が経ってみないとわからない。
世界大会で、昔の友達や新しい友達に会うのは楽しかった。一緒にプレイテストしてくれたみんなと、僕にブースターで突っ走るようように言ってくれたみんなに感謝したいと思う。次回の世界大会では、ずっとほしかった結果を残せるよう願っているよ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。かなり長めの記事でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
デッキコンセプトが通常のデッキとは違う方向を向いていて、読んでいてとても楽しい記事でした。レポートを全部訳しきらなかったのは申し訳なく思います。
時間があれば、次回も60cards.netからもうひとつくらい訳してみたいのですが……果たしてどうなることやら。
今年のWCS本大会の予選スイスラウンドの日、会場じゅうの話題をさらっていたデッキがありました。それはブースターリーフィアエーフィフワライドダストダステラキオンランドロスタブンネバリヤード。何を言っているのかわかりませんが、僕もそれを聞いたときは全く意味がわかりませんでした。
今回の記事は、そのブースターデッキを使ってスイスラウンドを10位で突破した本人によるデッキ解説です。出典は、新進気鋭のポケカサイト、60cards.netから。
かなりボリュームのある記事ですが、考え方やデッキの細部など、面白さが詰まっています。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Burning up the competition with Flareon: My Top 16 Worlds Report
by Dylan Bryan
Wednesday, August 21, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/5
■イントロダクション
やあ。僕のことをブースターでベスト16に入った奴だとしか知らないひとたちのために、自己紹介をしておこう。僕の名前はディラン・ブライアン。工学を専攻している大学2年生で、ポケモンを始めたのは6歳のころだ。第一弾からジム拡張まではプレイしていた。それからまた再開したのだけれど、それは、以来7年間に及んでいる僕の競技ポケカ生活の始まりだったわけだ。かれこれ6年間、権利を取って世界大会に出場している。そこそこ良い成績と、へんてこなデッキチョイス。僕のことをそう認識しつつある人もいる。大きめの大会での最近の成績はこんな感じだ:
〔※訳注:実績ある人なのですが文章が伸びるので成績省略。気になる人は原文を〕
この成績を自慢しようというわけではないけれど、一方で僕は、ライターなら大会で安定した成績を取るべきだと思っている。真剣に読んでもらうためにね。それでも僕は、ちょっとの幸運と当たり運を味方につけて、Nationalsや世界大会でどでかい成績を取ってもみたい。とはいえ、僕はどの環境でもうまくやっていると感じるし、結果として安定した成績をあげてきたように思う。
みんなの興味を引いた一番最近の成果といえば、ブースターでのベスト16入賞だ。大勢のプレイヤーは、このデッキを、プラズマに相性が悪くてカメックスにも良いとは言えない、PTCGO向けのファンデッキだと言って切り捨てた。でもこのデッキを使うのは楽しかったし、もしプラズマとの相性が改善できれば、ポテンシャルはあると感じていた。
僕は自分のデッキリストを広げて、カード選択を細かく解説しようと思う。けれどその前に、このデッキを作っているとき背後にあった思考のプロセスと、なぜ世界大会で使うことにしたのかを説明してみたい。
■もくじ
・世界大会に至るまでの考え
・デッキリスト
・デッキ戦略
・世界大会レポート
・結論
■世界大会に至るまでの考え
世界大会への準備段階で一番多く受けた質問は、僕のデッキ選択に関するものだった。取り組み方は人によって違うから、僕は自分の方法しか説明できない。実際のところ、僕は自分が何のデッキを使うことになるのか、イベント前夜まで全然わからない。当日の朝でさえもね! 頭がおかしいように見えるかもしれない。たぶんそうなんだろう。ただ、自分の頭の中ではデッキ選択を絞り込んでいる。
僕はこういうデッキを求めているんだ。過小評価されているようだけれど、メタゲーム的には強いデッキ。自分ならミラーマッチで有利にできそうな、安定したトップメタのデッキ。あるいは、メタ内デッキには安定して強く、なおかつサプライズの要素を持ったまったく新しいデッキ。Nationalsの結果を眺めたあと、僕はこの基準だけで、ある程度までデッキ選択を絞ることができた。
ほかのみんなはカメックスデッキでRegionalsを勝てていたけれど、僕が使うとBattle Roadsではまったく勝てなかった。ミラーマッチはかなり運の要素が大きく、良いときは良いけど駄目なときはまるで駄目なデッキに思えた。このデッキはれっきとしたメタ内デッキに見えるけれど、対戦中に起こることは、往々にしてプレイヤーの手を離れ、デッキの引きがどうだったかに依存する。だから、このデッキを使っている自分を想像することは、どうしてもできなかった。
レックビールも僕に全然合わなかったデッキのひとつだ。このミラーマッチも運の要素が大きいし、対プラズマの相性も不満だった。このデッキは正しい構築と幸運があればポテンシャルを発揮するだろうけれど、カメックスデッキ同様、これを使うのは僕の手に負えないように思えて、候補から外した。
それからダークライに目を向けて、安定したデッキだったので気に入った。とはいえ、バリヤードのほかには、ミラーマッチで優位に立つ方法は存在しなかった。もし誰もがバリヤードを使えば、僕は五分五分の戦場の上で戦うことになる。対カメックスと対ギギギアルは、とりわけ2本先取の形式では、勝つのが非常に難しい。唯一自信があったマッチアップは対プラズマと対ダークダストだったけど、後者はあまり流行るとは思えなかった。ダークライは安定したデッキだし、優れたプレイヤーと、恵まれた当たり運と、それから少しの幸運で、結果的に世界大会を制した。ただ僕にとっては、メタゲームへの正しい回答には思えなかったんだ。
それから僕はルギア型プラズマについて考えた。5割ぐらいの確率でゴチアギを何とかできて、まんたんのくすりが2枚あれば5割くらいダークライに勝てて、5割くらいカメケルに勝てて、改造ハンマーがあればちょっとだけミラーマッチに有利になる。ただ、ギギギアルや、ライコウEX入りのレックビールや、ダークダストなんかのようなメタ外デッキと当たるときつい。主流のデッキにはまずまずやれるだろう。けれど、それだってほんのわずかなアドバンテージに過ぎず、しかも大量のメタ外デッキたちに対してはまったくの無防備だ。それが、結局僕がプラズマを使わなかった理由だった。
ゴチアギは、この環境のなかでは奇妙な立ち位置だ。世界大会に向けて、このデッキが多く使われるようになるのか、それとも徹底的にメタられるのか、僕にはまったくわからなかった。たとえ対戦相手が複数枚のケルディオEXのような対抗策を入れていたとしても、先攻2ターン目ゴチルゼルはひたすらに強い。世界大会に到着するまでは、僕はこのデッキを使おうかと考えていた。けれどそこで、みんながどれほど対ゴチアギに躍起になっているのか、そして多数派デッキはどれほどメタられるのかを目の当たりにしてしまった。LCQをゴチアギがひとつも通過しなかったのがその証拠だ。
次にギギギアルを見てみようと思った。実はこのデッキはただの個人的な好みなのだけれど、これを使ってNationalsのトップ8に入れたときは、このデッキにもメリットがあるように思えた。このデッキが抱える最大の問題はゴチアギだ。このマッチアップをメタるためにギギギアルが持ち出すのは、3枚のケルディオEX、2枚のダークライEX、4枚のプリズムエネルギーだ。けれど、たったひとつのマッチアップのためだけに、これだけのカードをデッキに入れるのは良い気分がしなかった。とはいっても、ギギギアルは、カメックス、ダークライ、ルギア型プラズマ、ビクティニなしのレックビールにはものすごく強く、キュレムとアブソルに重きを置いたプラズマに対しても有利な戦いができる。
Nationals後には、メタゲームはゴチアギとの相性が悪いデッキから確実に離れていった。それによって、レックビールはスペース作りのためにビクティニを抜き、ダークダストの使用者は減り、ルギア型プラズマがプラズマ派生の最大勢力になった。これはギギギアルにとって何を意味するのだろうか? もしあなたがスイスラウンドでゴチアギを、そして決勝トーナメントでダークダストを回避できるようなことがあれば、非常に良いところまで行けるだろうね。もし決勝トーナメントまでたどり着ければ、このデッキはとても強いはずだろう。ただ、スイスラウンドを抜けるにはあまりにリスクが大きかった。もしもゴチアギに相性の悪いデッキを使うとなれば、僕はギギギアルを選んだだろうけれど。このせいで、ダークダストとルギアのないプラズマを使う気は起こらなくなった。
最後に考えたのがブースターだった。ブースター/デスカーンはファンデッキだったけれど、もともとは、対ゴチアギ用デッキとして作られた。ただ、相性の悪いマッチアップのせいで、一線級のデッキになってはいなかった。たかが30ダメージのためにサイドを1枚献上するデスカーンは、僕には根本的に駄目なカードに思えた。とはいっても、サイドを献上しないようにとデスカーンのディープグレイブを使わなかったところで、あっというまにブースターが4体倒されてアタッカーが切れ、否応なく負けてしまうだろう。
そこで、僕のアイディアはこうだった。様々なマッチアップで効果的なカードをデスカーンと置き換え、対戦相手にキャッチャーでイーブイやブースターを狙わせることなくサイド6枚を引かせることを強制する。デスカーンを生贄にして、ブースターのふくしゅうのためにトラッシュにポケモン2枚を送り込んで30ダメージを与えるよりも、そのターンにもっと脅威になるポケモンを出して30以上のダメージで攻撃し、対戦相手にそれを倒させる。こうすれば対戦相手はイーブイやブースター以外のポケモンを倒すので、僕はアタッカーが途切れずに済む。
デスカーンでトラッシュを埋めて僕自身が倒される代わりに、対戦相手が脅威になっている僕のポケモンを倒してくれるほうに託した。もしも相手が僕のポケモンを倒さないならば、彼はサイド6枚を引けないというわけだ。加えて、アララギ博士やハイパーボールやパソコン通信でポケモンを捨てるターンまでも得られる。これらすべての要素が、ブースターのふくしゅうのダメージを最大化する上で重要だ。
Nationalsの前にはこのデッキに、ダストダス、ランドロスEX、コバルオンEX、メタモン、タブンネを入れて組んだ。それでも対プラズマの相性は悪くて、僕はこの案を投げ捨てた。コバルオンEXはプラズマ対策として十分ではなかった。ところが、トラッシュの特殊エネルギー×50ダメージを与えるBW5のフワライドと改造ハンマーを一緒に使う案を、友達が僕に紹介してくれた。これはブースターデッキが必要としていた、対プラズマへの強烈な対策カードだった。ただ、改造ハンマーを入れようとするとデッキを安定させるカードが抜けてしまう。このデッキについて僕は、ギギギアルデッキを横に置きながら午前2時まで悩み続けた。
〔※長い記事なので、デッキとレポートはhttp://ukinins.diarynote.jp/201309011612531526/に続きます!〕
今回の記事は、そのブースターデッキを使ってスイスラウンドを10位で突破した本人によるデッキ解説です。出典は、新進気鋭のポケカサイト、60cards.netから。
かなりボリュームのある記事ですが、考え方やデッキの細部など、面白さが詰まっています。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Burning up the competition with Flareon: My Top 16 Worlds Report
by Dylan Bryan
Wednesday, August 21, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/5
■イントロダクション
やあ。僕のことをブースターでベスト16に入った奴だとしか知らないひとたちのために、自己紹介をしておこう。僕の名前はディラン・ブライアン。工学を専攻している大学2年生で、ポケモンを始めたのは6歳のころだ。第一弾からジム拡張まではプレイしていた。それからまた再開したのだけれど、それは、以来7年間に及んでいる僕の競技ポケカ生活の始まりだったわけだ。かれこれ6年間、権利を取って世界大会に出場している。そこそこ良い成績と、へんてこなデッキチョイス。僕のことをそう認識しつつある人もいる。大きめの大会での最近の成績はこんな感じだ:
〔※訳注:実績ある人なのですが文章が伸びるので成績省略。気になる人は原文を〕
この成績を自慢しようというわけではないけれど、一方で僕は、ライターなら大会で安定した成績を取るべきだと思っている。真剣に読んでもらうためにね。それでも僕は、ちょっとの幸運と当たり運を味方につけて、Nationalsや世界大会でどでかい成績を取ってもみたい。とはいえ、僕はどの環境でもうまくやっていると感じるし、結果として安定した成績をあげてきたように思う。
みんなの興味を引いた一番最近の成果といえば、ブースターでのベスト16入賞だ。大勢のプレイヤーは、このデッキを、プラズマに相性が悪くてカメックスにも良いとは言えない、PTCGO向けのファンデッキだと言って切り捨てた。でもこのデッキを使うのは楽しかったし、もしプラズマとの相性が改善できれば、ポテンシャルはあると感じていた。
僕は自分のデッキリストを広げて、カード選択を細かく解説しようと思う。けれどその前に、このデッキを作っているとき背後にあった思考のプロセスと、なぜ世界大会で使うことにしたのかを説明してみたい。
■もくじ
・世界大会に至るまでの考え
・デッキリスト
・デッキ戦略
・世界大会レポート
・結論
■世界大会に至るまでの考え
世界大会への準備段階で一番多く受けた質問は、僕のデッキ選択に関するものだった。取り組み方は人によって違うから、僕は自分の方法しか説明できない。実際のところ、僕は自分が何のデッキを使うことになるのか、イベント前夜まで全然わからない。当日の朝でさえもね! 頭がおかしいように見えるかもしれない。たぶんそうなんだろう。ただ、自分の頭の中ではデッキ選択を絞り込んでいる。
僕はこういうデッキを求めているんだ。過小評価されているようだけれど、メタゲーム的には強いデッキ。自分ならミラーマッチで有利にできそうな、安定したトップメタのデッキ。あるいは、メタ内デッキには安定して強く、なおかつサプライズの要素を持ったまったく新しいデッキ。Nationalsの結果を眺めたあと、僕はこの基準だけで、ある程度までデッキ選択を絞ることができた。
ほかのみんなはカメックスデッキでRegionalsを勝てていたけれど、僕が使うとBattle Roadsではまったく勝てなかった。ミラーマッチはかなり運の要素が大きく、良いときは良いけど駄目なときはまるで駄目なデッキに思えた。このデッキはれっきとしたメタ内デッキに見えるけれど、対戦中に起こることは、往々にしてプレイヤーの手を離れ、デッキの引きがどうだったかに依存する。だから、このデッキを使っている自分を想像することは、どうしてもできなかった。
レックビールも僕に全然合わなかったデッキのひとつだ。このミラーマッチも運の要素が大きいし、対プラズマの相性も不満だった。このデッキは正しい構築と幸運があればポテンシャルを発揮するだろうけれど、カメックスデッキ同様、これを使うのは僕の手に負えないように思えて、候補から外した。
それからダークライに目を向けて、安定したデッキだったので気に入った。とはいえ、バリヤードのほかには、ミラーマッチで優位に立つ方法は存在しなかった。もし誰もがバリヤードを使えば、僕は五分五分の戦場の上で戦うことになる。対カメックスと対ギギギアルは、とりわけ2本先取の形式では、勝つのが非常に難しい。唯一自信があったマッチアップは対プラズマと対ダークダストだったけど、後者はあまり流行るとは思えなかった。ダークライは安定したデッキだし、優れたプレイヤーと、恵まれた当たり運と、それから少しの幸運で、結果的に世界大会を制した。ただ僕にとっては、メタゲームへの正しい回答には思えなかったんだ。
それから僕はルギア型プラズマについて考えた。5割ぐらいの確率でゴチアギを何とかできて、まんたんのくすりが2枚あれば5割くらいダークライに勝てて、5割くらいカメケルに勝てて、改造ハンマーがあればちょっとだけミラーマッチに有利になる。ただ、ギギギアルや、ライコウEX入りのレックビールや、ダークダストなんかのようなメタ外デッキと当たるときつい。主流のデッキにはまずまずやれるだろう。けれど、それだってほんのわずかなアドバンテージに過ぎず、しかも大量のメタ外デッキたちに対してはまったくの無防備だ。それが、結局僕がプラズマを使わなかった理由だった。
ゴチアギは、この環境のなかでは奇妙な立ち位置だ。世界大会に向けて、このデッキが多く使われるようになるのか、それとも徹底的にメタられるのか、僕にはまったくわからなかった。たとえ対戦相手が複数枚のケルディオEXのような対抗策を入れていたとしても、先攻2ターン目ゴチルゼルはひたすらに強い。世界大会に到着するまでは、僕はこのデッキを使おうかと考えていた。けれどそこで、みんながどれほど対ゴチアギに躍起になっているのか、そして多数派デッキはどれほどメタられるのかを目の当たりにしてしまった。LCQをゴチアギがひとつも通過しなかったのがその証拠だ。
次にギギギアルを見てみようと思った。実はこのデッキはただの個人的な好みなのだけれど、これを使ってNationalsのトップ8に入れたときは、このデッキにもメリットがあるように思えた。このデッキが抱える最大の問題はゴチアギだ。このマッチアップをメタるためにギギギアルが持ち出すのは、3枚のケルディオEX、2枚のダークライEX、4枚のプリズムエネルギーだ。けれど、たったひとつのマッチアップのためだけに、これだけのカードをデッキに入れるのは良い気分がしなかった。とはいっても、ギギギアルは、カメックス、ダークライ、ルギア型プラズマ、ビクティニなしのレックビールにはものすごく強く、キュレムとアブソルに重きを置いたプラズマに対しても有利な戦いができる。
Nationals後には、メタゲームはゴチアギとの相性が悪いデッキから確実に離れていった。それによって、レックビールはスペース作りのためにビクティニを抜き、ダークダストの使用者は減り、ルギア型プラズマがプラズマ派生の最大勢力になった。これはギギギアルにとって何を意味するのだろうか? もしあなたがスイスラウンドでゴチアギを、そして決勝トーナメントでダークダストを回避できるようなことがあれば、非常に良いところまで行けるだろうね。もし決勝トーナメントまでたどり着ければ、このデッキはとても強いはずだろう。ただ、スイスラウンドを抜けるにはあまりにリスクが大きかった。もしもゴチアギに相性の悪いデッキを使うとなれば、僕はギギギアルを選んだだろうけれど。このせいで、ダークダストとルギアのないプラズマを使う気は起こらなくなった。
最後に考えたのがブースターだった。ブースター/デスカーンはファンデッキだったけれど、もともとは、対ゴチアギ用デッキとして作られた。ただ、相性の悪いマッチアップのせいで、一線級のデッキになってはいなかった。たかが30ダメージのためにサイドを1枚献上するデスカーンは、僕には根本的に駄目なカードに思えた。とはいっても、サイドを献上しないようにとデスカーンのディープグレイブを使わなかったところで、あっというまにブースターが4体倒されてアタッカーが切れ、否応なく負けてしまうだろう。
そこで、僕のアイディアはこうだった。様々なマッチアップで効果的なカードをデスカーンと置き換え、対戦相手にキャッチャーでイーブイやブースターを狙わせることなくサイド6枚を引かせることを強制する。デスカーンを生贄にして、ブースターのふくしゅうのためにトラッシュにポケモン2枚を送り込んで30ダメージを与えるよりも、そのターンにもっと脅威になるポケモンを出して30以上のダメージで攻撃し、対戦相手にそれを倒させる。こうすれば対戦相手はイーブイやブースター以外のポケモンを倒すので、僕はアタッカーが途切れずに済む。
デスカーンでトラッシュを埋めて僕自身が倒される代わりに、対戦相手が脅威になっている僕のポケモンを倒してくれるほうに託した。もしも相手が僕のポケモンを倒さないならば、彼はサイド6枚を引けないというわけだ。加えて、アララギ博士やハイパーボールやパソコン通信でポケモンを捨てるターンまでも得られる。これらすべての要素が、ブースターのふくしゅうのダメージを最大化する上で重要だ。
Nationalsの前にはこのデッキに、ダストダス、ランドロスEX、コバルオンEX、メタモン、タブンネを入れて組んだ。それでも対プラズマの相性は悪くて、僕はこの案を投げ捨てた。コバルオンEXはプラズマ対策として十分ではなかった。ところが、トラッシュの特殊エネルギー×50ダメージを与えるBW5のフワライドと改造ハンマーを一緒に使う案を、友達が僕に紹介してくれた。これはブースターデッキが必要としていた、対プラズマへの強烈な対策カードだった。ただ、改造ハンマーを入れようとするとデッキを安定させるカードが抜けてしまう。このデッキについて僕は、ギギギアルデッキを横に置きながら午前2時まで悩み続けた。
〔※長い記事なので、デッキとレポートはhttp://ukinins.diarynote.jp/201309011612531526/に続きます!〕
・ベスト16のブースターデッキのレポートを訳してアップする(土曜日ぐらい?)
・自分の世界大会環境考察をアップする(いつになることやら)
・もうひとつぐらいWCS絡みで翻訳をやりたい
・今週木曜日前後にひょっとするとななはちやさんにお邪魔するかもしれません(低確率)
・9月はゲノビリジをがんばっていじる(強くならなさそう)
・自分の世界大会環境考察をアップする(いつになることやら)
・もうひとつぐらいWCS絡みで翻訳をやりたい
・今週木曜日前後にひょっとするとななはちやさんにお邪魔するかもしれません(低確率)
・9月はゲノビリジをがんばっていじる(強くならなさそう)