バトカニ名古屋参加回避
2013年5月9日コメント (1) わりと直前まで検討していたのですが、前後のスケジュールの関係で、今回のバトカニ名古屋の参加は見送ることにしました。ちょっとどころじゃなく残念です。
参加される方は頑張ってください。
その代わり、大阪の方に参加できないか少し考え中です。
公式のカスタマーサポートに電話したら、アドバンテージパスは記入した会場関係なく使えるとの回答をもらいました。電話担当の方からすぐ答えが返ってきたので、他にも問い合わせた人はけっこういたのでしょう。
ただうきにん杯はたぶん出られると思います。
参加される方は頑張ってください。
その代わり、大阪の方に参加できないか少し考え中です。
公式のカスタマーサポートに電話したら、アドバンテージパスは記入した会場関係なく使えるとの回答をもらいました。電話担当の方からすぐ答えが返ってきたので、他にも問い合わせた人はけっこういたのでしょう。
ただうきにん杯はたぶん出られると思います。
【翻訳】トロピカルビーチ:ポケカにおける高額カードの現実
2013年5月5日コメント (9) 今回はThe Top Cutから。トロピカルビーチについてです。海外の見解はあまり日本には流れてこないので、1ヶ月前の記事ですが、トピックがトピックだけに賞味期限は切れていないでしょう。
さすがThe Top Cutというべきか、どちらかといえばビーチへの擁護論が続きます。さすがに海外でもこれが多数派の意見だとは思いませんが……。こういう考え方もあるのか、ということで。
以下、誤訳の責任はすべて僕うきにんに属します。()は原文ママ、〔〕は訳注めいたものです。
ちなみに、今回は完全に無許可翻訳なので、何かあった場合はすぐに削除します。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Tropical Beach: The Realities of an Expensive Card in Pokemon
by Jimmy O’Brien
Tuesday, April 9, 2013
ttp://thetopcut.net/2013/04/09/tropical-beach-the-realities-of-an-expensive-card-in-pokemon/
何種類かのデッキにとって(地雷デッキも含め)うまく回すのに欠かせない、非常な高額カードが存在する、そういう事態が、全面的に良いことだと私は言いたいわけではない。これは私たち全員が向き合わなければならない問題だと思うし、同時に、コミュニティとしての私たちは、この問題の背後にある肯定的な要素を見つけていくべきだとも思う。トロピカルビーチは理由あって高値を示しており、現時点でわかる限りは今後も、この高値は続くだろう。
カードの価格を決めるのは単純な要因だ。カードがどれだけレアで、カードをどれほどの人がほしがり、そしてカードがどれほど強いか。それはこの記事を読んでいるあなたがたの多くには明らかなことだと思うが、それでもそこから議論を始めるのは必要なことだ。レアリティに関して言えば、トロピカルビーチの英語版はおよそ1500枚近くが存在していると思われる。セットに入っているカードで、ここまでレアリティの高いものは存在しない。全面イラストのEXのカードを考えてみても、あれなら通常のEXカードで代替できる。全面イラスト版にお金を使わない合理的なプレイヤーたちは、単純にもっと安い通常版の方を買うかトレードするかで手に入れるだろう。だが、トロピカルビーチにその選択肢はない。このカードを欲しがっている人の数は、実際にカードが存在している数よりも相対的に多い。トロピカルウィンドやトロピカルタイダルウェーブのときのように、本来的にコレクターの人がほしがっているわけではない。競技ベースのプレイヤーが手に入れたがっているのだ。トロピカルビーチは試合を左右するカードだ。非常に強力なカードだ。現実的な代替カードは存在しない。あなたのカメックス/ケルディオ/キュレムに、トロピカルビーチの代わりにバトルシティを入れてみれば、おそらく勝率が沈んでいくのがわかるだろう。
ビーチは今後もこの価格を維持するだろうと思われる。なぜなら今後もレアリティは高いままだからだ。事実として会社側はよく再録スターター〔※訳注:原文では"Tins"〕を販売しているし、最近も競技レベルのカードが封入されてはいる。だがそれでも、ビーチがそうなるだろうと期待することはできない。なぜか。もしそれがありえるとすれば、もうすでにそうなっていたはずだからだ。インターネット上ではいくつもの場所で、会社側はトロピカルビーチの価値を下げ、入手しやすくすべきだという意見が出されていた。しかしながら、もしもそういった意見が、つまりビーチを再録スターターやWCS記念デッキに封入すべきだという意見が、会社側の販売計画と合致していたならば、会社側はすでにそのビジネスチャンスを利用していたはずであろう。そして、たとえ会社側がビーチをWCS2013や2014のときに再配布したところで、おそらくありえないほど高額なことに変わりはない。
ポケカプレイヤーはトロピカルビーチを手に入れたがり続けるだろう。9月にローテーション落ちをするとはまず信じられない。現実的に見れば、カードがスタンダードからローテーション落ちするとして、プレイヤーたちはそのパターンをずっと観察し続けてきたのだ。たいていの場合、同じカードは3回のWCSにわたって使うことができる。たとえばミュウexとサーナイト(DP4)が良い例だ〔※訳注:原文ではMew EXですがこれどのミュウなのでしょう〕。レントラーLv.Xはそれに反する例だが、見落とさないでほしいのは、レントラーLv.Xはシーズン中の予期せぬローテーションのせいで3度目のWCS出場が叶わなくなった、という点だ。ビーチの需要が高すぎるからといって、それを防ぐために来週にも会社側がショップを閉めて競技プレイを中止しますなんてアナウンスすることは、絶対にありえないのだから。
もしもトロピカルビーチが強力なカードであり続けるとすれば、大抵の人は、ポケカと競技プレイの存在こそが要因なのだと指摘するだろう。カメックスや他の2進化デッキにとって、トロピカルビーチは欠かせないカードであり続けるだろう。日本の情報によれば、今後もカメックスは世界レギュの有力デッキであるらしい。あるいはまた、1ターン目に場を立てるようなワザを持たない他の2進化デッキにとっても、トロピカルビーチは使いたいカードになるだろう。どくさいみん光線を使わない側のデッキにとってタチワキシティジムは悪夢だが、今後そういうデッキでは、タチワキシティジムをカウンターする上ではトロピカルビーチがぴったりのスタジアムになりえる。
ポケカが存在し続け、トロピカルビーチが競技レベルのデッキで使われ続け、それでもなおポケカが今と同じくらい楽しいものであり続け、プレイヤーもプレイし続ける、それとて、わかりにくいが上記の要因のひとつなのだ。今から1年間のあいだ、私が競技レベルでポケカをプレイしないことだってありえる(他のビーチ所有者にとってもそうだ)。人生なにがあるかわかったものではない。そして、ここまでの情報を鑑みれば、今後もトロピカルビーチのバイヤーが存在し続けるのも、確かなことだろう〔※訳注:このパラグラフ全体は直訳だと意味が取りにくい箇所でした〕。
トロピカルビーチが投資の対象として見なされることもありえる(それが合理的な対象かどうか議論はできないが)。より価値が高くなる可能性だってあるのだ(繰り返すが、可能性であって、保証ではない)。見返りを期待せずに、1枚のカードに30ドルも使う、それはそれで、TCGをプレイする上でのコストだ。一方で他のホビーには、100ドルもするアイテムがあるものも少なくない。だがしかし、それは本来ポケカをプレイする上でかかるようなコストではないのだ。とはいえ投資対象としてのトロピカルビーチは、バイヤー予備軍たちがこの感情的なハードルを乗り越えるきっかけになってしまう。
トロピカルビーチは高額を示し、今後もそうであると思う。だが私は、これはトロピカルビーチ限定の事態だろうと考えている。これは、セカンダリーマーケット〔※訳注:プレイヤー同士のトレードや取引〕において会社側が望んでいた状態だとは思えない。とはいえ、たとえトロピカルビーチの価格から会社側がどのような教訓を得たとしても、解決策として、WCSの参加賞につまらないカードを配るようなことはしてほしくない。それが私の願いである。私は優秀なカードを見たいのだ。
ビーチについて何か書き落としがあるか、または何か反論があれば、ぜひコメントに書いてほしい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。拙い訳文ですが、読んでいただきありがとうございました。
誤訳の指摘や感想等あれば、コメントをいただければ。
さすがThe Top Cutというべきか、どちらかといえばビーチへの擁護論が続きます。さすがに海外でもこれが多数派の意見だとは思いませんが……。こういう考え方もあるのか、ということで。
以下、誤訳の責任はすべて僕うきにんに属します。()は原文ママ、〔〕は訳注めいたものです。
ちなみに、今回は完全に無許可翻訳なので、何かあった場合はすぐに削除します。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Tropical Beach: The Realities of an Expensive Card in Pokemon
by Jimmy O’Brien
Tuesday, April 9, 2013
ttp://thetopcut.net/2013/04/09/tropical-beach-the-realities-of-an-expensive-card-in-pokemon/
何種類かのデッキにとって(地雷デッキも含め)うまく回すのに欠かせない、非常な高額カードが存在する、そういう事態が、全面的に良いことだと私は言いたいわけではない。これは私たち全員が向き合わなければならない問題だと思うし、同時に、コミュニティとしての私たちは、この問題の背後にある肯定的な要素を見つけていくべきだとも思う。トロピカルビーチは理由あって高値を示しており、現時点でわかる限りは今後も、この高値は続くだろう。
カードの価格を決めるのは単純な要因だ。カードがどれだけレアで、カードをどれほどの人がほしがり、そしてカードがどれほど強いか。それはこの記事を読んでいるあなたがたの多くには明らかなことだと思うが、それでもそこから議論を始めるのは必要なことだ。レアリティに関して言えば、トロピカルビーチの英語版はおよそ1500枚近くが存在していると思われる。セットに入っているカードで、ここまでレアリティの高いものは存在しない。全面イラストのEXのカードを考えてみても、あれなら通常のEXカードで代替できる。全面イラスト版にお金を使わない合理的なプレイヤーたちは、単純にもっと安い通常版の方を買うかトレードするかで手に入れるだろう。だが、トロピカルビーチにその選択肢はない。このカードを欲しがっている人の数は、実際にカードが存在している数よりも相対的に多い。トロピカルウィンドやトロピカルタイダルウェーブのときのように、本来的にコレクターの人がほしがっているわけではない。競技ベースのプレイヤーが手に入れたがっているのだ。トロピカルビーチは試合を左右するカードだ。非常に強力なカードだ。現実的な代替カードは存在しない。あなたのカメックス/ケルディオ/キュレムに、トロピカルビーチの代わりにバトルシティを入れてみれば、おそらく勝率が沈んでいくのがわかるだろう。
ビーチは今後もこの価格を維持するだろうと思われる。なぜなら今後もレアリティは高いままだからだ。事実として会社側はよく再録スターター〔※訳注:原文では"Tins"〕を販売しているし、最近も競技レベルのカードが封入されてはいる。だがそれでも、ビーチがそうなるだろうと期待することはできない。なぜか。もしそれがありえるとすれば、もうすでにそうなっていたはずだからだ。インターネット上ではいくつもの場所で、会社側はトロピカルビーチの価値を下げ、入手しやすくすべきだという意見が出されていた。しかしながら、もしもそういった意見が、つまりビーチを再録スターターやWCS記念デッキに封入すべきだという意見が、会社側の販売計画と合致していたならば、会社側はすでにそのビジネスチャンスを利用していたはずであろう。そして、たとえ会社側がビーチをWCS2013や2014のときに再配布したところで、おそらくありえないほど高額なことに変わりはない。
ポケカプレイヤーはトロピカルビーチを手に入れたがり続けるだろう。9月にローテーション落ちをするとはまず信じられない。現実的に見れば、カードがスタンダードからローテーション落ちするとして、プレイヤーたちはそのパターンをずっと観察し続けてきたのだ。たいていの場合、同じカードは3回のWCSにわたって使うことができる。たとえばミュウexとサーナイト(DP4)が良い例だ〔※訳注:原文ではMew EXですがこれどのミュウなのでしょう〕。レントラーLv.Xはそれに反する例だが、見落とさないでほしいのは、レントラーLv.Xはシーズン中の予期せぬローテーションのせいで3度目のWCS出場が叶わなくなった、という点だ。ビーチの需要が高すぎるからといって、それを防ぐために来週にも会社側がショップを閉めて競技プレイを中止しますなんてアナウンスすることは、絶対にありえないのだから。
もしもトロピカルビーチが強力なカードであり続けるとすれば、大抵の人は、ポケカと競技プレイの存在こそが要因なのだと指摘するだろう。カメックスや他の2進化デッキにとって、トロピカルビーチは欠かせないカードであり続けるだろう。日本の情報によれば、今後もカメックスは世界レギュの有力デッキであるらしい。あるいはまた、1ターン目に場を立てるようなワザを持たない他の2進化デッキにとっても、トロピカルビーチは使いたいカードになるだろう。どくさいみん光線を使わない側のデッキにとってタチワキシティジムは悪夢だが、今後そういうデッキでは、タチワキシティジムをカウンターする上ではトロピカルビーチがぴったりのスタジアムになりえる。
ポケカが存在し続け、トロピカルビーチが競技レベルのデッキで使われ続け、それでもなおポケカが今と同じくらい楽しいものであり続け、プレイヤーもプレイし続ける、それとて、わかりにくいが上記の要因のひとつなのだ。今から1年間のあいだ、私が競技レベルでポケカをプレイしないことだってありえる(他のビーチ所有者にとってもそうだ)。人生なにがあるかわかったものではない。そして、ここまでの情報を鑑みれば、今後もトロピカルビーチのバイヤーが存在し続けるのも、確かなことだろう〔※訳注:このパラグラフ全体は直訳だと意味が取りにくい箇所でした〕。
トロピカルビーチが投資の対象として見なされることもありえる(それが合理的な対象かどうか議論はできないが)。より価値が高くなる可能性だってあるのだ(繰り返すが、可能性であって、保証ではない)。見返りを期待せずに、1枚のカードに30ドルも使う、それはそれで、TCGをプレイする上でのコストだ。一方で他のホビーには、100ドルもするアイテムがあるものも少なくない。だがしかし、それは本来ポケカをプレイする上でかかるようなコストではないのだ。とはいえ投資対象としてのトロピカルビーチは、バイヤー予備軍たちがこの感情的なハードルを乗り越えるきっかけになってしまう。
トロピカルビーチは高額を示し、今後もそうであると思う。だが私は、これはトロピカルビーチ限定の事態だろうと考えている。これは、セカンダリーマーケット〔※訳注:プレイヤー同士のトレードや取引〕において会社側が望んでいた状態だとは思えない。とはいえ、たとえトロピカルビーチの価格から会社側がどのような教訓を得たとしても、解決策として、WCSの参加賞につまらないカードを配るようなことはしてほしくない。それが私の願いである。私は優秀なカードを見たいのだ。
ビーチについて何か書き落としがあるか、または何か反論があれば、ぜひコメントに書いてほしい。
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以上になります。拙い訳文ですが、読んでいただきありがとうございました。
誤訳の指摘や感想等あれば、コメントをいただければ。
【コラム】カードを腐らせることと、仮想的アドバンテージ
2013年4月23日コメント (4)■はじめに
BW9環境になって、特定の相手にのみ効果を発揮するカードが増えました。そのような種類のカードが良いか悪いかは別としても、構築面やプレイの面でさまざまに影響が出ているのも確かです。
今回は、そのような環境について少し書いてみます。
■カードが腐ること
カードが腐る、という言葉があります。
特定のカードの使用対象が存在しない状況のことで、たとえば今ならば、カメケルを相手にしたときに、手札(ないしデッキ)に白銀の鏡が入っているような状態を言います。
これほど極端な例でなくとも、たとえばレックビールで終盤にエモンガを引いてしまう場面などもそれに該当するでしょう。
カードが腐ることのデメリットは、直感的にはとてもわかりやすいものです。
仮に特定のマッチアップで腐るカードがデッキに5枚あるとして、こちらはその相手に対し、実質的に55枚しかリソースにならないデッキで戦うはめになります。55枚対60枚ですから、リソース面で既に圧倒的不利な状況にあります。
それに加えて見過ごされがちなのが、ドローの質の低下です。
不要なカードがデッキから綺麗に吹き飛んでくれればありがたいものを、プレイヤーは5枚の不要カードを抱えたままデッキを回すことになります。不要カードを引く確率は常に存在します。
とりわけ、デッキに不要カードが多く残ったまま中~終盤を迎えてしまったときは、ゲームメイクがさらに厳しいものになるでしょう。
■仮想的アドバンテージ
相手がそういった状態に陥っている場合を考えてみます。
そのような、相手のカードが腐っていることで得られる優位性を、「仮想的カードアドバンテージ」(Virtual Card Advantage、ときには略して仮想的アドバンテージ)と呼ぶことがあります。
たとえばこちらのデッキに基本エネしか入っておらず、相手のデッキが改造ハンマーを使っていた場合、それは仮想的アドバンテージを得ている、ということになります。こちらがリソースを費やさずに勝手に相手のリソースが減っているのだから、確かに優位性が存在します。言葉では抽象的ですが、これは日常の対戦でもよくあることです。
そして、環境がそのような場合、すなわち特定の相手にのみ効果を発揮するカードが環境的に多いような場合、仮想的アドバンテージを意図的に得ようとするデッキ選択もまた、しばしば戦略として成り立ちます。
たとえば現環境のガブチルは、ワザの効果で特定のデッキに強いのみならず、使用頻度の高いシルバーバングルを相手が入れていた場合、それを腐らせることができる、という強みもあります。一方で現行のデオキボルトキュレムは、仮想的アドバンテージ面の不利をデッキパワーで押しつぶしてしまおうという、ある意味ではかなり歪んだデッキだと言えるでしょう。
デッキ調整時に「このカードはあまり多く入れたくない」と言うとき、脳裏にあるのは大抵、この仮想的アドバンテージのことです。
デッキの調整とは、相手が仮想的アドバンテージを得ることと、自分のデッキのデッキパワーとを天秤にかける作業でもあります。
■おわりに
対戦中のアドバンテージの動向が、目に見えるダメージ差や手札数によるものだけではない、ということは、見てきたとおりです。デッキ構築の段階で環境を見据えるのは大切なことですが、おおざっぱな相性差のみを見ているだけでは、なかなか完成度が上がってこないのも確かです。
デッキ内のリソースをほぼ無駄なく使い切って試合に勝てれば、それに越したことはありません。ただ現実はそううまくはいきませんし、デッキタイプによっても、試合中に使わないカードはどうしてもでてきてしまいます。
そこで単にいらないカードばかり引いたというのではなく、環境的な要因や構築面での問題を、もう一度見直す必要があるのかもしれません。
もちろん、パーツを削りすぎるあまり重要なカードが引けなくなったら、それもまた本末転倒なのでしょうけれど。
BW9環境になって、特定の相手にのみ効果を発揮するカードが増えました。そのような種類のカードが良いか悪いかは別としても、構築面やプレイの面でさまざまに影響が出ているのも確かです。
今回は、そのような環境について少し書いてみます。
■カードが腐ること
カードが腐る、という言葉があります。
特定のカードの使用対象が存在しない状況のことで、たとえば今ならば、カメケルを相手にしたときに、手札(ないしデッキ)に白銀の鏡が入っているような状態を言います。
これほど極端な例でなくとも、たとえばレックビールで終盤にエモンガを引いてしまう場面などもそれに該当するでしょう。
カードが腐ることのデメリットは、直感的にはとてもわかりやすいものです。
仮に特定のマッチアップで腐るカードがデッキに5枚あるとして、こちらはその相手に対し、実質的に55枚しかリソースにならないデッキで戦うはめになります。55枚対60枚ですから、リソース面で既に圧倒的不利な状況にあります。
それに加えて見過ごされがちなのが、ドローの質の低下です。
不要なカードがデッキから綺麗に吹き飛んでくれればありがたいものを、プレイヤーは5枚の不要カードを抱えたままデッキを回すことになります。不要カードを引く確率は常に存在します。
とりわけ、デッキに不要カードが多く残ったまま中~終盤を迎えてしまったときは、ゲームメイクがさらに厳しいものになるでしょう。
■仮想的アドバンテージ
相手がそういった状態に陥っている場合を考えてみます。
そのような、相手のカードが腐っていることで得られる優位性を、「仮想的カードアドバンテージ」(Virtual Card Advantage、ときには略して仮想的アドバンテージ)と呼ぶことがあります。
たとえばこちらのデッキに基本エネしか入っておらず、相手のデッキが改造ハンマーを使っていた場合、それは仮想的アドバンテージを得ている、ということになります。こちらがリソースを費やさずに勝手に相手のリソースが減っているのだから、確かに優位性が存在します。言葉では抽象的ですが、これは日常の対戦でもよくあることです。
そして、環境がそのような場合、すなわち特定の相手にのみ効果を発揮するカードが環境的に多いような場合、仮想的アドバンテージを意図的に得ようとするデッキ選択もまた、しばしば戦略として成り立ちます。
たとえば現環境のガブチルは、ワザの効果で特定のデッキに強いのみならず、使用頻度の高いシルバーバングルを相手が入れていた場合、それを腐らせることができる、という強みもあります。一方で現行のデオキボルトキュレムは、仮想的アドバンテージ面の不利をデッキパワーで押しつぶしてしまおうという、ある意味ではかなり歪んだデッキだと言えるでしょう。
デッキ調整時に「このカードはあまり多く入れたくない」と言うとき、脳裏にあるのは大抵、この仮想的アドバンテージのことです。
デッキの調整とは、相手が仮想的アドバンテージを得ることと、自分のデッキのデッキパワーとを天秤にかける作業でもあります。
■おわりに
対戦中のアドバンテージの動向が、目に見えるダメージ差や手札数によるものだけではない、ということは、見てきたとおりです。デッキ構築の段階で環境を見据えるのは大切なことですが、おおざっぱな相性差のみを見ているだけでは、なかなか完成度が上がってこないのも確かです。
デッキ内のリソースをほぼ無駄なく使い切って試合に勝てれば、それに越したことはありません。ただ現実はそううまくはいきませんし、デッキタイプによっても、試合中に使わないカードはどうしてもでてきてしまいます。
そこで単にいらないカードばかり引いたというのではなく、環境的な要因や構築面での問題を、もう一度見直す必要があるのかもしれません。
もちろん、パーツを削りすぎるあまり重要なカードが引けなくなったら、それもまた本末転倒なのでしょうけれど。
こっそりと
2013年4月18日【デッキリスト】第27回うきにん杯トップ3デッキ
2013年4月7日コメント (7)
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201304090038484754/にあります)
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:アルテア(ヤミラミ/アブソル/ダークライEX)
2nd Place:コイソ(ガブリアス/チルタリス)
3rd Place:クーポソ(デオキシスEX/キュレム/ボルトロスEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:アルテア(ヤミラミ/アブソル/ダークライEX)
2nd Place:コイソ(ガブリアス/チルタリス)
3rd Place:クーポソ(デオキシスEX/キュレム/ボルトロスEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
ジムチャレカップ夢翔屋
2013年4月6日コメント (3) 4-0でパスゲットできました。デッキはてぃあさん(http://verdantdance.diarynote.jp/201304011002392358/)のデオキボルトキュレムの59枚コピー。バングル1→スクラッパー1だけです。非常に安定した強さでした。
BW9環境は練習不足で、とりあえずゲームプランだけはガチガチに固めてプレイしたのが逆に功を奏したのかもしれません。終盤のNできわどい局面になった時もトップで解決できたりしたので、運もありました。
パスは会場まで選ばないといけないらしく、とりあえず返事を保留。北海道から他に行く人いるのかな。
帰ってきてまた電王戦を感慨深く見ていました。ポケカでもこういう勝負をやってみたいですね。
明日もよろしくお願いします。
BW9環境は練習不足で、とりあえずゲームプランだけはガチガチに固めてプレイしたのが逆に功を奏したのかもしれません。終盤のNできわどい局面になった時もトップで解決できたりしたので、運もありました。
パスは会場まで選ばないといけないらしく、とりあえず返事を保留。北海道から他に行く人いるのかな。
帰ってきてまた電王戦を感慨深く見ていました。ポケカでもこういう勝負をやってみたいですね。
明日もよろしくお願いします。
世界で2、3番目に早いリミテッドバトルメタゲーム考察
2013年4月5日コメント (6)●概論
ゲームスピードが中速にシフトし、ひとつひとつの動きも大味になりがちなので、1キルの危険性は比較的減る。トロピカルビーチもそのまま使えるので、進化カードは動かしやすい。
ケルディオEXやビリジオンEXの不在、そして平均HPの低下は、どくさいみん光線の価値を引き上げる。テンポゲームを想定して学習装置を採用する場合は、どくさいみん光線のことは常に念頭に入れる必要がある。回復手段が限られるので、ワザなどによる特殊状態も強い。
個々のカードパワーはどうしても落ちるので、環境全体はリソースデッキよりもコンボデッキ側に寄る。
◆ゼクロム+シビビール
いわゆるTier1筆頭。加速と高打点、そして1キルの危険性減少という環境の恩恵も受けた。構築的にどくタチワキも積める。レシエンブは対抗馬にすらなれない。
◆キュレムウィニー
もちろんキュレムはPs。アクロママシーンは4投。ゲームスピードが遅くなるので加速の価値は上がる。ランドロスPsやアブソルなどで他の色を見れるのも強い。学習装置で水エネを繋いでいくのが難しそうなのと、ケルディオキャンセルがないのが欠点。
◆悪単
ヤミラミアブソルゾロアーク。強カードヤミラミが無理なく積め、アブソルやゾロアークの打点も期待できる。ダークパッチの加速もあるが、デッキ全体は器用貧乏。
◆ガブリアス+チルタリス
チルット1キルの危険性は少ない。ただ特殊エネを使うデッキがあまり多くなく、おんそくぎりの効果はそこまで期待できない。高HPと打点のコスパで戦うデッキ。
◆マニューラ+タマタマ
180Dまで出力する必要がないので、打点も安定する。キュレムは怖いが、進化デッキへの相性は比較的良い。
◆エンペルト
こちらも高HP高打点。ただし弱点色が悲しい。それ以外は強い要素が揃っている。構築にもある程度の幅が持てる。
◆闘単
主なアタッカーはルカリオ。サイドが1枚刻みなのでれっぷうきゃくが使いやすく、色的な不利もあまりない。HPが100なので学習装置でも回せる。
●結論
君だけの地雷デッキを探そう。
ゲームスピードが中速にシフトし、ひとつひとつの動きも大味になりがちなので、1キルの危険性は比較的減る。トロピカルビーチもそのまま使えるので、進化カードは動かしやすい。
ケルディオEXやビリジオンEXの不在、そして平均HPの低下は、どくさいみん光線の価値を引き上げる。テンポゲームを想定して学習装置を採用する場合は、どくさいみん光線のことは常に念頭に入れる必要がある。回復手段が限られるので、ワザなどによる特殊状態も強い。
個々のカードパワーはどうしても落ちるので、環境全体はリソースデッキよりもコンボデッキ側に寄る。
◆ゼクロム+シビビール
いわゆるTier1筆頭。加速と高打点、そして1キルの危険性減少という環境の恩恵も受けた。構築的にどくタチワキも積める。レシエンブは対抗馬にすらなれない。
◆キュレムウィニー
もちろんキュレムはPs。アクロママシーンは4投。ゲームスピードが遅くなるので加速の価値は上がる。ランドロスPsやアブソルなどで他の色を見れるのも強い。学習装置で水エネを繋いでいくのが難しそうなのと、ケルディオキャンセルがないのが欠点。
◆悪単
ヤミラミアブソルゾロアーク。強カードヤミラミが無理なく積め、アブソルやゾロアークの打点も期待できる。ダークパッチの加速もあるが、デッキ全体は器用貧乏。
◆ガブリアス+チルタリス
チルット1キルの危険性は少ない。ただ特殊エネを使うデッキがあまり多くなく、おんそくぎりの効果はそこまで期待できない。高HPと打点のコスパで戦うデッキ。
◆マニューラ+タマタマ
180Dまで出力する必要がないので、打点も安定する。キュレムは怖いが、進化デッキへの相性は比較的良い。
◆エンペルト
こちらも高HP高打点。ただし弱点色が悲しい。それ以外は強い要素が揃っている。構築にもある程度の幅が持てる。
◆闘単
主なアタッカーはルカリオ。サイドが1枚刻みなのでれっぷうきゃくが使いやすく、色的な不利もあまりない。HPが100なので学習装置でも回せる。
●結論
君だけの地雷デッキを探そう。
人類対機械、のような
2013年3月23日コメント (2) ニコ生で放送されていた電王戦、非常に面白く見ていました。対局そのものもとても面白かったですが、それ以上に、あのコメント上の応援の雰囲気というか、この特殊なマッチアップへの高揚感というか、そういったものが、パソコンを前にしていても普段味わえないような、なかなか不思議な体験でした。
人類対機械という、一昔前の(あるいはいつもの)SF映画のような比喩も持ち出されるイベントですが、海の向こうにはディープブルーという前例があるにせよ、大盤解説の阿久津七段が「人間ではなかなか指さない手ですね」とときどき口にしていたのが、結構印象的でした。
最終的にソフト側はそれが仇となって負けてしまったわけですが、たとえプログラムとはいえ、全く違う考え方をする存在が向こう側にいるというのは、ポジティブに見れば物凄くわくわくする状況です。
かつてのポケモンカードGBは、対戦モノとしてはまあ、あれでしたが、ゲームとしては本当に楽しかった記憶があります。もしもう少しだけ妄想が許されるなら、たとえば現行のレギュ内カードから自動的にデッキを組んでくれる高度なプログラムがあったとしたら……そしてもしもそこで出力されたデッキが、現行のそれとは全く違ったものだったら。
こんなしょうもない妄想も浮かぶほど、いわゆる頭脳スポーツ(?)に親しむ人間の夢の形のひとつがこれなんだなあ、と思えてしまう対局でした。
どうでもいいですが、それこそBW9入りデッキを作ってくれる都合のいいソフトか何かはないのでしょうかね。
ツールスクラッパーのようなカードを入れるのは好きではないというか嫌いだし、シルバーバングルも強いカードではありますがデッキパワーそのものの底上げにはあんまりなっていないと感じるし、そもそも特定の相手にしか効果がないカードをメインに据えたデッキは、いろんな意味で美しくありません(それを言い出すとパックのコンセプト自体の否定になってますが……)。
そんなわけで発売後から、アイディアの出なさとパックへのモチベーションの低さでカードネタを更新していなかったのですが、DNを回ってたら面白そうなアイディアがいくつかあったので、そろそろデッキを作ってみようかなと思っています。
人類対機械という、一昔前の(あるいはいつもの)SF映画のような比喩も持ち出されるイベントですが、海の向こうにはディープブルーという前例があるにせよ、大盤解説の阿久津七段が「人間ではなかなか指さない手ですね」とときどき口にしていたのが、結構印象的でした。
最終的にソフト側はそれが仇となって負けてしまったわけですが、たとえプログラムとはいえ、全く違う考え方をする存在が向こう側にいるというのは、ポジティブに見れば物凄くわくわくする状況です。
かつてのポケモンカードGBは、対戦モノとしてはまあ、あれでしたが、ゲームとしては本当に楽しかった記憶があります。もしもう少しだけ妄想が許されるなら、たとえば現行のレギュ内カードから自動的にデッキを組んでくれる高度なプログラムがあったとしたら……そしてもしもそこで出力されたデッキが、現行のそれとは全く違ったものだったら。
こんなしょうもない妄想も浮かぶほど、いわゆる頭脳スポーツ(?)に親しむ人間の夢の形のひとつがこれなんだなあ、と思えてしまう対局でした。
どうでもいいですが、それこそBW9入りデッキを作ってくれる都合のいいソフトか何かはないのでしょうかね。
ツールスクラッパーのようなカードを入れるのは好きではないというか嫌いだし、シルバーバングルも強いカードではありますがデッキパワーそのものの底上げにはあんまりなっていないと感じるし、そもそも特定の相手にしか効果がないカードをメインに据えたデッキは、いろんな意味で美しくありません(それを言い出すとパックのコンセプト自体の否定になってますが……)。
そんなわけで発売後から、アイディアの出なさとパックへのモチベーションの低さでカードネタを更新していなかったのですが、DNを回ってたら面白そうなアイディアがいくつかあったので、そろそろデッキを作ってみようかなと思っています。
【コラム】「メタゲーム」とポケモンカード
2013年3月20日 メタゲームとは何かが話題になってるそうなので、便乗が大好きな僕も例によって書くことにします。何度も繰り返されている話かもしれませんが、繰り返すこと自体は嫌いではありません。
例によって長すぎるので、読み飛ばし大歓迎です。
■「メタ」と「メタゲーム」
まず「メタ」の語について。ギリシャ語起源の接頭語「meta」が「上の」を意味しているのは、すでに書き尽くされているとおりですね。この用法でほぼ必ず例に出される"metaphysics"(形而上学)の意味の由来については、Wikipediaの「形而上学」の項に詳しい記述があります。
それはさておき、問題は「メタゲーム」です。
ただ実のところ、またしてもWikipedia、それも英語版、"Metagaming"というタイトルそのままの項目(ttp://en.wikipedia.org/wiki/Metagaming)に、かなり詳細な記述があります。
語源については記述がはっきりしないものの、ゲーム理論において(囚人のジレンマの解決方法として)用いられていた、というのは、起源のひとつとして見なすことができそうです。その項目を見るかぎり、ゲーム理論に限れば単独の論者まで遡れるようです。
(とはいえ「メタ」という語自体、20世紀後半のアカデミズムの流行語のひとつとなっていた印象があるため、直接の起源を問うのは難しいでしょう。それでも、こういう言い方はいい加減すぎて怒られそうですが、アカデミズムでメタ○○と言われるとき、このメタの意味は往々にして「○○に自覚的になること」です。この意味は、実は「メタゲーム」にも含まれています)
■カードゲームと「メタゲーム」
語の起源はこのくらいにして、カードゲームに話を戻します。英語版Wikipedia"Metagaming"の項目には、多岐にわたる"metagame"の意味が載っています。ですが、カードゲームに限って言えば、MtGことMagic: the Gatheringを例に、以下のように書かれています。
現在流布しているような意味あいは、ほぼこの中に含まれているでしょう。上の記述には、付け加えることはほぼありません。
しばしば「メタゲーム」という語の用法や意味が問題になります。けれども英語では、"metagame"は名詞としても動詞としても使われ、そのたび意味は微妙にズレてきます。個人的には、用法や語義はあまり気にしても仕方ないのでは、というのが内心です。
■MtGと「メタゲーム」
ポケカブログなので簡潔に済ませますが、MtGにおける「メタゲーム」という語の使用について、ちょっとだけ歴史を紐解いてみましょう。そもそもカードゲームで「メタゲーム」という語がいつ頃から一般的に使われ出したのか、正確な記録は存在しませんが、ある程度推測することはできます。
MtGでは定期的に、グランプリやプロツアーといった大規模大会が開かれ、その記録がカバレッジとしてウェブ上に残されています。もちろん、インターネットの発展とともにカバレッジも緻密で面白くなっていきますが、MtGのカバレッジ上に"metagame"という語が公式な形で登場したのは、2000年(のプロツアーシカゴのカバレッジttp://www.wizards.com/sideboard/event.asp?event=PTCHI00)からだろうと思われます。とすれば、それより前からプレイヤー間で使われ出し、そのあたりで一般化した、と考えるのが妥当でしょう。
メタゲームは情報戦である以上、その言葉もインターネットとの発展と共に広がるのは当然のことです。余談ですが、かの名コラム「ティンカーデッキへの探求」(ttp://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=sb20010607a,,ja)は2001年、文中で"metagame"という語は一度だけ使われています。
■ポケカと「メタゲーム」
では、ポケカはどうでしょう。おそらく「メタゲーム」という語は他のTCGからの流入でしょうが、ポケカでメタゲームの動向が初めて広く意識されたデッキは、No watersとスライではなかったかと思います(No watersとスライについては、それぞれttp://www5.pf-x.net/~flatzone/pokedex/index.php?No%20watersと、ttp://www5.pf-x.net/~flatzone/pokedex/index.php?%A5%B9%A5%E9%A5%A4を参照)。この2つの流行が2001年。しかし、上記のMtGのいきさつを鑑みれば、これが2001年という年だったのは必然だったのかもしれません。
それでも、低年齢層がユーザーの中心であるポケカでは、ネットでの情報の伝播は、他TCGに比べ遅れていたというのが実情です。とりわけ2000年代中盤ぐらいまでは、ネットユーザーと非ネットユーザーの間には歴然とした差がありました。現在でもなお「メタゲーム」という語についての話題が出るということ自体が、その遅れの影響のひとつなのかもしれません(けれどこれはプレイヤーの責任ではなく、ポケカというゲームの性質と、デッキや情報の公開をちゃんとしない公式側の責任でしょう)
その意味では、ブログが広く普及し、デッキやレポートの公開がある程度まで盛んになった現在は、歓迎すべき状態だろうと思います。
最後にもう一度だけ、語の定義の話題に戻りましょう。
実はみんな大好きsixprizes.comに、「メタゲーム」に関する記事があります(Erik Nance, "All You Need To Know About Metagaming," ttp://www.sixprizes.com/2013/01/31/all-you-need-to-know-about-metagaming/)。後半は会員用記事なので読めませんが、前半部分だけでも今回の話を補うには十分でしょう。これ以上長くなると嫌なので訳しませんでしたが、結構わかりやすい議論がなされている印象を受けました。
■おわりに
長々と書いてきましたが、おそらく多くの人にとって既知であろう情報を並べるのは恥ずかしくもあります。ただまあ、更新ネタが途切れていたので、こういうのも悪くないかもしれません。
ところで、上のWikipediaの記述の中では、プレイングへ与える影響の側面がちょっと過小評価されているかなという印象を受けました。こうしてメタゲームについて考えていくと、デッキなどの情報が多く公開されている現在にあっては、プレイヤー間の差を生んでいるのは、実は構築よりも、文章化しにくいプレイングの方なのでは、という感想も抱いてしまいます。
例によって長すぎるので、読み飛ばし大歓迎です。
■「メタ」と「メタゲーム」
まず「メタ」の語について。ギリシャ語起源の接頭語「meta」が「上の」を意味しているのは、すでに書き尽くされているとおりですね。この用法でほぼ必ず例に出される"metaphysics"(形而上学)の意味の由来については、Wikipediaの「形而上学」の項に詳しい記述があります。
それはさておき、問題は「メタゲーム」です。
ただ実のところ、またしてもWikipedia、それも英語版、"Metagaming"というタイトルそのままの項目(ttp://en.wikipedia.org/wiki/Metagaming)に、かなり詳細な記述があります。
語源については記述がはっきりしないものの、ゲーム理論において(囚人のジレンマの解決方法として)用いられていた、というのは、起源のひとつとして見なすことができそうです。その項目を見るかぎり、ゲーム理論に限れば単独の論者まで遡れるようです。
(とはいえ「メタ」という語自体、20世紀後半のアカデミズムの流行語のひとつとなっていた印象があるため、直接の起源を問うのは難しいでしょう。それでも、こういう言い方はいい加減すぎて怒られそうですが、アカデミズムでメタ○○と言われるとき、このメタの意味は往々にして「○○に自覚的になること」です。この意味は、実は「メタゲーム」にも含まれています)
■カードゲームと「メタゲーム」
語の起源はこのくらいにして、カードゲームに話を戻します。英語版Wikipedia"Metagaming"の項目には、多岐にわたる"metagame"の意味が載っています。ですが、カードゲームに限って言えば、MtGことMagic: the Gatheringを例に、以下のように書かれています。
In the popular trading card game Magic: The Gathering players compete with decks they have created in advance and the "metagame" consists of the deck types that are currently popular and expected to show up in large numbers in a tournament. The knowledge of metagame trends can give the players an edge against other participants, while playing (quickly recognizing what kind of deck opponents have to guess their likely cards and moves) and more importantly in the deck building process, by selecting and adapting designs to do well against the popular deck types at the expense of performance against rarer ones. It’s also possible to bluff opponents into expecting cards that aren’t there, or to surprise the competition with novel decks that nobody is prepared for. The secondary market of cards is heavily influenced by metagame trends: cards become more valuable when they are popular, often to the point of scarcity.
(著名なTCG、マジック・ザ・ギャザリングにおいては、プレイヤーは前もって組んでおいたデッキを用いて競技を行う。「メタゲーム」は、現行のトーナメントにおいて人気があり、多くの使用者がいると思われるデッキによって成り立つ。メタゲームの動向に関する知識は、プレイヤーが他の参加者より優位に立つことを可能にする。プレイ中、相手のデッキの種類を即座に判別して相手が使ってきそうなカードややってきそうな動きを推測したり、さらに重要なのは、デッキ作りの段階で、めったに当たらないデッキよりもよく使われるデッキに対してうまく戦える構築を選択し、採用することによってである。
そしてまた、使ってもいないカードを対戦相手に考えさせるブラフや、あるいは誰も対策していないような奇抜なデッキで大会を驚かすことも可能になる。セカンダリー・マーケット〔訳注:消費者同士の取引、ここではシングルの売り買いやトレード〕は、メタゲームの動向に多大な影響を受ける。カードは、多く使われるようになったとき、そして供給が不足しているようなときには、さらに価値が上がるのである)
現在流布しているような意味あいは、ほぼこの中に含まれているでしょう。上の記述には、付け加えることはほぼありません。
しばしば「メタゲーム」という語の用法や意味が問題になります。けれども英語では、"metagame"は名詞としても動詞としても使われ、そのたび意味は微妙にズレてきます。個人的には、用法や語義はあまり気にしても仕方ないのでは、というのが内心です。
■MtGと「メタゲーム」
ポケカブログなので簡潔に済ませますが、MtGにおける「メタゲーム」という語の使用について、ちょっとだけ歴史を紐解いてみましょう。そもそもカードゲームで「メタゲーム」という語がいつ頃から一般的に使われ出したのか、正確な記録は存在しませんが、ある程度推測することはできます。
MtGでは定期的に、グランプリやプロツアーといった大規模大会が開かれ、その記録がカバレッジとしてウェブ上に残されています。もちろん、インターネットの発展とともにカバレッジも緻密で面白くなっていきますが、MtGのカバレッジ上に"metagame"という語が公式な形で登場したのは、2000年(のプロツアーシカゴのカバレッジttp://www.wizards.com/sideboard/event.asp?event=PTCHI00)からだろうと思われます。とすれば、それより前からプレイヤー間で使われ出し、そのあたりで一般化した、と考えるのが妥当でしょう。
メタゲームは情報戦である以上、その言葉もインターネットとの発展と共に広がるのは当然のことです。余談ですが、かの名コラム「ティンカーデッキへの探求」(ttp://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=sb20010607a,,ja)は2001年、文中で"metagame"という語は一度だけ使われています。
■ポケカと「メタゲーム」
では、ポケカはどうでしょう。おそらく「メタゲーム」という語は他のTCGからの流入でしょうが、ポケカでメタゲームの動向が初めて広く意識されたデッキは、No watersとスライではなかったかと思います(No watersとスライについては、それぞれttp://www5.pf-x.net/~flatzone/pokedex/index.php?No%20watersと、ttp://www5.pf-x.net/~flatzone/pokedex/index.php?%A5%B9%A5%E9%A5%A4を参照)。この2つの流行が2001年。しかし、上記のMtGのいきさつを鑑みれば、これが2001年という年だったのは必然だったのかもしれません。
それでも、低年齢層がユーザーの中心であるポケカでは、ネットでの情報の伝播は、他TCGに比べ遅れていたというのが実情です。とりわけ2000年代中盤ぐらいまでは、ネットユーザーと非ネットユーザーの間には歴然とした差がありました。現在でもなお「メタゲーム」という語についての話題が出るということ自体が、その遅れの影響のひとつなのかもしれません(けれどこれはプレイヤーの責任ではなく、ポケカというゲームの性質と、デッキや情報の公開をちゃんとしない公式側の責任でしょう)
その意味では、ブログが広く普及し、デッキやレポートの公開がある程度まで盛んになった現在は、歓迎すべき状態だろうと思います。
最後にもう一度だけ、語の定義の話題に戻りましょう。
実はみんな大好きsixprizes.comに、「メタゲーム」に関する記事があります(Erik Nance, "All You Need To Know About Metagaming," ttp://www.sixprizes.com/2013/01/31/all-you-need-to-know-about-metagaming/)。後半は会員用記事なので読めませんが、前半部分だけでも今回の話を補うには十分でしょう。これ以上長くなると嫌なので訳しませんでしたが、結構わかりやすい議論がなされている印象を受けました。
■おわりに
長々と書いてきましたが、おそらく多くの人にとって既知であろう情報を並べるのは恥ずかしくもあります。ただまあ、更新ネタが途切れていたので、こういうのも悪くないかもしれません。
ところで、上のWikipediaの記述の中では、プレイングへ与える影響の側面がちょっと過小評価されているかなという印象を受けました。こうしてメタゲームについて考えていくと、デッキなどの情報が多く公開されている現在にあっては、プレイヤー間の差を生んでいるのは、実は構築よりも、文章化しにくいプレイングの方なのでは、という感想も抱いてしまいます。
【デッキリスト】第26回うきにん杯トップ3デッキ
2013年3月11日
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201303112359347862/にあります)
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:コーヤ(デオキシスEX/キュレム/ボルトロスEX)
2nd Place:レオン(ダークライEX/ミュウツーEX/リーフィア)
3rd Place:けんさん(ダークライEX/ゾロアーク/アブソル)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:コーヤ(デオキシスEX/キュレム/ボルトロスEX)
2nd Place:レオン(ダークライEX/ミュウツーEX/リーフィア)
3rd Place:けんさん(ダークライEX/ゾロアーク/アブソル)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
第26回SIP(うきにん)杯
2013年3月11日 参加者でした。スイスラウンド5連勝1位抜けから、決勝トナメ1回戦でポケカ人生有数の大ポカをやらかして勝ちを手放す。もうポケカ辞めた方がいいレベル。
デッキはまたもレンタル&お試し構築のデオキボルトキュレム。あまり良い構築ではないと思いますが一応貼っておきます。
4 デオキシスEX
3 キュレム
2 ボルトロスEX
1 アブソル
4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 ベル
2 アクロマ
4 ポケモンキャッチャー
4 プラズマ団のモンスターボール
4 アクロママシーン
4 どくさいみん光線
3 ポケモンいれかえ
2 かるいし
1 タチワキシティジム
1 パソコン通信
4 プリズムエネルギー
4 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
4 プラズマエネルギー
今回は、大会参加者数が目標のひとつだった30人を越えて本当にビックリです。ありがたい限りですね。特にジュニア勢が人数も活躍の度合いも凄くて、こうなると北海道で大会がないのが心底やるせなくなってきます。まあ公式大会より自主大会の方が楽しいのは、全国共通のようですけれど。
今週がもう新弾って本当に早い。
デッキはまたもレンタル&お試し構築のデオキボルトキュレム。あまり良い構築ではないと思いますが一応貼っておきます。
4 デオキシスEX
3 キュレム
2 ボルトロスEX
1 アブソル
4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 ベル
2 アクロマ
4 ポケモンキャッチャー
4 プラズマ団のモンスターボール
4 アクロママシーン
4 どくさいみん光線
3 ポケモンいれかえ
2 かるいし
1 タチワキシティジム
1 パソコン通信
4 プリズムエネルギー
4 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
4 プラズマエネルギー
今回は、大会参加者数が目標のひとつだった30人を越えて本当にビックリです。ありがたい限りですね。特にジュニア勢が人数も活躍の度合いも凄くて、こうなると北海道で大会がないのが心底やるせなくなってきます。まあ公式大会より自主大会の方が楽しいのは、全国共通のようですけれど。
今週がもう新弾って本当に早い。
アン・アリスン『菊とポケモン』を読む
2013年3月5日コメント (1)
アン・アリスン『菊とポケモン ――グローバル化する日本の文化力』(実川元子訳、新潮社、2010/8)
http://www.amazon.jp/dp/4105062212
Anne Allison, Millennial Monsters: Japanese Toys and the Global Imagination, University of California Press, 2006.
数年前に刊行されて、少し話題になった本です。読みたいと思いつつ読めていなかったのですが、ようやく機会ができて通読できました。
端的に、アメリカはポケモンをどう見ているのか、という興味から読んでみたのですが、予想外の面白さもあり、読んで良かった本でした。
著者のアン・アリスンはアメリカの文化人類学者。専門は日本文化で、ジェンダー論をベースにした研究も多くあります。ただ今回の場合は、執筆のためにアニメを観てゲームをやりまくったという、なかなか筋金入りの研究者のようです。
英語の原題は「新世紀の怪物たち:日本のおもちゃとグローバル的想像力」。
なぜ日本発のコンテンツが近年これほどグローバルに受け入れられたのか、という観点から書かれており、タイトルの印象に反して、扱う対象は『鉄腕アトム』『ゴジラ』から『パワーレンジャー』『セーラームーン』『たまごっち』まで及びます。もちろん、最もページ数が割かれたのはポケモンであり、ときにはポケモンカードまでが登場しています(対戦中の写真まである!w)。
とはいえ、フロイトやベンヤミン、ドゥルーズといった近現代思想家やそのタームが飛び交う本書の記述は、馴染みのある題材に比して、ややアカデミック寄りです。もともとは学術書として刊行されているので、その点はある意味やむをえないのかもしれません。
先にあげた観点、ないし主題に対し、著者のアリスンは三つの結論を提示しています。
一つ目は、近年に入って市場におけるアメリカ文化の覇権が徐々に失われてきたということ。二つ目は、ポケモンはじめ世界中で近年グローバルに受容されているコンテンツは、特定の国や文化を喚起するものではない、ということ。そして三つ目は、それらのコンテンツのコンセプトや構成が、現代資本主義のマーケティングに極めて適合するように作られている、ということ。
実際に読んでみると、三つ目の結論部分、つまりコンテンツ内容と資本主義社会の関係についての分析はやや弱く、説得力に欠けるように見えます。というよりも、脱中心化/流動/分断/結合/変容/といった言葉で語られるコンテンツ分析は、90年代前後に消費社会分析としてよく見られた言説の借用ないし変奏のようで、いまいち具体性が伴っていないからです。
しかしながら、結論の一つ目と二つ目に関係する記述はかなり面白く、とりわけ個人的には『パワーレンジャー』にあてられた第四章が抜群の楽しさでした。『ジュウレンジャー』はいかにして『パワーレンジャー』になったか、その受容のされ方は、アメリカらしくもあり、意外でもあり、非常に面白かったです。
ただ、本書最大の論点は、二つ目の結論部分、グローバルに受容されているコンテンツは、特定の国や文化を喚起するものではない、という点でしょう。つまるところポケモンは、メイド・イン・ジャパンだから売れたわけではない、むしろ極めて無国籍的だからこそ受け入れられたのであり、それが本書の結論の軸となっています。
そこから鑑みると、最近テレビでもときどき見られる「日本人すごい」「日本文化すごい」的な内容は一体何なんだろうと思えもします。最大の皮肉が本書の日本語タイトルで、原題とは違う「グローバル化する日本の文化力」という副題は、あろうことか、まさにこの「日本文化すごい」的な表現になってしまっています。なんたるマーケティングの悲しみ。目を引くためにつけられたであろう『菊とポケモン』というメインタイトルも、かの『菊と刀』のもじりであり、著者アリスン自身も、本書末尾「日本語版刊行によせて」の中で、タイトル変更を「ショックだった」と語っているほどです。
ともあれ、概して興味深い内容や新しい発見も多く、楽しい本でした。アメリカの文化研究者らしく、フィールドワークを重んじ、一次資料を読み込むスタイルから書かれる文章は、日ごろポケモンに親しむ側からも新鮮に映ります。そして、日本人による日本論とはまた違った観点は、新陳代謝の早い大衆文化論の中にあって、現在でも確かなリアリティを持っているはずです。
【画像3枚目】は、本書中でも取り上げられている『ニューヨーカー』誌1999年11月1日号の表紙。ハロウィンの夜、アメリカのキャラの仮装たちを尻目に、大金をもらって帰るピカチュウ……。
http://www.amazon.jp/dp/4105062212
Anne Allison, Millennial Monsters: Japanese Toys and the Global Imagination, University of California Press, 2006.
数年前に刊行されて、少し話題になった本です。読みたいと思いつつ読めていなかったのですが、ようやく機会ができて通読できました。
端的に、アメリカはポケモンをどう見ているのか、という興味から読んでみたのですが、予想外の面白さもあり、読んで良かった本でした。
著者のアン・アリスンはアメリカの文化人類学者。専門は日本文化で、ジェンダー論をベースにした研究も多くあります。ただ今回の場合は、執筆のためにアニメを観てゲームをやりまくったという、なかなか筋金入りの研究者のようです。
英語の原題は「新世紀の怪物たち:日本のおもちゃとグローバル的想像力」。
なぜ日本発のコンテンツが近年これほどグローバルに受け入れられたのか、という観点から書かれており、タイトルの印象に反して、扱う対象は『鉄腕アトム』『ゴジラ』から『パワーレンジャー』『セーラームーン』『たまごっち』まで及びます。もちろん、最もページ数が割かれたのはポケモンであり、ときにはポケモンカードまでが登場しています(対戦中の写真まである!w)。
とはいえ、フロイトやベンヤミン、ドゥルーズといった近現代思想家やそのタームが飛び交う本書の記述は、馴染みのある題材に比して、ややアカデミック寄りです。もともとは学術書として刊行されているので、その点はある意味やむをえないのかもしれません。
先にあげた観点、ないし主題に対し、著者のアリスンは三つの結論を提示しています。
一つ目は、近年に入って市場におけるアメリカ文化の覇権が徐々に失われてきたということ。二つ目は、ポケモンはじめ世界中で近年グローバルに受容されているコンテンツは、特定の国や文化を喚起するものではない、ということ。そして三つ目は、それらのコンテンツのコンセプトや構成が、現代資本主義のマーケティングに極めて適合するように作られている、ということ。
実際に読んでみると、三つ目の結論部分、つまりコンテンツ内容と資本主義社会の関係についての分析はやや弱く、説得力に欠けるように見えます。というよりも、脱中心化/流動/分断/結合/変容/といった言葉で語られるコンテンツ分析は、90年代前後に消費社会分析としてよく見られた言説の借用ないし変奏のようで、いまいち具体性が伴っていないからです。
しかしながら、結論の一つ目と二つ目に関係する記述はかなり面白く、とりわけ個人的には『パワーレンジャー』にあてられた第四章が抜群の楽しさでした。『ジュウレンジャー』はいかにして『パワーレンジャー』になったか、その受容のされ方は、アメリカらしくもあり、意外でもあり、非常に面白かったです。
ただ、本書最大の論点は、二つ目の結論部分、グローバルに受容されているコンテンツは、特定の国や文化を喚起するものではない、という点でしょう。つまるところポケモンは、メイド・イン・ジャパンだから売れたわけではない、むしろ極めて無国籍的だからこそ受け入れられたのであり、それが本書の結論の軸となっています。
そこから鑑みると、最近テレビでもときどき見られる「日本人すごい」「日本文化すごい」的な内容は一体何なんだろうと思えもします。最大の皮肉が本書の日本語タイトルで、原題とは違う「グローバル化する日本の文化力」という副題は、あろうことか、まさにこの「日本文化すごい」的な表現になってしまっています。なんたるマーケティングの悲しみ。目を引くためにつけられたであろう『菊とポケモン』というメインタイトルも、かの『菊と刀』のもじりであり、著者アリスン自身も、本書末尾「日本語版刊行によせて」の中で、タイトル変更を「ショックだった」と語っているほどです。
ともあれ、概して興味深い内容や新しい発見も多く、楽しい本でした。アメリカの文化研究者らしく、フィールドワークを重んじ、一次資料を読み込むスタイルから書かれる文章は、日ごろポケモンに親しむ側からも新鮮に映ります。そして、日本人による日本論とはまた違った観点は、新陳代謝の早い大衆文化論の中にあって、現在でも確かなリアリティを持っているはずです。
【画像3枚目】は、本書中でも取り上げられている『ニューヨーカー』誌1999年11月1日号の表紙。ハロウィンの夜、アメリカのキャラの仮装たちを尻目に、大金をもらって帰るピカチュウ……。
札幌からバトカニまで、空の旅
2013年3月1日コメント (4) 札幌発バトカニ着、いわゆる格安航空会社の直行便を何となく箇条書きにしてみました。
値段はだいたいです。
札幌(新千歳)――千葉(成田)
・エアアジア(片道7000円~)
・ジェットスター(片道7000円~)
・スカイマーク(片道10000円~)
札幌(新千歳)――愛知(中部)
・スカイマーク(片道10000円~)
・ジェットスター※3/31就航予定
・エアアジア※4/26就航予定
札幌(新千歳)――大阪(関西)
・ピーチ(片道5000円~)
・ジェットスター(片道5000円~)
・スカイマーク(片道10000円~)
札幌(新千歳)――福岡(福岡)
・なし
福岡までの直行便が大手しかないのはちょっと痛いですね。関空経由のピーチ乗り継ぎという荒業が一番安くなってしまいそうです。
時間のあり余っている人には、名古屋まで太平洋フェリーで行くのが個人的にはとてもお勧めです。快適な40時間の船旅を満喫しましょう。
さてどうすんのこれ……。
値段はだいたいです。
札幌(新千歳)――千葉(成田)
・エアアジア(片道7000円~)
・ジェットスター(片道7000円~)
・スカイマーク(片道10000円~)
札幌(新千歳)――愛知(中部)
・スカイマーク(片道10000円~)
・ジェットスター※3/31就航予定
・エアアジア※4/26就航予定
札幌(新千歳)――大阪(関西)
・ピーチ(片道5000円~)
・ジェットスター(片道5000円~)
・スカイマーク(片道10000円~)
札幌(新千歳)――福岡(福岡)
・なし
福岡までの直行便が大手しかないのはちょっと痛いですね。関空経由のピーチ乗り継ぎという荒業が一番安くなってしまいそうです。
時間のあり余っている人には、名古屋まで太平洋フェリーで行くのが個人的にはとてもお勧めです。快適な40時間の船旅を満喫しましょう。
さてどうすんのこれ……。
プラズマの名デッキたち
2013年2月25日コメント (9) ゲノセクトEXの能力も判明し、DN界隈では早くもBW8環境のまとめに入りつつあるようです。
便乗とDN巡回が好きな僕としては、他のプレイヤーさんのデッキを覗いてみるという形で流れに乗ってみました。
以下にリンクを紹介する五人の方のデッキは、どれもデオキボルトキュレム(+トルネロスEXorアブソル)です。
無断リンク&無断紹介という、怒られたら土下座ものの方法ですが、すべて非常に練り込まれたすばらしいレシピだと思います。
▼あいうえおさん
http://a02100210.diarynote.jp/201302120056576432/
▼Oさん
http://77565.diarynote.jp/201302121809373920/
▼ぶるーさん
http://blue1215zako.diarynote.jp/201302142219462128/
▼てぃあさん
http://verdantdance.diarynote.jp/201302241200281144/
▼獅子さん
http://shishipokeka.diarynote.jp/201302241319014143/
カード個々の採用枚数や解説文をじっと見比べてみるだけでも、とても参考になると思います。
便乗とDN巡回が好きな僕としては、他のプレイヤーさんのデッキを覗いてみるという形で流れに乗ってみました。
以下にリンクを紹介する五人の方のデッキは、どれもデオキボルトキュレム(+トルネロスEXorアブソル)です。
無断リンク&無断紹介という、怒られたら土下座ものの方法ですが、すべて非常に練り込まれたすばらしいレシピだと思います。
▼あいうえおさん
http://a02100210.diarynote.jp/201302120056576432/
▼Oさん
http://77565.diarynote.jp/201302121809373920/
▼ぶるーさん
http://blue1215zako.diarynote.jp/201302142219462128/
▼てぃあさん
http://verdantdance.diarynote.jp/201302241200281144/
▼獅子さん
http://shishipokeka.diarynote.jp/201302241319014143/
カード個々の採用枚数や解説文をじっと見比べてみるだけでも、とても参考になると思います。
生意気ながらもポケカについて何かを書くと、いつも文章が長くなってしまう悪い癖があります。
どうでもいい事情や脱線は書かないようにしているつもりなのですが、難しいですね。
もちろん内容を良くするのが先なのでしょうけれど。もっと短い文章で書くことができたらと、いつも思います。
どうでもいい事情や脱線は書かないようにしているつもりなのですが、難しいですね。
もちろん内容を良くするのが先なのでしょうけれど。もっと短い文章で書くことができたらと、いつも思います。
フウロ雑感と構築を論じるまえに
2013年2月16日コメント (2) 半年前にもフウロをネタにエントリを書いたのですが、最近また話題のカードのようなので、ちょっとだけ思うことを書いておきます。
ひとつたとえ話をしましょう。デッキに、4枚ずつのサポーターです。
アララギ4/N4/ベル4/アクロマ4
アララギ4/N4/フウロ4/アクロマ4
ひとまずトルネEXやヤミラミはデッキに入ってないとして、単純にふたつの構築だけを比べてみます。
たとえば初手について。アララギやNは引ければ助かる。ベルもまあ許せる。アクロマのみはちょっと勘弁。このとき、上の構築において初手のドロソを最低1枚は引ける確率、デッキに12枚として、およそ85%(手札は8枚)。アララギかN、どちらかを引ける確率に限れば、約70%。このふたつの隙間に、ベルやフウロはあります。
フウロとはどんなカードでしょうか。以前も紹介したのですが、このダニエルさんのエントリ(http://daniel3go.diarynote.jp/201208301128325821/)のフウロの欄が、ほとんどすべてを語っています。
ささやかながら付け加えるなら、このカードが一番やっかいな瞬間とは、誰もが思っているとおり、フウロの他に、ドローソースがないときでしょう。
(普通はフウロをドローソースに数えてはいけません)
その瞬間がたとえば初手に起きたとき。パーツを引いて攻めに出るのか。もしくはフウロでドロソを引いてくる、そのテンポの遅れは環境やデッキ的に許容できるのか。あるいはこんな仮定自体が、すでにナンセンスなのかもしれません。それが起こりうる確率は、おそらく10%ほどでしょう。または、中盤で手札にあればうれしいカードは、ベルとフウロ、どちらなのか、等々。
フウロのメリットはすでによく知られています。デメリットも恐らく、知られています。
このカードを使うか否か、どう使うか、概してそれらは好みの問題なのでしょうか。たぶんそれは間違いです。
正しい構築、正しいプレイは、恐らくどこかに存在します。ただ、いくら個々の確率を弾き出しても、プレイの中で起こりうる全ての可能性、それから自分と相手の判断力、それらの絡み合いは、定量的に計算するにはあまりに複雑で、正しい答えはそう簡単には見えてきません。構築の際のカードの選択ですらそうなのです。
その答えの見えなさを、個人の判断の癖にかこつけて、とりあえずは「好み」と呼んでいるだけに過ぎません。もしくは「運の問題」とも。
特定のカードのメリットとデメリットをただ見比べることに、あまり意味はありません。
重要なのは、そのカードが、デッキの動きのために何ができるかであり、何ができないかです。それは新弾のカード評でも、構築の際のカード選択でも同じです。ただ気をつけたいのは、「何ができるか/できないか」よりも、「デッキの動きのために」の部分の方が、実は大事なのだということです。
そこを見抜けないプレイヤーだけが、カードの評価に「好み」を貼り付け、デッキの不調に「事故」や「運」だと嘆くのでしょう。
ひとつたとえ話をしましょう。デッキに、4枚ずつのサポーターです。
アララギ4/N4/ベル4/アクロマ4
アララギ4/N4/フウロ4/アクロマ4
ひとまずトルネEXやヤミラミはデッキに入ってないとして、単純にふたつの構築だけを比べてみます。
たとえば初手について。アララギやNは引ければ助かる。ベルもまあ許せる。アクロマのみはちょっと勘弁。このとき、上の構築において初手のドロソを最低1枚は引ける確率、デッキに12枚として、およそ85%(手札は8枚)。アララギかN、どちらかを引ける確率に限れば、約70%。このふたつの隙間に、ベルやフウロはあります。
フウロとはどんなカードでしょうか。以前も紹介したのですが、このダニエルさんのエントリ(http://daniel3go.diarynote.jp/201208301128325821/)のフウロの欄が、ほとんどすべてを語っています。
ささやかながら付け加えるなら、このカードが一番やっかいな瞬間とは、誰もが思っているとおり、フウロの他に、ドローソースがないときでしょう。
(普通はフウロをドローソースに数えてはいけません)
その瞬間がたとえば初手に起きたとき。パーツを引いて攻めに出るのか。もしくはフウロでドロソを引いてくる、そのテンポの遅れは環境やデッキ的に許容できるのか。あるいはこんな仮定自体が、すでにナンセンスなのかもしれません。それが起こりうる確率は、おそらく10%ほどでしょう。または、中盤で手札にあればうれしいカードは、ベルとフウロ、どちらなのか、等々。
フウロのメリットはすでによく知られています。デメリットも恐らく、知られています。
このカードを使うか否か、どう使うか、概してそれらは好みの問題なのでしょうか。たぶんそれは間違いです。
正しい構築、正しいプレイは、恐らくどこかに存在します。ただ、いくら個々の確率を弾き出しても、プレイの中で起こりうる全ての可能性、それから自分と相手の判断力、それらの絡み合いは、定量的に計算するにはあまりに複雑で、正しい答えはそう簡単には見えてきません。構築の際のカードの選択ですらそうなのです。
その答えの見えなさを、個人の判断の癖にかこつけて、とりあえずは「好み」と呼んでいるだけに過ぎません。もしくは「運の問題」とも。
特定のカードのメリットとデメリットをただ見比べることに、あまり意味はありません。
重要なのは、そのカードが、デッキの動きのために何ができるかであり、何ができないかです。それは新弾のカード評でも、構築の際のカード選択でも同じです。ただ気をつけたいのは、「何ができるか/できないか」よりも、「デッキの動きのために」の部分の方が、実は大事なのだということです。
そこを見抜けないプレイヤーだけが、カードの評価に「好み」を貼り付け、デッキの不調に「事故」や「運」だと嘆くのでしょう。
【デッキリスト】第25回うきにん杯トップ3デッキ
2013年2月11日コメント (4)
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201302111738194720/にあります)
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:ガウくん(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/アブソル)
2nd Place:あか(キュレム/デオキシスEX/ケルディオEX)
3rd Place:コーヤ(デオキシスEX/キュレム/ボルトロスEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:ガウくん(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/アブソル)
2nd Place:あか(キュレム/デオキシスEX/ケルディオEX)
3rd Place:コーヤ(デオキシスEX/キュレム/ボルトロスEX)
デッキリスト公開を快く承諾して下さった方々に感謝申し上げます。
第25回SIP(うきにん)杯
2013年2月11日 参加者でした。決勝トーナメント1回戦で、ガウくん相手に初手ドロソ無し死。
デッキはアルク先生からパスされたカメケル。過去日記で「ビーチは使わない」とか言っていたにも関わらずビーチカメケル使ったので、きっと罰が当たったのでしょう。
カメケルはちゃんと調整したことがなかったので、朝にデッキを渡されたその場でも改良案が全く浮かばず、結局チムアチャさんのカメケル(http://teamachamo.diarynote.jp/201211272049579899/)を完全に改悪して臨むことに。
できあがったのは参考にする価値のないレシピなので略記。謎の勘違いからファイヤーでなくレシラムが入っているという。かるいしはエネ回収でいいよね。
ゼニガメ4/カメックス3/ケルディオEX3/ブラックキュレムEX2/レシラム1
アララギ博士4/N4/フウロ4
ふしぎなアメ4/ポケモンキャッチャー4/トロピカルビーチ3/スーパーエネルギー回収3/ハイパーボール2/レベルボール2/ヘビーボール1/かるいし1/パソコン通信1
水9/プリズム3/雷1/炎1
元レシピの完成度の高さを思い知らされただけでした。
デッキはアルク先生からパスされたカメケル。過去日記で「ビーチは使わない」とか言っていたにも関わらずビーチカメケル使ったので、きっと罰が当たったのでしょう。
カメケルはちゃんと調整したことがなかったので、朝にデッキを渡されたその場でも改良案が全く浮かばず、結局チムアチャさんのカメケル(http://teamachamo.diarynote.jp/201211272049579899/)を完全に改悪して臨むことに。
できあがったのは参考にする価値のないレシピなので略記。謎の勘違いからファイヤーでなくレシラムが入っているという。かるいしはエネ回収でいいよね。
ゼニガメ4/カメックス3/ケルディオEX3/ブラックキュレムEX2/レシラム1
アララギ博士4/N4/フウロ4
ふしぎなアメ4/ポケモンキャッチャー4/トロピカルビーチ3/スーパーエネルギー回収3/ハイパーボール2/レベルボール2/ヘビーボール1/かるいし1/パソコン通信1
水9/プリズム3/雷1/炎1
元レシピの完成度の高さを思い知らされただけでした。
ウィンタートーナメントとデオキボルトキュレム
2013年1月28日コメント (10) お疲れさまでした。お久しぶりな方も多かったり、初めて会う方もいたりで楽しかったです。
大会自体は○○○│○○○×の3連勝で終了。先2カメに対して残した勝ち筋が、ドロソ止まったタイミングのキャッチャーで呼ばれたデオキで2ターン稼がれて消滅。おれ弱いな。
ただデッキそのものには結構満足していて、エネ以外59枚同じクーポソさんが無敗で行ってたし(ポソさんは強い)まあこの形はこの形でいいかなと。
使ったデッキは以下です。
4 キュレム(BW8)
4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
4 アララギ博士
4 N
4 ベル
2 アクロマ
4 プラズマ団のモンスターボール
4 ポケモンキャッチャー
4 アクロママシーン
4 どくさいみん光線
3 ポケモンいれかえ
3 かるいし
1 タチワキシティジム
1 パソコン通信
4 プリズムエネルギー
4 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
4 プラズマエネルギー
ルギア型も試してそれが強いのを承知した上でのあえての非ルギア型ですが、一応自分の理論を色々詰め込んだつもりです。というよりも、デオキボルトキュレムを最もリソースデッキ寄りにするとこうなる、というのが今回のコンセプトになっています。
現環境で勝ち負けを左右する要素については、僕は奏天さん(http://82725.diarynote.jp/201301191207539318/)とけっこう似たような見方をしています(ただ僕はグッズとエネに関するプレイングはもう少しだけ重要だとは思います)。
いわゆる展開差については、Lレギュと比較するとBWレギュはリソースの管理が相当にシビアなので、展開差を埋める、ないしひっくり返す手段が限られるからです。もちろん、スクランブルスイッチとルギアEXはそのひとつだからこそ、ルギア型は強いのですが。
今回のデッキは、テンポゲーとサイドレースの基本に忠実に作ってあるつもりです。アタッカーの運用は原則として非EX3EX2、テンポを左右するカードは当然4ずつ入れ、どこを引いても同じ動きができるようにしてあります。上の言葉を使えば、展開の上で、デッキを可能な限り基本のゲームプランどおりに動かすためです。
時々見かけるまんたんのくすりは強いカードですが、使わない場面が生じうる受動的なカードを2~3枚だけ積んで他のスペースを圧迫するというのは、今回の場合、端的にコンセプトに反しています。リソースの管理は前環境より難しくなっています。
いれかえ系は、計5枚が最低ラインのつもりでした。キャッチャーでデオキを呼ばれて止まるのは負けパターンの多くを占めますが、それは出来る限り構築やプレイで改善できるようにしようと考えたからです。引く確率というよりは、初手で1枚使い、相手のキャッチャーが4枚なのでこちらも+4枚、というのが5枚という数字の一応の根拠です。でもDNでデオキボルトを見ていると、計5枚投入は比較的多いようですね。今回の3:3の計6枚は、かなり感触の良い枚数でした。(それでも今回の負けパターンがそれだったというのは皮肉な限りですが)。
ドロソに関して、デオキボルトはフウロ投入が主流になっていますが、今回は悩んだ末にベル4枚を据え置くことに。
そもそもフウロは他のドロソと一緒に握れている場合には強いカードであっても、初手で使えるドロソを削って投入するべきカードではないからです。初手で使えるドロソを削ってフウロやアクロマを増やしたせいで初動が遅れるのは、ただの本末転倒ではないのでしょうか。
もちろんピンポイントでパーツを引く必要のあり、サイドレースをコントロールできるルギア型ならフウロ投入は正当化されますが、それでも構築にはかなりの注意が必要なはずです。
今回の場合は、ピンポイントで引くよりも複数枚のリソースをまとめて引く方がコンセプトには合っているため上記の形です。
ベルとの兼ね合いでハイパーボールが無いのかという問題ですが、そもそもデッキ内に捨てられるカードがなく、色エネが少ない以上はボルトのワザとのシナジーもそこまで期待すべきではありません。ボルトは2~3ターン目以降に動かせれば十分です。ただパソコン通信だけは、リターンが大きすぎるために採用しています。
色々書きましたが、今回の形がルギア型より優れていると言いたいわけではありません。自分の4442のサポ構成が正解だと言うわけでもありません。ルギアは今のメタにもカードプールにも合ったカードだとは思いますし、サポは改善の余地が大いにあるでしょう。
ただそれよりもまずは、個々のカード評価とデッキへの入れ方を間違えないことの方が、今の環境では大事なことだと思います。
大会自体は○○○│○○○×の3連勝で終了。先2カメに対して残した勝ち筋が、ドロソ止まったタイミングのキャッチャーで呼ばれたデオキで2ターン稼がれて消滅。おれ弱いな。
ただデッキそのものには結構満足していて、エネ以外59枚同じクーポソさんが無敗で行ってたし(ポソさんは強い)まあこの形はこの形でいいかなと。
使ったデッキは以下です。
4 キュレム(BW8)
4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
4 アララギ博士
4 N
4 ベル
2 アクロマ
4 プラズマ団のモンスターボール
4 ポケモンキャッチャー
4 アクロママシーン
4 どくさいみん光線
3 ポケモンいれかえ
3 かるいし
1 タチワキシティジム
1 パソコン通信
4 プリズムエネルギー
4 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
4 プラズマエネルギー
ルギア型も試してそれが強いのを承知した上でのあえての非ルギア型ですが、一応自分の理論を色々詰め込んだつもりです。というよりも、デオキボルトキュレムを最もリソースデッキ寄りにするとこうなる、というのが今回のコンセプトになっています。
現環境で勝ち負けを左右する要素については、僕は奏天さん(http://82725.diarynote.jp/201301191207539318/)とけっこう似たような見方をしています(ただ僕はグッズとエネに関するプレイングはもう少しだけ重要だとは思います)。
いわゆる展開差については、Lレギュと比較するとBWレギュはリソースの管理が相当にシビアなので、展開差を埋める、ないしひっくり返す手段が限られるからです。もちろん、スクランブルスイッチとルギアEXはそのひとつだからこそ、ルギア型は強いのですが。
今回のデッキは、テンポゲーとサイドレースの基本に忠実に作ってあるつもりです。アタッカーの運用は原則として非EX3EX2、テンポを左右するカードは当然4ずつ入れ、どこを引いても同じ動きができるようにしてあります。上の言葉を使えば、展開の上で、デッキを可能な限り基本のゲームプランどおりに動かすためです。
時々見かけるまんたんのくすりは強いカードですが、使わない場面が生じうる受動的なカードを2~3枚だけ積んで他のスペースを圧迫するというのは、今回の場合、端的にコンセプトに反しています。リソースの管理は前環境より難しくなっています。
いれかえ系は、計5枚が最低ラインのつもりでした。キャッチャーでデオキを呼ばれて止まるのは負けパターンの多くを占めますが、それは出来る限り構築やプレイで改善できるようにしようと考えたからです。引く確率というよりは、初手で1枚使い、相手のキャッチャーが4枚なのでこちらも+4枚、というのが5枚という数字の一応の根拠です。でもDNでデオキボルトを見ていると、計5枚投入は比較的多いようですね。今回の3:3の計6枚は、かなり感触の良い枚数でした。(それでも今回の負けパターンがそれだったというのは皮肉な限りですが)。
ドロソに関して、デオキボルトはフウロ投入が主流になっていますが、今回は悩んだ末にベル4枚を据え置くことに。
そもそもフウロは他のドロソと一緒に握れている場合には強いカードであっても、初手で使えるドロソを削って投入するべきカードではないからです。初手で使えるドロソを削ってフウロやアクロマを増やしたせいで初動が遅れるのは、ただの本末転倒ではないのでしょうか。
もちろんピンポイントでパーツを引く必要のあり、サイドレースをコントロールできるルギア型ならフウロ投入は正当化されますが、それでも構築にはかなりの注意が必要なはずです。
今回の場合は、ピンポイントで引くよりも複数枚のリソースをまとめて引く方がコンセプトには合っているため上記の形です。
ベルとの兼ね合いでハイパーボールが無いのかという問題ですが、そもそもデッキ内に捨てられるカードがなく、色エネが少ない以上はボルトのワザとのシナジーもそこまで期待すべきではありません。ボルトは2~3ターン目以降に動かせれば十分です。ただパソコン通信だけは、リターンが大きすぎるために採用しています。
色々書きましたが、今回の形がルギア型より優れていると言いたいわけではありません。自分の4442のサポ構成が正解だと言うわけでもありません。ルギアは今のメタにもカードプールにも合ったカードだとは思いますし、サポは改善の余地が大いにあるでしょう。
ただそれよりもまずは、個々のカード評価とデッキへの入れ方を間違えないことの方が、今の環境では大事なことだと思います。