■はじめに

 今回はデッキの分類のことを書きます。
 といってもカード名を連ねたリストを書くつもりはなく、単純にコンセプトや動きから、デッキのタイプを2つに分けてみよう、という趣旨なのですけれど。
 分けたから何だ、というクリティカルな突っ込みはともかく、ここしばらくの僕はこんなふうに考えていますという話です。
 この文章では、コンボデッキとリソースデッキという2つのデッキタイプを想定した上で、それぞれの戦い方を見てみたいと思います。
 例によって長いので、飛ばし読みしていただいて全然構いません。

 TCGで有名なデッキタイプに、コンボデッキというものがあります。ポケカにも当然ありますね、コンボデッキ。僕もこれは大切な概念だと考えています。
 問題は、その対極です。一般的な他のTCGでは序盤のダメージ効率に長けたビートダウンや、中盤以降に重きを置くコントロールなどがあげられるでしょう。ただポケカでは、それが成立しません。ではどうしましょう。

■コンボデッキとリソースデッキ

 ポケカにおけるコンボデッキの対極を、僕は便宜的に、リソースデッキと呼んでいます。
 コンボデッキの概念の説明は、比較的容易です。カードの組み合わせで強力な効果やダメージを生み(コンボ)、それによって勝利するデッキですね。
 デッキの構築はコンボパーツとその補助に主眼が置かれます。そしてコンボの完成のためには、ゲーム中、一時的なアドバンテージやテンポをしばしば犠牲にします。いわば海老で鯛を釣るというやつですね。もちろん、デッキ自体もそれを想定して組まれています。
 代表例をあげる前に、僕が勝手に考えているリソースデッキとやらを説明してしまいましょう。

 リソースデッキはコンボデッキの対極です。デッキ内の個々のカードや、それの持つ効果(リソース)をフルに活用し、言ってしまえば60枚すべてのカードを効率よく用いて勝利を目指すデッキです。コンボデッキとの差別化は構築面やゲームプラン両方に現れます。
 コンボデッキが、一時的なアドバンテージやテンポの損失を前提とする一方で、原則としてリソースデッキはアドバンテージやテンポの損失を極端に嫌います。それらを犠牲にしてまで目指すものがデッキ内に組み込まれていないからであり、逆に言えば、デッキ内の個々のリソースをすべて可能な限り管理し活用して、アドバンテージやテンポを獲得し続けることこそが、リソースデッキの目標かつ勝利手段のひとつだからです。

 ここまで書くと明らかでしょうけれど、いわゆるデオキボルト、現環境のデオキシスEX、ボルトロスEXやキュレムを主戦力としたプラズマ団デッキは、総じてこのリソースデッキに属すると僕は考えます。
 旧環境から例を出せば、ガブレンやマグマ団あたりもこれに属するはずです。
 とすれば、その反対側、コンボデッキに属するのは、言うまでもなく現環境ではカメックスEX+ケルディオEXになるでしょう。
 旧環境ではラフレシア系のデッキがそうでしたし、カメレアコロロのような凶悪すぎたデッキも存在しています。どのデッキでも、コンボ完成のためには、その場で不要なカードは容赦なく切ってトラッシュ送りにしたり、序盤のサイド数のビハインドや場の不利さを許容したりします。
 単純にたね対2進化の対立に見えますが、ミュウドサイドンのようなデッキもあったりします。コンボによってデッキ内の不要なカードをどんどんトラッシュに送り込むあのデッキは、リソースデッキの概念の真逆を行く存在ですね。
 また、W無色アタッカー型のシビビール派生とレックウザEX型のシビビール派生なら、前者より後者の方が、コンボデッキ寄りにシフトしていると言えるでしょう。
 ところで、例えばサザンダークのようなデッキは、典型的なコンボデッキほどコンボに依存しませんが、典型的なリソースデッキよりはコンボに勝利を依存します。この二つのデッキタイプを結ぶ直線の、ちょうど真ん中ぐらい(それよりはだいぶコンボ寄り?)にあると考えておきましょう。
 ひとまず、あらゆるデッキはこの軸の上のどこかにあると考えてみる、というのが、今回の話の主題です。

 とはいえこれだけでは、ただ概念上で分けただけで何の意味もありません。それぞれの勝利条件について、もう少しだけ詳しく見てみましょう。

■コンボデッキ対リソースデッキ

 コンボデッキとリソースデッキが戦う、と想定してみます。
 コンボデッキはコンボ完成による勝利を目指します。コンボとは、完成することによって相手のデッキを叩き潰すだけのパワーを持ち、だからこそコンボデッキはコンボの完成を第一の主眼にして組まれています。
 リソースデッキは、デッキ内すべてを傾けるほどのコンボを持ちません。個々のリソースのカードパワーをフルに生かし、手札を増やし、相手のカードをアドバンテージとテンポ(手数と速度)で潰していきます。

 この2つのデッキが戦ったとき、勝負の分かれ目は非常に明確ですね。コンボデッキはコンボの完成を目指し、リソースデッキはまずコンボの完成を阻みます。なぜならリソースデッキは、いったん相手のコンボが完成してしまったら、そのパワーには真っ向勝負では太刀打ちできないからです。たとえばラフレシアやゴチルゼルによる「嵌め」がそれですね。
 コンボデッキ側から見れば、リソースデッキがコンボを潰しに来るのは明白です。個々のコンボパーツを守れるような細かなプレイも、コンボデッキ側には要求されます。無警戒にコンボパーツを場に置いてあっさり倒されては意味がありません。
 もしコンボが完成した場合は、コンボデッキ側はリソースデッキ側の狙いを読みながら、基本的にコンボの運用を維持します。リソースデッキ側は、コンボの運用を阻害しにかかるのか、コンボを維持させたまま別の勝ち手段を探すのか、選択を迫られます。
 もちろんポケカには、サイドを取りあうという明確な勝利基準が存在します。サイドレースと呼ばれるその取り合いでは、うまく計算するプレイヤーとしないプレイヤーに、当然はっきりとした差が生じます。
 サイドレースと、コンボを巡る攻防。コンボデッキ対リソースデッキの対戦では、それら2つの勝利手段が複雑に絡み合いながら展開していきます。

■コンボデッキ対コンボデッキ

 次に、コンボデッキ対コンボデッキを想定してみましょう。
 当たり前ですが、勝つためにはまず何よりもコンボを相手より先に成立させ、相手を叩き潰してしまうことです。極論ではじゃんけんや初手の質に依存するその勝利手段のほかにも、しかしもちろん、勝つための手段は存在しています。
 代表的なのが、相手のコンボを阻害してしまうというものです。カメレアコロロの海となったあるときの旧環境には、相手のカメレアコロロに勝つために、デンリュウexやウツボット(e3)を積んで相手のコンボそのものを潰せるカメレアコロロなんてものまでいました。
 もちろん、それぞれのコンボデッキごとに勝ち方は異なるでしょう。コンボの完成難易度もデッキによって違い、コンボごとの相性もあるはずです。けれど原則としては、相手のコンボ成立を遅らせるプレイも含めたコンボの完成速度、それからコンボ完成後はその運用の上手さが勝負の分かれ目になるでしょう。

■リソースデッキ対リソースデッキ

 そして、リソースデッキ対リソースデッキです。
 リソースデッキの基本的なコンセプトが、相手よりアドバンテージとテンポで(あるいは手数と速度で)上回り続けて勝つことだとすれば、この両者の戦いは当然、それを巡る攻防になります。つまり、相手より上手くデッキ内の個々のリソースを管理し運用し、相手のリソースを効率よく潰して、アドバンテージやテンポで上回るということです。
 もちろん、場合によっては、アドバンテージを諦めてテンポで逃げ切るゲームプランを選択することもあれば、テンポよりも最終的にアドバンテージで潰し切るゲームプランも取り得ます。
 かつての環境で、ガブレンミラーが多発しました。そのときに起こっていたのは、ちょうどアドバンテージとテンポを巡る戦いです。ドクロッグやカイリューがどうこうとか、サポーターやグッズの配分とか、それらは外面的な問題に過ぎません。それらはすべて、相手の動きや主軸の攻撃に対し、どうすればアドバンテージやテンポで上回れるか考え抜かれた結果だからです。
 もし対戦中、相手よりアドバンテージやテンポで一時的に遅れてしまったとき、どうプレイすればいいか、それもまたリソースデッキのミラーマッチでは大切なことのひとつです。

■まとめ

 ここまでつらつらと(そして長々と)書いてきたのは、ある意味では抽象的な話にすぎません。ひとくちにコンボデッキといってもコンボの種類はそれぞれ全然違い、リソースデッキもまた、カード選択次第で様々な動きが可能だからです。あるいは、誰もが当然のように知っている話だったかもしれません。
 結局のところ重要なのは、勝つためにはどうプレイすればいいか、という問題です。
 基本的にポケカはサイド6枚を取った方が勝ちです。しかしそれに至るまでの道筋はたくさんあります。勝ち筋を辿るのが上手いプレイヤーは、当然ほかのプレイヤーよりも強いプレイヤーでしょう。対戦前に、あるいは対戦中に、勝ち筋を知り、見つけることは、勝つために最も大切なことのひとつです。
 自分のデッキが(相手よりも)コンボデッキ寄りなのか、リソースデッキ寄りなのか。
 デッキ構築の際、あるいは対戦の際にそれを知っておくことは、勝ち筋を見出して拾い上げるために、少なからず意義のあることだと僕は勝手に考えています。


■補論

 自分が思っていることをいくつか補足します。
 アチャマスさんの世界大会レポート(http://teamachamo.diarynote.jp/201208181343207088/)の序盤でさりげなく書かれていた「(CMTは)序盤トルネEXだけで攻めてきて途中でシビシラス並べるプレイングをしてくる雷は苦手ですが」の一文は、リソースデッキに対するコンボデッキの振る舞いの典型例ですね。コンボデッキ寄りであるビール派生は、当然リソースデッキ寄りのCMTから自分のコンボパーツ(ビールライン)を守る必要があります。序盤にトルネをぶつけてコンボの損失を抑えつつテンポ面でも遅れないようにしながら、場の落ち着いた途中からコンボパーツを置きに行くプレイは、リソースデッキ側が勝ち筋を見つけるのを難しくします。
 また、プリニーさんのダークサザン考察(http://pr1nny.diarynote.jp/201211280050303340/)の終わり付近の、「サザンなくとも別に戦える。一応だけど。モノズに4ターン+キャッチャー4個使ってくれたらなんとかなる」は、今回の文章に無理やり絡めるならば、コンボデッキ寄りの動き(サザン軸)からリソースデッキ寄りの動き(サザンなしヤミラミダーク軸)へと対戦中に動きをシフトさせることだ、と言えるかもしれません。
 ともかく、今回の論はあくまで抽象的な話でしたが、上手いプレイヤーは意識的にせよ無意識的にせよ、ほぼ例外なくこういったことをやっているだろうと思います。
 連続の海外ネタ、もといThe Deck Outネタで恐縮ですが、管理人Esaからメールでこんな質問がありました。

「今回バンクーバーになるまで、WCSはずっとアメリカ開催だったよね。ところで日本のプレイヤーからすれば、WCSってどこで開催してもらいたい?」

 質問のあとに(ブログで訊いてもいいかもね)と添えてあったので、ならばと愚直にアンケートにしてみることにしました。
 というわけで、読んでくれている人向けに、アンケートを取ってみたいと思います。自分の貧弱ブログのコメ欄でどこまで解答が得られるかわかりませんが……。

 ちなみに自分としては、行ったことがないという単純な理由でイギリスです。そもそも今年のバンクーバーだって行けない可能性の方が圧倒的に高すぎるんですけどね!
〔※前回(http://ukinins.diarynote.jp/201301201246162767/)からの続きです〕


3回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/ルギアEX)

 またもや相手が先攻で、バトル場でオープンしたのはボルトロスEXだ。ただ今回は、こちらもミュウツーEXスタートという栄誉に与れた。まあ少なくとも即死はないね! 2ターン目までにデオキ3体をベンチに並べた相手に対して、僕は序盤はリソース切れ狙いに徹した。キャッチャーとハンマー嵌めでいけるはずだ。相手はダブル無色4枚なんて入れてないだろうからね。

 こっちの読みは正しかった。相手がこっちのヤミラミとミュウツーを倒したあと、Nを撃ちつつキャッチャーを使ったら、相手の引きが死んでくれた。相手が何も引いてないなと気づいてからは、ヤミラミを動かす必要はなくなってナイトスピアでデオキを殴ることにした。前に呼ばれるたび彼はバトル場からデオキシスを逃がした(けれど僕から見ればこれは奇妙だ。これだと僕はずっとサイド6枚のままだからNが効かないからね)。最終的に彼は、僕が最初のデオキシスを倒したときにNを撃った。それでも彼は回復系のカードにはたどり着けなかった。向こうのポケモンにかなりダメージを載せてあったから、最後は悪のツメ+ナイトスピアで同時にサイドを4枚取りできた。

2-1


 この時点で僕にとっては、このマッチアップはかなり気が楽だったし、ハンマータイムの方が有利だなと思った。だから何か新しいデッキと当たりたかったんだけど、果たして……。


4回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/ルギアEX)

 今の日本で一番使われてるデッキは何かってもう言う必要ないよね! 僕は初めて先攻を取れて、しかもヤミラミスタートだからこれは相当なアドバンテージだ。ダークパッチとつけかえで、2ターン目にはダークライを起動できた上、ボルトロスのワザでエネのついたベンチポケモンから、改ハンでエネを剥がせた。完全に有利に立てたね。

 そうなってしまえば、後ろ向きにゲームを進めなくていいし、ハンマー嵌めに頼る必要さえない。毒解除用のケルディオがないとはいえ、きせき付きダークライはきせきなしのダークライなんかよりずっと強力だ。いつでも逃げられてきずぐすりもゴールドポーションもあるダークライは、ボルトロスにとっては文字通りの悪夢だろうね。

 ただこのゲームでは、一度だけゲームの分かれ目があった。それはどくさいみん光線でこっちのダークライが眠らされたときだけど、運良くこっちはポケモンチェックで表を出すことができた。今思えば、もし裏だったらかなりきついゲームになってたはずだ。ただあの時点では、そんなに意味のあるコインには思えなかったんだ。まあケルディオさえ持ってればそんな問題は起きないんだけど、ともかくダークライの圧倒的なパワーのおかげで、ゲームには容易に勝つことができた。

3-1


 その場にいたプレイヤーたちは僕にかなりの興味を持ってくれて、試合のたびにたくさんの人が僕のプレイを見ていた。大会の後はカードにサインを頼まれたし、来たことへの感謝も述べてくれた。

 大会の参加費は230円(だいたい2ユーロ)だったけど、賞品はデッキボックスからスリーブやバインダーまであって、どれもかなりかっこよかった。大会前に、お店の壁にすごいかっこいいデッキボックスが掛かってるのを見て、あれ買いたいなと思ってたんだけど、それは大会用の賞品だった。僕の結果は3-1だったから、賞品にあのデッキボックスをもらえるかもと思っていた。けれど、1試合サイド0-6で負けた試合があったせいで3-1組の中では一番下の成績らしくて、賞品はスリーブをもらえただけだった。

 賞品が配られたあとで僕はガールフレンドから、手伝いに来てと頼まれた(彼女は買い物しすぎた上に外がひどい吹雪だったから、僕がカバンとかを持たなくちゃいけなくなったんだ)。だから2回目の大会までお店にいることはできなかった(参加したかったんだけどね)。そのときあむさんが僕のところに来て、もう行っちゃうのかと訊いた。僕が事情を説明すると、あむさんは僕に待っててと言った。しばらくすると彼は、(たぶん)こっち独自のポケカ公式スリーブ70枚(大会で使うのにもいいね!)と、それに、僕が目を引かれたあのデッキボックスを抱えて僕のところに戻ってきたんだ(あのデッキボックスのことは誰にも言ってないのに!)。僕はあむさんに感謝した。けれど今ここで、僕は改めて彼に感謝の気持ちを伝えたい。このデッキボックスとスリーブは、本当にとってもものすごくかっこいい! あむさん、本当にありがとう!

 日本で撮ったポケモン関係の写真は、できるだけ早くブログに上げようと思う。

 最後になるけれど、今回の大会は、僕の長いポケカ暦の中でも最高の経験のひとつだ。決して忘れることはないだろうと思う。プレイヤーはみんなすごくいい人で、その場の雰囲気も素晴らしかった。もしもきみに、日本に行く機会が巡ってきたら、ぜひ現地の大会に出てみてほしい。それだけの価値は絶対にあるよ!


さて次は?

 今年のトーナメントシーズンは、ここまでは僕にとってずいぶん穏やかだった。他の人がアメリカのCitiesに17回も参戦したってのを読んだりしたけど、僕から見てもそれはとんでもない数だ。まったく、僕は今期一度もCitiesに出てないのにね! ともかく、今は日本から帰ってきたし(まあこれを書いている今は飛行機の中だけど)、これからは僕にとっても少し慌しくなりそうだ。明日は今期最初のCitiesに出る予定で、かなりわくわくしている。げんなりしてるのが時差ぼけだ。明日の大会中もずっと悩まされそうだからね!

 それからCCs〔※訳注:Citiesと同じ〕から2週間後にはすぐ、また飛行機でフィンランドを離れて、今度はオランダでのヨーロッパチャレンジカップに参戦するつもりだ! ECCは例年同様の盛り上がりになるはずだし、僕としても、少なくともこれまでの年(2度トップ16に残った)くらいの成績は残せることを願っている。

 最後に、自分用メモ:僕は貧乏学生なんだから、本当はこんなに旅行すべきじゃないはずなんだ。残りの大学生活をヌードルで食いつなぐ羽目になっちゃうからね!

 ここまで読んでくれてありがとう。もし日本に関してとか、大会レポートについて何かあれば、遠慮なく訊いてほしい。コメント欄か次のエントリで、質問には全部答えるつもりだ!


 追伸:日本についての情報をもっと探している人たち、心配しなくていいよ! 時差ぼけから復活し次第、もっと詳しいEye on Japanエントリを上げるつもりでいる。今回は、記憶があるうちに概略をなぞりつつ大会レポートを書いておきたかったんだ。

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

 以上になります。拙い訳文ですが、読んでいただきありがとうございました。
 後日談ですが、Esaも後で自分のエントリに書くでしょうけれど、
「日本の大会がサイド差で順位を決めるなんて知らなかったんだよ」(2戦目と最終結果を指して)
 とのこと。
「だから日本勢のデッキはいつも、海外勢のよりもまっすぐ殴るデッキが多いのかもね」とは本人の感想ですが、前環境の海外での2進化やロック系デッキの発展を見るに、この意見はけっこう的を射ているのかもしれません。

 また、レポート本文に倣うわけではないですが、Esa自身も日本側のリアクションを知りたがっているようです。
 誤訳の指摘や意見や感想などなど、もし何かあれば、ぜひコメントいただければと思います。
 ご存知の方も多いかもしれませんが、Esa Juntunenというフィンランドの強豪プレイヤーが、1月9日から18日にかけて、東京に旅行に来ていました。
 その旅行で秋葉原チェルモに参戦したときのことを、本人がブログでレポートとして書いています。
http://www.thedeckout.com/2013/01/eye-on-japan-tournament-report-from.html
 今回はせっかくなので、そのレポートを翻訳することにしました。本当はその場にいた東京の方々の方がふさわしい気もするのですが、今回は他の方々同様、上のレポートの読者の一人として訳してみました、ということでご容赦いただければ。Esaとメールのやりとりをしていた関係で僕の名前が何度か出てきますが、どうかお気になさらずに……。
 翻訳の許可はもらっていますが、誤訳の責任はすべて僕うきにんに属します。()内は原文ママ、〔〕内は僕の訳注めいたものです。
 もし興味のある方は、ぜひ原文も読んでみてください。

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

Eye on Japan: Tournament report from Tokyo!
Friday, January 18, 2013
http://www.thedeckout.com/2013/01/eye-on-japan-tournament-report-from.html


 みんな、こんにちは!

 これを書いているのは東京からフィンランドへ戻る飛行機の中だ。東京旅行は本当に最高だった。でもこのブログはポケカのことに絞って書いてるから、旅行の細かいことよりも、みんなが関心のあることについて詳しく書こうと思う――大会に出て体験したことと、日本のメタゲームだ。

 僕はこれまで、4つの国でポケカをプレイする機会に恵まれてきた。フィンランドではありとあらゆる大会に出た。スウェーデンではCitiesとRegionalsに出たし、オランダではECCに出た〔※訳注:それぞれ、都市別大会、国別代表決定戦、ヨーロッパチャレンジカップ〕。それにアメリカでの世界大会にも参加したしね。東京でも大会に出れたおかげで、これで5ヶ国でプレイしたことになるね! 確かに、中には僕よりもたくさんの国でプレイしてきたプレイヤーもいると思う。けれどそれでも、これだけ多くの国でプレイできて、良い人たちにもたくさんめぐり合えた自分は、本当に恵まれていると思うんだ。

 結局のところ、僕にとってポケカは、何よりも国境を越えたゲームだ。フィンランドのポケカ人口は年々減ってきている。もしこのような、国を越えるつながりがなかったら、このゲームはあっというまにつまらないものになってしまうだろうね。

 このエントリは、幸運にも僕が知り合うことのできた、それら国境を越える全てのポケカプレイヤーたちひとりひとりに捧げたい。僕が体験して感じたすばらしさを、うまく伝えることができたらと強く願っている。
 それじゃあ始めようか!


 東京では、「チェルモ」というお店の大会に出ることにしていた。とはいえ東京に行くのは初めてで、お店の場所も全然わからないから、たどり着くための案内みたいなものが必要だ。ありがたいことに、うきにんさんが東京のあむさんの連絡先を教えてくれたし、あむさんは僕に、大会の日時や地図を送ってくれた。旅行初日に秋葉原に行ったときは、地図を持っていかなかったせいでお店を見つけられなかった。けれど月曜日に改めて秋葉原に来てみたら、実は初日にお店の前を2度も通り過ぎてたことに気づいたんだけどね!

 日本に持っていったのは、ミュウツーをタッチしたハンマータイム(Regionalsで使ったやつ)と、あとは適当なカードだけだった〔※訳注:Hammertimeはいわゆるクラハンヤミラミ〕。日本に行く前にうきにんさんと日本の環境について話してたけど、僕はボルトロスEX/デオキシスEXがそこそこいて、あとは海外と同じようなデッキとあたるだろうと踏んでいた。とはいえ、日本のカードを買うつもりがなかったこともあって、タチワキシティジムとどくさいみん光線のコンボに対して、僕はほとんど無防備だった(何より、毒の解除に役立つっていうケルディオEXを僕は1枚も持ってなかった)。まあとりあえず、ボルトロスEXがハンマータイムに向かってくるときのことを考えたら、デッキにテラキオンを仕込んでおきたかった。なのに手持ちのカードを見てみたら、テラキオンも闘エネも持ってきてなかったんだよ! ……間抜けとしか言いようがないね。それでミュウツーEX入りで出るしかなかった(大会中は全く役に立たなかったけど)。

 ついでに言っておくなら、Boundaries Crossedは内容が酷いことになってたし、そのセットのカードを僕は1枚も買ってなかった〔※訳注:Boundaries CrossedはBW6に相当〕。だから大会に出たこの時点で、僕は実際、日本のプレイヤーより3セットぶん時代遅れだったわけだね(笑)。大会に持ち込んだデッキはこんな感じだった。

4 ダークライEX
4 ヤミラミ
1 ミュウツーEX

4 アララギ博士
4 N
3 ベル
2 ランダムレシーバー

4 ハイパーボール
4 ダークパッチ
4 ポケモンキャッチャー
3 クラッシュハンマー
2 改造ハンマー
2 エネルギーつけかえ
2 しんかのきせき
1 悪のツメ
1 ツールスクラッパー
1 まんたんのくすり
1 きずぐすり

13 悪エネルギー

 驚くような部分は何もないね。まだエーススペックを持ってなかったせいで、このデッキのMVPが入ってないってことを除けばだけど。僕の意見では、デッキに十分な枚数のドローソースが入っているなら、ハンマータイムではパソコン通信よりゴールドポーションの方がいいと思う(ただこの大会では13枚のドロソは十分じゃないってことを思い知らされた)。

 ともあれ、大会当日になって僕は簡単にお店の場所を発見できた。小さいけど、こじんまりとして居心地のいいお店で、たくさんの人がいろいろなカードゲームで遊んでいた。ただ僕にできたのは、シングルカードの値段を羨望のまなざしで眺めることぐらいだった。バカみたいに安かったからね。そのとき、とある1枚のカードがとりわけ目に付いた。日本語版のゴールドポーションが、3.5ユーロ(4ドルくらい)だ。海外では日本語版カードは使えないけど、たとえ今回の大会ただ1度きりのためだけだとしても、これはかなりお買い得に思えた。それでもこの時点では、ただ見ていただけで買いはしなかった。

 そして、ついにあむさんと会うことができた。あむさんは僕が大会に受け付けするのを手伝ってくれた。僕の名前は、たとえば英語式に文字を発音するとかなり違うんだけど、フィンランド語での発音と日本語での発音はかなり似ていた。だから日本のプレイヤーには、僕の名前はかなり発音しやすかったみたいだ。大会は時間通りに始まったけど、笑えることに1回戦であむさんと当たってしまった。席につきながらも僕は、ちょっとでも勝つ見込みを増やすためにはやっぱりゴールドポーションを買っておくべきだったと思っていた。ただ、ジムチャレンジトーナメントではデッキ記入用紙は配られなかった。だから僕はその場でデッキの内容を変えることができた。僕はあむさんにカードを1枚買って戻ってくると伝えてから、ゴールドポーションを買ってデッキ内のまんたんのくすりを抜いた。最終的に、ゴールドポーションのおかげで何試合も勝ちを拾うことができたんだ(繰り返して言っておこう)。

 大会の説明は全部日本語だったから、何回戦があって何人が参加しているのか見当もつかなかった。それでもありがたいことに、ポケモンは世界共通語だからね。それと、もし読者のみんなが対戦相手のデッキ内容がわからないときのために、各マッチの説明のあとにカード名の翻訳を付け足しておいた。


1回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/ルギアEX)

 ヤミラミ1匹スタートで先攻だった〔※訳注:原文では先攻に読めるのですが、後の文章と矛盾するためこれは後攻の間違いだと思われます〕。彼はボルトロスEXスタートで、これは困ったなと思った。そのデッキは多少プレイテストしたけど、相当に速くてアグレッシブだ。ただ、このマッチアップ自体はハンマータイムには有利だ。こっちは向こうの早いプレッシャーにも耐えられる。だって相手は特殊エネルギーしか使ってこないからね! とはいっても、こっちはハンマー嵌めだけで勝つことはできない。ボルトロスEXは上のワザでトラッシュからエネを拾えるからね。

 どくさいみん光線、タチワキシティジムやデオキシスEXのおかげで、1ターン目にヤミラミを1発できぜつさせることなんて難しくもなんともない。彼は1ターン目にフウロをプレイした。これはタチワキシティジム+デオキシスEX+どくさいみん光線=終了、かなと思った。運良く向こうはどくさいみん光線を握ってなくて、僕は1ターン延命することができた。彼はデオキシスEXを置いて、ヤミラミに40ダメージでエンドした。

 こっちの手札にはありがたくもゴールドポーションがあった。だから僕はヤミラミを回復させて、しんかのきせきを貼ってから展開し始めた。2ターン目にも倒されなかったおかげでかなり展開しやすかった。ハンマーで妨害を始めてみたら、早い段階でハンマーがけっこう表を出してくれたおかげで、向こうがエネをつけるのを完全に阻害できた。4ターン目までに彼はこちらのヤミラミを2体倒し、僕はNで相手の手札を4枚にしてからハンマーをボルトロスEXに撃ってエネを1枚だけにして、ダークライEXで殴り始めた。
〔※訳注:最後のハンマーをボルトに撃つくだりは、原文では "Hammered his Thundurus EX to one energy"。文法的には「ボルトEXにハンマーを撃って、エネを1枚まで減らした」の意味になると思うのですが、文脈を考えたら「ボルトEXについてたエネ1枚めがけてハンマーを撃った」の意味な気もします。いちおう今回は前者で訳しました〕

 いったん殴り始めたら、ダークライEXでサイドを5枚取ることができた。ゴールドポーションはトラッシュからジャンクハントで回収した。向こうはしんかのきせきを入れてないから、ナイトスピアはベンチに並ぶEX軍団(とキュレム)にはかなり壊滅的な効果を発揮できた。

 ゲーム終盤は覚えてないけど、最後まで相当拮抗したゲームだったのは思い出せる。ただ最終的に彼のデッキのリソース(いれかえやエネルギー)が尽き果てて、こちらがナイトスピアで勝つことができた。彼はつねにバトル場のアタッカーを入れ替えて戦ってきていた。だからゲーム終盤は、Nを浴びたあとにキャッチャーを引き込めなかったせいもあって、簡単にサイドを取るというわけにはいかなかった。

 参加者のほとんどが僕たちの周りに集まっていたことに、対戦が終わってから気が付いた。するとみんなが、丁寧な感じに拍手をしてくれた。僕はとてもびっくりしたけれど、その拍手のおかげで、試合や大会全体が、とてもいい雰囲気に感じられた。

1-0


2回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/カビゴン)

 またしてもヤミラミ1匹スタート。ただその前に5枚もたね無しでマリガンしたんだけどね! 向こうが先攻だったし、こっちが何度もマリガンしたからかなりマズい感じだ。こっちは1キルされるのを座って待ってたけど、またしてもありがたいことに、彼は1ターン目にフウロをプレイ、そしてヤミラミに50ダメージだけでターンを終えた。僕は初手にきずぐすりとしんかのきせきを引けていたから、まずヤミラミを30回復してきせきを貼ってから、キャッチャーでベンチのデオキを呼んでハンマーを撃ちつつ展開し始めた。けれど展開はなかなかうまくいかなかった。ちょっとした原因のせいでね――サポーターがない! さっきの試合でも終盤にドローソースが引けてないって問題があったけど、今回はそれが序盤に起こったわけだ。この時点で僕はもう、デッキの中のサポーターが少なすぎるってことに気づかされていた。

 2ターン目に彼はカビゴンをベンチに出した。それを見て僕はチャンスが来たなと思った。カビゴンは攻撃に5エネが必要で、逃げるコストは4だ。ハンマー嵌めと、デッキ切れまでキャッチャーし続けるターゲットとしては、こいつ以上にふさわしいのはいない。けれど、勝ち筋に気づいたのと同時に、ヤミラミが2体サイド落ちしているのにも気づいていた。げんきのかけらもすごいつりざおも入れてない以上、もしヤミラミを生き延びさせられなかったら、これは困ったことになる。

 僕がひたすら相手のリソース切れを狙ってるってことを相手に気づかれないように、僕はナイトスピアとジャンクハントを使うバランスに苦心した。もし彼が気づいたら、真っ先にこっちのヤミラミを潰しにくるだろうからで、そうなればこっちは負けるほかない(マリガンと後攻のせいで、こっちはかなり出遅れている)。

 終盤、相手はポケモンいれかえを使い果たし、あと僕がやるべきなのはカビゴンのエネを剥がしてしまうことだけだった(クラハンのコインが悲惨だったせいでカビゴンには既に5エネがついていた)。それでもゲームを通じて結局コインの表が全然出ず、開始時のマリガンとヤミラミのサイド落ちも相まって、僕はサイド0-6で負けてしまうことになった。序盤から出遅れすぎたのと、Nで流された最後の改ハンを引き込めなかったこともあって、サイドは1枚も取れなかった。最終的に、彼はスクランブルスイッチでゲームを終わらせた。計算してはいたけど、向こうがそれを入れてるかどうかまでは自信がなかったんだ。ベンチにデオキ2体ありの5エネカビゴンって、きせき付きダークライでも叩き潰せるぐらいのすさまじい打点が出るんだよね……(200ダメージ!)

1-1


〔※少し長いので次回に続きます!〕
 昨日アクロママシーン問題に便乗して載せたボール裁定と非公開情報問題ですが、あのあとこっそりと公式にメールフォームで問い合わせをしてみました。
 僕のケースがアクロママシーン問題と異なるのは、「非公開情報である山札内に、対象があるにも関わらず、カードを空打ちできるか否か」ですね。
 実際、DN上では「ボールは空打ち可能」という記述をいくつか見かけました。
 しかしそれは、「山札に対象がないとわかっている場合」だけに限定されてないだろうか?と疑問に思っていたからです。
 要点としては3点です(略述します)。

①山札内にポケモンがあるにも関わらずモンボで「ありませんでした」はルール違反か。
②もしそうならば、相手がボール使用後「ありませんでした」と言った場合、ジャッジを呼んで山札を確認したり確認を依頼することは可能か。
③ルール違反である場合、ペナルティはフロアルール準拠でどの程度か。ジャッジ任せかもしれないが、基準や例を示してほしい。

 そして公式回答は(略述しますが)、

①山札内に対象がある場合は、必ず選ばなければいけません。
②もし相手にルール違反があった場合や、プレイマナーについて疑問があれば、必ず、その場で大会主催者やジャッジに申し出ていただき、その判断に従っていただくようお願いいたします。
③ペナルティはジャッジや大会ごとに判断が異なるため、ご案内することができません。

 以上のようなものでした。
 ここから以下のことがわかります。
・山札に対象がある限り、ボールは空打ちできない。
・そして相手のボール(ないしサーチカード)の挙動に疑問を抱いた場合は、即ジャッジを呼び判断を仰ぐことができる(ボール空打ち→ベル使用等)。
・たとえ空打ち条件下(山札に対象がない)でサーチカードを使ったとしても、常にジャッジを呼ばれる可能性はある。同時に相手はジャッジを呼び判断を仰ぐことができる。

 結論:空打ちされたらジャッジを呼ぼう!相手にペナルティがあるかもしれないぞ!

 ……本当にいいのかそれで。

 ちなみに、メールフォームは案外回答が早いのでお勧めです。今までの感覚では、夜に出せば翌日中には返答が来ます。文章で来るので考えの整理にも都合がいいですしね。
 いまDNで話題になっているアクロママシーン問題は、ポケカにおける非公開情報の範囲ないし定義が議論の主題になっているようです。
 しかしそもそもポケカの現行ルールでは、非公開情報の扱いそのものが極めてあいまい(悪く言えばいい加減)なため、これはアクロママシーンに限らず、現行ルールの根本に関わる問題だとも思います。

 以下は比較的有名な裁定ですが、ポケカにおける非公開情報の扱いそのものがうまく裁定されない限りは、今回のような問題は永遠になくならないでしょう。
Q :グッズ「モンスターボール」を使い、コインを投げてオモテが出た場合、山札の中にポケモンのカードがあるにもかかわらず、山札からポケモンを1枚手札に加えない、ということはできますか?

A:いいえ、山札にたいしょうのカードがある場合は、かならずえらびます。

(ttp://www.pokemon-card.com/faq/card/index.php?id=3346)

 相手からは見えない山札から「かならずえらびます」とはどういうことなんでしょう。

【追記部分】
 この裁定を現環境に引き付けて言えば、プラズマ団のモンスターボール→山札にPzポケがいるのに「いませんでした」は、現行ではルール違反になってしまうんですね。イカサマ? そうかもしれません。
 裁定を守らないプレイヤーが悪いのか、裁定が悪いのか、はてさて。
 ポケカブログで別のTCGの、とりわけMtGの話題を出すのは非常に気が引けるんですが、ここ一年間のネットブログ上の(日本での)MtG界隈というのは、海外サイトの戦略考察記事の翻訳が、質・量ともに非常に向上したという印象がありました。
 海外を絶対視するわけではないにせよ、ためになるものが気軽に読めるのは非常に良いことです。僕もいつもありがたく読んでいました。

 ここで急に話を戻せば、海外に比べ新セット発売が半年早いポケカでは、日本の情報が翻訳され海外に広まるという事態が少なからぬ頻度で起こっています。新カードはもちろん、デッキやメタもそうですね。
 とはいえ現状、大手のウェブサイトがほぼ存在しない日本のポケカの情報は、非常に探しにくいらしいのですが。
 普段非ログイン状態でリンク外のDNまで巡回しまくってる僕でさえも、例えばデオキボルトのレシピなどは、まだ10個も見つけていないはずです。

 まあそれはさておき、逆に海外のポケカ記事が日本で紹介されることって、そういえばあんまりないなあと思ってもいました。それはおそらく、上述の発売ラグが最大の要因かもしれません。
 ここ数年はWCS直前に海外記事を読み漁る人もいると思いますが、それでもWCS2011や2012のドーブルのような、海外で独自に発展している戦術などは、なかなか日本に入ってこないものです。

 あるいは別の要因には、結局は海外でも、戦略記事が少ないという事情があるのかもしれません。世界のTCGの市場規模ではトップ5に入っているはずのポケカですが、ゲームあってのカードという性質上、納得の部分でもあります。
 それでも、面白い記事があるのなら、翻訳してみたいなあとも思っています。ただそれを見つけるまでに力尽きそうな気がしますけれど。実際、海外戦略サイトもメインは、大会レポート掲載と新弾考察ですからね。

 例によって結論なんてありませんが、たまにはこういう話も書きたいのです。
 今週も参加させていただきました。主催の佐奈さんはじめ、参加者のみなさんお疲れさまでした。回線の状態が悪く、対戦者の方には本当にご迷惑をおかけしました……。
 使ったデッキは以下。

4 ミュウツーEX
4 デオキシスEX
2 ビリジオン(BW2)
2 ビクティニ(BTV)

4 アララギ博士
4 N
4 ベル
1 アクロマ

4 ポケモンキャッチャー
4 ハイパーボール
4 アクロママシーン
4 プラズマ団バッジ
4 ポケモンいれかえ
1 パソコン通信

4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
4 ダブル無色エネルギー
2 ブレンドエネルギー草炎超悪

 なんか前回のハッサムがミュウツーEXになっただけですが。
 単純にエックスボールゴリ押しが強いということと、対プラズマでは相手ベンチのデオキを先に狩りに行けるのでメイン使用も正当化されるだろうと思っての採用です。
 ギギギを突破できないので非EXアタッカーとしてもそこそこ優秀なビクティニを入れ、ついでに序盤に引いても強く対カメでも立ち回れるビリジオンを投入。バッジ貼ってデオキ3体並べればリーフスラッガーでカメも一撃で落とせます。みんなが求めていた草ポケとはこういうのではなかったか……?
 あとは必要そうなパーツを4枚ずつ突っ込んで完成です。

 実際の対戦では、初戦でAliceさんのカメケルにミュウツーゴリ押しで勝ち、2戦目にてぃあさんのシビシラスを1キルしてしまい、3戦目にfrozenさんの悪単プラズマに終盤Nを浴び改ハンループに入られかけたらNの2枚の中にベルを引いて勝ち、決勝でシャウトモンさんのデオキボルトに完膚なきまでにボコボコにされて敗戦。ボルトにサイコドライブ120D、キュレムにラセンフォース120Dとか打たざるをえない時点で色々詰んでる……。そしてキュレムは強かった。

 最近デオキEX+バッジのデッキばっかりいじってる気がします。まだいくつかネタはありますが、デッキスペックでは前回のハッサムあたりが限界かなと。必要パーツを引けないとただの貧弱デッキという致命的な欠陥は如何ともしがたいですね。
 そもそもデオキを使うなら、デオキボルトキュレムが高い次元で安定しすぎています。

 あとvaultに関しては、あまりにもフィールド更新が遅かったら窓閉じ→再開クリックで再接続のコンボを発見したのは幸いではあった……。
 あけましておめでとうございます。
 色々あった去年でしたが、何より平穏無事に終えられて良かったと思います。どくさいみん光線のリアルカードさえまだ触ったことがないのにポケカを続けていられるのも、ひとえに文明の利器のおかげですね。何ともすごい時代です。

 とはいえ今の生活もそろそろ終わり、年明けしばらくしてからは、また札幌に戻ってポケカができそうです。自分のポケカ人生が正直どこまで続くのかさっぱりわからないのですが、やるからにはバンクーバー行きを目標にやっていきたいと思います。本当は関東のみらチャン杯さんにも出てみたいのですが、さすがにチャンスが……。

 ともあれ、遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。
 面白いデッキもいっぱい見れて、非常に楽しかったです。運営の方々はじめ、みなさんお疲れさまでした。
 使用デッキは以下。

4 ストライク(BKZ)
4 ハッサム
4 デオキシスEX
2 ミュウツーEX
2 ケルディオEX

4 アララギ博士
4 N
4 ベル
2 アクロマ
1 チェレン

4 ポケモンキャッチャー
4 ハイパーボール
4 プラズマ団バッジ
4 かるいし
1 パソコン通信

8 鋼エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 初戦で主催佐奈さんのタマタママニューラを踏んでしまい、ハッサムが4トラでボコボコ倒されてリソース切れて敗戦w
 基本的にやること一本道のデッキなので解説は省略。ドロソ12+アクロマ2+パソ通1の構築はどうも初手が不安定だなあと感じています。1枚挿しチェレンは、1枚空いてしまった枠に候補を色々迷った挙句とりあえず入れてただけですが、地味に初手事故回避に貢献するという皮肉wでもランレシでいいじゃんアクロマめくるけど……。

 ひとまずポケモンカードはタマタマを出し入れするゲームだということがわかりました。
 マジか、というよりは、ついにかあ、という感じでネットのニュースを読んでいました。

 小学生のころを野球少年団で過ごした僕にとって、テレビで観る巨人の松井は本当にかっこよかった。左利きだから左打席に立っていた僕には、利き手は違えど同じ左打者だというのが本当に嬉しかったものです。他にも有名な選手はたくさんいますが、僕にとっての野球の象徴は、今でも松井で、これからもずっとそうでしょう。

 なんでしょう、うまく言葉にできませんね。
 阪神遠山にやられたり、ペタジーニや山崎に本塁打王を持っていかれたりもしましたが、それでも松井は強かった。無敵ではない、でも強かった。映画やアニメや漫画などでも、強い、かっこいいものはたくさんあります、それでもかつて見た松井の姿に勝るものには、未だ出会ったことはありません。人はそれを、思い出補正と呼ぶのでしょうか。

 恥ずかしい自分語りはこのくらいにしておきます。
 なんだか、お疲れ様もありがとうもどこか違っていて、〆の言葉も見つけることができません。
 週末にPokecaVaultで大会があるという情報を目にしていたんですが、Vaultをそもそも使ったことがない上に週末の予定が未定なので断念。
 出るとしたら使っていたであろう新弾デッキを晒しておきます。

4 サンダーEX
4 デオキシスEX
4 ビクティニ(BW2)
2 ケルディオEX

4 アララギ博士
4 ベル
4 N
1 アクロマ

4 アクロママシーン
4 かるいし
3 プラズマ団のモンスターボール
3 ポケモンキャッチャー
3 しんかのきせき
1 ハイパーボール
1 パソコン通信
1 ポケモンセンター
1 凍てついた街

8 雷エネルギー
4 プラズマエネルギー

 存在を忘れられていそうなサンダーEXで遊ぶデッキです。
 デオキのおかげで打点が上がったので、こうそくいどうが使いやすくなりました。パワーボルテージと合わせて無傷で相手のEXを倒すことも可能です。
 元々はこうそくいどう連打の合間にポケセン石ケルでサンダーを回復させるコンセプトだったのですが、実際は全然使わず相手に利用されまくるだけだったのでポケセンがどんどん減っていきました。
 だいたいどこかでコインをミスって負けるのはご愛嬌。

 ついでに調整中のデオキボルトも貼っておきます。
 デオキボルトは参考になるレシピがほとんど公開されていない上、いまは完全に一人調整なので、周囲がどんな形のデオキボルトを使っているのか全くわかっていませんw
 間違いなく世間のメタから周回遅れになってると思うのですが。

4 デオキシスEX
3 ボルトロスEX
1 トルネロスEX(BW8)
1 キュレム(BW8)
1 ルギアEX

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
1 アクロマ
1 ベル

4 プラズマ団のモンスターボール
4 ポケモンキャッチャー
4 アクロママシーン
4 どくさいみん光線
3 かるいし
2 タチワキシティジム
1 まんたんのくすり
1 ポケモンいれかえ
1 パソコン通信

4 プラズマエネルギー
4 プリズムエネルギー
2 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
2 ダブル無色エネルギー

 ちょっと初動が不安定なことと、終盤のNゲーを考慮してドロソを少し厚めに積んであります。別に削ってもいいですね。
 本来まんたんは2~3か0かのカードなので今はかなり半端。
 一時期ヤミラミとか入っていたんですが、エネ貼るタイミングが無くて没に。コバルオンEX以外の非プラズマ投入はちょっと無理があったか。
 アタッカーの枚数やグッズ回りも綺麗にしたいので、デッキとしてはまだまだです。

※たっぴー日記見てからの追記
 かるいし&いれかえの枠4枚の部分ももちろん検討の余地ありです。
 毒催眠環境下だといれかえはできるだけ多く欲しいですが、貼ってからドロソを打ちにいけるかるいしが初動ではかなり強いことと、逃げ0カードを置いておきたいデッキなので、今はかるいしを試用の意味でも多めに入れています。素直にいれかえ3ないし4の方が環境に合っているかもしれません。
 ここに関しては他の方の意見も聞いてみたいところです。
 DNのカード評価では、今弾最弱との呼び声も高いラティオスEX。
 なぜか下のワザの打点ばかりが話題になっていますが、しかしこのカードの特徴は、本来ならば上のワザにあるはずです。
 石ケルキャンセルが流行しそうな今、逃げるロックはケル本体を含めたベンチの置物に非常に効果的に見えます。プラズマ系の増加もいわずもがな。
 ラティオスは逃げるロック持ちの中では高いHP170。たねなので動きに幅ができ、ドラゴンなのでチルタリスの打点底上げも効きます。
 EXからサイド2枚をもぎ取れるラスターパージという決めワザもあることで、従来の逃げるロック持ちカードの中では実は相当な高スペックです。

 というわけで、デッキを組んでみました(もちろんwisdomで)。
 チルタリス、キュウコン、ダストダス、色々な候補がありましたが……。

4 ラティオスEX
4 デスマス
4 デスカーン(BW8)
2 ケルディオEX

4 アララギ博士
4 N
4 ベル
2 ランダムレシーバー

4 ポケモンキャッチャー
4 ハイパーボール
4 どくさいみん光線
4 かるいし
2 しんかのきせき
2 タチワキシティジム
1 ダウジングマシン

8 超
2 水
1 プリズムエネルギー

 相変わらず全体的に適当ですが。
 コンセプトは、ラティ×2、デスカーン×3です。
 相手エンド時か自ターン途中にサイドを引くことで永続的にロックを行い、最後はラスターパージでサイドをもぎ取って終了という流れ、のはず。
 ダスト型ではないのでカメケルは速攻投了で、普通のデッキにケル2体並べられてもきついのですが。
 しかしながら、スパー相手として選んだトルネデオキボルトにも、まさかの勝率ほぼ0。そもそも速攻がキツい上、動きがばれると完全終了。まあプラズマが速すぎるのですが。
 加えて都合よくキャッチャーが引けずロックが途切れたりと、なかなか散々な結果に。

 チルタを置けば60+60+毒催眠往復60でEXを2ターン後の相手エンドに殺せるというのも試しはしたものの、実際は都合よくいかないものです。
 結局のところ最弱EXの座を守ってしまうのか、今後のラティオスの運命やいかに。

 完成度が低すぎて晒すべきデッキではなかった説は大いにある。

BW8とトルネロス

2012年12月16日
 リストが出回ってから6つぐらいデッキを考えていて、そこから一応そこそこ戦えるのが出てきたのでネタ被り覚悟で晒しておきます。

4 トルネロスEX(BW8)
4 デオキシスEX
1 ボルトロスEX

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ

4 プラズマ団のモンスターボール
4 ポケモンキャッチャー
4 アクロママシーン
4 どくさいみん光線
4 リサイクル
4 かるいし
2 タチワキシティジム
1 パソコン通信

4 プラズマエネルギー
4 プリズムエネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 色々な所に練りこみの甘さが見えますね。
 Nより縦引きかもしれません。構築を少し変えてじてんしゃもアリかな。リサイクルはダークトリニティでもいけるのかも。
 まあ、トルネは想像以上にというか相当速いです。後手だとちょっと厳しいですし、何かが足りないような気がしなくもないのですが……。

 新弾は面白いカードが多いので、前弾と違ってメタの変化はまだ予想ができませんね。
 ただ、コンボ向きカードや中速志向のカードが多いわりには環境は早いので、そのへんの折り合いがどうなるかが気になります。
 あと石ケルは便利だけど便利過ぎて過信したら駄目な気もする。構築との相談も大事。

 もういくつか練ってるのがあるんですが、果たして晒せるレベルになるのかどうか。たぶんならないな。
 公式ブログの更新ラッシュの中に、プラズマ団制圧イベントなる企画が載っていましたね。ご存知の通り札幌は12月23日です。そして例によって重なるSIP杯。何か前も日程が重なったような。
 他の自主大会さんだとあまり日程が被ったという話は聞かないのですが、SIP杯は公式日程と結構シンクロしています。

 公式のイベント開催はありがたいのですが、告知が開催日の2~3週間前というのはちょっと……というわけで、お問い合わせフォームからメールしてみました。ゲストも来るらしいこういうイベントだと、発表が遅くなるのは仕方ないと思うんですけどね。
 できればもう少し早めに告知していただけると大変助かるのですが……という感じの内容です。
 実は土曜日に送っていたのですが、その日のうちに返事が来ていました。内容はおおよそ定型文なので省略しますが、思いのほか早かったのでびっくりです。

 みれさんも日記で書いていらっしゃいましたが、今はかなり要望が反映されやすくなっていると思います。
 まあ告知もう少し早くというのは我ながらちょっとクレイマーぎりぎりな気がしなくもないのですが;、お問い合わせフォーム、イベントに関してはうまく活用すべきかもしれませんね。
 とはいえ、論争なのかもわからない代物でしたけど。
 いくつもの箴言と暴論が飛び交い、批判側、擁護側、両者が行き着いた穏当な着地点は「それに勝てるデッキを他のプレイヤーが探せばいい」というあたりにありそうです。
 が、優勝デッキよりも強いデッキが簡単に見つかったら苦労はしないですし、そもそもこの問題、批判するにせよ擁護するにせよ、プレイヤー側には全く責任はないはずなのですが……。

 過去と比較しても、ダイヤやパールより酷いという評価は気休めにしかならず、ましてダイヤやパールの方が酷かったなどというのは耳を貸しても仕方がない類の話です。
 僕の手元にはトロピカルビーチがありますが、しれっと次回大会で禁止されたところで、文句を言うつもりは全然ありません。
 世界に限定数しかない強力なカードなんて、漫画やアニメの中だけでお腹いっぱいな設定のはずですから。

 それはそれとして。
 この速攻環境において、長いトーナメントを2進化デッキで勝ち抜いた入賞者は、本当にすばらしいと思います。
 デッキ構成は推測の域を出ませんが、それ以上に重要なのはプレイスキルだったはずです。
 とりわけ、たねポケモンの出し方や出すタイミングが甘くて勝ちを逃す進化デッキプレイヤーは、この環境では多く見てきました。序盤~中盤のプレイスキルなしに入賞はできなかったでしょう。
 今回の大会結果の裏側にあったものは、実は進化デッキの使い方の上手さだったのではないか、とひっそり思ったのでした。
 何よりもまず、お疲れさまでした。
 ジュニアはシュウくん貫禄の優勝だったそうですが(おめでとうございます)、札幌ジュニア勢、大健闘だったみたいですね。SIP杯やジムチャレ常連の名前がいくつも聞こえてきて、僕も内心かなりうれしかったです。

 マスター。ご存知の方も多いですが、
http://amuamu.diarynote.jp/201211051605112149/
 あむさんのブログで優勝デッキが紹介されています。
 とても洗練された、美しいデッキです。初見で思わずおおおと声が出ましたw
 ダークライとケルディオを絡ませる戦い方はちらほら聞いてはいましたが(と後出しジャンケンの顔で)、しかしこういう綺麗なレシピを作り使い切ったデッキ製作者と優勝者には、本当に感服します。

 コイソさんが一言で語っていたように、今は毒タチワキ環境ですね。
 発売直後の日記で毒さいみん眠りのクソゲー度を愚痴ってみましたが、それは今もって解決せず、ならばと各プレイヤーはそれをできるだけ回避できるデッキを探していたように見えます。
 たねビートが多かったのは、環境最強火力の毒タチワキを無理なく使え、そしてそれ以上に、毒タチワキを受けたときのリスクが一番少ないからでしょう。
 構築的にポケモン入れ替えを多く積めるのもそうですが、せっかくデッキスペースとリソースを費やして2進化を立てたのに、毒タチワキで簡単に打点上げられた挙句下手すれば眠りで無抵抗死、ならば誰が使うのかという話です。
 ランドロスEXの流行は上述の戦術にかみ合うからでしょうね。闘だからというのはおまけにすぎず、色を過信しても良いことはありません。

 優勝デッキの秀逸な点は、環境的にお互いのクロックが早まっているので、ダークパッチはじめ、必要なカードをきっちり4ずつ取っているところでしょう。
 ケルディオを積んでる中でのきずぐすりは、重ね打ちもできて良いチョイスだなと思いました。しかしそれ以上に、ヤミラミ4が光りますね。

 最終的に、毒さいみん眠りチェック裏敗北という確率的な泥沼を避けられたデッキが優勝したのは、とても納得の結果だと思いました。その下で、毒さいみん死したプレイヤーがどれほどいたのか想像だにできませんが。
 僕はというと、毒ケルディオやら毒ハッサムやらヤミラミキュレムやら誰が喜ぶのかわからない失敗作を作っては投げ、そのうち忙しくなって結果待ち状態で日曜を迎えていました。
 みらチャン杯初回で優勝されたイクラさんのデッキを見たときも思ったのですが、やっぱり、優勝するデッキには相応の理由があるんだなあ、と改めて感じた大会なのでした。

 来週はSIP杯、下旬には他会場のバトカニもありますし、しばらく環境の変遷を眺めて楽しめそうです。
 いよいよ今週末に迫ってきたようですね。
 僕は参加できないので、結果を楽しみにしています。
 風の噂によれば、かなりの数の遠征者が来るとか来ないとか。僕がお会いしたことのある方もいるようで、会えないのは少し残念ですが、ご健闘をお祈りしています。

 会場はアクセス札幌のようですが、立地的に著しくアクセスしにくいという名前詐欺なので、どうか遠征者の方はお気をつけを……。
 車以外の交通手段が徒歩しかないという陸の孤島は伊達じゃないですね。大谷地から徒歩15分という公式の記述は絶対嘘のような。
 遠征者の方はタクシーに乗るのが一番安全だと思います。

 バトカニの当日イベントで最も気になるのが、やっぱりオープンジム。
 なかなか面白そうにも見えますが、公式での書かれ方だとどうも企画として甘すぎるような……? オリジナルレギュを奨励しながらも開催時間がわずか2時間半とか(デッキ組み替える時間は?)、どこまで主催プレイヤー側に権限があるのか、等々。
 特に、定例の自主大会がこれだけ増えている現在にあって、それらの大会と連携させるのはどれだけ許されるのでしょう。大会の宣伝は?自主的な賞品は?ネットへの結果掲載は?対戦動画などの撮影は?トラブル時の責任や対応は?
 公式サイドがどこまで事前に予想しているのか見当がつかないので、札幌はある意味でこの疑問への試金石になってしまうでしょう。
 個人的に、自主大会宣伝が許されないならこのオープンジムの企画自体が無意味に見えるのですが……。
 まあ、隣のイベントが殿堂ベルト争奪戦なので、そもそもオープンジムがどこまで盛り上がるのかは未知数です。こちらはBWレギュでフツーに大会回すのが、一番盛り上がるのかもしれませんねw
 オープンジムでの主催を考えている他の方々がどのような形式で行うのか、ちょっと興味があります。
(※長ったらしいので読んでいただくのは半分より下の方だけでもかまいません)

■はじめに

 カードゲームにはいつも、根強く、そして求心力のあるひとつの風潮が存在します。
 オリジナルデッキはすばらしい。
 その通りでしょう。見慣れない動きも、斬新なカードも、それで勝つ楽しさも、まさにカードゲームの醍醐味と言って過言ではありません。
 とはいえ、すべての人がこの風潮に乗り切れているわけではないのも確か。みなが「オリジナルデッキ」を作れたら、そんなものは存在しなくなってしまうはずです。
 一方で、最近少しずつ聞こえてき始めたものに、「初心者には強い人の模倣が良い」という意見もあります。
 この意見はそう悪くないようにも見えますが、しかし重大すぎる書き落としがあるのもまた事実。

 今回は、いわゆる「コピーデッキ」を全力で擁護します。それどころか称揚します。オリジナル賛美の風潮とて決して悪いとは思いませんが、完全コピーすることにも、そしてそれで大会に出て勝つことにだって同じくらい価値があると、強く主張してみたいと思います。そして、前述の助言「初心者には~」で見落とされがちなことにもまた、注目してみたいと思います。

■○○○オリジナルデッキ

 そもそも、です。
 あなたにはオリジナルデッキを作った経験はありますか?
「ある」と答えられるプレイヤーは少なからずいるでしょう。僕はその方々を尊敬します。とはいえ、そのようなプレイヤーは果たしてどれほどいるのでしょうか。あまり多くはないだろうと思います。
 世間一般で「オリジナルデッキ」が褒められているとき、冒頭の3文字は見逃されがちです。
 実際に褒められているのは、「(勝てる)オリジナルデッキ」であるにもかかわらず。褒められるのはたいてい、オリジナルさよりも強さであることが多いのです。

 もちろん、あらゆるデッキがオリジナルデッキだ、初心者の使うデッキこそ独創性があっていい、という意見も一理あります。
 しかし、たとえば、なかなか勝てなかった頃の自分に照らして考えてみたとき、自分のデッキを「あなたのだってオリジナルデッキだ」と言われたら、ムッとするに違いありません。
 勝ちたい人から見れば、勝ちきれない今のデッキなんて、メタにそぐわない、自分の気まぐれカードが少し混ざっただけの失敗作ですらあるからです。

 今や、ネット上には試しきれないほどのデッキリストが溢れています。そして読みきれないほどのコラムも。図ったかのように株ポケも、強力カードの詰め合わせまで発売するというこの現状。
 にもかかわらず、なぜ勝ちきれないのか。

■模倣と改造

 例えばバトルカーニバルの結果で公開されたサザンダークは、大量の使用者を生み出しました。デッキリスト公開とそのフォロワーが生まれる傾向には、僕は諸手を挙げて賛成したいです。が、一方で、ひとつ訊きたいこともあります。
 サザンダークを使っている(いた)人たちは、公開されたそのレシピを、一度でも、そのままの60枚で使ってみたことがありますか?
「模倣」の落とし穴がここにあります。ネットのデッキを見て、自分で組んでみたときに加える複数枚の「改造」、それこそが最大の悪手です。なぜか、本当にどういうわけか、そのときに抜かれるカードこそ、往々にして一番抜いてはいけないカードだからです(なぜ真っ先にドロソと進化補助がいじられユーティリティーカードが増やされるのでしょう)。
「改造」するのは、そのまま使ったあとでも遅くはないというのに。

 さて、そのような強いデッキを使うことの効用なんて、しかし散々言い尽くされた今とあっては、もはや言うまでもありません。
 強いデッキがなぜ強いかを知る。
 しかしそれは、言うが易し、でも実際に知るのは、全く簡単ではありません(僕だってよく知りません)。
 むしろ問題になるのは、その機会です。「オリジナルデッキ」が賛美され、コピーが後ろめたさを感じる環境で、「強くなるには、強いデッキを使って強さの理由を知ろう」といくら助言したって、空虚に響くだけでしょう。
 オリジナルを称えつつ、初心者には強くなるための助言、これは正論に見えて、角度を変えれば単なる二枚舌です。

■結論

 結論です。はっきり言いましょう。オリジナルなんてどうでもいい。強いデッキをそのまま60枚コピーして使って勝つ、それは卑怯でも何でもなく、強くなりたいプレイヤーの姿、むしろ勝てればすでに強いプレイヤーです。それを無下に非難することこそ、卑怯者のやり方でしょう。
 勝てば官軍と言いたいわけではありません。たくさんのデッキリストが公開され、コラムが大量に書かれ、強力カードが簡単に手に入る時代に、コピーが敬遠され貶められ、その一方でオリジナルが称揚される、その方がナンセンスだというだけの話です。
 だからこそ。
 参考にすべきデッキリストはたくさんあります。考察も読みきれないほど書かれています。まずは、使ってみてはどうでしょう。後ろめたさを感じることなく、そのまま組んで、大会に持って行ってみてはどうでしょう。どんなオリジナルが騒がれていても、気にすることなく戦って、そして倒してしまえばいいんです。
 実際に大切なことは、そんな部分ではないからです。勝敗は最後の部分に過ぎません。
 一番大切なこと、そして一番足りないもの、それはそもそもの部分、つまりデッキの「完全コピー」に踏み切るだけの、そのささやかな度胸なのですから。
 この土日でデッキを回していたので、まず雑感を、箇条書きにしておきます。

・毒タチワキの有用性がかなり高い。おーかさんが「毒タチワキは速攻のためでなく確定数をずらすため」と言っていたのですが全く正しかったです。

・最後のダメージを毒で加点する動きが増えたので、わざダメージ起動の学習装置がやや使いにくくなった感じ。相対的にエネ加速の価値が上がりました。BW6までの学習装置は非常に強力だったので、若干デッキ構築が変わりそうです。

・同様の理由でかたきうちのテラキオンも。これも小さくない影響だと思います。非EX最強ポケモンだったのですが。

・プラズマで可能性を感じたのは、今のところギラティナ。弱点色が悲しみですが(学習装置入れてたのも悲しみだった)。ルギアやカビゴンはまだ試してないので他人のDNを読んでパクります。

・試合中にだいたい一度は発生する、どくさいみん光線眠り判定裏がかなりクソゲー。いれかえの少ないデッキだと予想外のタイミングで1ターン無駄にすることがあって、これでゲームが動いたり。どうしましょうね。

・アクロマ、今のところ僕はベルとの単純な差し替えは反対派。カードの性質的にランレシとの共存も本当は良くない。でも使ってるうちに評価は変わるかもしれません。使い方の難しいカード。強い場面のあるカードは、何だかんだで使い道があるしね。

 最後に、毒タチワキ試しでいじっていたダークライのレシピでも上げておきます。
 オーソドックスなドロソ14型でも良かったのですが、動きがちょっともっさりな部分もあったので、こんな形で試していました。

3 ヤミラミ
3 ダークライEX
2 ミュウツーEX

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
2 ベル

4 じてんしゃ
4 ポケモンキャッチャー
4 ダークパッチ
4 どくさいみん光線
3 ハイパーボール
2 悪のツメ
2 タチワキシティジム
1 ポケモンいれかえ
1 パソコン通信

9 悪エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 カメケルやゼクビールも相変わらず強いですね。

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