【翻訳】「対岸の祭だけれども」――日本のバトルフェスタ2013考察
 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 さてさて、新年一発目のエントリも翻訳です。
 今回はSixPrizesから。タイトルのとおり、海外勢から見た日本のバトルフェスタの感想になっています。著者のHenry Priorは、SixPrizesのライターにして有名プレイヤー。
 この記事も会員限定記事なので、無料で読める前半部分のみの翻訳になっています。それだけでも十分面白いのですが、今回ばかりは後半が訳せないのがちょっとだけ悔やまれます……w

 そういえば、大晦日に大和さんの3番目の記事の翻訳をアップしていたのですが、タイミングが最悪だったせいか閲覧数が全然伸びませんでしたw;
 非常に面白いので、これを読んだあとはぜひそちらもお読みいただければと思います。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

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“A Festivus for the Rest of Us” -- An Analysis of the 2013 Japanese Battle Fiesta
by Henry Prior
Thursday, January 2, 2014
ttp://www.sixprizes.com/2014/01/02/a-festivus-for-the-rest-of-us-an-analysis-of-the-2013-japanese-battle-fiesta/


 SixPrizesのみんな、こんにちは! 明けましておめでとう。良い休暇を過ごせていることを願うよ。前の記事でも触れたとおり、今回は、日本のバトルフェスタと、来たるXYセットがどうなるかについて話してみたいと思う。

 バトルフェスタが何か知らない人のために説明すると、これは日本の大規模大会で、アメリカで言えば大きめのState Championshipか、小さめのRegionals Championshipみたいなものだ。場所は二箇所で、最初は12月15日に大阪で、二度目は12月22日に東京で行われた。

 このイベントのフォーマットはBWからコレクションXとコレクションYまでで、これが今現在の日本のスタンダードフォーマットになっている。どういう感じのイベントなのか知りたければ、僕が書いたバトルカーニバルについての記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/05/12/step-right-up-and-win-a-prize-an-analysis-of-the-japanese-battle-carnival/〕を見てほしい。

 それと、トロピカルビーチとチャンピオンズフェスティバルが、両会場で禁止になった。禁止カードが出るのは2002年以来のことで、そのときはニューラ(ネオ1)とヤドキング(ネオ1)がふくろだたき系のデッキで環境を支配して、事実上ほかのデッキ全てが使い物にならなくなってしまっていた。

 チャンピオンズフェスティバルの禁止は意外だった。最初に禁止にするには弱すぎるし、今のところはマニアックなデッキでしか強くないカードだからだ。ただ、トロピカルビーチの禁止にはそこまで驚かなかった。ものすごい値段にわずかな流通量、そしてルール変更以来あらゆるデッキで使われるせいで、このカードはゲームに大きな問題を投げかけている。理論上、特定のカードをすべてのプレイヤーが使えるわけではないというのならば、それは問題だ。

 残るFall Regionalsでも、全員が2枚かそれ以上のビーチを使うというのは、まず不可能だと思う。仮にそれだけのお金があったとしても、ビーチはそこまでの枚数が印刷されているわけじゃない。僕はビーチの禁止という判断に賛成だし、TPCi〔※訳注:海外での株ポケ〕にも、ビーチに関して何らかのアクションを起こしてほしいと思っている。

 こちらと向こうにはこういう違いがあるから、こちらでXYがリリースされても、どのデッキが良いかについて向こうのデッキが完璧な指標になるわけじゃない。それでも、ある程度の情報を持ち帰ることはできる。僕の持っているふたつの情報はそれぞれ片方ずつのイベントでのものだから、どういうデッキがあってどういう感じだったか、そしてマスターに該当するディビジョンで何が上位入賞したのか、見ていくことにしたい。

■バトルフェスタ大阪――12月15日

 これはコレクションXとYが使えるようになった最初のイベントで、日本で発売されてからわずか数日後だったから、プレイヤーの多くはカードを全部持っていなかったり、何を使えばいいのかわかっていなかった。僕のメール相手はナッシー/レッドカードと他のアタッカーを入れたデッキでトップ8に入賞した。彼のデッキのコンセプトはすごく気に入ってるから、記事の後半で、それについてもっと話したいと思う〔※訳注:記事の後半は残念ながら会員限定記事です!w〕。

トップ4デッキは、
1位:レックウザEX/ライコウEX/シビビール
2位:ダークライEX/イベルタルEX/ランドロスEX/バッフロン/アブソル
3位:ゼクロム/ゼクロムEX/シビビール
4位:ホウオウEX/ビリジオンEX/シェイミEX/アブソル/トロピウス/カクレオン

優勝デッキリスト

4 シビシラス(BTV-1, BKZ-1,BW2-2)
4 シビビール
2 レックウザ
1 レックウザEX
1 ゼクロム
1 ビクティニ
1 ライコウEX
1 ジラーチEX
1 バリヤード

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ

4 ハイパーボール
3 レベルボール
2 ちからのハチマキ
2 ポケモンいれかえ
2 あなぬけのヒモ
2 はかせのてがみ
2 すごいつりざお
1 ポケモンキャッチャー
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン
1 スカイアローブリッジ

7 雷エネルギー
4 炎エネルギー

〔※訳注:元記事の段階で59枚です。てかこれ本物なの……?〕

 2つのシビビールデッキを除けば、ほかのデッキはXYの発売後に海外でも使えるデッキだ〔※訳注:BW2は海外ではレギュ落ち〕。現状ホウオウはアメリカで過小評価されているけれど、きちんと組めばかなりやれるはずだと思う。先週Andrew Zavalaが考察していたホウオウ/アーケオス〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/12/26/bringing-metagame-science-identifying-right-deck-play-look-ho-oharcheops/〕をテストしてみたら面白かった。みんなRegionalsのためにホウオウを温存してみれば良い結果になるかもしれないね。まあ結果はお楽しみにという感じだけど。

 海外ではシビビールは使えないけど、この結果からは、こちらのレギュの2つの「あまごい」系デッキについて、多くのことがわかる。カメックスとエンブオーシステムはシビビールデッキととてもよく似ていて、目標は同じだけど、アタッカーにエネを貼る手段が異なっている。カメックスとエンブオーよりもシビビールが好まれている理由は、ビーチが存在しないからだと思う。ビーチがないなら2進化を立てるのはかなりつらいし、カメックスやエンブオーデッキのほとんどにビーチが2、3枚入っているのはそれが理由だ。

 この結果から読み取れる一番大きなことは、カメックスとエンブオーの強さだと思う。Citiesの多くでカメックスやエンブオーが優勝したのはもう見てきているし、Winter Regionalsに向けて、結果の観点でいえばそれがベストなのは間違いないと思う。

 この結果でもうひとつ面白い点は、プラズマデッキがいないことだ。ここアメリカでは、TexasとChicagoのCitiesマラソンの連覇を含む、相当にきつい大会を、"The Yeti"〔※訳注:Yetiは雪男のイエティのこと。ttp://www.sixprizes.com/2013/12/30/breaking-hype-yeti-address-movements-format/〕が次々に制した。日本の人と話していても、プラズマはもうほとんどいなくて、使えるデッキだとは誰も思っていない、ということだった。

 プラズマは今でも本当に良いデッキだから、これには驚いた。おそらくみんなプラズマの正しい構築をちゃんとわかっていないせいだろうから、将来的にはプラズマはもっとたくさん使われると思う。レックウザ/シビビールとのマッチアップが面倒なのは、対カメックスやエンブオーのときのように、エネを貼るたび凍てついた街でダメージを乗せられないからだ。ただ、パルキアEXでレックウザをケアして、カビゴンに入れ替えるというテクニックは、Statesで使われていたプラズマのリストで何度か見たことがある。

■バトルフェスタ東京――12月22日

 聞いた話では、この大会には日本中からトップクラスのプレイヤーが参加していたらしい。先週末の大阪大会では、出場できない人がいたり、そうでない人はXYの発売直後で十分に準備ができていなかったりした。

 僕の友だちはレックウザ/シビビールを使ったけれど、残念ながらクライマックスステージ進出(つまり予選突破)はできなかった。この大会の結果はかなり面白いから、直接そこを見てみよう。

1位:パルキアEX/その他
2位:レックウザEX/シビビール
3位:プラズマ(デオキボルトキュレム型)
4位:ランドロスEX/ミュウツーEX/ダストダス

 残念ながらこの大会のデッキリストは手に入らなかったけど、全部面白そうだから困っちゃうね。こっちにダスト型のランドミュウツーがあまりいないのはダークダストの下位互換だと思われてるからだけど、ここではトップ4に入賞している。この大きな要因は、シビビールが多く使われているからで、ランドロスとミュウツーで序盤にシビシラスを倒して、後半にダストダスでゲームをコントロールできる、ということだろう。

 ただ、一番面白く見えるのはパルキアEXで、そこから話を始めよう。単に「その他」と書いたのは、たとえばカビゴンやユキメノコ(BW-P)のような、バトル場に置くと強いポケモンがたくさん入っているからだ。

 僕が知っている限りだと、Mark Oliverがこういうデッキをアーカンソーでずっと使っていて、現地のCitiesやLeague Challengesで良い成果を出している。ただ、それが他の地域に広まったり、使われたりしている様子はない。この結果を受けて、このデッキが流行るようならわくわくするし、何ができるのか、自分でもぜひ使ってみたいと強く思っている。

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 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 ここより後ろは会員限定記事になっていて読めないため、訳はここまでとしました。

 WCS2014のレギュがBW3以降なので、そのレギュに慣れている海外プレイヤーの意見は、WCSを見据える上でも参考になりますね。ただ著者も言っているとおり、ビーチの動向は気になります。

 余談ですが、文中で触れられているルギアカビゴン型プラズマ「イエティ」はけっこう流行っているらしく、海外のレポートでもときどき出てきます。
 言及のあるタッチパルキア型はちょうど2日のジムチャレで僕も試してみたのですが、竜王戦でもそのまま使えるので、知っておいて損はないデッキなのかもしれません(要望があればアップしますが僕のはあまり参考になりません)。

 海外でのXYセットの発売は2月5日。メタがどう動くのか、今から楽しみですね。
 抜いてきました(過去形)。
 かかりつけにしている歯医者さんから「将来的に虫歯になるから抜いた方がいいですよー」と言われていた下の親知らずでしたが、4月からは抜くタイミングが無くなりそうだし、ということで、とうとう抜いてきました。まだ片方だけですが。

 こういう手術めいたものはこれまで一切受けたことがなかったので、骨を削るという話を聞くに至って正直ガクブルでしたが、治療は何とかなりました。麻酔の力ってスゴい。
 今は麻酔も無事に(?)切れて、腫れと疼痛にうんうんうなっています。人体ってつらい。
 こうして、親知らずのあるうきにんさんから、親知らずのないうきにんさんにメガ進化してしまいました。HPは特に変わってません。むしろ減っています。

 1週間後に抜糸、来月に残る片方を抜歯です。どうでもいいですが、あのドリルの音はいつになっても慣れませんね。みなさん歯はよく磨きましょう。僕は別に虫歯じゃないのですけれど。
【翻訳】キャッチャーの新ルール――あなたならコインを投げますか?
【翻訳】キャッチャーの新ルール――あなたならコインを投げますか?
 今回は60cards.netから。
 なんというか本当に遅れすぎていて申し訳ないのですが、とーしんさんが12月上旬に寄稿なさっていた、ご自身2つ目の記事の翻訳になります。
 僕自身もこの記事が出た直後は、周囲に「とーしんさんの記事は読むべき」と言いまくっていたのですが、忙しくて肝心の翻訳をしていなかったという駄目っぷり……。

 内容は、日本の誇る二大自主大会の紹介と、ルール変更後の海外メタ予想とデッキ紹介。XY前の記事なのでそれには対応していませんが、メタ予想もデッキ紹介も、流石の切れ味です。
 何よりデッキ紹介での解説は、レギュが違っているとはいえ、必読レベルの内容でしょう。特に、過去にサザンダークを使ったことがある人は、自分のプレイの良い点悪い点を振り返ってみてはどうでしょうか。
 冒頭の魔女さんによる英訳者注も、絶妙に良い味を出しています。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

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A New Rule for Pokemon Catcher- Will You Flip The Coin?
by Shintaro Ito, trans. Majyo
Monday, December 2, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/107


 みなさん、お久しぶりです! スイクン/テラキオンの記事を書いたとーしんです。
(英訳者注:信じる信じないは別として、スイクン/テラキオンは、とーしんさんがバトルカーニバル名古屋で優勝してから有名なデッキになりました。名前よりもデッキの方が有名になってしまったので、とーしんさんのことをスイクンテラキの人と呼ぶ人さえいるんです。それと、Facebookであの記事に対してたくさん「いいね!」を実際にもらっていたので予想はできていたのですが、それでも、Regionalsでスイクン/テラキオンが使われていたことを、本当にうれしく思います。とにかく、私たちの記事を読んでくださっているみなさん、本当にありがとうございます!)

 今回は、新フォーマットを受けて、日本の自主大会でどんなデッキが結果を残したかについてお話しします。知ってのとおり、11月8日から、いくつか変更点があります。

1.ポケモンキャッチャーがポケモンリバースになりました。つまり、ベンチを引っ張り出そうと思ったら、コインを投げなければいけない、ということです。

2.先攻プレイヤーは1ターン目にワザを使えなくなりました。上で触れたのですが、新フォーマットを受けて、こちらでは2つの大会が実際に行われました。その2つは自主大会ですが、こちらと他の海外とが異なっている点は、こちらではまだBWのすべてのカードが、つまりビール系やビクティニ(Ⅴジェネレート)が使えるということです。では大会で何が結果を残したのか見てみましょう。

おーす!未来のチャンピオン杯

 これは東京で毎月開かれている最大の自主大会で、各地からレベルの高いプレイヤーが多数参加します。ハイレベルな試合を見ることができますし、大会結果はメタ内のデッキにも大きく影響します。ところで、この大会名は、ポケモン赤青緑、金銀クリスタルに出てくるジムの入り口の人〔※訳注:ガイドーさんという名前らしいですね〕が言う、有名な台詞から来ています。

 それは……「おーす!みらいのチャンピオン!」。そうです、この大会の目標は、未来のチャンピオンを輩出することです。この大会に参加しているプレイヤーの中には、本当に公式大会で優勝して、世界大会の権利を獲得した人もいます。来年も、参加者の中からチャンピオンが生まれてほしいと思います。

 この大会の結果は以下のとおりです。

1位:レックウザEX/シビビール/ライコウEX/ビクティニ(Ⅴジェネレート)
2位:ダストダス/ランドロスEX/ミュウツーEX
3位:デオキシスEX/ボルトロスEX/キュレム

金ギャラドス杯

 こちらは名古屋で開催されている大会です。中部地区に住んでいるプレイヤーがターゲットですが、こちらもレベルの高い大会です。招待があれば他地域のプレイヤーも参加できますし、毎回100人近いプレイヤーが集まります。もしかすると、なぜ「金」ギャラドス杯という名前なのか疑問に思われるかもしれません。実際ひかるギャラドスは赤い色ですし……これはどういうことなんでしょう。ではひかるコイキングは? 金色ですね。そして金のコイキングは、名古屋の有名なシンボルであるシャチホコと、非常によく似ています。コイキングがギャラドスに進化するように、たくさん対戦して経験値を得て、強く上手いプレイヤーになるというイメージが、大会名の由来になっています。

1位:レックウザEX/シビビール/ライコウEX/ビクティニ(Ⅴジェネレート)
2位:パルキアEX/チルタリス/ラティアスEX/シンボラー
3位:ゴチルゼル/アギルダー/ブースター

 この2つの大会から、今のところシビビールがかなり結果を残しているのがわかります。では他のデッキを見てみると、いくつか新顔のデッキがありますね。さておき、金ギャラドス杯で3位になったのは自分なので、そのゴチルゼル/アギルダー/ブースターデッキを紹介したいと思います。

4 ゴチム
1 ゴチミル
4 ゴチルゼル
3 チョボマキ
3 アギルダー
2 イーブイ
2 ブースター
1 ミュウEX
1 ケルディオEX

4 アララギ博士
4 N
2 フウロ
2 アクロマ

2 トロピカルビーチ

4 ふしぎなアメ
3 レベルボール
3 ハイパーボール
3 ポケモンキャッチャー
2 かるいし
2 ツールスクラッパー
1 シルバーバングル
1 ダウジングマシン

4 ダブル無色エネルギー

〔※訳注:原文の段階で58枚でした〕

 このデッキは基本的にゴチルゼル/アギルダーですが、新フォーマットに対応するために多少の変更があります。
 シルバーバングルの登場で、HP170のEX(たとえばミュウツーやトルネロス)を相手のエンド時に倒せるようになりました。つまり、なぐってドロンで50点、毒で20点、次にバングルつきのなぐってドロンで50+30点、最後に毒で20点です。ケルディオEXならば、草弱点なのでバングルつきのなぐってドロンが160ダメージになり、毒の10点できぜつさせられます。
 こう言うとゴチルゼル/アギルダーがBW9で強くなったように見えますが、実際はそうではありません。ビリジオンEXが出てしまったおかげで相手をマヒでロックするのが難しくなってしまい、また1ターンに草エネを2枚貼れるエメラルドスラッシュが強く、ビリジオンはメタ内カードの仲間入りをしました。なので、今ではゴチルゼル/アギルダーはあまり見られず、ほとんど絶滅寸前です。ブースターが役に立つようになったのはこんなときでした。ブースターがいれば、ビリジオンEXに対しては5割以上勝てるようになります。
 マッギョやクリムガン(逃げるロック)でゲームが終わってしまうので、ケルディオを入れてあります。白銀の鏡も入れていたのですが、もうデッキから抜いてしまったのでケルディオもいらないかもしれません。キャッチャーをまだ3枚入れているのは、相手のケルディオを倒すためです。3回コインを投げれば1回は表が出るはずです。
 また、白銀の鏡1枚とすごいつりざお1枚は、ゴチルゼル1枚とスクラッパー1枚に変えました。この理由は、プラズマ(デオキボルトキュレム)はかなりキャッチャーに依存するデッキなので、新環境初期はあまりいないだろうと思ったからです。スクラッパーの追加はダストダスが増えると思ったからで、また、ゴチルゼルを立てることは、このデッキで一番大切なことだと強く思います。ただ、新環境で使ってみて、パルキアEXとゲノセクトEXを多少見たので、白銀の鏡はやはり必要かもしれません。
 使い方:このデッキでまずやるべきことは、ゴチルゼルを立てて相手のグッズをロックすることです。2体目のゴチルゼルもベンチに置きたいですし、必要ならばケルディオEXのためにベンチの枠をひとつあけ、残りの枠はアギルダー用です。必要ないときは、絶対にイーブイを出してはだめです。ベンチのスペースが埋まってしまいます。さて次のところでは、各メタ内デッキに対してこのデッキがどう動くのかを説明します。

対ゲノセクトEX/ビリジオンEX

 普通にスタートしていいですが、ゴチルゼルは早めに立てましょう。ベンチにチョボマキを置くと、相手は必然的にレッドシグナルでそこを倒しに来ます。相手に2、3枚サイドを取らせてからイーブイを出し、Nを撃ってゲームスタートです。ビリジオンではブースターは一撃で倒せないので、もしブースターで2回攻撃できれば、勝てる見込みはかなり高くなります。また、もしバングルを貼れていれば、ビリジオンやゲノセクトを倒すのにトラッシュにはポケモン4枚だけでよくなります。

対カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

 相手のカメックスより先にゴチルゼルを立てられれば簡単なゲームです。もしゴチルゼルより相手のカメックスの方が早かったらどうすべきでしょうか? たとえゴチルゼルが立っていなくても、バングルつきのなぐってドロンでケルディオを一撃で倒せたらそんなにきつくはありません。そもそもカメケルは、スーパーエネルギー回収のようなグッズに強く依存するデッキなので、ゴチルゼルがバトル場にいる限り、動きを維持するのが難しくなります。なのでだいたいの場合、この相手には勝つことができます。

対ダストダス

 ゴチルゼルを立てて、正しいタイミングでスクラッパーを使いましょう。相手のとくせいに対処できればゲームにはそのまま勝てるはずです。スクラッパーは2枚入っているので、1枚がサイド落ちしても困ることはありません。ただ、スクラッパーがサイド落ちしても自動的に負けになるわけではないので、1枚に減らすべきかもしれません。

 本題に戻って、今のメタを見てみましょう。基本的にはビール系がメタの中心にいます。これは、こちらにはビクティニ(Ⅴジェネレート)があってビリジオン/ゲノセクトにかなり戦えることと、新ルールの影響で、簡単にはキャッチャーでビールが引っ張り出されなくなったからです。なので基本的に、今はレックウザEXで180ダメージが出しやすくなっています。ならば他のデッキはどうなのでしょう。ただそれはさておき、海外ではどうなっていくのか、自分の予想を書いてみます。

Tier 1

ビリジオンEX/ゲノセクトEX/その他
カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX
ボルトロスEX/ルギアEX/デオキシスEX/カビゴン

Tier 1.5

ダストダス/ランドロスEX

Tier 2

ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム
ビリジオンEX/ミュウツーEX/その他
タマタマ/マニューラ
ダークライEX/ノヨワール

 おそらく、ビリジオンEX/ゲノセクトEXは、レッドシグナルがあるのでかなりやれると思います。それを倒すのにブラックキュレムEXとルギアEXの打点は使えますし、ダークライEXは今までキャッチャーにかなり依存していたので、ヨノワールでダメカンをコントロールして戦う形になると思います。

 ポケモンキャッチャーはノーリスクでベンチを呼ぶことができていたので、キャッチャーがないとなると、ほとんどのとくせいはかなり強くなると思います。キャッチャーに代わるものはないんでしょうか。以下に挙げるものは、自分がキャッチャーの代わりになりうると思うカードです。

1.ゲノセクトEX

 とくせいのレッドシグナルはキャッチャーと完全に同じ効果です。メガロキャノンはダークライEXとよく似ていますし、Gブースターで200ダメージを出すこともできます。ビリジオンEXの加速があればゲノセクトEXはさらに強いカードになります。

2.キュウコン

 キュウコンのとくせいは進化したときにキャッチャー効果です。ただ、ロコンがキュレムのフロストスピアで一発できぜつするので、あまり使われていませんでした。個人的なおすすめはダークライEXとの組み合わせですが、90という打点は、低くはないですがあまり高くもありません。

3.ヨノワール

 とくせいでダメカンを効果的に動かすことができます。まだそんなに多くはいませんが、将来的にはたくさん見ることになると思います。

4.ヤミラミ

 コインになりましたがキャッチャーはいまだに効果的なカードです。裏が出ても、ジャンクハントで拾えばいいわけです。

5.あなぬけのヒモ

 キャッチャーではないですが、ベンチを引っ張り出すことができます。ルギアEXやブラックキュレムEXのような高い打点のカードをベンチに置けるデッキで使えれば強そうに見えます。

 ここまでが代替案ですが、ここからは、バトル場にいるときに相手を困らせるカードを挙げていきます。

1.スイクンとシンボラー

 この2枚のしんぴのまもり持ちは、EXからの攻撃を防ぐことができます。相手にしたときには、対処できなければ負けてしまうでしょう。前環境でもそれはよくあったことですが、今後もそうだろうと思います。

2.カビゴン

 にげるができなくなります。以前はキャッチャーでバトル場からどかせられましたが、エラッタのせいで確実ではなくなりました。ポケモンいれかえのようないれかえ系のグッズが必須になってきます。

3.ムーランド

 バトル場にいるときに、サポートを使えなくなります。おそらく、カイオーガEXのような、ベンチと入れ替えるワザを持ったポケモンと組み合わせて使われると思います。ただ、今のところ日本ではあまり多くはいません。

4.げきりん(ゼクロム、レシラム、キュレム)

 バトル場にいるときは、かなりやっかいな存在です。HP130を一撃で倒すのはかなり難しく、放っておけば120ダメージを撃ち始めたりもします。

 記事を終える前に、新環境で自分が使っているデッキをひとつ紹介したいと思います。どんなデッキに対しても、自動的に勝ったり負けたりということのない、オールラウンドなデッキです。違ったタイプを挿せば、新環境でも強くなると思います。ただ気をつけてほしいのですが、ゲームの序盤から攻撃を始めると、おそらく負けてしまうでしょう。

・サザンドラ/ヨノワール/ダークライEX

3 ダークライEX
2 ヤミラミ
2 モノズ
2 サザンドラ
1 ヨマワル
1 ヨノワール
1 ギラティナEX
1 ミュウツーEX
1 ビクティニEX
1 ビリジオンEX
1 シンボラー

4 アララギ博士
4 N
4 アクロマ
3 ベル

3 ふしぎなアメ
3 ダークパッチ
2 改造ハンマー
2 ツールスクラッパー
2 まんたんのくすり
2 ハイパーボール
2 レベルボール
1 すごいつりざお
1 ダウジングマシン

7 悪エネルギー
4 ブレンドエネルギー草炎超悪

 使い方:基本的に、場はこのような感じです:ヤミラミ、サザンドラ、ダークライ、(ヨノワール)、そして2枠がフリースペースで、相手がどくさいみんを撃ってくるならビリジオンを置き、相手がスイクンやシンボラーを使ってくるならギラティナを出しましょう。ただ、ゲームの最終盤にならない限り、ミュウツーやサザンドラで攻撃してはだめです。ミュウツーのエックスボールやサザンドラのリューズブラストは場からエネルギーがなくなる可能性が高く、リスクがあるからです。
 また、自分のリストを人に見せるたび、悪エネ7枚ではダークパッチが使いにくいんじゃないかと訊かれます。答えはノーで、使うのは難しくありません。自分がダークサザンでダークパッチを使いたいのは場のエネルギーを復旧させたいときで、とりわけポケモンが倒されたときです。
 多くの人は、ハイパーボールで悪エネを1、2枚捨てて、それからダークパッチを使って、というように、ダークパッチをエネ加速エンジンとして使っていると思います。しかしここでは、リカバリーソースとしてダークパッチを使います。
 EXが落ちなかったときにはまんたんのくすりが役立ちますし、特殊エネルギーを貼られたら改造ハンマーを使いましょう。ツールスクラッパーは、ダストダスやケルディオのかるいしを割ります。これらのカードが強いのは中盤ですが、序盤に捨ててしまっても、ヤミラミが2枚入っているのでジャンクハントで拾うことができます。

 書くことはまだあるのですが、今日はここまでにします。また来月お会いしましょう。

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 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、とーしんさんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 記事中盤では海外のメタ予想があるのですが、これは見事に当たっていて、現状の海外メタは、ビリゲノがトップ、それを追いかけるカメケルとルギア型プラズマ、そしてエンペルトやダークライ派生がそれに続く、という形になっています(TheTopCutの集計による)。
 そのあとで挙げられているゲノセクトやあなぬけのヒモ、カビゴンも、今の日本の、レックビール全盛以後のメタゲームの中での注目株のカードたちですね。

 記事の最後によればまた今月も寄稿してくださるようなので、期待してしまいます。
 今回は翻訳ではないです。
 うきにん杯含めた自主大会等でのジャッジング基準について、思ったことを書きます。
 僕は基本的に、ポケカではゲームロスを多く出すことには反対です。
 以下にその理由を述べます。

■懲罰ごとの価値の違い

 ゲームロスと言うときよく比較されるのがMtGですが、MtGの懲罰(ペナルティ)定義は以下のようになっています。
(参考:ttp://mtg-jp.com/rules/docs/JPN_IPG.html)
・注意→警告→ゲームロス→マッチロス→大会からの失格
 ゲームロスは上から3番目、マッチロスは上から2番目の重さのペナルティとなっています。
 次にポケカですが、ポケカの懲罰定義は以下のようになっています。
(参考:ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/floor-rule.pdf、※いきなりpdfが開くので注意※)
・注意→警告→サイド→敗北→大会からの失格
 ゲームの敗北は上から2番目の重さのペナルティとなっています。

 そして、通常3ゲーム制で行われるMtGでは、ゲームロスは敗北の決定的要因になりえない(2ゲーム取れば勝てる)のに対し、ポケカではゲームロスはそのまま敗北となり、かつ短ラウンドのスイスドローやトーナメントの多いポケカでは、ゲームロスは個人にとってそのまま大会の終了に繋がりうる、という事実があります
 つまり、ゲームロスと言っても、ポケカと他のカードゲームでは意味合いが大きく異なります。
 これを理解せずにゲームロスの必要性を説いても意味がありません。

■参考例:過剰ドローの場合

 一番よく起こりうる違反行為に過剰ドローがあります。
 過剰ドローは、MtGの場合、ゲームロスと規定されています(上のURL参照)。
 ポケカの場合、警告として規定されています(上に同じ)。
 ポケカは甘すぎると批判することは容易ですが、仮にMtGと同基準に置くならば、ペナルティはゲームロスではなくサイドペナルティになります。
 少なくとも両カードゲームのフロアルールを参照する限り、ポケカでの過剰ドローはゲームロスにはなりえません。

■結論

 ポケカでゲームロスを乱用すべきではない理由は、以下の2点です。
・ゲームロスについてはよくMtGが参照されるが、ゲームロスの価値はMtGとポケカでは大きく異なる。
・過剰ドローなどはポケカのフロアルールに規定があり、それを無視するのはポケカをやる意味がない。

 また、この点についてはゲームロス賛成派から以下のような反論が考えられます。
「基準が甘いと公式大会で苦労するのではないか」
「裁定を甘くしてはイカサマが増えるのではないか」

 これには以下のように反論することができます。
・公式大会はポケカのフロアルールに基づいて行われる。現フロアルールに基づく限り、ゲームロスはほとんど発生し得ない(そして、相手からの言いがかりに対処するために、それをプレイヤーが知っておく必要がある)。
・イカサマの量はフロアルールの規定とは別問題であり、どんなフロアルールであってもイカサマは発生し得る。イカサマに対処することとフロアルールを厳密に運用することは別である。むろん、イカサマには厳しい対処が必要であることは言うまでもない。

 以上の点も踏まえた上で、うきにん杯を含めた自主大会では、ポケカのフロアルールどおりの適用か、あるいはそれで軽いと感じるならば、それらを一段階重くして運用することが適切だと考えます。
 もちろん、プレイヤーが不正行為防止に努めることは絶対に必要であり、その点の意識改革が必要なことは言うまでもありません。フロアルールについての結論は、プレイヤー意識の問題とは矛盾しません。

 何より一番大事なのは、何か「おやっ」と思ったら、すぐに手を止めてジャッジを呼ぶことですね。
 ジュニアがメインのカードゲームで、ジャッジキルがどうこうと殺伐とする必要はないと思います。
「このゲームは競技寄りだが、究極的には小さい子たち向けに作られているというのを忘れてはいけない。自分が戦っている試合をあまりに大それたものと考えてしまうと、ストレスも大きいし、楽しくなくなってしまう」とは、かのJames Goodの名言ですね。

 以上になります。
 質問、意見などお待ちしています。
 今回も翻訳ではありません(たぶん)。

 昨年12月くらいから海外で注目され始めた、"The Yeti"(イエティ)というデッキがあります。このあいだのHenry Priorの記事(http://ukinins.diarynote.jp/201401031744297893/)でもちょっとだけ言及されていたので、ご存知の方もいると思います。
 その記事の中では、Henry Priorに「日本人はプラズマの構築をちゃんとわかってないんだと思う」と言い放たれてしまったわけですが、その正誤はともかく、せっかくなので「イエティ」とはどんなデッキなのか、見ていってみましょう。

「イエティ」が注目されるようになったきっかけは、この冬にアメリカで開催されているCities(都市別大会)の結果でした。その中でも大きな要素となったのが、12月末にSixPrizesに出たふたつの記事です。

Beware the Snow Monster from the North: A Cities Report with “The Yeti”
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/24/beware-snow-monster-north-cities-report-yeti/

Breaking Down the Hype: How Does “the Yeti” Address Movements in the Format?
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/30/breaking-hype-yeti-address-movements-format/

 長くなるので訳しませんが、ひとつめはレポートとデッキがメイン、ふたつめは考察がメインの記事になっています。
「イエティ」とはどんな構築をしているのか、ひとつめの記事から、デッキレシピだけ引用してみましょう。

2 カビゴン
3 ルギアEX
2 ボルトロスEX
2 デオキシスEX
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 ダークトリニティ
1 フウロ
1 アイリス

3 ハイパーボール
2 プラズマ団のモンスターボール
4 アクロママシーン
3 ポケモンいれかえ
2 まんたんのくすり
2 ツールスクラッパー
1 エネルギー転送
1 スクランブルスイッチ
3 凍てついた街

6 雷エネルギー
4 プラズマエネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 解説は後回しにしますが、おおむね一般的なパーツはすべて入っています。

 ひとまず、こうして注目された結果、このデッキは一躍、今月アメリカ行われているWinter Regionals(地区別大会。かなり大規模)の有力デッキとなったわけです。
 復讐ブースターの製作者として有名なDylan Bryanや、60cardsのライターJustin Sanchezの両者が、ともに、Winter Regionalsの有力デッキとして、ゲノセクト/ビリジオン、ダークダスト、そしてこの「イエティ」の3つを挙げています。
(上がDylan Bryanの記事、下がJustin Sanchezの記事です)

“The Big Three” -- Top Decks to Prepare for at Winter Regionals 2014
ttp://www.sixprizes.com/2014/01/07/the-big-three-top-decks-to-prepare-for-at-winter-regionals-2014/

A look at Cities and what it means for Winter Regionals.
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/122

 Justin Sanchezの記事からサンプルレシピを引用してみます。良くまとまっていてわかりやすいからで、それを元に、僕なりに少し解説してみたいと思います。

3 ボルトロスEX
3 デオキシスEX
2 ルギアEX
2 カビゴン
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 ダークトリニティ
3 フウロ
3 アクロマ

4 アクロママシーン
4 ポケモンいれかえ
3 凍てついた街
2 ハイパーボール
1 ツールスクラッパー
1 プラズマ団のモンスターボール
1 まんたんのくすり
1 エネルギー転送
1 スクランブルスイッチ

4 ダブル無色エネルギー
4 プラズマエネルギー
3 プリズムエネルギー
3 雷エネルギー

 まず前提として、海外のメタゲームの動向があります。以前にも少し触れたのですが、BW3以降レギュの海外においては、トップメタは明らかにビリゲノです。
 レギュ的にシビビールが不在で、ビクティニ(同じくレギュ外)に一撃でやられる心配もありません。また、トロピカルビーチの存在によりカメケルが未だ有力デッキのため、それに対して戦えるというのもビリゲノ躍進の大きな理由です。
 しかし一方で、シビビールの不在が、結果として雷弱点のルギアEXが活躍できる下地になってもいます。

 デッキの主な狙いはシンプルで、ボルトとルギアによる、いわゆるワンツーパンチです。ただそれに加えて、カビゴンでの攻撃やゲノセクトのとくせいも絡むため、動きは思いのほか複雑になります。
 特にカビゴンによる攻撃は、手貼りかライデンナックルでダブル無色を貼れる機会が多いので見た目以上にやりやすく、またHP130も落ちにくいため、EXに一撃当てるだけでゲームをひっくり返せるパワーがあります。
 プラズマエネルギーの食い合いになるのでゲノセクトの運用は難しいですが、ダークトリニティでプラズマエネを拾う動きが構築に含まれているため、ゲームプラン的に狙って動くことも多々あります。

 凍てついた街は、海外環境の結果です。最大の要因はビーチが健在でカメケルが多いことですが、タチワキを割るのも大事な仕事です。もちろん、ルギアの射程に入れるための重要なダメージ源でもあります。
 色エネの配分は上のデッキふたつで割れていますが、有力デッキであるダークダストのハンマーを(特に改造ハンマーを)ケアするならば、基本の雷エネのみになります。
 ただ、プリズムエネがあるとデオキシスで攻撃できることに加え、ゲノセクトにどこかのタイミングで2枚貼っておけば、手貼りプラズマエネのレッドシグナルから、相手の置物のケルディオやジラーチを狩ることなどもできます。

 概して、動きが大味に見えるデッキですが、場やエネの管理など、細かいプレイがかなり要求されるデッキです。Sムラさんがご自身のDNでおっしゃっていたとおり、5枚取られて6枚取るような斬り合いにもなりやすいので、サイドの計算や相手のNのケアなど、使ってみると注意しなければならない点が案外多いことがわかるデッキでもあります。

 最後に、僕が使っているデッキを載せてみます。
 日本でこの「イエティ」を使う際は対シビビールがネックになりがちですが、先に触れたHenry Priorが言及していたとおり、パルキアをタッチするという方法もあります。
 もともとダブル無色とカビゴンが入っているデッキなので、組み込む上でもそんなに支障はありません。

3 デオキシスEX
3 ボルトロスEX
2 ルギアEX
2 カビゴン
1 パルキアEX
1 ゲノセクトEX

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 フウロ
1 ベル
1 ダークトリニティ

4 アクロママシーン
3 かるいし
3 あなぬけのヒモ
2 ちからのハチマキ
2 プラズマ団のモンスターボール
2 ツールスクラッパー
1 ハイパーボール
1 まんたんのくすり
1 スクランブルスイッチ

4 ダブル無色エネルギー
4 プラズマエネルギー
3 プリズムエネルギー
3 雷エネルギー

 必要性をあまり感じなかったので、ルギアでの170点は出しにくい構築になっています。デッキの動きは上で解説したものとだいたい同じですが、相手や盤面に応じて、ボルトルギアで動くかパルキアカビゴンで動くか切り替えます。やっぱりパルキア強いですね。

 海外では、このあと2月5日にXY1の発売が控えています。
 ハチマキの参入はこの「イエティ」にも大きな影響を与えそうです。ビリゲノの優位が続くのか、それに代わるデッキが出てくるのか、海外のメタゲームも楽しみですね。
【デッキリスト】第36回うきにん杯トップ3デッキ
【デッキリスト】第36回うきにん杯トップ3デッキ
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201401222032218804/にあります)
 順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。

1st Place:コーヤ(非公開)

2nd Place:しらさぎ(シビビールバレット)

3rd Place:みおちん(オーロット/デオキシスEX/パルキアEX)

 入賞された方々、おめでとうございます。
 今回もスタッフでした。今回は非常に平和な大会だったので、スタッフとしてもかなり気楽にやれました。
 大会的には、ジュニアの健闘がとても目立ちますね。前回はトップ8にジュニア3人、今回も2人(10位まで含めれば3人)です。5回戦目まで複数のジュニアがトップ8のラインを争う光景は、見ていてなかなかのものでした。

 ペアリング処理の時間の穴埋めにと、思いつきでやってみたポケモンお絵かきですよ(ローカルネタ)ですが、思いのほか好評だったので良かったです。個人的には、見ていて面白いので次回もやりたいですw

 そして今回も、カードランド時和さん(http://tokiwa.diarynote.jp/)との連携企画を実施中です。
 スコアシートを店舗に持っていくと、ジュニアは1パック、中学生以上ならジムバトルの参加費1回無料となっています。
 期限は次回のうきにん杯まで(2月9日)なので、ぜひぜひお早めに!

 ついでに26日はトキワ杯です。
 デッキ調整のために、なぜかWCS2012のデッキやレポートまで漁っています。でも結果はいかに……?
 今月アメリカで開催中のWinter Regionalですが、The Top Cutに、ここまでの4会場の優勝デッキを紹介する動画がアップされています。

ttp://thetopcut.net/2014/01/23/1st-place-decks-pokemon-winter-regional-championships/

 カメケル、ダークダスト、レックエンブ、ビリゲノホウオウの順で解説されています。
 カメケルとダークダストの前者2つは本人から聞いた正確なリストで、レックエンブとビリゲノの後者2つは、動画主Kyle Sucevich自身のリスト(ただし優勝者デッキには近いと思う)だそうです。

 気になったのが最後のビリゲノホウオウ。動画主Kyle Sucevichも「4つの中で一番面白くてクリエイティブ」という、動画内のそのリストを書き起こしてみます。

3 ビリジオンEX
3 ゲノセクトEX
2 ホウオウEX
1 テラキオン
1 バッフロン

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
3 アクロマ
2 ダークトリニティ

4 ハイパーボール
3 エネルギーつけかえ
3 ポケモンいれかえ
2 改造ハンマー
1 ツールスクラッパー
1 エネルギー転送
1 アクロママシーン
1 Gブースター
1 トロピカルビーチ

7 草エネルギー
4 プラズマエネルギー
2 闘エネルギー
1 水エネルギー
1 鋼エネルギー
1 フェアリーエネルギー

 Kyle Sucevich自身、最初に「まったくわからんから、もしかしたら全然間違ってるかも」と言っているリストですが、大まかな構築はこんな感じだろうなとは僕も思います。

 動画内でも言われていますが、ホウオウEXは明らかなミラーマッチ意識、テラキオンは対ダークライを見ています。ビリゲノがトップメタの海外では理に適った選択です。テラキは一応ボルトロスも食えるということでしょう。つけかえはビリジオンとホウオウの加速どちらともシナジーを持っていますね。
 個人的には、ビリゲノの序盤のハイパーボールでカードを切る動きが、ホウオウによって正当化されるので、けっこう好印象のデッキです。

 フェアリーエネルギーは向こうではまだ出ていないはずなので、完全なおしゃれ投入でしょうね。実際は別の色だろうと思います。

 ちなみに、Winter Regional各会場の結果も、同サイト内(ttp://thetopcut.net/2014/01/14/2013-14-winter-regional-results/)で見れます。
 見てのとおり、ビリゲノ、ダークダスト、プラズマ(イエティ)、カメケル、レックエンブの綺麗な5強環境です。
 目を引くのが1週目の第3位、ブースターの人ことDylan Bryanの謎のカイリューデッキ。これも機会があれば紹介してみたいのですが……。
 昨日はカードランド時和さん主催のトキワ杯でした。
 うきにん杯ではいつもスタッフ側なので、竜王戦レギュでジムバトル以外の大会に出るのは実は初めてです。
 なので今回は前々からかなり楽しみでした。

 まずデッキ選択の話。
 竜王戦レギュでずっと使ってたのは、前に貼ったタッチパルキアのイエティ。個人的にはかなり強いデッキだと思っているのですが、今回は別のデッキを使うことにしました。

 使用候補はランドビールやオーロットパルキア、ダストM2ラティオスなどがあったのですが、最終的に使うことにしたのはプラズマフレフワンでした。
 いまの環境で強いランドロスEXとゲノセクトEXが両方とも使えるというのが、そもそもの単純な選択理由です。
 あとは、札幌はフレフワンの使用者が少ないので、「わからん殺し」的にいけるかなとはちょっと思ってました。

2 ボルトロスEX
2 ダークライEX
2 ランドロスEX
2 ゲノセクトEX
2 シュシュプ
2 フレフワン
1 ギラティナEX
1 ビリジオンEX
1 デオキシスEX
1 バリヤード

4 プラターヌ博士
4 N
3 アクロマ
2 ベル
2 フウロ
2 ダークトリニティ

4 ハイパーボール
3 ちからのハチマキ
3 まんたんのくすり
1 レベルボール
1 ツールスクラッパー
1 すごいつりざお
1 Gブースター

4 プリズムエネルギー
4 レインボーエネルギー
4 プラズマエネルギー
1 雷エネルギー

 いないデッキの対策は切れという例のJon Bristowの言葉に従って、竜王戦なので少ないであろうダストとビリゲノは切っています。
 デッキの60枚目としてあなぬけ1かまんたん3枚目か悩んでいたのですが、クーポソさんの助言もあってまんたんを選びました。これは結果的に良かったのですが、一方でカビゴンやユキメノコへの耐性を少し落としています。
 中終盤に手を止めたくないので、ドロソは普通より+1。本来ならベルは1がセオリーですが、序盤を丸くしようとアクロマ4枚目と悩んでこちらを優先しました。微妙なところ。

 エースぺは通常ならダウジングか回収サイクロンで良いと思います。調整中にGブースターがやたら強かった(レッドシグナルで貼ったプラズマエネが余るため)のでそのまま採用しましたが、結果的にも強かったので何とも悩ましい感じです。こういうカードは評価が難しいですね。
 1挿しの雷エネは、単純にボルトに貼れる色エネを増やしたかったからです。
 デッキ的には序盤にそこまでの速度を求められない代わりに、中盤でボルトの加速を挟む、いわゆる「手抜く」ターンを作ることも多いので、そこで色エネが必要になってきます。ブレンドエネじゃないのは、気休め程度の改造ハンマーとユキメノコケアです。一応つりざおで戻ります。

 デッキの欠点としては、特性依存+プラズマデッキなので、両方の強みを持つ一方で、両方への対策が綺麗に刺さってしまうことです。
 特に上述した改造ハンマーは最近わりと使われることも多く、ちょうど直前にロッキーさんがブログで書いてらっしゃったのを見て一人でげんにょりしたりもしましたw
 また、コンボデッキのように振舞う場面が多いので、どうしても、引きの噛み合う、噛み合わないが出てきてしまうこともあります。

 んで肝心の時和杯は、予選3-1抜けから決勝トナメ3連勝して優勝。
 予選の唯一の負け試合は対レオンさん戦。
 相手はレックビールで、こちらの想定プランとしては、序盤のランド+ゲノでビールライン潰しか、中終盤でゲノからのサイドレースです。まんたんで凌げるゼクビールと違ってレックEXがあるため、まんたんはそこまで信頼できません。
 練習段階では、どこかでビールを潰しておけばレック即起動はなくなるので、そこで手数勝ちになるだろうという印象でした。
 実戦は相手のシラス3体スタートに、こちらハチマキランドで応戦という形になります。
 ただ、序盤にフレフワンを立てたあと、ボールかゲノを全然引き込めず、レッドシグナルの機会が全く得られません。そのため相手の非EXアタッカーにこちらのEXアタッカーが正面衝突してしまい、ビールラインが全部生き残ってしまいます。
 逆に言えば、ビールラインを全て残して最後のレック起動まで見ていた相手のプラン勝ちになってしまったわけですが(そしてこちらはそれに乗りたくなかったのですが)、ゲノが引けず結果的にそれに乗らざるを得ない破目になります。
 序盤こそ色相性で押していましたが、中盤はEX対非EXの正面衝突に持ち込まれてしまい、お互いのEXアタッカーがベンチでにらみ合う展開になってしまいます。どこかのタイミングでゲノを引ければ……というターンばかりだったのですが、結局3体のビールラインからレックの即起動を許してしまい負けに。最後のターンのドロソまでゲノ引ければ勝ちの状況の悲しみ。
 勝ち筋を辿りきった相手が上手かったですね。

 決勝はクーポソさんのアブソルキュレム型のプラズマ。たぶんデッキ相性的には不利な相手だと思うのですが、展開で上回って勝ち。初代トキワ杯竜王ゲットです。

 というわけでSIPでワンツーフィニッシュでした。
 トキワ杯は運営のテンポも良くて楽しい大会でした。また次回も期待しています!
【コラム】謎のカイリューダストランクルス
 今回も翻訳ではありません(たぶん)。
 今月アメリカで開催されていたWinter Regional。その第1週目の大会で、3位に入賞して注目を集めたデッキがあります。
 それが、カイリューダストダスランクルス。まったく見慣れないデッキだっただけに、さまざまな場所で話題になっていました。
 使用者は、WCS2013で復讐ブースターを使ってトップ16に入賞したDylan Bryan(復讐ブースターについてはhttp://ukinins.diarynote.jp/201309011145155586/)。

 このカイリューデッキについて、Dylan Bryan本人のデッキリストと解説はまだアップされていません(されるかどうかも謎です)。
 ただ、本人以外からの考察記事は、僕の知るかぎりすでに3つ存在しています。
 今回はそのなかの2つを取り上げ、このデッキについて紹介してみたいと思います。

 まず始めは、ご存知The Top Cutから、Kyle Sucevichの動画による解説です。
 本人のデッキリストではないとのことですが、たぶんかなり近いと思う、だそうです。
 きちんとした翻訳ではなく、解説を箇条書きにしてあります。

 ◆ ◆ ◆

Pokemon TCG Deck Breakdown -- Dragonite!
ttp://thetopcut.net/2014/01/25/pokemon-tcg-deck-breakdown-dragonite/

3 ミニリュウ
3 カイリュー
2 ヤブクロン
2 ダストダス
2 ユニラン
1 ランクルス
1 ミュウツーEX
1 ビリジオンEX
1 クレセリアEX
1 ジラーチEX
1 バリヤード

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
2 トロピカルビーチ
1 パソコン通信

4 ハイパーボール
4 ふしぎなアメ
2 レベルボール
2 白銀の鏡
2 シルバーバングル
1 かるいし
1 すごいつりざお
1 ツールスクラッパー

6 草エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

※以下は、動画内の解説で重要そうな部分を箇条書きにしてみました。

・白銀の鏡を貼ってつんざくを打てばプラズマ団は終了。ルギア/カビゴン/ボルトロスが最近流行ってるよね。ついでにプラズマ団だからゲノセクトEXにも効くよ。Gブースターも貼れなくなるし。鏡とつんざくのセットがカイリューにとっては一番のコンボだと思う。
・グッズととくせい両方を止めれるようになるから、ダストダスも強力。特に対カメックスと対エンブオーに効くよ。ついでに対プラズマでも、相手のレッドシグナルで鏡カイリューがバトル場から動かされることがなくなるね。つんざくを打っていれば、ダストに貼ってあるグッズが割られることもないし。
・でもダークライとかは、とくせいロックに関係なく攻撃してくる。そういう相手にはダストの代わりにランクルスを使おう。ラインが2-1なのは、デッキに色々なカードを入れなくちゃいけなかったから。ランクルスでカイリューを生き残らせれば、グッズロックが継続できる。
・もし相手がダークダストで、ランクルスを止めてこようとしたら、スクラッパーで相手のダストのどうぐを割って、つんざくを打とう。相手は次のどうぐを貼れなくなる。
・クレセリアEXは、ランクルスとセットでゆっくりとだけどダメージを回復してくれる。このデッキならまんたんよりこっちだと思う。
・ビリジオンEXは、特殊状態を防ぐため。相手は、たとえばヤミラミのあやしいひかりとかでカイリューを止めようとしてくる。攻撃できないターンがあると、ロックが解除されてしまうからね。ついでにゴチアギにも負けなくなるよ。
・ミュウツーEXは、相手が巨大なミュウツーを作ってカイリューを一撃で倒そうとしてきたときのため。ロックが切れるから理想的なアタッカーではないね。エックスボールを打つときは、事前にNを使って相手の手札を制限しておこう。
・ポケモンのラインはこんな感じ。ランクルスとかはもっと入れたいけど、デッキを60枚に収めるためにやむなく。
・シルバーバングルがあると、ダークライEXのようなEXを2発で落とせるようになる。レックEXやブラックキュレムEXは一撃になるね。
・デッキ全体はこんな感じ。メタ内のたいていのデッキに有利だと思うよ。

 ◆ ◆ ◆

 続いて、The Charizard Loungeから。もともとSixPrizesのライターだった人が開設したサイトだそうです。
 こちらは普通の記事になっています。
 面倒くさいので翻訳しなかった代わりに、上で出てきていない重要そうな箇所を、同様に箇条書きにしてみました。
 デッキリストは上のものか記事内を見てもらえればいいので省略します。

 ◆ ◆ ◆

Dragon Locked -- A Look at Dragonite
ttp://thecharizardlounge.com/2014/01/22/dragon-locked-a-look-at-dragonite/

・実際このデッキは突然に登場したわけではなくて、自分はPlayTCGでのランダム対戦で、このデッキと当たったことがある。ただ、そのときの相手は全然洗練されていなかった。
・このデッキは、現状に存在するコンセプトと、かつて使われた戦略との集合体で、それをひとつのつんざくデッキに詰め込んだような感じだ。
・HP150は、どくさいみん無しでは一撃ではまず落ちない。
・ただ2エネつき2進化を何体も立てるのは難しいから、理想的には、1ゲームを1体で戦い抜きたい。
・ランクルスで回復するというコンセプトは、かつて"the Truth"やゴチランで使われたものだ。〔※訳注:"the Truth"は、強豪プレイヤーのRoss CawthonがWCS2011に持ち込んで準優勝したラフランの通称。参照:ttp://www.sixprizes.com/2011/11/01/nothing-but-the-truth/〕
・エーススペックは、パソ通かダウジングだと思う。あまり一般的でない候補として、ロックガードもある。
・正直、回復オプションが必要なのか怪しいと思う。ベンチにはHPの高いやつがいっぱいいるし、きちんと場を立てれば、ダメージを移して意図的にきぜつさせても良いと思う。ベンチにはビリジオンEXともう1体EXを置きたい。
・ただ、このデッキには問題点もある。
・立ってしまったカメックスやエンブオーにはつらい。カイリューは非EXのブラックキュレムやレックウザに一撃でやられるし、レシラムのげきりんもつらい。
・ビリゲノはこのデッキと互角にやれる。先に動ければ、レッドシグナルでエネつきを狙うこともできる。
・序盤からヤミラミハンマーで嵌めれば、つんざくは打てなくなる。
・スクラッパーがサイド落ちした場合の相手のダストも問題だ。

 ◆ ◆ ◆

 こんな感じです。
 ちなみに、3つのうち残るひとつの記事というのは、
“I Can’t Hear You!” -- The Boisterous Rise of Dragonite
ttp://www.sixprizes.com/2014/01/25/i-cant-hear-you-the-boisterous-rise-of-dragonite/
 なのですが、こちらは内容の重複も多いので(そして僕が力尽きたので)省略します。

 海外のメタゲームは、ビリゲノ/プラズマ/ダークダスト/カメケル/レックエンブの綺麗な5強で動いています。今回のカイリューは、そのメタを見事に読みきった結果の入賞と言えると思います。
 現に、2つめに紹介した記事は、「カイリューの成功は、正しいメタ読みの中で、優秀なプレイヤーが使ったということと大きく関係している」と締めくくられています。
 もちろん、あるいは最も大きな要因かもしれませんが、海外ではトロピカルビーチが使用可能というのも忘れてはいけないと思います。このカードの2進化デッキへの寄与はものすごく大きいですね。
 それでも、このデッキや考察から学べることは多くあると思います。

 さてさて、実はこれらの記事が出たあと、つい先日行われた第3週目のWinter Regionalでは、何とカイリューダストビクティニEXという、これの派生系のようなデッキが優勝してしまうわけですが(使用者は去年のアメリカ2位)、それについては、機会があれば(そして記事が出れば)また後日紹介したいと思います。

【追記】http://ukinins.diarynote.jp/201401291320213494/でカイリューダストビクティニEXの解説をしています。
【コラム】噂のカイリューダストダス、パート2
 というわけで、前回(http://ukinins.diarynote.jp/201401281414591915/)の続きです。

 前回はカイリューダストランクルスという非常にユニークなデッキを取り上げましたが、その最後では、Winter Regionalの第3週目、つまり最終週を、カイリューダストビクティニEXが優勝した、ということに触れました。いま、何やらカイリューが熱いカードになっていますね。
 ちょうどそのデッキの解説もアップされてきたので、今回は、そのカイリューダストビクティニの紹介をしてみたいと思います。
 
 引用元は、毎度お馴染みThe Top Cutから。
 解説は前回同様Kyle Sucevichですが、今回は、使用者本人のリストだそうです。
 早速ですが見てみましょう。

Dragonite/Garbodor/Victini -- 1st Place Regional Championship Deck!
ttp://thetopcut.net/2014/01/28/dragonitegarbodorvictini-1st-place-regional-championship-deck/

4 ミニリュウ
1 ハクリュー
3 カイリュー
2 ヤブクロン
2 ダストダス
2 ビクティニEX
1 ミュウツーEX
1 ジラーチEX

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
2 トロピカルビーチ

4 ふしぎなアメ
3 ハイパーボール
3 レベルボール
2 シルバーバングル
2 白銀の鏡
2 かるいし
1 ヘビーボール
1 タウンマップ
1 すごいつりざお
1 ビクトリーピース

6 炎エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 デッキの主な動きは前回のエントリを見てもらうことにして、目を引くのはビクティニEXではないでしょうか。
 実はこのタッチビクティニEXという選択肢は、前回の最後で紹介だけした3つめの記事(ttp://www.sixprizes.com/2014/01/25/i-cant-hear-you-the-boisterous-rise-of-dragonite/)内でもちょっとだけ触れられていたものでした。

 動画内で言及されているビクティニEXの役割は、リストを見ればすぐわかることではありますが、
・カイリューの欠点は遅くてワザにコストがかかることだけど、このデッキはビクティニEXで加速することができる。
・ライジングバーンはビリジオンEXやゲノセクトEXなどの流行りの連中を一撃で倒せる。
 という2点です。
 特に海外のトップメタであるビリゲノへの有効な対策という点が、おそらく最大の採用理由でしょう。
 前回のエントリでも、カイリューダストランクルスでは対ビリゲノに厳しい面があることも、少しだけ触れられていました(序盤からエネつきを狙われてしまうとつらいため)。

 タウンマップは、サイド落ちした特定のカードがほしい場面が多々あるため(白銀とかダブル無色とかサポとか)、だそうです。
 ヘビーボールは、カイリューとダストを引っ張れる、ということですね。

 解説はこんな感じです。
 ちなみにこのデッキの使用者は、Ryan Sabelhausというプレイヤー。去年のアメリカ選手権2位であり、また去年のTop Cut Invitationalの優勝者でもあります。
 世界大会最終日に行われたTop Cut Invitationalの様子は、動画で見ることができます。その決勝戦も動画(ttp://youtu.be/wiXrhO9_VWc)がありますので、興味があればご覧になってはいかがでしょうか。

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