みんなであそぼう!!「キッズパークinまこまないvol.1」
2013年12月7日コメント (8) 自主イベントの盛り上がりならば他地域にもひけをとらない札幌ですが、今回のイベントもまた凄いです。
来たる12月14日、15日、あの親子ポケカさんが、ついに大型会場に参戦します!
今回のキッズ向け大型イベントでは、ミニ四駆、スイーツデコレーション、レゴブロック、そして親子ポケカ! 当日ははじめて教室あり、親子ジムバトルあり、物販コーナーありと、これからポケモンカードを始めたい人、始めたばかりの人にとって、うってつけのイベントになっています。
詳細は、ハル父さんのブログ、
http://gaukun.diarynote.jp/201312070930478633/
をご覧ください。
今回の親子ポケカは本当に画期的な試みだと思います。
このブログをご覧になった親子プレイヤーの方、これからポケカを始めてみたい方、ぜひぜひお越しください!
来たる12月14日、15日、あの親子ポケカさんが、ついに大型会場に参戦します!
今回のキッズ向け大型イベントでは、ミニ四駆、スイーツデコレーション、レゴブロック、そして親子ポケカ! 当日ははじめて教室あり、親子ジムバトルあり、物販コーナーありと、これからポケモンカードを始めたい人、始めたばかりの人にとって、うってつけのイベントになっています。
詳細は、ハル父さんのブログ、
http://gaukun.diarynote.jp/201312070930478633/
をご覧ください。
今回の親子ポケカは本当に画期的な試みだと思います。
このブログをご覧になった親子プレイヤーの方、これからポケカを始めてみたい方、ぜひぜひお越しください!
【告知】第35回うきにん杯のおしらせ
2013年12月10日 2013年もついに12月に入りました。うきにん杯も年内最後の大会です。
今回もサンタが来るとか来ないとか……? それは当日のお楽しみということで。
ひっそりと更新されているポケモン竜王戦のレギュレーションに従い、今回もトロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバルは使用不可とします。
その他のルール変更は、11月更新のものに準拠します。
XYシリーズ発売後最初の大会です。22日、23日は全国各地で大会が開かれますが、それらに負けないくらい、札幌も盛り上がっていきましょう!
以下、だいたいうきにん杯ブログからのコピペです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
日時:12月23日(月曜日)
時間:9:00~17:00(9:00開場、9:30~10:00参加受付)
場所:札幌市中央区民センター、創造の部屋(SIPと掲示されてるかもしれません)
参加費: 一律300円
持ち物:レギュレーションに沿ったデッキ、筆記用具、ダメカン、ダイス等。
・会場へのアクセスは各自ご確認願います。
・駐車場は中央区役所(区民センター向かい)の駐車場を利用できますが、駐車可能台数には限りがありますので、公共交通機関の利用を推奨しています。
■進行スケジュール
・09:00~ 開場
・09:30~10:00 大会受付
・10:10~10:40 1回戦
・10:50~11:20 2回戦
・11:30~12:00 3回戦
・12:00~13:00 昼休憩
・13:00~13:30 4回戦
・13:40~14:10 5回戦
・14:20~15:50 決勝トーナメント
・16:00~ 表彰式+ランダム賞
※あくまで目安であり、対戦の進行状況次第で若干前後する可能性があります。
■レギュレーション
デッキ枚数とサイド:オープン60枚。サイド6枚戦。
使用可能カード:BWシリーズ以降。および、BW初弾以降に販売(配布)された構築済みデッキやプロモーションカード。再録カードやシリーズ区分についてはトレーナーズウェブサイト内「デッキに入れることのできるカードについて」(ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/#bw)をご参照ください。
使用できないカード:トロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバル
大会形式:スイスドロー。勝ち点は勝利(3)、敗北(0)。
試合時間:30分。
※大会全般について
・全対戦終了時の勝ち点が同点の場合、OMWPによって順位を算出します。OMWPも同じ場合、スコアシートに記入していただくサイドの数の差(取ったサイドから取られたサイドを引いた数字の大きさ)で順位の上下を決定します。
・カテゴリA&B入り交ざっての大会です(オープン)。カテゴリAのプレイヤーには、同カテゴリプレイヤー間の順位に応じて賞品を分配する予定です。
・「終了コール時のプレイヤー」の番までを制限時間内とします。その際、対戦終了のコールから1分を経過した時点で、自動的にそのプレイヤーの番が終了となります(ワザの宣言前であっても、1分を経過した時点で対戦終了となります)。ポケモンチェック中に終了コールがあった場合は、その時点で対戦終了となります。
・対戦終了時にサイド枚数が同じ場合、延長戦(対戦終了時点の状態から対戦を再開し、サイドを先に1枚取ったプレイヤーの勝利)で勝敗を決定します。
・その他、大会やルールに関する規定は原則として、公式ルールおよびフロアルールに従います。
■その他
・円滑なプレイの運行を妨げる可能性がありますので、外国語カードの使用は禁止しています。ご了承ください。サインドカードの使用はカードのテキストが判読できれば問題ありません。
・大会を通じてデッキの変更や枚数調整はできません。
・非公認大会となります。だいすきクラブ等には反映されませんのでご了承ください。
・大会についてのお問い合わせは、おでこ:kya_odecosa_nあっとyahoo.co.jp(PCメール。あっとを記号へ変更してください)まで。
・上記の進行スケジュール、レギュレーションは変更される場合があります。その場合はここで告知しますので、参加予定の方は定期的にご確認願います。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ご参加お待ちしています!
そしてもちろん、14、15日の親子ポケカ
http://gaukun.diarynote.jp/201312070930478633/
もよろしくお願いします!
今回もサンタが来るとか来ないとか……? それは当日のお楽しみということで。
ひっそりと更新されているポケモン竜王戦のレギュレーションに従い、今回もトロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバルは使用不可とします。
その他のルール変更は、11月更新のものに準拠します。
XYシリーズ発売後最初の大会です。22日、23日は全国各地で大会が開かれますが、それらに負けないくらい、札幌も盛り上がっていきましょう!
以下、だいたいうきにん杯ブログからのコピペです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
日時:12月23日(月曜日)
時間:9:00~17:00(9:00開場、9:30~10:00参加受付)
場所:札幌市中央区民センター、創造の部屋(SIPと掲示されてるかもしれません)
参加費: 一律300円
持ち物:レギュレーションに沿ったデッキ、筆記用具、ダメカン、ダイス等。
・会場へのアクセスは各自ご確認願います。
・駐車場は中央区役所(区民センター向かい)の駐車場を利用できますが、駐車可能台数には限りがありますので、公共交通機関の利用を推奨しています。
■進行スケジュール
・09:00~ 開場
・09:30~10:00 大会受付
・10:10~10:40 1回戦
・10:50~11:20 2回戦
・11:30~12:00 3回戦
・12:00~13:00 昼休憩
・13:00~13:30 4回戦
・13:40~14:10 5回戦
・14:20~15:50 決勝トーナメント
・16:00~ 表彰式+ランダム賞
※あくまで目安であり、対戦の進行状況次第で若干前後する可能性があります。
■レギュレーション
デッキ枚数とサイド:オープン60枚。サイド6枚戦。
使用可能カード:BWシリーズ以降。および、BW初弾以降に販売(配布)された構築済みデッキやプロモーションカード。再録カードやシリーズ区分についてはトレーナーズウェブサイト内「デッキに入れることのできるカードについて」(ttp://www.pokemon-card.com/event/regulation/#bw)をご参照ください。
使用できないカード:トロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバル
大会形式:スイスドロー。勝ち点は勝利(3)、敗北(0)。
試合時間:30分。
※大会全般について
・全対戦終了時の勝ち点が同点の場合、OMWPによって順位を算出します。OMWPも同じ場合、スコアシートに記入していただくサイドの数の差(取ったサイドから取られたサイドを引いた数字の大きさ)で順位の上下を決定します。
・カテゴリA&B入り交ざっての大会です(オープン)。カテゴリAのプレイヤーには、同カテゴリプレイヤー間の順位に応じて賞品を分配する予定です。
・「終了コール時のプレイヤー」の番までを制限時間内とします。その際、対戦終了のコールから1分を経過した時点で、自動的にそのプレイヤーの番が終了となります(ワザの宣言前であっても、1分を経過した時点で対戦終了となります)。ポケモンチェック中に終了コールがあった場合は、その時点で対戦終了となります。
・対戦終了時にサイド枚数が同じ場合、延長戦(対戦終了時点の状態から対戦を再開し、サイドを先に1枚取ったプレイヤーの勝利)で勝敗を決定します。
・その他、大会やルールに関する規定は原則として、公式ルールおよびフロアルールに従います。
■その他
・円滑なプレイの運行を妨げる可能性がありますので、外国語カードの使用は禁止しています。ご了承ください。サインドカードの使用はカードのテキストが判読できれば問題ありません。
・大会を通じてデッキの変更や枚数調整はできません。
・非公認大会となります。だいすきクラブ等には反映されませんのでご了承ください。
・大会についてのお問い合わせは、おでこ:kya_odecosa_nあっとyahoo.co.jp(PCメール。あっとを記号へ変更してください)まで。
・上記の進行スケジュール、レギュレーションは変更される場合があります。その場合はここで告知しますので、参加予定の方は定期的にご確認願います。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ご参加お待ちしています!
そしてもちろん、14、15日の親子ポケカ
http://gaukun.diarynote.jp/201312070930478633/
もよろしくお願いします!
オーロットアギルダーヨノワブースター
2013年12月13日 昨日の夕方の段階でプロキシありで組んでたテスト用。スパー相手につき全部入り。
4 ボクレー
4 オーロット
3 チョボマキ
3 アギルダー
2 イーブイ
2 ブースター
2 ヨマワル
1 サマヨール
1 ヨノワール
1 ミュウEX
1 ジラーチEX
1 ケルディオEX
4 アララギ博士
4 N
4 アクロマ
1 ベル
4 かるいし
4 ハイパーボール
3 レベルボール
2 ツールスクラッパー
2 すごいつりざお
1 ヘビーボール
1 タウンマップ
1 ダウジングマシン
4 ダブル無色エネルギー
デッキ構造的にオーロットをかなり使い捨てる。ゴチに比べて立てやすく落ちやすいのでそうならざるをえない。
そのため(またフウロから動くデッキでもないため)ボールを相当ブン回す動きに。ヘビーボールが噛み合ってるけれど、個人的な印象ではボール計7枚が最低ライン、8枚はほしい気がする(後1や先2のあなぬけ絡みの速攻で場が結構崩れる)。
ボールはジラーチへのアクセス手段にもなるので、レッドカードの返しや中終盤の追加ドロー役にもなる。
これのブースターはビリゲノとの正面衝突ほぼ専用(フリゲートとか知らん)。キャッチャーを入れてないのでタッチビリジオン(サザンダークetc)などを狩るには使えず、そのため後述のように、それらをケアするにはキャッチャー等々を入れる必要がある。
また、ふしぎなアメが入らないので、3ターンかけてヨノワールを立てる必要性が出てくる。そのためヨマワルは2枚。サイド落ちしたら上のラインはタウンマップ救出。
理想はヨノワ221ラインのタウンマップ1だとは思うけど、スペースが足りなかった。ゴチアギのヨノワールに比べると立てるためのプレイがやや違ってくる(アメがなくオーロットがよく落ちるので早い段階から立てに行くことも多い)。
序中盤はアタッカーを使い捨ててサイドもそこそこ引くので、タウンマップは普通に使ってもサーチカードとして強い。ただこういうカードパワーの低いカードは常に抜く対象ではある。
使い捨てに徹するならヨノワは抜けていい。テストしてみた限りは、序盤の使い捨てが続くと結構駒が尽きるので、最後にヨノワで蓋をするのが何だかんだ強かった印象。
もちろん、相手のタッチケルディオやビリジオンやカビゴンまで見るなら、その枠をそのままキャッチャーなどに挿し変えると思う。キャッチャーハチマキバングル(ないしゲノセクト、これは別デッキか)から嵌めに行くだけでも強い。
(ただカビゴンは制限時間ありならプレイで何とかなりそうではある)
自分側のケルディオは対ミラーや逃げロックまで見てるけど、使わないならすぐに抜く対象。ベンチがロットロットアギアギヨノワジラーチとなることが多いので、特定の相手以外では置く場所がない。
1挿しベルが浮いてるので何とかしたい(でも追加ドロソは中終盤Nや最序盤レッドカードの対策も兼ねてる。ほとんど使わないけど)。
ここの2枠+@を外せばキャッチャー入るのではという印象。
また相対的にプラズマが強くなっているので、そこまで見るならケルと白銀の鏡は入れたい(個人的にプラズマは今のバトフェス環境わりとおすすめです)。
XY1のロックデッキは、ぱっと思いつくだけでもアギロット、赤紙モロバレルミルホッグ、赤紙ナッシー、赤紙オーロットセレビィ等々いろいろありそうなので面白いですね。どこまで実戦級か知りませんが。
このアギロットは現状ヌルすぎるので改良しないと全然駄目だと思います。コンセプトばらばらだし。改良しても全然駄目な気もするけど。突破手段がけっこうある。
そもそも僕大阪も東京も行かないし。
4 ボクレー
4 オーロット
3 チョボマキ
3 アギルダー
2 イーブイ
2 ブースター
2 ヨマワル
1 サマヨール
1 ヨノワール
1 ミュウEX
1 ジラーチEX
1 ケルディオEX
4 アララギ博士
4 N
4 アクロマ
1 ベル
4 かるいし
4 ハイパーボール
3 レベルボール
2 ツールスクラッパー
2 すごいつりざお
1 ヘビーボール
1 タウンマップ
1 ダウジングマシン
4 ダブル無色エネルギー
デッキ構造的にオーロットをかなり使い捨てる。ゴチに比べて立てやすく落ちやすいのでそうならざるをえない。
そのため(またフウロから動くデッキでもないため)ボールを相当ブン回す動きに。ヘビーボールが噛み合ってるけれど、個人的な印象ではボール計7枚が最低ライン、8枚はほしい気がする(後1や先2のあなぬけ絡みの速攻で場が結構崩れる)。
ボールはジラーチへのアクセス手段にもなるので、レッドカードの返しや中終盤の追加ドロー役にもなる。
これのブースターはビリゲノとの正面衝突ほぼ専用(フリゲートとか知らん)。キャッチャーを入れてないのでタッチビリジオン(サザンダークetc)などを狩るには使えず、そのため後述のように、それらをケアするにはキャッチャー等々を入れる必要がある。
また、ふしぎなアメが入らないので、3ターンかけてヨノワールを立てる必要性が出てくる。そのためヨマワルは2枚。サイド落ちしたら上のラインはタウンマップ救出。
理想はヨノワ221ラインのタウンマップ1だとは思うけど、スペースが足りなかった。ゴチアギのヨノワールに比べると立てるためのプレイがやや違ってくる(アメがなくオーロットがよく落ちるので早い段階から立てに行くことも多い)。
序中盤はアタッカーを使い捨ててサイドもそこそこ引くので、タウンマップは普通に使ってもサーチカードとして強い。ただこういうカードパワーの低いカードは常に抜く対象ではある。
使い捨てに徹するならヨノワは抜けていい。テストしてみた限りは、序盤の使い捨てが続くと結構駒が尽きるので、最後にヨノワで蓋をするのが何だかんだ強かった印象。
もちろん、相手のタッチケルディオやビリジオンやカビゴンまで見るなら、その枠をそのままキャッチャーなどに挿し変えると思う。キャッチャーハチマキバングル(ないしゲノセクト、これは別デッキか)から嵌めに行くだけでも強い。
(ただカビゴンは制限時間ありならプレイで何とかなりそうではある)
自分側のケルディオは対ミラーや逃げロックまで見てるけど、使わないならすぐに抜く対象。ベンチがロットロットアギアギヨノワジラーチとなることが多いので、特定の相手以外では置く場所がない。
1挿しベルが浮いてるので何とかしたい(でも追加ドロソは中終盤Nや最序盤レッドカードの対策も兼ねてる。ほとんど使わないけど)。
ここの2枠+@を外せばキャッチャー入るのではという印象。
また相対的にプラズマが強くなっているので、そこまで見るならケルと白銀の鏡は入れたい(個人的にプラズマは今のバトフェス環境わりとおすすめです)。
XY1のロックデッキは、ぱっと思いつくだけでもアギロット、赤紙モロバレルミルホッグ、赤紙ナッシー、赤紙オーロットセレビィ等々いろいろありそうなので面白いですね。どこまで実戦級か知りませんが。
このアギロットは現状ヌルすぎるので改良しないと全然駄目だと思います。コンセプトばらばらだし。改良しても全然駄目な気もするけど。突破手段がけっこうある。
そもそも僕大阪も東京も行かないし。
【翻訳】「全部は倒せない」――多様なメタゲームの中で自分の道を見出すには
2013年12月18日コメント (2) 今回はSixPrizesから。今年の世界大会でレックビールを使ってトップ8入賞を果たした、Jon Bristowによる記事です。
元記事は会員限定記事になっていますが、無料で読める前半部分だけでも大変面白い内容です。そのため、その箇所のみの部分訳となっているのですが、かなりの充実した分量があります。
この記事内では、メタゲームをどう読むかという問題を、とても実践的に考察しています。書いている内容を体現するかのように、他記事やレポートへのリンクも豊富にあり、非常に読み応えのある記事になっています。12日の記事ですが、バトフェス東京までに訳せてよかったと思います。
後半にはデッキの話も多くあるので、小難しい理屈はいいからデッキの話を読ませろという人は、序盤を飛ばして中盤から読むと良いでしょう。
記事中には、アメリカの大会形式の名称がたくさん出てきます。日本には該当する形式がなかなかないので原語をそのまま用いてありますが、読んでいるうちになんとなくの規模はわかると思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、字体や改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
“Can’t Beat’Em All” -- Finding Your Way in a Diverse Metagame
by Jon Bristow
Thursday, December 12, 2013
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/12/cant-beat-em-all-finding-your-way-in-a-diverse-metagame/
今日は、とある重要な考え方について話そうと思います。現環境のメタ読みについてです〔※訳注:原文ではmetagameを動詞で用いて表されていますが、メタ読みという訳語をあてました〕。フォーマットが変わる以上は毎シーズン話題になることではありますが、今回は、個々人自身でできるようなやり方を紹介したいと思います。
また、議論を始める前に、キャッチャーが効果的に弱体化されてから、ものごとがどのように展開していったのか、それについての雑感を少し書きたいと思います。記事の終わりにかけては、CitiesやRegionalsに向けてデッキをいくつか取り上げて解説し、メタ読みという考え方においてはそれらがどう機能するのかを説明したいと思います。
記事の最後には、読者の人たちが、地域のローカルプレイヤーよりも上を行って勝てるようなあれこれを全て書き残すことができたらと思っています。
■現環境おぼえがき
ようやく環境が次に進めるだけの時間が過ぎました。League Challengeが数多く開かれ、そして今はCity Championshipsの真っ最中です。そういうイベントの中には、対戦動画をオンラインで公開しているものもあります。残念ながら自分はもうすぐ大学の学期末なので、勉強のせいでイベントの多くに出られなかったものの、前回の記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/11/14/gotta-go-fast-regionals-recap-and-deck-discussion-heading-into-city-championships/〕を書いてから、環境をいろいろ観察して、NXD-LTR環境〔※訳注:BW3-EBBに該当〕の対戦をかなりやっていました。
以下、最も気になったことを2つ挙げます。
30分という制限時間がゲームの形を決めている
現環境の30分制のゲームで気になった最大の点は、引き分けが非常に多いということです。1対戦は5分で終わることもあれば、30分続くこともあります。ポケモンをベンチから引っ張り出せるものが限られているため、ゲームは遅くなる一方ですが、個人的には、それは(ある程度までは)良いことだと思います。
良くない点は、プレイヤー側が動きに時間をかけることで、ルールに反することなくゲームの速度を遅くし、戦況がきついときは不可避的に引き分けに持ち込めてしまうところです。過去記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/11/14/gotta-go-fast-regionals-recap-and-deck-discussion-heading-into-city-championships/#a-word〕で、そういう状況に対処する方法について書きましたが、ここではまさにそういう状況になっているわけです。
どんなデッキでも勝つ可能性はある
国内選手権から世界大会へ、そして秋のRegionalsへ、そして、一番規模の小さなLeague Challengesへと移っていくと、大小のイベントのささいな差など簡単に忘れてしまいます。事実上環境で一番強いはずのデッキでも、不利なマッチアップをいくつか踏んだだけで、予選を抜けることはできなくなります。そのため、大きな大会で勝つ可能性がとても小さなデッキであっても、地域の大会で7連勝してしまう、ということもありえるわけです。
しかしこれは、こういった大会で最善を尽くすのは賢明ではない、と言いたいわけではありません。ここで言いたいのは、Citiesを単体のイベントと捉えるのではなく、本来のようにひと繋がりのイベントとして捉えた方がいい、ということです。つまり、毎回続けて最善を尽くすことが、成功するのに最も良い方法なのです。
これらをすべて心に留めた上で、みなさんと最も議論してみたいメイントピックに入っていきたいと思います。メタ読みの技術についてです。
■メタ読みとは何か
今ではほとんどの人がメタ読みについて聞いたことがあるでしょうが、その基本的な意味は、普通の人にとっては、「ほかのみんなが使っているものへの対策をする」です。おおよそその通りなのですが、しかし本来それは、単に流行りそうなものを対策するということよりも、はるかに奥が深いものです。下記は、Wikipediaにおけるメタ読みの意味です。
この定義は、ポケモンカードにおいてその語が持っている意味を正確に表していると思います。しかしながら、この定義を読むときは、自分の良心を忘れずにいてください。勝つために外部の情報を利用するといっても、ルールを捻じ曲げたり、破ったりしてはいけないということです。
さて、ここまではメタ読みとは何かについて話してきました。ここからは、メタ読みとはどうすればいいのかを話していきましょう。
■環境を定義する
環境を定義するという考え方があれば、自分のデッキについてどのような選択を取るべきかを理解できるようになります。漠然とした言い方ですが、しかし心配はいりません。詳しく説明していこうと思います。まずは、イベントのサイズと、それによって何がわかるのかから始めましょう。
小規模イベント(League Challenges, Cities)
これら地域性の強いイベントでは、出場しているプレイヤーの大部分を見知っているでしょうし、かれらが何のデッキを使っているかや、どのくらいのレベルの相手と対峙することになるのかもわかっているでしょう。
中規模イベント(States, Regionals)
これらの大会は、文字通り、ローカル大会の集合体です。しかしながら、出場のために飛行機や車でとんでもない距離を移動してきたプレイヤーがいたとしても、驚くにはあたりません。大会全体を把握しきることは望むべくもありませんが、それでも、さまざまな地域から来ている友人たちから得られるローカル大会の結果や考察は、間違いなく、予想をどうするかへの手助けになります。
大規模イベント(Nationals, Worlds)
これらには本当にたくさんの地域からプレイヤーが集まるために、地域ごとのメタ読みをするのは不可能になります。それでも、この場合はインターネットが味方になるでしょう。テストプレイでの経験や、他のプレイヤーたちがアクセスしている情報に基づいて、プレイヤーの大多数がどんなデッキを使っているのかを読み取ることもできます。ここには、例えばいま見ているようなウェブサイトやソーシャルメディアも含まれます。
とはいえ、これで作業が終わったわけではありません。次の記事に一番関係のある最初の2カテゴリについて、特に注意を向けてみたいと思います。
■小規模イベント――日々移り変わる反応を読み解く
こんな場面を想像してみてください。いまあなたは、調整済みのビリジオン/ゲノセクトデッキを持って地域の大会に出場して、地元のプレイヤーを倒し、当然手に入るはずのチャンピオンシップポイント50点を手に入れようとしています。しかし周囲はミカルゲ(EBB)入りのダークライを使っていたために、対戦したゲームすべてでダークライを一撃で倒すことができず、際どいゲームに敗れて2連敗してしまいます。
これを見て、あなたは翌日、信頼のおけるランドロス/ミュウツー/ダストダスデッキに切り替えます。もし全員が同じデッキを使ってくるならば、闘ポケモンが暴れまわるのを誰も止められないとわかっているからです。
しかし、他の全員も同じことを思っています。その日は大量のミラーマッチに遭遇し、また一夜漬けのデッキでは練習が足りず、結局あなたは予選突破を惜しくも逃してしまいます。確かにこれは不運かもしれません。これをツイてない日だと言うこともできます。しかし一方で、ここから学ぶこともできます。メタゲームは、周囲に対応して動くのだと。
ここからわかるのは、その日使われていたデッキだけでなく、その前日に使われていたものも考慮する必要がある、ということです。周囲の人が、彼らが同様に見ているものに、どう対応しているのかを見極める必要があります。場所によっては、こうならない地域もあります。なかには、65/35で有利を取れるのが明らかなマッチアップや、周囲の全員が使ってくるのと同じようなデッキで優位に立てるようなチャンスをあっさり無視する人もいるからです。こういう場合には、あなたの持つ対策デッキはさらにうまくやれるだろうと自信を持って予想することができます。
あなたの地域の環境がどのくらいよく動くのかがわかっていれば、この情報を(そして結果を)さらに効率よく用いることができます。これは、スイスラウンド5連勝と1敗2分け途中棄権との差を意味します。周囲の人々を理解することは、大会で勝つためのソーシャルスキルであるだけでなく、日々の生活においても不可欠な能力でしょう。
これらの情報は厳密には科学的というわけではありません。しかし、今回お話しようとしていた内容を思い出してほしいのですが、ここでの目的は、参加する大会での最良のデッキ選択ができるようになることです。
ひとつ細かいことを書き足しておきますが、ローカル大会では、ときには大会前にフリー用のテーブルを見るだけで、そこのメタゲーム全体を把握することもできるのです。
■中規模イベント――何が機能するかを知り、安定に徹する
Regionalに、もしくはStateレベルの大会に参加したときには、自分の地域のメタゲームに加え、他の地域のメタゲームも経験することになります。しかしここでは、小規模ならばそこまで問題にならなかった要素を考慮に入れる必要があります。それは大量のラウンド数と、そして3ゲーム制かつ50分+3ターン制だということです。ということは、外部的な要素、プレイヤー数、そして考えるべきことがたくさんあるのです。しかしきちんと準備をすれば、勝てる見込みはぐっと上がります。
最初のキーポイントは、自分が経験した結果と、そしてそれと同じくらい、参加してくる可能性のある地域の結果に目を向けることです。友達経由でもいいですし、使えるインターネットリソース経由でもいいでしょう。そうすれば、何が多く使われるのかがわかります。ときには、次の大型大会で結果を残す直前に、その前の週末を特定のデッキが席巻するのを目の当たりにするでしょう。そういったデッキが上がってくるのを目にするのは大事なことですが、実際は大したことのないようなデッキに惑わされてはいけません。プレイヤーとして、プレイテストの価値がわかるのはこのときです。プレイテストをすれば、一般的にはどのデッキがどのデッキに強いのかを理解できるのですから。
よく使われるデッキのうち、上位にくるのが何なのか、6割から8割ぐらい理解できていれば、それに基づいてデッキを選択するという仕事がのしかかってきます。それぞれのマッチアップの詳細を今ここですべて挙げることはできませんが、しかし、それらに対して安定したデッキを選ぶことの重要性は、強調しておきたいと思います。
もちろん、デッキを安定させたいというのは常に願っていることです。しかし、3ゲーム制形式の大きなイベントに参加して、デッキが十分に回らず決勝トーナメントに届かなかったとき、とりわけそれが一回きりのイベントであった場合には、落胆してしまうということもあるでしょう。小さなイベントは何度でも行われますが、Regionalsのようなイベントの回数は、それぞれのシーズンで、非常に限られてくるからです。
■大規模イベント――情報に触れるとはどういうことかを理解する
たとえイベントの規模が大きくなっていっても、行動パターンは上述と同じなのです。地域の組み合わせを考え、大多数のプレイヤーが何を使ってくるのかを見極めます。ここでは手短にしか述べませんが、今年の夏は、それが非常に当てはまっていました。
お気に入りのソーシャルメディアサイトやポケモン関係のホームページにログオンすれば、そこには大きなイベントの結果が掲載されています。たとえばこのウェブサイトのような、デッキや戦術について議論するようなウェブサイトを見てみれば、それぞれの記事を読むだけでなく、そこから一歩引いて、より重要なことに気づくこともできます。つまり、あなたが見ているものは、他の全員も見ているということです。情報に触れることで他のプレイヤーはデッキ選択ができますが、あなたは、さまざまなウェブサイトを巡ることで、大きなイベントでは何が流行るのか、何が「イチオシ」のデッキになっているのかを知ることができます。
昨年度〔※訳注:2012-2013シーズン、つまり今年の世界大会までのこと〕、アメリカ選手権の前には、デオキボルトキュレムこそが倒すべきデッキとなっていましたが、一方ゴチルゼル/アギルダーの参入によって、まさに混沌の様相を呈していました。ゴチルゼルは、対策を取っていないデッキには容易に勝つことができたからです。しかし時間が経つにつれ、よく使われていたデッキのうち、カメックスやダークライなどは、カードを足すことで、この脅威のモンスターデッキを倒すことができるのだと人々が気づき始めました。またプラズマにとっては1キルがゴチルゼルを倒す手段であること、その一方でゲームが長引いてしまうと、プラズマにとっては不利なマッチアップであることもわかってきました。〔※訳注:ここまでが選手権前の話です〕
そういうわけでゴチルゼルは数を減らしていったのですが、それでもアメリカ選手権では多くの成果を挙げました。すべての情報が解析されていたために見限られていても、ゴチルゼルはポテンシャルがあるのだと、ごく一部の優秀なプレイヤーたちが気づいていたのです。そうして、Edmund Kurasにアメリカチャンピオンの座を、またSam Liggett〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/07/19/magic-in-the-room-sams-3rd-place-us-nationals-report-with-gothitelleaccelgor/〕にベスト4の座をもたらし、Frank DiazやHenry Priorといったプレイヤーたちにも、上位入賞をもたらしたのです。
もしあなたが参加しようとしているRegionalsが、ここに書いたイベントと同様の大きな規模になりそうならば、このセクションに書かれている内容も役に立つかもしれません。たいていNationalsはメタがあまり流動的ではありませんが、Worldsのメタが流動的かどうかは、その年によってばらつきがあるということも、知っておいて損はないでしょう。
■メタ読みの成功例
ケーススタディ:自分の世界大会経験
昨年度〔※訳注:上に同じ〕、世界大会に参加したときに持ち込んだのは、何ヶ月間も調整していたレックウザEX/シビビールでした。それで8位に入賞したのですが〔※訳注:ttp://60cards.net/blog/posts/detail/13〕、そこで問題にすべきは、2日目の終わりにどんな順位にいたかではなく、初日の最初にデッキリストを提出したとき、勝つチャンスがどのくらいあったのか、ということなのです。
レックビールを使うことにした理論的な根拠は単純なものでした。
アメリカ選手権という世界で一番大きなイベントで、ゴチルゼルが優勝しました。これが意味していたのは、ゴチルゼルには、16ラウンド以上もあるトーナメントのメタゲームで安定してやりあうだけの能力がある、ということでした。
予想していた変化は複雑なものです。多くのプレイヤーが、ゴチルゼルを使うか、あるいはそれに勝てるものを使うだろうと思いました。そこには、カメックスや、ダークライや、ルギア/タブンネも含まれます。レックビールは、そういったデッキたちに勝つにはうってつけのデッキだと感じていました。しかもライコウEXのおかげで、このデッキは対ゴチルゼルのマッチアップを有利にできるようなメカニズムまで内蔵していたのです。
ここでのキーポイントは、デオキボルトキュレムはかつてほどの大きな流行はまったくしないだろうと予想していたことです。というのも、上で挙げたようなデッキは、デオキボルトキュレムに対し、五分か、それ以上に戦えたからです。結果として、この戦略が功を奏しました。オポが驚くほど高かったおかげで予選を31位で滑り込み、しかし準々決勝では、5分5分ではあるものの自信のあったマッチアップで敗れてしまいました。デオキボルトキュレムとは2度あたりましたが、1勝1敗でした。
しかしながら、同じく世界大会でレックビールを使った4人のチームメイトたちは、ここまでの運には恵まれず、予選を突破できませんでした。そのうち2人は早い段階でデオキボルトキュレムを踏んでしまって、下位卓へと押しやられてしまいました。デオキボルトキュレムがわんさかいる場所に、です。言うまでもないですが、あまり良い気分はしませんね。
果たして、自分の選択の何が正しかったんでしょうか。個人的には、イチかバチかの戦略にはなりますが良いデッキを選んだと思っています。結局、もし本当に勝つ見込みが薄かったならば、世界大会で予選を抜けるのが自分にふさわしいとは思えなかったでしょう。メタゲームに対するゴチルゼルの影響を正しく見極めることができた、というのが、ここまでうまくやれた唯一の理由なのだと思います。
しかし、自分たちのチーム内の思考ロジックに大きな欠陥があるとすれば、それはゴチルゼルが多く使われると予想していたことです。端的に言って、Nationalsの結果をきちんと読み解けていなかったのです。ダークライの使用や、カメックスデッキのカメール投入を大勢のプレイヤーが推奨しているのを見れば、よっぽど思い入れでもない限り、まともな思考をするプレイヤーはゴチルゼルを使ってこないだろうと予想できてしかるべきでした。
なかにはここまで推測できていたプレイヤーもいて、ギギギアルが思いのほか多く使われ、それに値する結果もいくつか残していました。とはいえ、今回自分が良い結果を残せたのはとりあえず運が良かったからだとしても、勝つ見込みがなかったということにはならないのです。
しかし、自分のことはこのくらいにしておきましょう。昨年度は、他にも多くのプレイヤーがすばらしいメタ読みの結果を披露してくれました。ここでは、そのうちのいくつかを振り返ってみたいと思います。
■2013年の注目すべきメタ読みデッキたち
・Winter Regionals
Dylan Bryan(ダークライEX/ダストダス/ハンマー)
かるいしが世に出る前だったにもかかわらず、DylanはこのデッキをVirginia Regionalsに持ち込み、2位までこぎつけました。かれはたいていの相手のデッキ(レックビールやカメックス)がとくせいに依存していることに目をつけ、そしてBig Basics系〔※訳注:ランドロスEXやミュウツーEXなどの高HP高打点のたねを中心としたデッキ〕のデッキに対しても、クラッシュハンマーとゴールドポーションで勝てるようにしていました。かれの試合をトップ8から決勝まで見ていたのですが、かれと戦った2進化デッキの多くは、接戦にさえ持ち込めていませんでした。
決勝でかれの前に立ちふさがったのは、われらがRaymond Cipoletti〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/02/12/another-pun-about-storms/#virginia-regionals-recap〕でしたが、しかしかれは、デッキから引き出せるかぎりのものを引き出していたと思います。
・Spring Regionals
Dylan Lefavour(Big Basics+Ⅴジェネビクティニ&炎エネ1枚)
DylanはNew England Regionalsで、初日を無敗で駆け抜け、そのまま優勝を成し遂げました。かれはカメックスがそこまで流行らないことをわかっていたため、Big Basicsがカメックスに勝つのに必要なカード、たとえば学習装置などを数多く抜き、ギギギアルに勝てるようなギミックを加えました。自分がかれと当たる数ラウンド前、かれがビクティニを置き、ちょうど自分のと同じようなギギギアルデッキを倒すところを目の当たりにしました。理想的な試合運びとはいかず、スイスラウンドではあの罠を避けられずにかれに敗北し、またトップ8の試合でも、0-2でかれに再び敗れてしまいました。
ここでのかれはメタゲームを完璧に読んでいました。デッキの最大の欠点を補いつつ、相性の悪いデッキが会場にはいないことを予想しきっていたのです。
・Worlds
Dustin Zimmerman(ヤミラミ/ダストダス/ハンマー)
この振り返りの上のほうでも書いたとおり、会場にはまずいないであろうデッキを正しく予想することができれば、結果はたいてい良いものになります。Dustinの世界大会でのパフォーマンスは、まさにこの典型例でしょう〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/29/why-didnt-i-think-of-that-the-decks-and-techs-of-fall-regionals-2013/#dustin〕。かれは1枚挿しのニューラ(BW3)を除けばゴチルゼルを倒せるカードはほぼ入れずに世界大会に参加しましたが、自分に有利なメタゲームのおかげで、相性の良い相手と大量に戦うことができました。
いざ世界大会が始まってみると、そこにいたのは、カメックス、ルギア/タブンネ、ギギギアル、そしてダークライでした。ということは、現実的にかれが当たりうる相性の悪い唯一のマッチアップは、ときどきいるダークライだけであり、トップ4に至るまで、かれはそれには当たらなかったのです。
・Fall Regionals
Brandon Smiley(ビクティニEX/テラキオンEX/フワライド)
このRegionalsシーズンの「ビッグ4」〔※訳注:ダークライ、プラズマ、カメックス、ビリゲノを指す〕と、そしてBrandonのデッキの内容〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/30/the-story-of-big-tex-brandons-1st-place-houston-regionals-2013-report/〕とを見比べてみれば、かれが、どのデッキが少ないと予想していたのかがわかるはずです。かれの選択の背後にある戦略は、悲惨なほど相性の悪いはずのカメックスを切り捨てる代わりに、ビリジオン派生、ダークライ、そしてプラズマにはほぼ間違いなく勝てるようにするというものでした。
そして、それはうまくいきました。その週末のかれは最初のほうのラウンドでうまくカメックスと当たらずに済み、デッキ相性のおかげで相手を倒していったのです。
Sam Chen(スクラッパーなしカメックス)
Samはフィラデルフィアで、ダークダストやダスト派生があまり使われていないという現実をあてにして、思い切った判断をしました。ある程度までそれは正しかったのです〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/29/why-didnt-i-think-of-that-the-decks-and-techs-of-fall-regionals-2013/#blastoise〕。スクラッパーを切ったことでできた2、3枚のスペースは、そのイベントでの17ラウンドを戦えるだけの安定性をかれのデッキに与えてくれました。
そのイベントでは、ダスト系のデッキはそこそこいたのですが、Samは上手い具合にそれらに当たらずに済んだだけでなく、当たったときは、2度とも勝ってさえいるのです。
Dustin Zimmerman(ビリジオンEX/ミュウツーEX/しんかのきせき)
DustinはFt. Wayne Regionalsで予選をトップ通過し、4位に入賞しました。世界大会でのパフォーマンスを見ていれば、かれがまたもやメタゲームをうまく読みきったというのも驚くにあたらないでしょう。
今回のかれは、上で見たBrandonのデッキのようなメタ内への対策デッキを除けば、よく使われるデッキすべてに相性の良いデッキを見出しました。しんかのきせきによってミュウツーやデオキシスの殴り合いに強くなっている一方で、ダークライからはまず2発では倒されないため、相手の速度を抑えることができています。
下の動画を見れば、1ゲーム目ではもの凄い巻き返しを、そして2ゲーム目では圧倒的な勝利を見ることができます。ゲームを通じてしんかのきせきの力が際立っていますが、これ以上はネタばれをしないでおきましょう。
ttp://youtu.be/YvrH37KOM6I
メタゲームを読み解く上でのキーポイントは、どのように情報を入手するのかだけでなく、その情報をいかにして正しく解釈するかにあります。ただ改めて言っておきたいのですが、メタ読みは厳密な科学ではありませんし、勝利を保証してくれるわけでもありません。というよりも、勝てる見込みを高くしてくれるものなのです。
ここで述べることのできる一番のアドバイスは、どのデッキが使われるかだけでなく、どのデッキが使われないのかも理解すべきだ、ということです。そして、それに従ってデッキとその内容を決めていきましょう。自分の地域での正しい戦略を見出すことができれば、ローカル大会(League ChallengeやCities)だけで、今年度の世界大会招待に必要なポイントの半分、つまり290チャンピオンズシップポイントを稼ぐこともできるのですから。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
ここより後ろは会員限定記事になっていて、途中で切れてしまうため、訳はここまでとしました。
元記事の単語に貼られているリンク先URLをすべて訳注の中に押し込んだので、記事が読みにくくなっていることを申し訳なく思います。
それでも、このように他記事や他レポートを縦横無尽に引用するスタイルは、日本のポケカブログなどの記事ではまず見られないので、非常に新鮮に映りますね。
下のほうにある対戦動画も、元記事では直接動画を埋め込んであるので、読みながら見ることができます。
日本でやるとまず心無い叩きが飛んできそうでなかなかできないですが、カードの対戦動画を公開する風潮も、やはり羨ましいですね。
元記事は会員限定記事になっていますが、無料で読める前半部分だけでも大変面白い内容です。そのため、その箇所のみの部分訳となっているのですが、かなりの充実した分量があります。
この記事内では、メタゲームをどう読むかという問題を、とても実践的に考察しています。書いている内容を体現するかのように、他記事やレポートへのリンクも豊富にあり、非常に読み応えのある記事になっています。12日の記事ですが、バトフェス東京までに訳せてよかったと思います。
後半にはデッキの話も多くあるので、小難しい理屈はいいからデッキの話を読ませろという人は、序盤を飛ばして中盤から読むと良いでしょう。
記事中には、アメリカの大会形式の名称がたくさん出てきます。日本には該当する形式がなかなかないので原語をそのまま用いてありますが、読んでいるうちになんとなくの規模はわかると思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、字体や改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
“Can’t Beat’Em All” -- Finding Your Way in a Diverse Metagame
by Jon Bristow
Thursday, December 12, 2013
ttp://www.sixprizes.com/2013/12/12/cant-beat-em-all-finding-your-way-in-a-diverse-metagame/
今日は、とある重要な考え方について話そうと思います。現環境のメタ読みについてです〔※訳注:原文ではmetagameを動詞で用いて表されていますが、メタ読みという訳語をあてました〕。フォーマットが変わる以上は毎シーズン話題になることではありますが、今回は、個々人自身でできるようなやり方を紹介したいと思います。
また、議論を始める前に、キャッチャーが効果的に弱体化されてから、ものごとがどのように展開していったのか、それについての雑感を少し書きたいと思います。記事の終わりにかけては、CitiesやRegionalsに向けてデッキをいくつか取り上げて解説し、メタ読みという考え方においてはそれらがどう機能するのかを説明したいと思います。
記事の最後には、読者の人たちが、地域のローカルプレイヤーよりも上を行って勝てるようなあれこれを全て書き残すことができたらと思っています。
■現環境おぼえがき
ようやく環境が次に進めるだけの時間が過ぎました。League Challengeが数多く開かれ、そして今はCity Championshipsの真っ最中です。そういうイベントの中には、対戦動画をオンラインで公開しているものもあります。残念ながら自分はもうすぐ大学の学期末なので、勉強のせいでイベントの多くに出られなかったものの、前回の記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/11/14/gotta-go-fast-regionals-recap-and-deck-discussion-heading-into-city-championships/〕を書いてから、環境をいろいろ観察して、NXD-LTR環境〔※訳注:BW3-EBBに該当〕の対戦をかなりやっていました。
以下、最も気になったことを2つ挙げます。
30分という制限時間がゲームの形を決めている
現環境の30分制のゲームで気になった最大の点は、引き分けが非常に多いということです。1対戦は5分で終わることもあれば、30分続くこともあります。ポケモンをベンチから引っ張り出せるものが限られているため、ゲームは遅くなる一方ですが、個人的には、それは(ある程度までは)良いことだと思います。
良くない点は、プレイヤー側が動きに時間をかけることで、ルールに反することなくゲームの速度を遅くし、戦況がきついときは不可避的に引き分けに持ち込めてしまうところです。過去記事〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/11/14/gotta-go-fast-regionals-recap-and-deck-discussion-heading-into-city-championships/#a-word〕で、そういう状況に対処する方法について書きましたが、ここではまさにそういう状況になっているわけです。
どんなデッキでも勝つ可能性はある
国内選手権から世界大会へ、そして秋のRegionalsへ、そして、一番規模の小さなLeague Challengesへと移っていくと、大小のイベントのささいな差など簡単に忘れてしまいます。事実上環境で一番強いはずのデッキでも、不利なマッチアップをいくつか踏んだだけで、予選を抜けることはできなくなります。そのため、大きな大会で勝つ可能性がとても小さなデッキであっても、地域の大会で7連勝してしまう、ということもありえるわけです。
しかしこれは、こういった大会で最善を尽くすのは賢明ではない、と言いたいわけではありません。ここで言いたいのは、Citiesを単体のイベントと捉えるのではなく、本来のようにひと繋がりのイベントとして捉えた方がいい、ということです。つまり、毎回続けて最善を尽くすことが、成功するのに最も良い方法なのです。
これらをすべて心に留めた上で、みなさんと最も議論してみたいメイントピックに入っていきたいと思います。メタ読みの技術についてです。
■メタ読みとは何か
今ではほとんどの人がメタ読みについて聞いたことがあるでしょうが、その基本的な意味は、普通の人にとっては、「ほかのみんなが使っているものへの対策をする」です。おおよそその通りなのですが、しかし本来それは、単に流行りそうなものを対策するということよりも、はるかに奥が深いものです。下記は、Wikipediaにおけるメタ読みの意味です。
メタ読みは意味の幅の広い言葉であり、多くの場合、事前に用意されたルールセットを飛び越えたり、外部の要因を使ってゲーム内に影響を与えたり、あるいは、ゲームによって設定された環境や想定制限を越えてしまうようなゲームにおける、方法、行動、戦略のことを指す。もうひとつの定義は、ゲームそれ自体の外部における、ゲーム展開のことを指す。わかりやすい言葉でいえば、ゲーム内での他人の選択に影響を与えるために、ゲーム外の情報やリソースを利用すること、です。
この定義は、ポケモンカードにおいてその語が持っている意味を正確に表していると思います。しかしながら、この定義を読むときは、自分の良心を忘れずにいてください。勝つために外部の情報を利用するといっても、ルールを捻じ曲げたり、破ったりしてはいけないということです。
さて、ここまではメタ読みとは何かについて話してきました。ここからは、メタ読みとはどうすればいいのかを話していきましょう。
■環境を定義する
環境を定義するという考え方があれば、自分のデッキについてどのような選択を取るべきかを理解できるようになります。漠然とした言い方ですが、しかし心配はいりません。詳しく説明していこうと思います。まずは、イベントのサイズと、それによって何がわかるのかから始めましょう。
小規模イベント(League Challenges, Cities)
これら地域性の強いイベントでは、出場しているプレイヤーの大部分を見知っているでしょうし、かれらが何のデッキを使っているかや、どのくらいのレベルの相手と対峙することになるのかもわかっているでしょう。
中規模イベント(States, Regionals)
これらの大会は、文字通り、ローカル大会の集合体です。しかしながら、出場のために飛行機や車でとんでもない距離を移動してきたプレイヤーがいたとしても、驚くにはあたりません。大会全体を把握しきることは望むべくもありませんが、それでも、さまざまな地域から来ている友人たちから得られるローカル大会の結果や考察は、間違いなく、予想をどうするかへの手助けになります。
大規模イベント(Nationals, Worlds)
これらには本当にたくさんの地域からプレイヤーが集まるために、地域ごとのメタ読みをするのは不可能になります。それでも、この場合はインターネットが味方になるでしょう。テストプレイでの経験や、他のプレイヤーたちがアクセスしている情報に基づいて、プレイヤーの大多数がどんなデッキを使っているのかを読み取ることもできます。ここには、例えばいま見ているようなウェブサイトやソーシャルメディアも含まれます。
とはいえ、これで作業が終わったわけではありません。次の記事に一番関係のある最初の2カテゴリについて、特に注意を向けてみたいと思います。
■小規模イベント――日々移り変わる反応を読み解く
こんな場面を想像してみてください。いまあなたは、調整済みのビリジオン/ゲノセクトデッキを持って地域の大会に出場して、地元のプレイヤーを倒し、当然手に入るはずのチャンピオンシップポイント50点を手に入れようとしています。しかし周囲はミカルゲ(EBB)入りのダークライを使っていたために、対戦したゲームすべてでダークライを一撃で倒すことができず、際どいゲームに敗れて2連敗してしまいます。
これを見て、あなたは翌日、信頼のおけるランドロス/ミュウツー/ダストダスデッキに切り替えます。もし全員が同じデッキを使ってくるならば、闘ポケモンが暴れまわるのを誰も止められないとわかっているからです。
しかし、他の全員も同じことを思っています。その日は大量のミラーマッチに遭遇し、また一夜漬けのデッキでは練習が足りず、結局あなたは予選突破を惜しくも逃してしまいます。確かにこれは不運かもしれません。これをツイてない日だと言うこともできます。しかし一方で、ここから学ぶこともできます。メタゲームは、周囲に対応して動くのだと。
ここからわかるのは、その日使われていたデッキだけでなく、その前日に使われていたものも考慮する必要がある、ということです。周囲の人が、彼らが同様に見ているものに、どう対応しているのかを見極める必要があります。場所によっては、こうならない地域もあります。なかには、65/35で有利を取れるのが明らかなマッチアップや、周囲の全員が使ってくるのと同じようなデッキで優位に立てるようなチャンスをあっさり無視する人もいるからです。こういう場合には、あなたの持つ対策デッキはさらにうまくやれるだろうと自信を持って予想することができます。
あなたの地域の環境がどのくらいよく動くのかがわかっていれば、この情報を(そして結果を)さらに効率よく用いることができます。これは、スイスラウンド5連勝と1敗2分け途中棄権との差を意味します。周囲の人々を理解することは、大会で勝つためのソーシャルスキルであるだけでなく、日々の生活においても不可欠な能力でしょう。
これらの情報は厳密には科学的というわけではありません。しかし、今回お話しようとしていた内容を思い出してほしいのですが、ここでの目的は、参加する大会での最良のデッキ選択ができるようになることです。
ひとつ細かいことを書き足しておきますが、ローカル大会では、ときには大会前にフリー用のテーブルを見るだけで、そこのメタゲーム全体を把握することもできるのです。
■中規模イベント――何が機能するかを知り、安定に徹する
Regionalに、もしくはStateレベルの大会に参加したときには、自分の地域のメタゲームに加え、他の地域のメタゲームも経験することになります。しかしここでは、小規模ならばそこまで問題にならなかった要素を考慮に入れる必要があります。それは大量のラウンド数と、そして3ゲーム制かつ50分+3ターン制だということです。ということは、外部的な要素、プレイヤー数、そして考えるべきことがたくさんあるのです。しかしきちんと準備をすれば、勝てる見込みはぐっと上がります。
最初のキーポイントは、自分が経験した結果と、そしてそれと同じくらい、参加してくる可能性のある地域の結果に目を向けることです。友達経由でもいいですし、使えるインターネットリソース経由でもいいでしょう。そうすれば、何が多く使われるのかがわかります。ときには、次の大型大会で結果を残す直前に、その前の週末を特定のデッキが席巻するのを目の当たりにするでしょう。そういったデッキが上がってくるのを目にするのは大事なことですが、実際は大したことのないようなデッキに惑わされてはいけません。プレイヤーとして、プレイテストの価値がわかるのはこのときです。プレイテストをすれば、一般的にはどのデッキがどのデッキに強いのかを理解できるのですから。
よく使われるデッキのうち、上位にくるのが何なのか、6割から8割ぐらい理解できていれば、それに基づいてデッキを選択するという仕事がのしかかってきます。それぞれのマッチアップの詳細を今ここですべて挙げることはできませんが、しかし、それらに対して安定したデッキを選ぶことの重要性は、強調しておきたいと思います。
もちろん、デッキを安定させたいというのは常に願っていることです。しかし、3ゲーム制形式の大きなイベントに参加して、デッキが十分に回らず決勝トーナメントに届かなかったとき、とりわけそれが一回きりのイベントであった場合には、落胆してしまうということもあるでしょう。小さなイベントは何度でも行われますが、Regionalsのようなイベントの回数は、それぞれのシーズンで、非常に限られてくるからです。
■大規模イベント――情報に触れるとはどういうことかを理解する
たとえイベントの規模が大きくなっていっても、行動パターンは上述と同じなのです。地域の組み合わせを考え、大多数のプレイヤーが何を使ってくるのかを見極めます。ここでは手短にしか述べませんが、今年の夏は、それが非常に当てはまっていました。
お気に入りのソーシャルメディアサイトやポケモン関係のホームページにログオンすれば、そこには大きなイベントの結果が掲載されています。たとえばこのウェブサイトのような、デッキや戦術について議論するようなウェブサイトを見てみれば、それぞれの記事を読むだけでなく、そこから一歩引いて、より重要なことに気づくこともできます。つまり、あなたが見ているものは、他の全員も見ているということです。情報に触れることで他のプレイヤーはデッキ選択ができますが、あなたは、さまざまなウェブサイトを巡ることで、大きなイベントでは何が流行るのか、何が「イチオシ」のデッキになっているのかを知ることができます。
昨年度〔※訳注:2012-2013シーズン、つまり今年の世界大会までのこと〕、アメリカ選手権の前には、デオキボルトキュレムこそが倒すべきデッキとなっていましたが、一方ゴチルゼル/アギルダーの参入によって、まさに混沌の様相を呈していました。ゴチルゼルは、対策を取っていないデッキには容易に勝つことができたからです。しかし時間が経つにつれ、よく使われていたデッキのうち、カメックスやダークライなどは、カードを足すことで、この脅威のモンスターデッキを倒すことができるのだと人々が気づき始めました。またプラズマにとっては1キルがゴチルゼルを倒す手段であること、その一方でゲームが長引いてしまうと、プラズマにとっては不利なマッチアップであることもわかってきました。〔※訳注:ここまでが選手権前の話です〕
そういうわけでゴチルゼルは数を減らしていったのですが、それでもアメリカ選手権では多くの成果を挙げました。すべての情報が解析されていたために見限られていても、ゴチルゼルはポテンシャルがあるのだと、ごく一部の優秀なプレイヤーたちが気づいていたのです。そうして、Edmund Kurasにアメリカチャンピオンの座を、またSam Liggett〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/07/19/magic-in-the-room-sams-3rd-place-us-nationals-report-with-gothitelleaccelgor/〕にベスト4の座をもたらし、Frank DiazやHenry Priorといったプレイヤーたちにも、上位入賞をもたらしたのです。
もしあなたが参加しようとしているRegionalsが、ここに書いたイベントと同様の大きな規模になりそうならば、このセクションに書かれている内容も役に立つかもしれません。たいていNationalsはメタがあまり流動的ではありませんが、Worldsのメタが流動的かどうかは、その年によってばらつきがあるということも、知っておいて損はないでしょう。
■メタ読みの成功例
ケーススタディ:自分の世界大会経験
昨年度〔※訳注:上に同じ〕、世界大会に参加したときに持ち込んだのは、何ヶ月間も調整していたレックウザEX/シビビールでした。それで8位に入賞したのですが〔※訳注:ttp://60cards.net/blog/posts/detail/13〕、そこで問題にすべきは、2日目の終わりにどんな順位にいたかではなく、初日の最初にデッキリストを提出したとき、勝つチャンスがどのくらいあったのか、ということなのです。
レックビールを使うことにした理論的な根拠は単純なものでした。
アメリカ選手権という世界で一番大きなイベントで、ゴチルゼルが優勝しました。これが意味していたのは、ゴチルゼルには、16ラウンド以上もあるトーナメントのメタゲームで安定してやりあうだけの能力がある、ということでした。
予想していた変化は複雑なものです。多くのプレイヤーが、ゴチルゼルを使うか、あるいはそれに勝てるものを使うだろうと思いました。そこには、カメックスや、ダークライや、ルギア/タブンネも含まれます。レックビールは、そういったデッキたちに勝つにはうってつけのデッキだと感じていました。しかもライコウEXのおかげで、このデッキは対ゴチルゼルのマッチアップを有利にできるようなメカニズムまで内蔵していたのです。
ここでのキーポイントは、デオキボルトキュレムはかつてほどの大きな流行はまったくしないだろうと予想していたことです。というのも、上で挙げたようなデッキは、デオキボルトキュレムに対し、五分か、それ以上に戦えたからです。結果として、この戦略が功を奏しました。オポが驚くほど高かったおかげで予選を31位で滑り込み、しかし準々決勝では、5分5分ではあるものの自信のあったマッチアップで敗れてしまいました。デオキボルトキュレムとは2度あたりましたが、1勝1敗でした。
しかしながら、同じく世界大会でレックビールを使った4人のチームメイトたちは、ここまでの運には恵まれず、予選を突破できませんでした。そのうち2人は早い段階でデオキボルトキュレムを踏んでしまって、下位卓へと押しやられてしまいました。デオキボルトキュレムがわんさかいる場所に、です。言うまでもないですが、あまり良い気分はしませんね。
果たして、自分の選択の何が正しかったんでしょうか。個人的には、イチかバチかの戦略にはなりますが良いデッキを選んだと思っています。結局、もし本当に勝つ見込みが薄かったならば、世界大会で予選を抜けるのが自分にふさわしいとは思えなかったでしょう。メタゲームに対するゴチルゼルの影響を正しく見極めることができた、というのが、ここまでうまくやれた唯一の理由なのだと思います。
しかし、自分たちのチーム内の思考ロジックに大きな欠陥があるとすれば、それはゴチルゼルが多く使われると予想していたことです。端的に言って、Nationalsの結果をきちんと読み解けていなかったのです。ダークライの使用や、カメックスデッキのカメール投入を大勢のプレイヤーが推奨しているのを見れば、よっぽど思い入れでもない限り、まともな思考をするプレイヤーはゴチルゼルを使ってこないだろうと予想できてしかるべきでした。
なかにはここまで推測できていたプレイヤーもいて、ギギギアルが思いのほか多く使われ、それに値する結果もいくつか残していました。とはいえ、今回自分が良い結果を残せたのはとりあえず運が良かったからだとしても、勝つ見込みがなかったということにはならないのです。
しかし、自分のことはこのくらいにしておきましょう。昨年度は、他にも多くのプレイヤーがすばらしいメタ読みの結果を披露してくれました。ここでは、そのうちのいくつかを振り返ってみたいと思います。
■2013年の注目すべきメタ読みデッキたち
・Winter Regionals
Dylan Bryan(ダークライEX/ダストダス/ハンマー)
かるいしが世に出る前だったにもかかわらず、DylanはこのデッキをVirginia Regionalsに持ち込み、2位までこぎつけました。かれはたいていの相手のデッキ(レックビールやカメックス)がとくせいに依存していることに目をつけ、そしてBig Basics系〔※訳注:ランドロスEXやミュウツーEXなどの高HP高打点のたねを中心としたデッキ〕のデッキに対しても、クラッシュハンマーとゴールドポーションで勝てるようにしていました。かれの試合をトップ8から決勝まで見ていたのですが、かれと戦った2進化デッキの多くは、接戦にさえ持ち込めていませんでした。
決勝でかれの前に立ちふさがったのは、われらがRaymond Cipoletti〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/02/12/another-pun-about-storms/#virginia-regionals-recap〕でしたが、しかしかれは、デッキから引き出せるかぎりのものを引き出していたと思います。
・Spring Regionals
Dylan Lefavour(Big Basics+Ⅴジェネビクティニ&炎エネ1枚)
DylanはNew England Regionalsで、初日を無敗で駆け抜け、そのまま優勝を成し遂げました。かれはカメックスがそこまで流行らないことをわかっていたため、Big Basicsがカメックスに勝つのに必要なカード、たとえば学習装置などを数多く抜き、ギギギアルに勝てるようなギミックを加えました。自分がかれと当たる数ラウンド前、かれがビクティニを置き、ちょうど自分のと同じようなギギギアルデッキを倒すところを目の当たりにしました。理想的な試合運びとはいかず、スイスラウンドではあの罠を避けられずにかれに敗北し、またトップ8の試合でも、0-2でかれに再び敗れてしまいました。
ここでのかれはメタゲームを完璧に読んでいました。デッキの最大の欠点を補いつつ、相性の悪いデッキが会場にはいないことを予想しきっていたのです。
・Worlds
Dustin Zimmerman(ヤミラミ/ダストダス/ハンマー)
この振り返りの上のほうでも書いたとおり、会場にはまずいないであろうデッキを正しく予想することができれば、結果はたいてい良いものになります。Dustinの世界大会でのパフォーマンスは、まさにこの典型例でしょう〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/29/why-didnt-i-think-of-that-the-decks-and-techs-of-fall-regionals-2013/#dustin〕。かれは1枚挿しのニューラ(BW3)を除けばゴチルゼルを倒せるカードはほぼ入れずに世界大会に参加しましたが、自分に有利なメタゲームのおかげで、相性の良い相手と大量に戦うことができました。
いざ世界大会が始まってみると、そこにいたのは、カメックス、ルギア/タブンネ、ギギギアル、そしてダークライでした。ということは、現実的にかれが当たりうる相性の悪い唯一のマッチアップは、ときどきいるダークライだけであり、トップ4に至るまで、かれはそれには当たらなかったのです。
・Fall Regionals
Brandon Smiley(ビクティニEX/テラキオンEX/フワライド)
このRegionalsシーズンの「ビッグ4」〔※訳注:ダークライ、プラズマ、カメックス、ビリゲノを指す〕と、そしてBrandonのデッキの内容〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/30/the-story-of-big-tex-brandons-1st-place-houston-regionals-2013-report/〕とを見比べてみれば、かれが、どのデッキが少ないと予想していたのかがわかるはずです。かれの選択の背後にある戦略は、悲惨なほど相性の悪いはずのカメックスを切り捨てる代わりに、ビリジオン派生、ダークライ、そしてプラズマにはほぼ間違いなく勝てるようにするというものでした。
そして、それはうまくいきました。その週末のかれは最初のほうのラウンドでうまくカメックスと当たらずに済み、デッキ相性のおかげで相手を倒していったのです。
Sam Chen(スクラッパーなしカメックス)
Samはフィラデルフィアで、ダークダストやダスト派生があまり使われていないという現実をあてにして、思い切った判断をしました。ある程度までそれは正しかったのです〔※訳注:ttp://www.sixprizes.com/2013/10/29/why-didnt-i-think-of-that-the-decks-and-techs-of-fall-regionals-2013/#blastoise〕。スクラッパーを切ったことでできた2、3枚のスペースは、そのイベントでの17ラウンドを戦えるだけの安定性をかれのデッキに与えてくれました。
そのイベントでは、ダスト系のデッキはそこそこいたのですが、Samは上手い具合にそれらに当たらずに済んだだけでなく、当たったときは、2度とも勝ってさえいるのです。
Dustin Zimmerman(ビリジオンEX/ミュウツーEX/しんかのきせき)
DustinはFt. Wayne Regionalsで予選をトップ通過し、4位に入賞しました。世界大会でのパフォーマンスを見ていれば、かれがまたもやメタゲームをうまく読みきったというのも驚くにあたらないでしょう。
今回のかれは、上で見たBrandonのデッキのようなメタ内への対策デッキを除けば、よく使われるデッキすべてに相性の良いデッキを見出しました。しんかのきせきによってミュウツーやデオキシスの殴り合いに強くなっている一方で、ダークライからはまず2発では倒されないため、相手の速度を抑えることができています。
下の動画を見れば、1ゲーム目ではもの凄い巻き返しを、そして2ゲーム目では圧倒的な勝利を見ることができます。ゲームを通じてしんかのきせきの力が際立っていますが、これ以上はネタばれをしないでおきましょう。
ttp://youtu.be/YvrH37KOM6I
メタゲームを読み解く上でのキーポイントは、どのように情報を入手するのかだけでなく、その情報をいかにして正しく解釈するかにあります。ただ改めて言っておきたいのですが、メタ読みは厳密な科学ではありませんし、勝利を保証してくれるわけでもありません。というよりも、勝てる見込みを高くしてくれるものなのです。
ここで述べることのできる一番のアドバイスは、どのデッキが使われるかだけでなく、どのデッキが使われないのかも理解すべきだ、ということです。そして、それに従ってデッキとその内容を決めていきましょう。自分の地域での正しい戦略を見出すことができれば、ローカル大会(League ChallengeやCities)だけで、今年度の世界大会招待に必要なポイントの半分、つまり290チャンピオンズシップポイントを稼ぐこともできるのですから。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
ここより後ろは会員限定記事になっていて、途中で切れてしまうため、訳はここまでとしました。
元記事の単語に貼られているリンク先URLをすべて訳注の中に押し込んだので、記事が読みにくくなっていることを申し訳なく思います。
それでも、このように他記事や他レポートを縦横無尽に引用するスタイルは、日本のポケカブログなどの記事ではまず見られないので、非常に新鮮に映りますね。
下のほうにある対戦動画も、元記事では直接動画を埋め込んであるので、読みながら見ることができます。
日本でやるとまず心無い叩きが飛んできそうでなかなかできないですが、カードの対戦動画を公開する風潮も、やはり羨ましいですね。
プラズマタッチゲノセクト
2013年12月20日コメント (2)4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
2 キュレム(BW8)
2 アブソル(BW8)
1 ゲノセクトEX
4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 フウロ
1 ベル
4 ポケモンキャッチャー
4 どくさいみん光線
3 アクロママシーン
3 プラズマ団のモンスターボール
2 ポケモンいれかえ
2 タチワキシティジム
1 あなぬけのヒモ
1 ちからのハチマキ
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン
4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
2 雷エネルギー
1 ブレンドエネルギー草炎超悪
先週末からいじっていたのですが、前回のアギロットがあまりのアクセス数で載せるタイミングを逸していたので今にします。
ちょうど大阪でもゲノ入りプラズマが使われていたようなので丁度良いのではないでしょうか。
プラズマは基本的にテンポデッキなので、従来どおりだとゲノに手張りするタイミングはあまり無いのですが、ボルトなどを中心に動かしてゲノに手張りするタイミングを作りにいくプレイをします。
ここからもう少しいじる予定だったので、記録残しついでに載せておきます。
プラズマはもっと研究が進んでいそうな気がするので、東京の結果に期待してみましょう。
2 ボルトロスEX
2 キュレム(BW8)
2 アブソル(BW8)
1 ゲノセクトEX
4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
2 フウロ
1 ベル
4 ポケモンキャッチャー
4 どくさいみん光線
3 アクロママシーン
3 プラズマ団のモンスターボール
2 ポケモンいれかえ
2 タチワキシティジム
1 あなぬけのヒモ
1 ちからのハチマキ
1 ツールスクラッパー
1 ダウジングマシン
4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
2 雷エネルギー
1 ブレンドエネルギー草炎超悪
先週末からいじっていたのですが、前回のアギロットがあまりのアクセス数で載せるタイミングを逸していたので今にします。
ちょうど大阪でもゲノ入りプラズマが使われていたようなので丁度良いのではないでしょうか。
プラズマは基本的にテンポデッキなので、従来どおりだとゲノに手張りするタイミングはあまり無いのですが、ボルトなどを中心に動かしてゲノに手張りするタイミングを作りにいくプレイをします。
ここからもう少しいじる予定だったので、記録残しついでに載せておきます。
プラズマはもっと研究が進んでいそうな気がするので、東京の結果に期待してみましょう。
【デッキリスト】第35回うきにん杯トップ3デッキ
2013年12月23日
(大会の簡易報告はhttp://sipcup.diarynote.jp/201312242106328474/にあります)
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:ガウくん(非公開)
2nd Place:たっぴー(シビビール/レックウザ)
3rd Place:クーポソ(オーロット/アギルダー/ヨノワール)
入賞された方々、おめでとうございます。
順位、プレイヤー名(敬称略)、デッキは上から画像の順番に対応しています。
1st Place:ガウくん(非公開)
2nd Place:たっぴー(シビビール/レックウザ)
3rd Place:クーポソ(オーロット/アギルダー/ヨノワール)
入賞された方々、おめでとうございます。
今年一年を振り返って
2013年12月30日コメント (6) 1月末に某所から札幌に戻ってきて以来、今年はけっこう真面目にカードをやっていた気がします。デッキはだいたいプラズマでした。
ただ主な活動はうきにん杯(SIP杯)のスタッフですね。ときどき勘違いされてるので言いたいのですが、大会名がうきにん杯なのは僕が主催だからではありませんwむしろ僕が主催から(というか札幌から)離れた瞬間になぜか大会名がうきにん杯になった、というのが真相ですw
あとは海外記事の翻訳を少しだけやるようになったのが、ポケカ絡みでの個人的な変化です。大して英語力も日本語力も高くないのですが、時間のあるうちにちょっとはポケカ界に貢献してみよう、という感じでやっています。
最終的には自分で書くよりこっちの方が増えてしまいましたね。まあ明らかに翻訳の方が需要があるのでそれで良いのですがw
来年度からは生活環境が大きく変わる気がしますが、ポケカは変わらず続けていこうと思います。
去年今年でいろいろな方とお知り合いになれました。またどこかでお会いする機会があるかもしれません。
今後ともよろしくお願いいたします。
ただ主な活動はうきにん杯(SIP杯)のスタッフですね。ときどき勘違いされてるので言いたいのですが、大会名がうきにん杯なのは僕が主催だからではありませんwむしろ僕が主催から(というか札幌から)離れた瞬間になぜか大会名がうきにん杯になった、というのが真相ですw
あとは海外記事の翻訳を少しだけやるようになったのが、ポケカ絡みでの個人的な変化です。大して英語力も日本語力も高くないのですが、時間のあるうちにちょっとはポケカ界に貢献してみよう、という感じでやっています。
最終的には自分で書くよりこっちの方が増えてしまいましたね。まあ明らかに翻訳の方が需要があるのでそれで良いのですがw
来年度からは生活環境が大きく変わる気がしますが、ポケカは変わらず続けていこうと思います。
去年今年でいろいろな方とお知り合いになれました。またどこかでお会いする機会があるかもしれません。
今後ともよろしくお願いいたします。
【翻訳】No.003:私のポケカライフ2001~2002
2013年12月31日
今回は60cards.netから。大和さんの記事第3弾の翻訳になります。
内容に関しては、英訳者の魔女さんがご自身のブログで的確に要約して下さっていますので、僕から言うことはほとんどありません。
前回と今回の記事を読み返してみると、過去の振り返りをしつつも1つの結論に向かって話が進んでいて、本当に良いコラムだなあと改めて思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
テキストの引用は前回同様ポケモンWikiさんからです。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
No.003 My Pokemoncard Life 2001 to 2002
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Sunday, December 29, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/121
お久しぶりのポケカライフ記事です!
これは第3弾の記事になりますが、今回は、2001年の後半から2002年にかけての話をしたいと思います。
本題に入る前に、前回の記事を軽く振り返ってみましょう。2001年の夏の大会で3位になり、私はトッププレイヤーになろうと強く思い始めました。以来、優勝するため一生懸命やるようになったわけです。
ネオシリーズ4番目の拡張パックで、ポケモン金銀を基にしたシリーズは終わりを迎えました。その次は「ポケモンVS」シリーズですが、これは日本でしか発売されなかったものです。しかしながら、ここで大きな変化が起こりました。まず、カードの裏面のデザインが変わったんです。そのため、「闇、そして光へ…」までのカードを「旧裏」、VSシリーズ以降のカードを「新裏」と呼びます。そういえば旧裏のカードを集めているコレクターの方もまだまだいると思うのですが、こういった旧裏のなかには、非常に高額なカードもあるんです。
本題に戻りましょう。VSシリーズは、進化ポケモンがたねとして扱われた最初のシリーズでした。ちょうどSPポケモンのような感じです。とはいえ、このセットにはわざマシンもあったりしたのですが、強力なカードやキーになるようなカードは全然入っていませんでした(一番最近のわざマシンはギンガ団のものですね)。
このセットに入っていたたねポケモンの多くは、過去に登場したたねポケモンよりほんのちょっと強いだけでした。ただ、VSシリーズのポケモンはわざマシンで攻撃することができました。そのなかには、エネがあまりかからず、とても強いものもありました。いつ使われるのか予想できないという点では、わざマシンはどうぐと同じような面白さがありますね。
2001年の12月、eシリーズが発売されました。旧裏のカードが複雑だったこともあり、過去のシリーズと比べるとほとんどのカードが弱体化しました。そしてそのために、初心者がポケカに参入するのが難しくなってしまったんです。ワザのダメージ、特殊能力、トレーナーで引けるカードの枚数――これらすべてが、小さく、あるいは少なくなりました。
たとえば旧裏にはオーキドはかせとウツギはかせがあり、7枚引くことができました。しかしeシリーズで主に使われたオーキドはかせの研究では、山札からたった5枚しか引けなかったんです。
この当時の数年間はポケカの暗黒期だと言うプレイヤーもいます。ただ、個人的にはそうは思いません。いまのカードがあるのは、これらのシリーズがあるからこそなんです。ダメージ数やHPが跳ね上がったり、強いカードが出続けたなら、ゲームは簡単に壊れてしまいます。それに、環境が一新されれば、こういった数字は増えていくものなんです。最初のシリーズが出たときには、最大のHPは120でした。しかし17年経ってみたら、220になっています(メガカメックスとメガフシギバナですね)。最大HPは200までだろうという考えは、もう過去のものです。もしも最大HPが400になったりしたら、自分も歳をとったなと思うことでしょうね!
ポケカではときどき、その都度カードの効果が(キャッチャーのように)変わったりもします。エネルギーリムーブと超エネルギーリムーブにエラッタがかかったのも、だいたいこの頃だったのではないでしょうか(確かほとんどの海外では"Energy Removal"は"Energy Removal 2"になったはずです)。そのようなエラッタに対して良い気分がしないときもありますが、それでも、動向を見守るようにしています。個人的には、ゲームバランスを調整するためにも、そういった効果は弱められた方が良いだろうと思います。
それでは、当時使えたカードたちを説明していきましょう。
サポーターが導入されたのは2002年の春だったかと思います。使用できたカードは、ディビジョンごとに違っていました。――ジュニアとシニアが使えたのはネオ1からeシリーズまでだった一方で、マスターは、すべてのシリーズのカード(第一弾からeまで)を使うことができました。13歳から17歳までがシニアリーグで、マスターリーグは高校生以上の年齢が対象でした。マスターリーグが追加されたのは2002年からですが、これは高校を卒業したプレイヤーたちにとって、本当にすばらしいニュースでした。――この枠が追加される前は、高校を卒業してしまったプレイヤーたちが参加できる枠がなかったために、そういったプレイヤーたちには公式大会でプレイできる権利がなかったんです。このおかげで、そういったプレイヤーたちもポケカを続けられるようになりました!
ルールに関していえば、依然としてカードの使用制限がありました(興味があれば前回の記事を見てください!)。とはいえ、前回大会の結果を受け、カードの使用制限が前回とは変更されました。そのため、前回使ったキングドラデッキや、前回大会で優勝した他のデッキも使えなくなってしまったんです(一応キングドラを組むことはできましたが、リサイクルエネルギーが制限になったので、もはや強いデッキではなくなっていたでしょう)。
また、今回は予選ラウンドから自分のデッキを使うことができるようになりました。これまでの大会では、主催者側が用意したデッキしか使えなかったんです。しかしながら、デッキは30枚でなければいけませんでした。これはおそらく日本限定のルールでしょうね。
30枚デッキのルールは、60枚の半分なので、同名カードは2枚まで、またサイドの枚数は3枚でした。基本的に、ゲームは単純です。――ミラーやメタを意識したカードを入れるのは難しいからです。そのためメタは極めて単純で、プレイングを磨こうという努力はだいたい無駄に終わります。
こういった説明をするとゲームがつまらないように見えるかもしれないのですが、30枚デッキを作るのは60枚デッキを作るのとは違っていて、またメタデッキに勝てるようなデッキを作るのはとても楽しい作業です。ただそれでも、ゲームが単純なので私は好きではなかったのですが。
ここからは、当時どのようなデッキがいたのかについて話していきましょう(ちなみに、前回話したデッキの大半もまだ残っていました)。
・エンテイ(ネオ3)+炎ポケモン(キュウコン、ウィンディ、ホウオウなど)
サポーターの導入で、ゲームスピードは遅くなっていました。エンテイの「おたけび」(この力は、このカードを手札から場に出したとき、1回だけ使うことができ、使ったら、自分の番は終わる。自分の山札の上からカードを5枚トラッシュする。トラッシュしたカードの中に「炎」エネルギーカードがあれば、それらすべてをトラッシュからとり出し、自分の場の「炎」ポケモンそれぞれに、好きなようにつける)を使えば、炎ポケモンが大ダメージで攻撃しやすくなります。しかし炎エネを探すのに山札の上5枚しか見れないことや、使ったらターンが終わってしまうため、いつも炎エネ加速を保証してくれるというわけではありませんでした。
・ゲンガー(e1)+オーダイル(e1)
このシリーズは本当に弱かったと言ったのですが、この2枚の組み合わせだけは、おそらく旧裏に対抗できる力を持った唯一のカードでした。オーダイルのベンチ入れ替えの能力は強く、またゲンガーの「カオスムーブ」のおかげで、「くいちぎる」がもの凄い一撃になります。しかしながら、この2枚がどちらも2進化だったことと、ゲンガーのポケパワーを使うには条件があったために、このデッキを使う時には時間切れが不安要素のひとつでした。
・カスミのヒトデマン&その他
このデッキは以前から存在していたのですが、とても面白いデッキなのでとにかく紹介してしまいます。カスミのヒトデマンにプラスパワーをつければ、スターブーメランで大きなダメージを与え、相手のポケモンを1発か2発で倒すことができます。そしてカスミのヒトデマンの攻撃はそれについている全てのカードを手札に戻すので、プラスパワーも戻ってきます。こうなれば大きなダメージを与えられるのですが、しかし相手に対処されてしまうと、勝つのは難しくなります。
また、サポータールールによって山札から多くのカードを引くのが難しくなったために、このデッキはこの環境では使えなくなってしまいました。
さてここからは、私自身のことをお話ししましょう。
今回の大会では、私はシニアかマスターに参加することができました。なぜかはわからないのですが、私は、バトルロードスプリング2002仙台大会のマスターリーグに参加することにしました。験かつぎというわけでもないのですが、仙台の大会に出るのが好きだったんです。
予選ラウンドは前回と同じでした。それぞれの卓に6人から10人のプレイヤーがいて、3人と3試合を行います。1位になれば予選を抜けることができました。
このときは、カリンのバンギラス/ゲンガーを使いました。ゲンガーのカオスムーブが最初から使えるので、ゲームに勝ちやすくなるからです。悪エネルギーをカリンのバンギラスに貼れば大きなダメージを与えることもできます。何試合かゲンガーとのミラーマッチがあったものの、カリンのバンギラスには超抵抗があったため、全てのゲームに勝って予選を突破することができました。もしも優勝すれば、仙台大会2連覇です!
そして決勝トーナメントに入りました。デッキは60枚で、ルールは元々のものです。私が使ったのはゲンガー/オーダイルで、もし1キルや事故負けさえなければ、優勝できる自信がかなりありました。たとえゲームを先行されても、ゲンガーがいれば巻き返すことができます。オーダイルは、いったんエネがついてしまえば、何でも2ターン以内に倒すことができました。また、最初の数ターンは攻撃できないため、その数ターンを繋ぐためにベイビィポケモンを何枚か入れていました。
初戦の相手はオーダイル(確か)でした。こちらのデッキにはゲンガーが入っているので、自分の方が有利だと強く感じていました。対戦相手はこちらよりサイドを多く取って先行しましたが、こちらは場が揃ったので、勝てるだろうと思いました。しかしながら、こちらの取ったサイド数が相手の取った数に近づくにつれ、相手は突然プレイのスタイルを変え、ブビィのようなベイビィポケモンを使って、ゲーム運びを遅くしようとしてきたんです。
ブビィのワザ「モクモク」は、場のポケモンが、特殊能力、ポケパワー、ポケボディを使えなくなります。時間が速く流れ、ブビィに攻撃しようとコインを投げるたびに、裏が出てしまいました。そしてジャッジが時間切れを宣言し、こちらの場の方があちらの場よりも強く見えるにも関わらず、相手の方がサイドを多く取っていたために、私は負けてしまいました。まったく負けた気はしませんでした。それでも、私はゲームに負けてしまったんです。私はひどく落ち込んでしまい、楽しげな顔で家に帰ることができませんでした。
さて、この試合は、私に悪影響しか与えなかったように見えるかもしれません。しかしこの試合は、もっと上手いプレイヤーになるための教訓を与えてくれたんです。――時間に気を配らなければいけない、と。
ゲームに勝つには、良いデッキと良いスキルだけではだめで、時間に――その消費に気を配る必要があります。また、相手の動きを注意深くチェックしましょう。相手の表情と、相手がどこに視線をやっているかによって、何をしようとしているのか、手札に何を持っているのかを読み取ることができます。もしもあのゲームで、対戦相手が何をしようとしているのかを読み取ることができていれば、私は勝てていただろうと思います。負けたことは恥ずかしかったですが、それでもあの試合は、大事な教訓を教えてくれました。――それが、今でもあの試合を覚えている理由です。
大会でなぜ負けたのか、みなさんの多くが思い返すと思います。単に「ああ、引きが弱かったから負けた」とか、「相手のハンドの方が強かった」とは言わないでください。試合を思い返し、勝つにはどうすべきだったのか、その答えを探すのは、誰にとっても大切な経験です。
私自身は勝つことに関して多くの経験をしてきました。しかし勝利と同じくらい私は負けてきましたし、ひとつひとつの試合すべてを誇りに思っています。
経験してきたことを誇りに思ってください。――それこそが、ポケカを楽しむのに必要なことなんです。
次回予告になりますが、2002年の後半、私はリベンジを試みます。
4番目の記事も、どうぞご期待ください!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
今回の記事も、非常に懐かしくて楽しい内容でした。おたけびエンテイもゲンガーもとても懐かしいですね。ゲンガーは僕個人も思い入れのあるカードです。
原文にはカード画像もたくさんありますので、興味のある方はぜひ原文も覗いてみてください。
また、記事の結論部分も、多くのプレイヤーに響く内容なのではないでしょうか。公式大会に限らず、各地の自主大会でも時間切れの勝敗は重要になるでしょうし、勝っても負けても、自分のプレイを振り返って得られるものは少なくないはずです。
ところで、記事に出てくる公式の予選形式はここからもあと数年ぶんはこの卓内3勝形式のはずですが、この形式の予選と、今の始発カードゲームのどちらがマシかと言われれば、大変に悩ましいところですw
内容に関しては、英訳者の魔女さんがご自身のブログで的確に要約して下さっていますので、僕から言うことはほとんどありません。
前回と今回の記事を読み返してみると、過去の振り返りをしつつも1つの結論に向かって話が進んでいて、本当に良いコラムだなあと改めて思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
テキストの引用は前回同様ポケモンWikiさんからです。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
No.003 My Pokemoncard Life 2001 to 2002
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Sunday, December 29, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/121
お久しぶりのポケカライフ記事です!
これは第3弾の記事になりますが、今回は、2001年の後半から2002年にかけての話をしたいと思います。
本題に入る前に、前回の記事を軽く振り返ってみましょう。2001年の夏の大会で3位になり、私はトッププレイヤーになろうと強く思い始めました。以来、優勝するため一生懸命やるようになったわけです。
ネオシリーズ4番目の拡張パックで、ポケモン金銀を基にしたシリーズは終わりを迎えました。その次は「ポケモンVS」シリーズですが、これは日本でしか発売されなかったものです。しかしながら、ここで大きな変化が起こりました。まず、カードの裏面のデザインが変わったんです。そのため、「闇、そして光へ…」までのカードを「旧裏」、VSシリーズ以降のカードを「新裏」と呼びます。そういえば旧裏のカードを集めているコレクターの方もまだまだいると思うのですが、こういった旧裏のなかには、非常に高額なカードもあるんです。
本題に戻りましょう。VSシリーズは、進化ポケモンがたねとして扱われた最初のシリーズでした。ちょうどSPポケモンのような感じです。とはいえ、このセットにはわざマシンもあったりしたのですが、強力なカードやキーになるようなカードは全然入っていませんでした(一番最近のわざマシンはギンガ団のものですね)。
このセットに入っていたたねポケモンの多くは、過去に登場したたねポケモンよりほんのちょっと強いだけでした。ただ、VSシリーズのポケモンはわざマシンで攻撃することができました。そのなかには、エネがあまりかからず、とても強いものもありました。いつ使われるのか予想できないという点では、わざマシンはどうぐと同じような面白さがありますね。
2001年の12月、eシリーズが発売されました。旧裏のカードが複雑だったこともあり、過去のシリーズと比べるとほとんどのカードが弱体化しました。そしてそのために、初心者がポケカに参入するのが難しくなってしまったんです。ワザのダメージ、特殊能力、トレーナーで引けるカードの枚数――これらすべてが、小さく、あるいは少なくなりました。
たとえば旧裏にはオーキドはかせとウツギはかせがあり、7枚引くことができました。しかしeシリーズで主に使われたオーキドはかせの研究では、山札からたった5枚しか引けなかったんです。
この当時の数年間はポケカの暗黒期だと言うプレイヤーもいます。ただ、個人的にはそうは思いません。いまのカードがあるのは、これらのシリーズがあるからこそなんです。ダメージ数やHPが跳ね上がったり、強いカードが出続けたなら、ゲームは簡単に壊れてしまいます。それに、環境が一新されれば、こういった数字は増えていくものなんです。最初のシリーズが出たときには、最大のHPは120でした。しかし17年経ってみたら、220になっています(メガカメックスとメガフシギバナですね)。最大HPは200までだろうという考えは、もう過去のものです。もしも最大HPが400になったりしたら、自分も歳をとったなと思うことでしょうね!
ポケカではときどき、その都度カードの効果が(キャッチャーのように)変わったりもします。エネルギーリムーブと超エネルギーリムーブにエラッタがかかったのも、だいたいこの頃だったのではないでしょうか(確かほとんどの海外では"Energy Removal"は"Energy Removal 2"になったはずです)。そのようなエラッタに対して良い気分がしないときもありますが、それでも、動向を見守るようにしています。個人的には、ゲームバランスを調整するためにも、そういった効果は弱められた方が良いだろうと思います。
それでは、当時使えたカードたちを説明していきましょう。
サポーターが導入されたのは2002年の春だったかと思います。使用できたカードは、ディビジョンごとに違っていました。――ジュニアとシニアが使えたのはネオ1からeシリーズまでだった一方で、マスターは、すべてのシリーズのカード(第一弾からeまで)を使うことができました。13歳から17歳までがシニアリーグで、マスターリーグは高校生以上の年齢が対象でした。マスターリーグが追加されたのは2002年からですが、これは高校を卒業したプレイヤーたちにとって、本当にすばらしいニュースでした。――この枠が追加される前は、高校を卒業してしまったプレイヤーたちが参加できる枠がなかったために、そういったプレイヤーたちには公式大会でプレイできる権利がなかったんです。このおかげで、そういったプレイヤーたちもポケカを続けられるようになりました!
ルールに関していえば、依然としてカードの使用制限がありました(興味があれば前回の記事を見てください!)。とはいえ、前回大会の結果を受け、カードの使用制限が前回とは変更されました。そのため、前回使ったキングドラデッキや、前回大会で優勝した他のデッキも使えなくなってしまったんです(一応キングドラを組むことはできましたが、リサイクルエネルギーが制限になったので、もはや強いデッキではなくなっていたでしょう)。
また、今回は予選ラウンドから自分のデッキを使うことができるようになりました。これまでの大会では、主催者側が用意したデッキしか使えなかったんです。しかしながら、デッキは30枚でなければいけませんでした。これはおそらく日本限定のルールでしょうね。
30枚デッキのルールは、60枚の半分なので、同名カードは2枚まで、またサイドの枚数は3枚でした。基本的に、ゲームは単純です。――ミラーやメタを意識したカードを入れるのは難しいからです。そのためメタは極めて単純で、プレイングを磨こうという努力はだいたい無駄に終わります。
こういった説明をするとゲームがつまらないように見えるかもしれないのですが、30枚デッキを作るのは60枚デッキを作るのとは違っていて、またメタデッキに勝てるようなデッキを作るのはとても楽しい作業です。ただそれでも、ゲームが単純なので私は好きではなかったのですが。
ここからは、当時どのようなデッキがいたのかについて話していきましょう(ちなみに、前回話したデッキの大半もまだ残っていました)。
・エンテイ(ネオ3)+炎ポケモン(キュウコン、ウィンディ、ホウオウなど)
サポーターの導入で、ゲームスピードは遅くなっていました。エンテイの「おたけび」(この力は、このカードを手札から場に出したとき、1回だけ使うことができ、使ったら、自分の番は終わる。自分の山札の上からカードを5枚トラッシュする。トラッシュしたカードの中に「炎」エネルギーカードがあれば、それらすべてをトラッシュからとり出し、自分の場の「炎」ポケモンそれぞれに、好きなようにつける)を使えば、炎ポケモンが大ダメージで攻撃しやすくなります。しかし炎エネを探すのに山札の上5枚しか見れないことや、使ったらターンが終わってしまうため、いつも炎エネ加速を保証してくれるというわけではありませんでした。
・ゲンガー(e1)+オーダイル(e1)
このシリーズは本当に弱かったと言ったのですが、この2枚の組み合わせだけは、おそらく旧裏に対抗できる力を持った唯一のカードでした。オーダイルのベンチ入れ替えの能力は強く、またゲンガーの「カオスムーブ」のおかげで、「くいちぎる」がもの凄い一撃になります。しかしながら、この2枚がどちらも2進化だったことと、ゲンガーのポケパワーを使うには条件があったために、このデッキを使う時には時間切れが不安要素のひとつでした。
・カスミのヒトデマン&その他
このデッキは以前から存在していたのですが、とても面白いデッキなのでとにかく紹介してしまいます。カスミのヒトデマンにプラスパワーをつければ、スターブーメランで大きなダメージを与え、相手のポケモンを1発か2発で倒すことができます。そしてカスミのヒトデマンの攻撃はそれについている全てのカードを手札に戻すので、プラスパワーも戻ってきます。こうなれば大きなダメージを与えられるのですが、しかし相手に対処されてしまうと、勝つのは難しくなります。
また、サポータールールによって山札から多くのカードを引くのが難しくなったために、このデッキはこの環境では使えなくなってしまいました。
さてここからは、私自身のことをお話ししましょう。
今回の大会では、私はシニアかマスターに参加することができました。なぜかはわからないのですが、私は、バトルロードスプリング2002仙台大会のマスターリーグに参加することにしました。験かつぎというわけでもないのですが、仙台の大会に出るのが好きだったんです。
予選ラウンドは前回と同じでした。それぞれの卓に6人から10人のプレイヤーがいて、3人と3試合を行います。1位になれば予選を抜けることができました。
このときは、カリンのバンギラス/ゲンガーを使いました。ゲンガーのカオスムーブが最初から使えるので、ゲームに勝ちやすくなるからです。悪エネルギーをカリンのバンギラスに貼れば大きなダメージを与えることもできます。何試合かゲンガーとのミラーマッチがあったものの、カリンのバンギラスには超抵抗があったため、全てのゲームに勝って予選を突破することができました。もしも優勝すれば、仙台大会2連覇です!
そして決勝トーナメントに入りました。デッキは60枚で、ルールは元々のものです。私が使ったのはゲンガー/オーダイルで、もし1キルや事故負けさえなければ、優勝できる自信がかなりありました。たとえゲームを先行されても、ゲンガーがいれば巻き返すことができます。オーダイルは、いったんエネがついてしまえば、何でも2ターン以内に倒すことができました。また、最初の数ターンは攻撃できないため、その数ターンを繋ぐためにベイビィポケモンを何枚か入れていました。
初戦の相手はオーダイル(確か)でした。こちらのデッキにはゲンガーが入っているので、自分の方が有利だと強く感じていました。対戦相手はこちらよりサイドを多く取って先行しましたが、こちらは場が揃ったので、勝てるだろうと思いました。しかしながら、こちらの取ったサイド数が相手の取った数に近づくにつれ、相手は突然プレイのスタイルを変え、ブビィのようなベイビィポケモンを使って、ゲーム運びを遅くしようとしてきたんです。
ブビィのワザ「モクモク」は、場のポケモンが、特殊能力、ポケパワー、ポケボディを使えなくなります。時間が速く流れ、ブビィに攻撃しようとコインを投げるたびに、裏が出てしまいました。そしてジャッジが時間切れを宣言し、こちらの場の方があちらの場よりも強く見えるにも関わらず、相手の方がサイドを多く取っていたために、私は負けてしまいました。まったく負けた気はしませんでした。それでも、私はゲームに負けてしまったんです。私はひどく落ち込んでしまい、楽しげな顔で家に帰ることができませんでした。
さて、この試合は、私に悪影響しか与えなかったように見えるかもしれません。しかしこの試合は、もっと上手いプレイヤーになるための教訓を与えてくれたんです。――時間に気を配らなければいけない、と。
ゲームに勝つには、良いデッキと良いスキルだけではだめで、時間に――その消費に気を配る必要があります。また、相手の動きを注意深くチェックしましょう。相手の表情と、相手がどこに視線をやっているかによって、何をしようとしているのか、手札に何を持っているのかを読み取ることができます。もしもあのゲームで、対戦相手が何をしようとしているのかを読み取ることができていれば、私は勝てていただろうと思います。負けたことは恥ずかしかったですが、それでもあの試合は、大事な教訓を教えてくれました。――それが、今でもあの試合を覚えている理由です。
大会でなぜ負けたのか、みなさんの多くが思い返すと思います。単に「ああ、引きが弱かったから負けた」とか、「相手のハンドの方が強かった」とは言わないでください。試合を思い返し、勝つにはどうすべきだったのか、その答えを探すのは、誰にとっても大切な経験です。
私自身は勝つことに関して多くの経験をしてきました。しかし勝利と同じくらい私は負けてきましたし、ひとつひとつの試合すべてを誇りに思っています。
経験してきたことを誇りに思ってください。――それこそが、ポケカを楽しむのに必要なことなんです。
次回予告になりますが、2002年の後半、私はリベンジを試みます。
4番目の記事も、どうぞご期待ください!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
今回の記事も、非常に懐かしくて楽しい内容でした。おたけびエンテイもゲンガーもとても懐かしいですね。ゲンガーは僕個人も思い入れのあるカードです。
原文にはカード画像もたくさんありますので、興味のある方はぜひ原文も覗いてみてください。
また、記事の結論部分も、多くのプレイヤーに響く内容なのではないでしょうか。公式大会に限らず、各地の自主大会でも時間切れの勝敗は重要になるでしょうし、勝っても負けても、自分のプレイを振り返って得られるものは少なくないはずです。
ところで、記事に出てくる公式の予選形式はここからもあと数年ぶんはこの卓内3勝形式のはずですが、この形式の予選と、今の始発カードゲームのどちらがマシかと言われれば、大変に悩ましいところですw