【コラム】謎のカイリューダストランクルス
 今回も翻訳ではありません(たぶん)。
 今月アメリカで開催されていたWinter Regional。その第1週目の大会で、3位に入賞して注目を集めたデッキがあります。
 それが、カイリューダストダスランクルス。まったく見慣れないデッキだっただけに、さまざまな場所で話題になっていました。
 使用者は、WCS2013で復讐ブースターを使ってトップ16に入賞したDylan Bryan(復讐ブースターについてはhttp://ukinins.diarynote.jp/201309011145155586/)。

 このカイリューデッキについて、Dylan Bryan本人のデッキリストと解説はまだアップされていません(されるかどうかも謎です)。
 ただ、本人以外からの考察記事は、僕の知るかぎりすでに3つ存在しています。
 今回はそのなかの2つを取り上げ、このデッキについて紹介してみたいと思います。

 まず始めは、ご存知The Top Cutから、Kyle Sucevichの動画による解説です。
 本人のデッキリストではないとのことですが、たぶんかなり近いと思う、だそうです。
 きちんとした翻訳ではなく、解説を箇条書きにしてあります。

 ◆ ◆ ◆

Pokemon TCG Deck Breakdown -- Dragonite!
ttp://thetopcut.net/2014/01/25/pokemon-tcg-deck-breakdown-dragonite/

3 ミニリュウ
3 カイリュー
2 ヤブクロン
2 ダストダス
2 ユニラン
1 ランクルス
1 ミュウツーEX
1 ビリジオンEX
1 クレセリアEX
1 ジラーチEX
1 バリヤード

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
2 トロピカルビーチ
1 パソコン通信

4 ハイパーボール
4 ふしぎなアメ
2 レベルボール
2 白銀の鏡
2 シルバーバングル
1 かるいし
1 すごいつりざお
1 ツールスクラッパー

6 草エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

※以下は、動画内の解説で重要そうな部分を箇条書きにしてみました。

・白銀の鏡を貼ってつんざくを打てばプラズマ団は終了。ルギア/カビゴン/ボルトロスが最近流行ってるよね。ついでにプラズマ団だからゲノセクトEXにも効くよ。Gブースターも貼れなくなるし。鏡とつんざくのセットがカイリューにとっては一番のコンボだと思う。
・グッズととくせい両方を止めれるようになるから、ダストダスも強力。特に対カメックスと対エンブオーに効くよ。ついでに対プラズマでも、相手のレッドシグナルで鏡カイリューがバトル場から動かされることがなくなるね。つんざくを打っていれば、ダストに貼ってあるグッズが割られることもないし。
・でもダークライとかは、とくせいロックに関係なく攻撃してくる。そういう相手にはダストの代わりにランクルスを使おう。ラインが2-1なのは、デッキに色々なカードを入れなくちゃいけなかったから。ランクルスでカイリューを生き残らせれば、グッズロックが継続できる。
・もし相手がダークダストで、ランクルスを止めてこようとしたら、スクラッパーで相手のダストのどうぐを割って、つんざくを打とう。相手は次のどうぐを貼れなくなる。
・クレセリアEXは、ランクルスとセットでゆっくりとだけどダメージを回復してくれる。このデッキならまんたんよりこっちだと思う。
・ビリジオンEXは、特殊状態を防ぐため。相手は、たとえばヤミラミのあやしいひかりとかでカイリューを止めようとしてくる。攻撃できないターンがあると、ロックが解除されてしまうからね。ついでにゴチアギにも負けなくなるよ。
・ミュウツーEXは、相手が巨大なミュウツーを作ってカイリューを一撃で倒そうとしてきたときのため。ロックが切れるから理想的なアタッカーではないね。エックスボールを打つときは、事前にNを使って相手の手札を制限しておこう。
・ポケモンのラインはこんな感じ。ランクルスとかはもっと入れたいけど、デッキを60枚に収めるためにやむなく。
・シルバーバングルがあると、ダークライEXのようなEXを2発で落とせるようになる。レックEXやブラックキュレムEXは一撃になるね。
・デッキ全体はこんな感じ。メタ内のたいていのデッキに有利だと思うよ。

 ◆ ◆ ◆

 続いて、The Charizard Loungeから。もともとSixPrizesのライターだった人が開設したサイトだそうです。
 こちらは普通の記事になっています。
 面倒くさいので翻訳しなかった代わりに、上で出てきていない重要そうな箇所を、同様に箇条書きにしてみました。
 デッキリストは上のものか記事内を見てもらえればいいので省略します。

 ◆ ◆ ◆

Dragon Locked -- A Look at Dragonite
ttp://thecharizardlounge.com/2014/01/22/dragon-locked-a-look-at-dragonite/

・実際このデッキは突然に登場したわけではなくて、自分はPlayTCGでのランダム対戦で、このデッキと当たったことがある。ただ、そのときの相手は全然洗練されていなかった。
・このデッキは、現状に存在するコンセプトと、かつて使われた戦略との集合体で、それをひとつのつんざくデッキに詰め込んだような感じだ。
・HP150は、どくさいみん無しでは一撃ではまず落ちない。
・ただ2エネつき2進化を何体も立てるのは難しいから、理想的には、1ゲームを1体で戦い抜きたい。
・ランクルスで回復するというコンセプトは、かつて"the Truth"やゴチランで使われたものだ。〔※訳注:"the Truth"は、強豪プレイヤーのRoss CawthonがWCS2011に持ち込んで準優勝したラフランの通称。参照:ttp://www.sixprizes.com/2011/11/01/nothing-but-the-truth/〕
・エーススペックは、パソ通かダウジングだと思う。あまり一般的でない候補として、ロックガードもある。
・正直、回復オプションが必要なのか怪しいと思う。ベンチにはHPの高いやつがいっぱいいるし、きちんと場を立てれば、ダメージを移して意図的にきぜつさせても良いと思う。ベンチにはビリジオンEXともう1体EXを置きたい。
・ただ、このデッキには問題点もある。
・立ってしまったカメックスやエンブオーにはつらい。カイリューは非EXのブラックキュレムやレックウザに一撃でやられるし、レシラムのげきりんもつらい。
・ビリゲノはこのデッキと互角にやれる。先に動ければ、レッドシグナルでエネつきを狙うこともできる。
・序盤からヤミラミハンマーで嵌めれば、つんざくは打てなくなる。
・スクラッパーがサイド落ちした場合の相手のダストも問題だ。

 ◆ ◆ ◆

 こんな感じです。
 ちなみに、3つのうち残るひとつの記事というのは、
“I Can’t Hear You!” -- The Boisterous Rise of Dragonite
ttp://www.sixprizes.com/2014/01/25/i-cant-hear-you-the-boisterous-rise-of-dragonite/
 なのですが、こちらは内容の重複も多いので(そして僕が力尽きたので)省略します。

 海外のメタゲームは、ビリゲノ/プラズマ/ダークダスト/カメケル/レックエンブの綺麗な5強で動いています。今回のカイリューは、そのメタを見事に読みきった結果の入賞と言えると思います。
 現に、2つめに紹介した記事は、「カイリューの成功は、正しいメタ読みの中で、優秀なプレイヤーが使ったということと大きく関係している」と締めくくられています。
 もちろん、あるいは最も大きな要因かもしれませんが、海外ではトロピカルビーチが使用可能というのも忘れてはいけないと思います。このカードの2進化デッキへの寄与はものすごく大きいですね。
 それでも、このデッキや考察から学べることは多くあると思います。

 さてさて、実はこれらの記事が出たあと、つい先日行われた第3週目のWinter Regionalでは、何とカイリューダストビクティニEXという、これの派生系のようなデッキが優勝してしまうわけですが(使用者は去年のアメリカ2位)、それについては、機会があれば(そして記事が出れば)また後日紹介したいと思います。

【追記】http://ukinins.diarynote.jp/201401291320213494/でカイリューダストビクティニEXの解説をしています。

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