【翻訳】ダークダストとWCSトップ8レポート(1/2)
 前回に引き続き、今回も60cards.netから。ずいぶん遅くなってしまいましたが、日本有数の強豪プレイヤーの一人、米田さんのWCSトップ8レポートの翻訳(英語原文は魔女さんが翻訳なさったもの)をアップしたいと思います。
 デッキ構築の際の考え方や対戦中の細かい動きなど、ためになる内容が満載です。色々な意味で貴重な記事だと思いますし、僕も本当に勉強になりました。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Top 8 Worlds Report with Darkrai-Garbodor
by Takuya Yoneda, tr. Majyo
Tuesday, August 27, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/9


■イントロダクション

 こんにちは。僕の名前は米田卓弥で、日本に住んでいます。簡単に自己紹介をすると、ポケカは16年やっていて、チームアチャモのメンバーです。チームには大和さんもいて、一緒にカードをやっています。

 2013年の世界大会では、LCQから参加して権利を取り、本大会でトップ8になりました。ここでは、自分の対戦レポートとデッキリスト、そしてなぜダークダストを選んだのかと、デッキ内のカードの説明をしたいと思います。

■デッキ選択のときの考え

 世界大会に向けて準備を始めたのは、日本でBW8が発売されたときでした。その日に僕はゴチルゼルデッキを作り、そこから研究をしていました。僕の出した結論はこうでした。「ゴチルゼルがメタ内最強デッキなのは明らかで、今でもそうなっている」。このデッキは、どのデッキに対しても5割以上勝てると思いました。ケルディオEXを2枚入れたダークライでも厳しいだろうと感じました。しかも、僕たちのチームが作ったゴチルゼルデッキは、ケルディオ3積み構築のダークライにも勝ってしまうぐらい強かったんです。この時点で、カメックスでも対ゴチルゼルはノーチャンスだろうと確信しました。
 けれども、ゴチルゼルがNationalsで優勝したとき、ミラーマッチがさらに増えるだろうと思いました。ミラーマッチはどうにもならないんです。僕がゴチルゼルを使わなかったのはそれが理由でした。僕はゴチルゼルデッキのレシピを探し回り、これなら自分のダークライ/ケルディオでどうにかなると思いました。とはいえ、僕はゴチルゼルに勝つのはかなり大変だと思っていましたが、下のレポートを読んでもらえればわかるとおり、僕はゴチルゼルには1度も当たらなかったんです。
 ゴチルゼル以外にも、プラズマやカメックスといったトップメタデッキをいくつか考えていました。キュレム(BW8)はものすごく強くて、ゲームの最初から攻撃できてしまえば、だいたいそのまま勝ててしまいます。しかもゴチルゼルと比べるとゲームスピードがびっくりするぐらい違いました。
 それから、カメックスも使われるだろうと思いました。一般的にはゴチルゼルに5割の確率で勝てると思われているからです。けれど、僕たちはせいぜい1~2割ぐらいしか勝てないと思っていたので、使う気はまったく起きませんでした。それからダークライに関していえば、ゴチルゼルが流行ればダークライも流行るだろうと予想していました。僕らの予想は正しくて、ダークライはたくさん見かけました。それでも、ダークライを使うとカメックスには相性がひどくなってしまいます。

 2013年の5月には日本で大きな大会があったので、BW9入りのデッキを練習しなければいけなくなり、世界大会用の研究から一時的に離れる必要がありました。結果的に僕はその大会で優勝できず、権利を取ることができませんでした。
 こんなこと言いたくないのですが、僕は日本の大会形式が好きではありません。日本の大会は、その日に一番運が良かった人間を決めるようなものだからです。海外の大会のやり方は本当に羨ましいと思います。
 それで大会が全部終わったあと、僕はまた世界大会の準備に戻りました。ゴチルゼルが流行り始めていたので、デッキ選択はダークライ以外にはありえませんでした。僕は研究とテストプレイを始め、その結果、ダストダスを入れればカメックスにも対処できるという結論にたどり着きました。

デッキリスト:

4 ダークライEX
2 ケルディオEX
2 ヤブクロン(BW2)
2 ダストダス(BW5)
1 アブソル
1 ヤミラミ

4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 フウロ

3 ハイパーボール
4 ポケモンキャッチャー
4 ダークパッチ
3 どくさいみん光線
3 かるいし
2 悪のツメ
1 学習装置
1 まんたんのくすり
1 パソコン通信
2 タチワキシティジム
1 トロピカルビーチ

11 悪エネルギー

・ポケモンについて

4 ダークライEX

 このデッキのメインアタッカーです。このデッキでは対戦中にダークライを3枚使うようになっています。ダークライはサイド落ちするかもしれませんし、ベンチに置くぶんが引けないという場合もあるでしょう。そのためダークライは4枚入れています。

2 ケルディオEX

 ゴチルゼルと、どくさいみん光線に対するキーカードです。ゴチルゼルがいるなら、デッキにはタブンネかケルディオのどちらかは入れるべきだと思います。2枚ではゴチルゼルに対処するのに十分ではないと思っていたので、3枚入れたかったのですが、スペースがありませんでした。それと、かるいしをケルディオに貼るのも良い動きだということを付け加えておきます。

2 ヤブクロン(BW2) 2 ダストダス(BW5)

 ダークライとカメックスに勝つために入れています。ヤブクロンも3枚入れたかったのですがスペースがありませんでした。なぜBW2のヤブクロンかというと、ゴミあつめでケルディオを戻せるからです。これは対ゴチルゼルでは効果的です。それに、たいていのダークライデッキはかるいしを入れていないので、そう易々とダークライを場に出すことはできなくなり、それによって相手をコントロールしやすくなります。しかし対プラズマでは、バトルポケモンが眠ったときに困ったことになるので、進化させてもそのまま置いておくだけにしています。

1 アブソル

 対プラズマと、対カメケルと、対ゴチアギのためです。プラズマに対しては、相手のベンチがあっという間に埋まるので、ものすごく強いです。それに、2エネで攻撃できるので、相手のバトル場がゴチルゼルでもワザを使いやすいです。実を言えば、アブソルにするか3枚目のケルディオにするか悩んでいたのですが、相手のサイド枚数をコントロールしたかったので、アブソルを入れることにしました。

1 ヤミラミ

 ヤミラミが1枚なのは、スペースのせいだけではなくて、もしヤミラミを2枚場に出してしまうと、サイド枚数の関係でダークライを3体使えなくなってしまうからです。実際この枚数で困ったことはなかったので、これで十分だと思います。

・サポーター

4アララギ 4N 2アクロマ 2フウロ 1トロピカルビーチ 1パソコン通信

 実のところこれは、このデッキに入れられる最低限の枚数だと思います。実際に僕は、サポーターが引けずに2つのゲームを落としています。もう1枚アクロマを入れたかったのですが、またしてもスペースがありませんでした。それでも、アクロマはもう1枚必要だとは感じましたが、アララギとNがこれだけあればひとまず事足りました。
 フウロに関して言えば、以前は3枚入れていましたが、使いたいカードがいっぱいあるときにフウロはあんまりたくさん手札に来てほしくありません。手札にフウロが1枚あるときには、それでビーチを持ってくれば、アララギを使うよりも良い場合があります。1ターン目から殴るデッキではなく、なおかつフウロが入っているなら、ビーチは入れていいと思います。それに、ビーチを入れておくと、タチワキシティジムを割るのにも役立ちます。相手が余計なタチワキを引いた場合、その相手はタチワキを捨てることが多いです。この環境ではどくさいみんがかなりたくさん使われていますが、タチワキを割ればダークライが一撃で落ちなくなります。

・エーススペック

1 パソコン通信

 パソコン通信以外には、ダウジングマシン、スクランブルスイッチ、ゴールドポーション、いのちのしずくを考えていました。サポーターを削ったので、エーススペックはパソコン通信にしました。パソ通を含め、初手でサポーターになるカードは12枚入れています。それから、ダストダスを場に出したいときは、パソ通で必要なカードを引いてくることができます。

・グッズ

3 ハイパーボール

 ダストダスを引いたり、ダークパッチ用の悪エネルギーを捨てるのに使います。捨てられるカードがそんなになかったので、4枚目は入れませんでした。

4 ポケモンキャッチャー

 相手の場をコントロールする上で、4枚以外の枚数はありえません。

4 ダークパッチ

 ダークライや他のアタッカーを素早く起動させるためには4枚必要です。

3 かるいし

 かるいしはこのデッキのキーカードです。ダストダスが入っているからかるいしを入れているわけではありません。かるいしが入っているから、ダストダスを入れているんです。一体何を言ってるんだ、と思われるかもしれませんね。それについて説明したいと思います。

 たいていのダークライにはエネルギーつけかえが入っています。しかし、もしも1体目のダークライが落とされたとき、ベンチに1エネつきのダークライしかいなかったら、ワザを撃つためには、エネルギーつけかえ+ダークパッチ+エネルギーが必要です。つけかえとかるいしの部分の枚数は動かせません。しかし、早い段階でかるいしを貼っておけば、攻撃がやりやすくなります。つまり、ダークライデッキでは、かるいしはエネルギーとして扱えるんです。これは、デッキ枚数を早く掘り進められるという点でも強力でした。
 対ゴチルゼルのときは、かるいしをケルディオに貼ればエネを無駄にする必要がないので効果的です。たいていケルディオには悪エネをつけがちですが、そうするとしっかりロックされている状態ではダークライを準備するのが難しくなります。かるいしケルディオを作れていれば、ダークライやアブソルにエネを貼るのに集中できるんです。そんなときに思いついたのが、ダストダスを入れればカメックスに有利に戦えるという結論でした。これが、僕がダークライ/ダストダスを組んでいったときのやり方でした。

2 悪のツメ

 主に対プラズマのためです。これがないと、キュレムや他のEXを倒すのは難しいと感じました。3枚目はスペースがありませんでした。

1 学習装置

 これを貼るのはダークライかアブソルだけです。これを入れたのは、エネルギーがときどき足りなくなるからでした。ダークパッチでは足りないと思ったので、当初はアブソルを入れていませんでした。エネルギーが足りなくなるので、ダークライ3枚とアブソル1枚を動かすのは不可能です。なので以前は学習装置を1枚挿しつつ、ダークライ3枚とヤミラミ1枚で戦っていました。学習装置を入れればヤミラミの必要性は減りますし、アブソルが攻撃に行けるチャンスも大きくなります。2枚入れていないのはスペースがなかったからで、そのため貼り先のポケモンもほかには入っていません。

1 まんたんのくすり

 相手が大きいダメージで殴ってきたら使います。

3どくさいみん光線 2タチワキシティジム

 もともとはどくさいみん3タチワキ1でしたが、タチワキがないとどくさいみんでは有効なダメージを与えられませんでした。加えて、スタジアムの貼り替えもしやすくなります(たとえば、タチワキからビーチ、そしてビーチからタチワキ)。いつもながら、4枚入れるスペースはありませんでした。

・エネルギー

11 悪エネルギー

 悪エネ10枚とエネルギー転送にすべきだと思う人もいるかもしれません。ですが、対ゴチルゼルのときはトレーナーカードよりもエネルギーがあった方が良いです。それにヤミラミはそこまで使わないので、転送は必要ないと思いました。

・その他のカード

改造ハンマー

 1枚入れようと思いましたが、1枚ではプラズマを倒すには足りません。それにヤミラミが1枚しか入ってないので、ハンマーは入れなくていいと思いました。

すごいつりざお

 このデッキのダストダスはある種のおまけに過ぎないので、3体目のダストダスを出すのは難しいだろうと思いました。それにヤミラミも1枚だけなので、このデッキにつりざおはいらないと思いました。

ツールスクラッパー

 これは真面目に入れようかどうか考えていましたが、必要なときに引けないだろうと思い、入れませんでした。

■LCQ

〔※訳注:エントリの文字数が膨大になってしまうため、この部分は省略しました。ご了承ください〕

〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309071915137368/に続きます〕
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309071513308176/からの続きです〕


■世界大会本戦

 LCQの次の日が世界大会本戦です! 以前よりも試合数が増えていると聞いていたので、一日を通じて自分のペースを保てるか心配でした。とはいえ、一度負けたら終わりというわけではないので、スイスラウンドではかなりリラックスしてプレイできました。

・1回戦:Marius Vanheste (BE) ダークライEX/アブソル

 初手はとても良かったです。パソ通があり、1ターン目からナイトスピアを撃つこともできるハンドでした。けれど相手はNを使ってきて、それでこちらの手札はひどくなってしまいます。手札にどくさいみんがあったので相手のダークライEXに使いましたが、いろいろあってそのダークライは数ターン眠り続けました。
 ようやく僕はフウロを引き当て、相手がNを握っているのかサポーターを引いていないだけなのかわからなかったので、ビーチではなくアララギを持ってきました。相手のダークライは起きてナイトスピアを撃ち始め、こちらも同じようにナイトスピアを撃ち始めます。相手の2体目のダークライにこちらの2体目のダークライが落とされないように、ビーチでタチワキを割りました。けれども、相手は2枚目のタチワキとどくさいみんも持っていました。ただ、僕は3体目のダークライを作れることはわかっていたので、それで相手の2体目のダークライを倒しました。相手は次のダークライを用意できず、こちらが初戦に勝つことができました。

・2回戦:Javier Favilli (AR) ブースター/テラキオン/ランドロスEX/ダストダス/フワライド/タブンネ/バリヤード

 このマッチが始まる前、ブースターデッキがいると聞いていたので、僕はそのことを考えていました。そしてバトル場をオープンしてみると、うわ来たよ、イーブイがいる! 
 序盤はダークパッチが引けず苦労しました。向こうはランドロスEXで攻撃してきます。こちらは押しとどめるためにどくさいみんを使いますが、そのたびにタブンネで回復されてしまいました。しかし、ランドロスには2枚目のエネがつきませんでした。こちらはダークライにダメージが乗ったらまんたんのくすりを使い、ダークライ2枚がかりでランドロスを落としました。その時点で、相手の場にはダブル無色つきのブースターが3体とバリヤード。バリヤードがいるのでダストを置こうと思いました。ブースターが前に来てふくしゅうを撃ってきますが、大したダメージは出ていません。
 僕はダストダスを立てて、悪のツメをつけたダークライで殴り始めました。2体目のブースターが来てこちらのダークライを落とします。相手はキャッチャーを3枚使っていて、トラッシュにはポケモンが14枚ありました。その時点で、向こうには学習装置つきの無傷のダークライを倒す手段がありませんでした。僕はNを使ってからキャッチャーでブースターを倒します。向こうにはアタッカーがいなくなり、ダークライが倒されなかったのでゲームに勝つことができました。相手のデッキは、戦っていて楽しいデッキでしたね。

・3回戦:Brit Pybas (US) ダークライEX

 ヤミラミスタートでしたがサポーターはなし。相手はバリヤード1匹だけで、こちらはどくさいみんを撃ちました。どうやら相手もサポなしのようで、カードを引いただけでターンを返してきます。僕も他にやることがなかったのであやしいひかりを撃ちました。相手も他にできることはなく、こちらはまたあやしいひかりを撃ってバリヤードを倒すことができました。今回は運がよかったと思います。

・4回戦:Jonathan Bristow (US) レックビール

 相手はライコウEXスタートで、こちらはヤミラミスタートです。相手はサポーターがなく、ライコウにエネを貼っただけでターンを返してきました。次のターンにはかみなりのキバを使ってきましたが、判定は裏。こちらはダークライを用意してシビシラスを殴り始めます。向こうはまたかみなりのキバですが――裏。助かりました。僕はダストダスを置くつもりだったので、ケルディオを出したくなかったんです。なのでマヒにされてしまうと、ケルディオがいないので困ったことになります。
 こちらはベンチのシビビールを倒し、次のターンに相手はまたかみなりのキバを撃ってきました。判定は裏。こちらは再びナイトスピアで攻撃します。もう少しで勝てるところでしたが、相手はベンチにレックウザEXを出してアクロマを使ってきました。そしてかみなりのキバ、ですが判定はまた裏。こちらはライコウを倒します。相手はアララギを使いますが、大した動きはできませんでした。レックウザには3エネがついていましたが、こちらは他のポケモンも準備できていて、勝つことができました。だいたいはかみなりのキバの裏のおかげですね。

・5回戦:Dustin Zimmerman (US) ヤミラミ/ダストダス/ダークライEX/ハンマー

 マッチアップで彼の名前を見たときはとても興奮しました。彼の名前は前から知っていたんです。お互いダークライスタートで、うーんダークライかと思いながら僕はベンチにヤブクロンを出しました。すると向こうもヤブクロンを出してきました。そしてヤミラミが出てきてハンマーを撃ち始めます。向こうはヤミラミとダストダスをメインにしたデッキだなと思いました。僕も同じデッキを以前に試したことがあったので、相手のデッキにアタッカーはそんなにたくさん入っていないと踏んで、ダークライで殴り始めました。ハンマーが刺さると困るのでダークライには4枚目のエネを貼り、万が一にニューラが来ることも考え、ケルディオを出して悪エネをつけておきました。こちらのダークライは倒されず、僕は相手のダストダスとヤブクロンをナイトスピアで倒すことができました。このデッキがすごく強いのは知っているんですが、試合時間がとても長くなってしまうのと、ゴチルゼルに勝てないので、僕は使いませんでした。

・6回戦:Josue Palomino (MX) キュレム/デオキシスEX/ケルディオEX/学習装置

 相手は学習装置と基本エネを使っているプラズマでした。この型はあまり使っておらず、ダークダストとも練習していませんでした。この試合は勝てば次に進めるので、じっくりやろうと思いました。
 相手は1ターン目からキュレムを準備してフロストスピアで殴ってきました。貼られていた学習装置がかなり良さそうに見えました。どくさいみんとブリザードバーンで僕のダークライは170ダメージを受け、僕はそれをまんたんのくすりで回復したのですが、ここで大きなミスをしてしまいました。僕はうっかりダークライの毒マーカーまで取り払ってしまい、ケルディオのかけつけるを使うのを忘れていたんです。これは困ったなと思いましたが、相手も似たようなミスをしてくれました。相手もかけつけるを使い忘れ、そのため前のターンにブリザードバーンを撃ったキュレムがバーンを撃てなかったんです。
 相手はもうワザを宣言してしまっていたので、僕らはジャッジを呼びどうすべきか尋ねました。ジャッジ曰く、今はまだ攻撃フェイズ中なので〔※訳注:原文はsince it was in the Attack Phase〕、別のワザを選択することはできる、とのことでした。しかしキュレムはそもそもワザを使えないので、相手は攻撃せずにターンエンドし、こちらのダークライには毒で合計60ダメージが乗りました。こちらはダストダスを置き、どくさいみんを撃ってキュレムを倒します。もうブリザードバーンとどくさいみんでもHP満タンのダークライが落ちなくなり、ケルディオのかけつけるも使えなくなりました。こちらはそのままダークライでゲームに勝利しました。

・7回戦:Gino Lombardi (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

 TopCutの人たちがこの試合をビデオに撮りたいと言ってきました。提案はとてもうれしかったのですが、このデッキはまだ公開したくなかったんです。申し訳ないことをしました。
 対戦では僕がダストダスを立てて、向こうはツールスクラッパーがなかったので、場をコントロールしてこの試合にも勝利しました。

・8回戦:Leandro Lopez (AR) ギギギアル

 実はギギギアルとはこれまで戦う機会がなかったので、どうやって倒したものかと思っていました。結論は、ダストダスを立てようということにしました。こちらはダークライにエネを貼り、ケルディオを出します。相手はNを使ってきましたが、ギアルを出しただけでターンを返してきました。こちらはダークライで攻撃して勝利。ラッキーな試合でした。

・トップ32:Hanzell Ivan Caballero (MX) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

 少し休憩を挟んで、決勝トーナメントの時間になりました。

1ゲーム目

 またカメックス! こちらはダークライスタートです。少ししてヤミラミとケルディオを引いてきましたが、このゲームでは場に出す必要がないと思いました。こちらはNを撃ちましたが、たねポケを引かず、相手はブラックキュレムを用意してバリスタを撃ち、僕はこのゲームを落としてしまいました。

2ゲーム目

 こちらはダストダスを立ててダークライを準備します。相手は引きがよくなかったようで、こちらはそのままダークライで勝つことができました。相手にはかるいしがあったので、ツールスクラッパーはないんじゃないかと予想しました。

3ゲーム目

 相手はカメックスを立てましたが、こちらもダストダスを立てました。向こうはキャッチャーでダストダスを倒しにきましたが、こちらはかなり引きが良く、そのまま勝つことができました。

・トップ16:Gunther Kirchhofer (AT) キュレム/ボルトロスEX/デオキシスEX/ルギアEX/カビゴン

1ゲーム目

 相手のプラズマはルギア入りだとすぐに判明しました。相手はフロストスピアからの出だしで、こちらはダークパッチを引いていませんでした。カビゴンが出ると困ったことになったのですが、ダストダスを立てればいいだけだと気づきました。この試合には勝てそうになかったので、相手の動きを調べ、相手のデッキにルギアEXがあまり入っていないことがわかりました。それからエーススペックと、ツールスクラッパーがあるかないかもチェックしました。

2ゲーム目

 今回はダストを立てる必要がなかったので、場に出して道具を貼らずそのままにしておきました。こちらはただダークライとアブソルで攻撃していただけで、相手のどくさいみんは全然仕事をしないまま、この試合に勝つことができました。

3ゲーム目

 相手はカビゴンスタート。相手はアララギを使い、スクランブルスイッチを捨てました。それからアクロママシーンを2回使って、カビゴンに3エネを貼ります。こちらはポケモンを場に出せなかったので、もし相手がダブル無色を引いてしまうとそのまま負けてしまいます。運良く向こうは引かず、カビゴンが後ろに下がってくれたので、こちらもダークライを逃がすことができました。ダークライがワザを撃てるようにし、そのターンのうちにカビゴンを倒しました。けれども、そのときこちらの手札にはサポーターがありませんでした。自分のデッキのサポ枚数を思い出し、もう一度トラッシュをチェックしてみると、サイドに2枚サポーターが落ちています。ここで引くサイドがサポなら良かったのですが、あいにくと引いたのはキャッチャーでした。次のターンに山札を引いてみると、そこで引いたのはアララギ博士! 前のターンに引いていたキャッチャーを使い相手のキュレムを倒します。相手はキャッチャーを引けず、スクランブルスイッチがもうないこともわかっていたので、この試合にも勝つことができました。

・トップ8:James Good (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=CypuPRHBpusで見ることができます〕

1ゲーム目

 最初の相手の場にはケルディオEXしかいなかったので、何のデッキかわかりませんでした。もし相手がカメックスなら困ったことになるため、こちらはヤブクロンを場に出します。その読みは正しかったのですが、コントロールしきれるとは思えなかかったので、ジャンクハントで場を整えようとしました。が、ダストダスのロックは破られてしまいます。まだ何とかなると思ったのですが、キャッチャーでケルディオがバトル場に縛られてしまいました。僕はここで大きなミスをします。悪エネをケルディオに貼りにいったのですが、ここでNを使って相手に1ターンを与えてしまったんです。これが負けた原因でした。山札にはカードがあまり残っておらず、サポを使っても大してカードが増えなかったからです。最後のターン、キャッチャーを撃つ撃たないに関わらず、相手がカメックスを引かなければこちらが勝ちだったのですが。相手はカメックスを引き当て、ブラックバリスタを撃ち、こちらがゲームに負けてしまいました。

2ゲーム目

 今回はヤブクロンをなかなか場に出せませんでした。相手はパソコン通信からカメックスを立ててきます。ただ、相手がブラックキュレムをハイパーボールで捨てた時点で、先に場のブラックキュレムを倒すのが正解だろうと思いました。ブラックキュレムがずっと眠っていたおかげで倒すことができ、ゲームの最後には2体のケルディオを同時に倒して、このゲームに勝つことができました。

3ゲーム目

 ダストダスが1枚サイド落ちだとわかり、ヤブクロンを1体場に出しました。すると驚いたことに、2ターン目にカメックスが立ったんです! ブラックキュレムにエネがついてこちらのヤブクロンを落としてきました。眠ってくれればと思って使ったどくさいみん2枚はどちらも外れで、3枚目を撃とうと思ったのですが、最後の1枚だったのでやめておきました。ブラックバリスタがダークライに飛んできて、こちらはブラックキュレムは何とか落とせました。相手のサイドは残り1枚だったのですが、Nもグッズも引けず、最後はヤミラミがカメックスに倒されてしまいました。

■結論

 僕は合計で34試合戦いましたが、そのどれもが楽しい試合でした。いろんな人に出会える世界大会は、本当に夢のような場所だと思います! 負けてしまった最後の試合は、勝てば権利をもらえたので本当に勝ちたかったです。ですが自分のミスで負けてしまったので、もっと練習して、来年はLCQから出なくて済むように日本で権利を取りたいです。
 僕と対戦してくれたみなさん、会場で僕の試合を見てくれたみなさん、中継で見てくれたみなさん、そして僕を支えてくれたみなさんと、チームアチャモのメンバーと、家族に感謝したいと思います。

 次のシーズンに向けて、この記事を読んでくれたみなさんの活躍を祈っています!

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 最初にも書いたのですが、構築の際のかるいしの箇所や対戦中のニューラケアなど、大枠の考え方から細かい部分まで、本当にためになる面白いレポートでした。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、米田さんや魔女さんではなく責任はすべて僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 そういえば、形は違えど、ダークダストは新環境で行われた先日のKlaczynski Openでも優勝を飾っていました。
 海外環境はローテーション(BW3以降)でエネルギーつけかえを失っており、このデッキに注目が集まったのも納得できます。世界大会でのダークダストの快進撃の影響は、しばらく続くのかもしれません。

 ひとまずこのエントリで翻訳ラッシュは終わらせて、通常モードに戻ろうと思います。
 どうでもいいですが、前回のブースターの翻訳のエントリは、通常更新時の2倍のアクセス数を稼いでいました。世界大会効果恐るべし。

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