60cards.netさんが何やら企画をやるようですね。

ttp://60cards.net/blog/posts/detail/163

 ポケモンに関するイラストなら何でもオッケーらしいコンテスト。
 9月30日までに、名前を添えて、イラストをsupport●60cards.net(●→アットマーク)に送ってね、とのことだそうです。
 画像のサイズは595 pixels (幅) X 270 pixels (高さ)。メールのタイトルは"artwork contest"。

 送ったイラストはFacebookとTwitterにアップされて、誰でも見られるようです。そして投票もFacebookとTwitterをそのまま利用。
 賞品もパックばらまきと豪華なので、イラストに自信のある方、上記あてに送ってみてはいかがでしょうか。

 絵心のない僕は出られませんが……。
関ジェネに惨敗する
 なんか似たようなタイトルの日記を少し前にも書いたような……。
 ×○○○×の3-2予選落ち勢でした。1戦目は動きの選択肢が限られる中で戦ってたら最後パーツ揃えられて負け、5戦目は序盤出遅れから押しつぶされて負け。勝てば予選抜けゲームに弱すぎるぜ。
 ていうかメタ読みを綺麗に外した。最近勝ちきれなくて悲しみ……。

 これで金ギャラ、みらチャン、関ジェネの3大大会に全部出たわけですが、関ジェネはすごく和気藹々とした雰囲気で、かつ進行がスムーズでとても良い大会でした。
 自分が札幌で大会運営していたときのことを振り返ってみると、このあたりの大きな大会さんは、本当に時間管理が上手いなと思います。

 ホームグラウンドが大阪になってしまったので、また関ジェネさんには定期的にお世話になると思います。顔と名前を覚えるのが絶望的に苦手勢ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
 関西にいます(挨拶)。
 というわけで出られることになったので、日曜の関ジェネさんに参加させていただきます。みらチャン、金ギャラ、関ジェネの3大会出場は全国で何人目になるのかなとか考えながら……。
 参加される皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

 ただしリアルポケカは丸1ヶ月以上触ってないので、圧倒的爆死の予感です。
【翻訳】アメリカ選手権39位レポート:ハンマーとレーザー光線ふたたび(2/2)
【翻訳】アメリカ選手権39位レポート:ハンマーとレーザー光線ふたたび(2/2)
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201407162147054885/からの続きです〕

■マッチアップ

 以下は、このデッキとのマッチアップ相性について、プレイテストからの結果です。

・イベルタルEX/ライチュウ:
 ものすごく有利なマッチアップで、80:20のような領域です。こちらのライチュウが弱点をつくことができ、このデッキにとって悪夢になるようなことを心配せずにとくせいを使うこともできます。相手の控えアタッカーであるライチュウも、ランドロスEXに弱点を突かれます。

・イベルタルEX/ダストダス:
 自分にとっては70:30くらいのマッチアップです。明らかにライチュウ型よりも勝つのが大変でしたが、それでもだいたいは勝つことができました。自分がこのマッチアップで取っていたアプローチは、もしこっちの序盤のスタートが良ければ、相手のダストをすべて倒してしまう、というものでした。そうでないときは、相手の場にできるかぎりダメージを載せ、メガホンを使ってから相手ベンチのイベルEXをくろいてで倒し、残りのダメージはベンチにいる次の脅威に載せて、相手バトル場のイベルEXをエレキサークルで倒します。ランドEXがダークライEXとアブソルの弱点を突けるというのも助かりました。こちらは何らかのかたちで、相手の弱点を突けるのです。

 これは何とも詐欺くさいマッチアップで、相手は完全にゲームをコントロールしていると思い込んでいるなかで、実はこちらがゲームをコントロールしています。そしてひとたびメガホンを叩き込めば、ゲームは一気にこちらへ傾きます。

・ビリジオンEX/ゲノセクトEX:
 このマッチアップ相性はだいたい90:10です。ビリゲノは遅すぎますし、このデッキに対応するには、デッキの仕組みが貧弱だと思います。相手がメガロキャノンを使ってくれれば、こちらはまんたんのくすりで打点を受け流しつつ相手を倒せます。Gブースターを使ってくれたなら、こちらは相手のエネつきゲノセクトをきぜつさせ、不幸なゲノセクトをバトル場に取り残すことができます。またミュウツーEXやライチュウは、ハンマーヘッドを数ターン撃ったあとでなら、ゲノセクトEXを倒すのに大きな働きをします。相手の場の本当の脅威を取り除くことができ、マッチアップをとても簡単なものにしてくれるからです。ダメージの計算ならば、かなりこちらに分があります。

・TDK:
 正真正銘の互角のマッチアップだと思っていますが、この両デッキの動きのやり取りをちゃんと理解していれば、60:40以上にはなります。恐ろしいぐらいにアグレッシブなデッキですが、落ち着いて、長い目で見ることができれば、だいたいの場合勝つことができるはずです。レジスチルEXと改造ハンマーのおかげで、このマッチアップはこちらにとってやりやすいものになっています。

 これらは、アメリカ選手権に向けて、自分が気に掛けていた有力デッキたちです。またこのデッキは、エンブオーにも強く、くろいてで簡単にエンブオーを止められるので、かなり楽なマッチアップになっています。ゲッコウガ/ミルタンクも倒すのは簡単です。ミルタンクは弱点を突いて殴ることができ、くろいてでケロマツを狙って簡単にサイドを取りつつ、みずしゅりけんのダメージを抑えられます。もしヨノワール(XY2)を場に出せたなら、みずしゅりけんを完全に無効化できるのでとても強力です。

 このデッキにとって相性の悪いマッチアップは? ひとまず、まんたんのくすりを使ってくる相手は難しくなります。フライゴンとはだいぶプレイテストして、他の人にもフィードバックしましたが、どっちが有利かは全くよくわからないという結論になりました。もしアグレッシブなスタートができれば、相手にヨノワールやアギルダーを使わせることなく勝てます。もし長期戦になれば負けます。オーロット/アギルダーも、明らかに相性の悪いマッチアップです。

■初日ハイライト

 初日のマッチアップはこんな感じでした。

Round 1 -- Evan Gunsolus -- イベルタルEX/ダストダス -- 勝 (2-0)
Round 2 -- Sam Vernooy -- ビリジオンEX/ゲノセクトEX -- 勝 (2-0)
Round 3 -- Rithveasna Ke -- TDK -- 勝 (2-1)
Round 4 -- John Nguyen -- カエンジシ/リザードンEX -- 分 (1-1)
Round 5 -- Isaac Soto -- イベルタルEX/ライチュウ -- 勝 (2-0)
Round 6 -- Aaron Wang -- イベルタルEX/ダストダス -- 分 (1-1)
Round 7 -- Daniel Altavilla -- TDK -- 分 (1-1)
Round 8 -- Keith Williams -- レシラムEX/ビクティニ -- 勝 (2-1)
Round 9 -- Kyle Sabelhaus -- リザードンEX/ライチュウ/キュウコン -- 勝 (2-1)

 1ラウンド目のマッチは、どくさいみんの眠りのせいで負けそうでした。自分がゲームを完全にコントロールしていたのに、ランドロスEXがどくさいみんで眠ったままになってしまい、いれかえ系カードを引けなかった試合です。ダメージが乗っていって、相手にターンが渡るときにランドロスEXがきぜつしてしまい、こちらはもう1枚ランドロスEXをバトル場に出しました。これも再度どくさいみんで眠ってしまったのですが。運良く起きて、ハンマーヘッドで勝てました。

 Rithveasnaとの3ラウンド目では、1ゲーム目に変なことが起きました。相手のデッキには水エネが入っているのに、相手はキュレムをぜんぜんベンチに出さないのです。おかしいなと思っていたのですが、実際は相手のキュレムがすべてサイド落ちしていたのでした。

 4ラウンド目では、とうとう第1テーブルでの試合でした。進化ポケを引っ張るための突風系カードが満載されたカエンジシ速攻は、きつい相手です。この対戦では相手がリザードンEXをベンチに置いたので、こちらはランドロスEXをヨノワールとまんたんのくすりで保ちつつ、ベンチに当てた30ダメージを載せ替えてカエンジシを一掃しました。ただ2ゲーム目ではぼこぼこにされてしまい、3ゲーム目は終わらせる時間がなかったので、正直引き分けでいいかなと思いました。3ゲーム目では序盤がとても良かったので、ひょっとしたら勝てたかもしれませんけど、相手も強いデッキですし、引き分けで良かったと思ってます。

 7ラウンド目のDanielとのマッチアップでは、3ゲーム目、こちらがゲームをコントロールしかかっていて、レジスチルEXに入れ替えれば勝ちにいけそうでした。アクロマ9枚でハチマキを引けばほぼ勝ちでしたが、引き込んだのはサポーターとエネばかりで、ハチマキは引けませんでした。ハチマキが引けていれば、キュレムとアブソルを両方倒してゲームをコントロールできていました。代わりにこちらは非EXを出すことして、ピカチュウでほっぺすりすりを打って相手が勝てないようにしました。こちらは相手のフロストスピアを受けたら2体同時にきぜつさせられて負けそうでしたが、サナで5枚引くと、ちょうどほしかったものが引けました。……ダウジングマシンでまんたんのくすりを打って回復させ、これで負けがなくなりました。たった一度カードを引きそびれただけでゲーム中の優位がひっくり返るとは、何ともびっくりです。

 もし可能なら、こういった状況を引き分けの勝ち点1で凌ぐのは大事なことです。追加の1点がどれだけ意味があるか、実際にそうなってみないとわかりません。自分の場合でいえば、この1点追加のおかげで、2日目3-2でもトップ16に行けるようになりました。予選抜けに3-1-1や4-1が必要な場合よりも、はるかに何とかなりそうです。

 8ラウンド目の相手のデッキは面白かったです。レシラムEXの速攻デッキで、ビクティニでかがやくツメとブレイブファイヤーのコインを振り直すようにしていました。ビクティニのおかげで75%でコインが表になるので、ハチマキつきのかがやくツメはたいてい100ダメージになり、低HPの連中を倒すのがとても楽です。ブレイブファイヤーの反動ダメージを受ける確率も25%だけになります。

 2日目を前にした9ラウンド目のKyle Sabelhausとのマッチはすごかったです。細かいところまで全部は覚えていませんが、マッチはものすごい形で決着しました。場ではこちらが優位に立ち、ハンマーヘッドで相手の場にダメージを貯めていきます。相手を土俵際に追い込んだと思っていましたが、相手はジラーチEXのほしのみちびきで鍛冶屋を引いて、かえんばくでこちらのランドEXを倒して踏みとどまっている状況でした。このゲームではまだヨノワールは場に出ていませんでしたが、サマヨールはいましたし、薄くなった山札に、両方のヨノワールが残っているのはわかっていました。また、ダブル無色が山札とサイドに1枚づつあるのもわかっていました。

 場にはじゅうぶんなダメージがあり、それを動かせたら、ジラーチEXを倒せます。山札は残り9枚だったのでほぼ間違いなくヨノワールは引けると思いましたし、もしダブル無色が引けなくても、ジラーチEXを倒せばサイドから引く可能性もあります。そしてアララギを打つと、ヨノワールとダブル無色を両方とも引けました。くろいてでジラーチを倒し、ミュウツーEXに2枚目のダブル無色を貼って、ハチマキつきエックスボールの180ダメージで勝つことができました。

■2日目ハイライト

 2日目の対戦はこんな感じです。

Round 10 -- Russell LaParre -- フライゴン/アギルダー -- 負 (0-2)
Round 11 -- Austen Vance -- イベルタルEX/ダストダス -- 勝 (2-0)
Round 12 -- Henry Prior -- フライゴン/アギルダー -- 負 (0-2)
Round 13 -- Brandon Cantu -- TDK -- 勝 (2-1)
Round 14 -- Alex Fields -- フレフワン -- 負 (0-2)

 2日目のスタートはとんでもないマッチからでした。Russellはおそらく、会場で1%しかいないようなプレイヤーでしょう。その1%というのは、バリヤードをデッキに入れていた数少ない一人、ということです。こちらは戦術を遂行するにはベンチの狙撃ダメージぶんも必要なので、彼のようなデッキにバリヤードが入っていると、自動的に負け確定になってしまいます。実際のところ1ゲーム目で彼はバリヤードがサイド落ちしていたのですが、こちらはヨマワルをバトル場から逃がせずに序盤から攻撃ができず、1ゲーム目は負けてしまいます。そして2ゲーム目はバリヤードもサイド落ちせず、彼がベンチにバリヤードを置くと、笑えるくらいワンサイドゲームになってしまいました。こちらが載せたダメージをまんたんのくすりで回復されるに至って、バリヤードを倒すダメージさえ貯められなくなってしまったのです。

 11ラウンド目の相手はAusten Vanceで、非常に良い人でした。ただ、このマッチアップではとことんついてませんでした。ただでさえこちらに相性が良いのに、こちらは絶好調で、出だしも良く、ゲームをコントロ-ルできました。2ゲーム目では、サポなしの手札を見ながら、ひどいゲームになりそうだと思っていました。ところが彼はヤミラミ1体でスタートすると、何もせずターンエンド。こちらがハチマキつきハンマーヘッドで50を載せると、相手はアブソルを引いてベンチに置きます。こちらの手札にはあなぬけのヒモとライチュウがあったので、ヒモでライチュウを出しつつアブソルを引っ張り出し、タダ逃げから2ターン目に2体同時に倒せました。2日目の彼にとってはひどすぎる不運でしょうが、この良い大会で彼に会えたことはうれしかったです。

 12ラウンド目の相手はHenryで、またしても対フライゴンです。あまり序盤からアグレッシブな攻撃ができず(ただヨノワールは2ゲームともかなり早い段階で出せたのですが)、しかも彼の構築はものすごく安定していて、結局は2ゲームとも滅多打ちにされました。

 13ラウンド目は、何も引かない相手のキュレムを事実上2ターン目に潰したのが記憶に残っています。2ゲーム目と3ゲームは似たようなゲームになりましたが、2ゲーム目は負けて3ゲーム目は勝てました。3ゲーム目に勝てたのは運が良かったです。レジスチル、ミュウツー、ランドロス2枚がサイド落ちしつつも、序盤は好スタートで、かつ相手はかなり遅い展開でした。こちらはランドロスとライチュウで攻撃を進め、ランドロス2枚をサイドから救出し、だいちのさばき170ダメージを準備してゲームに勝てました。

 Alex Fieldsとの14ラウンド目は、どちらかといえば面白みのないマッチでした。1ゲーム目は、開始7分でこちらのヨノワールラインが一掃されて投了しました。2ゲーム目は場を完全に組み立てたものの、6~7ターン目までエネを引けず、攻撃できませんでした。こちらはひたすら改造ハンマーとダウジングマシンで相手を遅らせ、少しでもチャンスを作ろうとしていました。

 細かい部分はよく覚えていませんが、レジスチルEXが孤軍奮闘状態でした。いろいろあってレジスチルだけで330ダメージも相手の場に載せたのです。レジスチルがここまで仕事をしてくれるとはびっくりでした。相手のベンチのせいで、カード同士の面白い相互作用が起きていました。こちらのエレキサークルで倒せてしまうので、相手はイベルタルEXを持ってこれませんでした。レジスチルのおかげでランドロスを準備する時間ができ、だんだんと逆転しつつあったところ……ジラーチEXを出さざるを得ないときがあり、相手はダークライEXのナイトスピアで、ゆっくりとジラーチを落としにきます。

 ただ残念ながら、ヨノワールがサイドにいたことで、こちらの逆転のパズルの最後のピースは儚く崩れ去りました。もしヨノワールをサイドから拾えていたら、シャドーホールでジラーチのきぜつを防げました。その代わりにサイドからは別のカードを拾ってしまい、ジラーチがナイトスピアで狙撃されてゲームに負けてしまったのです。

■アメリカ選手権を振り返って

 全体としてみれば、自分の結果に満足しています。自分のフライトで19位〔※訳注:人数が多すぎてスイスラウンドは2つの集団(フライト)に分けて行われた〕、全体として39位と、メタ外デッキでかなり良い成績を残せたと思います。

 自分としては、この大会に関してはかなり強いデッキ選択ができたと思っています。結果として、ランドロスEX/ミュウツーEX/ライチュウの攻撃コンビネーションは、Brandon Salazarの大型たね/ダストダスデッキのかたちで優勝を成し遂げました。使っているアタッカーのセットは同じで、ヨノワールのダメージコントロールの代わりに、ダストダスのとくせいロックと毒タチワキの打点上昇入りだったというわけです。

 今回のアメリカ選手権での自分の成績を左右したのは、結局のところマッチアップです。もしフライゴンやフレフワンでなく、まわりにいたイベルタルやビリジオンを踏んでいれば、そこには勝ててトップ16に入り、世界大会への招待を確保できていたでしょう。ただ自分のマッチアップはあんな感じで、自分のデッキはメタ内の主な部分には強いものの、同じようにうまくできているデッキすべてに勝てるわけではありません。自分のやれたこと以上の結果が出なかったのも、それが理由でしょう。

 惜しいところまではいっていました。もう何勝かあれば世界大会にも行けたし、アメリカ大会優勝を賭けて戦う最後の集団にも残れたかと思うと、もやもやの残る感じです。それでも、今大会でやりたかったこと(つまりは優勝)はできませんでしたが、大好きなデッキで結果を残すことはできたと思っています。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 記事はもう少しだけ続くのですが、ここからは本大会とは無関係な内容なので、翻訳は以上になります。お読みいただきありがとうございました。

 2進化使うけどビーチなし、おまけにアタッカーはたねと1進化が両方、バックアップに強いとくせいという、ある意味でポケカの動きが全部詰まったような、異様なデッキです。とはいえ、調整記やデッキ解説を読むと、そこに至った経緯や強さの理由がよくわかるようになっていました。

 個人的に印象に残ったのは、サポーター枚数と安定性を取り違えてはいないか、という部分(該当の記載は前回分)。著者の意見には賛否両論あるとは思いますが、改めて自身のデッキ構築を見直す機会になる、とても面白い記事だったのではないでしょうか。
【翻訳】アメリカ選手権39位レポート:ハンマーとレーザー光線ふたたび(1/2)
【翻訳】アメリカ選手権39位レポート:ハンマーとレーザー光線ふたたび(1/2)
 今回は初めてThe Charizard Loungeから。
 個人サイトですが、更新頻度や内容もしっかりしていて、けっこう役に立つサイトです。

 今回紹介するのはサイトの管理人自身のNationalsレポート。
 39位という好成績もさることながら、デッキの異様さもかなり目を引きます。
 そして、それに至るまでの調整記とデッキ解説も、これぞデッキ調整、と言えるほど詳細で面白い内容になっています。
 非常に長いレポートなので、2分割(前半は調整とデッキ編、後半はマッチアップ相性とレポート編)していますが、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、訳文の省略や改行の変更があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

39th Place 2014 US Nationals Report: Somehow, Hammer and Lasers Again
by Andrew Wamboldt
Monday, July 7, 2014
ttp://thecharizardlounge.com/2014/07/07/39th-place-2014-us-nationals-report-somehow-hammer-and-lasers-again/

 信じられないような週末でした。アメリカ選手権はものすごく楽しかったですし、メインイベントでは良い成績を残せて、友だちとも楽しい時間を過ごすことができました。こういった大会は、いつだって最高のイベントです。

 たぶんみんな知っていると思いますが、自分は今回の大会で相当に変なデッキを使って、かなり良いところまで行くことができました。トップ16に入れるかどうか、周囲次第でオポが微妙な怪しい立場でしたが、最終ラウンドで負けてしまって1勝ぶん届きませんでした。

 対戦のことはあんまり覚えていないので、この記事の大半は、使ったデッキについて、どうやってそこに至ったのか、なぜ使ったのかを話したいと思います。ただ、マッチアップごとの相性は書いておきますし、対戦を多少振り返ってもみたいです。

■もともとの経緯

 自分はいつも、新弾が出たら、デッキを大量に作って、PlayTCGに飛び込んで手当たり次第対戦を重ねることにしています。今回最初に作ったのはおもにリザードンEXメインのデッキで、ワイルドブレイズがPlayTCGのデータベースに追加されるとすぐに、それらのデッキを使って対戦していました。

 プレイテストの過程で、目を引くデッキと遭遇しました。ランドロスEX/ミルタンク/ヨノワールです。そのデッキには明らかにたくさんの問題があって、自分はリザードンEXデッキでいとも簡単に倒すことができました。ただ、ヨノワールがいると、ランドロスとハチマキのコンビネーションで80ダメージが出るのは、相当に強く感じました。

 ほかのプレイヤーたちがカードの組み合わせをどう考えているのか知るには、PlayTCG(またはPTCGO)のランダム対戦がかなり役に立ちます。ランダム対戦で見てから自分で作ってみたデッキを全部覚えているわけではないですが、良いマニューラデッキがどんな感じなのかとか、それが実際にトーナメントの場に登場する前に、知ることができたりもしました。

 あの対戦のあとで、すぐに同じようなデッキを組んでみることにしました。まずはランドロス4、ミルタンク3、ライチュウライン2-2、そしてダブル無色を入れたからミュウツーEXを1枚放り込みました。それから、デッキにヨノワールラインを入れました。ヨマワルもサマヨールもアメも入れていたので、ワイルドブレイズの「だめな」ほうのヨノワールも1枚混ぜておきました。

 最初のプレイテストでわかったことがありました。ミルタンクは思っていたよりも強くなかったのです。ライチュウがいるならミルタンクの打点ぶんは余計でした。サイド運用をEX/EX/非EX/EXで進めるならライチュウラインで十分ですし、サイド運用をEX/非EX/非EX/非EX/EXとするゲームでなら、だいたい突風系カードでヨノワールラインのパーツを失っています。なのでライチュウライン2-2で事足りたし、サイド交換用の非EXなら、本当に必要なのはそれだけでした。

 デッキ全体で見てライチュウはミルタンクより優秀でした。ハチマキがあれば120点を出せます(ミルタンクなら100)。カエンジシへのカウンターにもなるし、アメリカ選手権で一番多いと読んでたイベルタルEXへの対策にもなりました。

 プレイテストの初期のうちにわかったのは、ヨノワール(XY2)は最後までデッキに入ったままだろう、ということでした。ヨノワールを両方とも場に出せれば、勝ったも同然です。知らない人のために説明すれば、ヨノワールにはシャドーホールというとくせいがあって、何度でもダメカンを場のポケモンからヨノワールの上に移すことができます。

 このカードはいくつかの仕事をしてくれます。まず、エネをアタッカーにつけたままにできること。これは重要なことです。なぜなら、まんたんのくすりのあとに貼れるエネがいつも手札にあるとは限らないからで、そのおかげでだいちのさばき170点までエネを貯めることもできるからです。また、このデッキにはHPの低いたねが入っています(ピカチュウ、ヨマワル、ジラーチEX)。ヨノワールがいれば、相手がこちらのダメージの乗ったポケモンを狙撃して追加のサイドを取るのを防ぐことができます。最後に、ヨノワールはNが絡むとかなりの働きをしてくれます。サイドが偶数になってしまって、ゲームの残りをEXで戦わざるを得ないようなとき、ヨノワールをきぜつさせてからNを撃って相手の手札を1枚にすれば、カードアドバンテージでも場の状況でも、相手よりだいぶ有利な立場になれるのです。

 プレイテストを重ねていくと、このデッキはかなり強いことがわかりました。それでこのデッキは、公開の場でテストするようなデッキにはせず、他の人がアイディアを見られないよう、プライベートテスト用のデッキに回したのです。

 プレイテストは良好でした。ビリジオンEX/ゲノセクトEXや、イベルタルEXにはかなり相性が良いように感じていました。また、ランドロスが水に弱いにも関わらず、TDKにも全然負けませんでした〔※訳注:TDKはキュレム型プラズマのこと〕。ただTDKとの相性を納得のいくレベルにしたくて、デッキにさらに何かを加えたくもありました。

 TDKに関して言えば、このデッキは、トップ3デッキのなかでは他の2つよりも安定しないデッキです。しかも動きも読みやすいデッキでした。そういった情報は、対TDK戦略を固める上で利用することにしました。このランドロス/ヨノワールは、だいたいの場合、自由に(特定のマッチアップ用の戦術は組まず、その時々の場と引きに合わせて動きを調整していくように)プレイしていました。ただし、TDKに勝つにはタイトな戦術が必要でした。

 まずはランドロスEXで、相手の場にダメージを撒きます。最初のランドが落とされるまでに、だいたいハンマーヘッドを2発。ハチマキを引けてるかどうかにもよりますが、相手の場には120~160のダメージがばら撒けています。だいたいの場合3ターン目前後にはヨノワールが場に出せていて、まずダメカンを動かしてベンチのキュレムを落とし、それからダメカンを1個だけバトル場のキュレムにも移してから、ハチマキつきライチュウで倒します。そこから相手はライデンナックルで場を立て直そうとしますが、そのころには場にいやらしく130ダメージを乗せることができてます。つまりキュレムを場に出しても、すぐに倒すことができるようになってます。プラズマは速攻でサイドリードを奪いにきますが、そうしたならNを撃って、相手の手札と場を弱くするのは難しいことではありません。

 ただまんたんのくすりは問題なので、乗せたダメージを回復されてしまうのは考慮に入れておかなければいけません。これがTDKとのマッチアップをかなり際どいものにしています。それでも、こちらが最後に残った1体で勝てるはずでした。その1体は、一撃では落ちない巨大なEXポケモンです。ただし現状の構築での問題は……ランドが水に弱くてキュレムに一撃で倒され、ミュウツーは超に弱いからデオキのラセンフォースで落とされることです。相性を良くするために、他の何かを追加する必要がありました。

 最初に選んだのはキュレムEXです。まともなポケモンには弱点を突かれず、ランドEXミラーやリザードンEXにも強いカードです。対処するにも骨が折れます。げきりんで50。ゲームを終わらせるのに本来なら十分なダメージを与えたら、げきりんでそれ以上のダメージが飛んできます。必要とあれば、ヨノワールとの組み合わせで、倒されないようにしつつ、その一方で与えるダメージを最大化することができました。かなり良い感じでした。

 ただ、この役割にはもっと良いカードがありました。自分はイベルタルEXデッキで、ずっとレジスチルEXを試していました。あのデッキはときどき打点が20~30足りなくなることがあって、相手を狩り損なったタイミングを清算するのにぴったりだったのです(どこか別の国のNationalsでは、ランドロスEXがこの役割を担って結果を出していました)。レジスチルEXを試していた理由は、サイクロンYでレジスチルを準備するのが簡単だったことと、ワザの範囲が広いからです。今回の地雷デッキをテストしていると、だいたいの場合、どこかで余分な1ターンが手に入って、そこでエネを貼れることに気がつきました。レジスチルEXの攻撃にダブル無色が必要ですが、そのぶんを埋め合わせるのは難しくありません。

 TDKとのマッチアップでレジスチルが輝くのは、キュレムの弱点を突けるからです。相手がキュレムでこちらのランドロスを倒したあとでレジスチルをバトル場に出せば、目の前にはトリプルレーザーを浴びせられるキュレムがいます。ハチマキを付ければ、バトル場のキュレムには100、ベンチ2体には30で、160ダメージも与えることができます。ゲーム終盤にはこれが大きなプレッシャーになります。TDKがこれを乗り越えるのは難しいでしょう。

 この点をめぐって、自分は他のプレイヤーと真剣に議論を始めました。JW KriewallとClifton Gohの二人は、価値ある力になってくれました。JWと自分でデッキの骨組みを調べ、残りの部分をメタに合わせて埋めることにしたのです。最終的な60枚をほぼ理想的な60枚にする上で、これはかなり役に立ちました。

 Nationalsの約2週間前、JWとCliftonが、ミルタンクは微妙だと言ってくれました。自分もテストしていて思っていたことです。ミルタンクは最初からずっとデッキ入っていましたが、とうとう抜いて、そこに改造ハンマーを入れることにしました。イベルタルEXとプラズマに強いカードです……プラズマ対策を追加するのは、ずっと考えていたことでした。まあプラズマとのプレイテストは順調だったのですが、色相性のこともあるので、プレイテスト結果はあまり信用できないんじゃないかという気持ちはぬぐえませんでした。なので、安定性を落とすことなく、できるだけマッチアップ相性を向上させておきたかったのです。

 プレイテスト期間中の夜には、デッキについてJohn Robertsとも話しました。彼はデッキをかなり気に入ってくれて、彼は結局、Nationalsでは、彼自身のランドロス派生を使ったようです。ランドロスEX/ライチュウ/ミュウツーEXをベースにした攻撃戦術は、現環境ではかなり強力だと思っています。大舞台で結果を残したことのある人からこの組み合わせについてポジティブな意見を聞けたのは大きかったです。

 Michael HopkinsとDema Boatmanとはかなりプレイテストを重ねました。テスト中、ヨノワールを場に出すための安定感に、ときどき不満を感じることがありました。結局、これまでとは違ったやりかたで2進化デッキにアプローチすることにしたのです。まず3-1-2/1ラインとアメ3枚でやってみましたが、イマイチでした。最終的に、デッキを改めて見直すことにしました。

 この時点では、ハイパーボール4/レベルボール1でした。複数のヨノワールを立てられるだけの安定性を目指して、ボール/アメ/ポケモンのラインを見直します。アメを1枚抜いて2枚目のサマヨールに変えて、2枚目のミルタンクを外して2枚目のレベルボールに。またハイパーボールを1枚ヘビーボールにしました。ハイパーボールだけのときに比べたら、レベルボールとヘビーボールが両方デッキにあるのは良い感じです。リソースを切らずにいろいろな種類のポケモンを引くことができますし、ダウジングマシンでボールを戻すこともできます(ダウジングマシンでハイパーボールを拾ってカードを4枚捨てるのは、ちょっと論外なプレイです)。

 このデッキのボールで引けるものをおさらいしましょう。ヘビーボール:ランドロスEX、レジスチルEX、ヨノワール2種。ゲーム中いつ引いても強い。レベルボール:ピカチュウ、ライチュウ、ヨマワル、サマヨール、ジラーチEX。序盤でも強いし、終盤でいつでもライチュウを引けるのはすばらしい。困ったときのジラーチも引ける。

 デッキの調整はNationalsの2~3週間前には止めにして、Nationalsまでのあいだに自分の住んでいる地域で開催されたTropical Beach Tournamentには、オーロットアギルダーやヤミラミハンマーみたいなデッキで出ていました。必要なマッチアップ相性の情報はもう手に入れていると感じていましたし、Nationals前にデッキに飽きてしまいたくなかったからです。

 それでも、Nationals前に木曜夜、感触を掴んでおくためと、自分がやりそうな細かなミスを洗い出すために、Michaelと2ゲームだけやりました。結局、彼のBuffalo Wild Wingsデッキに2ゲームとも負けてしまいましたが。理由はカードアドバンテージです。サポーターのうち2枚はフウロになっていました。理論的には、正しいタイミングでボールやまんたんやアメを引くには最適のカードです。が、このカードのせいでドローが立ち遅れ、だいたいの場合で他のサポーターを持ってくるはめになっていました。

 Nationalsではフウロは使わないことにしました。ホテルの部屋に帰るとカードファイルを取り出して、サポーターのページをめくり、候補者たちに目をやりました。フウロのうち片方は、4枚目のアララギにして、もっとアグレッシブなドローを可能にしたかったのです。最後の1枠は悩ましいものでした。ゲーチスを考えたものの、テストプレイから、現環境のゲーチスは以前よりも弱くなっていることがわかっていました。4枚目のアクロマも考えましたが、初手に引くとひどいカードです。ランダムレシーバーもすぐに候補から外しました。現状のサポのうち3割がアクロマなので、序盤に引き当てたらたまったものではありません。

 長い間眺めていたのは、URのアイリスです。イラストがいいし、最終盤にハチマキつきのエレキサークルで170が出せるのは魅力的です。ただ、長い大会では安定性が大事なのはわかっていたので、結局は一番無難な道を選ぶことにしました。サナです。

 サナへの批判がたくさんあるのは知っています。けれども、サポーターとしてはそんなに悪いわけではありません。戻して5枚引くのは強くないです。ただ、弱くもありません。だいたいの場合はそれで十分です。サナを使う上で不安はないと言ったら嘘になります。引く枚数が十分だと感じたことは一度もありません。けれども、たいていは良い仕事をしてくれます。デッキにもよりますが、サナは最後の1枚を埋める上では良いサポーターです。

 1ヶ月と半月のあいだ、このデッキにかかりっきりになっていました。実際の大会で一度も試していないものを使うのは、いつも少しだけ不安があります。それでも、1ヵ月半のあいだ、複数のプレイヤーと調整して良い結果を得られたというのは、デッキの強さが偽物じゃないということを物語っていました。

 去年はヤミラミ/ダストダスにクラッシュハンマー、改造ハンマー、どくさいみん光線を入れたものを使って、トップ128で大会を終えました。今年は、ハンマー(ヘッド)と(トリプル)レーザーを使うことにします。どうやら自分は、ハンマーとレーザー光線が好きみたいです。

■デッキリスト最終版

 これが最終的に大会で使ったリストです。

3 ランドロスEX
1 レジスチルEX
1 ミュウツーEX
1 ジラーチEX
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
3 ヨマワル(XY2)
2 サマヨール
2 ヨノワール(BW6)
1 ヨノワール(XY2)

4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
1 サナ

4 ちからのハチマキ
3 ハイパーボール
2 レベルボール
1 ヘビーボール
2 ふしぎなアメ
2 あなぬけのヒモ
1 ポケモンいれかえ
2 まんたんのくすり
1 改造ハンマー
1 すごいつりざお
1 びっくりメガホン
1 ダウジングマシン

6 闘エネルギー
3 ダブル無色エネルギー

 ポケモンのラインナップは記事の前のほうで説明しましたが、そのうち1枚だけ話題にしたいと思います。サポーターのラインナップにもかなり関係があるカードです。

 サポーター。このデッキでは明らかに、許容できる最低限の枚数より少ないです。タチワキに関する誰かの書き込みについて、Kevin Baxterが良いことを言っていました。みんなサポーター枚数と安定性を取り違えている、と。12枚は少ないほうですが、それで十分だと感じますし、ジラーチEXで適材適所にサポーターを使えるようにしています。

 ジラーチにはほしのみちびきというとくせいがあり、山札からサポーターを探せます。プレイヤーの多くは投入をためらいがちですが、自分はほとんどのデッキでほぼ必須カードだと思っています。

 デッキ全体で見れば、サポータ12枚、ハイパーボール3枚、レベルボール2枚、そしてたねポケモン1枚とジラーチが初手に来る可能性を考慮すれば、初手で使えるサポーターは計18枚あることになります。後半のダウジングマシンも加えると、19枚の異なったカードが、デッキに安定性を与えるのに何らかのかたちで働いてくれています。

 アメリカ選手権までに、いろいろなデッキでサポーターを少なめの枚数で試してみました。ジラーチEXを繋ぎ役に使うと、かなり良い感じになりました。実際、サポーターが12枚だろうと14枚だろうと、1試合のうち、どこかで事故ぎみになる場面が出てきます。ほしのみちびき経由でボールをドローソースに変えられるなら、そういった状況を何事もなく脱出できるのです。

 しかも、サポーターを多く入れすぎると、だいたい1試合のどこかで、4枚も5枚もサポーターのある手札を引いてしまって、ほとんど役立たずになることがあります。そういうのは、そのターンで使いたいカードを探してサポーターを使ったあとだったりします。サポーターを少なめの枚数にしておけば、そういった状況を避けられるのです。

 そして、目の前の状況でベストなサポーターを選べたら、ゲームの決め手になります。ジラーチEXがあれば、こういった形でゲームをコントロールできるのです。

 ただ、ジラーチを突風効果で呼ばれてゲームを決められたり、狙撃ダメージで死ぬのを恐れてジラーチを使わないプレイヤーは多くいます。ただこの状況は、アメリカ選手権を通じて、僕には2回しか起こりませんでした。ジラーチのおかげで勝てるゲームは、そのせいで負けるゲームを上回っています。

 また、ポケモンのサーチ用にボールを6枚入れていることで、理想的な序盤の組み立てが安定してできたりもします。

 強調しておきたいポケモンはもう1枚あります。ヨマワル(XY2)です。アメリカ選手権中は使う機会が一度もありませんでした。が、よみがえりを使ったあとでダメカンをその上に動かし、ハンマーヘッドで倒すのが勝ち戦略になるゲームもあります。自分の対戦のうちひとつでもその戦略をやるつもりでしたが、実際にやる前に相手が投了してしまいました。

 おそらくグッズは、こういうたぐいのデッキに入りそうなものでしょう。ひとつ話しておきたいのはハチマキ4枚です。このデッキは、勝つためにはできるだけ多くダメージを与える必要があるので、ハチマキはできるかぎり多く入れたかったカードです。ダメージは多ければ多いほどいいです。

 エネルギーの枚数はかなり少ないですが、1エネで攻撃できるポケモンがほとんどなので、それでじゅうぶんでした。以前ははかせのてがみを入れていましたが、1エネ攻撃でいけると気づいてからは抜きました。たいていは、必要なときにはエネルギーを引けます。

■ギミックの候補

 このデッキ向けのギミックといえるものは2枚ありますが、デッキの最終版には入りませんでした。

 このデッキでずいぶん考えたのは、どくさいみん光線を2枚入れるかどうかでした。タチワキシティジムを使ってくる相手に対しては無条件の30ダメージになり、相手が眠ってくれればゲームに勝ててしまうこともあります。ただ自分が感じていたのは、たいていのメタ内デッキに対しては死に札になる、ということでした(TDKでさえ、ビリジオンEX採用が増えつつありました)。また自分は、対イベルタル戦なら他の人がこのデッキを使うよりも自信を持っていたので、どくさいみんをデッキの最終版に入れようとはあまり真面目に考えませんでした。

 もう1枚のカード、とりわけアメリカ選手権で環境が動いた後でなら議論する価値があるのは、超エネルギー1枚投入です。ヨノワール(XY2)で殴る可能性については、仲間内で少しだけ話していました。ヨノワールのワザ、いたみのつぶては、コストが超無無で、ヨノワールのダメカンをすべて取って相手のポケモン1匹に載せます〔※訳注:ワザの効果微妙に間違えているのでは……?〕。カエンジシはそこまで使われるとは思っていなかったのですが、もう1度大会に出られるとしたら、超エネを1枚入れると思います。

 超エネが役に立つのはこんな感じです。対カエンジシとのマッチアップでは、相手は絶対にヨノワールを一撃では倒せません。こちらは攻撃を受けたら、いたみのつぶてで相手の場にダメージを載せかえれば良いのです。カエンジシは最大で110ダメージしか出せず、ヨノワールを倒すには足りません。もし相手がミュウツーEX/リザードンEXに切り替えてきたら、それらは他のアタッカーで倒し、ライチュウでカエンジシを叩いてゲームを終わらせましょう。超エネを1枚入れていたみのつぶてを使えるようにすれば、対カエンジシの相性がかなり良くなると思います。

〔※http://ukinins.diarynote.jp/201407172026469014/に続きます〕
【翻訳】獅子の分け前――カエンジシの流行と、優勝者インタビュー
 今回はSixPrizesから。
 アメリカでは先週末にアメリカ選手権(U.S.Nationals)が行われました。ご存知のとおり、ランドロス/ライチュウ/ダストダス/ミュウツーがマスターで優勝して幕を閉じましたが、一方でカエンジシの流行も印象に残ったところです。
 Nationalsに関する記事はこのあといくつか出てくると思いますが、まずは、そのうちのひとつを紹介します。

 今回の内容は、カエンジシを使ったふたつのデッキの紹介と、マスター優勝者インタビュー。そこまで長くないながらも盛りだくさんです。
 記事自体はインタビューの途中で無料部分が終わってしまいますが、前半のデッキとインタビューだけでも、読む価値はじゅうぶんにあると思います。
 練り込まれたふたつのカエンジシ、ぜひ見比べてみてください。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、訳文の省略や改行の変更があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

“The Lion’s Share” -- Pyroar’s Popularity, Interview with Brandon Salazar, the Clock, and Last-Chance Regionals
by Mike Diaz
Wednesday, July 9, 2014
ttp://www.sixprizes.com/2014/07/09/the-lions-share-pyroars-popularity-interview-with-brandon-salazar-the-clock-and-last-chance-regionals/


 やあみんな。早速だけど本題に入ろうか。話すことがいっぱいあるから、まとめて書けてうれしいよ。

 今年のアメリカ選手権の上位卓は、なかなか新鮮な驚きだった。まずカエンジシの存在感がヤバかった。どいつもこいつもカエンジシだ。いつものリザードンや鍛冶屋と組むやつもいれば、キュウコンやミュウツーみたいな意外な連中と組ませたやつもいた。とにかく今週末、カエンジシは、疑うことを知らない対戦相手の夢を数多く踏み潰していった。

 もうひとつの意外なデッキといえば、舞台を独り占めしていたランドロス/ダストダス/ライチュウ/ミュウツーだ。もちろんこれは、先を見通していた連中なら頭の片隅に入れておかなくちゃいけないデッキだ。このたぐいのデッキはメインイベントのスイスラウンド中にいくつか見かけたし、そのうちのひとつと対戦する機会もあった。――このデッキはガチだ。運良く、マスターの新チャンプBrandon Salazarに、あのユニークなデッキについてインタビューができた。この若き優勝者のことは、記事の後半で知ってもらおう。

 デッキとは別に、今年のアメリカ選手権では、いくつか面白い変化もあった。会場ホールの中心には時計があって、対戦中にみんな見ることができたが、それについての会話があちこちで聞こえた。あの時計の良い点と改善点について、俺の意見も書くつもりでいる。

 それから、今週末にある2つのlast-chance Regionals (Championship Point Challenges)では、俺も含め、かなりの人数が500チャンピオンシップポイント圏内に入るだろう。今週末みんなが経験しそうな、やるかやられるかの心の準備についても書こうと思う。あとは、プレイヤーキャップ(帽子)と、入場時にもらえる会場限定プレイマットの問題点についても書きたいと思っている。

■カエンジシ

 何はともあれ、カエンジシだ。

 俺が覚えているかぎり、Michael Pramawatはずっとポケカ界の重要人物だった。今週末も、その底力を見せてくれた。Pramは純正のカエンジシで決勝までたどり着いた。公式に載った彼のデッキはこんな感じだ。

4 シシコ
4 カエンジシ
1 ミュウツーEX
1 リザードンEX

4 アララギ博士
2 N
3 鍛冶屋
2 フラダリ
4 ローラースケート
3 じてんしゃ

4 ハイパーボール
2 レベルボール
4 ポケモンいれかえ
4 ポケモンキャッチャー
3 ちからのハチマキ
1 パソコン通信
2 トロピカルビーチ

8 炎
4 ダブル無色エネルギー

 デッキの動きを理解するのは難しくない。カエンジシを立てて、こいつにダメージを当てられる連中を倒し、あとは勝利まで一直線、ってわけだ。カエンジシの強さとか、Pramが結果を残せた理由とかをあれこれ書くつもりはない。表面的に見れば、そんなのを理解するのは簡単だ。ただし、いくつかのカードが使われている理由と、900人規模の大会でなぜ彼のデッキが一番結果を残したカエンジシになったのかは、説明してみたい。

・カエンジシ4-4、ミュウツー1、リザードン1

 デッキはシンプルだ。Pramはカエンジシだけをデッキの根幹に据えた。カエンジシが4-4で入っていれば、相手はゲームに勝とうとすれば最大数のカエンジシを突破する羽目になる。カエンジシが1体なら、毒やダストオキシンで倒すのはそこまで難しくはない。ただ、4体を倒すのはとんでもなく難しい。しかもPramは……

・ポケモンいれかえ4、キャッチャー4、フラダリ2

 今年のアメリカ選手権でイベルダストを使った人間として言わせてもらえば、Pramのデッキと当たるのは怖すぎる。いれかえが4枚入っていると、ヤミラミとどくさいみんで30ダメージを乗せてもすぐに回復される。ヤミラミがハエみたいにバシバシ落とされる中だと、このダメージじゃ全然足りない。

 どくさいみんの怖さがなくなったなら、イベルダストとのマッチアップでは、あとはダストだけを警戒すればいい。Pramはどうしたか? ダストをバトル場に引っ張り出すカードを6枚デッキに入れた。最大限のカエンジシラインに、毒とダストへの解答のおかげで、Pramは実質的に、誰もが最強デッキだと思っていたはずのイベルダストには、ほぼ勝ち確定の状態だった。

 どくさいみんへの軽めの解答は、もうひとつ、トロピカルビーチがある。ビーチで明確なドローのアドバンテージが得られる一方で、タチワキを場から吹き飛ばすこともできる。もしいれかえを使い切っても、毒のダメージが30から10になれば、他にダメージを受けないHP110にとっては何でもない。

・ローラースケート4

 Pramのデッキで最後に話題にしたいのは、ローラースケートだ。このデッキの最大の特徴のひとつが、このカードだと思う。Pramの認識では、このデッキには、場の組み立てのときにはあまりうれしくないサポーターが入っている。鍛冶屋とフラダリは両方とも抜群に強いカードだが、デッキを回すことはできない。このデッキにはドロー能力が必要だった。Pramはどうしたか? 非サポーターのドローエンジンをデッキに投入したのだ。

 ゲーム後半では、サポーターを使う機会はだいたいフラダリか鍛冶屋だろうが、ときおりローラースケートで表が出れば手札を新しく引くことができる。追加の非サポータードローエンジンとして、じてんしゃも3枚入っている。ここの部分は小さくてもすばらしいアイディアだと思うし、準優勝する上では十分に意味があったはずだ。

・キュウコン派生

 カエンジシを他の相方と組み合わせたのもいれば、別の道を行った連中もいた。その中でも、Justin Sanchez、Sam Liggett、Dave Richardは、リザードンとミュウツーに加えて、キュウコンを入れたカエンジシデッキを使うことにしていた。キュウコンは、Pram型のデッキがフラダリとキャッチャーでやっていたのと同じことが複数回できる。それだけじゃなく、アタッカーにもなれる。低コストで、殴りたいものが殴れて、毒タチワキとハチマキがあると、異常なダメージ量にもなる。

 アメリカ選手権前日にDave Richardと何マッチかやってみたところ、2回も0-2で負けてしまった。個人的には、このデッキはどちらの型で使っても強い。どんな型でも世界大会に向けてこのデッキの対策をしておけば、見返りはあるはずだ。

 以下はRyan Sabelhausのリストだ。彼はRichard家と、もちろん愛すべき兄弟のKyleとも何度も調整をした。2011年のアメリカチャンピオン、Justin Sanchezも強調していたとおり、本大会ではDaveだけしか使わなかったものの、このリストは、彼らが最後にたどり着いた形だ。

4 ロコン
4 キュウコン
3 シシコ
3 カエンジシ
1 リザードンEX
1 タブンネ

3 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
3 フウロ
2 鍛冶屋
1 フラダリ

3 ハイパーボール
3 レベルボール
4 どくさいみん光線
2 ちからのハチマキ
1 すごいつりざお
1 びっくりメガホン
1 ダウジングマシン
3 トロピカルビーチ

7 炎
4 ダブル無色エネルギー

■Brandon Salazarインタビュー

 ここからは、2014年アメリカ選手権マスター優勝者、Brandon Salazarへのインタビューをお届けしたい。個人的に、今回のインタビューは、これまでSixPrizes向けにやったものの中でも、相当に深く考えられてて、ためになるものだ。読んでもらえてうれしく思う。Brandonはわずか15歳にして、このデッキとポケカについて信じられないほどよく理解していて、この上ないほど将来有望だ。ぜひ彼のことを知ってほしい。まずは優勝デッキからだ。

3 ランドロスEX
2 ミュウツーEX
2 ヤブクロン
2 ダストダス
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
1 クリムガン

4 アララギ博士
3 N
3 フウロ
2 フラダリ
1 サナ
2 じてんしゃ

3 ハイパーボール
1 レベルボール
2 ポケモンいれかえ
2 かるいし
3 ちからのハチマキ
1 改造ハンマー
1 はかせのてがみ
1 パソコン通信
4 どくさいみん光線
2 タチワキシティジム

7 闘エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 ではインタビューに入ろう。

――まず、歳はいくつで、どのくらいポケカをやっていますか? 調整相手は誰で、彼らは今回、何を使いましたか?

 15歳で、2010年からポケカをしています。調整相手はJustin Kulas、Justin Boughter、Luke Kirkham(ttp://victory-road.co/にブログがあります)ですが、フロリダで対戦できる相手なら基本的に誰でもです。調整相手はそんなにたくさんいませんでした。友だちのJustin Kulas(シニア)はカエンジシを使って4-4-1で終わり、別の友だちのJustin Boughter(シニア)はTDKで9-3-2というかなり良い成績でした〔※訳注:TDKはキュレム型プラズマのこと〕。Lukeは実はイギリスの人で、僕とまったく同じデッキでイギリスのトップ16に入りました(ttp://victory-road.co/2014/05/28/a-nationals-near-miss/) 。

――他の人があなたのようなデッキをあまり使わないのは気になりましたか? そもそも、なぜこのような、あまり例のない、型破りなデッキを作ろうと思ったのですか?

 まったく気にならなかったです。僕の使ったようなタイプのデッキを使っていた人たちは、たぶん下の方に落ちていったと思います。あまり使われないデッキで結果が残せて、すごくうれしいです。そもそもこのデッキを使った理由は、使っていて楽しかったからです。引きがひどいときでも、このデッキなら相手にプレッシャーをかけられます。それに、みんなカエンジシが強いと言っていますが、このデッキとならこちらに分があります。ランドロスは僕がすごく好きなカードです。ハンマーヘッドはナイトスピアっぽいですし、世界中みんなに、ランドロスはまだまだ使えるカードだと言ってみたいです。
 闘タイプは、ミルタンク、ライチュウ、アブソル、ゾロアークとかのめんどうなカードも倒せます。

――このデッキはどのくらい調整しましたか? そのあいだ、他のデッキは調整しましたか? もしそうなら、他の選択肢でなくランドロス入りデッキを使ったのはなぜですか?

 このデッキは一ヶ月半くらい調整しました。相手はだいたいイベルタルとビリゲノでした。他に使おうと考えていたのはビリゲノとTDKでしたが、どちらも対カエンジシがつらいとわかりました。他の2つでなくランドロスデッキに決めたのは、カエンジシが流行ることがわかっていて、このデッキならそれに有利だったからです。カエンジシがTDKとビリゲノを処理してくれることを祈っていました。そうすれば、イベルタルやカエンジシみたいな有利な相手に当たれるからです。そして2日目に当たった相手は、だいたいイベルタル派生とカエンジシでした。

 ――TDKとビリゲノは厳しい相手ということですか? カエンジシが一番相性の良い相手だと言いましたが、一番相性の悪い相手は何ですか?

 はい、TDKにはほとんど勝てません。メインアタッカーのランドロスには、水デッキは最悪です。スイスラウンドでTDKを一度倒せたのは運がよかったですが、そのときは相手がアクロママシーンを何発か打っただけで事故ってくれました。対ビリゲノは、レッドシグナルでヤブクロンが倒されるとどくさいみんを使えなくなるので、よくわからないゲームになります。ビリゲノを倒すには、先攻を取って2ターン目にダストダスを立てることです。初日の唯一の負けは、1ラウンド目のビリゲノとの対戦でした。
 エンペルト、TDK、カメックスのような水デッキが一番つらい相手です。対アギルダーフライゴンも、厳しい戦いになるはずです。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 これ以降は有料記事のため、翻訳は以上になります。お読みいただきありがとうございました。

 毎年毎年、アメリカ選手権は、対策の対策みたいな予想外のデッキが上位に来る傾向があります。今回も、マスターの決勝中継に映っていたのは、イベルやビリゲノといった本命ではなく、カエンジシとランドロスでした(ただし、優勝者も言っているとおり、カエンジシの流行自体は予想の範疇だったようですね。このあたりは現地と外部との情報の差を感じます)。
 それでも結果がどうあれ、今回の記事の3つのデッキは、どれも優秀なデッキに違いはないはずです。カエンジシキュウコンだけは公式にも載っていませんが、プレイヤー名からも推察されるように、相当入念に作られているのは確かでしょう。

 次回はまったく違ったデッキの記事を紹介予定。この環境、実はいろんなデッキの余地があるんですね。
(それにしても、ひたすらにビーチは強いですが……)

今後の予定?

2014年7月10日
 ひとまず以下の2つを訳します。たぶん。

“The Lion’s Share” -- Pyroar’s Popularity, Interview with Brandon Salazar, the Clock, and Last-Chance Regionals
by Mike Diaz
ttp://www.sixprizes.com/2014/07/09/the-lions-share-pyroars-popularity-interview-with-brandon-salazar-the-clock-and-last-chance-regionals/

39th Place 2014 US Nationals Report: Somehow, Hammer and Lasers Again
by Andrew Wamboldt
ttp://thecharizardlounge.com/2014/07/07/39th-place-2014-us-nationals-report-somehow-hammer-and-lasers-again/

 記事が出たのは後者が早かったのですが(訳も半分以上終わっているのですが)、前者のほうが需要がありそうなのでそっちを先に終わらせます。
 ただ実際のところ、デッキだけ見れば9割がたは用が済むので翻訳需要があるかは謎。まあいつものことか。

 Nationals振り返り記事はあとどのくらい出るのかな。
 個人的に、世界レギュ環境の表向きの流れを作ってるのはこの2枚かなあ、という雑感。

 まずライチュウ。もはや解説不要ですね。イベルとルギアの弱点を突けてカエンジシも叩ける、偉大なるメタの産物。
 イベルライチュウ、ビリゲノライチュウ等々、サイド奇数役の非EXアタッカーとしても有能です。イベルやビリゲノは、ライチュウの打点と足すとちょうどEXに届いたりするのが憎いところです。
 またライチュウの運用自体が自ベンチを並べるプレイを正当化するので、現環境では使いづらいアクロマがお互いに若干使いやすくなる、というのが副次的な効果としてあります。

 使用頻度が高いためか、最近は、相手のライチュウをどうやってすんなり落とすか、というのがすでに構築段階から決まっているレシピが多いように見えます。
 もっとも、現環境は(あるいは前環境も)終盤のNとフラダリに帰結する部分が大きいので、ライチュウとて要素の一部に過ぎないのですけれど。

 そしてともだちてちょう。
 一部のマニアックなデッキでは以前から日本でも使われていました。ただフラダリ登場以後の海外では、このカードを利用したサポ構成が、イベル派生を始め様々なデッキで急に増えました。
 僕の前回エントリでも触れられているのですが、中終盤を見据えたゲーム運びが可能になるメリットは、実際に使ってみると意外なほど大きいことがわかります。
 基本的に、ランレシ+ともだちてちょう+ダウジング(+ジラーチ)がパッケージ。原則としててちょうは1積みですが、2積みのレシピも見かけるほどに、このカードの利便性は高いです。
 中終盤にサイドの動き次第でアララギ、アクロマ、N、フラダリを選んで戻せる強みはもちろん、山札にともだちてちょうが残っているのがわかっていれば、序盤のハイパーボール等でサポを切ってしまうプレイのリスクがかなり減ったりもします。

 そして言うまでもなく、このカードの採用が増えた大きな理由はフラダリです。
 序盤から打ちづらいデッキではフラダリを大量採用しづらいため(たとえばイベル)、枚数は減りがち(1~2)ですが、その枚数のフラダリでも計算可能な決めワザにしているのがともだちてちょうです。
 基本的にともだちてちょう+ダウジングマシンはパッケージになっていて、ここにランレシとジラーチが入るか入らないか、というのがいつも議論の的になります。もちろんそのパッケージは、フラダリや各種サポを山札とトラッシュ間でくるくる回すためです(ジラーチが入るとランレシが抜ける場合もかなり多いです)。

 ジラーチとともだちてちょう(+ダウジング)があれば、フラダリはたとえ1枚でも、高確率でフィニッシュブローたりえます。ただしジラーチが場に出るのは巨大なデメリットでもあるため、そこがいつも議論になる原因です。
 とはいえ、ジラーチがなくとも、ともだちてちょう(とダウジング)があれば、終盤山札が薄くなるころには、だいたいフラダリが山に残っている、という感じにはなります。それをランレシで引き当てることも可能、というのがこのパッケージの目的のひとつです。

 この環境のともだちてちょうは、採用するかしないかだけで、サポ構成やゲームプランが大きく変わります。
 もちろん、てちょうの入っていないレシピも多々あります。採用しない形との比較も含めて、この環境ではキーカードのひとつなのではないでしょうか。
(直近のSixPrizesの記事ttp://www.sixprizes.com/2014/07/01/the-black-album-my-play-for-us-nationals-2014-proper-prep-and-a-summer-mailbag/にもこのあたりのことが触れられています)

 余談ですが、フラダリの英語名は"Lysandre"。フランス語っぽい綴りになっているのでリサンドルと読みそうになりますが、英語の発音は「ライサンダー」。世界大会ではよく耳にする単語にになるかもしれません。
【翻訳】戦いまで2週間――Nationals優勝デッキたちを見る
【翻訳】戦いまで2週間――Nationals優勝デッキたちを見る
【翻訳】戦いまで2週間――Nationals優勝デッキたちを見る
 今回は60cards.netから。
 アメリカでもNationals(国別選手権)が間近に迫り、全体的に情報封鎖モードなのか、あまり戦略記事が上がらなくなってきました。そんななか、最近活躍中のプレイヤー、Ryan Sabelhausが60cardsに記事を書いていたので紹介します。
 内容は、他国のNationals優勝デッキのリストを見てみよう、というもの。レギュはXY2までで、紹介されるデッキ3つはすべてイベルタル。
 もはや揺るぎないトップメタとなったイベル派生ですが、デッキの細部は、やはり様々に違っているようです。

 ちなみに、元記事の前半部分は、お遊び企画(仮想のプレイヤー指名ドラフト)なのですが、今回はまったく関係ないのですべてカットしました。アメリカの人ってこういう遊び好きだよね……。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、訳文の省略や改行の変更があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

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"The Fortnight before the Battle!"- A Look at the Sabelstream Draft and Nationals Winning Decks
by Ryan Sabelhaus
Monday, June 23, 2014
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/152


 60cardsの読者のみなさん、お久しぶり。アメリカ選手権が迫っているし、他の国からは、もう国別選手権の結果がごっちゃりと上がってきている。いろいろなデッキの選択肢やオプションが使えることから、環境はとんでもなく多様になっている。この記事では、国別選手権で結果を残したデッキをざっと眺め、それぞれのリストから、的確に入れられているカードを選んで議論してみたい。アメリカ選手権や、これからの国別選手権で結果を出すためには、現状を理解するのが必ず良い方法になる。

■Nationalsで結果を残したデッキたち

 国別選手権が始まったけれども、他国はアメリカよりも早く行われる。そこでの結果は、他の国でどんなデッキが活躍したのかを見る良い機会だ。今回は、南アフリカ、ニュージーランド、そしてポルトガルで結果を残した2種類のデッキを見てみたい。

【画像1枚目】

4 イベルタルEX
2 ヤブクロン
2 ダストダス
1 ダークライEX
1 アブソル
1 ヤミラミ

4 アララギ博士
4 N
2 ベル
2 アクロマ
2 ランダムレシーバー
1 フラダリ

4 ダークパッチ
4 どくさいみん光線
3 ハイパーボール
3 ちからのハチマキ
3 かるいし
2 タチワキシティジム
1 はかせのてがみ
1 ポケモンいれかえ
1 ダウジングマシン

8 悪エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 これは南アフリカのマスターで優勝したデッキだ。大会で優勝するため、Muhammad Aaqil Sedienは、明らかに、安定したデッキをプレイすることを選んだ。デッキリストはとても安定しているように見える。ドローソースやエネルギーは充分すぎるほど入れられていて、イベルタルEX4枚から始まるデッキの基礎もしっかりしている。このデッキがSedienにとってなぜうまく機能したのか、より細かく見ていこう。

安定性:このデッキにはイベルタルEXが4枚入っている。デッキのメインアタッカーを場に出せるよう、安定性を最大化してある。アタッカーが必要になったときにイベルタルを引き込むのは難しくないだろう。4枚のイベルタルEXだけでなく、このデッキには悪エネルギー8枚、ダブル無色4枚、そしてはかせのてがみが入っている。エネの貼れないターンを作らないようにしたことが、Sedienの優勝を後押ししたのは間違いない。

 こういった特色はとても良く見えるものの、このデッキ全体で最大の特徴は、サポーターの枚数だろう。ドローサポーター12枚、ランダムレシーバー2枚、ダウジングマシン、そしてベンチに脅しを掛けるフラダリ。このドローソースの総量は、Aaqilが対戦にうまく勝つことのできた理由だろう。ドロソが引けずに手札が死ぬようなことはかなり少なかったに違いない。イベルタルEX/ダストダスのベストな形は、とくせいを即座に止め、イベルタルEXとどくさいみん光線で素早く襲い掛かるというものだ。

ギミック:彼自身が、特定のデッキに向けにギミックを入れていると自覚しているのかどうかわからない。けれどAaqilは、対戦しうるデッキ用に、完璧なギミックカードを選んだようだ。アブソルは、ゲッコウガ/ミルタンクを使っていたBrian Murdochとの決勝では最善のカードのように見える。あのデッキはきちんと機能させるにはベンチを多く使う必要があるから、アブソルのマインドジャックが突き刺さっただろう。

多彩さ:このデッキにはいろいろなマッチアップで勝てる能力があるけれども、それは南アフリカ選手権ではうってつけだったようだ。トップ8には、ゲッコウガ/ミルタンク、ビリジオン/ゲノセクト、ビリジオン/ゲノセクト/ライチュウ、プラズマ、リザードンなど、いろいろなデッキがいた。それらのマッチアップは、エネや打点を乱用してくるデッキに弱いところがある。そしてその2つは、安定性のあるイベルダストが得意とするところだ。ここのトップ8にイベルタル/ライチュウがいないのはびっくりする。あのデッキは、このトップ8で脅威となっているデッキの多くに対処できただろう。とはいえ、このデッキは、国別選手権で優勝するには非常に安定した良いデザインで構築されていた。

【画像2枚目】

3 イベルタルEX
3 ヤミラミ
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
1 ダークライEX
1 アブソル
1 ミカルゲ

4 アララギ博士
4 N
3 ランダムレシーバー
2 アクロマ
1 フラダリ

4 ダークパッチ
3 ハイパーボール
3 どくさいみん光線
2 ちからのハチマキ
2 タチワキシティジム
1 レベルボール
1 ともだちてちょう
1 はかせのてがみ
1 ポケモンキャッチャー
1 ポケモンいれかえ
1 かたいおまもり
1 びっくりメガホン
1 スクランブルスイッチ

8 悪エネルギー
3 ダブル無色エネルギー

 これも国別選手権で優勝した別のデッキだ。けれどこれは、ニュージーランド選手権でのものだ。作ったのはKishara De Silvaで、このイベルタル/ダークライ/ライチュウを使って優勝をやってのけた。全体として見ればこのデッキには、個々の試合できっちり場の組み立てができるような安定性はないかもしれない。けれども、いろいろなマッチアップで役立つようなギミックが多く入っている。いろいろなカードの1枚挿しをベースにしたこのリストは、かなり考え込まれて作られているのは間違いない。このデッキが他のデッキと違う要素は何か、そしてどうやって優勝できたのか、見ていってみよう。

ギミック:数多く投入されたいろいろなギミックカードが、このデッキを他デッキとは異なったものにしている。序盤の立ち上がりのためのサポーターはそこまで多く入れない代わりに、Kisharaはともだちてちょうを加えることで、終盤の安定性を失わないようにしている。強力なサポーターを2枚戻せば終盤のNへの防御になるし、フラダリを戻してベンチを倒し、ゲームを決めることもできる。

 ギミックはエーススペックにもある。スクランブルスイッチだ。このカードは、いきなり巨大なイベルタルを出現させたり、手負いのイベルタルから無傷のイベルタルへエネルギーを移動させたりできる。

 ミカルゲはビリジオン/ゲノセクト相手への防御として役立つけれども、スクランブルスイッチが使えなくなるから自分にも手痛い。かたいおまもりも面白いカードで、いろいろな場面で重宝するだろう。ライチュウに貼ってクリムガンのリベンジを耐えるようにすることもできるし、ヤミラミに貼ってできるだけ延命させて、ジャンクハントを最大限活用するのにも使える。

多彩さ:このデッキはギミックのおかげで、多くの相手デッキに対して解答を持っているのは明らかだ。安定した構築のような序盤の組み立て能力はないかもしれないけれども、大会結果には異論の余地がない。トップ8には彼のほかにイベルダストが3つ、キュレム型プラズマが2つ、そしてフレフワンガルーラとオーロットアギルダーパルキアがいて、彼はその中を突破した。間違いなくこのデッキは終盤に強くなるよう組まれていて、その戦略が功を奏し、Kisharaは国別選手権で優勝できたというわけだ。

【画像3枚目】

3 イベルタルEX
2 ヤミラミ
2 ヤブクロン
1 ダストダス
1 ダークライEX
1 クリムガン

4 アララギ博士
4 N
4 ランダムレシーバー
1 フラダリ

4 ダークパッチ
4 どくさいみん光線
3 ハイパーボール
3 ちからのハチマキ
2 かるいし
2 タチワキシティジム
1 はかせのてがみ
1 ポケモンキャッチャー
1 ともだちてちょう
1 改造ハンマー
1 ポケモンいれかえ
1 あなぬけのヒモ
1 ダウジングマシン

8 悪エネルギー
4 ダブル無色エネルギー

 このデッキはポルトガル選手権2位のデッキで、使用者は2012年世界チャンピオン、Igor Costaだ。見ての通り、これもイベルダストだけれども、他のイベルダスト派生とは違っている。このデッキは他のダストダス派生と同様の動きに主眼を置いている。ただし、ダストダスラインを細くして、ミラーや他のマッチアップに勝てるようにしてある。Igorは、このダストダスラインはイベルタルデッキに入れたギミックにすぎないとまで言っていた。Igorを倒した唯一のデッキはビリジオン/ゲノセクト/フワライドだったけれど、本来ならば、彼にとってはかなり相性の良いはずのマッチアップだ。さて、このイベルダストのカードチョイスについて見ていってみよう。

安定性:Igorはダークパッチとどくさいみんを4枚入れて、イベルタルでのダメージ出力を最大化するようにした。このスペースはダストダスラインを細くしたことでできたものだ。通常の構築だと、追加のダストダスとかるいしになっているだろう。この細いラインは、彼がビリゲノフワライドに負けた理由になっている。ダストオキシンがないと、どくさいみん光線がすべて使いものにならなくなってしまうからだ。

 またIgorは、悪エネルギー8枚、ダブル無色4枚、そしてはかせのてがみを入れて、エネの貼れないターンを作らないようにしている。同時に、エネをトラッシュに落とすチャンスも増やすことができている。

終盤での強さ:Igorはフラダリ、ともだちてちょう、ダウジングマシン、あなぬけのヒモを入れていて、相手のベンチポケモンを攻撃する手段には事欠かない。準優勝という結果には効果的に機能したはずだ。4枚のランダムレシーバーも、終盤のNを受けたとき、強いサポーターを引く可能性を上げてくれる。ともだちてちょうで良いサポーターだけ戻せば、終盤のNの威力もそこまで高いものじゃなくなる。

■おわりに……

 この記事を楽しんでくれたらうれしく思う。アメリカ選手権がもうすぐだから、その前にもうひとつ記事を書けるかどうかはわからない。プレイテストでも、本戦でも、みんなの幸運を祈ってるよ。読んでくれてありがとう。質問があれば気軽にメッセージを送ってほしい。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。

 Nationals全体の数字で見るとトップ8入賞者数のほぼ半数を占めるイベル派生ですが、細部は人それぞれ、あるいはメタそれぞれになっていますね。
 少し前にイベル派生のドロソ部分についての短いコラム(http://ukinins.diarynote.jp/201405241000224655/)を書きましたが、こうして眺めてみると、アララギNをベースに、結局ランレシ+フラダリの形で落ち着きつつあるようにも見えます。
 2つめのデッキでミカルゲを見てびっくりした人もいるかもしれません。ただミカルゲ自体は、去年の秋の海外メタ(BW9時点)で、ビリゲノ対ダークライのマッチアップ相性改善のために、ダークライ側がGブースター対策としてミカルゲを入れていた、という経緯があります。今後ビリゲノが今以上に増えてきたら、もしかするとまた見かける機会も増えるのかもしれません。

 余談ですが、The Charizard Loungeでもイベルタルの記事が上がっています(ttp://thecharizardlounge.com/2014/06/21/trail-to-nationals-2014-part-2-the-dark-truth-yveltal-the-bdif/)。
 記事中盤にあるじてんしゃ型イベルダストを完コピして仮想敵として回してみたのですが、綺麗に動いたときのじてんしゃ型は、やはり気持ちが良いですね。
 おそらくご存知のとおり、みらチャン杯はランドルカリオの上位独占で幕を閉じました。
 ただ現時点のランドルカリオの構築自体はみんなバラバラで、一般的な構築が落ち着くのは、もう少ししてからだと思います。

 そんな中でランドルカリオロズレイドを使っていた僕の週末は、1-4(前日ななはちや)、2-3(みらチャン)という完全爆死の成績で幕を閉じました。10戦3-7って負けすぎだろういくらなんでも。
 この日記はデッキの大反省会兼、ランドルカリオについて思うこと色々です。以下ランドルカリオに興味のある人だけ読んでください。

 まず役に立たない僕のデッキから。

2 ランドロスEX
2 ルカリオEX
1 MルカリオEX
2 ランドロス
2 ロゼリア
2 ロズレイド
1 デデンネ

4 アララギ博士
4 N
4 コルニ
3 フラダリ
2 アクロマ

4 ちからのハチマキ
3 ファイティングスタジアム
2 ハイパーボール
2 レベルボール
2 あなぬけのヒモ
2 ポケモンいれかえ
1 はかせのてがみ
1 エネルギーつけかえ
1 すごいつりざお
1 タウンマップ
1 パソコン通信

6 闘エネルギー
4 ストロングエネルギー
1 草エネルギー

 これはみらチャン版。前日のななはちやからの変更は、
in:闘エネ1、草エネ1、スタジアム1、エネつけかえ1、デデンネ1
out:毒催眠3、まんたん1、バリヤード1

 最大の失策は日曜にバリヤードを切ったこと。予想より遥かに闘が多くて今思えばありえんレベルのミスです。
 周囲のイベルを見て大会開始5分前にバリヤードとデデンネ差し替えたのが間抜けだった。直前調整よくない。タウンマップ切れよ(でもサイド引ける場面でコルニタウンマップ嵌ると気持ち良すぎて切れなかった間抜け)。

・でもトップメタってイベルじゃね?
 周囲には日曜の優勝は絶対イベルと言い続けてたんですが、完全に外しました。でもトップメタはイベルで間違っていないと思います。
 ランドルカリオはどう頑張ってもイベルには互角以上にはならず、体感45-55くらいの相性です。
 序盤からパーツが綺麗に揃ってテンポ勝ちできれば良いのですが、実際は非EXイベルがきつすぎます。こいつはどうやってもワンパン無理でテンポ稼がれまくる上、ボード差がひどいことになります。

・ランドルカリオのソリティア要素
 パーツが揃ったときの打点は馬鹿げていますが、逆に言えば必要パーツが揃わなかったときは打点不足に陥ってテンポ負けします。
 ロズレイドはそれを見越しての採用で、このカード自体は本当に強いです。ビリゲノロズレイドの動きはある程度研究していたので強さはわかっていたのですが、このデッキのロズレイドはストロングエネやスタジアムやフラダリ引っ張ったりとソリティアゲーにはかなり活躍します。個人的には、ランドルカリオのサブポケのなかでロズレイドは相当優秀な部類だと思っています(非EX1EX3でサイド運用する場合)。
 草エネはななはちやでとーしんさんに教えてもらった小ワザで、ロズレイドで殴るとスイクンとガマゲロゲを叩ける上に、だいちのさばきで切るエネが1枚減るという便利カードでした(60だけ当たって狩り残してしまったカエンジシも、50で一応落ちます)。
 ちなみに、ソリティアゲーを緩和する手段のひとつとして、サイド運用を非EX3EX2にしてゲーム速度を落としてしまうというのがあります。みらチャン決勝戦のふたりはそれでした。

・デデンネ弱い疑惑
 発売直後からイベル殺すマンと言われていたデブネズミですが、実際は非EXイベルを殺せないので期待よりは仕事しません。イベルEXもあんまりワンパンできません(3エネ貼ってくれればハチマキ+毒。そして相手のサイクロンY使用をアシスト)。なのでデデンネ挿してイベル見る、とか依存しすぎるとひどいことになります。
 どうせワンパンできないなら、ルチャブルの方がEX相手に打点稼げるので、非EX枠で殴るならそれで良いんじゃないかという気はします。ミラーでの仕事も段違いだし。人によって評価のブレそうなカードです。なかまをよぶ→逃げるちからのさけびがうっかり決まると気持ち良いし。

・ファイティングスタジアムと毒催眠光線
 原則としてEXを2パン(+最後にさばき1撃でテンポ勝ち)が理想なので、打点を上げるカードはひたすらに欲しいです。ファイティングスタジアムはスペースの関係でたくさん入りにくいのですが3が理想で、2だと割られたときや引かないときに打点がかなりつらく感じます。
 どくさいみんは、70→90打点ラインの多いこのデッキでは170を見るのにほしいカードで、タチワキに貼り替えられてもとりあえず30点は出ます。
 現状は、できればファイティングとどくさいみんを両方散らして入れたいところです。
 ちなみに毒タチワキに差し替えてしまうと、ガマゲロゲやビリゲノにまったく打点が出なくなります。

・ランドEXとルカリオEX
 個人的には2:2で入れたいところです。いっぱい入れてもどうせ使わないので、合計5枚以上はいらないと思います(どうせゲーム中はEX2体ないし3体運用だし)。
 ランドのベンチ攻撃は強いですが、ランドランドで弱点色がかぶるのが欠点です。現環境の水弱点はなかなか痛いし。ルカリオは手札にコルニのみで事故りそうなときのスクリューブローも結構やりますし、スカッドジャブでイベルに90出るのも強いです。
 メガルカリオはメガ進化できちゃうと強いのですが、だいたいはカエンジシのためだけに存在しています。基本的に使いません。

・非EXランドロス
 頭おかしいほど強いです。
 ただランド加速からランドEXの脳筋の動きは強そうに見えますが、弱点色がかぶる上、どうせ2手かかるなら1エネワザで2パンで殴ればいい、というのが実際のところです。だいちのさばきは撃っても1ゲーム中で1発、多くて2発。だいたいが終盤の詰みの盤面です。
 デッキ内の枚数としては、2枚(試合では1体運用)または3枚(試合では2体運用)でしょう。デッキのサイド運用&ゲームプランと相談です。

・エーススペック
 現状はパソ通、ダウジング、スクランブルスイッチの3択。コルニがパソ通に化ける動きは序盤のソリティアにとりあえず便利で、ダウジングはスタジアムやハチマキやフラダリを拾って中盤以降にソリティアするための丸いカード。スイッチは3エネに繋ぐ動きがとても強い。デッキ全体としてどう動きたいのかで決めると良いのではないでしょうか。たぶん。

・ミラー戦
 バリヤードから。ルチャブル、改造ハンマー、まんたんのくすり、etc。ゲームプランによりけりです。
 ミラーのルチャブルは非EX3体で動かすときの強いアタッカーで、120点が入れば相当の仕事です。また闘抵抗があるため一撃で落とすのに苦労します。
 ミラーでの改造ハンマーやまんたんのくすりは相手のソリティアを潰しに行くカードで、ハンマーでストロングエネ(やスクラッパーでハチマキ割る動きも込み)が落ちると打点が足りなくなって余計な1ターンを要求できます。
 この3種類は対他デッキでも使えるので、何をどう何枚入れるかは難しいところです。
 ルチャブルはガマゲロゲみたいな不愉快生物相手にも打点が出ます。現環境の改造ハンマーは腐りにくいですし、まんたんは言わずもがなの強さです。
 ちなみに、全体としてランドルカリオの構築がバラバラだった中で、みらチャン決勝戦のふたりはミラーまできっちり見据えてデッキを動かしていました。納得の結果です。

 北海道的には来週はうきにん杯です。
 とんでもなく完成されたランドルカリオが登場してくれることに期待しています。
2 ルカリオEX
1 MルカリオEX
2 ランドロスEX
2 ロゼリア
2 ロズレイド
2 ランドロス
1 ジラーチEX
1 バリヤード

4 アララギ博士
4 N
4 コルニ
4 フラダリ
2 アクロマ

4 ちからのハチマキ
2 ハイパーボール
2 レベルボール
2 ポケモンいれかえ
2 あなぬけのヒモ
2 ファイティングスタジアム
1 はかせのてがみ
1 どくさいみん光線
1 タウンマップ
1 すごいつりざお
1 パソコン通信

6 闘エネルギー
4 ストロングエネルギー

(※70→90打点のジャンプアップが多いので170を見て毒を1挿し。本当はもっとほしい。エネつけかえもほしい)


4 ビリジオンEX
4 カイリューEX
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
1 バリヤード
1 ジラーチEX

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
4 クロケア
2 アクロマ
1 フラダリ

4 ハイパーボール
3 ツールスクラッパー
2 すごいつりざお
2 ちからのハチマキ
1 ポケモンいれかえ
1 エネルギーつけかえ
1 はかせのてがみ
1 ダウジングマシン

8 草エネルギー
4 雷エネルギー


4 ガマゲロゲEX
3 ヤブクロン
2 ダストダス

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
3 サナ
3 クロケア
2 フラダリ

4 どくさいみん光線
4 スーパーポケモン回収
3 ハイパーボール
3 ちからのハチマキ
3 かるいし
3 改造ハンマー
2 ポケモンいれかえ
2 タチワキシティジム
1 ヘビーボール
1 ツールスクラッパー
1 パソコン通信

4 ダブル無色エネルギー


3 ヘラクロスEX
3 MヘラクロスEX
3 シュシュプ
2 フレフワン
2 ビリジオンEX
1 ダークライEX
1 スイクン
1 ジラーチEX

4 アララギ博士
4 N
4 アクロマ
2 フウロ
1 フラダリ

4 ハイパーボール
3 まんたんのくすり
3 ツールスクラッパー
2 かたいおまもり
2 すごいつりざお
1 はかせのてがみ
1 フェアリーガーデン
1 パソコン通信

5 草エネルギー
4 フェアリーエネルギー
4 レインボーエネルギー
【翻訳】三方向から――アメリカ選手権2014のメタゲーム予想
 今回はSixPrizesから。内容的にライジングフィストが出る前の今がぎりぎりのタイミングかもしれません。
 Chris Fulopによる、現環境(XY2まで)のメタゲーム考察記事を紹介します。

 Chris Fulopといえば、記念すべき2004年世界大会でバシャレックキレイハナを使い、マグマ団を駆る大和さんと決勝で戦ったことで有名なプレイヤー。
 普段は有料会員記事を書いており、あまり考察を目にする機会はないのですが、今回の有料会員記事は無料部分がかなり長かったので、他にネタもないことだし、ということで訳してみました。

 内容は、タイトルどおり現環境のメタゲーム考察。海外では、XY2が出て1ヶ月が経ちました。
 来月にはアメリカ選手権(U.S.Nationals)が迫っているため、それに向けての内容です。
 デッキリストはありませんが、海外プレイヤーがXY2込みのメタゲームをどう見ているのか、世界大会参加勢もそうでない人も、参考になる部分は多いのではないでしょうか。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、訳文の省略や改行の変更があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

“Three Sides” -- My Expected Metagame Triangle for US Nationals 2014
by Chris Fulop
Thursday, June 5, 2014
ttp://www.sixprizes.com/2014/06/05/three-sides-my-expected-metagame-triangle-for-us-nationals-2014/


 アメリカ選手権。毎年の楽しみだ。ただ、2007年に優勝していることで、ぼくは若干の先入観を持っているのかもしれない。ま、厚顔無恥な自慢は、ぼくがよくやってることだ(というかいつものことだ)。
 トッププレイヤーたちにとって、この大会は、全力を尽くして最善のものを持ち込むための機会になっている。その一方で、新参の、次世代のプレイヤーたちにとっては、ブレイクスルーを果たし、自分がどれだけやれるのかを見せ付ける舞台になっている。そんな巨大イベントの雰囲気は、ほかでは味わえないものだ。

 ここで本当のことを言っておこう。ぼくは2008年から、アメリカ選手権には出場していない。というのも、Eloレーティングをベースにしていた世界大会の招待システムでは、ぼくは安定して羨ましがられるポジションにいたからだ。
 2009から2011年までは、ぼくはアメリカ選手権前の段階で、世界大会招待をほぼ確定させるだけのポイントを集めることができていた。もし選手権に出たとして、そこでツキがなかったら、招待権から弾き出されてしまっただろう。その3年のあいだ、ぼくは自分の招待権を守るために、選手権には出ないことにしていた。その選択についてはまったく後悔していない。ただ単に選手権会場に行って、友だちの練習を手伝ったり、みんなを応援しているだけでも、とてもすばらしい経験だった。

 今年のぼくは、インディアナポリスで開かれるアメリカ選手権の会場に、ふたたび行こうと思っている。そしてふたたび、ぼくは参加はしないだろう。実際のところ今年は参加できたら楽しかったのにと思うけれど、ぼくは参加に必要なPlay!ポイントの犠牲になってしまったというわけだ。
 ぼくのようなプレイヤーは、主催側が必要ポイントを設定することでイベントから弾き出したいと思っているプレイヤーに該当するのかは知らない。けれど間違いなく、ぼくはその被害者にあたる。〔※訳注:Nationals等の大会に出るためには、一定以上のPlay!ポイントが必要。この人、リアル大会に出てなさすぎなのでは……〕

 それでも、この状況にぼくはそこまで動揺したわけじゃない。今回は、友だちみんなに会えて、すばらしい大会が進行していくのを眺めるチャンスには変わりないからだ。そういうわけで、ぼくが何もやることがないのは周知の事実になったからには、みんなぼくのところに来て挨拶してほしいし、対戦を申し込んでほしい(木曜日は友だちのプレイテストの手伝いで忙しいかもしれないけれど、いざ大会が始まれば、ぜひ僕のところにお邪魔しにきてほしい)。

■ワイルドブレイズのインパクト

 春のBattle Roadsが開催されない2013-2014の大会システムでは、国内選手権に向けてどうアプローチするかに関して、かなりの影響がある。現状アメリカでは、ワイルドブレイズ入りで行われる大きな大会が開催されていない(この点に関して言えば、Battle Roadsは必要なイベントだった。League Challengesは同じカテゴリーでは考えられない)。

 環境に入ってきた新しいカードたちの影響は、まだ大きな範囲では見ることができていない。その一方で、以前に比べればポケカについてのネットコンテンツは増えているし、ポケモンTCGオンラインはこのマイナス面を打ち消すのに役立っている。とはいっても、過去の年の現時点と比べると、今回の弾が何をもたらしたのか、共通理解がまだまだ足りていないように感じる。

 とはいえ実際、ワイルドブレイズは、環境にそこまで大きな影響を与えていないとぼくは思う。今のところ、今弾の注目カードからはそんなに強い印象を受けていない。
 リザードンはどれも期待外れだということが見えてきた。ときにリザードンはすばらしい動きをするが、リザードンに対して有利に戦えるデッキが多すぎる。しかも、リザードンのデッキをなめらかに動かそうとすると必要なカードが多すぎて、デッキに柔軟性を持たせることができない。リザードンはパワフルで加速エンジンもあるが、やることが多すぎる代わりに、できることといえば、他のTier1デッキでできることよりも、ちょっとだけ印象が強いだけだ。
 もしかするとぼくが見落としているリザードンのデッキリストがあるのかもしれないが、現状はどこにもないように思う。

 カエンジシもずいぶんと大げさな注目を集めてきたカードだ。だが残念ながら、カエンジシは絶好の居場所を見つけられないでいる。カエンジシをタッチで入れられるデッキはあまり多くないと思うし、カエンジシ絡みのデッキはそれぞれ問題を抱えている。
 最大の問題は、ライチュウがどれだけ流行るかだ(この点には後で触れる)。もうひとつの問題は、カエンジシは時間制限が絡むとかなり弱いということだ。カエンジシが働いていると、ゲームは長引いていく。それは多くのマッチが時間内に終わらないということを意味する。国内選手権は時間のかかる大会なのに、さらに時間いっぱいのマッチがかさんでいく。

 できれば、ぼくならゲームをきっちり終わらせられるデッキを使いたい。国内選手権のスイスラウンドでは、第3ゲーム目をかなりたくさん目にすることになるだろうし、その大半はおそらく引き分けに終わる。
 第3ゲームに行かずに済むくらい強いデッキでない限りは、3ゲーム目でも合理的に勝ちにいけるデッキを使いたい。長ったらしくてだらだらしたロックデッキは使いたくない。状況がどうであれ、カエンジシが機能しているゲームというのは、時間が長引いてしまう。

■優秀なカードたち

 今弾の優秀なカードは、メガガルーラとフラダリだ。フラダリは2つの方法で環境に影響を与えている。ポケモンキャッチャーが入るであろうデッキの多くは、フラダリに「アップグレード」するはずだ。キャッチャーとフラダリにはそれぞれメリットデメリットがあるため、この変更はそっくりそのままというわけにはいかない。ベンチを呼ぶのにサポーターを使う余裕のないゲームは多くある。フウロでキャッチャーを持ってくる、といったプレイもできなくなる。
 とは言っても、コイントスがいらないという明らかな利点は大きい。失敗ぶんを勘定に入れる必要がないために、枚数を減らすことができる。実際、1試合あたりに必要なフラダリは1~2枚程度だ。

 キャッチャーとフラダリをそっくり入れ替えられるデッキは置いておいて、以前ならキャッチャーを入れるスペースのなかったデッキでも、今ではフラダリを1、2枚入れることができる。
 これまでにも、構成に無理の生じているデッキを目にしてきた。カメックスやエンブオーデッキには、実際のところキャッチャーをねじ込むスペースが無かったにもかかわらず、キャッチャーはミラーでの決め手になってしまっていた。そしてカメックスやエンブオーは使用者の多いデッキだったために、プレイヤーたちは、周囲についていくためキャッチャーを使わざるを得なかった。

 そういった要素は、フラダリのおかげでだいぶマシになる。突風効果で他デッキの立ち上がりを阻害したり、攻撃のプレッシャーを増やしたいデッキにとっては、サポーターになったキャッチャーは使いたくはないだろう。
 だがゲーム終盤に逆転の一撃としてキャッチャーを使いたいデッキにとっては、フラダリ1枚あれば事足りる。スペースさえあれば、この戦術は多くのデッキに噛み合うだろう。

 メガガルーラの良さは、無色の巨大戦車だという点に尽きる。ガルーラにはしっかりしたワザがあり、エネコストも使いやすい。HPは、一撃で落とすのがほぼ不可能な高さだ。イベルタルEXやミュウツーEXは、理論上はメガ進化後の処理に必要な230ダメージを叩き出せるし、レックウザEXならばすんなりとガルーラを吹き飛ばせる。
 ただ悲しいことに、これまでなら一撃必殺のプロフェッショナルだと見られていたゲノセクトEX(Gブースター付き)やブラックキュレムEXでは、必要なダメージ量に足りていない。

 どう見ても、ガルーラと一緒に使うならば、フレフワン(このネーミングはどうにも不自然に感じる)とまんたんのくすりだろう。闘弱点だというのも、弱点が突かれにくいので利点になる。まともな闘ポケモンは使われていないし、環境でメジャーなデッキには、闘タイプのポケモンは入りにくく、タッチで使われるということもない。

 ただガルーラにはいくつか問題がある。まず何よりも、フェアリーデッキはスピードが本当に遅い。さっきも触れたように、そういったデッキは原則としてぼくは好きではない。そして2つめに、ガルーラは環境最強デッキと、環境で2番目のデッキの両方に苦戦することになる。

■フロントランナー

 ここで単刀直入に言っておこう。これまで書いてきた記事のなかで、ぼくは現環境内のあらゆるデッキに触れてきた。これまでは新弾のリリース前後に記事の締め切りが組まれていたが、今ならば環境は落ち着いてきている。ただ実際のところ、環境にはぜんぜん自由度がないように感じる。現環境に取り組むには、わずか3つのアプローチしかないだろうからだ。

 明らかに、最強デッキが存在する。現環境では、イベルタル/ダストダスが唯一のフロントランナーだということに異議を唱える人はいないだろう。イベルタルEXはひたすらに強力なカードだ。
 クリムガンは、カメックスやエンブオーの一撃必殺兵器のドラゴンたちを手軽に打ち返せてしまうため、環境を狭めてしまっている。クリムガンは環境に受け身的な影響を与えているだけではない(このカードの登場は、カメックスやエンブオーをリスキーな選択肢にした)。イベルタルにはもともとダブル無色が入っているため、クリムガンをタッチすることが可能なのだ。

 イベルタルが苦労する相手のうち、ひとつはフェアリーデッキだ。まんたんのくすりや、どくさいみん光線を止めようとする各種の取り組み(基本エネなしならビリジオンEXや、妖エネのみなら細いラインのペロリーム)を乗り越えて一撃で倒すのは難しい作業だ。

 だが幸いにして、ダストダスはフェアリーに対してすばらしい効力を発揮してくれる。相手のまんたんのくすりの有効性を阻害し、こちらのどくさいみん光線も復活させてくれる。ダストダスは、ビリジオン/ゲノセクトに対しても同じように機能する。
 プラズマに対しては、もう少しだけ利点がある。デオキシスとルギアのとくせいを消せるのだ。十分な枚数のデオキシスとちからのハチマキがあると、ボルトロスEXはイベルタルに対する効果的な脅威になる。だがダストダスがいれば、イベルタルを一撃で倒すためのただでさえ複雑なパズルの、さらなる追加の一要素になる。

 アグレッシブなイベルタルデッキは強いが、上で触れたような問題もある。ダストダスを加えることで、現環境ではどのマッチアップも勝率が50%を下回ることはないように感じる。
 どんな環境であっても、不利な相手のいないデッキを見つけるのは本当に難しい。だがイベルダストは、メタ外にいるよくわからないデッキに対してさえも、有利に戦えるように思える(オーケー、どうせ誰かがこのデッキを倒せる馬鹿げた何かを言い出すんだろう。でもぼくが言いたいことはわかってくれるよね)。

 このデッキの素晴らしさは、多くの対戦が非常に長引きがちという事実を乗り越えられる点にある。多くの対戦が、だらだらと長引くゲームになるだろう。だがイベルタルEXは根本的にアグレッシブなカードであるために、引き分けを避けたいときは、きっぱりとスイッチを切り替えてスピードを上げることができる。
 全体に勝率の良いデッキができたときには、時間との勝負といった目に見えない問題点は見落とされがちだ。

■ほかの2つのデッキ

 さて、イベルタルのデッキリストに入る前に(叩き台を2つ作ってある)、ぼくはアメリカ選手権に向けて3つの選択肢があるとさっき言った。イベルダストは、デフォルトの状態では、現環境でベストのデッキだ。
 とはいえ、アメリカ選手権特有のメタゲームでもベストなデッキだという保証はない。もしも非常に目立つデッキがあるとすれば、そのデッキは周囲のデッキ選択を捻じ曲げてしまうだろう。間違いなく、それを倒すために改造されたデッキを持ったプレイヤーを大量に見ることになる。

 さっき、イベルダストに相性の良いデッキは無いと言った。だが言いたかったのは、現状の構築では、ということだ。もしも特定のデッキひとつだけを倒すためにデッキを改造したいならば、だいたいの場合はそうすることが可能だ。そしてもうひとつ意図的に言わなかったことだが、イベルダストを倒す最善の武器のひとつは、ダストダスを入れず、代わりに速度とミラーマッチに強くしたイベルタルデッキだ

 もしもダストダスの存在が、アメリカ選手権からダストに弱いデッキを追い払っているとすれば、最終的にはダストダス自体が必要なくなってくる。そうなればメタゲームの次の段階でプレイしていい。ダストの使用を控え、そのスロットを他のダスト構築を倒すために割り当てよう(それでも何枚かは、ダストダスが劇的に効いていたマッチアップで使えるようにしたいはずだ。たとえば、対レックエンブ用にクリムガンを2枚挿したりするのがそれにあたる。リスクを計算して受け入れた上で、そういったデッキが減るのを望みはするだろうが、かといって完全に無防備というわけにもいかないだろう)。

 基本的にこのことが意味するのは、環境が素朴でわかりやすい状態ならば、イベルダストは他のイベルタル派生よりも良いデッキだ、ということだ。だがダストダスの存在が他のプレイヤーのデッキ選択を捻じ曲げ始めたのならば、それを考慮に入れる必要がある。当然、そこで試練となるのは、アメリカ選手権でのメタゲームがどの段階に来るのかを想定することだ。

 このことは必然的に、考慮に値するとぼくが考える第3のデッキを登場させる。ダストダスがデッキAで、ダスト狩りを目的としたダスト無しイベルタルがデッキBならば、デッキCは、ダストダス不在の環境を、あるいはダストダスがうまく機能していない環境を標的にしている。仮にダストダスを計算から外すことができるなら、レックエンブがまさに絶好のデッキ選択だと思う。

■なぜレックエンブなのか

 ぼくはいつも、カメックスとエンブオーデッキが環境のパワーに基準点を設定している、という前提に立ってきた。どんなデッキであっても、いったん場が完成してしまったら、あの一撃必殺の連射に立ち向かうのは難しい。
 だが残念ながら、びっくりメガホンを入れていても、ダストダスのダストオキシンにそこまで有利になるわけじゃない。ダストを考えるならカメックスの方が多少はマシなのだろうが、複数の理由から、ぼくはカメックスよりもエンブオーの方が好みだ。

 まず、ビリジオン/ゲノセクトはカメックスに有利だが、エンブオーを倒すのはほぼ不可能だ。2点目に、マフォクシーはデッキに一定の安定性を与えてくれる。これはカメックスでは代わりがきかない。マルマインは良いカードだが、マフォクシーと同じ枠で見るわけにはいかない。
 マフォクシーに関して言えば、このカードは多くのマッチアップで強力な非EXアタッカーになってくれる。カメックスでは代わりになるようなカードはいない。3つ目の、そして最大の理由はまたもやマフォクシー関連だが、レックエンブの新たな悪夢であるクリムガンに、マフォクシーがそのまま対処できる、というところにある。また、これも関係することだが、さっき言ったように、ブラックキュレムEXではメガ進化後のポケモンを倒せないが、レックウザEXならばだいぶ楽に240ダメージを出すことができる。

 レックがクリムガンに吹き飛ばされても、マフォクシーならば楽に倒し返すことができる。そしてマフォクシーを倒すには、そういったデッキはたいていEXを使わざるをえない。このことは、こちらの非EXと相手のEXの交換になることで、アドバンテージを否定しつつ、サイドレースで盛り返すことを可能にする。2枚以上のクリムガンとやりあう羽目になったら状況は若干悪化するが、相手のデッキがクリムガン1枚挿しギミックならば、カメックスデッキよりもエンブオーデッキの方が、被害ははるかに少ない。

 カメックスに関して言えば、イベルタルEXのせいで、ケルディオEXもかなり強みを失った。今ではケルディオは、ほとんどのマッチアップで大して強くないアタッカーになってしまった。エンブオーデッキはマフォクシーで同じ攻撃ができるため、現状カメックスは、エンブオーデッキのできないことはそんなにたくさんやれない上に、やや安定性にも欠く。
 以前ならケルディオは、大量のエネを咎められることもなかったために、ダストダスに対しては理に適ったアタッカーだった(これは、カメックスデッキがエンブオーデッキよりもダストダスに対して優れていた理由のひとつだった)。だが、今となってはイベルタルがケルディオに対して破壊的な仕事ができてしまうために、それも現実的なアドバンテージではなくなってしまった。

 振り返ろう。ベストデッキはイベルタル/ダストダスだ。そしてイベルタルと他の悪ポケのデッキや、登場するであろう他のアンチ特化のデッキは、イベルダストを標的にしている。そしてレックエンブが、そういったデッキを標的にしている。
 アメリカ選手権のメタゲームが、このサイクルのうち、どの段階に来るのか、予想してみるのは楽しいことだ。だが正直なところ、たとえイベント当日であっても、その判断は難しいだろう。その場を見たところで、いい加減な考察はたくさん出てくるだろうからだ。

■歴史から学ぶ

 2005年の世界大会を思い起こしてみたい。アメリカ選手権を締めくくったベストデッキは、チャーレムexのロックデッキだった〔※訳注:英語になりますが、ttp://bulbapedia.bulbagarden.net/wiki/Bright_Aura_%28TCG%29〕。
 ぼくはあのデッキが嫌いだったし、良い感触はまったく受けなかった。自分のプレイスタイルに合わなかった。また、あのデッキはあまりに目立ちすぎていた。何ヶ月も使っているようなプレイヤーとのミラーマッチは、勝ち目が薄いからやりたくなかった。

 それでぼくは、アンチチャーレムデッキが多く登場して活躍するだろうと予想した。そしてご存知のとおり、世界大会ではニドクインデッキが1位と3位を獲得した(可哀想なアダム!)〔※訳注:英語になりますが、ttp://bulbapedia.bulbagarden.net/wiki/Queendom。ちなみにアダムとは、ニドクインデッキの開発者だけど入賞できなかったAdam Capriolaというプレイヤー〕。
 デッキは当時の状況にぴったりと嵌っていたが、それは対チャーレムのマッチアップでどくどくが効果的だったからだ。わるいハガネールデッキが登場したのも、対チャーレムに相性が良かったからだ〔※訳注:英語になりますが、ttp://bbs.sixprizes.com/t/dark-steelix-rs-on/66〕。
 既存の目立つ環境最強デッキは、それを倒せると思い込んでいるプレイヤーたちがいないならば、使うのは難しい(ときに彼らは実際に倒せるのだろうが、だいたいは、最強デッキに対して、思ったようには上手くいかないものだ)。

 ぼくはチャーレムを倒せるデッキを見つけられなかった。金曜日に文字通りの徹夜をして、自家製デッキたちを、Martin Morenoの組んだチャーレムデッキに突っ込ませた。そして、1試合も勝てなかった。チャーレムに乗り換えるには遅すぎたから、問題に直面することになった。結局ぼくは、その年のRegionalsで優勝したときのデッキに戻ることにした。Rock Lockだ〔※訳注:英語になりますが、ttp://bbs.sixprizes.com/t/rock-lock-tyranitar-rr-ampharos-rr-ancient-technical-machine-rock-rs-on/63。わるいバンギラスと超古代のワザマシン岩をメインにしたデッキのこと〕。

 Alex Brosseauはやたらに勝てるのだけれど、それを除けば、Rock Lockはチャーレムにはすこぶる分が悪い。どうやってもチャーレムにぼこぼこにされるのは明らかだったから、問題解決はできなかったものの、ぼくは対チャーレムでの負けを受け入れ、それ以外には非常に相性の良いデッキでいくことにしたのだ。素のデッキパワーは非常に高かったことから、うまくいけば、どんなアンチチャーレムデッキが出てきても倒すことができるはずだった。

 この筋書きは、現在の状況にとてもよく似ている。ダストダスがチャーレムで、レックエンブがRock Lockだ。結局ぼくの05世界大会の結果は散々だったが、負け試合はツキがなかっただけだから、デッキ選択とは何の関係もない(チャーレムとは一度当たった。相手の引きが良くなくて勝てそうだったものの、負けてしまった)。ぼくはギャンブルが好きだし、こういったプレイのスタイルは、考えるだけでもまたやってみたいと思っている。

 さっきガルーラについて話していたとき、フェアリーデッキは好きじゃないと言った。フェアリーはダストダスとレックエンブには非常に相性が悪いが、国内選手権では、現実的なデッキの選択肢はその2つ、ダストダスとレックエンブだけだ。だが、フェアリーデッキは、ダストの入っていない悪デッキには非常に強いし、ダスト入りデッキには勝てるようなデッキに対しても、おそらく非常に相性が良い。だが残念ながら、ダストとレックエンブがあまり使われないだろうという読みが上手くできない限りは、フェアリーを選択肢として残すのは難しい。

■8つの考え
〔※訳注:残念ながら5つめ以降は有料記事に入るため途中で終わってしまいます〕

 ここまでぼくは、メタゲームの3つの側面について調べてきた。その意味ではぼくは多くのデッキについて知識があり、そのためアメリカ選手権向けのデッキの選択肢も持っている。いま使っているデッキリストをお見せする前に、デッキ細部ではなく、環境全体について、気がついたことをいくつか書き出してみたい。

1.ジラーチEXは株が上がっている

 ジラーチは場の組み立てが必要なデッキにとっては常に良いカードだったが、フラダリと鍛冶屋の登場で、さらに使い勝手が良くなった。デッキに1~2枚のフラダリがあり、ボールがあれば、フラダリをサーチしたのと同じターンに使うことができる(フウロで引っ張るのではそこまで役に立たない)。また、サポーター構成にも多少の変化がつけられる。

 皮肉なことに、フラダリのおかげでジラーチの価値は上がったが、一方で危険性も増してしまう。それでもジラーチは良いカードだと思うし、現状ぼくはほとんどのデッキで使っている。

2.ランダムレシーバーは使い勝手が悪くなってきた。

 オーケー、ぼくはいつもこのカードが嫌いだ。このカードはサポーターを薄めてしまうし、後半ではNを引いてもドローソースとしてはカウントできないから、まったく頼りにならない。ヤミラミを使うようなデッキでさえも(ランレシが入っているデッキにだけありがちだが)、フラダリを使いたいがゆえに、ランレシは働いてくれない。

 ただぼくは、フラダリでなくキャッチャーのままにして、ランレシとじてんしゃのエンジンを入れたバージョンのイベルダストをテストしてもいる。

3.ライチュウはメタゲームの偉大なる産物だ

 イベルタルは環境最強カードだと言った。イベルタルを本当に潰せる優秀な雷アタッカーは、あまり多くない(ボルトロスEXはプラズマでは強力なカードだが、現実的にはイベルタルEXをそこまで一撃できるわけじゃないから、ここではカウントしていない)。ライチュウはイベルタルを吹き飛ばせる上に、どこからでも飛び出していける。ワザコストは融通が利き、ダブル無色を入れているデッキなら何にでもタッチできる。

 今のメタゲームで戦えるような新デッキ登場の可能性についてはさっき触れたが、ライチュウは、そういったデッキの必要不可欠なパーツになるだろうとぼくは強く信じている。プラズマの主要兵器ルギアEXにもライチュウで対処できる。ライチュウはまた、弱点を突けないようなマッチアップでも、非EXアタッカーとして十分なダメージを出せる。

4.プラズマはよくわからないデッキだ

 このアーキタイプについてはよくわからない。このデッキは、他のデッキに比べると、だんだんと力を失っているように思える。ボルトロスEXはダメージが足りないし、デオキシスEXは特定の場面でしか強くない。ルギアEXは非常に強力だが、イベルタル対策のタッチカードに苦しめられる。ライチュウに弱点を突かれ、改造ハンマーもよく刺さる。

 以前なら、ぼくがプラズマを嫌いな理由は対エンブオーと対カメックスの相性だった。だが今ならプラズマはクリムガンを1~2枚タッチできる。それで相性がどの程度変わるのかはわからないが、5割のほうへ近づくのではないかとは思う。そしてダストダスもまた、プラズマにとっては手痛い相手だ。

 ここでのぼくのあいまいな態度は、「これはプラズマの方が有利だ」と叫べるマッチアップが見当たらないからだ。そして、プラズマが苦しむだろうと思えるデッキは多くある。フェアリーデッキでさえもプラズマにはかなり有利だ。なおのこと腹立たしいのは(ぼくはプラズマが大好きなのだが)、それぞれのデッキと戦うときに出てくる問題はすべて異なっていて、それらすべてと取り組むのは難しい、という点だ。

 それでもぼくはプラズマをTier1だと見なしているが、プラズマを使う大きな理由は見あたらない。プラズマを好きだという人にもあまり出会わない。もしもプラズマデッキの構築に目を向ける必要が出てきたら、ぼくはプラズマの構築を根本から始めるだろう。現状の構築に手を入れようとはとても思わない。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

  これ以降は有料記事のため、翻訳は以上になります。お読みいただきありがとうございました。

 考察に対しては、違和感のある部分、納得させられる部分、それぞれ多くあったと思います。
 特にビーチの有無や時間制限がメタゲームに与えている影響は、かなり大きいと感じられたのではないでしょうか。

 ビーチ入りのレックエンブは日本のプレイヤーにとって馴染みの薄いデッキですし、時間制限とカエンジシの問題も、ある意味ではとても新鮮でした。
 トップメタがイベルダストというのは日本とほぼ同じかもしれません。が、その周囲をめぐる攻防は、やはりずいぶん違っているようですね。50分3ゲーム制の練習もまた、日本勢にとっての課題なのかもしれません。
 肝心のU.S.Nationalsは、7月4~6日。果たしてどうなるのか、結果が今から楽しみです。

 余談ですが、クリムガンとあまごい系デッキをめぐる関係については、The Charizard Loungeにも記事(ttp://thecharizardlounge.com/2014/06/08/trail-to-nationals-2014-part-1-the-druddigon-dilemma-badstoise-and-the-rayboar-rennaisance/)があります。こっちの記事ではデッキリストがありますね。
うきにん大阪に行く
うきにん大阪に行く
うきにん大阪に行く
 西日本大会に参加できなかった鬱憤を晴らすため、観戦ガチ勢と化して行ってきました全国大会。
 とはいってもメインの目的はガウくんの応援です。そして結果はご存知のとおり、ガウくん準優勝でワシントン行きの切符をゲット!
 これもひとえに本人のがんばりと、ハル父さん&はるママさんの尽力あってのことだと思います。本当におめでとうございました。
(もちろん、うきにん杯主催のHPPの方々や、時和の会長さんや、日々一緒に戦っている北海道ジュニアたちがいなければできなかったことだとも思います。北海道みんなで勝ち取った準優勝だと言っても、過言ではないですよね!?)

 そして日曜日の影のMVPは完全にみやもーさんなのでした。こういうときのツイッター超便利ね。
 現地でお会いした方々、いろいろと絡んでいただいてありがとうございました。
 タイトルにコラムとつけるほどのものでもないので簡単に。

 XY1までのカードプールの話になりますが、海外でのイベルタルデッキのドロソ構成を覗き見してみます。
 イベルタル派生は概してドロソの構成に苦慮しがちですが……。

ttp://60cards.net/blog/posts/detail/132

ttp://www.sixprizes.com/2014/04/11/home-stretch-week-1-regionals-analysis-projections-ramblings/

ttp://www.sixprizes.com/2014/04/15/stellar-guidance-2014-new-england-states-spring-regionals-rewind/

ttp://thetopcut.net/2014/04/22/pookas-2014-wisconsin-regionals-report/
(ttp://youtu.be/0BVpjIwhgXM)

 どのリストを見ても、基本形は、

4 アララギ博士
4 N
2-3 じてんしゃ
2-3 ランダムレシーバー
(0-2アクロマ)

 というドロソ構成。
 日本ではイベルタル派生の中でときどき見かけるサナは、全くと言っていいほど使われていませんね。
(ビリゲノのときもそうですが、そもそも全体的に、上位に来るリストにサナが入っているのをほとんど見たことがありません)

 そういえばこの特徴的なドロソ構成、どこかで見たことがあるなと思っていたら……。

http://ukinins.diarynote.jp/201308231214055496/
(一番下のリスト)

 優勝デッキに学ぶって素敵。

 もちろん、前述したように、ここまでの話はすべてXY1までのカードプールです。
 XY2からフラダリが入ってくる以上は、ランレシの扱いにも変化が生まれるでしょう。
 その上で、海外のイベルタル派生でもドロソ構成がどのように変わっていくのか、注目したいですし、参考になる部分も多々出てくるだろうと思います。
【コラム】ビリジオン/ゲノセクトの世界
【コラム】ビリジオン/ゲノセクトの世界
 ビリジオン/ゲノセクト、英語で略して"VirGen"は、海外でも一線級の活躍をしていました。あるいは、今でもしています。特にビーチがありカメケルがトップメタのひとつとして君臨している海外では、発売以来、メタの一角を占め続けてきました。
 XY1までのメタならば、イベルダーク派生、ビリゲノ派生、あまごい系(カメ・エンブ)、で3大メタを形成していました。

 XY2が炎メインのパックであるためか、はたまたRegionalsが終わったからか、4月はビリゲノについての記事が多く出ていました(アメリカでのXY2は5月7日発売)。
 今回は、翻訳ではないのですが、それらの記事をざっと見ていきたいと思います。

 まずはタイトルの和訳に困るこの記事から。

“I’m no Virgin to VirGen”- 3 Ways to Run Virizion/Genesect
by Jose Marrero
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/134

 SixPrizesの有名ライターJay Hornungをして「現状ビリゲノを一番極めているプレイヤー」と言わしめたJose Marreroの記事です。
 元記事にはマッチアップごとの相性差まで出ています。が、書き起こすと長いので気になる方は原文をぜひ(英語関係なく読み取れます)。
 全体的な傾向で言えば、カメケルには有利、イベルダーク派生とプラズマに微有利、というのがおおむねの共通認識のようです。ダークライ系に有利というのはあちらで以前から言われていたことですが、このイベルダークに微有利という部分が、ビリゲノがメタの一角を占め続けている要因のひとつになっているのでしょう。

 ここでは掲載レシピ3つを書き起こしてみます。

4 ビリジオンEX
3 ゲノセクトEX
2 ロゼリア
2 ロズレイド(SZD)
1 フワンテ
1 フワライド(BW5)

4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
2 ダークトリニティ

3 ちからのハチマキ
3 スカイアローブリッジ
3 エネルギーつけかえ
2 改造ハンマー
2 レベルボール
2 ハイパーボール
1 ツールスクラッパー
1 すごいつりざお
1 Gブースター

10 草エネルギー
4 プラズマエネルギー

 最初のものはロズレイド型。これはRyan Sabelhausという強豪プレイヤー(過去にこのDNでも何度か名前が出ています)が使って結果を残したことで知られる形で、本人のリストは別の記事(ttp://60cards.net/blog/posts/detail/139)で見られます。
 言及されているロズレイドの採用理由は安定性。ゲーム中盤で特定のカードを引いてくるのに活躍するし、Gブースターを引くのにも使えるそうです。2ターン目エメラルドスラッシュの確率上昇にもなるようです。
 日本ではそこまで多く見かけなかった形ですが、覚えておくと他デッキでも役立つテクニックかもしれません。
 ちなみに改造ハンマーは、あまごい系以外に対してなら何にでも刺さるそうです。

 このロズレイド型の派生に関しては、Jay Hornungも自分の記事の最後の箇所(ttp://www.sixprizes.com/2014/04/18/out-of-the-frying-pan-and-into-the-flashfire-stories-from-states-and-regionals-with-thoughts-on-the-new-set/)で触れています。
 Jay Hornungのリストは2ターン目の確実なエメラルドスラッシュを目指したサポ構成が特徴的です。

 続いてフワライド型。

4 ビリジオンEX
3 ゲノセクトEX
2 フワンテ
2 フワライド(BW5)
1 バリヤード
1 ジラーチEX

4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
2 ダークトリニティ

3 ハイパーボール
3 ちからのハチマキ
3 エネルギーつけかえ
2 改造ハンマー
2 ポケモンいれかえ
1 あなぬけのヒモ
1 レベルボール
1 すごいつりざお
1 ツールスクラッパー
1 Gブースター

10 草エネルギー
4 プラズマエネルギー

 日本にいる我々にとっては、去年の春のビリゲノフワライド(ttp://www.pokemon-card.com/blog/2013/06/000332.html)が記憶に新しいのではないでしょうか。
 キャッチャーの効果は変わってしまいましたが、相変わらずプラズマには耐性がついてるよ、ということのようです。

 3つめはライチュウ型。

4 ビリジオンEX
3 ゲノセクトEX
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
1 ジラーチEX

4 アララギ博士
4 N
3 フウロ
2 アクロマ
2 ダークトリニティ

4 どくさいみん光線
3 ちからのハチマキ
3 エネルギーつけかえ
2 タチワキシティジム
3 ハイパーボール
1 ポケモンいれかえ
1 ツールスクラッパー
1 すごいつりざお
1 Gブースター

10 草エネルギー
4 プラズマエネルギー

 ライチュウはもちろんイベルタルを見ての採用ですが、ビリゲノにとって面倒な相手であるルギアEXの弱点を突くこともできます。
 EXばかりのビリゲノにあって、サイドを奇数にできる非EXアタッカーの採用が大切である旨も記事では言及されいます(非EXが絡んだサイド奇数のゲームは、7-prize gameと呼んだりします)。
 もちろん、逃げる0も偉いですね。
 Regionalsでは複数のトップ8入賞を出していて、現状ではビリゲノ派生の中ではもっとも多い形かもしれません。

 ここまでは通常のビリゲノの派生系を紹介してみました。
 最後に、ちょっと変わったビリゲノを見てみたいと思います。
 記事は、あまり馴染みのないかもしれないブログ、Celadon City Gymから。

The WillGen Experiment
by Brit Pybas
ttp://celadoncitygym.com/the-willgen-experiement/

3 ビリジオンEX
3 ゲノセクトEX
3 デオキシスEX
2 シンボラー
1 パルキアEX

4 アララギ博士
4 N
4 フウロ
1 アクロマ
2 ダークトリニティ

3 ちからのハチマキ
3 ハイパーボール
2 スカイアローブリッジ
2 アクロママシーン
2 エネルギーつけかえ
1 はかせのてがみ
1 すごいつりざお
1 ツールスクラッパー
1 Gブースター
1 プラズマ団のモンスターボール
1 ポケモンいれかえ
1 かるいし

9 草エネルギー
4 プラズマエネルギー
1 超エネルギー

 こちらも有名プレイヤーのBrit Pybasが紹介しているのは、"WillGen"と呼ばれる形のビリゲノ。
 もとはWilliam Compereというシニアプレイヤーのレポート中にあったデッキですが、それが大きなお兄ちゃんプレイヤーたちの目に留まり、一気に話題になったという経緯があります。そういうの、なんか良いですよね。
 パルキアEXは、レックエンブのレックEXやカメケルのブラックキュレムEXを一撃できるカード。パルキアシンボラーとして動くこともできます。
 ひっそりと投入された超エネのおかげで、シンボラーやデオキシスまでアタックに行けます。
(海外では、日本以上に神秘シンボラーが高く評価されているふしがあります)
 僕も非常に面白いデッキだと思うのですが、ただしBrit Pybas本人も記事中で、「きちんと動いているメタゲームの中でなら、この修正版のリストでかなり上手くいくと思う。けれども、ロズレイド型やマルマイン型のような安定性重視の形より優れているのかどうかは、よくわからない」と言っています。
 とはいえ、細かなシナジーに溢れていて、アイディアの詰まったデッキだと思います。
 既存のデッキにも新しい切り口があるんだなと思える、良い参考例なのではないでしょうか。

 最後の最後は、こんな対戦動画をご紹介。

Wisconsin Regionals 2014 Finals Ben Potter (Virizion) vs Dustin Zimmerman (Virizion)

ttp://youtu.be/17ZVSgyzX_g

 強豪プレイヤー同士のRegionals決勝戦。ロズレイド型対ライチュウ型のテクニカルな斬り合いをどうぞご覧あれ。
【翻訳】No.005:私のポケカライフ2002
【翻訳】No.005:私のポケカライフ2002
【翻訳】No.005:私のポケカライフ2002
 今回は60cards.netから。
 すっかりお馴染みになりましたが、大和さんの5番目の記事の翻訳になります。
 今回の記事は前回の続きで、2002年の後半戦。日本一決定戦に臨む大和さんの、デッキ選びとその際の考え方がメインになっています。
 出てくるカードはすべてe時代のものですが、レギュレーションを逆手に取ったデッキ選びや、カード投入の理由など、どれも必ず参考になるものになっています。この台詞、毎回言っている気もするのですが、今回は本当に具体的なアイディアが詰まっていると思います。あのカードを4投!

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
 テキストの引用は前回同様ポケモンWikiからです。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

No.005 My Pokemoncard Life 2002
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Saturday, May 10, 2014
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/141

 みなさんお久しぶりです! チームアチャモの大和です。
「大和のポケカライフ」はこれが5番目の記事になりますが、今回は、2002年の後半についてです。

 話を始める前に、前回記事をざっとおさらいしてみましょう。2002年春の大会で負けてしまったあと、私は夏の大会でリベンジを果たします。ハッサム(e3)が暴れまわっている中、東北大会で、優勝することができたのです。そうして、各地の優勝者だけが参加できる「日本一決定戦」への出場権を得ることができました。この記事では、そのときに何のデッキを選んだのか、その理由は何だったのかについて書きたいと思います。

 夏の大会と日本一決定戦では、フォーマットもルールも変わりませんでした。フォーマットとルールに関しては、前回記事を見てください(ttp://60cards.net/blog/posts/detail/126)。日本一決定戦は、ポケモンセンタートウキョーもある、浜松町で開催されました。年齢区分は、世界大会同様、ジュニア、シニア、マスターの3つです。そのときの私は高校3年生、つまりはシニア最終年でした。それはまた、大学受験の準備をしなければならない、ということでもあります(他の国でも、たいてい受験はこの年齢だと思います……)。高校3年生にとって夏休みは休みではありませんし、ほとんどの生徒は、遊び歩くよりも勉強をしていました。ならば私は? 時間はポケカに使っていました! 私にとってポケカは勉強よりもずっと大事でしたし、日本一決定戦と同日だった模試に出られなくても、まったく気にしていませんでした。

※※警告※※
 この記事を読んでも、絶対に私のマネはしないでください。大切なのは勉強です! ポケカと勉強、ちゃんと両立させてくださいね!

 大会は2日間に渡って開催されました。初日が日本一決定戦、そして2日目は、2000年から2007年まで行われていたチャンピオンズリーグで、システムも特別でした。チャンピオンズリーグに出るためには、前回のチャンピオンズリーグで4位以内に入るか、日本一決定戦で4位以内に入るか、どちらかが必要でした。ということは、初日の日本一決定戦で4位に残れなかったプレイヤーは、2日目は何もやることがなくなってしまうのです。また、チャンピオンズリーグの参加者になっていた場合は、1~2年に1度開催されるチャンピオンズリーグを除き、他の大会には出ることができませんでした。

 この制限にも関わらず、チャンピオンズリーグはすべてが特別でした。ルール、場所、参加者、そして賞品。それほどの特別な大会だったために、当時の私には参加する権利がなかったのです。

 東北大会で優勝したあと、私は日本一決定戦で何のデッキを使うべきか真剣に考え始めました。ハッサム(e3)とアンチハッサムのデッキの両方に勝てるデッキ、というのが一番重要なポイントでした。

 選択肢は、ゲンガー(e1)/オーダイル(e1)か、デンリュウ(e1)/キュウコン(e1)でした。ミュウ(e1)をゲンガー/オーダイルに加えればハッサムに勝てるというのは、前回大会で証明されたことでしたが(詳細は前回記事を見てください)、しかし実際は、こっちがミュウを使っていると相手が知っていたならば、ハッサムでもミュウには勝てるということがわかりました。また、ハッサムは、たとえエネがあまりついていなくても、ゲンガー/オーダイルを突破できるだけの速度がありました。それでも、相手が読んでさえいなければ、ミュウは依然としてハッサムを倒すことができました。

 結果として、ゲンガー/オーダイルを使うべきか否かを決める助けになったのは、大会のルールだったのです。今回の大会では、各地域の優勝者9人で総当たりをして優勝者を決めます。ということは、プレイヤーたちは他のプレイヤーが何を使っているのかを見るチャンスがあるというわけで、必然的に周囲は私がミュウを入れているとわかってしまうのです。ハッサムを使うプレイヤーが、私のデッキにはミュウが入っているといったん理解してしまえば、ハッサムは簡単に私のデッキを倒せてしまうでしょう。そのため私は、このデッキを使わないことに決めました。

 私が使おうとしていたもうひとつのデッキは、デンリュウ/キュウコンでした。キュウコンのワザ、よみのほのお(無無無 30+ 自分についている「炎」エネルギーカードを、すべてトラッシュする。その後、トラッシュした枚数×20ダメージを追加する)の火力があれば、どんなポケモンでも倒すことができます。このワザはすべての炎エネルギーをトラッシュしなければなりませんが、デンリュウが場にいれば、ポケパワーのエナジーコネクト(この力は、自分の番に何回でも使うことができる。自分のベンチポケモンについている「基本エネルギーカード」を1枚選び、自分のバトルポケモンにつけ替える。このポケモンが「特殊状態」のとき、この力を使うことはできない)でサポートすることができました。プレイテストをしてみると、キュウコンは優れたアタッカーではあるものの、場のエネルギーを維持するのが難しいということがわかりました。言うなればバシャーモ(ADV1)やシビビール(BW2)がいないようなもので、そのためこのデッキは安定しない、という結論に至りました。

 これら2点から、私は新しいデッキを作ることにしました。バクフーン(e1)/キュウコンです。今でこそこういったタイプのデッキはよく見かけるものになっていますが、当時は、エネルギーサポート/アタッカーのようなデッキは環境に存在していなかったのです。たとえこの手のデッキを誰かが前に思いついていたとしても、おそらく、大会で使ったのは私が一番最初だろうと思います。

 バクフーンのポケパワー、ヒートアップ(この力は、自分の場のポケモン全員についている「エネルギーカード」の合計枚数が、相手の場のポケモン全員についている「エネルギーカード」の合計枚数より少ないとき、自分の番ごとに1回使うことができる。自分の山札から[炎]エネルギーカードを1枚選び出し、自分のベンチポケモンにつける。その後、その山札をよく切る。このポケモンが「特殊状態」のとき、この力を使うことはできない)を使うと、山札から炎エネを1枚ベンチポケモンに貼ることができます。このポケパワーは、自分の場のエネ総数が相手の場のエネ総数より少ないときにしか使えないものだったために、通常は、相手に場のエネ枚数をコントロールされてしまい、使うのが難しかったのです。また、炎エネを貼れるのは山札からだけだったため、いったんエネがなくなると使うことができず、つまりは使える回数が制限されていたのです。そのため、これらの点から、バクフーンは大会で見かけることがありませんでした。

 ではなぜ私は使おうとしたのでしょうか。それは、キュウコンがいればこのポケパワーを使うのは容易だったからです。キュウコンのよみのほのおを使えば炎エネはすべてトラッシュされるため、必然的に相手よりエネの枚数は少なくなります。たとえ相手の場にエネが1枚もなかったとしても、そこまで問題にはなりません。その場合は、相手が困った状況にあるということだからです。とはいえこのデッキで問題になるのは、炎エネを使い切ってしまったときです。キュウコンは毎回3枚の炎エネを消費するため、猛烈な速度で炎エネを使い切るのは明らかでした。この問題を何とかするために、普通ならやらないのですが、私は町のボランティアを4枚入れました。
〔※訳注:町のボランティアは、トラッシュのポケモンと基本エネを合計5枚山札に戻せるサポーター〕

 明らかにこのデッキはハッサムには圧倒的に有利です。ただ、ハッサムにはたいていサブアタッカーとして水ポケモンが入っています。そんなサブアタッカーに負けていては、このデッキを使った意味がありません。そこで、水に対処するため、デッキにはモンジャラ(e3)を1枚加えました。モンジャラはHPが60あり、水抵抗を持っています。そのため1ターンでは倒されず、そのあいだに場を揃えることができました。

 いったん場が揃ってしまえば、水タイプのサブアタッカーでも倒すことは難しくありません。このデッキなら、水メインのデッキにさえ当たらなければ負けないだろうと結論付けた私は、これを日本一決定戦で使うことに決めました。下記のデッキは、私が使ったもののサンプルリストです(非常に申し訳ないのですが、このとき使った正確なリストはメモしておかなかったんです)。

4 ロコン
4 キュウコン
4 ヒノアラシ
4 マグマラシ
4 バクフーン
1 モンジャラ

4 オーキドはかせの研究
4 モノマネむすめ
4 マサキのメンテナンス
4 町のボランティア
2 ウツギはかせの育てかた

4 デュアルボール
2 ポケモンいれかえ

15 炎エネルギー

 日本一決定戦に参加するのは今回が2度目だったので、前回よりはかなり良い状態で、落ち着いて大会に臨めました。自分の気持ちをコントロールするというのは、とても大切なことです。気分が落ち着いていないと、特に頭と身体が疲れてきますし、そうすると結果として悪影響が出てきてしまいます。今回の私は、非常にうまく自分自身をコントロールできていました。緊張してしまったときは、いつも頭の中で自分にこう言いました。「緊張する要素がどこにある? ないなら、緊張なんてするんじゃない」。こういうふうにして、気持ちを落ち着かせ、自分をコントロールすることができたのです。

 自分自身をコントロールできるというのは、不可欠なスキルだと思います。もしもそういったことが得意でないのならば、自分自身をコントロールする自分なりのやり方を見つけてみてください。

 シニアリーグには、自分を含め9人が参加していました。米田さんはジュニアに、神田さんはシニアに、そして菅野さんはマスターに参加していました。この3人は、近い将来チームアチャモに入ることになるプレイヤーたちですが、このときの私は米田さんを除いた2人とは面識がありませんでした。

 さて、とうとう日本一決定戦が始まります! 私はオリジナルのデッキを組めたことがものすごくうれしくて、そのデッキでどこまでやれるのかが待ち切れませんでした。どんなデッキと当たるんでしょうか。そして、自分は何位になれるんでしょうか。

 記事が思ったより長くなってしまったので、日本一決定戦とチャンピオンズリーグについては次回にしたいと思います。
 6番目の記事もお楽しみに。また次回お会いしましょう!

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 記事中盤には学生プレイヤーにとって耳の痛いアドバイスがあったかもしれませんw
 特に高校生プレイヤーならば、英語記事の原文なんかを読んでみると、ポケカと勉強が両立できて良いかもしれませんね。

 別に60cards運営陣を恨むわけではないのですが、この記事、横浜前に訳せていたら……と思う部分がないわけではありませんwでも大阪前には間に合ってよかったです。
プラズマと横浜をめぐる旅
プラズマと横浜をめぐる旅
プラズマと横浜をめぐる旅
 初日トーナメント2回戦で負けました。
 お互いサイド1、相手の場に残りHP50のカエンジシ1体のみ、こちらの山札に残りの毒1枚で、その毒を引く前に削り切られました。相手も対プラズマの動きをきっちりやっていたので、良い対戦ができたと思います。
 ものすごい悔しいですが、限られた調整時間の中、やるだけやったかなという感じです。
 デッキはもちろんプラズマ。だってプラズマ大好きだもの。

4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
2 キュレム
1 ゲノセクトEX
1 ランドロスEX

4 プラターヌ博士
4 N
4 フラダリ
3 フウロ
1 ベル

4 どくさいみん光線
3 ハイパーボール
3 アクロママシーン
3 ちからのハチマキ
2 あなぬけのヒモ
2 タチワキシティジム
1 プラズマ団のモンスターボール
1 ポケモンいれかえ
1 スクランブルスイッチ

4 プリズムエネルギー
4 レインボーエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 雷エネルギー

 我ながらこのサポ構成は明らかにおかしいのですが、これでデッキが動いちゃうからポケカってよくわからない。いくらフラダリの半分はドロソでできているとはいえ……でもフラダリ4入れたかったし、場だけで繋がるデッキだし。たぶん3に抑えて他入れるのが正解なのでしょう。プラズマの答えは誰かが大阪で見せてくれるはず。

 ここからは旅行編!
 ノータッチの殿堂は完全スルーして、2日目は午前中から横浜観光突撃です。

 泊まっていたおでこ宅を出て、電車を乗り継いで向かった先は元町中華街駅。でも中華街よりも見たかったのは山手地区です。歴史好き兼西洋かぶれにはたまらない場所ですね。
 行ってから気づいたのですが、横浜の山手のあたりはコクリコ坂からの舞台になっているそうで、いろいろな場所に案内がありました(あの映画、評判はあんまり良くないですが個人的にはけっこう好きです)。
 ただ、それ以上に目に付いたのはバラの花です。山手近辺には複数のローズガーデンがあるのですが、それらがちょうど見頃を迎えていました。
 写真のバラは、港の見える丘公園にあるローズガーデン。ここ、たぶんバラを見るためだけでも行く価値があると思います。【写真1】

 そこから少し移動して、外国人墓地→洋館群→元町公園のルート。外国人墓地はぜひ訪れておきたかったので、中には入れないのですが、恐れ多くも垣根の上から写真をぱちり。【写真2】
 このあたりの洋館群は流石というか、日本とは思えない光景が広がっています。まあ観光地として整備されているがゆえなのですが、目の保養には良いですね。【写真3】
 おまけで元町公園に行った目的は、ジェラールの地下貯水槽という誰に需要があるのか不明な観光地に行くため。もちろん誰もおらず、一人で満足して離脱しました。

 ブログの写真枚数の制限が来たのでここからは手短に。定番コースのマリンタワー→氷川丸と寄ったのですが、氷川丸は思っていたよりも良かったです。当時の客室を見るとテンションが上がりますね。マリンタワーは昼間なのにカップルばっかりで泣きそうになってました。
 午後は大混雑の中華街でお昼を食べて、観覧車とレンガ倉庫を眺めつつ徒歩で会場に帰りました。14時過ぎに行ってあの混雑なら、昼飯時は推して知るべしです。

 ここ数日間はお財布の紐が全開状態でした。後が怖いですね。
 でも横浜は抜群に楽しめました。随所から漂う圧倒的おしゃれ感も素晴らしかったです。この街住みたいなあ、みたいな。無理か。

 会場でお会いした方々、お疲れさまでした&ありがとうございました!
 1ヶ月ぶりのポケカから3-2-1の残念勢でした。勝てば抜けだった最後は格の違いを見せ付けられての圧敗です。負けた2戦ともイベルダストなので、もう少し何とかできただろうとは思います。
 デッキはプラズマ。メタ的に強いのは確かなのですが、今回は変化球というか、やりたいことを詰め込んでみました。

4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
2 ゲノセクトEX
2 キュレム

4 プラターヌ博士
4 N
4 フウロ
2 アクロマ
2 ダークトリニティ

4 どくさいみん光線
3 アクロママシーン
3 ちからのハチマキ
2 あなぬけのヒモ
2 ポケモンいれかえ
2 タチワキシティジム
2 ハイパーボール
1 プラズマ団のモンスターボール
1 Gブースター

4 プリズムエネルギー
4 レインボーエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 雷エネルギー

 デッキの元ネタはKyle Sucevichが晒してたプラズマ(ttp://thetopcut.net/2014/04/11/pokemon-tcg-online-plasma-kyurem-deck/)です。
 元ネタだと非EX3体運用になっているのですが、ワンパン環境で非EXに3体ぶんもリソース割いていられないので、キュレム2体のみ(非EX1体運用)にしました。これは正しかったと思います。
 今の環境は、混沌としているように見えて、どのデッキもやっていることは基本的に相手をどんな方法でワンパン圏内に持ち込むかです。
 そうなると、毒タチワキとハチマキが両方絡んだプラズマのクロックの早さは生きてきます。また、現環境ではデオキEXの攻撃力が異常に高いので、虹4のエネ配分は理に適っていました(素張りしたときの残りHPの奇数→偶数は注意が必要ですが)。ボルトとデオキと毒とハチマキだけで攻撃が成立してしまいます。

 サポ構成はJay Hornungのビリゲノ(ttp://www.sixprizes.com/2014/04/18/out-of-the-frying-pan-and-into-the-flashfire-stories-from-states-and-regionals-with-thoughts-on-the-new-set/)を参考に、というかパクりました。N耐性がちょっと落ちるのですが、このデッキなら序中盤のフウロ強いし、トリニティで出来ること多いし、という開き直りです。使い勝手は思いのほか良好でしたが、ビリゲノの流用なので改善の余地はありそうです。

 フラダリもスクラッパーも入れていないのですが、Gブースター型にしたので単純にスペースの問題があったのと、中途半端なフラダリって一番役に立たないのでいっそ全部抜いてしまえ、という感じでした。プラズマに入れるなら動きとコンセプトを明確にした上での多めの投入になるだろうと思います(たぶん)。スクラッパーはそもそも弱いので入れてません。

 当日お会いした方々、そして運営の方々、楽しい大会をどうもありがとうございました!
 横浜でもよろしくお願いいたします。
 気づいたらアクセスがそんな数になっていました。いつもお読みいただきありがとうございます。
 翻訳系の記事の閲覧数の伸びが毎回すごくて、更新している側としてはうれしい限りです。
 今後はもとから少ない更新頻度がさらに減りそうですが、DNは細々と続けていく予定なので、時間があれば読んでやってください。

 リザードンメガバトルは横浜だけ参加します。たぶん。
【翻訳】「使っていて面白い」実戦寄りカード、トップ25(前編)
【翻訳】「使っていて面白い」実戦寄りカード、トップ25(前編)
 今回は60cards.netから。
 たまにはこういうのも良いよねということで、使っていて面白いカードを独断で選んじゃおう的な記事です。
 実戦寄りという謎の日本語を直訳でタイトルに入れてしまいましたが、要するに、大会やメタ内デッキでかなり使われてたよ、というカードたちです。

 登場するカードはADVから現在まで。とはいえ、お読みの方にとっても大半は馴染みのあるカードだろうと思います。
 ぜひ懐かしい気分に浸りながらお読みいただければと思います。
 また、少し長めですが、序文もかなり示唆に富んでいます。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Top 25 Most "Fun to Play" Competitive Cards of All Time! (25-16)
by Joao Lopes
Monday, April 15, 2014
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/135


 この記事を読んでいるのは、たぶんポケカを競技レベルでやっている人だろう。それでも、あなただってポケカは楽しむためにやっているのだから、これを読むのも無駄ではないはずだ。とはいえ、すべての対戦が楽しいとは限らない。より具体的に言えば、すべてのデッキが、あるいはマッチアップが楽しいとは限らない。ときには世界大会の決勝にもふさわしいような、リードしたりされたりのすばらしい対戦ができたりする。しかしあるときには、プレイヤーのあいだに何のやり合いもないような、つまらない対戦になったりもする。
〔※訳注:この後"interactive"という語が頻出します。「やり合い」と訳したり「相互性」と訳したりしてますが、すべて同じ語です。カタカナ語の「インタラクティブ」なので、その意味で取っていただければ〕

 これは、デッキに入っているカードに理由がある。使い方に多くの可能性がある複雑なカードもあれば、その一方で、機能がひとつだけのシンプルなカードもある。特定の戦略を必要とするカードもあれば、使い方が単純で1枚で場を制圧できてしまうようなカードもある。実際、ただひたすらに強いカードもあり、強力なパワーを抱えているときの心地良さは誰にも否定はできない。それでも、競技レベルでの対戦なら、そういった強いパワーを相手にして制圧してみたいと思うだろうし、対戦相手がこちらに向けてやってくることに対して、ギアを切り替え、どうにか対処したいと思うものだろう。

 例を挙げてこのことを分析してみよう。現行のカメックスデッキだ。
 まず初めに、ひとつ明確にしておきたい。もし自分がカメックスデッキを批判しているように見えたとしても、実際はそうではない。カメックスのことを強力なデッキだと思っているだけでなく、手堅く、無難な選択で(一部の人には値段が張り過ぎるけれども)、この環境で決して飛びぬけ過ぎているわけでもない。

 それを踏まえた上で、カメックスデッキというのは、ポケカにおいて、ヤミラミやユクシーの即死デッキ以来の、最もプレイヤー間のやり合いがないデッキだ。カゲボウズデッキのほうが、これよりもまだ相互性や柔軟性があった。確かにこれはずいぶんと思い切った言い方かもしれないが、実際のところ否定できるだろうか? ポケカにおいて、セットアップを使ったデッキは、他のどんな戦略よりもソリティア的だ。それに、直線的な進化戦略のせいで、かつての古いデッキも、オートパイロット的に相手を一撃で倒していってしまう。思い出の中では違うかもしれないが、思い出とは得てしてそういうものだ。

 カメックスデッキは、相手のプレイや、その他の細かなことにはリアクションを取らない。カメックスデッキを使うということは、同じ動作を何度も何度もひたすら繰り返すということだ。
 間違えないでほしいのは、これは、同じワザを何度も何度も使っているからではなく(確かにこのデッキ内のカードは、対戦中、ひとつのワザしか使わないのだが)、そうではなくて、相互性に欠けるからなのだ。やっていることは強力だけれども、オートマチックだ。相手が何をぶつけてこようとも、こちらのやることは変わらないし、ゲーム開始からずっと、相手のほうも、こちらが違うことをやるだろうとは考えないだろう。カメックスのようなデッキを使うのは、単純なスクリプトに沿って動くロボットになったような気分になる。

 このように言い表そう。これらのようなデッキは、シチュエーションやマッチアップに関わらず、常に同じゲーム状況を作り出す。

 こういったタイプのカードを使っているときに嫌になるのは、その脆さだ。やっていることがオートマチックなら、すべては予想可能で、容易に対抗できるものになる。相手のやってくることに対して応じたりする余裕はない。柔軟性がないのだ。あたかも、単純なループ構造に嵌っているようなものだ。
 そして、お願いだから、直接的な対策カードの話はしないでほしい。ダストが場にいる? スクラッパーで剥がしてしまえ。凍てついた街が出てる? 追加のビーチを出せばいい。そうだ、それがオートマチックということなのだ。
 カメックスデッキを面白くするための方法がほしい? ダストに対してスクラッパーを使ったり、凍てついた街に対してビーチを使ったり、そういうのをやめることだ。そうすれば、エネの数を数える必要が出てくるし、場のダメージをコントロールする必要が出てくるし、相手のやってくることをめぐってプレイする必要が出てくる。これが相互性ということだ。

 ここでまた、面白さの定義を持ち出してみたい。なかには、デッキ全体を使い切って1ターン目で相手のポケモンをすべて吹き飛ばすようなデッキを使うのが好きな人がいる。そして認めざるを得ないけれども、そこには楽しさもある(無制限レギュ……永遠に使用可能レギュにはならないだろうね)。確かにその通り、場を組み上げ、対戦を通じて大量のダメージを吐き出し続けるのは楽しいし、非常に強力な戦略だ。
 面白く、相互性のあるデッキは、相互性のあるカードがあってこそだ。ブラックキュレムEXはある意味で単純なカードで、対戦相手との関わりといえば、180点が乗るまでダメージを食らい続けるということになる。しかしながら、相手のやってくることに対してある種のコミュニケーションを提供してくれるカードも存在する。そういったカードを中心に据えたデッキは、最終的に、使っていてより楽しいものになる。

 現行のカメックスデッキとBLSがその好例だ。どちらも、相手を一撃で倒すためにエネ加速を使い倒す。それでも、それを達成する方法と、そのために用いるカードは、片方をもう片方よりもずっと相互性のあるデッキにしている。〔※訳注:BLSは2006のカメルギ。もちろん筆者はカメケルよりBLSの方がずっとインタラクティブだよと言っているわけです〕

 これは個人的な意見だから、同意は得られないだろうと思う。意見や自分自身の面白カードリストはコメント欄まで気軽に投稿してほしい。
 さて、ともあれ、ポケカ史上において、使っていて面白いカードトップ25を見て行こう。

25.ワープエネルギー

 特殊エネルギーはいつも面白いカードだ。プリズムやレインボーエネなどはデッキのエネ構成に安定性を付与してくれるし、エネを貼る上で追加効果をもたらしてくれるものもある。後者のほうは、エネ色の調整エネルギーたちよりも良い仕事をしてくれるとは限らないものの、間違いなく最高に面白いし、ゲームを変えてくれる。

 ワープエネルギーのようなカードの価値は、エネを貼ったとき、通常のエネのほかに、実質タダでトレーナーカードを使えるというところにある。アタッカーにエネを貼れるだけでなく、タダのポケモンいれかえ、なんでもなおし、そしてポケモンサーキュレーターになりさえする〔※訳注:最後のはサイクロンエネですね〕。

 このうち、どれが最も便利な効果だろうか。
 いずれにしてもひとつ示さなければならないなら、いれかえ系効果だろう。

 いれかえ系カードはいつも必要とされてきた。ポケモンいれかえのようなカードはずっと存在してきたものの、60というデッキ枚数は、使いたいものを全部入れるには足りない。
この種の柔軟性を加えられるというのは、デッキ構築においても、実際のプレイにおいてもすばらしいことだ。
 ワープエネルギーはトレーナーロック下でもいれかえ効果を与えてくれるし、ドータクンGとポケターンでコンボになったりもする。そのような柔軟性のあるカードは、使っていて面白いものだ。

24.N/ロケット団の幹部

 柔軟性はこのリストにおいて共通のテーマになりそうだ。柔軟性のあるカードを評価しているのは、それが競技レベルの対戦の状況を面白くしてくれるからだ。改めて言えば、このリストは個人的な意見を反映したものであって、他のプレイヤーが面白いと考えるカードとは違っているかもしれない。

 このカードは、ほぼ柔軟性の定義そのもののようなものだ。ゲーム序盤で強く、ゲーム終盤ではさらに良いカードになる? 大歓迎じゃないか。
 ここの部分は2枚のカードで成り立っている。カード名が違っていても、効果は全く同じだからだ〔※訳注:厳密に言えば違いますね〕。ポケカへのインパクトの大きさは? ほぼ同じほどがあった。
 なぜそうなったのだろうか。この2枚は全く異なったフォーマット下で生まれたというのに。

 Nを撃たれて手札が1枚になった? ひどい状況だが、とりあえずデッキトップから、アララギか、アクロマか、ときにはじてんしゃを引くのを祈ることはできる。
 幹部を撃たれた? ドローエンジン(ピジョット等)がまだ生きていればいいが、さもなくば、このような強力な効果を止められるカードはほとんどない。

 その一方で、サポーターが特定のリソースを引くために使われていた2005/2006のデッキに比べれば、個々のサポーターが遥かに強力になった現在は、Nは信頼のおけるカードだ。
 どちらのカードも、信頼のおけるリカバリーカードになってくれる。ひどいスタートから巻き返したり、より複雑な戦略を持った遅いデッキでもメリットを産むことができれば、ゲームをより楽しく、多様なものにしてくれる。この2枚は、ゲームの巻き返しを図る上で、面白く信頼のおける手段をもたらしてくれるのだ。

23.ネンドール(DP4)

 このカードはみんなの心の中で特別な位置を占めているだろうか? その通り……だが全員というわけじゃない。この不気味な人形が使えた頃も、使わなかった人はいる。

 ポケカにおいて、ピジョットは、ポケモンのカードがベースになった初の支配的ドローエンジンだった。この鳥の神様は、「貝の化石」教の預言者になる前に、TCGで愛されていたのだ。〔※訳注:貝の化石(Helix Fossil)教は、Twitch Plays Pokemonで生まれたネタ宗教〕

 鳥は強力だった。ではネンドールは? それより遥かに強力だった。
 まず何より、ネンドールは1進化だ。早く場に出せるし、アメを使わないことで、1進化デッキや、たね中心デッキでさえも使うことができる。
 また、ネンドールは特定のカードをサーチするのではなく、手札を満タンにしてくれる。特定の解答が必要なときならピジョットは優秀だが、場を組み立てたいときなら、カードは2枚以上ほしいし、手札をリソースでいっぱいにしたい。ネンドールはまさにそういったものをもたらしてくれる。大量のカードを引いて、多くの選択肢を与えてくれるのだ。

 最後にもうひとつ、手札をいっぱいにできれば、ジャッジマンやギンガ団の賭けを使ったときに面白いことになる。不利益を蒙ることがないし、相手から使われても効果を回避することができる。
 また、山札切れを防ぐことさえできる。総じて、ネンドールは面白いカードだし、偉大なカードだ。

22.ワープポイント

 あなぬけのヒモは良いカードだが、果たして歴代の面白いカードを考えたとき、それが心をよぎったりしただろうか? とはいえ、時代は違っている。

 かつての遅いフォーマットでは、相手のバトル場を入れ替えるカードは他にはなかった。初手のスタートポケモンや時間稼ぎ役は多くの場合で仕事を果たしていて、何度かワザを使ったり、ときにはターン全部を無駄にさせたりした。それに加えて、たいていのアタッカーは逃げるコストが重く、しかも、かるいしも、ケルディオEXも、ダークライEXもなかった。あったのはポケモンいれかえだけだ。

 ワープポイントは、逃げるコストの重いアタッカーや特殊状態にとっての解決策になったし、面倒くさい時間稼ぎ役をバトル場からどかすこともできた。1枚のワープポイントだけで流れがすっかり変わってしまう対戦も多々あった。
 現代では、バトル場から逃げたり、相手の場を操作するのは容易いことから、あなぬけのヒモはかつてほど価値があるわけではない。それでも当時は、ワープポイントは使っていてとても面白かった。

21.ジラーチ(PCG2)

 個人的には初手スタート用ポケモンがあまり好きではない。そういったカードは序盤では価値があるものの、対戦が進行するにつれ用済みになっていく。それでも、場の組み立てを助け、対戦の残りの時間でも役に立つ初手用ポケモンなら好きだ。

 ジラーチは小型エンジンだ。他のたいていの初手用ポケモンと違い、ジラーチはたねやエネを引いてくるわけでもないし、場の組み立て用の進化ポケモンを引くこともない。このカードは、必要なリソースを手に入れるのを手助けしてくれるのだ。序盤では場の組み立て用カードを、対戦終盤では、重要なトレーナーカードを。

 この願い星ポケモンは、デッキの動きを良くするカードトップ5には入るだろうが、ぶっ壊れているわけではない。このカードにはコインフリップをめぐる嫌な欠点があるし、ただの運頼みは決して楽しくはない。使っていて本当に面白いカードにする要素は、問題に対処する方法にある。
 ジラーチと一緒に使える便利カードたちは、どんなデッキでも多くの場面で有効で、そのためジラーチ登場以来、ジラーチパッケージは使用頻度の高いものになった。
 砂漠の遺跡やバトルフロンティアのような強力なヘイトスタジアムがある時代にあって、小島の横穴は、それらへの対策用スタジアムになった。今回のケースでは、単にエネを貼るだけでジラーチを起こし、ポケパワーを使うことができた。〔※訳注:「ヘイト」は特定のものへの対策カードのことを指す〕
 ヒーリングエネルギーは、上のケースにもっと直接的にアプローチする。貼って、特殊状態を回復だ。
 だがこれは、エネの無駄貼りではないのだろうか? これ全部を初手用のポケモンに?
 ところが、ふざけた名前のカードが、それをすべて価値あるものに変えてくれる。そっくり!テレポーターだ。

 この愛すべきカードは、ついているものはすべてそのままで、いらないポケモンを、デッキから別のたねポケモンに替えることができる。するとどうなるのだろうか? あなたのジラーチが突然メインアタッカーになったり、そのままメインアタッカーに進化したりできるのだ。さながら、自分のメインアタッカーがずっとバトル場にいて、新たに力を得たかのように。
 デッキを高速で動かすこのようなカード同士の相互作用のおかげで、ジラーチは、使っていて最も楽しいカードのうちの1枚になっている。

20.ダブル無色エネルギー

 このカードがこのリストに入っているのは変かもしれない。確かにそうだ。しかしながらこのカードは、登場して以来、これによって使えるようになったポケモンの長大な一覧表を作ってきた。

 2つ以上のエネルギーを付与できるカードは多くあるが、そのいずれにも欠点がある。だがこのカードは、シンプルで、バランスが取れている。確かに強力なカードだが、色コストが足かせとなっているため、このカードがもたらす速度は対処不可能というわけではない。
 このカードのおかげで無色コストが重要な問題になってくるし、ポケカ内に読みの難しくなる要素をもたらしてくれた。現行フォーマットに再録するエネルギーの選択としてはすばらしいカードだった。ダブル無色にはこれ以上の紹介は不要だろう。

19.ジラーチex(PCG8)

 ポケパワーロックは強力だ。そして2006-2007と2007-2008環境において、それは強力どころの話ではなかった。

 この小さいやつは、ミニサイコロックとして機能する。2008年を席巻していたワザを、わずか1エネで撃てるのだ。打点は取るに足らないが、たとえわずかな打点でも、ロック下ではあっというまに溜まっていく。〔※訳注:サイコロックはサーナイト(DP4)のワザ。詳しくはhttp://ukinins.diarynote.jp/201402141235031960/

 このカードがさらに良い理由としては、弱点がないことと、2番目のワザがかなり良いダメージを出せることだ。大事なことなのだが、ジラーチは他の超タイプのポケモンと戦うのにも向いている。あっという間に一撃で落ちる心配をしなくて済むからだ。それらの特徴のおかげで、このカードはPLOXミラーでは強力なメカニズムになっている。PLOXからの攻撃を耐え、相手と同じダメージを与えながらロックし返すことができるのだ。必要とあらば、100ダメージを出すこともできる。〔※訳注:PLOXについても上の訳注内のリンク参照〕

 ジラーチをさらに面白くしているのが、このポケボディの働き方だ。ジラーチは、相手の展開が上手くいっているときにこそ、速く、効果的になる。これが意味するのは2つのことだ。
・ジラーチは巻き返しを図る上で優れたカードである。
・ジラーチは早い段階で相手を制圧してゲームバランスをアンフェアにしてしまうことがない。
 このカードは間違いなく、使っていて面白いカードだ。

18.ペラップ(DP4)

 またもや初手用ポケモン? 自分の言ったことと矛盾してはいないだろうか?
 だがそうではない。ペラップは初手用カードではない。これは命綱だ。
 逃げる0、エネなしのワザ、そして山札からのサーチのしやすさ。このカードはいつでも場に出せて、ひどい手札から救ってくれる。

 そしてタイミングも良かった。このカードが登場したのはPLOXが支配的だった時代(2008年)で、このカードはワンサイドゲームになってしまうことへの優れた対策だと判明した。対策としては理想的な形だ。それだけで勝つことはできないが、戦うチャンスは生まれる。

 ペラップはW虹つきのサイコロックを耐えるし、エルレイドに(もしW虹を貼っているなら)サイド2枚めくりを強要できる。場の組み立てにも攻撃にも重要ではないポケモン1匹を倒すためだけに、だ。
 その時代の後でも、この小さな鳥はあらゆるデッキで頻繁に用いられた。デッキにたった1枠あけるだけで保険になったし、逃げる0なので初手に来ても悪くなかった。
 このカードをさらに便利にしていたのは2つめのワザで、それを使うと余分なターンを稼ぐこともできた。圧倒的に強いというわけではないが、とりわけLEGEND1でのW無色の登場後は、有用な選択肢になっていた。またこのワザは、笑える状況も引き起こす。相手がミカルゲ(DPt4)なら、ロックをやめたいと思うまで、いつまでもバトル場にロックしていられるのだ。
 歌が大好きなこの小さな鳥は、多くの対戦が一方的なものになるのを防いでくれる。このリストに入るのも当然のことだろう。

17.スクランブルエネルギー

 もう一度言わせてほしい。ワンサイドゲームはつまらない。お互いにやり合いがあり、展開が行ったり来たりのゲームは面白い。このエネルギーカードは、プレイヤーがそのターンにサイドを取るべきか否かを考えざるを得なくなるため、1枚だけでゲームを違ったものにしてくれる。

 すべての色のエネルギーが3つというのはものすごい数だ。DP時代にあらゆるものを強化し、EXの時代にあって非EXカードを戦えるようにしていた。負けそうになっていたプレイヤーを立ち直らせるのに十分な強さを持ったカードだった。

 このカードの持ち込んだ興味深い要素が、サイド数操作だ。サイドを取らせて自分のスクランブルを起動させるか、あるいはサイドを取らずに相手のスクランブルの起動を防ぐか。だがあまり長く止まっていては、相手に反撃を許してしまう。スクランブルエネルギーにはそういった良さもあるのだ。
 相手が勝てると思っているゲームを掻っ攫っていけたとき、それに勝る気持ちよさはあるだろうか?

16.メガヤンマGR

 これまでで最低の環境での支配的カード? 勘弁してくれよ……。
 そもそも、あの環境は別に悪くはなかった。みんなポケモンリバースに頼っていたのが悪く見えただけだ。LEGENDシリーズは、これまでで一番のトレーナーカードの多様性とメカニズムをもたらしてくれた。
 あのシリーズは運が悪かっただけだ。LEGENDシリーズが使えた頃は、破空の激闘やSPポケモン連中がこのシリーズの存在感を消してしまっていたし、連中がローテーション落ちしたと思ったら、今度はBWシリーズでのカードパワー上昇があり、LEGENDシリーズの存在感はまたもや即座に消えてしまった。この第二世代のリメイクシリーズの生んだ偉大なメカニズムやポケモンたちは、忘れ去られてしまった。

 このカードは、その時代における最も面白くてパワフルなポケモンだ。この虫は手札サイズをリソースに変える。これはじんつうりきの派生ワザでのみ見られたメカニズムだ。ジャッジマンやモノマネむすめ、ときにはジバコイルGRのおかげで、0エネワザを持つメガヤンマは速くて安定したアタッカーになってくれた。
 メガヤンマを使う面白さを考える上で、これは重要な要因だ。手札サイズが問題になるこの「手札ゲーム」では、どのカードを使い、どのカードを手札に持っておくべきか考える必要が出てくる。このことは、相手がこちらの攻撃の際に、手札を無駄に消費させようと、手札量を大幅に変化させたりかなり減らしたりといったことにもつながる。

 このカードのワザは、支配的カードが持つにはぴったりのものだ。相手のメガヤンマに70ダメージを当て、それから40ダメージ狙撃で残りのHPを削れるというのは天才的なカードデザインに見える。このカードを印刷する前に、みんないろいろ考えてくれたに違いない。
 当時の実戦級だった2進化の標準的HPは140であり、メガヤンマは2発の攻撃で倒すことができた。また、狙撃ワザはベンチにいるベイビィポケモンを倒すことができたものの、進化をするのに1ターン待つ必要のあるたねポケモンたちを倒すには少し足りず、もう1ターンかける必要があった。本当に良く調整されたカードは、間違いなく面白いゲームプレイを作り出してくれる。ポケモンリバースたちが涙を流している中でも、このカードは面白かった。
 こういったカードをデザインできる人がいてくれたら、ポケカはどれだけ面白くなるだろうか。想像するのは自由だ。

 今日はここまでにしておこう。次回は、使っていて面白いカードの上位15枚を紹介したいと思う。その中には、最も有名な(あるいは悪名高い)カードや、自分の大好きなカードも含まれると思う。
 では、次回また会おう。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 記事の最後で言われているとおり、残りはまた後日ということのようです。

 キーワードは「相互性」と「柔軟性」。お互いにプレイの応酬があってこそのカードゲーム、使い方がたくさんあってのカードゲーム、ということで、納得させられる部分も多くあったのではないでしょうか。
 スクランブルエネや幹部などは、もっと順位が上でも良いだろうという意見も出そうなくらいです。
 それはそれとして、ドローするカードはおしなべて強いですね、ポケカって。

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