今回もsixprizesから。WCS振り返り系の記事の中では、かなり早い段階で出たものです。
 ちなみに元記事の後半はいわゆる会員限定記事なので、以下は無料で読める前半部分のみの翻訳です。それでも十分な分量があり、内容もなかなか面白いです。
 デッキリストも訳出しましたが、人名は英語表記のままで統一しました。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

You Don’t Say? --Interesting Decks from Worlds 2013
by Zach Bivens
Friday, August 16, 2013
ttp://www.sixprizes.com/2013/08/16/you-dont-say-interesting-decks-from-worlds-2013/


 2012-2013シーズンは正式に終わりを迎えた。たくさんの素敵な理由から、今期は僕にとって忘れられない1年になった。みんなも同じであってほしいと思う。今期もたくさんのチャンピオンが生まれた。新しい優勝者に、帰ってきた王者。けれどもこのシーズンを歴史の本の中に永久に仕舞ってしまう前に、議論をしてみよう。この週末、どれだけのトッププレイヤーたちが、過去にはなかったようなとびきりのベストなものを見せてくれたのかを。

 この種の記事は、たいていの読者から見れば、僕のNationals振り返り記事ほどはピンとこないかもしれない。けれどもこの情報からは、誰もが将来のデッキ構築にとってためになるものを得られると思っている。

Takuya Yoneda-ダークライEX/ダストダス

2 ヤブクロン(BW2)
2 ダストダス(BW5)
4 ダークライEX
2 ケルディオEX
1 アブソル
1 ヤミラミ

4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 フウロ

4 ポケモンキャッチャー
4 ダークパッチ
3 どくさいみん光線
3 ハイパーボール
3 かるいし
2 悪のツメ
1 学習装置
1 まんたんのくすり
1 パソコン通信
2 タチワキシティジム
1 トロピカルビーチ

11 悪エネルギー

 Yonedaはこのデッキリストの中で、たくさんの面白い選択をしている。たとえばヤミラミを1枚しか使わないといったものだ。もうひとつ興味深い点をあげれば、1枚挿しのトロピカルビーチとパソコン通信を除けば、12枚のサポーターしか入っていないというところがある。デッキを安定させるカードがこんなにも少ないと、自分ならあまり使いやすそうには感じない。とはいっても、多大な成功を収めたこのデッキにあれこれ言うのは難しい。

 今週末、Yonedaの素晴らしいパフォーマンスを見ているのは楽しかった。あとひとつ勝てば来年の招待が得られるトップ8で彼が負けてしまったのはとても残念だった。日本での世界大会の権利獲得システムは、信じられないほど困難なものだ。YamatoやYuta、Yonedaといった伝説的なプレイヤーたちが平然と招待の権利を逃し、LCQからの挑戦を強いられるような国では、僕ならプレイしたいとは思わないね。

Johnny Rabus-プラズマ

4 デオキシスEX
2 ボルトロスEX
2 ルギアEX
2 キュレム
1 アブソル

4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 ベル
2 フウロ

4 ポケモンキャッチャー
4 アクロママシーン
3 ポケモンいれかえ
2 ハイパーボール
2 プラズマ団のモンスターボール
2 まんたんのくすり
1 スクランブルスイッチ
3 凍てついた街

4 ブレンドエネルギー水雷闘鋼
4 プリズムエネルギー
4 プラズマエネルギー
2 ダブル無色エネルギー

 Johnny Rabusは今週末、非常に風変わりなプラズマのデッキで、信じられないほどの快進撃を見せた。Johnnyが僕に、凍てついた街3枚、いれかえ3枚、まんたんのくすり2枚を使ってると教えてくれたとき、最初に思ったのはこうだ。一体どうやってそれ全部をデッキに入れてるんだ?

 最初に気づくのは、彼のデッキにはかの悪名高き毒タチワキコンボが入っていないということだ。とはいえ、そのことについて考えてみたら、それはそれでかなり強いのではないかと思えた。確かにどくさいみん光線がないのは対ダークライのマッチアップでは痛手だが、凍てついた街の追加は対カメックスのマッチアップをかなりやりやすいものにしてくれる。

 こういう場面を想像してほしい。あなたはたった今、トロピカルビーチを凍てついた街に張り替えた。対戦相手は、あなたのバトルポケモンを倒そうとベンチに置いたブラックキュレムEXを起動させないといけないのだ。そしてそうすればブラックキュレムは80ダメージを受ける。最初からブラックキュレムを一撃で倒せるようになるというわけだ。

 たいていのカメックスデッキはトロピカルビーチを3枚入れていて、1ターン目にスタジアムを置いてくるわけで、Johnnyはスタジアム合戦にはほとんどいつも勝っていたんじゃないかと思う。

 まんたんのくすりはスクランブルスイッチと物凄いシナジーだし、2枚めの存在は対ダークライのときなんかにはかなり大きいだろうね。

 何だかんだ言って僕はJohnnyのデッキが好きだし、友達が初めて参加したWCSで6位になるのを見られるなんて、こんなにうれしいことはない。

Jason Klaczynski-ダークライEX/ヤミラミ

4 ダークライEX
3 ヤミラミ
2 ケルディオEX
1 バリヤード

4 アララギ博士
4 N
3 ランダムレシーバー
2 じてんしゃ

4 ポケモンキャッチャー
4 ダークパッチ
4 どくさいみん光線
3 エネルギーつけかえ
3 ハイパーボール
2 改造ハンマー
2 悪のツメ
1 エネルギー転送
1 ツールスクラッパー
1 パソコン通信
2 タチワキシティジム

10 悪エネルギー

 僕はNationals後の記事の中で、今年の直前予選でJason Klaczynskiが権利を取れるよう願っている、と書いた。そしてJasonは権利を取っただけでなく、3度の優勝に輝いた最初のプレイヤーになった。2度勝ったプレイヤーすら他にいないというのに。

 改めて僕は、13枚しかサポーターを入れないという彼の選択に驚いた。ヤミラミが3枚あればトラッシュからランダムレシーバーやじてんしゃを拾い上げるチャンスはかなりある。とはいっても、死んだ手札を何とかするためにジャンクハントを使ってしまって、ナイトスピアを撃つ1ターンを無駄にするのは僕だったら嫌だ。

 Jasonの優勝デッキは、彼がずっとCitiesを通して使ってきたダークライ/ヤミラミのリストとよく似ている。あの時点での彼のデッキには、フウロやベルといった普通のアプローチを入れる代わりに、9枚のサポーター(アララギ4、N4、ベル1)と4枚のランダムレシーバーが入っていた。

 今年のWCSに臨むに際して、Jasonは他の大多数のダークライプレイヤーたちとは違ったアプローチを選んだ。このデッキではアブソルが大して役に立たないことにJasonは気づいていた。ベンチに30ダメージを飛ばせるからには、どんな場面でもダークライで攻撃するのが望ましい。ベンチへの30ダメージは、対プラズマでは本当に大事だ。後のターンにEXを2体同時に倒して、サイドの4枚取りができるようになるのだから。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。このあとの後半部分は、会員限定記事になっています。
 記事の内容にどう思うかは別としても、WCSの環境を振り返る上でもなかなか役に立つ記事だったのではないでしょうか。そういえばここで紹介されているプラズマは、マスター2位のプラズマとはけっこう違っていそうですね。

 余談ですが、日本の環境についての記事が海外で多く書かれるにつれて、日本の大会システムのこともずいぶん海外に知れ渡るようになりました。文中の言葉を借りれば、毒タチワキコンボなんかよりも遥かに悪名高い(infamous)ものでしょう。
 マーケティング事情の違いがあるとはいえ、海外勢に「プレイしたくない」とまで書かれる日本の運営レベルって一体……。

コメント

endeavor
2013年8月23日22:56

おおー!
デッキレシピ公開されているんですね!
凄いしびれる構築ですね~

うきにん
2013年8月24日0:24

>>endeavorさん
この記事書いた人が訊いたか何かして調べたんでしょうね。
デッキも記事の内容もすごく面白いと思います。

のずさん
のずさん
2013年11月16日16:13

はじめまして。
こういう記事があることを知りませんでした…
とても興味深かったので、リンクさせていただきました。

うきにん
2013年11月18日9:42

>>のずさん
はじめまして。
海外記事の翻訳はときどきやっているので、よろしければまたご覧ください。
リンクお返しいたしました。

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