半年前にもフウロをネタにエントリを書いたのですが、最近また話題のカードのようなので、ちょっとだけ思うことを書いておきます。

 ひとつたとえ話をしましょう。デッキに、4枚ずつのサポーターです。
 アララギ4/N4/ベル4/アクロマ4
 アララギ4/N4/フウロ4/アクロマ4
 ひとまずトルネEXやヤミラミはデッキに入ってないとして、単純にふたつの構築だけを比べてみます。
 たとえば初手について。アララギやNは引ければ助かる。ベルもまあ許せる。アクロマのみはちょっと勘弁。このとき、上の構築において初手のドロソを最低1枚は引ける確率、デッキに12枚として、およそ85%(手札は8枚)。アララギかN、どちらかを引ける確率に限れば、約70%。このふたつの隙間に、ベルやフウロはあります。

 フウロとはどんなカードでしょうか。以前も紹介したのですが、このダニエルさんのエントリ(http://daniel3go.diarynote.jp/201208301128325821/)のフウロの欄が、ほとんどすべてを語っています。
 ささやかながら付け加えるなら、このカードが一番やっかいな瞬間とは、誰もが思っているとおり、フウロの他に、ドローソースがないときでしょう。
(普通はフウロをドローソースに数えてはいけません)

 その瞬間がたとえば初手に起きたとき。パーツを引いて攻めに出るのか。もしくはフウロでドロソを引いてくる、そのテンポの遅れは環境やデッキ的に許容できるのか。あるいはこんな仮定自体が、すでにナンセンスなのかもしれません。それが起こりうる確率は、おそらく10%ほどでしょう。または、中盤で手札にあればうれしいカードは、ベルとフウロ、どちらなのか、等々。

 フウロのメリットはすでによく知られています。デメリットも恐らく、知られています。
 このカードを使うか否か、どう使うか、概してそれらは好みの問題なのでしょうか。たぶんそれは間違いです。
 正しい構築、正しいプレイは、恐らくどこかに存在します。ただ、いくら個々の確率を弾き出しても、プレイの中で起こりうる全ての可能性、それから自分と相手の判断力、それらの絡み合いは、定量的に計算するにはあまりに複雑で、正しい答えはそう簡単には見えてきません。構築の際のカードの選択ですらそうなのです。
 その答えの見えなさを、個人の判断の癖にかこつけて、とりあえずは「好み」と呼んでいるだけに過ぎません。もしくは「運の問題」とも。

 特定のカードのメリットとデメリットをただ見比べることに、あまり意味はありません。
 重要なのは、そのカードが、デッキの動きのために何ができるかであり、何ができないかです。それは新弾のカード評でも、構築の際のカード選択でも同じです。ただ気をつけたいのは、「何ができるか/できないか」よりも、「デッキの動きのために」の部分の方が、実は大事なのだということです。
 そこを見抜けないプレイヤーだけが、カードの評価に「好み」を貼り付け、デッキの不調に「事故」や「運」だと嘆くのでしょう。

コメント

しんいちパパ
2013年2月16日14:29

私がピンときていない部分を解説して下さり、ありがたいです。『「デッキの動きのために」の部分の方が実は大事だ』という箇所が、私の引っかかっていた部分なのかもしれません。本当は、リアルでこういう話ができればいいのですが…。今後ともよろしくお願いします。

うきにん
2013年2月16日15:38

>>しんいちパパさん
しんいちパパさんはデッキの構築も明快で正確ですし、多くのプレイヤーよりもフウロの使い道を深く理解なさっていると思いますよ。
今回はフウロのことを書いていますが、フウロもアクロマも、問題は共通していて、どちらも強い場面弱い場面が存在する以上、どうすれば手詰まりを起こさずにデッキに入れられるか、という点に尽きると思います。
これらのカードは、デッキにおいては、「この場面でこのカード引けたらフウロ強いからフウロ入れる!」的な縦の繋がりだけでなく、「このカードやこのカードがあるからフウロを無理なく使える」的なカード同士の横の繋がり(ないしは逆方向の縦の繋がり)の方も大事かもしれませんね。強い場面弱い場面のあるカードは、弱い場面を埋める方法をちゃんと考慮することも必要だと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。次回以降のエントリも楽しみにしています。

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