公式の海外レシピ紹介を補足する
2018年1月21日 ポケモンカードゲーム どんな風の吹き回しかわかりませんが、先日ポケカ公式で、11月末のSan Jose Regionals、つまり海外大会の入賞レシピが紹介されていました。
http://www.pokemon-card.com/info/2018/20180119_001052.html
あまりに唐突というか、何の脈絡もない企画だったのでかなり面食らった一方で、とうとう国内公式も海外レシピを紹介するような時代になったか、と、妙に感慨深くもなりました。
株ポケ担当者がこのブログを見ていることは100%ないでしょうが、海外記事翻訳もやってるブログとして悔しいので、勝手に公式の記事を補足します。
▼前提情報
このブログを定期的に読んでる方はご存知だと思いますが、いまの海外環境には、
・Standard(日本でいうスタンだが、XY8(XY Breakシリーズ)以降)
・Expanded(日本でいうエキストラ。BW以降)
という2つのレギュレーションがあります。
今回公式で扱われたSan Jose Regionalsは、後者Expandedの大会。
禁止カードもエクストラとほぼ同じのため、その参考として取り上げたようです。
今回のマスタートップ8デッキは、
https://www.pokemon.com/us/play-pokemon/san-jose-regionals-2018/tcg-masters/
で閲覧可能です。
ちなみにRegionals(リージョナルスと呼びます)という大会は、規模的には、日本でいう全国大会のひとつ下、各地方の大規模大会クラス。時に1000人規模のプレイヤーが集まりますが、ほぼ毎月に近いペースで開催されており、海外、特に北米のプレイヤーにとっては、ポイント稼ぎの大事な機会です。
▼なぜ夜の行進?
公式は真っ先に夜の行進を紹介しています。まあ優勝デッキだから、というのが一番の理由なのでしょうが、
事実、この大会時点では、環境の最大勢力は夜の行進でした。ゾロアークGXという強力なカードを味方につけられた一方で、大抵のGXメインデッキに対して有利を取ることができたからです。巨大植物の森の禁止によるジュナイパーGXの減少も追い風になっています。
また、優勝のAzul Garcia Griegoは、この後に行われた12月のMemphis Regionals(スタンダード)でも準優勝を飾っている強豪です。
優勝レシピは上記の公式記事を見てねという感じです。
が、この公式記事が書き落としたことのひとつは、
優勝:Azul Garcia Griego
3位:Michael Pramawat
4位:Rahul Reddy
が60枚同じ夜の行進、という事実です。
昨今の欧米勢の潮流は、スポンサード&チーム調整。
現代ポケカは情報戦、というのは常々言われることですが、ここまで明確にチーム調整とデッキシェアが結果を出すのも珍しいかもしれません。とはいえ注意深く追っていると、実は各大会で、こういったことが起きています。
▼LonZoroark
この大会のもうひとつの、むしろ最大のトピックスは、実際は夜の行進ではありません。
もしかしたらツイッターや海外サイトで、海外デッキ、特にExpandedの様子を追いかけている人もいるかもしれませんが、"LonZoroark""LonZoro"というデッキ表記に出会うことがあるのではと思います。そのデッキが一世を風靡したのがこの大会でした。
6位のレシピを書き起こします。
4 ゾロア
3 ゾロアークGX
1 ゾロアーク(BW1)
1 ゾロアーク(XY8)
3 カプ・テテフGX
2 シェイミEX
2 タマタマ(BW8)
1 ウソッキー
1 アローラベトベター
1 アローラベトベトン
1 ガマゲロゲEX
2 アクロマ
2 アズサ
2 グズマ
1 N
1 ゲーチス
1 アセロラ
1 カリン
1 オカルトマニア
4 バトルサーチャー
4 ハイパーボール
4 時のパズル
2 こだわりハチマキ
2 フィールドブロアー
2 かるいし
1 バトルコンプレッサー
1 レスキュータンカ
1 スペシャルチャージ
1 パソコン通信
3 スカイフィールド
4 ダブル無色エネルギー
あえて書くならばゾロアークGX/アローラベトベトン。
そして文字通りに、ゾロアークを使い倒すデッキです。
ゾロアークGXとタマタマのシナジーは、とりひきのエサになるだけでなく、スカイフィールドが割られた返しでの場の復帰にも大きく役立ちます。
目を引くゾロアーク(BW1)は、忘れられがちですが、ミラーマッチで相手のゾロアークGXなどを吹き飛ばすだけでなく、相手のGXワザまで盗んで使うことができます。
マインドジャックのゾロアーク(XY8)と散らすことで、非EXポケモンによる攻め筋を増やしています。
対夜の行進では、ガマゲロゲEXとカリンのパッケージが相手の戦術を封殺します。
グソクムシャGXも多い環境のため、ガマゲロゲEXの枚数は1枚に抑えられていますが、グッズロックとアローラベトベトンによる特性(おもにカプ・テテフGX)ロックは、相手のグッズとサポートを封じ込め、一方的に展開差を拡大します。
Expandedで欠かすことのできないゲーチスもしっかり投入されています。
このデッキは、6位のBodhi Tracyをはじめ、トップ32には実に6名のプレイヤーを送り込んでいます。まさにデッキシェアの威力。
日本国内のプレイヤーはあまりデッキシェアを好まない印象がありますが、スタイルの良し悪しはともかく、こういった状況の違いは知っておいて損はないところです。
▼その他のデッキについて
カードプールの広いExpanded。当然さまざまな妨害カードもあり、それだけリソース破壊系デッキも存在します。
公式ではシニア入賞のヤミラミ/ダストダスが取り上げられていますが、60cardsでも同様のデッキを扱った記事(http://www.60cards.net/en/expert-blog/user/5733/article/1103)が上がっています。
また、マスタートップ8にはホエルオーLOもいます。
上記リンク先を見てもらえば良いのでレシピを書き出したりはしませんが、ゾロアークGXはじめ特殊エネ依存デッキの多い環境ゆえ、エネ破壊もまた、有効な戦略になりえます。
▼おわりに
来週末には同じくExpandedでDallas Regionalsが開催されます。
参加申し込み人数もかなり多いようで、各所、Expandedの考察で盛り上がっています。
カードプールとしては、Crimson Invasion、日本でいうSM4が追加されて少し経ったぐらいで、以前からのデッキも相変わらず勢力を保つはずです。が、Expandedは大会数が少ないぶん、大会ごとに研究が一気に進み、メタゲームは大きく動きます。
参加人数が多いこともあり、開始前から盛り上がりを見せるDallas Regionals。Expanded、あるいはエクストラレギュが気になる方は、ぜひ結果を追いかけてみてください。
http://www.pokemon-card.com/info/2018/20180119_001052.html
あまりに唐突というか、何の脈絡もない企画だったのでかなり面食らった一方で、とうとう国内公式も海外レシピを紹介するような時代になったか、と、妙に感慨深くもなりました。
株ポケ担当者がこのブログを見ていることは100%ないでしょうが、海外記事翻訳もやってるブログとして悔しいので、勝手に公式の記事を補足します。
▼前提情報
このブログを定期的に読んでる方はご存知だと思いますが、いまの海外環境には、
・Standard(日本でいうスタンだが、XY8(XY Breakシリーズ)以降)
・Expanded(日本でいうエキストラ。BW以降)
という2つのレギュレーションがあります。
今回公式で扱われたSan Jose Regionalsは、後者Expandedの大会。
禁止カードもエクストラとほぼ同じのため、その参考として取り上げたようです。
今回のマスタートップ8デッキは、
https://www.pokemon.com/us/play-pokemon/san-jose-regionals-2018/tcg-masters/
で閲覧可能です。
ちなみにRegionals(リージョナルスと呼びます)という大会は、規模的には、日本でいう全国大会のひとつ下、各地方の大規模大会クラス。時に1000人規模のプレイヤーが集まりますが、ほぼ毎月に近いペースで開催されており、海外、特に北米のプレイヤーにとっては、ポイント稼ぎの大事な機会です。
▼なぜ夜の行進?
公式は真っ先に夜の行進を紹介しています。まあ優勝デッキだから、というのが一番の理由なのでしょうが、
事実、この大会時点では、環境の最大勢力は夜の行進でした。ゾロアークGXという強力なカードを味方につけられた一方で、大抵のGXメインデッキに対して有利を取ることができたからです。巨大植物の森の禁止によるジュナイパーGXの減少も追い風になっています。
また、優勝のAzul Garcia Griegoは、この後に行われた12月のMemphis Regionals(スタンダード)でも準優勝を飾っている強豪です。
優勝レシピは上記の公式記事を見てねという感じです。
が、この公式記事が書き落としたことのひとつは、
優勝:Azul Garcia Griego
3位:Michael Pramawat
4位:Rahul Reddy
が60枚同じ夜の行進、という事実です。
昨今の欧米勢の潮流は、スポンサード&チーム調整。
現代ポケカは情報戦、というのは常々言われることですが、ここまで明確にチーム調整とデッキシェアが結果を出すのも珍しいかもしれません。とはいえ注意深く追っていると、実は各大会で、こういったことが起きています。
▼LonZoroark
この大会のもうひとつの、むしろ最大のトピックスは、実際は夜の行進ではありません。
もしかしたらツイッターや海外サイトで、海外デッキ、特にExpandedの様子を追いかけている人もいるかもしれませんが、"LonZoroark""LonZoro"というデッキ表記に出会うことがあるのではと思います。そのデッキが一世を風靡したのがこの大会でした。
6位のレシピを書き起こします。
4 ゾロア
3 ゾロアークGX
1 ゾロアーク(BW1)
1 ゾロアーク(XY8)
3 カプ・テテフGX
2 シェイミEX
2 タマタマ(BW8)
1 ウソッキー
1 アローラベトベター
1 アローラベトベトン
1 ガマゲロゲEX
2 アクロマ
2 アズサ
2 グズマ
1 N
1 ゲーチス
1 アセロラ
1 カリン
1 オカルトマニア
4 バトルサーチャー
4 ハイパーボール
4 時のパズル
2 こだわりハチマキ
2 フィールドブロアー
2 かるいし
1 バトルコンプレッサー
1 レスキュータンカ
1 スペシャルチャージ
1 パソコン通信
3 スカイフィールド
4 ダブル無色エネルギー
あえて書くならばゾロアークGX/アローラベトベトン。
そして文字通りに、ゾロアークを使い倒すデッキです。
ゾロアークGXとタマタマのシナジーは、とりひきのエサになるだけでなく、スカイフィールドが割られた返しでの場の復帰にも大きく役立ちます。
目を引くゾロアーク(BW1)は、忘れられがちですが、ミラーマッチで相手のゾロアークGXなどを吹き飛ばすだけでなく、相手のGXワザまで盗んで使うことができます。
マインドジャックのゾロアーク(XY8)と散らすことで、非EXポケモンによる攻め筋を増やしています。
対夜の行進では、ガマゲロゲEXとカリンのパッケージが相手の戦術を封殺します。
グソクムシャGXも多い環境のため、ガマゲロゲEXの枚数は1枚に抑えられていますが、グッズロックとアローラベトベトンによる特性(おもにカプ・テテフGX)ロックは、相手のグッズとサポートを封じ込め、一方的に展開差を拡大します。
Expandedで欠かすことのできないゲーチスもしっかり投入されています。
このデッキは、6位のBodhi Tracyをはじめ、トップ32には実に6名のプレイヤーを送り込んでいます。まさにデッキシェアの威力。
日本国内のプレイヤーはあまりデッキシェアを好まない印象がありますが、スタイルの良し悪しはともかく、こういった状況の違いは知っておいて損はないところです。
▼その他のデッキについて
カードプールの広いExpanded。当然さまざまな妨害カードもあり、それだけリソース破壊系デッキも存在します。
公式ではシニア入賞のヤミラミ/ダストダスが取り上げられていますが、60cardsでも同様のデッキを扱った記事(http://www.60cards.net/en/expert-blog/user/5733/article/1103)が上がっています。
また、マスタートップ8にはホエルオーLOもいます。
上記リンク先を見てもらえば良いのでレシピを書き出したりはしませんが、ゾロアークGXはじめ特殊エネ依存デッキの多い環境ゆえ、エネ破壊もまた、有効な戦略になりえます。
▼おわりに
来週末には同じくExpandedでDallas Regionalsが開催されます。
参加申し込み人数もかなり多いようで、各所、Expandedの考察で盛り上がっています。
カードプールとしては、Crimson Invasion、日本でいうSM4が追加されて少し経ったぐらいで、以前からのデッキも相変わらず勢力を保つはずです。が、Expandedは大会数が少ないぶん、大会ごとに研究が一気に進み、メタゲームは大きく動きます。
参加人数が多いこともあり、開始前から盛り上がりを見せるDallas Regionals。Expanded、あるいはエクストラレギュが気になる方は、ぜひ結果を追いかけてみてください。
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