今回はポケカと英語の訳の話です。誰に需要があるのかわかりませんが……。
ポケモンの英語名は、世代を経るごとに趣向を凝らしたものが増えています。
初代のポケモンの英語名(やワザの英語名)は今見てもテキトーなものが多いのですが、近年は、ゲームが世界展開を前提に作られているだけあって、(僕が言うのもおこがましいですが)日本語名も英語名も、とても工夫されたネーミングになっています。
ところでポケカの場合は、英語版を作るに際して、ワザ名やとくせい名の英語訳が問題になってきます。
ゲームの公式訳を転用できれば良いのですが、カードオリジナルのワザ名やとくせい名の場合、ここでも一工夫が必要になります。
XY4のカラマネロEXがその一例です。
カラマネロ、英語では"Malamar"と言います。
イカはふつう英語で"squid"というのですが、フランス語では"calamar"と言うそうです。そこに「悪い」という意味の語頭の"mal"をくっつけたネーミングが、カラマネロの"Malamar"(Mal+Calamar)という英語名になっています。
(XYの世界観のベースがフランスであることを考えると、フランス語でのイカの呼び方を転用するのはけっこうぴったりきます。余談ですが、日本語でカタカナのネーミングがカッコよさを演出するように、英語でも他言語を引っ張ってきてカッコよさを演出するといったことが往々にしてあります)
まあ、だから何、という話なのですが、気になるのはここからです。
勘の良い人は気づいているでしょうが、"calamar"って、無理やりローマ字読みしたら「カラマー」と読めます。
そして実際、イカのことを、イタリア語では(複数形で)"calamari"、そしてギリシャ語でも「カラマリ」と言うらしいのです。絡まり!?
おそらくポケモンの開発部の誰かが、ゲームのXYの開発段階かどこかで、イカの他言語での呼び方に気づいていたのでしょう。
こんなにおいしいネーミングのネタがほかにあるか、みたいな。絡まり(calamari)とイカのポケモン。絡まるイカポケモン。
ちなみに、ここまでの話は、ポケモンwikiとかそのへんのまとめにも、同じような内容で転がっています。
ポケカプレイヤーの我々は、そろそろカードに目を向けてみます。XY4のカラマネロEX、そのワザの「からまりMAX」。
上述の英語名の元ネタを知った後となっては、このワザ名がカラマネロのネーミングの元ネタを意識して作られていることは明白です。
ここ最近は、「~MAX」系のワザは、英語でも"~MAX"と訳されています(例:バイバニラの「ゆきだまMAX」は"ChillMAX"。"chill"は英語で「寒さ」)。なので、カラマネロのワザも英語で"~MAX"になることはほぼ間違いありません。
かといって、「絡まる」という意味の動詞を直訳(例:"entangle"+"MAX"。"entangle"は「絡まる」)してワザ名にしてしまっては、イカ的な元ネタの意味がなくなってしまいます。面白みに欠けますね。
pokebeachの有志訳では、「からまりMAX」は"Calamari MAX"となっていました。
訳としてはド直球です。ネーミングの元ネタそのまま。ただしこのワザ名だと、日本語にあった「絡まる」という意味はなくなります。
実はカラマネロEXはドイツ語版画像が流出していて、そこではワザ名は"CalaMAX"となっています。言葉遊び要素をさらに凝縮したような訳し方ですね。
ただしこれはドイツ語版。カラマネロのドイツ語名は"Calamanero"となっており、ワザ名はポケモン名の冒頭を汲んだ形になっています。この名前、そのままローマ字読みできてしまいそうですね(元ネタはほぼ同じ)。
もちろん、"CalaMAX"の場合でも、「絡まる」の意味はなくなります。でも個人的に、言葉遊びという意味では、"CalaMAX"はけっこう良訳だと思います。
果たして、「からまりMAX」は英語版ではどんなワザ名になるのでしょうか。
英語版のXY4発売は11月5日。デッキ以外にも楽しみができそうです。
ポケモンの英語名は、世代を経るごとに趣向を凝らしたものが増えています。
初代のポケモンの英語名(やワザの英語名)は今見てもテキトーなものが多いのですが、近年は、ゲームが世界展開を前提に作られているだけあって、(僕が言うのもおこがましいですが)日本語名も英語名も、とても工夫されたネーミングになっています。
ところでポケカの場合は、英語版を作るに際して、ワザ名やとくせい名の英語訳が問題になってきます。
ゲームの公式訳を転用できれば良いのですが、カードオリジナルのワザ名やとくせい名の場合、ここでも一工夫が必要になります。
XY4のカラマネロEXがその一例です。
カラマネロ、英語では"Malamar"と言います。
イカはふつう英語で"squid"というのですが、フランス語では"calamar"と言うそうです。そこに「悪い」という意味の語頭の"mal"をくっつけたネーミングが、カラマネロの"Malamar"(Mal+Calamar)という英語名になっています。
(XYの世界観のベースがフランスであることを考えると、フランス語でのイカの呼び方を転用するのはけっこうぴったりきます。余談ですが、日本語でカタカナのネーミングがカッコよさを演出するように、英語でも他言語を引っ張ってきてカッコよさを演出するといったことが往々にしてあります)
まあ、だから何、という話なのですが、気になるのはここからです。
勘の良い人は気づいているでしょうが、"calamar"って、無理やりローマ字読みしたら「カラマー」と読めます。
そして実際、イカのことを、イタリア語では(複数形で)"calamari"、そしてギリシャ語でも「カラマリ」と言うらしいのです。絡まり!?
おそらくポケモンの開発部の誰かが、ゲームのXYの開発段階かどこかで、イカの他言語での呼び方に気づいていたのでしょう。
こんなにおいしいネーミングのネタがほかにあるか、みたいな。絡まり(calamari)とイカのポケモン。絡まるイカポケモン。
ちなみに、ここまでの話は、ポケモンwikiとかそのへんのまとめにも、同じような内容で転がっています。
ポケカプレイヤーの我々は、そろそろカードに目を向けてみます。XY4のカラマネロEX、そのワザの「からまりMAX」。
上述の英語名の元ネタを知った後となっては、このワザ名がカラマネロのネーミングの元ネタを意識して作られていることは明白です。
ここ最近は、「~MAX」系のワザは、英語でも"~MAX"と訳されています(例:バイバニラの「ゆきだまMAX」は"ChillMAX"。"chill"は英語で「寒さ」)。なので、カラマネロのワザも英語で"~MAX"になることはほぼ間違いありません。
かといって、「絡まる」という意味の動詞を直訳(例:"entangle"+"MAX"。"entangle"は「絡まる」)してワザ名にしてしまっては、イカ的な元ネタの意味がなくなってしまいます。面白みに欠けますね。
pokebeachの有志訳では、「からまりMAX」は"Calamari MAX"となっていました。
訳としてはド直球です。ネーミングの元ネタそのまま。ただしこのワザ名だと、日本語にあった「絡まる」という意味はなくなります。
実はカラマネロEXはドイツ語版画像が流出していて、そこではワザ名は"CalaMAX"となっています。言葉遊び要素をさらに凝縮したような訳し方ですね。
ただしこれはドイツ語版。カラマネロのドイツ語名は"Calamanero"となっており、ワザ名はポケモン名の冒頭を汲んだ形になっています。この名前、そのままローマ字読みできてしまいそうですね(元ネタはほぼ同じ)。
もちろん、"CalaMAX"の場合でも、「絡まる」の意味はなくなります。でも個人的に、言葉遊びという意味では、"CalaMAX"はけっこう良訳だと思います。
果たして、「からまりMAX」は英語版ではどんなワザ名になるのでしょうか。
英語版のXY4発売は11月5日。デッキ以外にも楽しみができそうです。
コメント
レシピや実物を見るようになって、その違いはどこから?と思ってました。
その一端を知ることができて、うれしいです。(^^)
ポケカの英語訳は誤訳とかの話をあまり聞かないので、英訳している人たちは優秀なのだと思います。
公式設定の縛りがある中でもポケカの他言語訳はいろいろなところに工夫の跡が見られますし、ポケカのそういった面も多くのプレイヤーに知ってもらいたいという気持ちは、個人的にちょっとありますw
カラマリMAXが絡まるという意味だったのがビックリの事実でした。
いつもためになります。感謝です。
英語でも料理方面だとイカはcalamariって呼んでるみたいですね。僕も今回のネタに最初に気づいたのは、読んでいた本の中に出てきたギリシャ料理からでした。
むしろ問題はカラマネロEXが実戦でちゃんと使われるかどうかなのですが……。