今回は初めてThe Charizard Loungeから。
個人サイトですが、更新頻度や内容もしっかりしていて、けっこう役に立つサイトです。
今回紹介するのはサイトの管理人自身のNationalsレポート。
39位という好成績もさることながら、デッキの異様さもかなり目を引きます。
そして、それに至るまでの調整記とデッキ解説も、これぞデッキ調整、と言えるほど詳細で面白い内容になっています。
非常に長いレポートなので、2分割(前半は調整とデッキ編、後半はマッチアップ相性とレポート編)していますが、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、訳文の省略や改行の変更があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
39th Place 2014 US Nationals Report: Somehow, Hammer and Lasers Again
by Andrew Wamboldt
Monday, July 7, 2014
ttp://thecharizardlounge.com/2014/07/07/39th-place-2014-us-nationals-report-somehow-hammer-and-lasers-again/
信じられないような週末でした。アメリカ選手権はものすごく楽しかったですし、メインイベントでは良い成績を残せて、友だちとも楽しい時間を過ごすことができました。こういった大会は、いつだって最高のイベントです。
たぶんみんな知っていると思いますが、自分は今回の大会で相当に変なデッキを使って、かなり良いところまで行くことができました。トップ16に入れるかどうか、周囲次第でオポが微妙な怪しい立場でしたが、最終ラウンドで負けてしまって1勝ぶん届きませんでした。
対戦のことはあんまり覚えていないので、この記事の大半は、使ったデッキについて、どうやってそこに至ったのか、なぜ使ったのかを話したいと思います。ただ、マッチアップごとの相性は書いておきますし、対戦を多少振り返ってもみたいです。
■もともとの経緯
自分はいつも、新弾が出たら、デッキを大量に作って、PlayTCGに飛び込んで手当たり次第対戦を重ねることにしています。今回最初に作ったのはおもにリザードンEXメインのデッキで、ワイルドブレイズがPlayTCGのデータベースに追加されるとすぐに、それらのデッキを使って対戦していました。
プレイテストの過程で、目を引くデッキと遭遇しました。ランドロスEX/ミルタンク/ヨノワールです。そのデッキには明らかにたくさんの問題があって、自分はリザードンEXデッキでいとも簡単に倒すことができました。ただ、ヨノワールがいると、ランドロスとハチマキのコンビネーションで80ダメージが出るのは、相当に強く感じました。
ほかのプレイヤーたちがカードの組み合わせをどう考えているのか知るには、PlayTCG(またはPTCGO)のランダム対戦がかなり役に立ちます。ランダム対戦で見てから自分で作ってみたデッキを全部覚えているわけではないですが、良いマニューラデッキがどんな感じなのかとか、それが実際にトーナメントの場に登場する前に、知ることができたりもしました。
あの対戦のあとで、すぐに同じようなデッキを組んでみることにしました。まずはランドロス4、ミルタンク3、ライチュウライン2-2、そしてダブル無色を入れたからミュウツーEXを1枚放り込みました。それから、デッキにヨノワールラインを入れました。ヨマワルもサマヨールもアメも入れていたので、ワイルドブレイズの「だめな」ほうのヨノワールも1枚混ぜておきました。
最初のプレイテストでわかったことがありました。ミルタンクは思っていたよりも強くなかったのです。ライチュウがいるならミルタンクの打点ぶんは余計でした。サイド運用をEX/EX/非EX/EXで進めるならライチュウラインで十分ですし、サイド運用をEX/非EX/非EX/非EX/EXとするゲームでなら、だいたい突風系カードでヨノワールラインのパーツを失っています。なのでライチュウライン2-2で事足りたし、サイド交換用の非EXなら、本当に必要なのはそれだけでした。
デッキ全体で見てライチュウはミルタンクより優秀でした。ハチマキがあれば120点を出せます(ミルタンクなら100)。カエンジシへのカウンターにもなるし、アメリカ選手権で一番多いと読んでたイベルタルEXへの対策にもなりました。
プレイテストの初期のうちにわかったのは、ヨノワール(XY2)は最後までデッキに入ったままだろう、ということでした。ヨノワールを両方とも場に出せれば、勝ったも同然です。知らない人のために説明すれば、ヨノワールにはシャドーホールというとくせいがあって、何度でもダメカンを場のポケモンからヨノワールの上に移すことができます。
このカードはいくつかの仕事をしてくれます。まず、エネをアタッカーにつけたままにできること。これは重要なことです。なぜなら、まんたんのくすりのあとに貼れるエネがいつも手札にあるとは限らないからで、そのおかげでだいちのさばき170点までエネを貯めることもできるからです。また、このデッキにはHPの低いたねが入っています(ピカチュウ、ヨマワル、ジラーチEX)。ヨノワールがいれば、相手がこちらのダメージの乗ったポケモンを狙撃して追加のサイドを取るのを防ぐことができます。最後に、ヨノワールはNが絡むとかなりの働きをしてくれます。サイドが偶数になってしまって、ゲームの残りをEXで戦わざるを得ないようなとき、ヨノワールをきぜつさせてからNを撃って相手の手札を1枚にすれば、カードアドバンテージでも場の状況でも、相手よりだいぶ有利な立場になれるのです。
プレイテストを重ねていくと、このデッキはかなり強いことがわかりました。それでこのデッキは、公開の場でテストするようなデッキにはせず、他の人がアイディアを見られないよう、プライベートテスト用のデッキに回したのです。
プレイテストは良好でした。ビリジオンEX/ゲノセクトEXや、イベルタルEXにはかなり相性が良いように感じていました。また、ランドロスが水に弱いにも関わらず、TDKにも全然負けませんでした〔※訳注:TDKはキュレム型プラズマのこと〕。ただTDKとの相性を納得のいくレベルにしたくて、デッキにさらに何かを加えたくもありました。
TDKに関して言えば、このデッキは、トップ3デッキのなかでは他の2つよりも安定しないデッキです。しかも動きも読みやすいデッキでした。そういった情報は、対TDK戦略を固める上で利用することにしました。このランドロス/ヨノワールは、だいたいの場合、自由に(特定のマッチアップ用の戦術は組まず、その時々の場と引きに合わせて動きを調整していくように)プレイしていました。ただし、TDKに勝つにはタイトな戦術が必要でした。
まずはランドロスEXで、相手の場にダメージを撒きます。最初のランドが落とされるまでに、だいたいハンマーヘッドを2発。ハチマキを引けてるかどうかにもよりますが、相手の場には120~160のダメージがばら撒けています。だいたいの場合3ターン目前後にはヨノワールが場に出せていて、まずダメカンを動かしてベンチのキュレムを落とし、それからダメカンを1個だけバトル場のキュレムにも移してから、ハチマキつきライチュウで倒します。そこから相手はライデンナックルで場を立て直そうとしますが、そのころには場にいやらしく130ダメージを乗せることができてます。つまりキュレムを場に出しても、すぐに倒すことができるようになってます。プラズマは速攻でサイドリードを奪いにきますが、そうしたならNを撃って、相手の手札と場を弱くするのは難しいことではありません。
ただまんたんのくすりは問題なので、乗せたダメージを回復されてしまうのは考慮に入れておかなければいけません。これがTDKとのマッチアップをかなり際どいものにしています。それでも、こちらが最後に残った1体で勝てるはずでした。その1体は、一撃では落ちない巨大なEXポケモンです。ただし現状の構築での問題は……ランドが水に弱くてキュレムに一撃で倒され、ミュウツーは超に弱いからデオキのラセンフォースで落とされることです。相性を良くするために、他の何かを追加する必要がありました。
最初に選んだのはキュレムEXです。まともなポケモンには弱点を突かれず、ランドEXミラーやリザードンEXにも強いカードです。対処するにも骨が折れます。げきりんで50。ゲームを終わらせるのに本来なら十分なダメージを与えたら、げきりんでそれ以上のダメージが飛んできます。必要とあれば、ヨノワールとの組み合わせで、倒されないようにしつつ、その一方で与えるダメージを最大化することができました。かなり良い感じでした。
ただ、この役割にはもっと良いカードがありました。自分はイベルタルEXデッキで、ずっとレジスチルEXを試していました。あのデッキはときどき打点が20~30足りなくなることがあって、相手を狩り損なったタイミングを清算するのにぴったりだったのです(どこか別の国のNationalsでは、ランドロスEXがこの役割を担って結果を出していました)。レジスチルEXを試していた理由は、サイクロンYでレジスチルを準備するのが簡単だったことと、ワザの範囲が広いからです。今回の地雷デッキをテストしていると、だいたいの場合、どこかで余分な1ターンが手に入って、そこでエネを貼れることに気がつきました。レジスチルEXの攻撃にダブル無色が必要ですが、そのぶんを埋め合わせるのは難しくありません。
TDKとのマッチアップでレジスチルが輝くのは、キュレムの弱点を突けるからです。相手がキュレムでこちらのランドロスを倒したあとでレジスチルをバトル場に出せば、目の前にはトリプルレーザーを浴びせられるキュレムがいます。ハチマキを付ければ、バトル場のキュレムには100、ベンチ2体には30で、160ダメージも与えることができます。ゲーム終盤にはこれが大きなプレッシャーになります。TDKがこれを乗り越えるのは難しいでしょう。
この点をめぐって、自分は他のプレイヤーと真剣に議論を始めました。JW KriewallとClifton Gohの二人は、価値ある力になってくれました。JWと自分でデッキの骨組みを調べ、残りの部分をメタに合わせて埋めることにしたのです。最終的な60枚をほぼ理想的な60枚にする上で、これはかなり役に立ちました。
Nationalsの約2週間前、JWとCliftonが、ミルタンクは微妙だと言ってくれました。自分もテストしていて思っていたことです。ミルタンクは最初からずっとデッキ入っていましたが、とうとう抜いて、そこに改造ハンマーを入れることにしました。イベルタルEXとプラズマに強いカードです……プラズマ対策を追加するのは、ずっと考えていたことでした。まあプラズマとのプレイテストは順調だったのですが、色相性のこともあるので、プレイテスト結果はあまり信用できないんじゃないかという気持ちはぬぐえませんでした。なので、安定性を落とすことなく、できるだけマッチアップ相性を向上させておきたかったのです。
プレイテスト期間中の夜には、デッキについてJohn Robertsとも話しました。彼はデッキをかなり気に入ってくれて、彼は結局、Nationalsでは、彼自身のランドロス派生を使ったようです。ランドロスEX/ライチュウ/ミュウツーEXをベースにした攻撃戦術は、現環境ではかなり強力だと思っています。大舞台で結果を残したことのある人からこの組み合わせについてポジティブな意見を聞けたのは大きかったです。
Michael HopkinsとDema Boatmanとはかなりプレイテストを重ねました。テスト中、ヨノワールを場に出すための安定感に、ときどき不満を感じることがありました。結局、これまでとは違ったやりかたで2進化デッキにアプローチすることにしたのです。まず3-1-2/1ラインとアメ3枚でやってみましたが、イマイチでした。最終的に、デッキを改めて見直すことにしました。
この時点では、ハイパーボール4/レベルボール1でした。複数のヨノワールを立てられるだけの安定性を目指して、ボール/アメ/ポケモンのラインを見直します。アメを1枚抜いて2枚目のサマヨールに変えて、2枚目のミルタンクを外して2枚目のレベルボールに。またハイパーボールを1枚ヘビーボールにしました。ハイパーボールだけのときに比べたら、レベルボールとヘビーボールが両方デッキにあるのは良い感じです。リソースを切らずにいろいろな種類のポケモンを引くことができますし、ダウジングマシンでボールを戻すこともできます(ダウジングマシンでハイパーボールを拾ってカードを4枚捨てるのは、ちょっと論外なプレイです)。
このデッキのボールで引けるものをおさらいしましょう。ヘビーボール:ランドロスEX、レジスチルEX、ヨノワール2種。ゲーム中いつ引いても強い。レベルボール:ピカチュウ、ライチュウ、ヨマワル、サマヨール、ジラーチEX。序盤でも強いし、終盤でいつでもライチュウを引けるのはすばらしい。困ったときのジラーチも引ける。
デッキの調整はNationalsの2~3週間前には止めにして、Nationalsまでのあいだに自分の住んでいる地域で開催されたTropical Beach Tournamentには、オーロットアギルダーやヤミラミハンマーみたいなデッキで出ていました。必要なマッチアップ相性の情報はもう手に入れていると感じていましたし、Nationals前にデッキに飽きてしまいたくなかったからです。
それでも、Nationals前に木曜夜、感触を掴んでおくためと、自分がやりそうな細かなミスを洗い出すために、Michaelと2ゲームだけやりました。結局、彼のBuffalo Wild Wingsデッキに2ゲームとも負けてしまいましたが。理由はカードアドバンテージです。サポーターのうち2枚はフウロになっていました。理論的には、正しいタイミングでボールやまんたんやアメを引くには最適のカードです。が、このカードのせいでドローが立ち遅れ、だいたいの場合で他のサポーターを持ってくるはめになっていました。
Nationalsではフウロは使わないことにしました。ホテルの部屋に帰るとカードファイルを取り出して、サポーターのページをめくり、候補者たちに目をやりました。フウロのうち片方は、4枚目のアララギにして、もっとアグレッシブなドローを可能にしたかったのです。最後の1枠は悩ましいものでした。ゲーチスを考えたものの、テストプレイから、現環境のゲーチスは以前よりも弱くなっていることがわかっていました。4枚目のアクロマも考えましたが、初手に引くとひどいカードです。ランダムレシーバーもすぐに候補から外しました。現状のサポのうち3割がアクロマなので、序盤に引き当てたらたまったものではありません。
長い間眺めていたのは、URのアイリスです。イラストがいいし、最終盤にハチマキつきのエレキサークルで170が出せるのは魅力的です。ただ、長い大会では安定性が大事なのはわかっていたので、結局は一番無難な道を選ぶことにしました。サナです。
サナへの批判がたくさんあるのは知っています。けれども、サポーターとしてはそんなに悪いわけではありません。戻して5枚引くのは強くないです。ただ、弱くもありません。だいたいの場合はそれで十分です。サナを使う上で不安はないと言ったら嘘になります。引く枚数が十分だと感じたことは一度もありません。けれども、たいていは良い仕事をしてくれます。デッキにもよりますが、サナは最後の1枚を埋める上では良いサポーターです。
1ヶ月と半月のあいだ、このデッキにかかりっきりになっていました。実際の大会で一度も試していないものを使うのは、いつも少しだけ不安があります。それでも、1ヵ月半のあいだ、複数のプレイヤーと調整して良い結果を得られたというのは、デッキの強さが偽物じゃないということを物語っていました。
去年はヤミラミ/ダストダスにクラッシュハンマー、改造ハンマー、どくさいみん光線を入れたものを使って、トップ128で大会を終えました。今年は、ハンマー(ヘッド)と(トリプル)レーザーを使うことにします。どうやら自分は、ハンマーとレーザー光線が好きみたいです。
■デッキリスト最終版
これが最終的に大会で使ったリストです。
3 ランドロスEX
1 レジスチルEX
1 ミュウツーEX
1 ジラーチEX
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
3 ヨマワル(XY2)
2 サマヨール
2 ヨノワール(BW6)
1 ヨノワール(XY2)
4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
1 サナ
4 ちからのハチマキ
3 ハイパーボール
2 レベルボール
1 ヘビーボール
2 ふしぎなアメ
2 あなぬけのヒモ
1 ポケモンいれかえ
2 まんたんのくすり
1 改造ハンマー
1 すごいつりざお
1 びっくりメガホン
1 ダウジングマシン
6 闘エネルギー
3 ダブル無色エネルギー
ポケモンのラインナップは記事の前のほうで説明しましたが、そのうち1枚だけ話題にしたいと思います。サポーターのラインナップにもかなり関係があるカードです。
サポーター。このデッキでは明らかに、許容できる最低限の枚数より少ないです。タチワキに関する誰かの書き込みについて、Kevin Baxterが良いことを言っていました。みんなサポーター枚数と安定性を取り違えている、と。12枚は少ないほうですが、それで十分だと感じますし、ジラーチEXで適材適所にサポーターを使えるようにしています。
ジラーチにはほしのみちびきというとくせいがあり、山札からサポーターを探せます。プレイヤーの多くは投入をためらいがちですが、自分はほとんどのデッキでほぼ必須カードだと思っています。
デッキ全体で見れば、サポータ12枚、ハイパーボール3枚、レベルボール2枚、そしてたねポケモン1枚とジラーチが初手に来る可能性を考慮すれば、初手で使えるサポーターは計18枚あることになります。後半のダウジングマシンも加えると、19枚の異なったカードが、デッキに安定性を与えるのに何らかのかたちで働いてくれています。
アメリカ選手権までに、いろいろなデッキでサポーターを少なめの枚数で試してみました。ジラーチEXを繋ぎ役に使うと、かなり良い感じになりました。実際、サポーターが12枚だろうと14枚だろうと、1試合のうち、どこかで事故ぎみになる場面が出てきます。ほしのみちびき経由でボールをドローソースに変えられるなら、そういった状況を何事もなく脱出できるのです。
しかも、サポーターを多く入れすぎると、だいたい1試合のどこかで、4枚も5枚もサポーターのある手札を引いてしまって、ほとんど役立たずになることがあります。そういうのは、そのターンで使いたいカードを探してサポーターを使ったあとだったりします。サポーターを少なめの枚数にしておけば、そういった状況を避けられるのです。
そして、目の前の状況でベストなサポーターを選べたら、ゲームの決め手になります。ジラーチEXがあれば、こういった形でゲームをコントロールできるのです。
ただ、ジラーチを突風効果で呼ばれてゲームを決められたり、狙撃ダメージで死ぬのを恐れてジラーチを使わないプレイヤーは多くいます。ただこの状況は、アメリカ選手権を通じて、僕には2回しか起こりませんでした。ジラーチのおかげで勝てるゲームは、そのせいで負けるゲームを上回っています。
また、ポケモンのサーチ用にボールを6枚入れていることで、理想的な序盤の組み立てが安定してできたりもします。
強調しておきたいポケモンはもう1枚あります。ヨマワル(XY2)です。アメリカ選手権中は使う機会が一度もありませんでした。が、よみがえりを使ったあとでダメカンをその上に動かし、ハンマーヘッドで倒すのが勝ち戦略になるゲームもあります。自分の対戦のうちひとつでもその戦略をやるつもりでしたが、実際にやる前に相手が投了してしまいました。
おそらくグッズは、こういうたぐいのデッキに入りそうなものでしょう。ひとつ話しておきたいのはハチマキ4枚です。このデッキは、勝つためにはできるだけ多くダメージを与える必要があるので、ハチマキはできるかぎり多く入れたかったカードです。ダメージは多ければ多いほどいいです。
エネルギーの枚数はかなり少ないですが、1エネで攻撃できるポケモンがほとんどなので、それでじゅうぶんでした。以前ははかせのてがみを入れていましたが、1エネ攻撃でいけると気づいてからは抜きました。たいていは、必要なときにはエネルギーを引けます。
■ギミックの候補
このデッキ向けのギミックといえるものは2枚ありますが、デッキの最終版には入りませんでした。
このデッキでずいぶん考えたのは、どくさいみん光線を2枚入れるかどうかでした。タチワキシティジムを使ってくる相手に対しては無条件の30ダメージになり、相手が眠ってくれればゲームに勝ててしまうこともあります。ただ自分が感じていたのは、たいていのメタ内デッキに対しては死に札になる、ということでした(TDKでさえ、ビリジオンEX採用が増えつつありました)。また自分は、対イベルタル戦なら他の人がこのデッキを使うよりも自信を持っていたので、どくさいみんをデッキの最終版に入れようとはあまり真面目に考えませんでした。
もう1枚のカード、とりわけアメリカ選手権で環境が動いた後でなら議論する価値があるのは、超エネルギー1枚投入です。ヨノワール(XY2)で殴る可能性については、仲間内で少しだけ話していました。ヨノワールのワザ、いたみのつぶては、コストが超無無で、ヨノワールのダメカンをすべて取って相手のポケモン1匹に載せます〔※訳注:ワザの効果微妙に間違えているのでは……?〕。カエンジシはそこまで使われるとは思っていなかったのですが、もう1度大会に出られるとしたら、超エネを1枚入れると思います。
超エネが役に立つのはこんな感じです。対カエンジシとのマッチアップでは、相手は絶対にヨノワールを一撃では倒せません。こちらは攻撃を受けたら、いたみのつぶてで相手の場にダメージを載せかえれば良いのです。カエンジシは最大で110ダメージしか出せず、ヨノワールを倒すには足りません。もし相手がミュウツーEX/リザードンEXに切り替えてきたら、それらは他のアタッカーで倒し、ライチュウでカエンジシを叩いてゲームを終わらせましょう。超エネを1枚入れていたみのつぶてを使えるようにすれば、対カエンジシの相性がかなり良くなると思います。
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201407172026469014/に続きます〕
個人サイトですが、更新頻度や内容もしっかりしていて、けっこう役に立つサイトです。
今回紹介するのはサイトの管理人自身のNationalsレポート。
39位という好成績もさることながら、デッキの異様さもかなり目を引きます。
そして、それに至るまでの調整記とデッキ解説も、これぞデッキ調整、と言えるほど詳細で面白い内容になっています。
非常に長いレポートなので、2分割(前半は調整とデッキ編、後半はマッチアップ相性とレポート編)していますが、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
読みやすさを考慮して、訳文の省略や改行の変更があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
39th Place 2014 US Nationals Report: Somehow, Hammer and Lasers Again
by Andrew Wamboldt
Monday, July 7, 2014
ttp://thecharizardlounge.com/2014/07/07/39th-place-2014-us-nationals-report-somehow-hammer-and-lasers-again/
信じられないような週末でした。アメリカ選手権はものすごく楽しかったですし、メインイベントでは良い成績を残せて、友だちとも楽しい時間を過ごすことができました。こういった大会は、いつだって最高のイベントです。
たぶんみんな知っていると思いますが、自分は今回の大会で相当に変なデッキを使って、かなり良いところまで行くことができました。トップ16に入れるかどうか、周囲次第でオポが微妙な怪しい立場でしたが、最終ラウンドで負けてしまって1勝ぶん届きませんでした。
対戦のことはあんまり覚えていないので、この記事の大半は、使ったデッキについて、どうやってそこに至ったのか、なぜ使ったのかを話したいと思います。ただ、マッチアップごとの相性は書いておきますし、対戦を多少振り返ってもみたいです。
■もともとの経緯
自分はいつも、新弾が出たら、デッキを大量に作って、PlayTCGに飛び込んで手当たり次第対戦を重ねることにしています。今回最初に作ったのはおもにリザードンEXメインのデッキで、ワイルドブレイズがPlayTCGのデータベースに追加されるとすぐに、それらのデッキを使って対戦していました。
プレイテストの過程で、目を引くデッキと遭遇しました。ランドロスEX/ミルタンク/ヨノワールです。そのデッキには明らかにたくさんの問題があって、自分はリザードンEXデッキでいとも簡単に倒すことができました。ただ、ヨノワールがいると、ランドロスとハチマキのコンビネーションで80ダメージが出るのは、相当に強く感じました。
ほかのプレイヤーたちがカードの組み合わせをどう考えているのか知るには、PlayTCG(またはPTCGO)のランダム対戦がかなり役に立ちます。ランダム対戦で見てから自分で作ってみたデッキを全部覚えているわけではないですが、良いマニューラデッキがどんな感じなのかとか、それが実際にトーナメントの場に登場する前に、知ることができたりもしました。
あの対戦のあとで、すぐに同じようなデッキを組んでみることにしました。まずはランドロス4、ミルタンク3、ライチュウライン2-2、そしてダブル無色を入れたからミュウツーEXを1枚放り込みました。それから、デッキにヨノワールラインを入れました。ヨマワルもサマヨールもアメも入れていたので、ワイルドブレイズの「だめな」ほうのヨノワールも1枚混ぜておきました。
最初のプレイテストでわかったことがありました。ミルタンクは思っていたよりも強くなかったのです。ライチュウがいるならミルタンクの打点ぶんは余計でした。サイド運用をEX/EX/非EX/EXで進めるならライチュウラインで十分ですし、サイド運用をEX/非EX/非EX/非EX/EXとするゲームでなら、だいたい突風系カードでヨノワールラインのパーツを失っています。なのでライチュウライン2-2で事足りたし、サイド交換用の非EXなら、本当に必要なのはそれだけでした。
デッキ全体で見てライチュウはミルタンクより優秀でした。ハチマキがあれば120点を出せます(ミルタンクなら100)。カエンジシへのカウンターにもなるし、アメリカ選手権で一番多いと読んでたイベルタルEXへの対策にもなりました。
プレイテストの初期のうちにわかったのは、ヨノワール(XY2)は最後までデッキに入ったままだろう、ということでした。ヨノワールを両方とも場に出せれば、勝ったも同然です。知らない人のために説明すれば、ヨノワールにはシャドーホールというとくせいがあって、何度でもダメカンを場のポケモンからヨノワールの上に移すことができます。
このカードはいくつかの仕事をしてくれます。まず、エネをアタッカーにつけたままにできること。これは重要なことです。なぜなら、まんたんのくすりのあとに貼れるエネがいつも手札にあるとは限らないからで、そのおかげでだいちのさばき170点までエネを貯めることもできるからです。また、このデッキにはHPの低いたねが入っています(ピカチュウ、ヨマワル、ジラーチEX)。ヨノワールがいれば、相手がこちらのダメージの乗ったポケモンを狙撃して追加のサイドを取るのを防ぐことができます。最後に、ヨノワールはNが絡むとかなりの働きをしてくれます。サイドが偶数になってしまって、ゲームの残りをEXで戦わざるを得ないようなとき、ヨノワールをきぜつさせてからNを撃って相手の手札を1枚にすれば、カードアドバンテージでも場の状況でも、相手よりだいぶ有利な立場になれるのです。
プレイテストを重ねていくと、このデッキはかなり強いことがわかりました。それでこのデッキは、公開の場でテストするようなデッキにはせず、他の人がアイディアを見られないよう、プライベートテスト用のデッキに回したのです。
プレイテストは良好でした。ビリジオンEX/ゲノセクトEXや、イベルタルEXにはかなり相性が良いように感じていました。また、ランドロスが水に弱いにも関わらず、TDKにも全然負けませんでした〔※訳注:TDKはキュレム型プラズマのこと〕。ただTDKとの相性を納得のいくレベルにしたくて、デッキにさらに何かを加えたくもありました。
TDKに関して言えば、このデッキは、トップ3デッキのなかでは他の2つよりも安定しないデッキです。しかも動きも読みやすいデッキでした。そういった情報は、対TDK戦略を固める上で利用することにしました。このランドロス/ヨノワールは、だいたいの場合、自由に(特定のマッチアップ用の戦術は組まず、その時々の場と引きに合わせて動きを調整していくように)プレイしていました。ただし、TDKに勝つにはタイトな戦術が必要でした。
まずはランドロスEXで、相手の場にダメージを撒きます。最初のランドが落とされるまでに、だいたいハンマーヘッドを2発。ハチマキを引けてるかどうかにもよりますが、相手の場には120~160のダメージがばら撒けています。だいたいの場合3ターン目前後にはヨノワールが場に出せていて、まずダメカンを動かしてベンチのキュレムを落とし、それからダメカンを1個だけバトル場のキュレムにも移してから、ハチマキつきライチュウで倒します。そこから相手はライデンナックルで場を立て直そうとしますが、そのころには場にいやらしく130ダメージを乗せることができてます。つまりキュレムを場に出しても、すぐに倒すことができるようになってます。プラズマは速攻でサイドリードを奪いにきますが、そうしたならNを撃って、相手の手札と場を弱くするのは難しいことではありません。
ただまんたんのくすりは問題なので、乗せたダメージを回復されてしまうのは考慮に入れておかなければいけません。これがTDKとのマッチアップをかなり際どいものにしています。それでも、こちらが最後に残った1体で勝てるはずでした。その1体は、一撃では落ちない巨大なEXポケモンです。ただし現状の構築での問題は……ランドが水に弱くてキュレムに一撃で倒され、ミュウツーは超に弱いからデオキのラセンフォースで落とされることです。相性を良くするために、他の何かを追加する必要がありました。
最初に選んだのはキュレムEXです。まともなポケモンには弱点を突かれず、ランドEXミラーやリザードンEXにも強いカードです。対処するにも骨が折れます。げきりんで50。ゲームを終わらせるのに本来なら十分なダメージを与えたら、げきりんでそれ以上のダメージが飛んできます。必要とあれば、ヨノワールとの組み合わせで、倒されないようにしつつ、その一方で与えるダメージを最大化することができました。かなり良い感じでした。
ただ、この役割にはもっと良いカードがありました。自分はイベルタルEXデッキで、ずっとレジスチルEXを試していました。あのデッキはときどき打点が20~30足りなくなることがあって、相手を狩り損なったタイミングを清算するのにぴったりだったのです(どこか別の国のNationalsでは、ランドロスEXがこの役割を担って結果を出していました)。レジスチルEXを試していた理由は、サイクロンYでレジスチルを準備するのが簡単だったことと、ワザの範囲が広いからです。今回の地雷デッキをテストしていると、だいたいの場合、どこかで余分な1ターンが手に入って、そこでエネを貼れることに気がつきました。レジスチルEXの攻撃にダブル無色が必要ですが、そのぶんを埋め合わせるのは難しくありません。
TDKとのマッチアップでレジスチルが輝くのは、キュレムの弱点を突けるからです。相手がキュレムでこちらのランドロスを倒したあとでレジスチルをバトル場に出せば、目の前にはトリプルレーザーを浴びせられるキュレムがいます。ハチマキを付ければ、バトル場のキュレムには100、ベンチ2体には30で、160ダメージも与えることができます。ゲーム終盤にはこれが大きなプレッシャーになります。TDKがこれを乗り越えるのは難しいでしょう。
この点をめぐって、自分は他のプレイヤーと真剣に議論を始めました。JW KriewallとClifton Gohの二人は、価値ある力になってくれました。JWと自分でデッキの骨組みを調べ、残りの部分をメタに合わせて埋めることにしたのです。最終的な60枚をほぼ理想的な60枚にする上で、これはかなり役に立ちました。
Nationalsの約2週間前、JWとCliftonが、ミルタンクは微妙だと言ってくれました。自分もテストしていて思っていたことです。ミルタンクは最初からずっとデッキ入っていましたが、とうとう抜いて、そこに改造ハンマーを入れることにしました。イベルタルEXとプラズマに強いカードです……プラズマ対策を追加するのは、ずっと考えていたことでした。まあプラズマとのプレイテストは順調だったのですが、色相性のこともあるので、プレイテスト結果はあまり信用できないんじゃないかという気持ちはぬぐえませんでした。なので、安定性を落とすことなく、できるだけマッチアップ相性を向上させておきたかったのです。
プレイテスト期間中の夜には、デッキについてJohn Robertsとも話しました。彼はデッキをかなり気に入ってくれて、彼は結局、Nationalsでは、彼自身のランドロス派生を使ったようです。ランドロスEX/ライチュウ/ミュウツーEXをベースにした攻撃戦術は、現環境ではかなり強力だと思っています。大舞台で結果を残したことのある人からこの組み合わせについてポジティブな意見を聞けたのは大きかったです。
Michael HopkinsとDema Boatmanとはかなりプレイテストを重ねました。テスト中、ヨノワールを場に出すための安定感に、ときどき不満を感じることがありました。結局、これまでとは違ったやりかたで2進化デッキにアプローチすることにしたのです。まず3-1-2/1ラインとアメ3枚でやってみましたが、イマイチでした。最終的に、デッキを改めて見直すことにしました。
この時点では、ハイパーボール4/レベルボール1でした。複数のヨノワールを立てられるだけの安定性を目指して、ボール/アメ/ポケモンのラインを見直します。アメを1枚抜いて2枚目のサマヨールに変えて、2枚目のミルタンクを外して2枚目のレベルボールに。またハイパーボールを1枚ヘビーボールにしました。ハイパーボールだけのときに比べたら、レベルボールとヘビーボールが両方デッキにあるのは良い感じです。リソースを切らずにいろいろな種類のポケモンを引くことができますし、ダウジングマシンでボールを戻すこともできます(ダウジングマシンでハイパーボールを拾ってカードを4枚捨てるのは、ちょっと論外なプレイです)。
このデッキのボールで引けるものをおさらいしましょう。ヘビーボール:ランドロスEX、レジスチルEX、ヨノワール2種。ゲーム中いつ引いても強い。レベルボール:ピカチュウ、ライチュウ、ヨマワル、サマヨール、ジラーチEX。序盤でも強いし、終盤でいつでもライチュウを引けるのはすばらしい。困ったときのジラーチも引ける。
デッキの調整はNationalsの2~3週間前には止めにして、Nationalsまでのあいだに自分の住んでいる地域で開催されたTropical Beach Tournamentには、オーロットアギルダーやヤミラミハンマーみたいなデッキで出ていました。必要なマッチアップ相性の情報はもう手に入れていると感じていましたし、Nationals前にデッキに飽きてしまいたくなかったからです。
それでも、Nationals前に木曜夜、感触を掴んでおくためと、自分がやりそうな細かなミスを洗い出すために、Michaelと2ゲームだけやりました。結局、彼のBuffalo Wild Wingsデッキに2ゲームとも負けてしまいましたが。理由はカードアドバンテージです。サポーターのうち2枚はフウロになっていました。理論的には、正しいタイミングでボールやまんたんやアメを引くには最適のカードです。が、このカードのせいでドローが立ち遅れ、だいたいの場合で他のサポーターを持ってくるはめになっていました。
Nationalsではフウロは使わないことにしました。ホテルの部屋に帰るとカードファイルを取り出して、サポーターのページをめくり、候補者たちに目をやりました。フウロのうち片方は、4枚目のアララギにして、もっとアグレッシブなドローを可能にしたかったのです。最後の1枠は悩ましいものでした。ゲーチスを考えたものの、テストプレイから、現環境のゲーチスは以前よりも弱くなっていることがわかっていました。4枚目のアクロマも考えましたが、初手に引くとひどいカードです。ランダムレシーバーもすぐに候補から外しました。現状のサポのうち3割がアクロマなので、序盤に引き当てたらたまったものではありません。
長い間眺めていたのは、URのアイリスです。イラストがいいし、最終盤にハチマキつきのエレキサークルで170が出せるのは魅力的です。ただ、長い大会では安定性が大事なのはわかっていたので、結局は一番無難な道を選ぶことにしました。サナです。
サナへの批判がたくさんあるのは知っています。けれども、サポーターとしてはそんなに悪いわけではありません。戻して5枚引くのは強くないです。ただ、弱くもありません。だいたいの場合はそれで十分です。サナを使う上で不安はないと言ったら嘘になります。引く枚数が十分だと感じたことは一度もありません。けれども、たいていは良い仕事をしてくれます。デッキにもよりますが、サナは最後の1枚を埋める上では良いサポーターです。
1ヶ月と半月のあいだ、このデッキにかかりっきりになっていました。実際の大会で一度も試していないものを使うのは、いつも少しだけ不安があります。それでも、1ヵ月半のあいだ、複数のプレイヤーと調整して良い結果を得られたというのは、デッキの強さが偽物じゃないということを物語っていました。
去年はヤミラミ/ダストダスにクラッシュハンマー、改造ハンマー、どくさいみん光線を入れたものを使って、トップ128で大会を終えました。今年は、ハンマー(ヘッド)と(トリプル)レーザーを使うことにします。どうやら自分は、ハンマーとレーザー光線が好きみたいです。
■デッキリスト最終版
これが最終的に大会で使ったリストです。
3 ランドロスEX
1 レジスチルEX
1 ミュウツーEX
1 ジラーチEX
2 ピカチュウ
2 ライチュウ
3 ヨマワル(XY2)
2 サマヨール
2 ヨノワール(BW6)
1 ヨノワール(XY2)
4 アララギ博士
4 N
3 アクロマ
1 サナ
4 ちからのハチマキ
3 ハイパーボール
2 レベルボール
1 ヘビーボール
2 ふしぎなアメ
2 あなぬけのヒモ
1 ポケモンいれかえ
2 まんたんのくすり
1 改造ハンマー
1 すごいつりざお
1 びっくりメガホン
1 ダウジングマシン
6 闘エネルギー
3 ダブル無色エネルギー
ポケモンのラインナップは記事の前のほうで説明しましたが、そのうち1枚だけ話題にしたいと思います。サポーターのラインナップにもかなり関係があるカードです。
サポーター。このデッキでは明らかに、許容できる最低限の枚数より少ないです。タチワキに関する誰かの書き込みについて、Kevin Baxterが良いことを言っていました。みんなサポーター枚数と安定性を取り違えている、と。12枚は少ないほうですが、それで十分だと感じますし、ジラーチEXで適材適所にサポーターを使えるようにしています。
ジラーチにはほしのみちびきというとくせいがあり、山札からサポーターを探せます。プレイヤーの多くは投入をためらいがちですが、自分はほとんどのデッキでほぼ必須カードだと思っています。
デッキ全体で見れば、サポータ12枚、ハイパーボール3枚、レベルボール2枚、そしてたねポケモン1枚とジラーチが初手に来る可能性を考慮すれば、初手で使えるサポーターは計18枚あることになります。後半のダウジングマシンも加えると、19枚の異なったカードが、デッキに安定性を与えるのに何らかのかたちで働いてくれています。
アメリカ選手権までに、いろいろなデッキでサポーターを少なめの枚数で試してみました。ジラーチEXを繋ぎ役に使うと、かなり良い感じになりました。実際、サポーターが12枚だろうと14枚だろうと、1試合のうち、どこかで事故ぎみになる場面が出てきます。ほしのみちびき経由でボールをドローソースに変えられるなら、そういった状況を何事もなく脱出できるのです。
しかも、サポーターを多く入れすぎると、だいたい1試合のどこかで、4枚も5枚もサポーターのある手札を引いてしまって、ほとんど役立たずになることがあります。そういうのは、そのターンで使いたいカードを探してサポーターを使ったあとだったりします。サポーターを少なめの枚数にしておけば、そういった状況を避けられるのです。
そして、目の前の状況でベストなサポーターを選べたら、ゲームの決め手になります。ジラーチEXがあれば、こういった形でゲームをコントロールできるのです。
ただ、ジラーチを突風効果で呼ばれてゲームを決められたり、狙撃ダメージで死ぬのを恐れてジラーチを使わないプレイヤーは多くいます。ただこの状況は、アメリカ選手権を通じて、僕には2回しか起こりませんでした。ジラーチのおかげで勝てるゲームは、そのせいで負けるゲームを上回っています。
また、ポケモンのサーチ用にボールを6枚入れていることで、理想的な序盤の組み立てが安定してできたりもします。
強調しておきたいポケモンはもう1枚あります。ヨマワル(XY2)です。アメリカ選手権中は使う機会が一度もありませんでした。が、よみがえりを使ったあとでダメカンをその上に動かし、ハンマーヘッドで倒すのが勝ち戦略になるゲームもあります。自分の対戦のうちひとつでもその戦略をやるつもりでしたが、実際にやる前に相手が投了してしまいました。
おそらくグッズは、こういうたぐいのデッキに入りそうなものでしょう。ひとつ話しておきたいのはハチマキ4枚です。このデッキは、勝つためにはできるだけ多くダメージを与える必要があるので、ハチマキはできるかぎり多く入れたかったカードです。ダメージは多ければ多いほどいいです。
エネルギーの枚数はかなり少ないですが、1エネで攻撃できるポケモンがほとんどなので、それでじゅうぶんでした。以前ははかせのてがみを入れていましたが、1エネ攻撃でいけると気づいてからは抜きました。たいていは、必要なときにはエネルギーを引けます。
■ギミックの候補
このデッキ向けのギミックといえるものは2枚ありますが、デッキの最終版には入りませんでした。
このデッキでずいぶん考えたのは、どくさいみん光線を2枚入れるかどうかでした。タチワキシティジムを使ってくる相手に対しては無条件の30ダメージになり、相手が眠ってくれればゲームに勝ててしまうこともあります。ただ自分が感じていたのは、たいていのメタ内デッキに対しては死に札になる、ということでした(TDKでさえ、ビリジオンEX採用が増えつつありました)。また自分は、対イベルタル戦なら他の人がこのデッキを使うよりも自信を持っていたので、どくさいみんをデッキの最終版に入れようとはあまり真面目に考えませんでした。
もう1枚のカード、とりわけアメリカ選手権で環境が動いた後でなら議論する価値があるのは、超エネルギー1枚投入です。ヨノワール(XY2)で殴る可能性については、仲間内で少しだけ話していました。ヨノワールのワザ、いたみのつぶては、コストが超無無で、ヨノワールのダメカンをすべて取って相手のポケモン1匹に載せます〔※訳注:ワザの効果微妙に間違えているのでは……?〕。カエンジシはそこまで使われるとは思っていなかったのですが、もう1度大会に出られるとしたら、超エネを1枚入れると思います。
超エネが役に立つのはこんな感じです。対カエンジシとのマッチアップでは、相手は絶対にヨノワールを一撃では倒せません。こちらは攻撃を受けたら、いたみのつぶてで相手の場にダメージを載せかえれば良いのです。カエンジシは最大で110ダメージしか出せず、ヨノワールを倒すには足りません。もし相手がミュウツーEX/リザードンEXに切り替えてきたら、それらは他のアタッカーで倒し、ライチュウでカエンジシを叩いてゲームを終わらせましょう。超エネを1枚入れていたみのつぶてを使えるようにすれば、対カエンジシの相性がかなり良くなると思います。
〔※http://ukinins.diarynote.jp/201407172026469014/に続きます〕
コメント
今回のデッキとは直接関係のない部分ではありましたが、仮に全回復できたらエグすぎるワザですよね、これw
ヨノワール2種類ともすごく強いと思います。
結構読み応え有りますね。
ちょっとした解説やコメがないと本文だけじゃわからないですね。
その組み合わせは面白そうですね。ダブルヨノワールはなかなか練り込み甲斐がありそうです。
>>双子パパさん
お読みいただきありがとうございます。訳していたときも分量に圧倒されていました。
海外のレポートは、対戦中の記述でも大事なところがいきなり省かれたりするので、ふつうに読んでいても解説がほしいことはよくあります。書き方の文化の違いとかはあるのかもしれませんね。