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【翻訳】No.003:私のポケカライフ2001~2002
2013年12月31日
今回は60cards.netから。大和さんの記事第3弾の翻訳になります。
内容に関しては、英訳者の魔女さんがご自身のブログで的確に要約して下さっていますので、僕から言うことはほとんどありません。
前回と今回の記事を読み返してみると、過去の振り返りをしつつも1つの結論に向かって話が進んでいて、本当に良いコラムだなあと改めて思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
テキストの引用は前回同様ポケモンWikiさんからです。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
No.003 My Pokemoncard Life 2001 to 2002
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Sunday, December 29, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/121
お久しぶりのポケカライフ記事です!
これは第3弾の記事になりますが、今回は、2001年の後半から2002年にかけての話をしたいと思います。
本題に入る前に、前回の記事を軽く振り返ってみましょう。2001年の夏の大会で3位になり、私はトッププレイヤーになろうと強く思い始めました。以来、優勝するため一生懸命やるようになったわけです。
ネオシリーズ4番目の拡張パックで、ポケモン金銀を基にしたシリーズは終わりを迎えました。その次は「ポケモンVS」シリーズですが、これは日本でしか発売されなかったものです。しかしながら、ここで大きな変化が起こりました。まず、カードの裏面のデザインが変わったんです。そのため、「闇、そして光へ…」までのカードを「旧裏」、VSシリーズ以降のカードを「新裏」と呼びます。そういえば旧裏のカードを集めているコレクターの方もまだまだいると思うのですが、こういった旧裏のなかには、非常に高額なカードもあるんです。
本題に戻りましょう。VSシリーズは、進化ポケモンがたねとして扱われた最初のシリーズでした。ちょうどSPポケモンのような感じです。とはいえ、このセットにはわざマシンもあったりしたのですが、強力なカードやキーになるようなカードは全然入っていませんでした(一番最近のわざマシンはギンガ団のものですね)。
このセットに入っていたたねポケモンの多くは、過去に登場したたねポケモンよりほんのちょっと強いだけでした。ただ、VSシリーズのポケモンはわざマシンで攻撃することができました。そのなかには、エネがあまりかからず、とても強いものもありました。いつ使われるのか予想できないという点では、わざマシンはどうぐと同じような面白さがありますね。
2001年の12月、eシリーズが発売されました。旧裏のカードが複雑だったこともあり、過去のシリーズと比べるとほとんどのカードが弱体化しました。そしてそのために、初心者がポケカに参入するのが難しくなってしまったんです。ワザのダメージ、特殊能力、トレーナーで引けるカードの枚数――これらすべてが、小さく、あるいは少なくなりました。
たとえば旧裏にはオーキドはかせとウツギはかせがあり、7枚引くことができました。しかしeシリーズで主に使われたオーキドはかせの研究では、山札からたった5枚しか引けなかったんです。
この当時の数年間はポケカの暗黒期だと言うプレイヤーもいます。ただ、個人的にはそうは思いません。いまのカードがあるのは、これらのシリーズがあるからこそなんです。ダメージ数やHPが跳ね上がったり、強いカードが出続けたなら、ゲームは簡単に壊れてしまいます。それに、環境が一新されれば、こういった数字は増えていくものなんです。最初のシリーズが出たときには、最大のHPは120でした。しかし17年経ってみたら、220になっています(メガカメックスとメガフシギバナですね)。最大HPは200までだろうという考えは、もう過去のものです。もしも最大HPが400になったりしたら、自分も歳をとったなと思うことでしょうね!
ポケカではときどき、その都度カードの効果が(キャッチャーのように)変わったりもします。エネルギーリムーブと超エネルギーリムーブにエラッタがかかったのも、だいたいこの頃だったのではないでしょうか(確かほとんどの海外では"Energy Removal"は"Energy Removal 2"になったはずです)。そのようなエラッタに対して良い気分がしないときもありますが、それでも、動向を見守るようにしています。個人的には、ゲームバランスを調整するためにも、そういった効果は弱められた方が良いだろうと思います。
それでは、当時使えたカードたちを説明していきましょう。
サポーターが導入されたのは2002年の春だったかと思います。使用できたカードは、ディビジョンごとに違っていました。――ジュニアとシニアが使えたのはネオ1からeシリーズまでだった一方で、マスターは、すべてのシリーズのカード(第一弾からeまで)を使うことができました。13歳から17歳までがシニアリーグで、マスターリーグは高校生以上の年齢が対象でした。マスターリーグが追加されたのは2002年からですが、これは高校を卒業したプレイヤーたちにとって、本当にすばらしいニュースでした。――この枠が追加される前は、高校を卒業してしまったプレイヤーたちが参加できる枠がなかったために、そういったプレイヤーたちには公式大会でプレイできる権利がなかったんです。このおかげで、そういったプレイヤーたちもポケカを続けられるようになりました!
ルールに関していえば、依然としてカードの使用制限がありました(興味があれば前回の記事を見てください!)。とはいえ、前回大会の結果を受け、カードの使用制限が前回とは変更されました。そのため、前回使ったキングドラデッキや、前回大会で優勝した他のデッキも使えなくなってしまったんです(一応キングドラを組むことはできましたが、リサイクルエネルギーが制限になったので、もはや強いデッキではなくなっていたでしょう)。
また、今回は予選ラウンドから自分のデッキを使うことができるようになりました。これまでの大会では、主催者側が用意したデッキしか使えなかったんです。しかしながら、デッキは30枚でなければいけませんでした。これはおそらく日本限定のルールでしょうね。
30枚デッキのルールは、60枚の半分なので、同名カードは2枚まで、またサイドの枚数は3枚でした。基本的に、ゲームは単純です。――ミラーやメタを意識したカードを入れるのは難しいからです。そのためメタは極めて単純で、プレイングを磨こうという努力はだいたい無駄に終わります。
こういった説明をするとゲームがつまらないように見えるかもしれないのですが、30枚デッキを作るのは60枚デッキを作るのとは違っていて、またメタデッキに勝てるようなデッキを作るのはとても楽しい作業です。ただそれでも、ゲームが単純なので私は好きではなかったのですが。
ここからは、当時どのようなデッキがいたのかについて話していきましょう(ちなみに、前回話したデッキの大半もまだ残っていました)。
・エンテイ(ネオ3)+炎ポケモン(キュウコン、ウィンディ、ホウオウなど)
サポーターの導入で、ゲームスピードは遅くなっていました。エンテイの「おたけび」(この力は、このカードを手札から場に出したとき、1回だけ使うことができ、使ったら、自分の番は終わる。自分の山札の上からカードを5枚トラッシュする。トラッシュしたカードの中に「炎」エネルギーカードがあれば、それらすべてをトラッシュからとり出し、自分の場の「炎」ポケモンそれぞれに、好きなようにつける)を使えば、炎ポケモンが大ダメージで攻撃しやすくなります。しかし炎エネを探すのに山札の上5枚しか見れないことや、使ったらターンが終わってしまうため、いつも炎エネ加速を保証してくれるというわけではありませんでした。
・ゲンガー(e1)+オーダイル(e1)
このシリーズは本当に弱かったと言ったのですが、この2枚の組み合わせだけは、おそらく旧裏に対抗できる力を持った唯一のカードでした。オーダイルのベンチ入れ替えの能力は強く、またゲンガーの「カオスムーブ」のおかげで、「くいちぎる」がもの凄い一撃になります。しかしながら、この2枚がどちらも2進化だったことと、ゲンガーのポケパワーを使うには条件があったために、このデッキを使う時には時間切れが不安要素のひとつでした。
・カスミのヒトデマン&その他
このデッキは以前から存在していたのですが、とても面白いデッキなのでとにかく紹介してしまいます。カスミのヒトデマンにプラスパワーをつければ、スターブーメランで大きなダメージを与え、相手のポケモンを1発か2発で倒すことができます。そしてカスミのヒトデマンの攻撃はそれについている全てのカードを手札に戻すので、プラスパワーも戻ってきます。こうなれば大きなダメージを与えられるのですが、しかし相手に対処されてしまうと、勝つのは難しくなります。
また、サポータールールによって山札から多くのカードを引くのが難しくなったために、このデッキはこの環境では使えなくなってしまいました。
さてここからは、私自身のことをお話ししましょう。
今回の大会では、私はシニアかマスターに参加することができました。なぜかはわからないのですが、私は、バトルロードスプリング2002仙台大会のマスターリーグに参加することにしました。験かつぎというわけでもないのですが、仙台の大会に出るのが好きだったんです。
予選ラウンドは前回と同じでした。それぞれの卓に6人から10人のプレイヤーがいて、3人と3試合を行います。1位になれば予選を抜けることができました。
このときは、カリンのバンギラス/ゲンガーを使いました。ゲンガーのカオスムーブが最初から使えるので、ゲームに勝ちやすくなるからです。悪エネルギーをカリンのバンギラスに貼れば大きなダメージを与えることもできます。何試合かゲンガーとのミラーマッチがあったものの、カリンのバンギラスには超抵抗があったため、全てのゲームに勝って予選を突破することができました。もしも優勝すれば、仙台大会2連覇です!
そして決勝トーナメントに入りました。デッキは60枚で、ルールは元々のものです。私が使ったのはゲンガー/オーダイルで、もし1キルや事故負けさえなければ、優勝できる自信がかなりありました。たとえゲームを先行されても、ゲンガーがいれば巻き返すことができます。オーダイルは、いったんエネがついてしまえば、何でも2ターン以内に倒すことができました。また、最初の数ターンは攻撃できないため、その数ターンを繋ぐためにベイビィポケモンを何枚か入れていました。
初戦の相手はオーダイル(確か)でした。こちらのデッキにはゲンガーが入っているので、自分の方が有利だと強く感じていました。対戦相手はこちらよりサイドを多く取って先行しましたが、こちらは場が揃ったので、勝てるだろうと思いました。しかしながら、こちらの取ったサイド数が相手の取った数に近づくにつれ、相手は突然プレイのスタイルを変え、ブビィのようなベイビィポケモンを使って、ゲーム運びを遅くしようとしてきたんです。
ブビィのワザ「モクモク」は、場のポケモンが、特殊能力、ポケパワー、ポケボディを使えなくなります。時間が速く流れ、ブビィに攻撃しようとコインを投げるたびに、裏が出てしまいました。そしてジャッジが時間切れを宣言し、こちらの場の方があちらの場よりも強く見えるにも関わらず、相手の方がサイドを多く取っていたために、私は負けてしまいました。まったく負けた気はしませんでした。それでも、私はゲームに負けてしまったんです。私はひどく落ち込んでしまい、楽しげな顔で家に帰ることができませんでした。
さて、この試合は、私に悪影響しか与えなかったように見えるかもしれません。しかしこの試合は、もっと上手いプレイヤーになるための教訓を与えてくれたんです。――時間に気を配らなければいけない、と。
ゲームに勝つには、良いデッキと良いスキルだけではだめで、時間に――その消費に気を配る必要があります。また、相手の動きを注意深くチェックしましょう。相手の表情と、相手がどこに視線をやっているかによって、何をしようとしているのか、手札に何を持っているのかを読み取ることができます。もしもあのゲームで、対戦相手が何をしようとしているのかを読み取ることができていれば、私は勝てていただろうと思います。負けたことは恥ずかしかったですが、それでもあの試合は、大事な教訓を教えてくれました。――それが、今でもあの試合を覚えている理由です。
大会でなぜ負けたのか、みなさんの多くが思い返すと思います。単に「ああ、引きが弱かったから負けた」とか、「相手のハンドの方が強かった」とは言わないでください。試合を思い返し、勝つにはどうすべきだったのか、その答えを探すのは、誰にとっても大切な経験です。
私自身は勝つことに関して多くの経験をしてきました。しかし勝利と同じくらい私は負けてきましたし、ひとつひとつの試合すべてを誇りに思っています。
経験してきたことを誇りに思ってください。――それこそが、ポケカを楽しむのに必要なことなんです。
次回予告になりますが、2002年の後半、私はリベンジを試みます。
4番目の記事も、どうぞご期待ください!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
今回の記事も、非常に懐かしくて楽しい内容でした。おたけびエンテイもゲンガーもとても懐かしいですね。ゲンガーは僕個人も思い入れのあるカードです。
原文にはカード画像もたくさんありますので、興味のある方はぜひ原文も覗いてみてください。
また、記事の結論部分も、多くのプレイヤーに響く内容なのではないでしょうか。公式大会に限らず、各地の自主大会でも時間切れの勝敗は重要になるでしょうし、勝っても負けても、自分のプレイを振り返って得られるものは少なくないはずです。
ところで、記事に出てくる公式の予選形式はここからもあと数年ぶんはこの卓内3勝形式のはずですが、この形式の予選と、今の始発カードゲームのどちらがマシかと言われれば、大変に悩ましいところですw
内容に関しては、英訳者の魔女さんがご自身のブログで的確に要約して下さっていますので、僕から言うことはほとんどありません。
前回と今回の記事を読み返してみると、過去の振り返りをしつつも1つの結論に向かって話が進んでいて、本当に良いコラムだなあと改めて思います。
いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
斜体は引用文です。読みやすさを考慮して、改行を変更した部分があります。
テキストの引用は前回同様ポケモンWikiさんからです。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
No.003 My Pokemoncard Life 2001 to 2002
by Tsuguyoshi Yamato, trans. Majyo
Sunday, December 29, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/121
お久しぶりのポケカライフ記事です!
これは第3弾の記事になりますが、今回は、2001年の後半から2002年にかけての話をしたいと思います。
本題に入る前に、前回の記事を軽く振り返ってみましょう。2001年の夏の大会で3位になり、私はトッププレイヤーになろうと強く思い始めました。以来、優勝するため一生懸命やるようになったわけです。
ネオシリーズ4番目の拡張パックで、ポケモン金銀を基にしたシリーズは終わりを迎えました。その次は「ポケモンVS」シリーズですが、これは日本でしか発売されなかったものです。しかしながら、ここで大きな変化が起こりました。まず、カードの裏面のデザインが変わったんです。そのため、「闇、そして光へ…」までのカードを「旧裏」、VSシリーズ以降のカードを「新裏」と呼びます。そういえば旧裏のカードを集めているコレクターの方もまだまだいると思うのですが、こういった旧裏のなかには、非常に高額なカードもあるんです。
本題に戻りましょう。VSシリーズは、進化ポケモンがたねとして扱われた最初のシリーズでした。ちょうどSPポケモンのような感じです。とはいえ、このセットにはわざマシンもあったりしたのですが、強力なカードやキーになるようなカードは全然入っていませんでした(一番最近のわざマシンはギンガ団のものですね)。
このセットに入っていたたねポケモンの多くは、過去に登場したたねポケモンよりほんのちょっと強いだけでした。ただ、VSシリーズのポケモンはわざマシンで攻撃することができました。そのなかには、エネがあまりかからず、とても強いものもありました。いつ使われるのか予想できないという点では、わざマシンはどうぐと同じような面白さがありますね。
2001年の12月、eシリーズが発売されました。旧裏のカードが複雑だったこともあり、過去のシリーズと比べるとほとんどのカードが弱体化しました。そしてそのために、初心者がポケカに参入するのが難しくなってしまったんです。ワザのダメージ、特殊能力、トレーナーで引けるカードの枚数――これらすべてが、小さく、あるいは少なくなりました。
たとえば旧裏にはオーキドはかせとウツギはかせがあり、7枚引くことができました。しかしeシリーズで主に使われたオーキドはかせの研究では、山札からたった5枚しか引けなかったんです。
この当時の数年間はポケカの暗黒期だと言うプレイヤーもいます。ただ、個人的にはそうは思いません。いまのカードがあるのは、これらのシリーズがあるからこそなんです。ダメージ数やHPが跳ね上がったり、強いカードが出続けたなら、ゲームは簡単に壊れてしまいます。それに、環境が一新されれば、こういった数字は増えていくものなんです。最初のシリーズが出たときには、最大のHPは120でした。しかし17年経ってみたら、220になっています(メガカメックスとメガフシギバナですね)。最大HPは200までだろうという考えは、もう過去のものです。もしも最大HPが400になったりしたら、自分も歳をとったなと思うことでしょうね!
ポケカではときどき、その都度カードの効果が(キャッチャーのように)変わったりもします。エネルギーリムーブと超エネルギーリムーブにエラッタがかかったのも、だいたいこの頃だったのではないでしょうか(確かほとんどの海外では"Energy Removal"は"Energy Removal 2"になったはずです)。そのようなエラッタに対して良い気分がしないときもありますが、それでも、動向を見守るようにしています。個人的には、ゲームバランスを調整するためにも、そういった効果は弱められた方が良いだろうと思います。
それでは、当時使えたカードたちを説明していきましょう。
サポーターが導入されたのは2002年の春だったかと思います。使用できたカードは、ディビジョンごとに違っていました。――ジュニアとシニアが使えたのはネオ1からeシリーズまでだった一方で、マスターは、すべてのシリーズのカード(第一弾からeまで)を使うことができました。13歳から17歳までがシニアリーグで、マスターリーグは高校生以上の年齢が対象でした。マスターリーグが追加されたのは2002年からですが、これは高校を卒業したプレイヤーたちにとって、本当にすばらしいニュースでした。――この枠が追加される前は、高校を卒業してしまったプレイヤーたちが参加できる枠がなかったために、そういったプレイヤーたちには公式大会でプレイできる権利がなかったんです。このおかげで、そういったプレイヤーたちもポケカを続けられるようになりました!
ルールに関していえば、依然としてカードの使用制限がありました(興味があれば前回の記事を見てください!)。とはいえ、前回大会の結果を受け、カードの使用制限が前回とは変更されました。そのため、前回使ったキングドラデッキや、前回大会で優勝した他のデッキも使えなくなってしまったんです(一応キングドラを組むことはできましたが、リサイクルエネルギーが制限になったので、もはや強いデッキではなくなっていたでしょう)。
また、今回は予選ラウンドから自分のデッキを使うことができるようになりました。これまでの大会では、主催者側が用意したデッキしか使えなかったんです。しかしながら、デッキは30枚でなければいけませんでした。これはおそらく日本限定のルールでしょうね。
30枚デッキのルールは、60枚の半分なので、同名カードは2枚まで、またサイドの枚数は3枚でした。基本的に、ゲームは単純です。――ミラーやメタを意識したカードを入れるのは難しいからです。そのためメタは極めて単純で、プレイングを磨こうという努力はだいたい無駄に終わります。
こういった説明をするとゲームがつまらないように見えるかもしれないのですが、30枚デッキを作るのは60枚デッキを作るのとは違っていて、またメタデッキに勝てるようなデッキを作るのはとても楽しい作業です。ただそれでも、ゲームが単純なので私は好きではなかったのですが。
ここからは、当時どのようなデッキがいたのかについて話していきましょう(ちなみに、前回話したデッキの大半もまだ残っていました)。
・エンテイ(ネオ3)+炎ポケモン(キュウコン、ウィンディ、ホウオウなど)
サポーターの導入で、ゲームスピードは遅くなっていました。エンテイの「おたけび」(この力は、このカードを手札から場に出したとき、1回だけ使うことができ、使ったら、自分の番は終わる。自分の山札の上からカードを5枚トラッシュする。トラッシュしたカードの中に「炎」エネルギーカードがあれば、それらすべてをトラッシュからとり出し、自分の場の「炎」ポケモンそれぞれに、好きなようにつける)を使えば、炎ポケモンが大ダメージで攻撃しやすくなります。しかし炎エネを探すのに山札の上5枚しか見れないことや、使ったらターンが終わってしまうため、いつも炎エネ加速を保証してくれるというわけではありませんでした。
・ゲンガー(e1)+オーダイル(e1)
このシリーズは本当に弱かったと言ったのですが、この2枚の組み合わせだけは、おそらく旧裏に対抗できる力を持った唯一のカードでした。オーダイルのベンチ入れ替えの能力は強く、またゲンガーの「カオスムーブ」のおかげで、「くいちぎる」がもの凄い一撃になります。しかしながら、この2枚がどちらも2進化だったことと、ゲンガーのポケパワーを使うには条件があったために、このデッキを使う時には時間切れが不安要素のひとつでした。
・カスミのヒトデマン&その他
このデッキは以前から存在していたのですが、とても面白いデッキなのでとにかく紹介してしまいます。カスミのヒトデマンにプラスパワーをつければ、スターブーメランで大きなダメージを与え、相手のポケモンを1発か2発で倒すことができます。そしてカスミのヒトデマンの攻撃はそれについている全てのカードを手札に戻すので、プラスパワーも戻ってきます。こうなれば大きなダメージを与えられるのですが、しかし相手に対処されてしまうと、勝つのは難しくなります。
また、サポータールールによって山札から多くのカードを引くのが難しくなったために、このデッキはこの環境では使えなくなってしまいました。
さてここからは、私自身のことをお話ししましょう。
今回の大会では、私はシニアかマスターに参加することができました。なぜかはわからないのですが、私は、バトルロードスプリング2002仙台大会のマスターリーグに参加することにしました。験かつぎというわけでもないのですが、仙台の大会に出るのが好きだったんです。
予選ラウンドは前回と同じでした。それぞれの卓に6人から10人のプレイヤーがいて、3人と3試合を行います。1位になれば予選を抜けることができました。
このときは、カリンのバンギラス/ゲンガーを使いました。ゲンガーのカオスムーブが最初から使えるので、ゲームに勝ちやすくなるからです。悪エネルギーをカリンのバンギラスに貼れば大きなダメージを与えることもできます。何試合かゲンガーとのミラーマッチがあったものの、カリンのバンギラスには超抵抗があったため、全てのゲームに勝って予選を突破することができました。もしも優勝すれば、仙台大会2連覇です!
そして決勝トーナメントに入りました。デッキは60枚で、ルールは元々のものです。私が使ったのはゲンガー/オーダイルで、もし1キルや事故負けさえなければ、優勝できる自信がかなりありました。たとえゲームを先行されても、ゲンガーがいれば巻き返すことができます。オーダイルは、いったんエネがついてしまえば、何でも2ターン以内に倒すことができました。また、最初の数ターンは攻撃できないため、その数ターンを繋ぐためにベイビィポケモンを何枚か入れていました。
初戦の相手はオーダイル(確か)でした。こちらのデッキにはゲンガーが入っているので、自分の方が有利だと強く感じていました。対戦相手はこちらよりサイドを多く取って先行しましたが、こちらは場が揃ったので、勝てるだろうと思いました。しかしながら、こちらの取ったサイド数が相手の取った数に近づくにつれ、相手は突然プレイのスタイルを変え、ブビィのようなベイビィポケモンを使って、ゲーム運びを遅くしようとしてきたんです。
ブビィのワザ「モクモク」は、場のポケモンが、特殊能力、ポケパワー、ポケボディを使えなくなります。時間が速く流れ、ブビィに攻撃しようとコインを投げるたびに、裏が出てしまいました。そしてジャッジが時間切れを宣言し、こちらの場の方があちらの場よりも強く見えるにも関わらず、相手の方がサイドを多く取っていたために、私は負けてしまいました。まったく負けた気はしませんでした。それでも、私はゲームに負けてしまったんです。私はひどく落ち込んでしまい、楽しげな顔で家に帰ることができませんでした。
さて、この試合は、私に悪影響しか与えなかったように見えるかもしれません。しかしこの試合は、もっと上手いプレイヤーになるための教訓を与えてくれたんです。――時間に気を配らなければいけない、と。
ゲームに勝つには、良いデッキと良いスキルだけではだめで、時間に――その消費に気を配る必要があります。また、相手の動きを注意深くチェックしましょう。相手の表情と、相手がどこに視線をやっているかによって、何をしようとしているのか、手札に何を持っているのかを読み取ることができます。もしもあのゲームで、対戦相手が何をしようとしているのかを読み取ることができていれば、私は勝てていただろうと思います。負けたことは恥ずかしかったですが、それでもあの試合は、大事な教訓を教えてくれました。――それが、今でもあの試合を覚えている理由です。
大会でなぜ負けたのか、みなさんの多くが思い返すと思います。単に「ああ、引きが弱かったから負けた」とか、「相手のハンドの方が強かった」とは言わないでください。試合を思い返し、勝つにはどうすべきだったのか、その答えを探すのは、誰にとっても大切な経験です。
私自身は勝つことに関して多くの経験をしてきました。しかし勝利と同じくらい私は負けてきましたし、ひとつひとつの試合すべてを誇りに思っています。
経験してきたことを誇りに思ってください。――それこそが、ポケカを楽しむのに必要なことなんです。
次回予告になりますが、2002年の後半、私はリベンジを試みます。
4番目の記事も、どうぞご期待ください!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、大和さんや魔女さんではなく責任は翻訳した僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。
今回の記事も、非常に懐かしくて楽しい内容でした。おたけびエンテイもゲンガーもとても懐かしいですね。ゲンガーは僕個人も思い入れのあるカードです。
原文にはカード画像もたくさんありますので、興味のある方はぜひ原文も覗いてみてください。
また、記事の結論部分も、多くのプレイヤーに響く内容なのではないでしょうか。公式大会に限らず、各地の自主大会でも時間切れの勝敗は重要になるでしょうし、勝っても負けても、自分のプレイを振り返って得られるものは少なくないはずです。
ところで、記事に出てくる公式の予選形式はここからもあと数年ぶんはこの卓内3勝形式のはずですが、この形式の予選と、今の始発カードゲームのどちらがマシかと言われれば、大変に悩ましいところですw
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