〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309071513308176/からの続きです〕


■世界大会本戦

 LCQの次の日が世界大会本戦です! 以前よりも試合数が増えていると聞いていたので、一日を通じて自分のペースを保てるか心配でした。とはいえ、一度負けたら終わりというわけではないので、スイスラウンドではかなりリラックスしてプレイできました。

・1回戦:Marius Vanheste (BE) ダークライEX/アブソル

 初手はとても良かったです。パソ通があり、1ターン目からナイトスピアを撃つこともできるハンドでした。けれど相手はNを使ってきて、それでこちらの手札はひどくなってしまいます。手札にどくさいみんがあったので相手のダークライEXに使いましたが、いろいろあってそのダークライは数ターン眠り続けました。
 ようやく僕はフウロを引き当て、相手がNを握っているのかサポーターを引いていないだけなのかわからなかったので、ビーチではなくアララギを持ってきました。相手のダークライは起きてナイトスピアを撃ち始め、こちらも同じようにナイトスピアを撃ち始めます。相手の2体目のダークライにこちらの2体目のダークライが落とされないように、ビーチでタチワキを割りました。けれども、相手は2枚目のタチワキとどくさいみんも持っていました。ただ、僕は3体目のダークライを作れることはわかっていたので、それで相手の2体目のダークライを倒しました。相手は次のダークライを用意できず、こちらが初戦に勝つことができました。

・2回戦:Javier Favilli (AR) ブースター/テラキオン/ランドロスEX/ダストダス/フワライド/タブンネ/バリヤード

 このマッチが始まる前、ブースターデッキがいると聞いていたので、僕はそのことを考えていました。そしてバトル場をオープンしてみると、うわ来たよ、イーブイがいる! 
 序盤はダークパッチが引けず苦労しました。向こうはランドロスEXで攻撃してきます。こちらは押しとどめるためにどくさいみんを使いますが、そのたびにタブンネで回復されてしまいました。しかし、ランドロスには2枚目のエネがつきませんでした。こちらはダークライにダメージが乗ったらまんたんのくすりを使い、ダークライ2枚がかりでランドロスを落としました。その時点で、相手の場にはダブル無色つきのブースターが3体とバリヤード。バリヤードがいるのでダストを置こうと思いました。ブースターが前に来てふくしゅうを撃ってきますが、大したダメージは出ていません。
 僕はダストダスを立てて、悪のツメをつけたダークライで殴り始めました。2体目のブースターが来てこちらのダークライを落とします。相手はキャッチャーを3枚使っていて、トラッシュにはポケモンが14枚ありました。その時点で、向こうには学習装置つきの無傷のダークライを倒す手段がありませんでした。僕はNを使ってからキャッチャーでブースターを倒します。向こうにはアタッカーがいなくなり、ダークライが倒されなかったのでゲームに勝つことができました。相手のデッキは、戦っていて楽しいデッキでしたね。

・3回戦:Brit Pybas (US) ダークライEX

 ヤミラミスタートでしたがサポーターはなし。相手はバリヤード1匹だけで、こちらはどくさいみんを撃ちました。どうやら相手もサポなしのようで、カードを引いただけでターンを返してきます。僕も他にやることがなかったのであやしいひかりを撃ちました。相手も他にできることはなく、こちらはまたあやしいひかりを撃ってバリヤードを倒すことができました。今回は運がよかったと思います。

・4回戦:Jonathan Bristow (US) レックビール

 相手はライコウEXスタートで、こちらはヤミラミスタートです。相手はサポーターがなく、ライコウにエネを貼っただけでターンを返してきました。次のターンにはかみなりのキバを使ってきましたが、判定は裏。こちらはダークライを用意してシビシラスを殴り始めます。向こうはまたかみなりのキバですが――裏。助かりました。僕はダストダスを置くつもりだったので、ケルディオを出したくなかったんです。なのでマヒにされてしまうと、ケルディオがいないので困ったことになります。
 こちらはベンチのシビビールを倒し、次のターンに相手はまたかみなりのキバを撃ってきました。判定は裏。こちらは再びナイトスピアで攻撃します。もう少しで勝てるところでしたが、相手はベンチにレックウザEXを出してアクロマを使ってきました。そしてかみなりのキバ、ですが判定はまた裏。こちらはライコウを倒します。相手はアララギを使いますが、大した動きはできませんでした。レックウザには3エネがついていましたが、こちらは他のポケモンも準備できていて、勝つことができました。だいたいはかみなりのキバの裏のおかげですね。

・5回戦:Dustin Zimmerman (US) ヤミラミ/ダストダス/ダークライEX/ハンマー

 マッチアップで彼の名前を見たときはとても興奮しました。彼の名前は前から知っていたんです。お互いダークライスタートで、うーんダークライかと思いながら僕はベンチにヤブクロンを出しました。すると向こうもヤブクロンを出してきました。そしてヤミラミが出てきてハンマーを撃ち始めます。向こうはヤミラミとダストダスをメインにしたデッキだなと思いました。僕も同じデッキを以前に試したことがあったので、相手のデッキにアタッカーはそんなにたくさん入っていないと踏んで、ダークライで殴り始めました。ハンマーが刺さると困るのでダークライには4枚目のエネを貼り、万が一にニューラが来ることも考え、ケルディオを出して悪エネをつけておきました。こちらのダークライは倒されず、僕は相手のダストダスとヤブクロンをナイトスピアで倒すことができました。このデッキがすごく強いのは知っているんですが、試合時間がとても長くなってしまうのと、ゴチルゼルに勝てないので、僕は使いませんでした。

・6回戦:Josue Palomino (MX) キュレム/デオキシスEX/ケルディオEX/学習装置

 相手は学習装置と基本エネを使っているプラズマでした。この型はあまり使っておらず、ダークダストとも練習していませんでした。この試合は勝てば次に進めるので、じっくりやろうと思いました。
 相手は1ターン目からキュレムを準備してフロストスピアで殴ってきました。貼られていた学習装置がかなり良さそうに見えました。どくさいみんとブリザードバーンで僕のダークライは170ダメージを受け、僕はそれをまんたんのくすりで回復したのですが、ここで大きなミスをしてしまいました。僕はうっかりダークライの毒マーカーまで取り払ってしまい、ケルディオのかけつけるを使うのを忘れていたんです。これは困ったなと思いましたが、相手も似たようなミスをしてくれました。相手もかけつけるを使い忘れ、そのため前のターンにブリザードバーンを撃ったキュレムがバーンを撃てなかったんです。
 相手はもうワザを宣言してしまっていたので、僕らはジャッジを呼びどうすべきか尋ねました。ジャッジ曰く、今はまだ攻撃フェイズ中なので〔※訳注:原文はsince it was in the Attack Phase〕、別のワザを選択することはできる、とのことでした。しかしキュレムはそもそもワザを使えないので、相手は攻撃せずにターンエンドし、こちらのダークライには毒で合計60ダメージが乗りました。こちらはダストダスを置き、どくさいみんを撃ってキュレムを倒します。もうブリザードバーンとどくさいみんでもHP満タンのダークライが落ちなくなり、ケルディオのかけつけるも使えなくなりました。こちらはそのままダークライでゲームに勝利しました。

・7回戦:Gino Lombardi (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

 TopCutの人たちがこの試合をビデオに撮りたいと言ってきました。提案はとてもうれしかったのですが、このデッキはまだ公開したくなかったんです。申し訳ないことをしました。
 対戦では僕がダストダスを立てて、向こうはツールスクラッパーがなかったので、場をコントロールしてこの試合にも勝利しました。

・8回戦:Leandro Lopez (AR) ギギギアル

 実はギギギアルとはこれまで戦う機会がなかったので、どうやって倒したものかと思っていました。結論は、ダストダスを立てようということにしました。こちらはダークライにエネを貼り、ケルディオを出します。相手はNを使ってきましたが、ギアルを出しただけでターンを返してきました。こちらはダークライで攻撃して勝利。ラッキーな試合でした。

・トップ32:Hanzell Ivan Caballero (MX) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

 少し休憩を挟んで、決勝トーナメントの時間になりました。

1ゲーム目

 またカメックス! こちらはダークライスタートです。少ししてヤミラミとケルディオを引いてきましたが、このゲームでは場に出す必要がないと思いました。こちらはNを撃ちましたが、たねポケを引かず、相手はブラックキュレムを用意してバリスタを撃ち、僕はこのゲームを落としてしまいました。

2ゲーム目

 こちらはダストダスを立ててダークライを準備します。相手は引きがよくなかったようで、こちらはそのままダークライで勝つことができました。相手にはかるいしがあったので、ツールスクラッパーはないんじゃないかと予想しました。

3ゲーム目

 相手はカメックスを立てましたが、こちらもダストダスを立てました。向こうはキャッチャーでダストダスを倒しにきましたが、こちらはかなり引きが良く、そのまま勝つことができました。

・トップ16:Gunther Kirchhofer (AT) キュレム/ボルトロスEX/デオキシスEX/ルギアEX/カビゴン

1ゲーム目

 相手のプラズマはルギア入りだとすぐに判明しました。相手はフロストスピアからの出だしで、こちらはダークパッチを引いていませんでした。カビゴンが出ると困ったことになったのですが、ダストダスを立てればいいだけだと気づきました。この試合には勝てそうになかったので、相手の動きを調べ、相手のデッキにルギアEXがあまり入っていないことがわかりました。それからエーススペックと、ツールスクラッパーがあるかないかもチェックしました。

2ゲーム目

 今回はダストを立てる必要がなかったので、場に出して道具を貼らずそのままにしておきました。こちらはただダークライとアブソルで攻撃していただけで、相手のどくさいみんは全然仕事をしないまま、この試合に勝つことができました。

3ゲーム目

 相手はカビゴンスタート。相手はアララギを使い、スクランブルスイッチを捨てました。それからアクロママシーンを2回使って、カビゴンに3エネを貼ります。こちらはポケモンを場に出せなかったので、もし相手がダブル無色を引いてしまうとそのまま負けてしまいます。運良く向こうは引かず、カビゴンが後ろに下がってくれたので、こちらもダークライを逃がすことができました。ダークライがワザを撃てるようにし、そのターンのうちにカビゴンを倒しました。けれども、そのときこちらの手札にはサポーターがありませんでした。自分のデッキのサポ枚数を思い出し、もう一度トラッシュをチェックしてみると、サイドに2枚サポーターが落ちています。ここで引くサイドがサポなら良かったのですが、あいにくと引いたのはキャッチャーでした。次のターンに山札を引いてみると、そこで引いたのはアララギ博士! 前のターンに引いていたキャッチャーを使い相手のキュレムを倒します。相手はキャッチャーを引けず、スクランブルスイッチがもうないこともわかっていたので、この試合にも勝つことができました。

・トップ8:James Good (US) カメックス/ケルディオEX/ブラックキュレムEX

〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=CypuPRHBpusで見ることができます〕

1ゲーム目

 最初の相手の場にはケルディオEXしかいなかったので、何のデッキかわかりませんでした。もし相手がカメックスなら困ったことになるため、こちらはヤブクロンを場に出します。その読みは正しかったのですが、コントロールしきれるとは思えなかかったので、ジャンクハントで場を整えようとしました。が、ダストダスのロックは破られてしまいます。まだ何とかなると思ったのですが、キャッチャーでケルディオがバトル場に縛られてしまいました。僕はここで大きなミスをします。悪エネをケルディオに貼りにいったのですが、ここでNを使って相手に1ターンを与えてしまったんです。これが負けた原因でした。山札にはカードがあまり残っておらず、サポを使っても大してカードが増えなかったからです。最後のターン、キャッチャーを撃つ撃たないに関わらず、相手がカメックスを引かなければこちらが勝ちだったのですが。相手はカメックスを引き当て、ブラックバリスタを撃ち、こちらがゲームに負けてしまいました。

2ゲーム目

 今回はヤブクロンをなかなか場に出せませんでした。相手はパソコン通信からカメックスを立ててきます。ただ、相手がブラックキュレムをハイパーボールで捨てた時点で、先に場のブラックキュレムを倒すのが正解だろうと思いました。ブラックキュレムがずっと眠っていたおかげで倒すことができ、ゲームの最後には2体のケルディオを同時に倒して、このゲームに勝つことができました。

3ゲーム目

 ダストダスが1枚サイド落ちだとわかり、ヤブクロンを1体場に出しました。すると驚いたことに、2ターン目にカメックスが立ったんです! ブラックキュレムにエネがついてこちらのヤブクロンを落としてきました。眠ってくれればと思って使ったどくさいみん2枚はどちらも外れで、3枚目を撃とうと思ったのですが、最後の1枚だったのでやめておきました。ブラックバリスタがダークライに飛んできて、こちらはブラックキュレムは何とか落とせました。相手のサイドは残り1枚だったのですが、Nもグッズも引けず、最後はヤミラミがカメックスに倒されてしまいました。

■結論

 僕は合計で34試合戦いましたが、そのどれもが楽しい試合でした。いろんな人に出会える世界大会は、本当に夢のような場所だと思います! 負けてしまった最後の試合は、勝てば権利をもらえたので本当に勝ちたかったです。ですが自分のミスで負けてしまったので、もっと練習して、来年はLCQから出なくて済むように日本で権利を取りたいです。
 僕と対戦してくれたみなさん、会場で僕の試合を見てくれたみなさん、中継で見てくれたみなさん、そして僕を支えてくれたみなさんと、チームアチャモのメンバーと、家族に感謝したいと思います。

 次のシーズンに向けて、この記事を読んでくれたみなさんの活躍を祈っています!

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 以上になります。お読みいただきありがとうございました。
 最初にも書いたのですが、構築の際のかるいしの箇所や対戦中のニューラケアなど、大枠の考え方から細かい部分まで、本当にためになる面白いレポートでした。
 繰り返しになりますが、訳文に問題があるとすれば、米田さんや魔女さんではなく責任はすべて僕にあります。間違いなどあれば遠慮なくご指摘ください。

 そういえば、形は違えど、ダークダストは新環境で行われた先日のKlaczynski Openでも優勝を飾っていました。
 海外環境はローテーション(BW3以降)でエネルギーつけかえを失っており、このデッキに注目が集まったのも納得できます。世界大会でのダークダストの快進撃の影響は、しばらく続くのかもしれません。

 ひとまずこのエントリで翻訳ラッシュは終わらせて、通常モードに戻ろうと思います。
 どうでもいいですが、前回のブースターの翻訳のエントリは、通常更新時の2倍のアクセス数を稼いでいました。世界大会効果恐るべし。

コメント

takabashi
2013年9月7日19:44

いつも拝見しております。
毎回素晴らしい記事のご紹介ありがとうございます。
翻訳もお疲れ様でした。とてもとても勉強になりました!

ポケモンカードって面白いですね!!!

たねぼーぱぱ
2013年9月7日20:52

翻訳ありがとうございます。

最後の結論のところ、原文では"scholarship"となっているので「奨学金」となりますけど、米田さんの主旨としては来年の権利のことだろうと推察します。ベスト8でも奨学金は貰えるはずですので。

あひるさん@夜の行進
2013年9月7日22:07

相互していただきありがとうございます。

7月末に親子でポケカ始めたので、大変勉強になります。
これからも翻訳記事楽しみにさせていただきます♪

うきにん
2013年9月7日22:41

>>takabashiさん
お読みいただきありがとうございました。僕も面白いデッキや良い記事を見るたび、ポケカ面白いなあといつも思います。あとは公式の大会環境さえ整ってくれれば言うことないのですが……。

>>たねぼーぱぱさん
お読みいただきありがとうございました。ご指摘の部分は確かにおっしゃるとおりだと思います(ひっそり修正させていただきました)。

>>あひーさん
お読みいただきありがとうございました。今後も面白い記事を見つけたら、できるかぎり紹介していければと思っています。

kame
2013年9月25日17:59

こんにちは。
前作とともにとても読み応えのある内容で、堪能させて頂きました。
今後も記事を拝見したいのでリンクさせて頂きました。
よろしくお願いします☆

うきにん
2013年9月25日22:23

>>るんぱさん
お読みいただきありがとうございました。
今後もできるだけ面白い内容を書いたり紹介したりできたらと思っています。リンクお返しいたしました。

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