〔※http://ukinins.diarynote.jp/201309011145155586/からの続きです〕
■デッキリスト
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
4 ブースター(BW8)
1 リーフィア(BW8)
1 エーフィ(BW4)
4 タブンネ(BW6)
3 フワンテ(SZD)
2 フワライド(BW5)
2 ヤブクロン(BW5)
1 ダストダス(BW5)
1 バリヤード
1 テラキオン(BW2)
1 ランドロスEX
4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 ランダムレシーバー
1 パソコン通信
2 トロピカルビーチ
4 ハイパーボール
2 ポケモンキャッチャー
2 かるいし
3 改造ハンマー
1 すごいつりざお
4 ダブル無色エネルギー
4 闘エネルギー
■デッキ戦略
プレイ中の選択肢がそう多くないがゆえに、相手のデッキが何であっても相対的に同じような動きになるデッキがある。ブースターはそういうデッキのひとつだけれど、なおかつ相手のデッキしだいで、さまざまな選択肢を取ることができる〔※訳注:この二文は原文が不明確なので意訳しています。各自で補完してください〕。
このデッキをしっかり理解するのに一番いい方法は、カード一枚一枚を並べ、それぞれのマッチアップでどういうふうに使えるのかを見せてみることだ。
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
全部のマッチアップで進化する必要があるのだから、イーブイは4枚入れている。しんかのきざしのイーブイを選んだのは、1ターン目にワザを打つならばこいつがベストだと思ったからだ。こいつは次のターンに進化するためのポケモンか、捨てるためのポケモンを持ってこれる。ポケモンを捨てるのは重要だ。なぜならこのデッキには……
4 ブースター(BW8)
ブースターはこのデッキの心臓であり魂だ。このデッキが大量のポケモンを入れているのは、ブースターのふくしゅうを最大限利用するためなのだから。ゲーム終盤で16枚のポケモンがトラッシュに落ち、180ダメージを出せるときほど気持ちいい瞬間はないね。相手のEXを一撃で倒せる180というダメージは、現環境の魔法の数字だ。ブースターはこれすべてを1枚のダブル無色エネルギーでできて、しかもEXポケモンじゃない。そのおかげで、とんでもない巻き返しを図ることもできる。返しのターンで献上するのはサイド1枚だけなのに、こちらは1発で2枚のサイドを取れる。しかもうまくいけば相手の場からは複数枚のエネルギーがなくなる。相手がこちらの低HPのポケモンを倒してサイドをリードしたあとに、ブースターの攻撃とNを組み合わせて相手の動きを止めてやれば、けっこうな割合でゲームの形勢をこちらに引き寄せられる。ブースターを4枚入れているのは、もしも3だけならば、サイド落ちかトラッシュ送りを余儀なくされた場合に勝つのが難しくなってしまうからだ。メインアタッカー切れで負けるのは嫌だからね!
1 リーフィア(BW8)
こいつはただのカメックス対策だろうとみんな考えている。確かにそれは事実で、相手がたくさんエネルギーを貼ってくれれば、こちらはエネルギー1枚だけで相手のケルディオEXを倒すことができる。けれどそれだけではなくて、対プラズマでも、相手のトラッシュの特殊エネルギーが足りなくてフワライドで殴れないときや、自分のトラッシュにポケモンが足りなくてブースターが殴れないときには、序盤の強力なアタッカーになってくれる。リーフィアのエナジークラッシュは、相手ポケモンを1エネで倒しに行くのに役に立つ。しかもこいつは1進化だ。倒されれば、トラッシュには2枚のポケモンが落ちる。
1 エーフィ(BW4)
これは主にゴチアギ対策だ。たいようのけいじがあればバトルポケモンがマヒにならない。ゴチアギ側が単にキャッチャーでエーフィを倒すのは簡単だけれど、そうしてくれれば、貴重なタブンネを消費せずにブースターがもう1ターン攻撃できる。僕は、もしギギギアルを使わないならば、ゴチアギを倒せるのを使おうと決めていた。ついでにおまけとして、こいつはイーブイのしんかのきざしで呼べる3番目のポケモンになる。他のマッチアップでは、序盤に追加のポケモンとして捨てることができるわけだ。
4 タブンネ(BW6)
タブンネは主にせわやきで特殊状態を回復するのに使う。これが役に立つのは、ゴチアギがなぐってドロンでロックしにきたときと、どくさいみん光線で受けた特殊状態を回復するときだ。僕のデッキにはポケモンいれかえが入っていないので、せわやきは眠りで1ターン無駄にするのを防いでくれる。万が一タブンネでスタートしたとしても、ヒップアタックはうまくいけば相手を1ターン遅らせられるし、ブースターのためにトラッシュ送りにもなってくれる。
3 フワンテ(SZD) 2 フワライド(BW5)
このふたつは主に対プラズマのマッチアップで使う。たねが3枚なのは、フワンテがよくキャッチャーの対象になるからで、1進化が2枚なのはスペースが厳しいせいだ。フワンテが2枚だけだと、相手がこちらのフワンテを倒せたときには、フワライドを1体しか送り出せなくなってしまう。それに3枚あれば早いうちから複数のフワンテを引ける。プラズマは早いターンからプレッシャーをかけてくるので、これはとても重要だ。フワンテのたたくはゴチルゼルを倒しやすくするのにすごく便利だし、もしも対戦相手がアララギでダブル無色を切らざるを得ないようなことがあれば、フワライドをそのまま場に出せる。
フワライドはシャドースチールで攻撃するのに使う。相手のトラッシュにある特殊エネルギーの枚数×50ダメージ。プラズマに対して使いやすい。相手が全部特殊エネルギーなんてのもよくあることだからね! ただ、相手は特殊エネルギーを捨てたがらないだろうし、ボルトロスEXで場に戻すこともできる。相手に特殊エネルギーを捨てさせる一番いい方法は、2エネか3エネのついたキュレムなどを倒してしまうことだ。改造ハンマーと絡めてこれをやれば、フワライドは200以上のダメージを出せるようになるし、そうすれば相手の場からエネルギーを一気に吹き飛ばしてしまうことができる。それにNを絡めれば、一気にゲームを巻き返すことが可能だ。もしフワライドが倒されても、ブースターがゲームを終わらせてくれる。
2 ヤブクロン(BW5) 1 ダストダス(BW5)
この部分を見て変に思う人がいるのは知ってる。まず僕はHP70のヤブクロンを使っている。確かにHP60ヤブクロンのゴミあつめは便利なときもあるけれど、HPが10大きければ、生き延びるか、サイドを取られるかで違ってくる。特にキュレムとダークライがベンチに30ダメージを飛ばせるのだから。HPが10大きいと、ヤブクロンはフロストスピアとナイトスピアをもう1発ぶん耐えられるし、そうすると何もかもまったく違ってくる。
ヤブクロン、ダストダス、かるいしはもう少し入れたかったんだけど、単純にスペースが足りなかった。それでも、相手がとくせい依存のデッキだと、ヤブクロンがいれば対戦相手はブースター以外を倒さざるを得ない。もし相手がキャッチャーを撃たなければ、最終的にはダストダスに進化して、相手のデッキを完全に封じ込めてしまえるだろう。
たいていの試合では、ダストダスはずっと場に出ていたわけではなかった。それでもダストダスがいれば対戦相手はブースター以外を攻撃せざるを得ないし、そうすれば相手が出遅れて、ふくしゅうのためにトラッシュに16枚のポケモンを送り込むだけの時間を稼ぐことができる。そうしてブースターはサイドを2枚取ることができて、にもかかわらず倒されても1枚しか取られないから、ゲームを巻き返すことができる。
ヤブクロンが2枚入っていれば少なくとも1枚は引いてくることができるし、とくせい依存のデッキに対しては、1ターン目のハイパーボールで引き込むことができる。ダストダスを1枚しか入れないのは、だいたい10パーセントの確率でサイド落ちするからリスキーではある。それでもデッキには十分な数のサーチカードが入っているから、相手がヤブクロンを無視するなら、たいていは手遅れになる前に引いてくることができる。もしかすると、自分のとくせいも止めてしまうダストダスを使うことに違和感を覚える人もいるかもしれない。これに対するシンプルな回答としては、ダストダスは特定のマッチアップにしか使わないし、どくさいみんを撃ってくるプラズマに対しては、あんまり早くダストダスを置いてはいけない、ということだ。眠りを回復させられるのはタブンネしかいないからね。
1 バリヤード
バリヤードのとくせいは単純だけど、ベンチ攻撃をもつカードに対して輝きをみせる。ダークライのナイトスピアやキュレムのフロストスピアからの30ダメージを防ぐのは、大したことないように見えるかもしれない。けれど、バトルポケモンとベンチポケモンが同時に倒されるのを防ぐことで、1ターンを稼ぐことができる。バリヤードが防ぐダメージをさくっと計算してみよう。ダークライがナイトスピアを6回撃ったなら、バリヤードは180ダメージを防いでくれるんだ!
1 テラキオン(BW2)
テラキオンはきちんと理解されているとは言い難いカードだ。ダークライがどくさいみん光線を手にする以前ほどは強力じゃなくなったけれど、それでも現環境に居場所はあると僕は思っている。かたきうちは一度も使わなかったけれど、テラキオンがいなければ僕はスイスラウンドを抜けられなかったはずだ。僕は気が付いたのだけど、闘エネを貼ったテラキオンをベンチに置いておけば、相手はそれを考慮してプレイせざるを得ない。これは優秀なプレイヤーにとってみれば、どくさいみんやキャッチャーで何とかするのは難しいことではない。けれども、毎ターン何も考えずにナイトスピアを撃ち続けてサイドを取る代わりに、テラキオンをきちんと処理しようとすれば、余計な1ターンが掛かってしまう。これは、ポケモンをトラッシュに落とし、たねポケモンを探し、エネを場に貼ることのできる追加の1ターンだ。
ついでにこいつはブースターから相手の目を逸らすことのできる別の脅威でもある。もし相手がテラキオンを無視すれば、かたきうちはダークライに対して非常に強力な攻撃になる。またテラキオンは対プラズマの序盤でも強力で、イーブイやフワンテから相手のプレッシャーを逸らし、相手のキュレムを2発で落とす助けにもなる。
1 ランドロスEX
ブースターデッキにEXを入れることには、多くのプレイヤーが疑問を持つかもしれない。けれどもランドロスEXは1エネでワザを撃てるたねポケモンだから、中盤でダークライEXを2発で倒すためには最良の選択だ。1ターン目ハンマーヘッドはあんまりないけれど、それでもダークライ側にとっては潜在的な脅威だ。ふつうの非EXポケモンがたいてい1回攻撃して1枚サイドを引かれるのに比べ、対ダークライでのランドロスEXは、2回攻撃して2枚のサイドを引かれる。これが意味するのは、ランドロスEXは、非EXと同じことをするにしても、消費するリソースが少ないということだ。それはまた、ベンチポケモンにエネルギーを貼るための1ターンを稼げるということでもある。エネのついたバトルポケモンがコンスタントに倒され続けていては手に入らないような余裕の部分だ。
ランドロスEXは対ゴチアギにも必要なカードだ。ハンマーヘッドは、2ターン目ブースターを除けば、早い段階で相手にプレッシャーを掛けられるもうひとつの手段だ。相手がダブル無色を捨てない場合に、ランドロスEXがなければ、相手は簡単にイーブイ4体を倒してこちらを息切れにし、勝ててしまうだろう。ただテラキオンは1エネ攻撃がないので、ベンチに置いておくのはリスクが高すぎる。ゴチルゼルがバトル場にいて相手にキャッチャーがあった場合、バトル場に立ち往生させられてしまうからだ。ランドロスEXがいれば、このマッチアップでアタッカーを切らさずにいることができる。
4 アララギ博士
わけなく入るカードだ。ブースターのためにカードを捨てられるし、この環境で一番強いドローソースだからね。
4 N
これもわけなく入るカードだ。序盤では一番強いシャッフルドローだし、終盤ではゲームを巻き返すのに使える。
2 アクロマ
アクロマも強力なドローソースだけれど、序盤ではとても弱い。しかも、ブースターデッキは終盤ではあまりベンチが並ばない傾向があるので、終盤のアクロマは平均的なドローソースに過ぎない。それでも、中盤のアクロマでアララギと大量のポケモンを引き込めれば、最終的に勝ちに繋がる。アクロマを1枚抜いて序盤用にランダムレシーバーを追加することも考えたけれど、結局は対ゴチアギで使えるサポがほしかったのと、中盤のアクロマ大量ドローは強いし、それに予期せぬゲーチスを浴びて手札からランレシを持って行かれて、手札が駄目になるのは避けたかった。
2 ランダムレシーバー
ランダムレシーバーを使うことにしたのは、デッキを安定させるドローソースがもっとほしかったからだ。ベルやフウロはそこまで強いドローソースじゃない。ブースターがちゃんと機能するには大量のカードが必要だし、16枚のポケモンを引き込むにはデッキのほとんどを掘り進む必要がある。ランダムレシーバーは、ゲーム中いつでも、強いサポーターを引き当てる助けになってくれる。
1 パソコン通信
このデッキに入れるエーススペックは明らかにこのカードだ。もしダウジングマシンを入れていれば、追加のキャッチャーで勝てているはずのときもたまにはある。それでも、エネルギーやポケモンを引ける序盤のパソコン通信はすごく強い。ブースターを使っている場合、引けないカードがあまりに多すぎるとゲームに負けてしまう。パソコン通信は、引けなかったカードを持ってきて、大きな動きを決めるのに役に立つ。アグレッシブにカードを引いたり捨てたりするデッキにとって、ダウジングマシンは後ろ向きすぎるカードだ。
2 トロピカルビーチ
このデッキのトロピカルビーチは明らかに疑問の出るチョイスだろう。しかもフウロがないのだから。これに代わる選択肢は、さらにランレシを入れることだ。けれども、このデッキの1ターン目はハンマーヘッドかしんかのきざしぐらいしかすることがないのだから、ビーチがあれば序盤に爆発的な動きができるようになる。また、序盤にNやアララギでひどい手札を引いてしまうのを防ぐこともできる。それに、タチワキシティジムへのカウンターになることで、序盤にタチワキ毒催眠対策のタブンネを引き込む必要性も少なくなる。デメリットとしては、相手にNを撃たれたときに、アララギが必要な場面でビーチを引き込んでしまうことだ。でもそんな可能性に比べたら、メリットの方がはるかに大きい。
4 ハイパーボール
ブースターが動くのに必須のカードだ。デッキの動きを安定させるのと同時に、ふくしゅうのダメージを上げるためにも使える。
2 ポケモンキャッチャー
この環境でも最も影響力のあるカードを2枚しか使わないというのは、変に見えるかもしれない。けれども、だいたいの場合、一番倒したいポケモンはこっちを攻撃しているポケモンだ。というのも、ブースターデッキは、サイドレースではなく場で勝負しているのだから。サイドが2枚残っている終盤なんかには、エネつきのポケモンかポケモンEXを引っ張る必要が出てくるかもしれない。それでも、序盤のアララギでよほど不運な捨て方さえなければ、2枚のキャッチャーで十分だ。
2 かるいし
かるいし2枚というのも、ダストダスが入っていたり、エネが少なかったり、逃げるコストの多いデッキにとっては、少なく見えるかもしれない。単に3枚目のスペースが無かっただけなのだけれど、ダストダスを動かしたり、バトルポケモンを逃がしたりするなら、2枚とパソ通で事足りる。ベンチの置き方や、かるいしの貼り方に気をつけていれば、2枚でもうまくやっていくことは可能だ。
3 改造ハンマー
キャッチャーみたいなカードは2枚しか入れてないのに、ひとつのマッチアップのためだけにこれほどの改造ハンマーを入れるのはオーバーキルに見えるかもしれない。それでも、対プラズマのマッチアップはフワライドと改造ハンマーがなければ非常に困難なものになる。プラズマを倒す上で3枚目のハンマーは必須ではないにしても、プラズマは一番多く使われるデッキだと予想していたし、ハンマーがあればマッチアップ相性を劇的に改善できる。
1 すごいつりざお
これだけがんばってトラッシュにポケモンを送り込んだのに、ポケモンを山札に戻してしまうこのカードを入れるのは違和感があるかもしれない。それでも、1ターン目に運悪くアララギでブースターを2枚捨てざるを得ないときもあるし、イーブイがサイド落ちすることもある。すごいつりざおは、そういった状況のときの逃げ道になってくる。また、つりざおがあれば闘エネルギーをもう少し気楽に捨てられるようになるし、不運なトラッシュ送りや、ひどいサイド落ちや、相手の改造ハンマーでエネ切れになるのを防いでもくれる。
4 ダブル無色エネルギー
ブースターがエネルギー1枚で攻撃できるようになる。これがなければ、ブースターは環境内のもっと速いデッキについていけないだろう。4枚は必須だ。
4 闘エネルギー
基本エネは、つりざおで戻せるのと改造ハンマーで剥がされないという理由で入れている。もう1、2枚基本エネが入れられればよかったけれど、スペースはいつだって問題だ。
■世界大会レポート
このデッキをテストしてみると、ダークライ/アブソルと、スクラッパー入りのとくせい依存デッキが唯一面倒な相手だった。けれど、どちらも戦えないマッチアップじゃない。ギギギアルだったなら相性の悪いマッチアップが多すぎて、相性の良いマッチアップとミラーマッチにはすべて勝たなければならない。とんでもないプレッシャーだ! ツールスクラッパーはそこまで多くは使われないと思ったし、決勝トーナメントでダークライは僕と当たる前にカメックスかギギギアルを踏むだろうと思ったから、僕はマッチアップさえ良ければかなりいいところまで行けるのではと思っていた。
〔※訳注:原文には全対戦ぶんのレポートがありますが、さすがに全部訳すと長すぎるので、今回は目を引いた対戦だけを訳すことにしました。ご了承ください〕
予選4回戦:James Good (US)-カメックス
彼は僕のイーブイを見て驚いているようだった。ということは、僕のデッキについてはまだ噂を聞いていないらしい。ブースターデッキは、リーフィアとダストダスのおかげでカメケルには強い。だからこのまま連勝を続けられたらいいなと思った〔※訳注:本人はここまで3-0〕。不幸にも僕は後攻で、2ターン目にカメックスが出てきてケルディオに3枚水エネルギーが付き、僕のヤブクロンにキャッチャーが飛んでくるのを眺めているはめになった。僕はポケモンをトラッシュに送るのに苦労していて、しかも次のターンにも同じようにキャッチャーがヤブクロンに飛んできた。
運良く僕はすごいつりざおを撃てたから、ヤブクロン2枚を山札に戻して片方を場に出すことができた。すでに対戦相手は場に5枚のエネルギーを出していたから、リーフィアでケルディオを一撃で倒すことは可能だったわけだ。けれど、リーフィアはサイド落ちだった! 1枚挿しのリスクだね。
僕はブースターでケルディオをこつこつ殴ることにした。すると相手は続けざまに3枚目のキャッチャーを僕のヤブクロンに使ってきた。僕はもう1枚のヤブクロンを場に出し、またブースターでケルディオを殴った。ポケモンをトラッシュ送りにできるアララギをぜんぜん引かずに、代わりに序盤にNを全部引いてしまったせいで、僕はケルディオを3発かけて倒さなければならなかった。対戦相手からはもうキャッチャーは飛んでこず、相手はブースターを倒してサイドが残り2枚になった。
僕はようやくブースターでケルディオを倒してサイドを2枚取った。相手は水エネ3枚をカメックスに貼り、もう3枚を新しいケルディオに貼った。相手は僕のブースターを倒して残りのサイドが1枚になった。運良く、僕はリーフィアをサイドから引いていた!
僕はダストダスに進化させ、アララギでかるいしを引き込み、そしてケルディオを倒して残りサイドを2枚にした。相手はゼニガメを前に出してビーチを使った。僕にはもうNが残っていなかったから、僕はゼニガメを倒してお互いのサイドが1枚になった。そのとき相手はスーパーエネルギー回収を使い、そしてフウロからスクラッパーを持ってきた! 相手は僕のリーフィアを倒して、この際どいゲームに勝利した。
僕は相手がスクラッパーを入れているとは予想していなかったけれど、たとえ予想できていたとしても、ゲーム内容をどうにかすることはできなかっただろう。この対戦相手が残りの大会のあいだとてもよくやってくれてうれしく思う。〔※訳注:このときの対戦相手は最終的にベスト4〕
予選8回戦:Takeshi Tosa (JP)-ダークライEX/アブソル
かるいしを見かけたので、相手が使っているのはダークライ/ダストダスの可能性もあった。けれど結局、ダストダスもヤブクロンも見なかった。
この時点での僕は、決勝トーナメントに残るには勝たなければならない状況だった。なのに、僕は後攻で、しかもタブンネスタートだった。僕の対戦相手は日本語版のSRダークライを表向きにした。これはきつい戦いになりそうだった! 相手はダークパッチを使って場に2枚のエネルギーを出してターンを返してきた。相手は2ターン目にナイトスピアを撃てるだろう。
僕の手札には、ハイパーボールと闘エネルギーとNがあった。僕はテラキオンをサーチしてきて、2ターン目にサイドを引かれるのを防ぎ、なおかつ相手に強力なプレッシャーを与えることにした。もし僕のタブンネにナイトスピアを使ってくれれば、僕はかたきうちを次のターンに使えるというわけだ。
相手は2ターン目にして場に合計5枚のエネルギーを置いていた! それでも相手は、どくさいみん光線を撃ちながら、テラキオンのかたきうちを避けるために、ベンチに準備万端のダークライを置いたままアブソルのマインドジャックで40ダメージを与えてきた。僕はたねポケモンを引き込みつつ、ヒップアタックでダメージを与えた。それにベンチダメージを防ぐためのバリヤードも出した。僕の対戦相手は、タチワキシティジムとどくさいみん光線に加え、トロピカルビーチと学習装置入りというユニークなデッキを使っていた。ただ、このゲームに関してはあまり大きな影響はなかった。
相手はキャッチャーを2回撃ち、こちらのテラキオンを倒した。そのあとでタブンネを倒してきた。それで僕は、ランドロスEXでハンマーヘッドを撃つことにした。相手はランドロスEXにナイトスピアを撃ってきた。僕はそれをかるいしで逃がし、彼がベンチに逃がしていた手負いのダークライにキャッチャーを使い、ブースターで倒してサイドを2枚引いた。相手はポケモンキャッチャーを使ってランドロスを倒し、残りサイドが2枚になった。僕はさらにもう少しポケモンを捨てることができ、ブースターでダークライを倒して残りサイドを2枚にした。
僕の場には2体のブースターがいて、どちらにもダブル無色が付き、バリヤードもいた。相手はまだ改造ハンマーを使ってきておらず、エネがついているのはアブソルだけだった。僕はポケモンキャッチャーとタブンネを使い切っていた。
ここで相手はヤミラミとどくさいみんでこちらを眠らせにきた。彼の狙いとしては、ターンが返ってくれば毒でブースターを倒してサイドを引くことができ、そうすればこちらは最後のブースターを前に出さざるを得ないから、それを加速したダークライで倒してサイドを引ききる、というものだ。僕はそれまで4回か5回ぐらい連続で眠り判定のダイスで裏を出していた。僕はアララギで山札を引ききり、すごいつりざおで3枚のタブンネを戻した。アララギを撃った直後にはトラッシュに19枚のポケモンがあったから、3枚戻してもふくしゅうは180ダメージを出せた。このおかげで、僕は次のターンに、この際どいゲームに勝つことができた!
ベスト16:Jason Klaczynski (US)-ダークライEX
この試合はステージ上で行われ、ストリーミング中継もされたから、どんな試合だったのかをもう知っている人もいると思う〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=Y3irFRlfhqIで見ることができます〕。対戦相手はアブソルを使っていなかったので、ほぼ互角の試合になればいいなと思っていた。試合のゆくえは、ゲームを通じて良いドローをして、16枚のポケモンをトラッシュに落とせるか否かにかかっている。それでもこれは一番難しいマッチアップだし、どれも際どいゲームになるだろうと思っていた。
ゲーム1:
後攻でタブンネスタートだったと思う。僕は相手にテラキオンを処理させることで、場を整える時間を稼ぐことができた。不運にもランドロスはサイド落ちしていたけど、代わりにリーフィアでダークライにダメージを当てた。序盤、手札が1枚しかない状態で、Jasonがジャンクハントでダークパッチとどくさいみん光線を拾うというターンがあった。僕の手札にはNとアララギ2枚とエーフィがあった。僕は試合を通じてポケモンを捨てるのに全力を注がないといけないから、アララギを使った。もし相手にサポーターがなければ、僕はポケモンを捨ててエネを貼れるだけの数ターンをもらえただろう。残念ながら相手はアララギを使ってきて、だからあれは暴発プレイになってしまった。でもこれは、不完全な情報のせいで正解手が存在しないようなケースのひとつだろう。
別のタイミングで、僕はアララギを撃ってブースターを捨てざるを得なくなって、しかも4枚目のブースターはサイド落ちだった。それからJasonはキャッチャーでバリヤードを狙ってきた。僕の場には40ダメージの乗ったタブンネがいたから、後々ナイトスピアでサイド2枚取りできるターンを作れるようになったわけだ。
僕の手札にはすごいつりざおがあり、闘エネとバリヤードを山札に戻す必要があった。けれど、そのときまた別の大きな分岐点があった。ブースターともう1枚の闘エネ、どっちを戻すべきなんだろうか?
多くの人は、JasonがNを撃つ前にこちらはハイパーボールでブースターを引いてこれるのだから、ブースターを山札に戻すべきだったと感じているだろう。けれど、もしそうしてしまうと180ダメージには1枚ぶんのポケモンが足りなくなり、相手のNで最後のタブンネを引き込む必要が出てくる。しかも、もしJasonが僕のバトル場のブースターではなくキャッチャーでベンチのたねポケモンを倒してきた場合、180ダメージには2枚ぶん足りなくなって勝ち目がなくなってしまう。もしも序盤にアララギを使っていなければゲームは全然違ったものになっていただろう。けれど、後半になってアララギでブースターを捨てる必要性が出てくるなんて思いもよらなかった。
それでも、JasonのNでブースターを引ければまだ勝つ可能性があった。けれど引けずに、僕はこの際どいゲームに負けてしまった。それでも僕は自分のプレイに満足しているし、あの時点では正しいプレイをしたと思う。
ゲーム2:
僕が先攻で、テラキオン、ランドロスEX、バリヤード、イーブイを場に出すことができた。Jasonは、2ターン目にこちらの闘エネつきランドロスめがけてナイトスピアを撃ってきた。その次のターン、僕はNを使った。それでベンチのテラキオン用の闘エネを引けていれば形勢は良くなっただろうけど、引けなかった。その代わりに、単にハンマーヘッドを撃った。
Jasonのターンになったとき、スタッフがテーブルにやって来て、Jasonは1枚多くエネルギーを貼っていたと告げた。僕らが見逃していたのか、彼らがゲームをちゃんと見ていなかったのか、誰にもわからなかった。それでも僕が自分のトラッシュを見てみると、僕は先攻で、毎ターンサポーターを使っていた(全部Nだ)。Jasonは3ターン目を始めたばかりで、エネをまだ貼っていない。そしてトラッシュにダークパッチがないにも関わらず、彼は2ターン目にナイトスピアを撃っている。残念ながらJasonはゲームロスになった。
このときのJasonはかなり形勢が良さそうだったけれど、もし彼が2ターン目のルール違反なナイトスピアを撃てなかったなら、たぶん僕はベンチのテラキオンにエネルギーを貼ることができて、形勢が良くなっただろう。僕は良い戦いができたんだろうけど、それでも自信があるわけじゃない。あのときの僕は、もう何時間も続けてポケカをやっていたし、自分のターンの動きのことを考えていて何も気づかなかった。Jasonのプレイは遅くて僕は自分のターンの動きを考えていたわけで、てきぱきとプレイできていればミスはなかったんじゃないかと思う。JasonはLCQに加えてすでに1日じゅうポケカをやっていたから、ミスはしやすい状態にあった。ジャッジはこれを察して、早めのプレイするように言ってもよかったと思う。来年には改善されると思っているし、ポケモンは正しい方向へゲームを改良していくと信じているよ!
ゲーム3:
後攻で、またしてもタブンネスタートだった。ダークライとやるとこんなのばっかりだよ! 僕の出だしは、ランドロスEX、テラキオン、バリヤードを並べるという強力なものだった。Jasonがサイドを1枚引くまでには、ハンマーヘッドを1度使い、9枚のカードをトラッシュに送り込むことさえできた。けれども、サポーターを使って6枚か7枚引いたあと、僕は、サポーターも、ランレシも、ビーチもないハンドを引いてしまった。ランドロスが倒されれば、それがトラッシュ10枚目のポケモンになるから、ダブル無色つきブースターは120ダメージを出せるはずだった。そうすればハンマーヘッドで60の乗ったダークライを倒して、しかもベンチに闘エネつきテラキオンやイーブイを並べて、優勢を築けるはずだったのだけれど。悲しいことに、僕は残りのゲームのあいだ、ただドローゴーを繰り返すだけだった。
■結論
今になってみれば、僕はブースターデッキを選んでよかったと思う。ゴチアギは予想よりもちょっとだけ少なかったから、もしかしたらエーフィじゃなくて別のポケモンを入れてもよかったかもしれない。それでも全体的に見て、僕は自分の使った60枚に満足している。もしギギギアルを使っていたらどうなっていただろうかといつも思うけれど、その場合は、初日を0-1でスタートして決勝に残れなかっただろうことはわかる。
ベスト16でのゲームはどちらも見た目よりずっと際どいものだったし、もう少し引きが良ければ勝てていた。僕が負けた3人の相手が、1位2位3位になったことを僕はうれしく思う。みんな対戦していて楽しかったし、それぞれ結果を残せて僕もうれしい。ブースターは使っていてとても面白かったから、後悔は何もないよ!
新環境でブースターを使おうと多くのプレイヤーがわくわくしているのを僕は知っている。新しい環境での経験があまりない僕はそんなに多くを語りたくないけれど、次のローテーションでブースターが失うものは何もないみたいだ。それでもメタゲームは動いていくものだし、ブースターにとって相性のいいマッチアップがまだあるか、見守る必要がある。
デッキに入りそうなカードとして、ブースターはBW9から新しいフワライドを手に入れた。それにゴチアギをメタる必要はもうない。ただし、ブースターはプラズマ団のポケモンだから、もしも銀色の鏡が広く使われるなら、ツールスクラッパーを入れるスペースは作らないといけないだろうね。ブースターが戦えるデッキであり続けられるかどうかは、時間が経ってみないとわからない。
世界大会で、昔の友達や新しい友達に会うのは楽しかった。一緒にプレイテストしてくれたみんなと、僕にブースターで突っ走るようように言ってくれたみんなに感謝したいと思う。次回の世界大会では、ずっとほしかった結果を残せるよう願っているよ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。かなり長めの記事でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
デッキコンセプトが通常のデッキとは違う方向を向いていて、読んでいてとても楽しい記事でした。レポートを全部訳しきらなかったのは申し訳なく思います。
時間があれば、次回も60cards.netからもうひとつくらい訳してみたいのですが……果たしてどうなることやら。
■デッキリスト
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
4 ブースター(BW8)
1 リーフィア(BW8)
1 エーフィ(BW4)
4 タブンネ(BW6)
3 フワンテ(SZD)
2 フワライド(BW5)
2 ヤブクロン(BW5)
1 ダストダス(BW5)
1 バリヤード
1 テラキオン(BW2)
1 ランドロスEX
4 アララギ博士
4 N
2 アクロマ
2 ランダムレシーバー
1 パソコン通信
2 トロピカルビーチ
4 ハイパーボール
2 ポケモンキャッチャー
2 かるいし
3 改造ハンマー
1 すごいつりざお
4 ダブル無色エネルギー
4 闘エネルギー
■デッキ戦略
プレイ中の選択肢がそう多くないがゆえに、相手のデッキが何であっても相対的に同じような動きになるデッキがある。ブースターはそういうデッキのひとつだけれど、なおかつ相手のデッキしだいで、さまざまな選択肢を取ることができる〔※訳注:この二文は原文が不明確なので意訳しています。各自で補完してください〕。
このデッキをしっかり理解するのに一番いい方法は、カード一枚一枚を並べ、それぞれのマッチアップでどういうふうに使えるのかを見せてみることだ。
4 イーブイ(BW8、しんかのきざし)
全部のマッチアップで進化する必要があるのだから、イーブイは4枚入れている。しんかのきざしのイーブイを選んだのは、1ターン目にワザを打つならばこいつがベストだと思ったからだ。こいつは次のターンに進化するためのポケモンか、捨てるためのポケモンを持ってこれる。ポケモンを捨てるのは重要だ。なぜならこのデッキには……
4 ブースター(BW8)
ブースターはこのデッキの心臓であり魂だ。このデッキが大量のポケモンを入れているのは、ブースターのふくしゅうを最大限利用するためなのだから。ゲーム終盤で16枚のポケモンがトラッシュに落ち、180ダメージを出せるときほど気持ちいい瞬間はないね。相手のEXを一撃で倒せる180というダメージは、現環境の魔法の数字だ。ブースターはこれすべてを1枚のダブル無色エネルギーでできて、しかもEXポケモンじゃない。そのおかげで、とんでもない巻き返しを図ることもできる。返しのターンで献上するのはサイド1枚だけなのに、こちらは1発で2枚のサイドを取れる。しかもうまくいけば相手の場からは複数枚のエネルギーがなくなる。相手がこちらの低HPのポケモンを倒してサイドをリードしたあとに、ブースターの攻撃とNを組み合わせて相手の動きを止めてやれば、けっこうな割合でゲームの形勢をこちらに引き寄せられる。ブースターを4枚入れているのは、もしも3だけならば、サイド落ちかトラッシュ送りを余儀なくされた場合に勝つのが難しくなってしまうからだ。メインアタッカー切れで負けるのは嫌だからね!
1 リーフィア(BW8)
こいつはただのカメックス対策だろうとみんな考えている。確かにそれは事実で、相手がたくさんエネルギーを貼ってくれれば、こちらはエネルギー1枚だけで相手のケルディオEXを倒すことができる。けれどそれだけではなくて、対プラズマでも、相手のトラッシュの特殊エネルギーが足りなくてフワライドで殴れないときや、自分のトラッシュにポケモンが足りなくてブースターが殴れないときには、序盤の強力なアタッカーになってくれる。リーフィアのエナジークラッシュは、相手ポケモンを1エネで倒しに行くのに役に立つ。しかもこいつは1進化だ。倒されれば、トラッシュには2枚のポケモンが落ちる。
1 エーフィ(BW4)
これは主にゴチアギ対策だ。たいようのけいじがあればバトルポケモンがマヒにならない。ゴチアギ側が単にキャッチャーでエーフィを倒すのは簡単だけれど、そうしてくれれば、貴重なタブンネを消費せずにブースターがもう1ターン攻撃できる。僕は、もしギギギアルを使わないならば、ゴチアギを倒せるのを使おうと決めていた。ついでにおまけとして、こいつはイーブイのしんかのきざしで呼べる3番目のポケモンになる。他のマッチアップでは、序盤に追加のポケモンとして捨てることができるわけだ。
4 タブンネ(BW6)
タブンネは主にせわやきで特殊状態を回復するのに使う。これが役に立つのは、ゴチアギがなぐってドロンでロックしにきたときと、どくさいみん光線で受けた特殊状態を回復するときだ。僕のデッキにはポケモンいれかえが入っていないので、せわやきは眠りで1ターン無駄にするのを防いでくれる。万が一タブンネでスタートしたとしても、ヒップアタックはうまくいけば相手を1ターン遅らせられるし、ブースターのためにトラッシュ送りにもなってくれる。
3 フワンテ(SZD) 2 フワライド(BW5)
このふたつは主に対プラズマのマッチアップで使う。たねが3枚なのは、フワンテがよくキャッチャーの対象になるからで、1進化が2枚なのはスペースが厳しいせいだ。フワンテが2枚だけだと、相手がこちらのフワンテを倒せたときには、フワライドを1体しか送り出せなくなってしまう。それに3枚あれば早いうちから複数のフワンテを引ける。プラズマは早いターンからプレッシャーをかけてくるので、これはとても重要だ。フワンテのたたくはゴチルゼルを倒しやすくするのにすごく便利だし、もしも対戦相手がアララギでダブル無色を切らざるを得ないようなことがあれば、フワライドをそのまま場に出せる。
フワライドはシャドースチールで攻撃するのに使う。相手のトラッシュにある特殊エネルギーの枚数×50ダメージ。プラズマに対して使いやすい。相手が全部特殊エネルギーなんてのもよくあることだからね! ただ、相手は特殊エネルギーを捨てたがらないだろうし、ボルトロスEXで場に戻すこともできる。相手に特殊エネルギーを捨てさせる一番いい方法は、2エネか3エネのついたキュレムなどを倒してしまうことだ。改造ハンマーと絡めてこれをやれば、フワライドは200以上のダメージを出せるようになるし、そうすれば相手の場からエネルギーを一気に吹き飛ばしてしまうことができる。それにNを絡めれば、一気にゲームを巻き返すことが可能だ。もしフワライドが倒されても、ブースターがゲームを終わらせてくれる。
2 ヤブクロン(BW5) 1 ダストダス(BW5)
この部分を見て変に思う人がいるのは知ってる。まず僕はHP70のヤブクロンを使っている。確かにHP60ヤブクロンのゴミあつめは便利なときもあるけれど、HPが10大きければ、生き延びるか、サイドを取られるかで違ってくる。特にキュレムとダークライがベンチに30ダメージを飛ばせるのだから。HPが10大きいと、ヤブクロンはフロストスピアとナイトスピアをもう1発ぶん耐えられるし、そうすると何もかもまったく違ってくる。
ヤブクロン、ダストダス、かるいしはもう少し入れたかったんだけど、単純にスペースが足りなかった。それでも、相手がとくせい依存のデッキだと、ヤブクロンがいれば対戦相手はブースター以外を倒さざるを得ない。もし相手がキャッチャーを撃たなければ、最終的にはダストダスに進化して、相手のデッキを完全に封じ込めてしまえるだろう。
たいていの試合では、ダストダスはずっと場に出ていたわけではなかった。それでもダストダスがいれば対戦相手はブースター以外を攻撃せざるを得ないし、そうすれば相手が出遅れて、ふくしゅうのためにトラッシュに16枚のポケモンを送り込むだけの時間を稼ぐことができる。そうしてブースターはサイドを2枚取ることができて、にもかかわらず倒されても1枚しか取られないから、ゲームを巻き返すことができる。
ヤブクロンが2枚入っていれば少なくとも1枚は引いてくることができるし、とくせい依存のデッキに対しては、1ターン目のハイパーボールで引き込むことができる。ダストダスを1枚しか入れないのは、だいたい10パーセントの確率でサイド落ちするからリスキーではある。それでもデッキには十分な数のサーチカードが入っているから、相手がヤブクロンを無視するなら、たいていは手遅れになる前に引いてくることができる。もしかすると、自分のとくせいも止めてしまうダストダスを使うことに違和感を覚える人もいるかもしれない。これに対するシンプルな回答としては、ダストダスは特定のマッチアップにしか使わないし、どくさいみんを撃ってくるプラズマに対しては、あんまり早くダストダスを置いてはいけない、ということだ。眠りを回復させられるのはタブンネしかいないからね。
1 バリヤード
バリヤードのとくせいは単純だけど、ベンチ攻撃をもつカードに対して輝きをみせる。ダークライのナイトスピアやキュレムのフロストスピアからの30ダメージを防ぐのは、大したことないように見えるかもしれない。けれど、バトルポケモンとベンチポケモンが同時に倒されるのを防ぐことで、1ターンを稼ぐことができる。バリヤードが防ぐダメージをさくっと計算してみよう。ダークライがナイトスピアを6回撃ったなら、バリヤードは180ダメージを防いでくれるんだ!
1 テラキオン(BW2)
テラキオンはきちんと理解されているとは言い難いカードだ。ダークライがどくさいみん光線を手にする以前ほどは強力じゃなくなったけれど、それでも現環境に居場所はあると僕は思っている。かたきうちは一度も使わなかったけれど、テラキオンがいなければ僕はスイスラウンドを抜けられなかったはずだ。僕は気が付いたのだけど、闘エネを貼ったテラキオンをベンチに置いておけば、相手はそれを考慮してプレイせざるを得ない。これは優秀なプレイヤーにとってみれば、どくさいみんやキャッチャーで何とかするのは難しいことではない。けれども、毎ターン何も考えずにナイトスピアを撃ち続けてサイドを取る代わりに、テラキオンをきちんと処理しようとすれば、余計な1ターンが掛かってしまう。これは、ポケモンをトラッシュに落とし、たねポケモンを探し、エネを場に貼ることのできる追加の1ターンだ。
ついでにこいつはブースターから相手の目を逸らすことのできる別の脅威でもある。もし相手がテラキオンを無視すれば、かたきうちはダークライに対して非常に強力な攻撃になる。またテラキオンは対プラズマの序盤でも強力で、イーブイやフワンテから相手のプレッシャーを逸らし、相手のキュレムを2発で落とす助けにもなる。
1 ランドロスEX
ブースターデッキにEXを入れることには、多くのプレイヤーが疑問を持つかもしれない。けれどもランドロスEXは1エネでワザを撃てるたねポケモンだから、中盤でダークライEXを2発で倒すためには最良の選択だ。1ターン目ハンマーヘッドはあんまりないけれど、それでもダークライ側にとっては潜在的な脅威だ。ふつうの非EXポケモンがたいてい1回攻撃して1枚サイドを引かれるのに比べ、対ダークライでのランドロスEXは、2回攻撃して2枚のサイドを引かれる。これが意味するのは、ランドロスEXは、非EXと同じことをするにしても、消費するリソースが少ないということだ。それはまた、ベンチポケモンにエネルギーを貼るための1ターンを稼げるということでもある。エネのついたバトルポケモンがコンスタントに倒され続けていては手に入らないような余裕の部分だ。
ランドロスEXは対ゴチアギにも必要なカードだ。ハンマーヘッドは、2ターン目ブースターを除けば、早い段階で相手にプレッシャーを掛けられるもうひとつの手段だ。相手がダブル無色を捨てない場合に、ランドロスEXがなければ、相手は簡単にイーブイ4体を倒してこちらを息切れにし、勝ててしまうだろう。ただテラキオンは1エネ攻撃がないので、ベンチに置いておくのはリスクが高すぎる。ゴチルゼルがバトル場にいて相手にキャッチャーがあった場合、バトル場に立ち往生させられてしまうからだ。ランドロスEXがいれば、このマッチアップでアタッカーを切らさずにいることができる。
4 アララギ博士
わけなく入るカードだ。ブースターのためにカードを捨てられるし、この環境で一番強いドローソースだからね。
4 N
これもわけなく入るカードだ。序盤では一番強いシャッフルドローだし、終盤ではゲームを巻き返すのに使える。
2 アクロマ
アクロマも強力なドローソースだけれど、序盤ではとても弱い。しかも、ブースターデッキは終盤ではあまりベンチが並ばない傾向があるので、終盤のアクロマは平均的なドローソースに過ぎない。それでも、中盤のアクロマでアララギと大量のポケモンを引き込めれば、最終的に勝ちに繋がる。アクロマを1枚抜いて序盤用にランダムレシーバーを追加することも考えたけれど、結局は対ゴチアギで使えるサポがほしかったのと、中盤のアクロマ大量ドローは強いし、それに予期せぬゲーチスを浴びて手札からランレシを持って行かれて、手札が駄目になるのは避けたかった。
2 ランダムレシーバー
ランダムレシーバーを使うことにしたのは、デッキを安定させるドローソースがもっとほしかったからだ。ベルやフウロはそこまで強いドローソースじゃない。ブースターがちゃんと機能するには大量のカードが必要だし、16枚のポケモンを引き込むにはデッキのほとんどを掘り進む必要がある。ランダムレシーバーは、ゲーム中いつでも、強いサポーターを引き当てる助けになってくれる。
1 パソコン通信
このデッキに入れるエーススペックは明らかにこのカードだ。もしダウジングマシンを入れていれば、追加のキャッチャーで勝てているはずのときもたまにはある。それでも、エネルギーやポケモンを引ける序盤のパソコン通信はすごく強い。ブースターを使っている場合、引けないカードがあまりに多すぎるとゲームに負けてしまう。パソコン通信は、引けなかったカードを持ってきて、大きな動きを決めるのに役に立つ。アグレッシブにカードを引いたり捨てたりするデッキにとって、ダウジングマシンは後ろ向きすぎるカードだ。
2 トロピカルビーチ
このデッキのトロピカルビーチは明らかに疑問の出るチョイスだろう。しかもフウロがないのだから。これに代わる選択肢は、さらにランレシを入れることだ。けれども、このデッキの1ターン目はハンマーヘッドかしんかのきざしぐらいしかすることがないのだから、ビーチがあれば序盤に爆発的な動きができるようになる。また、序盤にNやアララギでひどい手札を引いてしまうのを防ぐこともできる。それに、タチワキシティジムへのカウンターになることで、序盤にタチワキ毒催眠対策のタブンネを引き込む必要性も少なくなる。デメリットとしては、相手にNを撃たれたときに、アララギが必要な場面でビーチを引き込んでしまうことだ。でもそんな可能性に比べたら、メリットの方がはるかに大きい。
4 ハイパーボール
ブースターが動くのに必須のカードだ。デッキの動きを安定させるのと同時に、ふくしゅうのダメージを上げるためにも使える。
2 ポケモンキャッチャー
この環境でも最も影響力のあるカードを2枚しか使わないというのは、変に見えるかもしれない。けれども、だいたいの場合、一番倒したいポケモンはこっちを攻撃しているポケモンだ。というのも、ブースターデッキは、サイドレースではなく場で勝負しているのだから。サイドが2枚残っている終盤なんかには、エネつきのポケモンかポケモンEXを引っ張る必要が出てくるかもしれない。それでも、序盤のアララギでよほど不運な捨て方さえなければ、2枚のキャッチャーで十分だ。
2 かるいし
かるいし2枚というのも、ダストダスが入っていたり、エネが少なかったり、逃げるコストの多いデッキにとっては、少なく見えるかもしれない。単に3枚目のスペースが無かっただけなのだけれど、ダストダスを動かしたり、バトルポケモンを逃がしたりするなら、2枚とパソ通で事足りる。ベンチの置き方や、かるいしの貼り方に気をつけていれば、2枚でもうまくやっていくことは可能だ。
3 改造ハンマー
キャッチャーみたいなカードは2枚しか入れてないのに、ひとつのマッチアップのためだけにこれほどの改造ハンマーを入れるのはオーバーキルに見えるかもしれない。それでも、対プラズマのマッチアップはフワライドと改造ハンマーがなければ非常に困難なものになる。プラズマを倒す上で3枚目のハンマーは必須ではないにしても、プラズマは一番多く使われるデッキだと予想していたし、ハンマーがあればマッチアップ相性を劇的に改善できる。
1 すごいつりざお
これだけがんばってトラッシュにポケモンを送り込んだのに、ポケモンを山札に戻してしまうこのカードを入れるのは違和感があるかもしれない。それでも、1ターン目に運悪くアララギでブースターを2枚捨てざるを得ないときもあるし、イーブイがサイド落ちすることもある。すごいつりざおは、そういった状況のときの逃げ道になってくる。また、つりざおがあれば闘エネルギーをもう少し気楽に捨てられるようになるし、不運なトラッシュ送りや、ひどいサイド落ちや、相手の改造ハンマーでエネ切れになるのを防いでもくれる。
4 ダブル無色エネルギー
ブースターがエネルギー1枚で攻撃できるようになる。これがなければ、ブースターは環境内のもっと速いデッキについていけないだろう。4枚は必須だ。
4 闘エネルギー
基本エネは、つりざおで戻せるのと改造ハンマーで剥がされないという理由で入れている。もう1、2枚基本エネが入れられればよかったけれど、スペースはいつだって問題だ。
■世界大会レポート
このデッキをテストしてみると、ダークライ/アブソルと、スクラッパー入りのとくせい依存デッキが唯一面倒な相手だった。けれど、どちらも戦えないマッチアップじゃない。ギギギアルだったなら相性の悪いマッチアップが多すぎて、相性の良いマッチアップとミラーマッチにはすべて勝たなければならない。とんでもないプレッシャーだ! ツールスクラッパーはそこまで多くは使われないと思ったし、決勝トーナメントでダークライは僕と当たる前にカメックスかギギギアルを踏むだろうと思ったから、僕はマッチアップさえ良ければかなりいいところまで行けるのではと思っていた。
〔※訳注:原文には全対戦ぶんのレポートがありますが、さすがに全部訳すと長すぎるので、今回は目を引いた対戦だけを訳すことにしました。ご了承ください〕
予選4回戦:James Good (US)-カメックス
彼は僕のイーブイを見て驚いているようだった。ということは、僕のデッキについてはまだ噂を聞いていないらしい。ブースターデッキは、リーフィアとダストダスのおかげでカメケルには強い。だからこのまま連勝を続けられたらいいなと思った〔※訳注:本人はここまで3-0〕。不幸にも僕は後攻で、2ターン目にカメックスが出てきてケルディオに3枚水エネルギーが付き、僕のヤブクロンにキャッチャーが飛んでくるのを眺めているはめになった。僕はポケモンをトラッシュに送るのに苦労していて、しかも次のターンにも同じようにキャッチャーがヤブクロンに飛んできた。
運良く僕はすごいつりざおを撃てたから、ヤブクロン2枚を山札に戻して片方を場に出すことができた。すでに対戦相手は場に5枚のエネルギーを出していたから、リーフィアでケルディオを一撃で倒すことは可能だったわけだ。けれど、リーフィアはサイド落ちだった! 1枚挿しのリスクだね。
僕はブースターでケルディオをこつこつ殴ることにした。すると相手は続けざまに3枚目のキャッチャーを僕のヤブクロンに使ってきた。僕はもう1枚のヤブクロンを場に出し、またブースターでケルディオを殴った。ポケモンをトラッシュ送りにできるアララギをぜんぜん引かずに、代わりに序盤にNを全部引いてしまったせいで、僕はケルディオを3発かけて倒さなければならなかった。対戦相手からはもうキャッチャーは飛んでこず、相手はブースターを倒してサイドが残り2枚になった。
僕はようやくブースターでケルディオを倒してサイドを2枚取った。相手は水エネ3枚をカメックスに貼り、もう3枚を新しいケルディオに貼った。相手は僕のブースターを倒して残りのサイドが1枚になった。運良く、僕はリーフィアをサイドから引いていた!
僕はダストダスに進化させ、アララギでかるいしを引き込み、そしてケルディオを倒して残りサイドを2枚にした。相手はゼニガメを前に出してビーチを使った。僕にはもうNが残っていなかったから、僕はゼニガメを倒してお互いのサイドが1枚になった。そのとき相手はスーパーエネルギー回収を使い、そしてフウロからスクラッパーを持ってきた! 相手は僕のリーフィアを倒して、この際どいゲームに勝利した。
僕は相手がスクラッパーを入れているとは予想していなかったけれど、たとえ予想できていたとしても、ゲーム内容をどうにかすることはできなかっただろう。この対戦相手が残りの大会のあいだとてもよくやってくれてうれしく思う。〔※訳注:このときの対戦相手は最終的にベスト4〕
予選8回戦:Takeshi Tosa (JP)-ダークライEX/アブソル
かるいしを見かけたので、相手が使っているのはダークライ/ダストダスの可能性もあった。けれど結局、ダストダスもヤブクロンも見なかった。
この時点での僕は、決勝トーナメントに残るには勝たなければならない状況だった。なのに、僕は後攻で、しかもタブンネスタートだった。僕の対戦相手は日本語版のSRダークライを表向きにした。これはきつい戦いになりそうだった! 相手はダークパッチを使って場に2枚のエネルギーを出してターンを返してきた。相手は2ターン目にナイトスピアを撃てるだろう。
僕の手札には、ハイパーボールと闘エネルギーとNがあった。僕はテラキオンをサーチしてきて、2ターン目にサイドを引かれるのを防ぎ、なおかつ相手に強力なプレッシャーを与えることにした。もし僕のタブンネにナイトスピアを使ってくれれば、僕はかたきうちを次のターンに使えるというわけだ。
相手は2ターン目にして場に合計5枚のエネルギーを置いていた! それでも相手は、どくさいみん光線を撃ちながら、テラキオンのかたきうちを避けるために、ベンチに準備万端のダークライを置いたままアブソルのマインドジャックで40ダメージを与えてきた。僕はたねポケモンを引き込みつつ、ヒップアタックでダメージを与えた。それにベンチダメージを防ぐためのバリヤードも出した。僕の対戦相手は、タチワキシティジムとどくさいみん光線に加え、トロピカルビーチと学習装置入りというユニークなデッキを使っていた。ただ、このゲームに関してはあまり大きな影響はなかった。
相手はキャッチャーを2回撃ち、こちらのテラキオンを倒した。そのあとでタブンネを倒してきた。それで僕は、ランドロスEXでハンマーヘッドを撃つことにした。相手はランドロスEXにナイトスピアを撃ってきた。僕はそれをかるいしで逃がし、彼がベンチに逃がしていた手負いのダークライにキャッチャーを使い、ブースターで倒してサイドを2枚引いた。相手はポケモンキャッチャーを使ってランドロスを倒し、残りサイドが2枚になった。僕はさらにもう少しポケモンを捨てることができ、ブースターでダークライを倒して残りサイドを2枚にした。
僕の場には2体のブースターがいて、どちらにもダブル無色が付き、バリヤードもいた。相手はまだ改造ハンマーを使ってきておらず、エネがついているのはアブソルだけだった。僕はポケモンキャッチャーとタブンネを使い切っていた。
ここで相手はヤミラミとどくさいみんでこちらを眠らせにきた。彼の狙いとしては、ターンが返ってくれば毒でブースターを倒してサイドを引くことができ、そうすればこちらは最後のブースターを前に出さざるを得ないから、それを加速したダークライで倒してサイドを引ききる、というものだ。僕はそれまで4回か5回ぐらい連続で眠り判定のダイスで裏を出していた。僕はアララギで山札を引ききり、すごいつりざおで3枚のタブンネを戻した。アララギを撃った直後にはトラッシュに19枚のポケモンがあったから、3枚戻してもふくしゅうは180ダメージを出せた。このおかげで、僕は次のターンに、この際どいゲームに勝つことができた!
ベスト16:Jason Klaczynski (US)-ダークライEX
この試合はステージ上で行われ、ストリーミング中継もされたから、どんな試合だったのかをもう知っている人もいると思う〔※訳注:このマッチの動画はttp://www.youtube.com/watch?v=Y3irFRlfhqIで見ることができます〕。対戦相手はアブソルを使っていなかったので、ほぼ互角の試合になればいいなと思っていた。試合のゆくえは、ゲームを通じて良いドローをして、16枚のポケモンをトラッシュに落とせるか否かにかかっている。それでもこれは一番難しいマッチアップだし、どれも際どいゲームになるだろうと思っていた。
ゲーム1:
後攻でタブンネスタートだったと思う。僕は相手にテラキオンを処理させることで、場を整える時間を稼ぐことができた。不運にもランドロスはサイド落ちしていたけど、代わりにリーフィアでダークライにダメージを当てた。序盤、手札が1枚しかない状態で、Jasonがジャンクハントでダークパッチとどくさいみん光線を拾うというターンがあった。僕の手札にはNとアララギ2枚とエーフィがあった。僕は試合を通じてポケモンを捨てるのに全力を注がないといけないから、アララギを使った。もし相手にサポーターがなければ、僕はポケモンを捨ててエネを貼れるだけの数ターンをもらえただろう。残念ながら相手はアララギを使ってきて、だからあれは暴発プレイになってしまった。でもこれは、不完全な情報のせいで正解手が存在しないようなケースのひとつだろう。
別のタイミングで、僕はアララギを撃ってブースターを捨てざるを得なくなって、しかも4枚目のブースターはサイド落ちだった。それからJasonはキャッチャーでバリヤードを狙ってきた。僕の場には40ダメージの乗ったタブンネがいたから、後々ナイトスピアでサイド2枚取りできるターンを作れるようになったわけだ。
僕の手札にはすごいつりざおがあり、闘エネとバリヤードを山札に戻す必要があった。けれど、そのときまた別の大きな分岐点があった。ブースターともう1枚の闘エネ、どっちを戻すべきなんだろうか?
多くの人は、JasonがNを撃つ前にこちらはハイパーボールでブースターを引いてこれるのだから、ブースターを山札に戻すべきだったと感じているだろう。けれど、もしそうしてしまうと180ダメージには1枚ぶんのポケモンが足りなくなり、相手のNで最後のタブンネを引き込む必要が出てくる。しかも、もしJasonが僕のバトル場のブースターではなくキャッチャーでベンチのたねポケモンを倒してきた場合、180ダメージには2枚ぶん足りなくなって勝ち目がなくなってしまう。もしも序盤にアララギを使っていなければゲームは全然違ったものになっていただろう。けれど、後半になってアララギでブースターを捨てる必要性が出てくるなんて思いもよらなかった。
それでも、JasonのNでブースターを引ければまだ勝つ可能性があった。けれど引けずに、僕はこの際どいゲームに負けてしまった。それでも僕は自分のプレイに満足しているし、あの時点では正しいプレイをしたと思う。
ゲーム2:
僕が先攻で、テラキオン、ランドロスEX、バリヤード、イーブイを場に出すことができた。Jasonは、2ターン目にこちらの闘エネつきランドロスめがけてナイトスピアを撃ってきた。その次のターン、僕はNを使った。それでベンチのテラキオン用の闘エネを引けていれば形勢は良くなっただろうけど、引けなかった。その代わりに、単にハンマーヘッドを撃った。
Jasonのターンになったとき、スタッフがテーブルにやって来て、Jasonは1枚多くエネルギーを貼っていたと告げた。僕らが見逃していたのか、彼らがゲームをちゃんと見ていなかったのか、誰にもわからなかった。それでも僕が自分のトラッシュを見てみると、僕は先攻で、毎ターンサポーターを使っていた(全部Nだ)。Jasonは3ターン目を始めたばかりで、エネをまだ貼っていない。そしてトラッシュにダークパッチがないにも関わらず、彼は2ターン目にナイトスピアを撃っている。残念ながらJasonはゲームロスになった。
このときのJasonはかなり形勢が良さそうだったけれど、もし彼が2ターン目のルール違反なナイトスピアを撃てなかったなら、たぶん僕はベンチのテラキオンにエネルギーを貼ることができて、形勢が良くなっただろう。僕は良い戦いができたんだろうけど、それでも自信があるわけじゃない。あのときの僕は、もう何時間も続けてポケカをやっていたし、自分のターンの動きのことを考えていて何も気づかなかった。Jasonのプレイは遅くて僕は自分のターンの動きを考えていたわけで、てきぱきとプレイできていればミスはなかったんじゃないかと思う。JasonはLCQに加えてすでに1日じゅうポケカをやっていたから、ミスはしやすい状態にあった。ジャッジはこれを察して、早めのプレイするように言ってもよかったと思う。来年には改善されると思っているし、ポケモンは正しい方向へゲームを改良していくと信じているよ!
ゲーム3:
後攻で、またしてもタブンネスタートだった。ダークライとやるとこんなのばっかりだよ! 僕の出だしは、ランドロスEX、テラキオン、バリヤードを並べるという強力なものだった。Jasonがサイドを1枚引くまでには、ハンマーヘッドを1度使い、9枚のカードをトラッシュに送り込むことさえできた。けれども、サポーターを使って6枚か7枚引いたあと、僕は、サポーターも、ランレシも、ビーチもないハンドを引いてしまった。ランドロスが倒されれば、それがトラッシュ10枚目のポケモンになるから、ダブル無色つきブースターは120ダメージを出せるはずだった。そうすればハンマーヘッドで60の乗ったダークライを倒して、しかもベンチに闘エネつきテラキオンやイーブイを並べて、優勢を築けるはずだったのだけれど。悲しいことに、僕は残りのゲームのあいだ、ただドローゴーを繰り返すだけだった。
■結論
今になってみれば、僕はブースターデッキを選んでよかったと思う。ゴチアギは予想よりもちょっとだけ少なかったから、もしかしたらエーフィじゃなくて別のポケモンを入れてもよかったかもしれない。それでも全体的に見て、僕は自分の使った60枚に満足している。もしギギギアルを使っていたらどうなっていただろうかといつも思うけれど、その場合は、初日を0-1でスタートして決勝に残れなかっただろうことはわかる。
ベスト16でのゲームはどちらも見た目よりずっと際どいものだったし、もう少し引きが良ければ勝てていた。僕が負けた3人の相手が、1位2位3位になったことを僕はうれしく思う。みんな対戦していて楽しかったし、それぞれ結果を残せて僕もうれしい。ブースターは使っていてとても面白かったから、後悔は何もないよ!
新環境でブースターを使おうと多くのプレイヤーがわくわくしているのを僕は知っている。新しい環境での経験があまりない僕はそんなに多くを語りたくないけれど、次のローテーションでブースターが失うものは何もないみたいだ。それでもメタゲームは動いていくものだし、ブースターにとって相性のいいマッチアップがまだあるか、見守る必要がある。
デッキに入りそうなカードとして、ブースターはBW9から新しいフワライドを手に入れた。それにゴチアギをメタる必要はもうない。ただし、ブースターはプラズマ団のポケモンだから、もしも銀色の鏡が広く使われるなら、ツールスクラッパーを入れるスペースは作らないといけないだろうね。ブースターが戦えるデッキであり続けられるかどうかは、時間が経ってみないとわからない。
世界大会で、昔の友達や新しい友達に会うのは楽しかった。一緒にプレイテストしてくれたみんなと、僕にブースターで突っ走るようように言ってくれたみんなに感謝したいと思う。次回の世界大会では、ずっとほしかった結果を残せるよう願っているよ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以上になります。かなり長めの記事でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
デッキコンセプトが通常のデッキとは違う方向を向いていて、読んでいてとても楽しい記事でした。レポートを全部訳しきらなかったのは申し訳なく思います。
時間があれば、次回も60cards.netからもうひとつくらい訳してみたいのですが……果たしてどうなることやら。
コメント
秘密
多分チェックの段階で変な英語に変えられちゃってる可能性が高いんですよね。
(実際私の出落ち感maxな記事はそうです)
ちなみに原文は上がらないと思います。
米田さんに確認しましょうか?
謎の期待がwww原文アップされないなら訳そうと思います。
>>魔女さん
いずれにせよ僕の読解力のせいで変な日本語に変えてしまう可能性が高いので問題ないと思いますw
あまりお手数をおかけするわけにもいかないですし、原文がアップされないならされないで、訳してしまおうと思います。
通常とは違うベクトルのデッキで、デッキ考察や対戦レポートも非常に詳しく書かれていて大変勉強になりましたし、読んでいてホント楽しい記事でした。
翻訳本当にありがとうございました。
リンクいただきますね。
読んでいただきありがとうございます。
僕もこのデッキの内容は気になっていたので、60cards.netさんにレポートがあがってよかったと思います。
リンクお返しいたしました。
しかし、こんな構築になってたのか……世界にはいろんな人がいますね。
感服です。
どうもありがとうございます。この構築は僕もびびりました。成功の理由は、コンセプトと考え方が一貫していたからでしょうね。
翻訳お疲れ様でした。
夢中になりながら全文読ませていただきました。
独創的なデッキで世界の広さを実感しますね!
リンク頂戴致しました。
WCS2013の情報を集めていたんですが、
この記事と、WCS2013の興味深いデッキたちの記事が大変参考になりました。
ありがとうございます。
イーブイズは、ちょっと前に自分でもデッキを組もうと思っていたんですが、
こちらも参考にして組んでみようと思います。
今後とも宜しくお願いします。
初めまして。お読みいただきありがとうございました。
海外の構築は日本と考え方が違うことが多いので、いろいろと刺激になります。
リンクお返しいたしました。
>>ヒジリさん
初めまして。両エントリともお読みいただきありがとうございます。
僕も自分で訳しながらブイズを試してみたくなりました。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
いつもお世話になっております。
この度江別市大麻の方でカードショップを始めることになりました。
よろしければ相互リンクよろしくお願いします。
おー、ついにオープンするんですね、がんばってください! 僕もそのうち遊びに行こうと思います。
リンクお返しいたしました。