【翻訳】燃え上がれブースター:WCSベスト16入賞レポート(1/2)
 今年のWCS本大会の予選スイスラウンドの日、会場じゅうの話題をさらっていたデッキがありました。それはブースターリーフィアエーフィフワライドダストダステラキオンランドロスタブンネバリヤード。何を言っているのかわかりませんが、僕もそれを聞いたときは全く意味がわかりませんでした。
 今回の記事は、そのブースターデッキを使ってスイスラウンドを10位で突破した本人によるデッキ解説です。出典は、新進気鋭のポケカサイト、60cards.netから。
 かなりボリュームのある記事ですが、考え方やデッキの細部など、面白さが詰まっています。

 いつもどおり、訳語の至らなさや誤訳の責任は、すべて僕うきにんに属します。
 読みやすさを考慮して、改行を追加した部分があります。
(今回も例によって無許可翻訳なので、何かあればすぐに削除します)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Burning up the competition with Flareon: My Top 16 Worlds Report
by Dylan Bryan
Wednesday, August 21, 2013
ttp://60cards.net/blog/posts/detail/5


■イントロダクション

 やあ。僕のことをブースターでベスト16に入った奴だとしか知らないひとたちのために、自己紹介をしておこう。僕の名前はディラン・ブライアン。工学を専攻している大学2年生で、ポケモンを始めたのは6歳のころだ。第一弾からジム拡張まではプレイしていた。それからまた再開したのだけれど、それは、以来7年間に及んでいる僕の競技ポケカ生活の始まりだったわけだ。かれこれ6年間、権利を取って世界大会に出場している。そこそこ良い成績と、へんてこなデッキチョイス。僕のことをそう認識しつつある人もいる。大きめの大会での最近の成績はこんな感じだ:

〔※訳注:実績ある人なのですが文章が伸びるので成績省略。気になる人は原文を〕

 この成績を自慢しようというわけではないけれど、一方で僕は、ライターなら大会で安定した成績を取るべきだと思っている。真剣に読んでもらうためにね。それでも僕は、ちょっとの幸運と当たり運を味方につけて、Nationalsや世界大会でどでかい成績を取ってもみたい。とはいえ、僕はどの環境でもうまくやっていると感じるし、結果として安定した成績をあげてきたように思う。

 みんなの興味を引いた一番最近の成果といえば、ブースターでのベスト16入賞だ。大勢のプレイヤーは、このデッキを、プラズマに相性が悪くてカメックスにも良いとは言えない、PTCGO向けのファンデッキだと言って切り捨てた。でもこのデッキを使うのは楽しかったし、もしプラズマとの相性が改善できれば、ポテンシャルはあると感じていた。
 僕は自分のデッキリストを広げて、カード選択を細かく解説しようと思う。けれどその前に、このデッキを作っているとき背後にあった思考のプロセスと、なぜ世界大会で使うことにしたのかを説明してみたい。

■もくじ

・世界大会に至るまでの考え
・デッキリスト
・デッキ戦略
・世界大会レポート
・結論

■世界大会に至るまでの考え

 世界大会への準備段階で一番多く受けた質問は、僕のデッキ選択に関するものだった。取り組み方は人によって違うから、僕は自分の方法しか説明できない。実際のところ、僕は自分が何のデッキを使うことになるのか、イベント前夜まで全然わからない。当日の朝でさえもね! 頭がおかしいように見えるかもしれない。たぶんそうなんだろう。ただ、自分の頭の中ではデッキ選択を絞り込んでいる。
 僕はこういうデッキを求めているんだ。過小評価されているようだけれど、メタゲーム的には強いデッキ。自分ならミラーマッチで有利にできそうな、安定したトップメタのデッキ。あるいは、メタ内デッキには安定して強く、なおかつサプライズの要素を持ったまったく新しいデッキ。Nationalsの結果を眺めたあと、僕はこの基準だけで、ある程度までデッキ選択を絞ることができた。

 ほかのみんなはカメックスデッキでRegionalsを勝てていたけれど、僕が使うとBattle Roadsではまったく勝てなかった。ミラーマッチはかなり運の要素が大きく、良いときは良いけど駄目なときはまるで駄目なデッキに思えた。このデッキはれっきとしたメタ内デッキに見えるけれど、対戦中に起こることは、往々にしてプレイヤーの手を離れ、デッキの引きがどうだったかに依存する。だから、このデッキを使っている自分を想像することは、どうしてもできなかった。

 レックビールも僕に全然合わなかったデッキのひとつだ。このミラーマッチも運の要素が大きいし、対プラズマの相性も不満だった。このデッキは正しい構築と幸運があればポテンシャルを発揮するだろうけれど、カメックスデッキ同様、これを使うのは僕の手に負えないように思えて、候補から外した。

 それからダークライに目を向けて、安定したデッキだったので気に入った。とはいえ、バリヤードのほかには、ミラーマッチで優位に立つ方法は存在しなかった。もし誰もがバリヤードを使えば、僕は五分五分の戦場の上で戦うことになる。対カメックスと対ギギギアルは、とりわけ2本先取の形式では、勝つのが非常に難しい。唯一自信があったマッチアップは対プラズマと対ダークダストだったけど、後者はあまり流行るとは思えなかった。ダークライは安定したデッキだし、優れたプレイヤーと、恵まれた当たり運と、それから少しの幸運で、結果的に世界大会を制した。ただ僕にとっては、メタゲームへの正しい回答には思えなかったんだ。

 それから僕はルギア型プラズマについて考えた。5割ぐらいの確率でゴチアギを何とかできて、まんたんのくすりが2枚あれば5割くらいダークライに勝てて、5割くらいカメケルに勝てて、改造ハンマーがあればちょっとだけミラーマッチに有利になる。ただ、ギギギアルや、ライコウEX入りのレックビールや、ダークダストなんかのようなメタ外デッキと当たるときつい。主流のデッキにはまずまずやれるだろう。けれど、それだってほんのわずかなアドバンテージに過ぎず、しかも大量のメタ外デッキたちに対してはまったくの無防備だ。それが、結局僕がプラズマを使わなかった理由だった。

 ゴチアギは、この環境のなかでは奇妙な立ち位置だ。世界大会に向けて、このデッキが多く使われるようになるのか、それとも徹底的にメタられるのか、僕にはまったくわからなかった。たとえ対戦相手が複数枚のケルディオEXのような対抗策を入れていたとしても、先攻2ターン目ゴチルゼルはひたすらに強い。世界大会に到着するまでは、僕はこのデッキを使おうかと考えていた。けれどそこで、みんながどれほど対ゴチアギに躍起になっているのか、そして多数派デッキはどれほどメタられるのかを目の当たりにしてしまった。LCQをゴチアギがひとつも通過しなかったのがその証拠だ。

 次にギギギアルを見てみようと思った。実はこのデッキはただの個人的な好みなのだけれど、これを使ってNationalsのトップ8に入れたときは、このデッキにもメリットがあるように思えた。このデッキが抱える最大の問題はゴチアギだ。このマッチアップをメタるためにギギギアルが持ち出すのは、3枚のケルディオEX、2枚のダークライEX、4枚のプリズムエネルギーだ。けれど、たったひとつのマッチアップのためだけに、これだけのカードをデッキに入れるのは良い気分がしなかった。とはいっても、ギギギアルは、カメックス、ダークライ、ルギア型プラズマ、ビクティニなしのレックビールにはものすごく強く、キュレムとアブソルに重きを置いたプラズマに対しても有利な戦いができる。
 Nationals後には、メタゲームはゴチアギとの相性が悪いデッキから確実に離れていった。それによって、レックビールはスペース作りのためにビクティニを抜き、ダークダストの使用者は減り、ルギア型プラズマがプラズマ派生の最大勢力になった。これはギギギアルにとって何を意味するのだろうか? もしあなたがスイスラウンドでゴチアギを、そして決勝トーナメントでダークダストを回避できるようなことがあれば、非常に良いところまで行けるだろうね。もし決勝トーナメントまでたどり着ければ、このデッキはとても強いはずだろう。ただ、スイスラウンドを抜けるにはあまりにリスクが大きかった。もしもゴチアギに相性の悪いデッキを使うとなれば、僕はギギギアルを選んだだろうけれど。このせいで、ダークダストとルギアのないプラズマを使う気は起こらなくなった。

 最後に考えたのがブースターだった。ブースター/デスカーンはファンデッキだったけれど、もともとは、対ゴチアギ用デッキとして作られた。ただ、相性の悪いマッチアップのせいで、一線級のデッキになってはいなかった。たかが30ダメージのためにサイドを1枚献上するデスカーンは、僕には根本的に駄目なカードに思えた。とはいっても、サイドを献上しないようにとデスカーンのディープグレイブを使わなかったところで、あっというまにブースターが4体倒されてアタッカーが切れ、否応なく負けてしまうだろう。
 そこで、僕のアイディアはこうだった。様々なマッチアップで効果的なカードをデスカーンと置き換え、対戦相手にキャッチャーでイーブイやブースターを狙わせることなくサイド6枚を引かせることを強制する。デスカーンを生贄にして、ブースターのふくしゅうのためにトラッシュにポケモン2枚を送り込んで30ダメージを与えるよりも、そのターンにもっと脅威になるポケモンを出して30以上のダメージで攻撃し、対戦相手にそれを倒させる。こうすれば対戦相手はイーブイやブースター以外のポケモンを倒すので、僕はアタッカーが途切れずに済む。
 デスカーンでトラッシュを埋めて僕自身が倒される代わりに、対戦相手が脅威になっている僕のポケモンを倒してくれるほうに託した。もしも相手が僕のポケモンを倒さないならば、彼はサイド6枚を引けないというわけだ。加えて、アララギ博士やハイパーボールやパソコン通信でポケモンを捨てるターンまでも得られる。これらすべての要素が、ブースターのふくしゅうのダメージを最大化する上で重要だ。

 Nationalsの前にはこのデッキに、ダストダス、ランドロスEX、コバルオンEX、メタモン、タブンネを入れて組んだ。それでも対プラズマの相性は悪くて、僕はこの案を投げ捨てた。コバルオンEXはプラズマ対策として十分ではなかった。ところが、トラッシュの特殊エネルギー×50ダメージを与えるBW5のフワライドと改造ハンマーを一緒に使う案を、友達が僕に紹介してくれた。これはブースターデッキが必要としていた、対プラズマへの強烈な対策カードだった。ただ、改造ハンマーを入れようとするとデッキを安定させるカードが抜けてしまう。このデッキについて僕は、ギギギアルデッキを横に置きながら午前2時まで悩み続けた。

〔※長い記事なので、デッキとレポートはhttp://ukinins.diarynote.jp/201309011612531526/に続きます!〕

コメント

mflog
2013年9月1日15:42

翻訳お疲れ様です。
続きも楽しみにしています。

うきにん
2013年9月1日16:19

>>mflogさん
読んでいただきありがとうございます!
続きもアップしましたので、どうぞご覧になって下さい。

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