ご存知の方も多いかもしれませんが、Esa Juntunenというフィンランドの強豪プレイヤーが、1月9日から18日にかけて、東京に旅行に来ていました。
その旅行で秋葉原チェルモに参戦したときのことを、本人がブログでレポートとして書いています。
http://www.thedeckout.com/2013/01/eye-on-japan-tournament-report-from.html
今回はせっかくなので、そのレポートを翻訳することにしました。本当はその場にいた東京の方々の方がふさわしい気もするのですが、今回は他の方々同様、上のレポートの読者の一人として訳してみました、ということでご容赦いただければ。Esaとメールのやりとりをしていた関係で僕の名前が何度か出てきますが、どうかお気になさらずに……。
翻訳の許可はもらっていますが、誤訳の責任はすべて僕うきにんに属します。()内は原文ママ、〔〕内は僕の訳注めいたものです。
もし興味のある方は、ぜひ原文も読んでみてください。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Eye on Japan: Tournament report from Tokyo!
Friday, January 18, 2013
http://www.thedeckout.com/2013/01/eye-on-japan-tournament-report-from.html
みんな、こんにちは!
これを書いているのは東京からフィンランドへ戻る飛行機の中だ。東京旅行は本当に最高だった。でもこのブログはポケカのことに絞って書いてるから、旅行の細かいことよりも、みんなが関心のあることについて詳しく書こうと思う――大会に出て体験したことと、日本のメタゲームだ。
僕はこれまで、4つの国でポケカをプレイする機会に恵まれてきた。フィンランドではありとあらゆる大会に出た。スウェーデンではCitiesとRegionalsに出たし、オランダではECCに出た〔※訳注:それぞれ、都市別大会、国別代表決定戦、ヨーロッパチャレンジカップ〕。それにアメリカでの世界大会にも参加したしね。東京でも大会に出れたおかげで、これで5ヶ国でプレイしたことになるね! 確かに、中には僕よりもたくさんの国でプレイしてきたプレイヤーもいると思う。けれどそれでも、これだけ多くの国でプレイできて、良い人たちにもたくさんめぐり合えた自分は、本当に恵まれていると思うんだ。
結局のところ、僕にとってポケカは、何よりも国境を越えたゲームだ。フィンランドのポケカ人口は年々減ってきている。もしこのような、国を越えるつながりがなかったら、このゲームはあっというまにつまらないものになってしまうだろうね。
このエントリは、幸運にも僕が知り合うことのできた、それら国境を越える全てのポケカプレイヤーたちひとりひとりに捧げたい。僕が体験して感じたすばらしさを、うまく伝えることができたらと強く願っている。
それじゃあ始めようか!
東京では、「チェルモ」というお店の大会に出ることにしていた。とはいえ東京に行くのは初めてで、お店の場所も全然わからないから、たどり着くための案内みたいなものが必要だ。ありがたいことに、うきにんさんが東京のあむさんの連絡先を教えてくれたし、あむさんは僕に、大会の日時や地図を送ってくれた。旅行初日に秋葉原に行ったときは、地図を持っていかなかったせいでお店を見つけられなかった。けれど月曜日に改めて秋葉原に来てみたら、実は初日にお店の前を2度も通り過ぎてたことに気づいたんだけどね!
日本に持っていったのは、ミュウツーをタッチしたハンマータイム(Regionalsで使ったやつ)と、あとは適当なカードだけだった〔※訳注:Hammertimeはいわゆるクラハンヤミラミ〕。日本に行く前にうきにんさんと日本の環境について話してたけど、僕はボルトロスEX/デオキシスEXがそこそこいて、あとは海外と同じようなデッキとあたるだろうと踏んでいた。とはいえ、日本のカードを買うつもりがなかったこともあって、タチワキシティジムとどくさいみん光線のコンボに対して、僕はほとんど無防備だった(何より、毒の解除に役立つっていうケルディオEXを僕は1枚も持ってなかった)。まあとりあえず、ボルトロスEXがハンマータイムに向かってくるときのことを考えたら、デッキにテラキオンを仕込んでおきたかった。なのに手持ちのカードを見てみたら、テラキオンも闘エネも持ってきてなかったんだよ! ……間抜けとしか言いようがないね。それでミュウツーEX入りで出るしかなかった(大会中は全く役に立たなかったけど)。
ついでに言っておくなら、Boundaries Crossedは内容が酷いことになってたし、そのセットのカードを僕は1枚も買ってなかった〔※訳注:Boundaries CrossedはBW6に相当〕。だから大会に出たこの時点で、僕は実際、日本のプレイヤーより3セットぶん時代遅れだったわけだね(笑)。大会に持ち込んだデッキはこんな感じだった。
4 ダークライEX
4 ヤミラミ
1 ミュウツーEX
4 アララギ博士
4 N
3 ベル
2 ランダムレシーバー
4 ハイパーボール
4 ダークパッチ
4 ポケモンキャッチャー
3 クラッシュハンマー
2 改造ハンマー
2 エネルギーつけかえ
2 しんかのきせき
1 悪のツメ
1 ツールスクラッパー
1 まんたんのくすり
1 きずぐすり
13 悪エネルギー
驚くような部分は何もないね。まだエーススペックを持ってなかったせいで、このデッキのMVPが入ってないってことを除けばだけど。僕の意見では、デッキに十分な枚数のドローソースが入っているなら、ハンマータイムではパソコン通信よりゴールドポーションの方がいいと思う(ただこの大会では13枚のドロソは十分じゃないってことを思い知らされた)。
ともあれ、大会当日になって僕は簡単にお店の場所を発見できた。小さいけど、こじんまりとして居心地のいいお店で、たくさんの人がいろいろなカードゲームで遊んでいた。ただ僕にできたのは、シングルカードの値段を羨望のまなざしで眺めることぐらいだった。バカみたいに安かったからね。そのとき、とある1枚のカードがとりわけ目に付いた。日本語版のゴールドポーションが、3.5ユーロ(4ドルくらい)だ。海外では日本語版カードは使えないけど、たとえ今回の大会ただ1度きりのためだけだとしても、これはかなりお買い得に思えた。それでもこの時点では、ただ見ていただけで買いはしなかった。
そして、ついにあむさんと会うことができた。あむさんは僕が大会に受け付けするのを手伝ってくれた。僕の名前は、たとえば英語式に文字を発音するとかなり違うんだけど、フィンランド語での発音と日本語での発音はかなり似ていた。だから日本のプレイヤーには、僕の名前はかなり発音しやすかったみたいだ。大会は時間通りに始まったけど、笑えることに1回戦であむさんと当たってしまった。席につきながらも僕は、ちょっとでも勝つ見込みを増やすためにはやっぱりゴールドポーションを買っておくべきだったと思っていた。ただ、ジムチャレンジトーナメントではデッキ記入用紙は配られなかった。だから僕はその場でデッキの内容を変えることができた。僕はあむさんにカードを1枚買って戻ってくると伝えてから、ゴールドポーションを買ってデッキ内のまんたんのくすりを抜いた。最終的に、ゴールドポーションのおかげで何試合も勝ちを拾うことができたんだ(繰り返して言っておこう)。
大会の説明は全部日本語だったから、何回戦があって何人が参加しているのか見当もつかなかった。それでもありがたいことに、ポケモンは世界共通語だからね。それと、もし読者のみんなが対戦相手のデッキ内容がわからないときのために、各マッチの説明のあとにカード名の翻訳を付け足しておいた。
1回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/ルギアEX)
ヤミラミ1匹スタートで先攻だった〔※訳注:原文では先攻に読めるのですが、後の文章と矛盾するためこれは後攻の間違いだと思われます〕。彼はボルトロスEXスタートで、これは困ったなと思った。そのデッキは多少プレイテストしたけど、相当に速くてアグレッシブだ。ただ、このマッチアップ自体はハンマータイムには有利だ。こっちは向こうの早いプレッシャーにも耐えられる。だって相手は特殊エネルギーしか使ってこないからね! とはいっても、こっちはハンマー嵌めだけで勝つことはできない。ボルトロスEXは上のワザでトラッシュからエネを拾えるからね。
どくさいみん光線、タチワキシティジムやデオキシスEXのおかげで、1ターン目にヤミラミを1発できぜつさせることなんて難しくもなんともない。彼は1ターン目にフウロをプレイした。これはタチワキシティジム+デオキシスEX+どくさいみん光線=終了、かなと思った。運良く向こうはどくさいみん光線を握ってなくて、僕は1ターン延命することができた。彼はデオキシスEXを置いて、ヤミラミに40ダメージでエンドした。
こっちの手札にはありがたくもゴールドポーションがあった。だから僕はヤミラミを回復させて、しんかのきせきを貼ってから展開し始めた。2ターン目にも倒されなかったおかげでかなり展開しやすかった。ハンマーで妨害を始めてみたら、早い段階でハンマーがけっこう表を出してくれたおかげで、向こうがエネをつけるのを完全に阻害できた。4ターン目までに彼はこちらのヤミラミを2体倒し、僕はNで相手の手札を4枚にしてからハンマーをボルトロスEXに撃ってエネを1枚だけにして、ダークライEXで殴り始めた。
〔※訳注:最後のハンマーをボルトに撃つくだりは、原文では "Hammered his Thundurus EX to one energy"。文法的には「ボルトEXにハンマーを撃って、エネを1枚まで減らした」の意味になると思うのですが、文脈を考えたら「ボルトEXについてたエネ1枚めがけてハンマーを撃った」の意味な気もします。いちおう今回は前者で訳しました〕
いったん殴り始めたら、ダークライEXでサイドを5枚取ることができた。ゴールドポーションはトラッシュからジャンクハントで回収した。向こうはしんかのきせきを入れてないから、ナイトスピアはベンチに並ぶEX軍団(とキュレム)にはかなり壊滅的な効果を発揮できた。
ゲーム終盤は覚えてないけど、最後まで相当拮抗したゲームだったのは思い出せる。ただ最終的に彼のデッキのリソース(いれかえやエネルギー)が尽き果てて、こちらがナイトスピアで勝つことができた。彼はつねにバトル場のアタッカーを入れ替えて戦ってきていた。だからゲーム終盤は、Nを浴びたあとにキャッチャーを引き込めなかったせいもあって、簡単にサイドを取るというわけにはいかなかった。
参加者のほとんどが僕たちの周りに集まっていたことに、対戦が終わってから気が付いた。するとみんなが、丁寧な感じに拍手をしてくれた。僕はとてもびっくりしたけれど、その拍手のおかげで、試合や大会全体が、とてもいい雰囲気に感じられた。
1-0
2回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/カビゴン)
またしてもヤミラミ1匹スタート。ただその前に5枚もたね無しでマリガンしたんだけどね! 向こうが先攻だったし、こっちが何度もマリガンしたからかなりマズい感じだ。こっちは1キルされるのを座って待ってたけど、またしてもありがたいことに、彼は1ターン目にフウロをプレイ、そしてヤミラミに50ダメージだけでターンを終えた。僕は初手にきずぐすりとしんかのきせきを引けていたから、まずヤミラミを30回復してきせきを貼ってから、キャッチャーでベンチのデオキを呼んでハンマーを撃ちつつ展開し始めた。けれど展開はなかなかうまくいかなかった。ちょっとした原因のせいでね――サポーターがない! さっきの試合でも終盤にドローソースが引けてないって問題があったけど、今回はそれが序盤に起こったわけだ。この時点で僕はもう、デッキの中のサポーターが少なすぎるってことに気づかされていた。
2ターン目に彼はカビゴンをベンチに出した。それを見て僕はチャンスが来たなと思った。カビゴンは攻撃に5エネが必要で、逃げるコストは4だ。ハンマー嵌めと、デッキ切れまでキャッチャーし続けるターゲットとしては、こいつ以上にふさわしいのはいない。けれど、勝ち筋に気づいたのと同時に、ヤミラミが2体サイド落ちしているのにも気づいていた。げんきのかけらもすごいつりざおも入れてない以上、もしヤミラミを生き延びさせられなかったら、これは困ったことになる。
僕がひたすら相手のリソース切れを狙ってるってことを相手に気づかれないように、僕はナイトスピアとジャンクハントを使うバランスに苦心した。もし彼が気づいたら、真っ先にこっちのヤミラミを潰しにくるだろうからで、そうなればこっちは負けるほかない(マリガンと後攻のせいで、こっちはかなり出遅れている)。
終盤、相手はポケモンいれかえを使い果たし、あと僕がやるべきなのはカビゴンのエネを剥がしてしまうことだけだった(クラハンのコインが悲惨だったせいでカビゴンには既に5エネがついていた)。それでもゲームを通じて結局コインの表が全然出ず、開始時のマリガンとヤミラミのサイド落ちも相まって、僕はサイド0-6で負けてしまうことになった。序盤から出遅れすぎたのと、Nで流された最後の改ハンを引き込めなかったこともあって、サイドは1枚も取れなかった。最終的に、彼はスクランブルスイッチでゲームを終わらせた。計算してはいたけど、向こうがそれを入れてるかどうかまでは自信がなかったんだ。ベンチにデオキ2体ありの5エネカビゴンって、きせき付きダークライでも叩き潰せるぐらいのすさまじい打点が出るんだよね……(200ダメージ!)
1-1
〔※少し長いので次回に続きます!〕
その旅行で秋葉原チェルモに参戦したときのことを、本人がブログでレポートとして書いています。
http://www.thedeckout.com/2013/01/eye-on-japan-tournament-report-from.html
今回はせっかくなので、そのレポートを翻訳することにしました。本当はその場にいた東京の方々の方がふさわしい気もするのですが、今回は他の方々同様、上のレポートの読者の一人として訳してみました、ということでご容赦いただければ。Esaとメールのやりとりをしていた関係で僕の名前が何度か出てきますが、どうかお気になさらずに……。
翻訳の許可はもらっていますが、誤訳の責任はすべて僕うきにんに属します。()内は原文ママ、〔〕内は僕の訳注めいたものです。
もし興味のある方は、ぜひ原文も読んでみてください。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Eye on Japan: Tournament report from Tokyo!
Friday, January 18, 2013
http://www.thedeckout.com/2013/01/eye-on-japan-tournament-report-from.html
みんな、こんにちは!
これを書いているのは東京からフィンランドへ戻る飛行機の中だ。東京旅行は本当に最高だった。でもこのブログはポケカのことに絞って書いてるから、旅行の細かいことよりも、みんなが関心のあることについて詳しく書こうと思う――大会に出て体験したことと、日本のメタゲームだ。
僕はこれまで、4つの国でポケカをプレイする機会に恵まれてきた。フィンランドではありとあらゆる大会に出た。スウェーデンではCitiesとRegionalsに出たし、オランダではECCに出た〔※訳注:それぞれ、都市別大会、国別代表決定戦、ヨーロッパチャレンジカップ〕。それにアメリカでの世界大会にも参加したしね。東京でも大会に出れたおかげで、これで5ヶ国でプレイしたことになるね! 確かに、中には僕よりもたくさんの国でプレイしてきたプレイヤーもいると思う。けれどそれでも、これだけ多くの国でプレイできて、良い人たちにもたくさんめぐり合えた自分は、本当に恵まれていると思うんだ。
結局のところ、僕にとってポケカは、何よりも国境を越えたゲームだ。フィンランドのポケカ人口は年々減ってきている。もしこのような、国を越えるつながりがなかったら、このゲームはあっというまにつまらないものになってしまうだろうね。
このエントリは、幸運にも僕が知り合うことのできた、それら国境を越える全てのポケカプレイヤーたちひとりひとりに捧げたい。僕が体験して感じたすばらしさを、うまく伝えることができたらと強く願っている。
それじゃあ始めようか!
東京では、「チェルモ」というお店の大会に出ることにしていた。とはいえ東京に行くのは初めてで、お店の場所も全然わからないから、たどり着くための案内みたいなものが必要だ。ありがたいことに、うきにんさんが東京のあむさんの連絡先を教えてくれたし、あむさんは僕に、大会の日時や地図を送ってくれた。旅行初日に秋葉原に行ったときは、地図を持っていかなかったせいでお店を見つけられなかった。けれど月曜日に改めて秋葉原に来てみたら、実は初日にお店の前を2度も通り過ぎてたことに気づいたんだけどね!
日本に持っていったのは、ミュウツーをタッチしたハンマータイム(Regionalsで使ったやつ)と、あとは適当なカードだけだった〔※訳注:Hammertimeはいわゆるクラハンヤミラミ〕。日本に行く前にうきにんさんと日本の環境について話してたけど、僕はボルトロスEX/デオキシスEXがそこそこいて、あとは海外と同じようなデッキとあたるだろうと踏んでいた。とはいえ、日本のカードを買うつもりがなかったこともあって、タチワキシティジムとどくさいみん光線のコンボに対して、僕はほとんど無防備だった(何より、毒の解除に役立つっていうケルディオEXを僕は1枚も持ってなかった)。まあとりあえず、ボルトロスEXがハンマータイムに向かってくるときのことを考えたら、デッキにテラキオンを仕込んでおきたかった。なのに手持ちのカードを見てみたら、テラキオンも闘エネも持ってきてなかったんだよ! ……間抜けとしか言いようがないね。それでミュウツーEX入りで出るしかなかった(大会中は全く役に立たなかったけど)。
ついでに言っておくなら、Boundaries Crossedは内容が酷いことになってたし、そのセットのカードを僕は1枚も買ってなかった〔※訳注:Boundaries CrossedはBW6に相当〕。だから大会に出たこの時点で、僕は実際、日本のプレイヤーより3セットぶん時代遅れだったわけだね(笑)。大会に持ち込んだデッキはこんな感じだった。
4 ダークライEX
4 ヤミラミ
1 ミュウツーEX
4 アララギ博士
4 N
3 ベル
2 ランダムレシーバー
4 ハイパーボール
4 ダークパッチ
4 ポケモンキャッチャー
3 クラッシュハンマー
2 改造ハンマー
2 エネルギーつけかえ
2 しんかのきせき
1 悪のツメ
1 ツールスクラッパー
1 まんたんのくすり
1 きずぐすり
13 悪エネルギー
驚くような部分は何もないね。まだエーススペックを持ってなかったせいで、このデッキのMVPが入ってないってことを除けばだけど。僕の意見では、デッキに十分な枚数のドローソースが入っているなら、ハンマータイムではパソコン通信よりゴールドポーションの方がいいと思う(ただこの大会では13枚のドロソは十分じゃないってことを思い知らされた)。
ともあれ、大会当日になって僕は簡単にお店の場所を発見できた。小さいけど、こじんまりとして居心地のいいお店で、たくさんの人がいろいろなカードゲームで遊んでいた。ただ僕にできたのは、シングルカードの値段を羨望のまなざしで眺めることぐらいだった。バカみたいに安かったからね。そのとき、とある1枚のカードがとりわけ目に付いた。日本語版のゴールドポーションが、3.5ユーロ(4ドルくらい)だ。海外では日本語版カードは使えないけど、たとえ今回の大会ただ1度きりのためだけだとしても、これはかなりお買い得に思えた。それでもこの時点では、ただ見ていただけで買いはしなかった。
そして、ついにあむさんと会うことができた。あむさんは僕が大会に受け付けするのを手伝ってくれた。僕の名前は、たとえば英語式に文字を発音するとかなり違うんだけど、フィンランド語での発音と日本語での発音はかなり似ていた。だから日本のプレイヤーには、僕の名前はかなり発音しやすかったみたいだ。大会は時間通りに始まったけど、笑えることに1回戦であむさんと当たってしまった。席につきながらも僕は、ちょっとでも勝つ見込みを増やすためにはやっぱりゴールドポーションを買っておくべきだったと思っていた。ただ、ジムチャレンジトーナメントではデッキ記入用紙は配られなかった。だから僕はその場でデッキの内容を変えることができた。僕はあむさんにカードを1枚買って戻ってくると伝えてから、ゴールドポーションを買ってデッキ内のまんたんのくすりを抜いた。最終的に、ゴールドポーションのおかげで何試合も勝ちを拾うことができたんだ(繰り返して言っておこう)。
大会の説明は全部日本語だったから、何回戦があって何人が参加しているのか見当もつかなかった。それでもありがたいことに、ポケモンは世界共通語だからね。それと、もし読者のみんなが対戦相手のデッキ内容がわからないときのために、各マッチの説明のあとにカード名の翻訳を付け足しておいた。
1回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/ルギアEX)
ヤミラミ1匹スタートで先攻だった〔※訳注:原文では先攻に読めるのですが、後の文章と矛盾するためこれは後攻の間違いだと思われます〕。彼はボルトロスEXスタートで、これは困ったなと思った。そのデッキは多少プレイテストしたけど、相当に速くてアグレッシブだ。ただ、このマッチアップ自体はハンマータイムには有利だ。こっちは向こうの早いプレッシャーにも耐えられる。だって相手は特殊エネルギーしか使ってこないからね! とはいっても、こっちはハンマー嵌めだけで勝つことはできない。ボルトロスEXは上のワザでトラッシュからエネを拾えるからね。
どくさいみん光線、タチワキシティジムやデオキシスEXのおかげで、1ターン目にヤミラミを1発できぜつさせることなんて難しくもなんともない。彼は1ターン目にフウロをプレイした。これはタチワキシティジム+デオキシスEX+どくさいみん光線=終了、かなと思った。運良く向こうはどくさいみん光線を握ってなくて、僕は1ターン延命することができた。彼はデオキシスEXを置いて、ヤミラミに40ダメージでエンドした。
こっちの手札にはありがたくもゴールドポーションがあった。だから僕はヤミラミを回復させて、しんかのきせきを貼ってから展開し始めた。2ターン目にも倒されなかったおかげでかなり展開しやすかった。ハンマーで妨害を始めてみたら、早い段階でハンマーがけっこう表を出してくれたおかげで、向こうがエネをつけるのを完全に阻害できた。4ターン目までに彼はこちらのヤミラミを2体倒し、僕はNで相手の手札を4枚にしてからハンマーをボルトロスEXに撃ってエネを1枚だけにして、ダークライEXで殴り始めた。
〔※訳注:最後のハンマーをボルトに撃つくだりは、原文では "Hammered his Thundurus EX to one energy"。文法的には「ボルトEXにハンマーを撃って、エネを1枚まで減らした」の意味になると思うのですが、文脈を考えたら「ボルトEXについてたエネ1枚めがけてハンマーを撃った」の意味な気もします。いちおう今回は前者で訳しました〕
いったん殴り始めたら、ダークライEXでサイドを5枚取ることができた。ゴールドポーションはトラッシュからジャンクハントで回収した。向こうはしんかのきせきを入れてないから、ナイトスピアはベンチに並ぶEX軍団(とキュレム)にはかなり壊滅的な効果を発揮できた。
ゲーム終盤は覚えてないけど、最後まで相当拮抗したゲームだったのは思い出せる。ただ最終的に彼のデッキのリソース(いれかえやエネルギー)が尽き果てて、こちらがナイトスピアで勝つことができた。彼はつねにバトル場のアタッカーを入れ替えて戦ってきていた。だからゲーム終盤は、Nを浴びたあとにキャッチャーを引き込めなかったせいもあって、簡単にサイドを取るというわけにはいかなかった。
参加者のほとんどが僕たちの周りに集まっていたことに、対戦が終わってから気が付いた。するとみんなが、丁寧な感じに拍手をしてくれた。僕はとてもびっくりしたけれど、その拍手のおかげで、試合や大会全体が、とてもいい雰囲気に感じられた。
1-0
2回戦(ボルトロスEX/デオキシスEX/キュレム/カビゴン)
またしてもヤミラミ1匹スタート。ただその前に5枚もたね無しでマリガンしたんだけどね! 向こうが先攻だったし、こっちが何度もマリガンしたからかなりマズい感じだ。こっちは1キルされるのを座って待ってたけど、またしてもありがたいことに、彼は1ターン目にフウロをプレイ、そしてヤミラミに50ダメージだけでターンを終えた。僕は初手にきずぐすりとしんかのきせきを引けていたから、まずヤミラミを30回復してきせきを貼ってから、キャッチャーでベンチのデオキを呼んでハンマーを撃ちつつ展開し始めた。けれど展開はなかなかうまくいかなかった。ちょっとした原因のせいでね――サポーターがない! さっきの試合でも終盤にドローソースが引けてないって問題があったけど、今回はそれが序盤に起こったわけだ。この時点で僕はもう、デッキの中のサポーターが少なすぎるってことに気づかされていた。
2ターン目に彼はカビゴンをベンチに出した。それを見て僕はチャンスが来たなと思った。カビゴンは攻撃に5エネが必要で、逃げるコストは4だ。ハンマー嵌めと、デッキ切れまでキャッチャーし続けるターゲットとしては、こいつ以上にふさわしいのはいない。けれど、勝ち筋に気づいたのと同時に、ヤミラミが2体サイド落ちしているのにも気づいていた。げんきのかけらもすごいつりざおも入れてない以上、もしヤミラミを生き延びさせられなかったら、これは困ったことになる。
僕がひたすら相手のリソース切れを狙ってるってことを相手に気づかれないように、僕はナイトスピアとジャンクハントを使うバランスに苦心した。もし彼が気づいたら、真っ先にこっちのヤミラミを潰しにくるだろうからで、そうなればこっちは負けるほかない(マリガンと後攻のせいで、こっちはかなり出遅れている)。
終盤、相手はポケモンいれかえを使い果たし、あと僕がやるべきなのはカビゴンのエネを剥がしてしまうことだけだった(クラハンのコインが悲惨だったせいでカビゴンには既に5エネがついていた)。それでもゲームを通じて結局コインの表が全然出ず、開始時のマリガンとヤミラミのサイド落ちも相まって、僕はサイド0-6で負けてしまうことになった。序盤から出遅れすぎたのと、Nで流された最後の改ハンを引き込めなかったこともあって、サイドは1枚も取れなかった。最終的に、彼はスクランブルスイッチでゲームを終わらせた。計算してはいたけど、向こうがそれを入れてるかどうかまでは自信がなかったんだ。ベンチにデオキ2体ありの5エネカビゴンって、きせき付きダークライでも叩き潰せるぐらいのすさまじい打点が出るんだよね……(200ダメージ!)
1-1
〔※少し長いので次回に続きます!〕
コメント
海外情報に興味があるので、リンクさせて頂きます。
はじめまして。
そんなに頻繁に海外情報に触れるわけではないのですが、リンクいただきありがとうございました。
リンクお返しいたしました。