【コラム】完全コピーデッキのススメ
2012年10月10日コメント (16)（※長ったらしいので読んでいただくのは半分より下の方だけでもかまいません）
■はじめに
カードゲームにはいつも、根強く、そして求心力のあるひとつの風潮が存在します。
オリジナルデッキはすばらしい。
その通りでしょう。見慣れない動きも、斬新なカードも、それで勝つ楽しさも、まさにカードゲームの醍醐味と言って過言ではありません。
とはいえ、すべての人がこの風潮に乗り切れているわけではないのも確か。みなが「オリジナルデッキ」を作れたら、そんなものは存在しなくなってしまうはずです。
一方で、最近少しずつ聞こえてき始めたものに、「初心者には強い人の模倣が良い」という意見もあります。
この意見はそう悪くないようにも見えますが、しかし重大すぎる書き落としがあるのもまた事実。
今回は、いわゆる「コピーデッキ」を全力で擁護します。それどころか称揚します。オリジナル賛美の風潮とて決して悪いとは思いませんが、完全コピーすることにも、そしてそれで大会に出て勝つことにだって同じくらい価値があると、強く主張してみたいと思います。そして、前述の助言「初心者には～」で見落とされがちなことにもまた、注目してみたいと思います。
■○○○オリジナルデッキ
そもそも、です。
あなたにはオリジナルデッキを作った経験はありますか？
「ある」と答えられるプレイヤーは少なからずいるでしょう。僕はその方々を尊敬します。とはいえ、そのようなプレイヤーは果たしてどれほどいるのでしょうか。あまり多くはないだろうと思います。
世間一般で「オリジナルデッキ」が褒められているとき、冒頭の３文字は見逃されがちです。
実際に褒められているのは、「（勝てる）オリジナルデッキ」であるにもかかわらず。褒められるのはたいてい、オリジナルさよりも強さであることが多いのです。
もちろん、あらゆるデッキがオリジナルデッキだ、初心者の使うデッキこそ独創性があっていい、という意見も一理あります。
しかし、たとえば、なかなか勝てなかった頃の自分に照らして考えてみたとき、自分のデッキを「あなたのだってオリジナルデッキだ」と言われたら、ムッとするに違いありません。
勝ちたい人から見れば、勝ちきれない今のデッキなんて、メタにそぐわない、自分の気まぐれカードが少し混ざっただけの失敗作ですらあるからです。
今や、ネット上には試しきれないほどのデッキリストが溢れています。そして読みきれないほどのコラムも。図ったかのように株ポケも、強力カードの詰め合わせまで発売するというこの現状。
にもかかわらず、なぜ勝ちきれないのか。
■模倣と改造
例えばバトルカーニバルの結果で公開されたサザンダークは、大量の使用者を生み出しました。デッキリスト公開とそのフォロワーが生まれる傾向には、僕は諸手を挙げて賛成したいです。が、一方で、ひとつ訊きたいこともあります。
サザンダークを使っている（いた）人たちは、公開されたそのレシピを、一度でも、そのままの60枚で使ってみたことがありますか？
「模倣」の落とし穴がここにあります。ネットのデッキを見て、自分で組んでみたときに加える複数枚の「改造」、それこそが最大の悪手です。なぜか、本当にどういうわけか、そのときに抜かれるカードこそ、往々にして一番抜いてはいけないカードだからです（なぜ真っ先にドロソと進化補助がいじられユーティリティーカードが増やされるのでしょう）。
「改造」するのは、そのまま使ったあとでも遅くはないというのに。
さて、そのような強いデッキを使うことの効用なんて、しかし散々言い尽くされた今とあっては、もはや言うまでもありません。
強いデッキがなぜ強いかを知る。
しかしそれは、言うが易し、でも実際に知るのは、全く簡単ではありません（僕だってよく知りません）。
むしろ問題になるのは、その機会です。「オリジナルデッキ」が賛美され、コピーが後ろめたさを感じる環境で、「強くなるには、強いデッキを使って強さの理由を知ろう」といくら助言したって、空虚に響くだけでしょう。
オリジナルを称えつつ、初心者には強くなるための助言、これは正論に見えて、角度を変えれば単なる二枚舌です。
■結論
結論です。はっきり言いましょう。オリジナルなんてどうでもいい。強いデッキをそのまま60枚コピーして使って勝つ、それは卑怯でも何でもなく、強くなりたいプレイヤーの姿、むしろ勝てればすでに強いプレイヤーです。それを無下に非難することこそ、卑怯者のやり方でしょう。
勝てば官軍と言いたいわけではありません。たくさんのデッキリストが公開され、コラムが大量に書かれ、強力カードが簡単に手に入る時代に、コピーが敬遠され貶められ、その一方でオリジナルが称揚される、その方がナンセンスだというだけの話です。
だからこそ。
参考にすべきデッキリストはたくさんあります。考察も読みきれないほど書かれています。まずは、使ってみてはどうでしょう。後ろめたさを感じることなく、そのまま組んで、大会に持って行ってみてはどうでしょう。どんなオリジナルが騒がれていても、気にすることなく戦って、そして倒してしまえばいいんです。
実際に大切なことは、そんな部分ではないからです。勝敗は最後の部分に過ぎません。
一番大切なこと、そして一番足りないもの、それはそもそもの部分、つまりデッキの「完全コピー」に踏み切るだけの、そのささやかな度胸なのですから。
■はじめに
カードゲームにはいつも、根強く、そして求心力のあるひとつの風潮が存在します。
オリジナルデッキはすばらしい。
その通りでしょう。見慣れない動きも、斬新なカードも、それで勝つ楽しさも、まさにカードゲームの醍醐味と言って過言ではありません。
とはいえ、すべての人がこの風潮に乗り切れているわけではないのも確か。みなが「オリジナルデッキ」を作れたら、そんなものは存在しなくなってしまうはずです。
一方で、最近少しずつ聞こえてき始めたものに、「初心者には強い人の模倣が良い」という意見もあります。
この意見はそう悪くないようにも見えますが、しかし重大すぎる書き落としがあるのもまた事実。
今回は、いわゆる「コピーデッキ」を全力で擁護します。それどころか称揚します。オリジナル賛美の風潮とて決して悪いとは思いませんが、完全コピーすることにも、そしてそれで大会に出て勝つことにだって同じくらい価値があると、強く主張してみたいと思います。そして、前述の助言「初心者には～」で見落とされがちなことにもまた、注目してみたいと思います。
■○○○オリジナルデッキ
そもそも、です。
あなたにはオリジナルデッキを作った経験はありますか？
「ある」と答えられるプレイヤーは少なからずいるでしょう。僕はその方々を尊敬します。とはいえ、そのようなプレイヤーは果たしてどれほどいるのでしょうか。あまり多くはないだろうと思います。
世間一般で「オリジナルデッキ」が褒められているとき、冒頭の３文字は見逃されがちです。
実際に褒められているのは、「（勝てる）オリジナルデッキ」であるにもかかわらず。褒められるのはたいてい、オリジナルさよりも強さであることが多いのです。
もちろん、あらゆるデッキがオリジナルデッキだ、初心者の使うデッキこそ独創性があっていい、という意見も一理あります。
しかし、たとえば、なかなか勝てなかった頃の自分に照らして考えてみたとき、自分のデッキを「あなたのだってオリジナルデッキだ」と言われたら、ムッとするに違いありません。
勝ちたい人から見れば、勝ちきれない今のデッキなんて、メタにそぐわない、自分の気まぐれカードが少し混ざっただけの失敗作ですらあるからです。
今や、ネット上には試しきれないほどのデッキリストが溢れています。そして読みきれないほどのコラムも。図ったかのように株ポケも、強力カードの詰め合わせまで発売するというこの現状。
にもかかわらず、なぜ勝ちきれないのか。
■模倣と改造
例えばバトルカーニバルの結果で公開されたサザンダークは、大量の使用者を生み出しました。デッキリスト公開とそのフォロワーが生まれる傾向には、僕は諸手を挙げて賛成したいです。が、一方で、ひとつ訊きたいこともあります。
サザンダークを使っている（いた）人たちは、公開されたそのレシピを、一度でも、そのままの60枚で使ってみたことがありますか？
「模倣」の落とし穴がここにあります。ネットのデッキを見て、自分で組んでみたときに加える複数枚の「改造」、それこそが最大の悪手です。なぜか、本当にどういうわけか、そのときに抜かれるカードこそ、往々にして一番抜いてはいけないカードだからです（なぜ真っ先にドロソと進化補助がいじられユーティリティーカードが増やされるのでしょう）。
「改造」するのは、そのまま使ったあとでも遅くはないというのに。
さて、そのような強いデッキを使うことの効用なんて、しかし散々言い尽くされた今とあっては、もはや言うまでもありません。
強いデッキがなぜ強いかを知る。
しかしそれは、言うが易し、でも実際に知るのは、全く簡単ではありません（僕だってよく知りません）。
むしろ問題になるのは、その機会です。「オリジナルデッキ」が賛美され、コピーが後ろめたさを感じる環境で、「強くなるには、強いデッキを使って強さの理由を知ろう」といくら助言したって、空虚に響くだけでしょう。
オリジナルを称えつつ、初心者には強くなるための助言、これは正論に見えて、角度を変えれば単なる二枚舌です。
■結論
結論です。はっきり言いましょう。オリジナルなんてどうでもいい。強いデッキをそのまま60枚コピーして使って勝つ、それは卑怯でも何でもなく、強くなりたいプレイヤーの姿、むしろ勝てればすでに強いプレイヤーです。それを無下に非難することこそ、卑怯者のやり方でしょう。
勝てば官軍と言いたいわけではありません。たくさんのデッキリストが公開され、コラムが大量に書かれ、強力カードが簡単に手に入る時代に、コピーが敬遠され貶められ、その一方でオリジナルが称揚される、その方がナンセンスだというだけの話です。
だからこそ。
参考にすべきデッキリストはたくさんあります。考察も読みきれないほど書かれています。まずは、使ってみてはどうでしょう。後ろめたさを感じることなく、そのまま組んで、大会に持って行ってみてはどうでしょう。どんなオリジナルが騒がれていても、気にすることなく戦って、そして倒してしまえばいいんです。
実際に大切なことは、そんな部分ではないからです。勝敗は最後の部分に過ぎません。
一番大切なこと、そして一番足りないもの、それはそもそもの部分、つまりデッキの「完全コピー」に踏み切るだけの、そのささやかな度胸なのですから。
コメント
それなりに元気ですｗ時間のあるときはwisdomでちょこちょこ回したりしています。
他の方のレポートを読むのが楽しみになっていますが、このあいだの３連休は本当に面白そうで羨ましかったですｗ
コラム読ませていただきました。自分もそれでこそ殿堂スタンではオリジナルデッキを使ってますが、やはりBWスタンではコピーデッキでもいいので勝てるデッキを作って戦っています。勝てない理由はいくらコピーしてもプレイングですかね。
うーん、コピーのつもりが自分でデッキに加えた数枚の改造が改悪になっている可能性だってあります（霧生さんのレポを読むかぎり、切り込み隊長くんの場合はその可能性がとても高いと思うのですが）。
プレイの問題は一人だけだとわかりにくいので、イベントや大会などで、周りの人に見てもらいながら対戦するといいですよ。僕もときどきやるのですが、手札公開してアドバイスもらいながらのフリー対戦などはかなり参考になります。
つい最近私が取り上げたトピックと同じトピックでのコラムでしたので興味深く拝見いたしました！
うきにんさんが述べておられる、『「模倣」の落とし穴』の点にいたく共感いたしました。はじめて1年足らずでそこまで言及して生意気に思われるのが嫌で記事中には書きませんでしたが、模倣する際に加えるアレンジはだいたい改悪につながりますよね。私は昔から、躊躇なく完全コピーしてましたが。(今でもw)
ただし完全コピーを経て、やはり自分の手に馴染む形に持っていく、カードを差し替えることも同様に重要だと考えております。
主に秋葉原チェルモで活動しているカメキチです！
リンクいただきましたm(__)m
コラム読ませていただきましたm(__)m
自分は自分のデッキにオリジナリティを求める側の人間なのですが
テンプレやコピーを批判するわけではありません。
テンプレやコピーが強いことを認めているからこそ、自分は他の人が使わないようなカードを使って勝とうとしたり、よく使われているカードでも使い方を変えてみたり(アタッカーをサポートとして使ってみたり)して勝とうします。
ですから、テンプレなどに勝てたらとても嬉しいですし、負けたらとても悔しいです。
それに、ポケモンカードはデッキが強いのではなく、使う人が強くなければ意味がない、と考えています。
たとえ優勝者のデッキを完コピしても、使いこなせなければ意味がありません。
逆にそれを使いこなせれば、それはもうその人のデッキです。
自分の中での結論は、誰も相手のデッキに文句は言えませんし、言われる筋合いもないということです。
使いたいカードを使って楽しくプレイできればそれでいいんです。
長文で申し訳ございませんm(__)m
お手数ですが、上の私のコメントは消していただけると幸いです。
失礼致しました。
最終的に自分の手になじむ形に持っていくのは、僕も重要だと思いますしコラムでも全く否定していないつもりです。デッキの動かし方がわかれば、そこに至るのは当然の帰結でしょうから。
コラムを書くのに、始めた時期や期間はあまり関係ないのではないでしょうか。異論や意見は誰かかれかがコメントしてくれるでしょうしね。
リンクいただきました。
僕もオリジナリティを求めること自体を否定するつもりはありません。それどころか、文中にもあるように、本当に面白いデッキを作れる人は尊敬します。
それでも、オリジナリティを求めることや使いたいカードを使うということは、ポケカでは今も昔も繰り返し言われてきていることです。なので今回はあえて、全く逆の立場から主張してみた、という次第です。
誰もがオリジナリティがあってなおかつ強いプレイヤーになれるなら、誰も困りませんからね（そうなりたいものですが）。
リンクお返しいたしました。
リンクお返しいたしました。
なかなか完コピがされない理由は、あげぽよさんのおっしゃっていた「後ろめたさ」は確かにあるでしょうね。でも一度自分の技量を過信するのをやめてすぱっとコピーしてしまうと、けっこう気が楽になるものですｗ
宜しければリンクお願い致します。
いつも記事を興味深く拝見しております。
因みに、かってながら、うきにんさんの前の記事のデッキコピーを結構回させて頂いてました、、結構しっくり使わせて頂いております笑
いずれ札幌に戻ると思うので、お会いできるとは思いますｗ
ダークライはDNでめぼしいものを見つけられなかったので自分で作りました。カメケルやゼクビールは他のプレイヤーさんのものを使いまくってるのですが。
リンクお返しいたしました。
私も完コピはそこそこ嫌っていましたが、やはり大型イベントで上位に入賞してるデッキには美しさがありますし、その美しさが何かをつきとめることが大変意義のあることだと感じてきました。なので「完全コピー」が強いプレイヤーへの近道であることにものすごく同意です!!
リンクいただきます。
美しいデッキを見つけると思わず感動してしまうことは僕にもよくあります。それがメタ内デッキだろうと、メタ外デッキだろうと、その美しさをそのまま体感してみることは絶対に価値あることだろうと僕も思います。
リンクお返しいたしました。
相手は言った。コピーだから勝つに決まってんだろー 周囲もはげど
そして次に他の奴と戦った。ギリギリのいい試合で負けた。そして
相手はこう言った。コピーのくせに負けるとかないわ(笑) 周囲もはげど
そして俺は腹が立ちそのデュエマ場になってる教室のゴミ箱に、二度とやらね！とコピーデッキ皆には申し訳ない気持ちで投げ棄てた
時と場合によりますが実際コピーは善悪どっちなんだろうか……グレーゾーン…