北京にポケカはあるの?② ~ Can find PTCG in Beijing ? ~
北京にポケカはあるの?② ~ Can find PTCG in Beijing ? ~
 某日午後3時、まずは最初の突撃作戦を決行する。第一の目的地は小街卡牌店だ。
 北京地鉄5号線の北新橋で下車して西に直進する。交道口東大街は王府井のやや北にあるためか、道も広く人通りもそこそこある。この店を候補地にした理由も、北京の繁華街に近かったからだ。
 駅から5分ほど歩くと、通りに面した店舗のひとつに「万智牌」の文字を発見! 万智牌はMtGの中国語表記だ。目指す店はどうやら建物の2階らしいので、入り口から中に入り階段を上がる(外観の写真がないのは撮ってもあんまり意味ないからです)。
 そしてついに到着。カードショップは歯医者さんの隣にあった。歯医者さんの隣にMtGの巨大ポスターが貼ってあるのはかなりシュールである。カードプレイヤーも歯が命なのだろうか?

 さていざ店内へ。店内の様子は(ttp://www.963.com/pdnewViews.asp?NID=588)で見ることができます。写真でもわかることだけれど、店内の雰囲気ははっきり言ってとってもいい。内装も洒落ていて天井からの飾りも凝っている。しかも店内は写真よりは広く、実際の対戦卓も写真よりもうちょっと多い。少なくとも40人ほどのキャパはありそうだ。
 しかし、である。
 見つけたときから嫌な予感はしていた。そして予感は往々にして当たるものだが、この店、悲しいかな万智牌(=MtG)の専門店だったのだ。店の奥には販売カウンターらしき場所があるが、カウンターの奥の壁の棚にはMtGのボックスが無造作に積まれているものの、他のTCGは一切見当たらない。ポケカはおろか、知名度がありそうな遊戯王さえない。店内を見回せば、思い思いに対戦しているか、またはドラフトに興じているお客さんたちは皆MtGプレイヤーだ。そしてカウンターにいる店員らしきやる気ゼロの姉ちゃんは話しかけるなオーラをびんびんに出していてこっちの心をばっきり折るには十分すぎた。というわけで撤収! 滞在時間10分弱、MtGを求めて来たなら歓喜に沸いていたところだが、あいにくこちらは悲しきポケカプレイヤーなのだった。

 見込みが甘かったか……でもカードショップには行き当たることがわかったし、次は繁華街、王府井の中心だしもうちょっと期待が持てるかな? 気を取り直して二軒目!
 というわけで、やって来ました王府井【写真1枚目】。
 目指すのはその名もずばり王府井卡牌店だ。上記の住所の場所は事前に調べておいたのだが、実際に行ってみると、北方佳苑なるビルは、王府井に面した側に王府井書店が入っている以外は、外観の大部分が北方佳苑飯店という大型ホテルなのだ。……ホテル? カードショップはどこ?
 ホテルの正面玄関から入るわけにもいかないので、建物の周囲をぐるぐる回る。しばらくすると、北側の一角に小さな扉を見つけた。横には、住所どおりの「北方佳苑写字間」の文字が。見つけたか。
 ドアを開けて中に入る。そこは小部屋で、エレベーターが2機。そしてエレベーター前の受付台のようなところには、門衛らしき兄ちゃんが1人。門衛?
 まあ引き返すわけにもいかないので、兄ちゃんに、紙に書いた住所を指差しつつインチキ中国語で「ここ(北方佳苑C410)ってこの建物の中でいいの?」と訊く。
 兄ちゃん、紙をしげしげと眺めてから、「C410ならエレベーターに乗って行ってね。でもこれ書いて」そう言って差し出された紙は、見てみると何故かここのホテルの来客受付用紙。……僕はカードショップに行きたいだけなんですが?
 怪しく思いつつも名前等々を書いて出したら何かオッケーっぽかったので、まあいいやって感じである。410なら4階だろうと見当をつけてエレベーターの「↑」ボタンを押して待つ。と、後ろから兄ちゃんの声。
「上じゃない。下だよ下!」
「下!?」
「そう。下だよ」
 なぜ下? この時点で怪しさ200%である。が、まあエレベーターに乗ってから考えればいいかと思い、下も押して待った。やがてエレベーターが来たので乗る。そして兄ちゃんの言葉が正しかったことに気づく。
 エレベーターには「1」「2」…「6」までの階数ボタンがあるが、そこには「4」がなかったのだ。実は日本語と同様に中国語でも「四」と「死」の発音が似ているため、建物には使われないこともあるという。こんなところで出くわすとは不覚だった。いやいや目指すC410は?
 答えはエレベーターのボタンにあった。「1」の下に並ぶボタンは、「-1」「-2」「-3」、そして「-4」。……地下かよ。しかも地下4階かよ。どう考えても地球上で一番低い位置にあるカード屋だろそれ。

 まあツッコミを押さえつつ地下へ下降開始! すぐに到着して扉が開くが、目の前に広がっていた、というか伸びていたのは人の気配ゼロの薄暗い(というか暗い)通路であった。どこだここは。
 まあ写字間は中国語で事務所の部屋のようなものを指すので、ここは要するにオフィスフロア、というか雑居フロアのはずなのだ。が、この日は週末だったので、残業大国日本ならともかくここ某人民共和国では休日に労働者なんているわけない。つまりこのフロアには人がいない。まるで廃校になった学校の廊下か何かに来た気分であった。ただし窓はもちろんない。
 まあ引き返す意味もないので薄暗い通路を進む。通路の両側にはガラスのドアが等間隔にあり、中を覗くとなるほど事務所か何からしい。激狭いけど。意外と入り組んでいた通路を進むうち、ドア上の部屋番号の記号がAからBに、BからCに変わった。もうすぐだ。
 ついに前方に電気のついた部屋を発見! いきなり廊下に電気が漏れてるとこがあったから正直めちゃびびったのだが、ともかくやっと着いた! 喜び勇んでドアから中を覗いたうきにんさんは、ここまでの疲労が3倍になるほどの超絶がっかり感に襲われる。何だここ?
 店内の様子は(ttp://www.963.com/bsnewViews.asp?NID=1420)の下3枚の写真にある。写真ではそこそこ広そうだが、実際は写真に写ってる部分がほぼすべてだ。学校の教室の半分くらいの面積の部屋に、卓というか机が無造作に並んでいるだけ。キャパは15人くらい? そして店内の片隅にある長テーブルとその背後の棚には、MtGのボックスがいくつか積まれているのみ……本当にカードショップなのかここは?
 まあ店内には4人くらいが座ってMtGをやっていたのでカードショップらしいのだが……ここが写真のように満席になるとはちょっと驚きというか色んな意味で不可解である。お客さんをじろじろ見てたらそのうち1人がこっちを見て何か言ってきたけれど、返事を考える気力すら失ってたこっちは「えっとね……」とか中国語で言いつつジャパニーズスマイルを浮かべながら迅速に撤収! 店の外観の写真撮るの忘れたけど、さっき以上に撮る意味がない……。

 通路を引き返し、エレベーターで1階に戻る。門衛の兄ちゃんがこちらに気づいたようだったので、「辿り着けたけど、欲しいものはなかったよ」とお礼と一緒に言っておく。この兄ちゃんってこの小部屋の門衛として一生を終えるのかな……とか思ったら意味もなく寂寥感に襲われるけど、よく考えたらテメーは自分の心配をしろって感じである。
 まあそれはいいとして、このまま手ぶらで帰るのもアレなので、せっかくだからすぐそばにある王府井書店【写真2枚目】を探検してみることにした。ひょっとしたらポケモン関係グッズに遭遇できるかもしれないし!
 フロア案内を確認し、真っ先に向かったのは、ポケモンが一番生息してそうな子供向け書籍コーナーだ。が、またも見込みは大きく外れる。ハリー・ポッターがいた。コナン君までいた。が、ポケモンがない。ポケモンだけない。地下がCD・DVDコーナーになっていたので突撃するが、日本アニメをたくさん発見できたもののポケモンがない。ジブリやエヴァやハガレンがあった。でもポケモンがない。カードはおろかアニメさえない。ピカチュウのピの字すら見えない。一体なぜ。
 もしかして……中国本土でのポケモンの知名度って、限りなく低いのでは?
 煮え切らない気持ちのままこの日は日が暮れてタイムアップ。近くの百貨店のフードコートで晩御飯に回鍋肉蓋飯(12元)を従業員の隣で食べてこの日の探索は終了になった。王府井をたくさん歩いていた外国人観光客たちはどこでご飯を食べてるんだろうと思っていたら、マックとケンタッキーに消えていた……。

 次回に続く!

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